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JP6111619B2 - 浴槽洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は、浴槽の内壁面等に対し洗浄液を噴射させて内壁面等に付着したゴミや湯あか等を自動洗浄するための浴槽洗浄装置に関し、特に洗剤を無駄なく洗浄に使用するようにして、同じ洗剤消費量であっても洗浄性能の向上を図り得る技術に係る。
従来、浴槽洗浄装置として、浴槽に洗浄ノズルを設置し、この洗浄ノズルに対し洗剤を混入させた洗浄液を供給することにより浴槽の内壁面に向けて洗浄ノズルから洗浄液を噴射させ、これにより浴槽の内壁面を洗浄するものが知られている。このような浴槽洗浄装置において、例えば特許文献1には、送湯管の通水量を流量センサにより検出し、検出される流量が設定流量以上になれば、洗剤投入装置から洗剤を送湯管内に投入することとし、その際に、洗剤投入装置からの洗剤投入流量を検出流量に応じて制御することが提案されている。詳細には、洗剤投入弁の弁開度を制御することにより洗剤投入量を調整することにより、洗浄ノズルに供給される洗浄液の洗剤濃度を一定にすることが記載されている。又、特許文献2には、注湯管を通して供給される湯水に対し、洗剤電磁弁を開くことで洗剤を混入させる際に、この混合部よりも上流側の注湯管に対し水量サーボ弁を介装させ、混合部に供給される湯水の流量を所定流量に制御する点が記載されている。
実用新案登録第2552769号公報 特許第3598808号公報
ところで、上流側から湯水が供給され下流端が洗浄ノズルに接続された洗浄配管には、通常、途中位置に洗剤混入部が介装され、洗剤電磁弁を開にすれば洗剤混入において洗剤が湯水に対し混入され、混合後の洗浄液が洗浄ノズルに供給される一方、洗剤電磁弁を閉に維持すれば洗浄ノズルには洗剤無しの湯水のみが供給されることになる。浴槽洗浄処理としては、通常、洗浄ノズルに対し洗浄液を供給し、この洗浄液を洗浄ノズルから浴槽の内壁面に対し所定時間吹き付けてはしばらく待機し、再度、吹き付けては待機することを所定回数繰り返すことにより洗浄を行った後、最後に、湯水のみを吹き付けてすすぎを行う、ということが考えられている。つまり、洗浄液の吹き付け(噴霧)の都度、洗剤を湯水に混入させて洗浄液を生成しつつ生成した洗浄液を供給する一方、それ以外の待機タイミングでは洗剤電磁弁を閉じ湯水の供給も停止させるようにしているため、洗剤混入部から洗浄ノズルまでの間の洗浄配管内には洗浄液ではなくて湯水が滞留した状態になる。
しかしながら、このような浴槽洗浄処理の場合、洗浄液と浴槽の内壁面との接触時間を十分に確保しえないばかりでなく、洗剤を無駄に消費することになる。すなわち、図6に示す浴槽洗浄処理の例に基づいて説明する。この図例は、予備すすぎと最終すすぎとの間に洗浄・待機を3回繰り返すという工程を行う場合に、各工程における、洗剤混入部101から浴槽102の洗浄ノズル103までに配管された洗浄配管104内の状況(洗浄液か単なる湯水か)、及び、浴槽102に対する吹き付け又は噴霧されるものは洗浄液Zか湯水Mかの別を示したものである。この場合、1回目の洗浄では供給される湯水に対し洗剤混入部101で洗剤を混入しつつ洗浄ノズル103に送り、浴槽102内にその洗浄液Zを噴霧し、湯水の供給等を停止して所定時間だけ待機する。この待機は、浴槽の内壁面に付着した洗浄液が徐々に流れ落ちる際に汚れを洗い落とさせるために設けるものである。又、洗剤の混入量は洗剤電磁弁の開時間により定まり、浴槽102に対する1回の噴霧量(例えば170cc)に相当する洗浄液Z1に対し余裕分(例えば30cc)の洗浄液βを加えた例えば200cc分の洗浄液Zを生成し得るのに対応する時間だけ洗剤電磁弁を開にする。それ以外は、洗剤電磁弁は閉とされるため、前記1回の噴霧量だけ洗浄液が浴槽内に噴霧された時点では、洗浄ノズル103から上流側の洗浄配管104内には前記余裕分の洗浄液βの背後には湯水Mが充満された状態になる。洗浄配管104内に余裕分の洗浄液βを残すのは洗浄終期まで浴槽内に対し洗浄液だけを確実に噴霧させるためである。そして、所定の待機時間の経過後、2回目の洗浄が開始され、洗浄配管104に上流側から湯水が供給されると共に、洗剤電磁弁が開とされて洗剤混入部で洗剤が混入され、これにより、洗浄液Zが浴槽102の側に供給されることになる。そして、この洗浄液Zの内のβ分を除く洗浄液Z1が1回目と同様に洗浄ノズル103から浴槽102内に噴霧されて停止される。そして、所定の待機時間だけ待機した後、前記と同様にして3回目の洗浄と待機が行われて最終すすぎに至る。
この図6の例の場合、2回目の洗浄が開始されると、上流側からの湯水の供給に伴い、1回目の洗浄後の余裕分の洗浄液βの背後の洗浄配管内にある湯水Mが浴槽内に押し出され、これが浴槽の内壁面に対し吹き付けられることになる。このため、1回目に洗浄液が付着していた内壁面が洗い流されてしまい、洗浄液と内平面との接触が削がれる上に、内壁面が湯水により濡れた状態になるため、引き続いて洗浄ノズルから噴霧される2回目の洗浄用の洗浄液の内壁面に対する付着性が低下して早期に垂れ落ちてしまう結果を招くことになる。つまり、洗浄効果をより高めるには、洗浄液と内壁面との接触時間をより長く保つ必要があるにも拘わらず、接触時間を十分に保ち得ない状況となっている。その上に、2回目の当初に余裕分の洗浄液βが内壁面に噴霧されるものの、引き続いて吹き付けられる湯水と共にその洗浄液βは即座に流れ落ちてしまうため、無駄な洗剤消費を招く結果となっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、洗剤を無駄なく洗浄に使用するようにして、同じ洗剤消費量であっても洗浄性能の向上を図り得る浴槽洗浄装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、浴槽内に向けて配置された洗浄ノズルに対し湯水を供給可能に接続された供給管と、洗浄ノズルよりも上流側位置の供給管に対し洗剤タンクからの洗剤を開閉可能に混入し得るように設けられた洗剤混入部とを備え、この洗剤混入部の洗剤投入口を開くことで前記供給管を通して供給される湯水に対し洗剤を混入して洗浄液を生成した上で、この洗浄液を前記洗浄ノズルに供給し得るように構成されてなる浴槽洗浄装置を対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、浴槽洗浄処理として、前記洗浄ノズルから浴槽内に洗浄液を吹き付ける洗浄工程を間欠的に複数回実行する洗浄制御手段を備える。そして、この洗浄制御手段として、前記洗剤投入口の1回の開作動により、前記洗浄ノズルと洗剤混入部との間の供給管内に対し前記洗浄ノズルから上流側に洗浄液が連続するように生成し、この供給管内の洗浄液を洗浄ノズルに向けて順次押し出すことにより、複数回分の洗浄工程を実行する構成とする
この特定事項を備えるようにした場合、供給管内に連続して生成されている洗浄液が順次押し出されることで、今回の洗浄工程と次の洗浄工程となどの複数回の洗浄工程で使用される分の洗浄液が、洗浄ノズルから浴槽内に吹き付けられることになる。つまり、今回の洗浄工程により浴槽の内壁面に付着した洗浄液の上から、次回の洗浄工程により新たに洗浄液が付着することになるため、浴槽の内壁面と洗浄液との接触を連続的かつ十分に維持させることが可能となる。特に、今回の洗浄工程により浴槽の内壁面に付着された洗浄液が次回の洗浄の開始で湯水が吹き付けられて洗い流れてしまった上から新たな洗浄液が噴霧されるという浴槽洗浄処理の場合と比べると、浴槽の内壁面と洗浄液との接触時間をより長く維持させることが可能になる上に、新たな洗浄液が上から積層されることになるため洗浄の質的においても飛躍的に向上させることが可能になる。以上より、同じ洗剤消費量であっても洗浄性能の大幅な向上を図ることができることになる。
加えて、供給管に供給される湯水の流量を検出する流量検出手段を備え、洗浄制御手段として、流量検出手段により検出される検出流量に応じて洗剤投入口の開作動のための開時間を設定することにより、複数回分の洗浄工程で使用される合計量の洗浄液を生成する構成とす。この特定事項を備えるようにした場合、湯水の流量がたとえ変動したとしても、正確な量の洗浄液を生成することが可能になって、浴槽洗浄処理を確実に実行することが可能となる。
さらに、加えて、洗浄制御手段として、洗剤投入口の1回の開作動により生成される洗浄液を用いて実行される複数回の洗浄工程を1サイクルとして複数サイクル実行可能に構成し、洗剤投入口の開作動毎の開時間を積算した積算開時間が、1回の浴槽洗浄処理で使用する合計洗剤量に基づいて予め設定されたトータル開時間を超えない範囲で前記サイクルを繰り返す構成とした(請求項1)。この特定事項を備えるようにした場合、湯水の流量如何によって各回の洗浄工程に要する時間に長短は生じるとしても、浴槽洗浄処理の洗浄性能を所定のものに維持させつつ、洗浄回数をより多くすることが可能となり、この点からも洗浄性能の増強が図られることになる。
又、本発明の浴槽洗浄装置において、洗浄制御手段として、洗浄工程毎に待機工程を実行するように構成し、待機工程の待機時間を流量検出手段により検出される検出流量に応じて設定するようにすることができる(請求項2)。このようにすることにより、浴槽洗浄処理に要する全体の時間を適正なものにすることが可能になる。
以上、説明したように、本発明の浴槽洗浄装置によれば、供給管内に連続して生成されている洗浄液を順次押し出すことにより、今回の洗浄工程と次の洗浄工程となどの複数回の洗浄工程で使用される分の洗浄液が、洗浄ノズルから浴槽内に吹き付けられることになるようにしているため、今回の洗浄工程により浴槽の内壁面に付着した洗浄液の上から、次回の洗浄工程で新たに洗浄液を付着させることができ、このため、浴槽の内壁面と洗浄液との接触を連続的かつ十分に維持させることができる。特に、今回の洗浄工程により浴槽の内壁面に付着された洗浄液が次回の洗浄の開始で湯水が吹き付けられて洗い流れてしまった上から新たな洗浄液が付着されるという浴槽洗浄処理の場合と比べると、浴槽の内壁面と洗浄液との接触時間をより長く維持させることができる上に、新たな洗浄液が上から積層されることになるため洗浄の質的においても飛躍的に向上させることができる。以上より、同じ洗剤消費量であっても洗浄性能の大幅な向上を図ることができるようになる。
、供給管に供給される湯水の流量を検出する流量検出手段を備え、洗浄制御手段として、流量検出手段により検出される検出流量に応じて洗剤投入口の開作動のための開時間を設定するようにしているため、複数回分の洗浄工程で使用される合計量の洗浄液を生成する構成とすることにより、湯水の流量がたとえ変動したとしても、正確な量の洗浄液を生成することができ、浴槽洗浄処理を確実に実行することができるようになる。
さらに、洗浄制御手段として、洗剤投入口の1回の開作動により生成される洗浄液を用いて実行される複数回の洗浄工程を1サイクルとして複数サイクル実行可能に構成し、洗剤投入口の開作動毎の開時間を積算した積算開時間が、1回の浴槽洗浄処理で使用する合計洗剤量に基づいて予め設定されたトータル開時間を超えない範囲で前記サイクルを繰り返す構成としているため、湯水の流量如何によって各回の洗浄工程に要する時間に長短は生じるとしても、浴槽洗浄処理の洗浄性能を所定のものに維持させつつ、洗浄回数をより多くすることができ、この点からも洗浄性能の増強を図ることができるようになる。
請求項2の浴槽洗浄装置によれば、洗浄制御手段として、洗浄工程毎に待機工程を実行するように構成し、待機工程の待機時間を流量検出手段により検出される検出流量に応じて設定するようにすることにより、浴槽洗浄処理に要する全体の時間を適正なものにすることができる。
本発明の浴槽洗浄装置の実施形態を適用した風呂システムを示す模式図である。 浴槽洗浄処理の全体フローチャートである。 洗浄液を用いた洗浄工程の制御フローチャートである。 図4(a)は洗浄Aにおける注湯流量別に設定された洗剤電磁弁の開時間及び待機時間の例を示す表であり、図4(b)は洗浄Bにおける注湯流量別に設定された注湯電磁弁の開時間及び待機時間の例を示す表である。 洗剤混入部から浴槽までの洗浄配管内及び浴槽内に対し供給される湯水又は洗浄液の状況を、予備すすぎ、洗浄A・待機及び洗浄B・待機の繰り返し、並びに、最終すすぎの各工程別に示した説明図である。 本発明と対比される浴槽洗浄処理の例について、洗剤混入部から浴槽までの洗浄配管内及び浴槽内に対し供給される湯水又は洗浄液の状況を、予備すすぎ、3回の洗浄・待機の繰り返し、及び、最終すすぎの各工程別に示した説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に本発明の実施形態に係る浴槽洗浄装置を適用した風呂システムを示す。同図において、符号1は浴室を区画形成する浴室壁又は浴室を含む建物の壁であり、壁1の内側に浴槽2及び浴槽洗浄ユニット3が配設される一方、壁1の外側に熱源機(例えば給湯器付き風呂釜)4が配設されている。なお、図1は配管等のつながりを示すものであり、上下関係を特定するものではない。
熱源機4は、給湯機能、湯張り機能及び追い焚き機能を備えた複合熱源機であり、図1には熱源機4として1缶2水式に構成されたものを例示している。すなわち、熱源機4は、風呂熱交換器41と給湯熱交換器42とが1つの缶体内に配設されて共通の熱源である燃焼バーナ43により熱交換加熱されるように構成されている。以下、熱源機4について先に概略説明した上で、浴槽2の側の構成について詳細に説明する。
前記熱源機4は、水道水等の給水を給水路に受けて給湯熱交換器42において燃焼バーナ43の燃焼熱との熱交換加熱により所定温度まで加熱した湯を給湯路44に出湯させ、この給湯路44を通して台所や洗面所等の各所の給湯栓45や浴槽洗浄ユニット3に給湯するようになっている。又、熱源機4は追い焚き機能を実現するための戻り路46及び往き路47からなる追い焚き循環路48を備え、浴槽2内に湯張りされた浴槽湯水を図示省略の循環ポンプの作動により風呂熱交換器41との間に循環させて、所定温度まで追い焚き加熱し得るようになっている。さらに、前記の熱源機4内において給湯路44から分岐した注湯路を通して追い焚き循環路48に注湯を受け、この注湯を追い焚き循環路48を通して浴槽2に注湯することにより浴槽2に対する湯張りが行われるようになっている。その際、熱源機4内において追い焚き循環路48に介装された圧力検知式の水位センサ49により浴槽2内の水位を検出して、その水位検出値を熱源機コントローラ5に出力するようになっている。前記の水位センサ49は、浴槽2内の湯水と連通された密閉状態の追い焚き循環路48内の水圧を検出することで、浴槽2内の水位を測定・検知するようになっている。
以上の給湯、追い焚き及び湯張りの各運転は台所リモコン51等により入力設定される設定出湯温度や湯張り温度等の設定情報に基づいて熱源機コントローラ5による作動制御によって実現されるようになっている。例えば、給湯制御部52(図2参照)による給湯制御は、給湯栓45が開かれたり浴槽洗浄ユニット3の注湯電磁弁30が開かれたりして所定の作動流量以上の入水が検知されると、燃焼バーナ43を燃焼作動させて給水路からの入水を加熱し、所定温度の湯を給湯路44に出湯させるようになっている。又、湯張り制御が開始されると、前記注湯路を開作動させる一方、燃焼バーナ43を燃焼作動させて給水路からの入水を加熱し、所定温度の湯を給湯路44,注湯路,追い焚き循環路48を通して浴槽2まで注湯することにより湯張りされるようになっている。その際、風呂自動処理の場合には、この湯張りの後に、さらに所定の沸き上がり温度まで昇温させて維持させる追い焚き制御が循環ポンプ(図示省略)及び燃焼バーナ43をそれぞれ作動させることにより行われるようになっている。
浴室に設置された浴槽2には、その側壁の最下端近傍位置に循環アダプタ21が設置され、底壁には自動開閉駆動制御式の排水栓22及び後述の洗浄ノズル24が設置され、上面側のフランジ壁には開閉駆動機構23及び後述の洗剤タンク27が設置されている。前記の循環アダプタ21には追い焚き循環路48の戻り路46及び往き路47がそれぞれ接続され、循環アダプタ21を介して浴槽2内の浴槽湯水が戻り路46に吸引される一方、往き路47から浴槽2内に吐出されるようになっている。又、排水栓22は開閉駆動機構23から開閉駆動力の伝達を受けて開閉作動されるようになっており、この開閉駆動機構23にはその作動状態(排水栓22が開状態か閉状態か)の如何を検出する排水栓状態検出センサ(図示省略)が設置され、これからの出力信号に基づき開閉駆動機構23が作動制御されるようになっている。排水栓22が開かれると、浴槽2内の湯水が浴室底部に排出され、続いて浴室の排水口から排水されることになる。
浴槽洗浄ユニット3は、浴槽2の内壁面等を対象にして洗浄処理するために設置されるものである。浴槽洗浄ユニット3は、前記の浴槽2の底壁に設置された洗浄ノズル24と、この洗浄ノズル24に洗浄液を供給する洗浄配管25と、洗浄配管25の上流端において洗剤を混入させる洗剤混入部26と、この洗剤混入部26に供給するための洗剤を貯留する前記の洗剤タンク27と、洗剤タンク27からの洗剤の供給・停止の切換を行う洗剤電磁弁28と、前記の洗浄配管25の上流端に対し洗浄用の湯又は水(以下「湯水」という)が供給されるよう給湯路44を連通させる注湯配管29と、注湯配管29に介装されて給湯路44からの湯水を供給するか否かの切換を行う注湯電磁弁30と、その供給流量を検出する流量センサ31と、吐出流量を所定の定流量に調整するための水ガバナにより構成された流量調整弁32とを備えて構成されている。又、注湯配管29には、洗剤混入部26と注湯電磁弁30との間に逆止弁・縁切り弁セットが介装されている。図例の逆止弁・縁切り弁セットは上下流両側位置の逆止弁33,33に挟まれた状態で2つの縁切り弁34,34を介装させて構成している。これらは、一次側である熱源機4側が停電や故障等の原因により低圧状態(負圧状態)に万一陥ったとしても、浴槽2側から熱源機4側に逆流しないように遮断するために介装されるものである。なお、図1の符号35はフィルタである。
前記洗浄ノズル24は浴槽2の底壁を貫通して設置され先端開口(上面開口)から浴槽2の内壁面等に向けて所定範囲の広がりをもって洗浄液を噴霧させるようになっている。なお、洗浄ノズル24として、図例では1つのみを図示しているが、浴槽2のサイズや洗浄対象の浴槽等に応じて2以上のものを所定配置にて設置することができ、その場合には洗浄配管25から他の洗浄ノズルに向けて第2・第3の洗浄配管を分岐させればよい。
洗剤混入部26はベンチュリ管により構成されている。洗剤混入部26は、洗剤電磁弁28を開作動(例えば所定時間ずつ間欠的に開作動)させることにより洗剤タンク27から供給される所定量の洗剤が、洗剤混入部26において注湯流の通過に伴い発生する負圧吸引作用により洗浄液中に吸い込まれて混合されるようになっている。そして、洗剤電磁弁28を開弁状態にさせている開弁時間の長短によって、1回の洗浄に対する洗剤供給量の調整が可能となっている。
前記の浴槽洗浄ユニット3の各作動要素28,30,32、及び、浴槽2の洗浄に係る作動要素22,23は、洗浄制御手段としての洗浄コントローラ6によって作動制御されるとともに、洗浄コントローラ6から電源供給がなされるようになっている。洗浄コントローラ6には洗浄運転操作用の洗浄リモコン61が電気的に接続される一方、洗浄コントローラ6(図2も併せて参照)は熱源機コントローラ5と双方向通信可能に接続されている。熱源機コントローラ5や洗浄コントローラ6は、マイクロコンピュータ及びRAMやROMなどの記憶手段を内蔵して、記憶手段に記憶されたプログラムや制御データ等に基づいて浴槽洗浄ユニット3を含む浴槽洗浄装置の各作動要素を作動制御するようになっている。すなわち、熱源機コントローラ5は、給湯制御部や風呂制御部を備え、洗浄コントローラ6は、浴槽洗浄処理を実行する洗浄制御部等を備えている。なお、熱源機コントローラ5には、台所リモコン51に加えて浴室リモコン62が接続されており、この浴室リモコン62により湯張りや追い焚き運転の入力操作をし得るようになっている。又、制御コントローラ6を洗浄リモコン61とは別に設けたが、洗浄リモコン61に一体に内蔵させるようにしてもよい。
次に、前記洗浄コントローラ6の洗浄制御部により実行される浴槽洗浄処理の一例について図2に基づいて簡単に説明すると、まず洗剤無しの湯水を用いて予備すすぎ(SUB1)を所定時間行った後、次に洗浄液を用いた洗浄(SUB2)を行い、最後に洗剤無しの湯水を用いて最終すすぎ(SUB3)を所定時間行って終了する。このような浴槽洗浄処理は、洗浄リモコン61の洗浄運転のためのONスイッチをONするか、あるいは洗浄リモコン61によって設定された予約時間になると浴槽洗浄処理が開始され、まず自動排水栓23を開制御して、浴槽2内の浴槽水が排水されるまで待機する。浴槽水の排水が完了すると、予備すすぎ(SUB1)として、注湯電磁弁30を開制御することで、熱源機4から湯水を給湯路44,注湯路29及び洗浄配管25を介して洗浄ノズル24まで供給させ、この湯水を洗浄ノズル24から浴槽2の内壁面に対し吹き付ける処理を所定時間行う。この予備すすぎが終了すると、洗浄液を用いた洗浄(SUB2)を行い、最後に最終すすぎ(SUB3)を予備すすぎ(SUB1)と同様の作動制御を行うことで実行することになる。なお、最終すすぎにおいては、予備すすぎとは異なり、熱源機4を燃焼作動させたとしても所定の最低温度の設定温度での低温水にし、この低温水を熱源機4から給湯路44,注湯路29及び洗浄配管25を介して洗浄ノズル24まで供給させて、浴槽2の内壁面に対し吹き付けるようにしてもよい。あるいは、最終すすぎにおいては、熱源機4を燃焼作動させずに、給水をそのまま導いて、浴槽2の内壁面に対し吹き付けるようにしてもよい。つまり、湯ではなくて、水又は低温水を用いて最終すすぎを行うようにしてもよい。
次に、本実施形態の特徴的な部分である洗浄液を用いた洗浄(SUB2)について、図3を参照しつつ詳細に説明する。まず、注湯電磁弁30を開け(ステップS21)、流量センサ31により注湯流量を検出する。注湯流量が適正範囲内(例えば5.5L/min〜8.4L/min)にあるか否かを判定し(ステップS22)、適正範囲内になければ異常発生と判定してエラー処理を行う(ステップS22でNO,SUB4)。適正範囲内にあれば(ステップS22でYES)、次に、その検出された注湯流量(検出流量)に応じて洗剤電磁弁28の開時間や待機時間の各値の設定を行う(ステップS23)。この設定は、例えば図4(a)(b)に示すような関係テーブルを洗浄制御部に予め記憶設定しておき、検出流量がいずれの範囲に属するかによって、対応する洗剤電磁弁28の開時間及び待機時間、並びに、注湯電磁弁30の開時間及び待機時間の各値を割り出して設定すればよい。検出流量が例えば6.0L/minであれば、後述の洗浄Aにおける洗剤電磁弁28の開時間tsとして2.0sec,待機時間twとして45secをそれぞれ設定し、併せて、洗浄Bにおける注湯電磁弁30の開時間tcとして1.2sec,待機時間twとして45secをそれぞれ設定する。
洗剤電磁弁28の開時間tsや注湯電磁弁30の開時間tcは次のようにして定められている。すなわち、洗剤電磁弁28の開時間tsは、図5に示すように、洗浄A及び洗浄Bの2回分の洗浄工程に使用する合計量(例えば200cc)に相当する洗浄液Sが洗剤電磁弁28の1回の開作動で生成されるように、検出流量に応じて開時間tsが設定されている。すなわち、
開時間ts=合計量の洗浄液S(ml)/検出流量(ml/sec)
ここで、合計量の洗浄液S=(今回の洗浄Aで使用する洗浄液S1)+配管容量S2、配管容量S2=(次回の洗浄Bで使用する洗浄液S2−α)+余裕分αである。検出流量が6.0L/minであれば100ml/sec、洗浄液S1を例えば70ml、洗浄液S2−αを例えば120ml、余裕分αを例えば10mlとすると、洗剤電磁弁28の開時間tsは2.0secとなる(図4(a)参照)。このように洗浄Aと洗浄Bとの2回分で使用する洗浄液を、洗剤電磁弁28の1回の開作動により連続して生成し、洗浄Aの実行後に洗浄Bで使用する分の洗浄液S2−αや余裕分αを洗浄ノズル24から洗剤混入部26までの間の洗浄配管25内に貯留しておくのである。この洗浄配管25内の配管容量がS2である。なお、本実施形態では2回分を例にして説明しているが、複数回分(例えば3回分、4回分等)の洗浄工程で使用する洗浄液を、洗剤混入部26で洗剤を連続的に混入することで生成し、これを洗浄ノズル24から洗剤混入部26までの洗浄配管25内に貯留しておくようにしてもよい。
又、注湯電磁弁30の開時間tcは、洗浄A及び続く待機工程の次に実行される洗浄Bにおいて、洗浄配管25内に貯留されている洗浄液S2−αを洗浄ノズル24から押し出して浴槽2内に噴霧させるだけの注湯量を流すだけの時間値が、検出流量との関係で設定されている。すなわち、(検出量×時間値=洗浄液S2−αの量)。
開時間tc=(洗浄液S2−α)(ml)/検出流量(ml/sec)
前記の例では検出流量が6.0L/minであれば100ml/sec、洗浄液S2−αが例えば120mlであるため、開時間tcは1.2secとなる。
そして、洗剤電磁弁28を開時間tsだけ開にして(ステップS24)、洗浄Aをその開時間tsが終了するまで実行する(ステップS25でNO)。開時間tsに相当する時間の経過により、洗剤混入部26で洗剤が混入されて生成された洗浄液Sが洗浄配管25を通して洗浄ノズル24に供給され、ついで、生成された洗浄液Sの内の所定量の洗浄液S1だけが洗浄ノズル24から浴槽2内に噴霧されることになる(図5の工程P2−1参照)。開時間tsに相当する時間が経過すれば(ステップS25でYES)、洗剤電磁弁28及び注湯電磁弁30を共に閉にして待機に入る(ステップS26,S27でNO)。待機時間twが経過すれば(ステップS27でYES)、洗剤電磁弁28を閉に維持したまま注湯電磁弁30を開にして洗浄Bを開始する(ステップS28)。ステップS23で設定した開時間tcが経過すれば洗浄Bを終了させて注湯電磁弁30を閉にする(ステップS29でYES,S30)。この洗浄Bにより、洗浄Aの終了時点で洗浄ノズル24と洗剤混入部26との間の洗浄配管25内に残量していた洗浄液S2の内、余裕分αを除いた分の洗浄液S2−αが、注湯電磁弁30の開により上流側からの注湯流により洗浄ノズル24から押し出されて浴槽2内に噴霧されることになる(図5の工程P2−2参照)。
洗浄Bの終了後、注湯電磁弁30や洗剤電磁弁28を閉に維持したまま待機時間twだけ待機する(ステップS31でNO)。待機時間twが経過すれば(ステップS31でYES)、これまでの洗剤電磁弁28の開時間tsを積算し(ステップS32)、積算した開時間(Σts)が予め設定したトータル開時間(例えば6sec)以上になっているか否かをチェックし、積算開時間Σtsが設定トータル開時間よりも短いことを確認してリターンする(ステップS33でNO)。そして、再度、ステップS21〜ステップS31までの処理を実行することにより、洗浄A及び待機(図5の工程P2−3参照)、並びに、洗浄B及び待機(同図の工程P2−4参照)を繰り返し、洗剤電磁弁28の積算開時間Σtsが設定トータル開時間よりも短いことを確認してリターンする(ステップS32,S33でNO)。以下、同様にして、図5の洗浄A及び待機(工程P2−5)、並びに、洗浄B及び待機(工程P2−6)が繰り返され、そのときの積算開時間Σts(例えば2.0+2.0+2.0=6.0sec)が設定トータル開時間(例えば6.0sec)以上になるため、洗浄液を用いた洗浄を終了して、次の最終すすぎ(SUB3;図2参照、工程P3;図5参照)に進む。
なお、前記の設定トータル開時間の時間値の設定は次のようにして定められる。浴槽洗浄処理としては、強力・通常・簡易の洗浄メニューの内からユーザの意思により選択設定が可能となっており、「強力」が選択設定されると洗剤電磁弁28の合計開時間として例えば8sec分に相当する洗剤量が消費されるまで洗浄A及び洗浄Bが繰り返され、初期設定の「通常」であると例えば6sec分に相当する洗剤量、又、「簡易」が選択設定されると例えば4sec分に相当する洗剤量がそれぞれ消費されるまで洗浄A及び洗浄Bが繰り返されるようになっている。
以上の実施形態の場合、洗浄Aの次に行われる洗浄Bにおいて、洗浄Aにより浴槽2の内壁面に噴霧された洗浄液の上から新たに洗浄液が噴霧されることになるため、浴槽2の内壁面と洗浄液との接触を連続的かつ十分に維持させることができる。特に、今回の洗浄により浴槽2の内壁面に噴霧された洗浄液が次回の洗浄の開始で湯水が吹き付けられて洗い流れてしまった上から新たな洗浄液が噴霧されるという浴槽洗浄処理の場合と比べると、浴槽2の内壁面と洗浄液との接触時間をより長く維持させることができる上に、新たな洗浄液が上から積層されることになるため洗浄効果も飛躍的に向上させることができる。さらに、洗浄A及び洗浄Bの2回につき1回だけ余裕分の洗浄液αが捨てられることになるため、1回毎に余裕分の洗浄液β(図6参照)を無駄に捨てる場合と比べ、無駄に消費される洗剤量を大幅に減らすことができる。以上より、同じ洗剤消費量であっても洗浄性能の大幅な向上を図ることができることになる。しかも、洗剤電磁弁28の開時間の積算値が設定トータル開時間を超えないように制限しつつ、その設定トータル開時間内で洗浄A及び洗浄Bを可及的に繰り返させるようにしているため、検出流量の如何によって各回の洗浄工程に要する時間に長短は生じるとしても、浴槽洗浄処理の洗浄性能を所定のものに維持させつつ、洗浄回数をより多くすることができ、この点からも洗浄性能の増強を図ることができる。さらに、洗浄Aで開変換させる洗剤電磁弁28や、洗浄Bで開変換させる注湯電磁弁30のそれぞれの開時間を、検出流量の如何に応じて設定しているため、浴槽洗浄処理で消費する合計洗剤量を一定に維持しつつ、現状の給湯栓45等での給湯使用の有無に基づく給水圧変化に伴う流量変化や、設置場所等の地域的実情に基づく給水圧変化に伴う流量変化がたとえ生じたとしても、浴槽洗浄処理を確実に実行することができる。
<他の実施形態>
なお、本発明は実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、洗浄ノズル24の設置位置は浴槽2の底壁に限らず、例えば底壁近傍位置の側壁等であってもよく、又、熱源機4として、1缶2水式に限らず、2缶2水式等の種々の構成のものを用いた場合にも本発明を適用することができる。
2 浴槽
6 洗浄コントローラ(洗浄制御手段)
24 洗浄ノズル
25 洗浄配管(供給管)
26 洗剤混入部
29 注湯路(供給管)
27 洗剤タンク
28 洗剤電磁弁(洗剤投入口)
30 注湯電磁弁

Claims (2)

  1. 浴槽内に向けて配置された洗浄ノズルに対し湯水を供給可能に接続された供給管と、洗浄ノズルよりも上流側位置の供給管に対し洗剤タンクからの洗剤を開閉可能に混入し得るように設けられた洗剤混入部とを備え、この洗剤混入部の洗剤投入口を開くことで前記供給管を通して供給される湯水に対し洗剤を混入して洗浄液を生成した上で、この洗浄液を前記洗浄ノズルに供給し得るように構成されてなる浴槽洗浄装置であって、
    浴槽洗浄処理として、前記洗浄ノズルから浴槽内に洗浄液を吹き付ける洗浄工程を間欠的に複数回実行する洗浄制御手段と、前記供給管に供給される湯水の流量を検出する流量検出手段とを備え、
    前記洗浄制御手段は、
    前記洗剤投入口の1回の開作動により、前記洗浄ノズルと洗剤混入部との間の供給管内に対し前記洗浄ノズルから上流側に洗浄液が連続するように生成し、この供給管内の洗浄液を洗浄ノズルに向けて順次押し出すことにより、複数回分の洗浄工程を実行するように構成されるとともに、前記流量検出手段により検出される検出流量に応じて前記洗剤投入口の開作動のための開時間を設定することにより、前記複数回分の洗浄工程で使用される合計量の洗浄液を生成するように構成され、かつ、
    記洗剤投入口の1回の開作動により生成される洗浄液を用いて実行される複数回の洗浄工程を1サイクルとして複数サイクル実行可能に構成され、前記洗剤投入口の開作動毎の開時間を積算した積算開時間が、1回の浴槽洗浄処理で使用する合計洗剤量に基づいて予め設定されたトータル開時間を超えない範囲で前記サイクルを繰り返すように構成されている、
    ことを特徴とする浴槽洗浄装置。
  2. 請求項に記載の浴槽洗浄装置であって、
    前記洗浄制御手段は、洗浄工程毎に待機工程を実行するように構成され、前記待機工程の待機時間は前記流量検出手段により検出される検出流量に応じて設定されている、浴槽洗浄装置。
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