以下、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。本開示は、以下の各実施の形態で説明する構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含み得る。また、以下の説明において、「水」との表記は、その温度にかかわらず、冷水から熱湯まで、液状の水全般を含みうるものとする。また、以下の説明において、泡沫とは、気泡が多数集まることでクリーム状の塊を形成する泡を意味する。すなわち、泡沫とは、フォーム(foam)を意味する。また、以下の説明において、洗剤すなわち界面活性剤が混合された水を「洗剤水」と称する。また、以下の説明において、浴槽内に溜められた水を「浴水」と呼ぶことがある。
実施の形態1.
図1を用いて、実施の形態1の浴槽洗浄システムを備えた給湯システム100の構成を説明する。図1は、実施の形態1の給湯システム100を示す構成図である。
図1に示すように、実施の形態1の給湯システム100は、給湯装置1、浴槽洗浄装置2、リモコン装置3および制御装置4を備える。
給湯装置1は、水を加熱し、加熱した水を浴槽200へ供給する装置である。給湯装置1は、貯湯タンク10、加熱装置11、加熱回路12、給水流路13、給湯流路14および浴水循環回路15を有する。本実施の形態において、給湯装置1は貯湯式の給湯装置である。給湯装置1は、貯湯式の給湯装置でなく、例えば瞬間式の給湯装置であってもよい。
貯湯タンク10は、加熱装置11により加熱された水を貯留する。貯湯タンク10内には、温度による水の密度の違いにより、上側が高温で下側が低温の温度成層が形成される。
加熱装置11は、貯湯タンク10から導かれた水を加熱する加熱手段である。本実施の形態において、加熱装置11は、ヒートポンプサイクルを利用して水を加熱するヒートポンプ式の加熱装置である。加熱装置11は、ヒートポンプ式の加熱装置でなく、例えば燃料式または電気ヒータ式の加熱装置であってもよい。
加熱回路12は、貯湯タンク10内の水を加熱装置11に送り、加熱装置11により加熱された水を貯湯タンク10内に戻す回路である。加熱回路12は、第一加熱配管21、第二加熱配管22および加熱循環ポンプ23を備える。
第一加熱配管21は、貯湯タンク10の下部と加熱装置11の水入口とを接続する。第二加熱配管22は、加熱装置11の湯出口と貯湯タンク10の上部とを接続する。加熱循環ポンプ23は、貯湯タンク10内の水を加熱装置11に送る。本実施の形態において、加熱循環ポンプ23は、第一加熱配管21の途中に設けられる。
給水流路13は、水道等の水源から給湯装置1に水を供給する流路である。給水流路13は、第一給水配管31および第二給水配管32を備える。
第一給水配管31は、水源と後述する混合弁43とを接続する。第二給水配管32は、第一給水配管31の途中と貯湯タンク10の下部とを接続する。
給湯流路14は、加熱装置11により加熱され貯湯タンク10に貯留された高温の水を浴槽200へ供給する流路である。給湯流路14は、第一給湯配管41、第二給湯配管42、混合弁43および給湯用電磁弁44を備える。
第一給湯配管41は、貯湯タンク10の上部と混合弁43とを接続する。第二給湯配管42は、混合弁43と浴水循環回路15とを接続する。
混合弁43は、三方弁であり、入口となるaポートおよびbポートと、出口となるcポートと、を有する。混合弁43のaポートには、第一給湯配管41が接続される。混合弁43のbポートには、第一給水配管31が接続される。混合弁43のcポートには、第二給湯配管42が接続される。混合弁43は、aポートから流入する水と、bポートから流入する水との混合比を調整することにより、cポートから流出する水の温度を調整する。
給湯用電磁弁44は、第二給湯配管42の途中に設けられる。給湯用電磁弁44は、第二給湯配管42内の流路を開閉する開閉弁である。
浴水循環回路15は、浴槽200内の浴水を循環させる回路である。浴水循環回路15は、第一風呂配管51、第二風呂配管52、加熱部53、浴水循環ポンプ54および水位センサ55を備える。
第一風呂配管51は、浴槽200の内壁に取り付けられた浴槽アダプタ110と加熱部53とを接続する。第二風呂配管52は、加熱部53と浴槽アダプタ110とを接続する。第一風呂配管51の途中には、第二給湯配管42が接続される。
浴槽アダプタ110は、吸込口111および吐出口112を有する。吸込口111には、第一風呂配管51が接続される。吸込口111は、浴槽200内の浴水を浴水循環回路15内に吸い込み可能である。吐出口112には、第二風呂配管52が接続される。吐出口112は、浴水循環回路15を循環する浴水を浴槽200へ吐出可能である。本実施の形態において、吸込口111は、鉛直方向において吐出口112よりも低い位置に設けられる。
加熱部53は、浴水循環回路15を循環する浴水を加熱する。本実施の形態において、加熱部53は、貯湯タンク10から供給される高温水との熱交換によって浴水を加熱する熱交換器である。加熱部53は、例えば、電気ヒータによって浴水を加熱してもよいし、燃料の燃焼熱によって浴水を加熱してもよい。
浴水循環ポンプ54は、浴槽200内の浴水を浴水循環回路15に循環させる。本実施の形態において、浴水循環ポンプ54は第一風呂配管51の途中に設けられ、浴槽200から加熱部53へ向かう水の流れを発生させる。
水位センサ55は、浴槽200内の水位を検出する水位検出手段である。本実施の形態において、水位センサ55は第一風呂配管51の途中に設けられ、第一風呂配管51内の水圧に基づいて浴槽200内の水位を検出する。
浴槽洗浄装置2は、浴槽200を洗浄するための泡沫を浴槽200へ供給する装置である。浴槽洗浄装置2は、浴水循環回路15の途中に設けられる。浴槽洗浄装置2は、流路切替弁61、第一洗浄配管62、第二洗浄配管63、洗剤タンク64、洗剤用電磁弁65、洗剤水タンク66および泡沫生成装置67を備える。
流路切替弁61は、流路を切り替える流路切替手段である。流路切替弁61は、浴水循環回路15の途中に設けられる。本実施の形態において、流路切替弁61は、第二風呂配管52の途中に設けられる。流路切替弁61は、三方弁であり、aポート、bポートおよびcポートを有する。流路切替弁61のaポートには、加熱部側第二風呂配管52aの一端が接続される。加熱部側第二風呂配管52aは、第二風呂配管52における流路切替弁61よりも加熱部53側の部分である。加熱部側第二風呂配管52aの他端は、加熱部53に接続される。流路切替弁61のbポートには、浴槽側第二風呂配管52bの一端が接続される。浴槽側第二風呂配管52bは、第二風呂配管52における流路切替弁61よりも浴槽200側の部分である。浴槽側第二風呂配管52bの他端は、浴槽アダプタ110の吐出口112に接続される。流路切替弁61のcポートには、第一洗浄配管62の一端が接続される。第一洗浄配管62の他端は、洗剤水タンク66に接続される。流路切替弁61は、a-b流路、a-c流路およびb-c流路の3つの流路の間で流路を切替可能である。
第一洗浄配管62の途中には、第二洗浄配管63の一端が接続される。第二洗浄配管63の他端は、洗剤タンク64に接続される。
洗剤タンク64は、浴槽200を洗浄するために用いる洗剤を貯蔵する洗剤貯蔵部である。本実施の形態では洗剤タンク64に液体洗剤が貯蔵されている場合の例を説明するが、洗剤は例えば粉末洗剤であってもよい。
洗剤用電磁弁65は、第二洗浄配管63の途中に設けられる。洗剤用電磁弁65は、第二洗浄配管63内の流路を開閉する開閉弁である。洗剤用電磁弁65が開くことにより、洗剤タンク64内の洗剤が重力によって洗剤水タンク66へ供給される。洗剤用電磁弁65は、洗剤タンク64に貯蔵された洗剤を洗剤水タンク66へ供給する洗剤供給手段の一例である。なお、洗剤供給手段として、例えば、洗剤タンク64に貯蔵された洗剤を洗剤水タンク66へ供給するポンプを備えていてもよい。
洗剤水タンク66は、浴水循環回路15を通って送られてきた浴水と、洗剤タンク64から送られてきた洗剤とが混合して生成した洗剤水を貯留する洗剤水貯留部である。
泡沫生成装置67は、洗剤水タンク66に貯留された洗剤水に気体を混合して泡沫を生成する装置である。本実施の形態において、泡沫生成装置67は、洗剤水循環回路71、洗剤水循環ポンプ72、気液混合装置73、給気通路74および給気用電磁弁75を備える。
洗剤水循環回路71は、洗剤水タンク66に貯留された洗剤水を循環させる回路である。洗剤水循環回路71は、一端および他端が洗剤水タンク66に接続される。洗剤水循環ポンプ72は、洗剤水循環回路71に設けられ、洗剤水タンク66から気液混合装置73へ向かう洗剤水の流れを発生させる。気液混合装置73は、洗剤水循環回路71に設けられる。気液混合装置73は、気体と液体とを混合する装置である。給気通路74は、一端が気液混合装置73に接続され、他端が給気用電磁弁75に接続される。給気用電磁弁75は、給気通路74内の通路を開閉する開閉弁である。給気用電磁弁75は、気液混合装置73へ気体を供給する給気手段である。
気液混合装置73は、例えば、流路を縮径させる縮径部を有するエジェクタを備える。洗剤水循環ポンプ72により洗剤水循環回路71に洗剤水が循環している状態で給気用電磁弁75が開くと、気液混合装置73の縮径部に発生する負圧により、給気通路74を通って気体が気液混合装置73に供給される。これにより、気液混合装置73を通過する洗剤水に気体が注入され、泡沫が発生する。
なお、泡沫生成装置67は上述した構造に限られない。例えば、泡沫生成装置67は、気液混合装置73へ気体を供給する給気手段として空気ポンプを備えていてもよい。この場合、気液混合装置73はエジェクタを備えていなくてもよく、空気ポンプによって供給される気体と洗剤水循環回路71を循環する洗剤水とを混合できる構造であればよい。
リモコン装置3は、使用者からの操作を受け付ける操作端末である。リモコン装置3は、例えば浴室内に設置される。リモコン装置3は、表示部3aおよび操作部3bを有する。表示部3aは、給湯システム100の状態に関する情報を表示する。表示部3aは、例えば液晶ディスプレイによって構成される。表示部3aは、使用者に情報を報知する報知手段の一例である。操作部3bは、給湯システム100に関する使用者からの操作を受け付ける。操作部3bは、例えばボタンまたはキーによって構成される。
なお、表示部3aは、操作部の機能を兼ね備えたタッチパネルであってもよい。また、報知手段として表示部3aではなくスピーカ等の音声装置を備え、音声によって使用者に情報を報知するようにしてもよい。また、リモコン装置3は、浴室内ではなく、例えば台所またはリビングに設置されていてもよい。また、例えばスマートフォンのような携帯情報端末が操作端末としての機能を有するようにしてもよい。
制御装置4は、給湯システム100が備える各機器の動作を制御する。本実施の形態において、制御装置4は給湯装置1に搭載される。制御装置4は、給湯装置1以外の場所に設置されていてもよい。
また、制御装置4は、浴槽200の底部に設けられた自動排水栓210の動作を制御可能である。自動排水栓210は、制御装置4の制御により自動で開閉する。自動排水栓210が閉じているときは、浴槽200内に浴水を溜めることができる。自動排水栓210が開くと、浴槽200内に溜められた浴水が浴槽200の外部に排出される。
なお、実施の形態1の浴槽洗浄システムは、少なくとも浴槽洗浄装置2、浴水循環回路15および制御装置4によって実現される。
図2は、実施の形態1の給湯システム100の機能を示すブロック図である。図2に示すように、制御装置4は、給湯装置1、浴槽洗浄装置2、リモコン装置3および自動排水栓210とそれぞれ通信可能に接続されている。制御装置4には、操作部3bおよび水位センサ55からの情報が入力される。制御装置4は、入力されたこれらの情報に基づいて、表示部3a、加熱装置11、加熱循環ポンプ23、混合弁43、給湯用電磁弁44、浴水循環ポンプ54、流路切替弁61、洗剤用電磁弁65、洗剤水循環ポンプ72、給気用電磁弁75および自動排水栓210の動作を制御する。
制御装置4は、制御部81および記憶部82を備える。制御部81は、記憶部82に記憶された制御プログラムに従って各種処理を実行する。記憶部82は、制御部81が実行する制御プログラムおよび制御プログラムの実行に必要なデータを記憶する。
制御部81の機能は、例えばプロセッサがメモリに記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。記憶部82の機能は、例えばメモリにデータが記憶されることにより実現される。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)である。メモリは、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の不揮発性または揮発性の半導体メモリである。
次に、実施の形態1の給湯システム100の動作について説明する。実施の形態1の給湯システム100は、沸き上げ運転、湯張り運転、追い焚き運転および洗浄運転を実施可能である。
沸き上げ運転は、加熱装置11により加熱された水を貯湯タンク10内に貯留する運転である。沸き上げ運転において、制御部81は、加熱装置11および加熱循環ポンプ23を駆動する。これにより、貯湯タンク10内の下部の低温水が第一加熱配管21を通って加熱装置11に送られる。加熱装置11で加熱されて生成した高温水は、第二加熱配管22を通って貯湯タンク10内の上部に流入する。
湯張り運転は、加熱装置11により加熱されて貯湯タンク10内に貯留された湯を浴槽200へ供給する運転である。湯張り運転において、制御部81は、給湯用電磁弁44を開く。これにより、水源から供給された水が第一給水配管31および第二給水配管32を通って、貯湯タンク10内の下部に流入する。貯湯タンク10内の下部に水が流入すると、貯湯タンク10内の上部から高温の水が取り出される。貯湯タンク10内の上部から取り出された高温水は、第一給湯配管41を通って、混合弁43のaポートに流入する。また、水源から供給された低温の水は、第一給水配管31を通って、混合弁43のbポートに流入する。混合弁43では、貯湯タンク10内の上部から供給された高温水と、水源から供給された低温水とが混合される。混合弁43で混合されて温度調整された水は、二通りの流路で浴槽200内へ流入する。一つ目の流路は、第二給湯配管42、第一風呂配管51および吸込口111を通って浴槽200内へ流入する流路である。二つ目の流路は、第二給湯配管42、第二風呂配管52および吐出口112を通って浴槽200内へ流入する流路である。
追い焚き運転は、浴槽200内の浴水を加熱する運転である。追い焚き運転において、制御部81は、流路切替弁61をaポートとbポートとが連通した状態に切り替える。また、制御部81は、浴水循環ポンプ54を駆動する。これにより、浴槽200内の浴水が浴水循環回路15を循環して加熱部53で加熱され、加熱されて温度上昇した浴水が浴槽200内に流入する。
洗浄運転は、浴槽200内の洗浄を行う運転である。本実施の形態の給湯システム100は、洗浄運転において、洗剤水生成処理、浴槽洗浄処理および浴水供給流路洗浄処理を実施する。
洗剤水生成処理は、浴槽200内の浴水と、洗剤タンク64内の洗剤とを混合して洗剤水を生成する処理である。図3には、洗剤水生成処理において浴水が通過する浴水供給流路16を太線で示す。図3は、実施の形態1の給湯システム100を示す構成図であり、浴水供給流路16を示す図である。図3に示すように、浴水供給流路16は、洗剤水タンク66と吸込口111とを接続する流路である。本実施の形態において、浴水供給流路16は、第一風呂配管51、加熱部側第二風呂配管52aおよび第一洗浄配管62により構成される。なお、本実施の形態において、浴水循環ポンプ54は、浴水供給流路16に設けられ、浴槽200内の浴水を洗剤水タンク66に供給する浴水供給手段である。
浴槽洗浄処理は、泡沫生成装置67によって生成した泡沫を、吐出口112から浴槽200内に供給することにより、浴槽200内の洗浄を行う処理である。図4には、浴槽洗浄処理において泡沫が通過する泡沫供給流路17を太線で示す。図4は、実施の形態1の給湯システム100を示す構成図であり、泡沫供給流路17を示す図である。図4に示すように、泡沫供給流路17は、洗剤水タンク66と吐出口112とを接続する流路である。本実施の形態において、泡沫供給流路17は、第一洗浄配管62および浴槽側第二風呂配管52bにより構成される。
浴水供給流路洗浄処理は、泡沫生成装置67によって生成した泡沫を浴水供給流路16に供給することにより、浴水供給流路16の洗浄を行う処理である。
次に、洗浄運転における制御部81の具体的な動作について説明する。図5は、実施の形態1の制御部81の洗浄運転における動作を示すフローチャートである。図5に示す洗浄運転の処理は、例えば湯張り運転が終了した後に開始される。
ステップS1において、制御部81は、操作部3bにより洗浄運転を開始する洗浄指令を受けたか否かを判定する。制御部81は、操作部3bにより洗浄指令を受けていない場合にはステップS1で待機し、操作部3bにより洗浄指令を受けた場合にはステップS2に進む。
ステップS2において、制御部81は、自動排水栓210を開く。これにより、浴槽200内の排水が開始される。
ステップS3において、制御部81は、水位センサ55によって検出された浴槽200内の水位が吐出口112の位置以下であるか否かを判定する。制御部81は、水位センサ55によって検出された水位が吐出口112の位置よりも高い場合にはステップS3で待機し、水位センサ55によって検出された水位が吐出口112の位置以下である場合にはステップS4に進む。
ステップS4において、制御部81は、自動排水栓210を閉じる。これにより、浴槽200内の排水が停止される。すなわち、浴槽200内の水位が吸込口111と吐出口112との間の位置になった状態で保たれる。なお、図1には、浴槽200内の浴水の液面201が、吸込口111と吐出口112との間の位置にある状態を示している。
ステップS5において、制御部81は、洗剤水生成処理を実施する。すなわち、制御部81は、浴槽200内の浴水と洗剤タンク64内の洗剤とを混合して洗剤水を生成する。洗剤水生成処理における具体的な処理は後述する。
ステップS6において、制御部81は、浴槽洗浄処理を実施する。すなわち、制御部81は、ステップS5の洗剤水生成処理で生成した洗剤水を用いて、泡沫生成装置67によって泡沫を生成し、生成した泡沫を浴槽200に供給して浴槽200を洗浄する。浴槽洗浄処理における具体的な処理は後述する。
ステップS7において、制御部81は、浴水供給流路洗浄処理を実施する。すなわち、制御部81は、ステップS5の洗剤水生成処理で生成した洗剤水を用いて、泡沫生成装置67によって泡沫を生成し、生成した泡沫を浴水供給流路16に供給して浴水供給流路16を洗浄する。浴水供給流路洗浄処理における具体的な処理は後述する。ステップS7の処理が終了すると、制御部81は、図5に示す洗浄運転を終了する。
次に、図6を用いて、洗剤水生成処理における制御部81の具体的な動作について説明する。図6は、実施の形態1の制御部81の洗剤水生成処理における動作を示すフローチャートである。図6に示す洗剤水生成処理は、図5のステップS5の処理において実施される。
ステップS11において、制御部81は、洗剤用電磁弁65を開く。これにより、洗剤タンク64内に貯蔵された洗剤が、洗剤水タンク66に供給される。
ステップS12において、制御部81は、洗剤水タンク66に供給された洗剤量が設定洗剤量に達したか否かを判定する。制御部81は、洗剤水タンク66に供給された洗剤量が設定洗剤量に達していないと判定した場合にはステップS12で待機し、洗剤水タンク66に供給された洗剤量が設定洗剤量に達したと判定した場合には、ステップS13に進む。
なお、洗剤水タンク66に供給された洗剤量が設定洗剤量に達した否かは、例えば以下の方法で判定する。洗剤水タンク66に供給された洗剤の量は、洗剤用電磁弁65を開いてからの経過時間に基づいて推定できる。制御部81は、洗剤用電磁弁65を開いてからの経過時間が予め設定された設定時間に達した場合に、洗剤水タンク66に供給された洗剤量が設定洗剤量に達したと判定する。
ステップS13において、制御部81は、洗剤用電磁弁65を閉じる。これにより、洗剤水タンク66への洗剤の供給が停止される。
ステップS14において、制御部81は、流路切替弁61を制御して第一状態に切り替える。第一状態は、流路切替弁61のaポートとcポートとが連通した状態である。すなわち、第一状態では、吸込口111から洗剤水タンク66に至る浴水供給流路16が開通し、洗剤水タンク66から吐出口112に至る泡沫供給流路17が遮断される。
ステップS15において、制御部81は、浴水循環ポンプ54を駆動する。これにより、浴槽200内の浴水が浴水供給流路16を通って、洗剤水タンク66に供給される。洗剤水タンク66では、洗剤と浴水とが混合して洗剤水が生成する。
ステップS16において、制御部81は、洗剤水タンク66に供給された浴水の量が設定水量に達したか否かを判定する。制御部81は、洗剤水タンク66に供給された浴水の量が設定水量に達していないと判定した場合にはステップS16で待機し、洗剤水タンク66に供給された浴水の量が設定水量に達したと判定した場合にはステップS17に進む。
なお、洗剤水タンク66に供給された浴水の量が設定水量に達した否かは、例えば以下の方法で判定する。洗剤水タンク66に供給された浴水の量は、浴水循環ポンプ54の回転数と、浴水循環ポンプ54の駆動を開始してからの経過時間とに基づいて推定できる。制御部81は、浴水循環ポンプ54を予め設定された設定回転数で駆動し、浴水循環ポンプ54の駆動を開始してからの経過時間が予め設定された設定時間に達した場合に、洗剤水タンク66に供給された浴水の量が設定水量に達したと判定する。
ステップS17において、制御部81は、浴水循環ポンプ54の駆動を停止する。これにより、洗剤水タンク66への浴水の供給が停止される。ステップS17の処理が終了すると、制御部81は、図6に示す洗剤水生成処理を終了する。
次に、図7を用いて、浴槽洗浄処理における制御部81の具体的な処理動作について説明する。図7は、実施の形態1の制御部81の浴槽洗浄処理における動作を示すフローチャートである。図7に示す浴槽洗浄処理は、図5のステップS6の処理において実施される。
ステップS21において、制御部81は、流路切替弁61を制御して第二状態に切り替える。第二状態は、流路切替弁61のbポートとcポートとが連通した状態である。すなわち、第二状態では、洗剤水タンク66から吐出口112に至る泡沫供給流路17が開通し、洗剤水タンク66から吸込口111に至る浴水供給流路16が遮断される。
ステップS22において、制御部81は、泡沫生成装置67を駆動する。本実施の形態において、制御部81は、洗剤水循環ポンプ72を駆動し、給気用電磁弁75を開く。これにより、洗剤水タンク66内の洗剤水が洗剤水循環回路71を通って気液混合装置73に供給される。また、給気通路74を通って、気体が気液混合装置73に供給される。気液混合装置73において、洗剤水に気体が注入され、泡沫が発生する。発生した泡沫は、洗剤水循環回路71を通って洗剤水タンク66内に流入する。洗剤水タンク66内に流入した泡沫は、洗剤水タンク66内の洗剤水の液面上に蓄積する。洗剤水タンク66内が泡沫で満たされると、第一洗浄配管62および浴槽側第二風呂配管52bが順次泡沫で満たされ、吐出口112から浴槽200内に泡沫が吐出される。吐出口112から吐出された泡沫は、浴槽200内の液面201上に蓄積する。液面201上に蓄積した泡沫は、吐出口112から続いて吐出される泡沫に押されて、上方へ盛り上がる。このようにして、浴槽200内の液面201よりも上の空間が泡沫で満たされる。これにより、浴槽200の内壁の全周にわたって泡沫が付着するので、浴槽200の内壁の全周に対して泡沫による洗浄効果を及ぼすことができる。
なお、本実施の形態において、浴槽200に吐出される泡沫の泡径は、例えば1μmから5000μmの範囲とする。泡径とは、個々の気泡の直径を算術平均した値を意味するものとする。浴槽200に吐出される泡沫の泡径は、直径50μm以下の気泡を含むことが望ましい。直径50μm以下の気泡を含む泡沫によれば、特に優れた洗浄性能が得られる。浴槽200に吐出される泡沫の泡径は、直径500μm以上の気泡を含むようにしてもよい。直径500μm以上の比較的大きい径の気泡を含む泡沫を浴槽200内に吐出することにより、浴槽200内に泡沫をより迅速に満たすことができる。
ステップS23において、制御部81は、浴槽200内が泡沫で満たされたか否かを判定する。制御部81は、例えば、浴槽200内の泡沫上面202の位置が予め設定された設定位置以上となった場合に、浴槽200内が泡沫で満たされたと判定する。本実施の形態において、制御部81は、浴槽200内の泡沫上面202の位置が浴槽200の上端に近い位置になった場合に、浴槽200内が泡沫で満たされたと判定する。図1には、浴槽200の上端に近い位置まで泡沫が満たされたときの泡沫上面202の位置を示す。浴槽200の上端に近い位置まで泡沫が満たされるようにすることにより、浴槽200の上端に近い位置まで泡沫による洗浄効果を及ぼすことができる。制御部81は、浴槽200内が泡沫で満たされていないと判定した場合にはステップS23で待機し、浴槽200内が泡沫で満たされたと判定した場合にはステップS24に進む。
なお、浴槽200内における泡沫上面202の位置は、例えば、浴槽洗浄処理の開始時に水位センサ55によって検出された浴槽200内の水位と、浴槽200のサイズと、浴槽200内に供給された泡沫の体積とに基づいて推定できる。浴槽200のサイズは、湯張り運転時における水の供給量と浴槽200内の水位との関係に基づいて推定できる。浴槽200内に供給された泡沫の体積は、泡沫生成装置67の駆動時間から推定できる。
また、浴槽200内における泡沫上面202の位置は、水位センサ55による検出値に基づいて推定できる。この場合、水位センサ55による検出値と、泡沫の体積との関係が予め記憶部82に記憶される。制御部81は、浴槽洗浄処理の開始時において水位センサ55により検出された浴槽200内の水位と、浴槽洗浄処理中における水位センサ55の検出値の変化とに基づいて、泡沫上面202の位置を推定する。
ステップS24において、制御部81は、泡沫生成装置67の駆動を停止する。すなわち、制御部81は、洗剤水循環ポンプ72の駆動を停止し、給気用電磁弁75を閉じる。これにより、泡沫の生成が停止される。
ステップS25において、制御部81は、自動排水栓210を開く。これにより、浴槽200内の浴水が排水されるとともに、浴槽200内に蓄積された泡沫の位置が低下し、浴槽200内の壁面および底面の全体に泡沫が付着する。つまり、浴槽200内の全体に対して、泡沫による洗浄効果を及ぼすことができる。ステップS25の処理が終了すると、制御部81は、図7に示す浴槽洗浄処理を終了する。
次に、図8を用いて、浴水供給流路洗浄処理における制御部81の具体的な処理動作について説明する。図8は、実施の形態1の制御部81の浴水供給流路洗浄処理における動作を示すフローチャートである。図8に示す浴水供給流路洗浄処理は、図5のステップS7の処理において実施される。すなわち、浴水供給流路洗浄処理は、浴槽洗浄処理において自動排水栓210が開き、浴槽200内の排水が開始された後に実施される。
ステップS31において、制御部81は、流路切替弁61を制御して第一状態に切り替える。すなわち、制御部81は、浴水供給流路16が開通し泡沫供給流路17が遮断された状態に切り替える。
ステップS32において、制御部81は、泡沫生成装置67を駆動する。すなわち、制御部81は、洗剤水循環ポンプ72を駆動し、給気用電磁弁75を開く。これにより、気液混合装置73において、洗剤水に気体が注入され、泡沫が発生する。発生した泡沫は、洗剤水タンク66内の洗剤水の液面上に蓄積し、洗剤水タンク66、第一洗浄配管62、加熱部側第二風呂配管52a、第一風呂配管51が順次泡沫で満たされ、吸込口111から浴槽200内に泡沫が吐出される。これにより、洗剤水タンク66から吸込口111に至る浴水供給流路16に対して泡沫による洗浄効果を及ぼすことができる。
なお、本実施の形態において、浴水供給流路16に供給される泡沫の泡径は、例えば1μmから5000μmの範囲とする。浴水供給流路16に供給される泡沫の泡径は、直径50μm以下の気泡を含むことが望ましい。直径50μm以下の気泡を含む泡沫によれば、特に優れた洗浄性能が得られる。浴水供給流路16に供給される泡沫の泡径は、直径500μm以上の気泡を含むようにしてもよい。直径500μm以上の比較的大きい径の気泡を含む泡沫を浴水供給流路16に供給することにより、浴水供給流路16内に泡沫をより迅速に満たすことができる。
ステップS33において、制御部81は、浴水供給流路16内が泡沫で満たされたか否かを判定する。制御部81は、浴水供給流路16内が泡沫で満たされていないと判定した場合にはステップS33で待機し、浴水供給流路16内が泡沫で満たされたと判定した場合にはステップS34に進む。
なお、浴水供給流路16内が泡沫で満たされたか否かは、例えば以下の方法で判定する。浴水供給流路16に供給された泡沫の量は、泡沫生成装置67の駆動を開始してからの経過時間に基づいて推定できる。制御部81は、泡沫生成装置67の駆動を開始してからの経過時間が予め設定された設定時間に達した場合に、浴水供給流路16内が泡沫で満たされたと判定する。
ステップS34において、制御部81は、泡沫生成装置67の駆動を停止する。すなわち、制御部81は、洗剤水循環ポンプ72の駆動を停止し、給気用電磁弁75を閉じる。これにより、泡沫の生成が停止される。
ステップS35において、制御部81は、給湯用電磁弁44を開く。このとき、制御部81は、流路切替弁61をaポートとbポートとが連通した状態に切り替える。これにより、混合弁43で温度調整された水が、第二給湯配管42、第一風呂配管51、第二風呂配管52、吸込口111および吐出口112を通って浴槽200内へ流入する。すなわち、浴水供給流路16内の泡沫のすすぎ処理が行われる。したがって、浴水供給流路16内に泡沫由来の洗剤が残留することを抑制することができる。なお、混合弁43で温度調整された水を用いて浴水供給流路16内のすすぎを行う例を説明したが、貯湯タンク10内の水または水源の水を温度調整せずに浴水供給流路16に供給するようにしてもよい。洗剤を含まない水を浴水供給流路16に供給できれば洗剤のすすぎは可能である。
ステップS36において、制御部81は、予め設定されたすすぎ時間が経過したか否かを判定する。すすぎ時間は、予め設定された値であり、記憶部82に記憶されている。制御部81は、すすぎ時間が経過していないと判定した場合にはステップS36で待機し、すすぎ時間が経過したと判定した場合にはステップS37に進む。
ステップS37において、制御部81は、給湯用電磁弁44を閉じる。これにより、浴水供給流路16内のすすぎ処理が終了する。ステップS37の処理が終了すると、制御部81は、図8に示す浴水供給流路洗浄処理を終了する。
なお、浴水供給流路洗浄処理が終了した後、使用者がシャワー等を用いて浴槽200内の泡沫のすすぎを行ってもよいし、浴槽200内に水を噴射する噴射部を設け、噴射部により自動で浴槽200内のすすぎを行うようにしてもよい。
実施の形態1の浴槽洗浄システムによれば、洗剤と水とが混合して生成した洗剤水を貯留する洗剤水貯留部(洗剤水タンク66が該当)と、浴槽200に設けられた吸込口111と洗剤水貯留部とを接続する浴水供給流路16と、浴槽200に設けられた吐出口112と洗剤水貯留部とを接続する泡沫供給流路17と、浴水供給流路16に設けられ浴槽200内の浴水を洗剤水貯留部に供給する浴水供給手段(浴水循環ポンプ54が該当)と、洗剤水貯留部に貯留された洗剤水に気体を混合して泡沫を生成する泡沫生成装置67と、浴水供給流路16が開通し泡沫供給流路17が遮断された第一状態と泡沫供給流路17が開通し浴水供給流路16が遮断された第二状態とを切り替える流路切替手段(流路切替弁61が該当)と、流路切替手段を制御して第一状態に切り替えた状態で浴水供給手段を制御して浴水を洗剤水貯留部に供給し洗剤水を生成する洗剤水生成処理と、流路切替手段を制御して第二状態に切り替えた状態で泡沫生成装置67を制御して泡沫を浴槽200に供給する浴槽洗浄処理と、流路切替手段を制御して第一状態に切り替えた状態で泡沫生成装置67を制御して泡沫を浴水供給流路16に供給する浴水供給流路洗浄処理と、を実施する制御部81と、を備える。したがって、浴水を利用して洗剤水を生成して浴槽200の洗浄を行う給湯システム100において、洗剤水生成時に浴水が通過する浴水供給流路16を泡沫によって効果的に洗浄することができる。
また、実施の形態1の浴槽洗浄システムによれば、洗剤水貯留部に洗剤を供給する洗剤供給手段(洗剤用電磁弁65が該当)を備え、制御部81は、洗剤水生成処理において、洗剤供給手段を制御して洗剤を洗剤水貯留部に供給する。これにより、洗剤水貯留部に洗剤を自動で供給することができ、使用者が洗剤水を生成するために都度洗剤を供給する手間を削減することができる。
また、実施の形態1の浴槽洗浄システムによれば、制御部81は、浴槽200に設けられた自動排水栓210の開閉を制御可能であり、浴槽洗浄処理を実施した後において自動排水栓210を開いた場合に、浴水供給流路洗浄処理を開始する。浴槽200内の排水が開始されると、浴槽200内の水位が下がり、水位が吸込口111よりも低くなる。このため、浴水供給流路16に供給された泡沫が吸込口111まで供給されて吸込口111から浴槽200内に吐出されるので、洗剤水タンク66から吸込口111に至る浴水供給流路16の全体に対して泡沫による洗浄効果を及ぼすことができる。
また、実施の形態1の浴槽洗浄システムによれば、制御部81は、洗剤水生成処理を実施し、浴槽洗浄処理を実施した後に、浴水供給流路洗浄処理を実施する。これにより、洗剤水の生成から、浴槽200内の洗浄および浴水供給流路16の洗浄までを自動で順次実施することができ、使用者の利便性を向上させることができる。
また、実施の形態1の浴槽洗浄システムによれば、水源の水を浴水供給流路16に供給する給水手段(給湯用電磁弁44が該当)を備え、制御部81は、浴水供給流路洗浄処理において、泡沫を浴水供給流路16に供給した後、給水手段を制御して水源の水を浴水供給流路16に供給するすすぎ処理を実施する。これにより、浴水供給流路16内に洗剤が残留することを抑制することができる。なお、給水手段により供給する水源の水とは、水源から浴水供給流路16内に直接供給される水だけでなく、水源から供給され加熱装置11で加熱された水も含む。
また、実施の形態1の給湯システム100によれば、水源の水を加熱する加熱装置11を備え、制御部81は、浴水供給流路16のすすぎ処理において、加熱装置11により加熱された水を浴水供給流路16に供給する。これにより、水源の水を加熱せずに浴水供給流路16に直接供給する場合と比較して、浴水供給流路16内の汚れをより落としやすくすることができる。
また、実施の形態1の浴槽洗浄制御方法によれば、流路切替手段を制御して第一状態に切り替えた状態で浴水供給手段を制御して浴水を洗剤水貯留部に供給し洗剤水を生成する第一ステップ(ステップS5が該当)と、流路切替手段を制御して第二状態に切り替えた状態で泡沫生成装置67を制御して泡沫を浴槽200に供給する第二ステップ(ステップS6が該当)と、流路切替手段を制御して第一状態に切り替えた状態で泡沫生成装置67を制御して泡沫を浴水供給流路16に供給する第三ステップ(ステップS7が該当)と、を備える。これにより、洗剤水生成時に浴水が通過する浴水供給流路16を泡沫によって効果的に洗浄することができる。
実施の形態1の変形例について説明する。
実施の形態1では、制御部81は、洗浄運転のステップS2からステップS4において、浴槽200内の水位が吸込口111と吐出口112との間の位置になるように自動排水栓210の開閉を制御していた。しかし、ステップS2およびステップS4の処理は省略してもよい。すなわち、使用者が手動で自動排水栓210を開閉し、浴槽200内の水位が吸込口111と吐出口112との間の位置になった場合に、ステップS5の洗剤水生成処理に進むようにしてもよい。
また、実施の形態1では、制御部81は、洗浄運転において、浴槽200内の水位が吸込口111と吐出口112との間の位置になった状態で洗剤水生成処理を開始していた。しかし、制御部81は、浴槽200内の水位が吐出口112より高い位置において洗剤水生成処理を開始するようにしてもよい。浴槽200内の水位が吸込口111より高い位置であれば、洗剤水生成処理において洗剤水タンク66に浴水を供給可能である。また、浴槽洗浄処理においては、浴槽200内の水位が吐出口112より低い位置になっていれば、浴槽200内の水位が吸込口111より低い位置になっていたとしても、浴槽200内に泡沫を供給可能である。
また、実施の形態1では、制御部81は、洗浄運転において、洗剤水生成処理を実施した後に浴槽洗浄処理および浴水供給流路洗浄処理を実施していた。しかし、制御部81は、洗浄運転を開始する際に、洗剤水タンク66内に既に洗剤水が生成されている場合、洗剤水生成処理を省略するようにしてもよい。
また、実施の形態1では、制御部81は、洗浄運転において、浴槽洗浄処理を実施した後に浴水供給流路洗浄処理を実施していた。しかし、浴水供給流路洗浄処理を単独で実施できるように構成されていてもよい。すなわち、制御部81は、例えばリモコン装置3により浴水供給流路洗浄処理を開始する指令を受けた場合に、浴水供給流路洗浄処理を開始するようにしてもよい。
また、実施の形態1では、制御部81は、浴槽洗浄処理のステップS22からステップS24において、浴槽200内の泡沫上面202の位置が浴槽200の上端に近い位置になるまで浴槽200内に泡沫を供給していた。しかし、制御部81は、浴槽200から泡沫があふれ出るまで浴槽200内に泡沫を供給するようにしてもよい。これにより、浴槽200の上端の縁部に対しても、泡沫による洗浄効果を及ぼすことができる。
また、浴槽200内の入浴による皮脂汚れ成分は、入浴時の最大水位の高さに集中している。このため、制御部81は、入浴中の最大水位に応じて泡沫の供給量を調節するようにしてもよい。具体的には、制御部81は、浴槽洗浄処理の開始時に水位センサ55により検出された水位と入浴中に水位センサ55により検出された最大水位との水位差が第一水位差である場合、水位差が第一水位差よりも小さい第二水位差である場合よりも、浴槽洗浄処理において浴槽200に供給する泡沫の量が多くなるように泡沫生成装置67を制御する。これにより、浴槽200内の汚れ成分が付着した位置に応じた量の泡沫を浴槽200に供給することができ、泡沫を生成するために使用する洗剤水の量を必要最小限に抑えることができる。なお、制御部81は、例えば、湯張り運転が終了してから洗浄運転が開始するまでの間に水位センサ55により検出された水位を用いて、入浴中の最大水位を求める。また、使用者が入浴中であるか否かを検出する人検出センサを備える場合、制御部81は、人検出センサを用いて使用者が入浴中であるか否かを判断し、入浴中に水位センサ55により検出された水位を用いて、入浴中の最大水位を求めるようにしてもよい。
また、入浴中の最大水位に応じて泡沫の供給量を調節する場合、泡沫の供給量に応じて洗剤水タンク66に供給する洗剤および浴水の量を調節するようにしてもよい。この場合、制御部81は、水位差が第一水位差である場合、水位差が第二水位差である場合よりも、洗剤水生成処理において洗剤水タンク66に供給する洗剤および浴水の量が多くなるように洗剤用電磁弁65および浴水循環ポンプ54を制御する。これにより、浴槽洗浄処理において浴槽200に供給する泡沫の量に応じた量の洗剤および浴水で洗剤水を生成することができ、使用する洗剤の量を必要最小限に抑えることができる。
また、実施の形態1では、制御部81は、浴槽洗浄処理において、浴槽200内に泡沫を供給した後、ステップS25において自動排水栓210を開くことによって、浴槽200内の排水を行っていた。しかし、ステップS25の処理は省略してもよい。すなわち、使用者が手動で自動排水栓210を開くことにより、浴槽200内の排水を行うようにしてもよい。
また、実施の形態1では、制御部81は、浴槽洗浄処理のステップS25において自動排水栓210を開いた場合に、浴水供給流路洗浄処理を開始していた。しかし、制御部81は、浴槽洗浄処理を実施した後において、水位センサ55により浴槽200内の水位の低下が検出された場合に、浴槽200内の排水が開始されたことを判断し、浴水供給流路洗浄処理を開始するようにしてもよい。
また、実施の形態1では、制御部81は、浴水供給流路洗浄処理において、洗剤水タンク66から吸込口111に至る浴水供給流路16の全体に泡沫が供給されるようにしていた。しかし、制御部81は、浴水供給流路16の少なくとも一部に泡沫が供給されればよい。浴水供給流路16の少なくとも一部に泡沫を供給することができれば、従来のように浴水供給流路16に泡沫を供給しない場合と比較して、浴水供給流路16を泡沫によって効果的に洗浄することができる。
また、実施の形態1では、浴槽200に自動で開閉可能な自動排水栓210が設けられている例を説明したが、自動排水栓210でなく、手動で開閉可能な排水栓が設けられていてもよい。
また、実施の形態1において、洗剤タンク64に貯蔵された洗剤の量を検出する洗剤残量検出手段を備えていてもよい。洗剤として液体洗剤を用いる場合、洗剤残量検出手段は、例えば、洗剤タンク64内の水圧に基づいて洗剤の量を検出する圧力センサであってもよいし、洗剤タンク64内の水位を検出する赤外線センサであってもよい。制御部81は、洗剤残量検出手段により検出された洗剤の量が予め設定された設定洗剤量未満になった場合、洗剤タンク64に貯蔵された洗剤の量が少なくなった旨の報知を行うように、報知手段である表示部3aを制御する。これにより、洗剤がなくなり浴槽洗浄処理および浴水供給流路洗浄処理が実施できない状態となることを防止することができる。
また、リモコン装置3によって、浴水供給流路洗浄処理を実施するか否かを使用者が設定可能に構成されていてもよい。この場合、浴水供給流路16の汚れが少ない状態で頻繁に浴水供給流路洗浄処理が実施されることを防止することができ、洗剤の消費量が増えて不経済になることを抑制することができる。また、浴水供給流路洗浄処理にかかる時間により、使用者の利便性が損なわれることを抑制することができる。
また、実施の形態1では、洗剤タンク64および洗剤用電磁弁65により、洗剤水タンク66に自動で洗剤を供給可能な構成としていた。しかし、洗剤タンク64および洗剤用電磁弁65を備えず、例えば、洗剤水タンク66に使用者が直接洗剤を投入可能な構成となっていてもよい。
実施の形態2.
図9を用いて、実施の形態2の浴槽洗浄システムを備えた給湯システム100bの構成について説明する。図9は、実施の形態2の給湯システム100bを示す構成図である。前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。
図9に示すように、実施の形態2の給湯システム100bは、実施の形態1の給湯システム100と比較して、浴槽洗浄装置2bの構成が異なる。また、浴槽200には、浴槽アダプタ110に加えて、第二浴槽アダプタ120が取り付けられる。また、第二浴槽アダプタ120が吐出口112を有し、浴槽アダプタ110は吐出口112でなく第二吐出口113を有する。
第二浴槽アダプタ120は、鉛直方向において浴槽アダプタ110よりも高い位置に設けられる。すなわち、吐出口112は、鉛直方向において浴槽アダプタ110よりも高い位置に設けられる。また、浴槽アダプタ110の第二吐出口113は、鉛直方向において吐出口112よりも低く、吸込口111よりも高い位置に設けられる。
実施の形態2の浴槽洗浄装置2bは、流路切替手段として、第一流路切替弁61aおよび第二流路切替弁61bを備える。また、浴槽洗浄装置2bは、実施の形態1の浴槽洗浄装置2に加えて、第三洗浄配管68および第四洗浄配管69を備える。
第一流路切替弁61aは、三方弁であり、aポート、bポートおよびcポートを有する。第一流路切替弁61aのaポートには、第三洗浄配管68の一端が接続される。第三洗浄配管68の他端は、第二流路切替弁61bに接続される。第一流路切替弁61aのbポートには、第四洗浄配管69の一端が接続される。第四洗浄配管69の他端は、第二浴槽アダプタ120の吐出口112に接続される。第一流路切替弁61aのcポートには、第一洗浄配管62が接続される。第一流路切替弁61aは、a-b流路、a-c流路およびb-c流路の3つの流路の間で流路を切替可能である。
第二流路切替弁61bは、浴水循環回路15の途中に設けられる。実施の形態2において、第二流路切替弁61bは、第二風呂配管52の途中に設けられる。第二流路切替弁61bは、三方弁であり、aポート、bポートおよびcポートを有する。第二流路切替弁61bのaポートには、、加熱部側第二風呂配管52cの一端が接続される。加熱部側第二風呂配管52cは、第二風呂配管52における第二流路切替弁61bよりも加熱部53側の部分である。加熱部側第二風呂配管52cの他端は、加熱部53に接続される。第二流路切替弁61bのbポートには、浴槽側第二風呂配管52dの一端が接続される。浴槽側第二風呂配管52dは、第二風呂配管52における第二流路切替弁61bよりも浴槽200側の部分である。浴槽側第二風呂配管52dの他端は、浴槽アダプタ110の第二吐出口113に接続される。第二流路切替弁61bのcポートには、第三洗浄配管68が接続される。第二流路切替弁61bは、a-b流路、a-c流路およびb-c流路の3つの流路の間で流路を切替可能である。
なお、実施の形態2の浴槽洗浄システムは、少なくとも浴槽洗浄装置2b、浴水循環回路15および制御装置4によって実現される。
図10は、実施の形態2の給湯システム100bの機能を示すブロック図である。図10に示すように、制御装置4は、第一流路切替弁61aおよび第二流路切替弁61bと通信可能に接続されている。制御装置4は、第一流路切替弁61aおよび第二流路切替弁61bの動作を制御する。
次に、実施の形態2の給湯システム100bの動作について説明する。実施の形態2の給湯システム100bは、第一流路切替弁61aおよび第二流路切替弁61bを制御して、浴水供給流路16bが開通し泡沫供給流路17bが遮断された第一状態と、泡沫供給流路17bが開通し浴水供給流路16bが遮断された第二状態と、浴水循環回路15が開通し浴水供給流路16bが遮断された第三状態とを切り替え可能である。制御部81は、洗剤水生成処理および浴水供給流路洗浄処理においては第一状態とし、浴槽洗浄処理においては第二状態とし、湯張り運転および追い焚き運転においては第三状態とする。
図11には、実施の形態2の浴水供給流路16bを太線で示す。図11は、実施の形態2の給湯システム100bを示す構成図であり、浴水供給流路16bを示す図である。図11に示すように、浴水供給流路16bは、洗剤水タンク66と吸込口111とを接続する流路である。実施の形態2において、浴水供給流路16bは、第一風呂配管51、加熱部側第二風呂配管52c、第三洗浄配管68および第一洗浄配管62により構成される。
図12には、実施の形態2の泡沫供給流路17bを太線で示す。図12は、実施の形態2の給湯システム100bを示す構成図であり、泡沫供給流路17bを示す図である。図12に示すように、泡沫供給流路17bは、洗剤水タンク66と吐出口112とを接続する流路である。実施の形態2において、泡沫供給流路17bは、第一洗浄配管62および第四洗浄配管69により構成される。
洗剤水生成処理における制御部81の動作は、実施の形態1と同様であるが、ステップS14における具体的な処理が異なる。
ステップS14において、制御部81は、第一流路切替弁61aおよび第二流路切替弁61bを制御して第一状態に切り替える。具体的には、制御部81は、第一流路切替弁61aのaポートとcポートとが連通し、第二流路切替弁61bのaポートとcポートとが連通した状態に切り替える。すなわち、第一状態では、吸込口111から洗剤水タンク66に至る浴水供給流路16bが開通し、洗剤水タンク66から吐出口112に至る泡沫供給流路17bが遮断される。
また、浴槽洗浄処理における制御部81の動作は、実施の形態1と同様であるが、ステップS21における具体的な処理が異なる。
ステップS21において、制御部81は、第一流路切替弁61aおよび第二流路切替弁61bを制御して第二状態に切り替える。具体的には、制御部81は、第一流路切替弁61aのbポートとcポートとが連通した状態に切り替える。すなわち、第二状態では、洗剤水タンク66から吐出口112に至る泡沫供給流路17bが開通し、吸込口111から洗剤水タンク66に至る浴水供給流路16bが遮断される。
また、浴水供給流路洗浄処理における制御部81の具体的な処理動作は、実施の形態1と同様であるが、ステップS31およびステップS35における具体的な処理が異なる。
ステップS31において、制御部81は、第一流路切替弁61aおよび第二流路切替弁61bを制御して第一状態に切り替える。すなわち、制御部81は、浴水供給流路16bが開通し、泡沫供給流路17bが遮断された状態に切り替える。これにより、ステップS32において制御部81が泡沫生成装置67を駆動すると、泡沫生成装置67により発生した泡沫が浴水供給流路16bに供給される。
また、ステップS35において、制御部81は、給湯用電磁弁44を開く。このとき、制御部81は、第一流路切替弁61aのaポートとbポートとが連通し、第二流路切替弁61bのaポートとcポートとが連通した状態にする。これにより、浴水供給流路16内の泡沫のすすぎ処理が行われる。
また、湯張り運転および追い焚き運転においては、制御部81は、第一流路切替弁61aおよび第二流路切替弁61bを制御して第三状態に切り替える。具体的には、制御部81は、第二流路切替弁61bのaポートとbポートとが連通した状態に切り替える。すなわち、第三状態では、浴水循環回路15が開通し浴水供給流路16bが遮断される。
実施の形態2の浴槽洗浄システムによれば、浴槽200に設けられた第二吐出口113と浴水供給流路16bとが接続されることによって形成され、第二吐出口113と吸込口111とを接続する浴水循環回路15を備え、第二吐出口113は、吐出口112よりも低い位置に設けられ、流路切替手段(第一流路切替弁61aおよび第二流路切替弁61bが該当)は、浴水供給流路16bが開通し泡沫供給流路17bが遮断された第一状態と、泡沫供給流路17bが開通し浴水供給流路16bが遮断された第二状態と、浴水循環回路15が開通し浴水供給流路16bが遮断された第三状態と、を切り替え可能である。ここで、浴槽洗浄処理においては、浴槽200内の浴水の液面201が吐出口112より低い位置にある必要がある。実施の形態2の浴槽洗浄システムによれば、吐出口112は、湯張り運転または追い焚き運転などの運転において浴水循環回路15を通過した浴水が吐出される第二吐出口113よりも高い位置に設けられる。このため、浴槽200内の浴水の液面201が比較的高い位置にあっても浴槽洗浄処理を実施可能である。よって、実施の形態1よりも早い段階で浴槽洗浄処理を開始することができる。また、浴槽200内の浴水の液面201が比較的高い位置にある状態で浴槽洗浄処理を実施することで、実施の形態1と比較して、浴槽200内の壁面を洗浄するために必要な泡沫の量を減らすことができるので、使用する洗剤の量を減らすことができ、また、浴槽洗浄処理に必要な時間を短縮することができる。
実施の形態2の変形例について説明する。
実施の形態2では、制御部81は、浴水供給流路洗浄処理において、第一流路切替弁61aおよび第二流路切替弁61bを制御して第一状態に切り替えていた。しかし、制御部81は、浴水供給流路洗浄処理において、第一流路切替弁61aおよび第二流路切替弁61bを制御して第一状態と第四状態とを切り替え可能であってもよい。第四状態は、第二吐出口113と洗剤水タンク66とを接続する吐出流路18が開通し、浴水供給流路16bおよび泡沫供給流路17bが遮断された状態である。
図13には、吐出流路18を太線で示す。図13は、実施の形態2の変形例の給湯システム100bを示す構成図であり、吐出流路18を示す図である。図13に示すように、吐出流路18は、第二吐出口113と浴水供給流路16bとが接続されることによって形成され、第二吐出口113と洗剤水タンク66とを接続する流路である。実施の形態2において、吐出流路18は、第一洗浄配管62、第三洗浄配管68および浴槽側第二風呂配管52dにより構成される。制御部81は、第一流路切替弁61aのaポートとcポートとが連通し、第二流路切替弁61bのbポートとcポートとが連通した状態に切り替えることにより、吐出流路18が開通し浴水供給流路16bおよび泡沫供給流路17bが遮断された第四状態に切り替えることができる。
実施の形態2の変形例の浴槽洗浄システムによれば、制御部81は、浴水供給流路洗浄処理において、流路切替手段である第一流路切替弁61aおよび第二流路切替弁61bを制御して、浴水供給流路16bが開通し泡沫供給流路17bが遮断された第一状態と、吐出流路18が開通し浴水供給流路16bおよび泡沫供給流路17bが遮断された第四状態とを切り替え可能である。これにより、浴水供給流路16bだけでなく吐出流路18に対しても、泡沫による効果的な洗浄を行うことができる。
以上、本開示の浴槽洗浄システムについて実施の形態を挙げて説明したが、本開示の浴槽洗浄システムは上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、給湯システム100,100bが浴槽洗浄システムを備える例を説明したが、浴槽洗浄システムは給湯システム100,100bとは別に設けられていてもよい。すなわち、上述した実施の形態では、浴水供給流路16に第二給湯配管42が接続され、加熱装置11により加熱された水が浴水供給流路16に供給される構成となっていたが、浴水供給流路16には第二給湯配管42でなく水道等の水源が接続され、水源の水が浴水供給流路16に直接供給される構成となっていてもよい。また、上述した実施の形態では、給湯装置1と浴槽洗浄装置2,2bとが分離したものとして説明したが、一部若しくは全部の部品を共有するように構成してもよい。