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JP6411123B2 - 温度短絡素子、温度切替素子 - Google Patents

温度短絡素子、温度切替素子 Download PDF

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Description

本発明は、温度雰囲気により可溶導体を溶融させ、開放状態の端子間を物理的且つ電気的に短絡させる温度短絡素子、及び開放状態の端子間を物理的且つ電気的に短絡させるとともに接続状態の端子間を物理的且つ電気的に遮断する温度切替素子に関する。
充電して繰り返し利用することのできる二次電池の多くは、バッテリパックに加工されてユーザに提供される。特に重量エネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池においては、ユーザ及び電子機器の安全を確保するために、一般的に、過充電保護、過放電保護等のいくつもの保護回路をバッテリパックに内蔵し、所定の場合にバッテリパックの出力を遮断する機能を有している。
この種の保護素子には、バッテリパックに内蔵されたFETスイッチを用いて出力のON/OFFを行うことにより、バッテリパックの過充電保護又は過放電保護動作を行うものがある。しかしながら、何らかの原因でFETスイッチが短絡破壊した場合、雷サージ等が印加されて瞬間的な大電流が流れた場合、あるいはバッテリセルの寿命によって出力電圧が異常に低下したり、逆に過大な異常電圧を出力したり、バッテリセルの各々の電圧ばらつきが大きくなったりした場合であっても、バッテリパックや電子機器は、発火等の事故から保護されなければならない。そこで、このような想定し得るいかなる異常状態においても、バッテリセルの出力を安全に遮断するために、外部からの信号によって電流経路を遮断する機能を有するヒューズ素子からなる保護素子が用いられている。
リチウムイオン二次電池等向けの保護回路の保護素子としては、特許文献1に記載されているように、電流経路上の第1の電極,発熱体引出電極,第2の電極間に亘って可溶導体を接続して電流経路の一部をなし、この電流経路上の可溶導体を、過電流による自己発熱、あるいは保護素子内部に設けた発熱体を通電、発熱させることによって溶断するものがある。このような保護素子では、溶融した液体状の可溶導体を発熱体に繋がる導体層上に集めることにより第1、第2の電極間を分離し電流経路を遮断する。
特開2010−003665号公報 特開2004−185960号公報 特開2012−003878号公報
ところで、近年、バッテリとモーターを使用したHEV(Hybrid Electric Vehicle)やEV(Electric Vehicle)が急速に普及している。HEVやEVの動力源としては、エネルギー密度と出力特性からリチウムイオン二次電池が使用されるようになってきている。自動車用途では、高電圧、大電流が必要とされる。このため、高電圧、大電流に耐えられる専用セルが開発されているが、製造コスト上の問題から多くの場合、複数のバッテリセルを直列、並列に接続することで、汎用セルを用いて必要な電圧電流を確保している。
ここで、高速移動中の自動車等では、急激な駆動力の低下や急停止は却って危険な場合があり、非常時を想定したバッテリ管理が求められている。例えば、走行中にバッテリシステムの異常が起きた際にも、修理工場もしくは安全な場所まで移動するための駆動力、あるいはハザードランプやエアコン用の駆動力を供給できることが、危険回避上、好ましい。
しかし、特許文献1のような複数のバッテリセルが直列に接続されたバッテリパックにおいては、充放電経路上にのみ保護素子を設けたような場合、バッテリセルの一部に異常が発生し保護素子を作動させると、バッテリパック全体の充放電経路が遮断されてしまい、これ以上、電力を供給することができない。
そこで、複数セルで構成されたバッテリパック内の異常なバッテリセルのみを排除し、正常なバッテリセルを有効に活用するために、異常なバッテリセルのみをバイパスするバイパス経路を形成することができる短絡素子が提案されている。
図40に短絡素子の一構成例を示し、図41に短絡素子を適用したバッテリ回路の回路図を示す。この短絡素子100は、図40及び図41に示すように、充放電経路上においてバッテリセル101と並列に接続され、正常時には開放されている第1、第2の短絡電極102,103と、溶融することにより第1、第2の短絡電極102,103間を短絡させる2つの可溶導体104a,104bと、可溶導体104aと直列に接続され、可溶導体104a,104bを溶融させる発熱体105を有する。
短絡素子100は、セラミック基板等の絶縁基板110上に、発熱体105及び発熱体105の一端と接続された外部接続電極111が形成されている。また、短絡素子100は、発熱体105上に、ガラス等の絶縁層112を介して、発熱体105の他端と接続された発熱体電極113、第1、第2の短絡電極102,103、及び第1、第2の短絡電極102,103とともに可溶導体104a,104bを支持する第1、第2の支持電極114,115が形成されている。
第1の支持電極114は、絶縁層112上に露出されている発熱体電極113と接続され、また、第1の短絡電極102と隣接されている。第1の支持電極114は、第1の短絡電極102とともに一方の可溶導体104aの両側を支持している。同様に、第2の支持電極115は、第2の短絡電極103と隣接され、第2の短絡電極103とともに他方の可溶導体104bの両側を支持している。
短絡素子100は、外部接続電極111から、発熱体105、発熱体電極113、可溶導体104aを経て、第1の短絡電極102に至る、発熱体105への給電経路が構成される。
発熱体105は、この給電経路を介して電流が流れることにより自己発熱し、この熱(ジュール熱)によって可溶導体104a,104bを溶融させる。図41に示すように、発熱体105は、外部接続電極111を介してFET等の電流制御素子106と接続されている。電流制御素子106は、バッテリセル101の正常時には発熱体105への給電を規制し、異常時に充放電経路を介して発熱体105へ電流が流れるように制御する。
短絡素子100が用いられたバッテリ回路は、バッテリセル101に異常電圧等が検出されると、保護素子107によって当該バッテリセル101を充放電経路上から遮断するとともに、電流制御素子106を作動させ、発熱体105へ電流を流す。これにより、発熱体105の熱により可溶導体104a,104bが溶融する。可溶導体104a,104bは、相対的に広面積の第1、第2の短絡電極102,103側に偏倚した後溶融し、溶融導体が二つの短絡電極102,103間に亘って凝集、結合する。したがって、短絡電極102,103は可溶導体104a,104bの溶融導体によって短絡され、これにより、バッテリセル101をバイパスする電流経路を形成することができる。
また、短絡素子100は、可溶導体104aが第1の短絡電極102側に移動するとともに溶融することにより、第1の支持電極114と第1の短絡電極102間が開放され、これにより発熱体105への給電経路が遮断されるため、発熱体105の発熱が停止する。
このような短絡素子を作動させるためには、素子内部に可溶導体及び可溶導体を溶融させる熱源となる発熱体を設けるとともに、短絡素子を発熱体への通電経路上に接続する必要がある。また、通電経路上には、発熱体への通電を制御する制御素子を設け、バッテリセルの異常電圧時等、所定の作動条件を満たしたときに発熱体へ通電させる必要がある。
ここで、可溶導体を素子外部の熱源からの熱によって溶融させることができれば、発熱体を短絡素子内に設ける必要が無く、小型化、製造工程の簡略化を図ることができ、また発熱体への通電制御を行う電流制御素子も不要となり、適用できるアプリケーションも広がる。さらに、発熱体への通電を制御する電流制御素子の故障により発熱体が発熱されないといった事態も回避できる。
そこで、本発明は、発熱体を備えることなく、可溶導体の融点以上の温度雰囲気において作動させることができる温度短絡素子及び温度切替素子を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る温度短絡素子は、第1の電極と、上記第1の電極と隣接して設けられた第2の電極と、溶融することにより、上記第1、第2の電極間にわたって凝集し、上記第1、第2の電極を短絡させる第1の可溶導体とを備え、上記第2の電極の少なくとも一部に第1の絶縁層が設けられ、上記第1の可溶導体が上記第2の電極と重畳するとともに上記第1の絶縁層に支持されることにより、上記第1、第2の電極が開放され、上記第1の可溶導体の融点以上の温度雰囲気において上記第1の可溶導体が溶融するものである。
また、本発明に係る温度短絡素子は、第1の電極と、上記第1の電極と隣接して設けられた第2の電極と、溶融することにより、上記第1、第2の電極間にわたって凝集し、上記第1、第2の電極を短絡させる第1の可溶導体と、絶縁基板を有し、上記第1、第2の電極は、上記絶縁基板上に形成された導体パターンであり、上記絶縁基板上に、上記第2の電極の厚みよりも高い第2の絶縁層が設けられ、上記第1の可溶導体が上記第2の電極と重畳するとともに上記第2の絶縁層に支持されることにより、上記第1、第2の電極が開放され、上記第1の可溶導体の融点以上の温度雰囲気において上記第1の可溶導体が溶融するものである。
また、本発明に係る温度切替素子は、第1の電極と、上記第1の電極と隣接して設けられた第2の電極と、溶融することにより、上記第1、第2の電極間にわたって凝集し、上記第1、第2の電極を短絡させる第1の可溶導体と、第3の電極及び第4の電極と、上記第3、第4の電極に跨って接続され、溶融することにより上記第3、第4の電極間を遮断する第3の可溶導体と、絶縁基板を有し、上記第1〜第4の電極は、上記絶縁基板上に形成された導体パターンであり、上記絶縁基板上に、上記第2の電極の厚みよりも高い第2の絶縁層が設けられ、上記第1の可溶導体が上記第2の電極と重畳するとともに上記第2の絶縁層に支持されることにより、上記第1、第2の電極が開放され、上記第1、第3の可溶導体の融点以上の温度雰囲気において、上記第1、第3の可溶導体が溶融するものである。
本発明によれば、可溶導体は、融点以上の温度雰囲気によって溶融し、溶融導体が第1の電極の周囲に凝集することにより、第1の電極に隣接して配置された第2の電極とも接触し、第1、第2の電極間を短絡させることができる。また、本発明によれば、可溶導体は、融点以上の温度雰囲気によって溶融し、第3、第4の電極間を遮断させることができる。
図1は、本発明が適用された温度短絡素子の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図2は、第1の可溶導体が溶融した温度短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図3は、本発明が適用された温度短絡素子の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図、(C)は伝熱部材を備える温度短絡素子の外観斜視図である。 図4は、温度短絡素子の回路構成例を示す図である。 図5は、温度短絡素子のスイッチがオンの状態を示す回路構成例を示す図である。 図6は、第2の可溶導体を備えた温度短絡素子の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図7は、第1の可溶導体及び第2の可溶導体が溶融した温度短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図8は、表面実装型の温度短絡素子の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図9は、第1の可溶導体が溶融した表面実装型の温度短絡素子の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図10は、第1の支持電極を備えた温度短絡素子の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図11は、第1の支持電極を備えた温度短絡素子の第1の可溶導体が溶融した状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図12は、第1、第2の可溶導体を備えた温度短絡素子の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図13は、第1、第2の可溶導体が溶融した温度短絡素子の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図14は、第1、第2の可溶導体及び第1、第2の可溶導体を支持する第2の支持電極を備えた構成を示す断面図であり、(A)は溶断前、(B)は溶断後を示す。 図15は、第2の絶縁層により第1の可溶導体を支持する温度短絡素子の構成を示す断面図であり、(A)は第1の可溶導体の溶融前、(B)は第1の可溶導体の溶融後を示す。 図16は、第1、第2の絶縁層により第1の可溶導体を支持する温度短絡素子の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図、(C)はB−B’断面図である。 図17は、図16に示す温度短絡素子を、カバー部材及び第1の可溶導体を除いて示す平面図である。 図18は、図16に示す温度短絡素子において、第1の可溶導体が溶融した状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図、(C)はB−B’断面図である。 図19は、カバー部電極を備えた温度短絡素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図、(C)はB−B’断面図である。 図20は、図19に示す温度短絡素子において、第1の可溶導体が溶融した状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図、(C)はB−B’断面図である。 図21は、本発明が適用された温度切替素子の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図22は、第1、第3の可溶導体が溶融した温度切替素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図23は、温度切替素子の回路構成例を示す図であり、(A)は第1、第2の可溶導体の溶融前、(B)は第1、第2の可溶導体の溶融後を示す。 図24は、外部回路と接続された温度切替素子の回路構成例を示す図である。 図25は、表面実装型の温度切替素子の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図26は、第1、第3の可溶導体が溶融した表面実装型の温度切替素子の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図27は、第1、第2の絶縁層により第1の可溶導体を支持する温度切替素子の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図、(C)はB−B’断面図である。 図28は、第1〜第3の可溶導体を備えた温度切替素子の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図29は、図28に示す温度切替素子において、第1、第3の可溶導体が溶融した状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図である。 図30は、第1、第2の電極の熱伝導経路と、第3の電極の熱伝導経路の熱伝導率を変えた温度切替素子を示す平面図である。 図31は、カバー部電極を備えた温度切替素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図、(C)はB−B’断面図である。 図32は、図31に示す温度短絡素子において、第1、第3の可溶導体が溶融した状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A’断面図、(C)はB−B’断面図である。 図33は、低融点金属層が高融点金属層に被覆された可溶導体の構成例を示す図であり、(A)は長尺状、(B)は線状の可溶導体を示す斜視図である。 図34は、低融点金属層と高融点金属層とが積層された可溶導体の構成例を示す図であり、(A)は2層構造、(B)は3層構造の可溶導体を示す斜視図である。 図35は、積層構造の可溶導体の製造工程を示す斜視図である。 図36は、低融点金属層と高融点金属層とが繰り返し4層以上の多層構造で製造された可溶導体を示す断面図である。 図37は、ストライプ状の開口部が設けられた可溶導体を示す図であり、(A)は長手方向に開口部が設けられている可溶導体を示す平面図であり、(B)は幅方向に開口部が設けられている可溶導体を示す平面図である。 図38は、円形の開口部が設けられた可溶導体を示す平面図である。 図39は、内層の高融点金属層に、低融点金属が充填される円形の開口部が設けられた可溶導体を示す平面図である。 図40は、参考例に係る短絡素子を示す平面図である。 図41は、参考例に係る短絡素子が組み込まれたバッテリパックの回路図である。
以下、本発明が適用された温度短絡素子及び温度切替素子について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[温度短絡素子1]
本発明が適用された温度短絡素子1は、図1(A)(B)に示すように、第1の電極11と、第1の電極11と隣接して設けられた第2の電極12と、溶融することにより、第1、第2の電極11,12間にわたって凝集し、第1、第2の電極11,12を短絡させる第1の可溶導体13とを備える。そして、温度短絡素子1は、図2(A)(B)に示すように、素子内部に発熱体を備えることなく、第1の可溶導体13の融点以上の温度雰囲気において第1の可溶導体13が溶融し、溶融導体13aが第1の電極11の周囲に凝集することにより、第1の電極11に隣接して配置された第2の電極12とも接触し、第1、第2の電極11,12間を短絡させるものである。
[温度雰囲気]
温度短絡素子1は、外部の熱源から伝わる熱により第1の可溶導体13を溶融させる。温度雰囲気とは、温度短絡素子1の外部の熱源によって作り出された第1の可溶導体13が溶融する温度環境をいい、例えば温度短絡素子1の近傍に設けられたデバイスの異常発熱による煽り熱が温度短絡素子1の内部に伝わることで作り出される。また、第1の可溶導体13の融点以上の温度雰囲気は、温度短絡素子1が用いられた電子製品の発火や周囲の火災による熱が温度短絡素子1の内部に伝わることで作り出されたものでもよい。さらに、第1の可溶導体13の融点以上の温度雰囲気は、事故や災害時等の緊急事態のみならず、不可逆的にスイッチをオンにするための通常の用い方として、外部の熱源による熱が温度短絡素子1の内部に伝わることで作り出されたものでもよい。
[伝熱部材]
また、第1の可溶導体13を溶融させる温度雰囲気は、温度短絡素子1内部の空気又は素子内部の構成部品が素子外部の熱を伝える伝熱部材14として機能することにより作り出される。伝熱部材14は、温度短絡素子1外部の熱源の熱を伝えるものであり、例えば後述する温度短絡素子1の外筐体や絶縁基板、第1、第2の電極11,12、その他の構成部材を用いることができ、直接的、間接的に第1の可溶導体13と接続されることにより第1の可溶導体13を加熱する。伝熱部材14は、例えば、第1の電極11と接続される電極パターン、線材、又はヒートパイプ等により形成することができ、熱源15からの熱を第1の電極11を介して間接的に第1の可溶導体13に伝え、溶融させる。
なお、伝熱部材14は、図3に示すように、ヒートパイプ等の導電性の部材を用いる場合には、周囲との絶縁を図るために、少なくとも表面が絶縁材料16で被覆されていることが好ましい。
[第1、第2の電極]
第1、第2の電極11,12は、例えばアルミナ等の絶縁基板上に高融点金属ペーストの印刷・焼成等により、同一平面上に形成される。また、第1、第2の電極11,12は、高融点金属からなる線材や板材等の機構部品を用い、所定の位置に支持すること等によって形成してもよい。
第1、第2の電極11,12は、近接配置されるとともに開放され、温度短絡素子1が作動することにより、図2(A)(B)に示すように、後述する第1の可溶導体13の溶融導体13aが凝集、結合し、この溶融導体13aを介して短絡されるスイッチ2を構成する。第1、第2の電極11,12は、それぞれ、一端に外部接続端子11a,12aが設けられている。第1、第2の電極11,12は、これら外部接続端子11a,12aを介して温度短絡素子1が動作することにより接続される電源回路やデジタル信号回路等の外部回路と接続されている。温度短絡素子1は、第1、第2の電極11,12が溶融導体13aを介して短絡することにより、当該外部回路の電流経路、あるいは機能回路への給電経路となる。
[第1の絶縁層]
第2の電極12は、少なくとも一部に第1の絶縁層17が設けられている。また、第2の電極12は、第1の電極11に支持された第1の可溶導体13が重畳されるとともに、第1の絶縁層17によって第1の可溶導体13を支持している。温度短絡素子1は、第1の電極11に接続された第1の可溶導体13が第1の絶縁層17に支持されることにより、第1、第2の電極11,12間が開放されている(図1)。
第1の絶縁層17は、絶縁性を有する各種材料を用いることができ、例えばガラス層からなる。そして、温度短絡素子1は、第1の可溶導体13が溶融すると、溶融導体13aが、第2の電極12の第1の絶縁層17を除く領域に接触し、第1、第2の電極11,12が短絡する。このとき、第1の絶縁層17は、第2の電極12上における溶融導体13aの凝集位置を第1の電極12側に制御することができ、より速やかに且つ確実に溶融導体13aを第1、第2の電極11,12間に凝集させることができる。
[第1の可溶導体]
第1の可溶導体13は、温度短絡素子1の温度雰囲気により速やかに溶融されるいずれの金属を用いることができ、例えば、Sn又はSnBi系ハンダやSnIn系ハンダ、その他Snを主成分とするPbフリーハンダ等の低融点金属を好適に用いることができる。
また、第1の可溶導体13は、低融点金属と高融点金属とを含有してもよい。低融点金属としては、上述したSn又はSnを主成分とするPbフリーハンダなどのハンダを用いることが好ましく、高融点金属としては、Ag、Cu又はこれらを主成分とする合金などを用いることが好ましい。高融点金属と低融点金属とを含有することによって、温度短絡素子1をリフロー実装する場合に、リフロー温度が低融点金属の溶融温度を超えて、低融点金属が溶融しても、低融点金属の外部への流出を抑制し、第1の可溶導体13の形状を維持することができる。また、短絡時も、低融点金属が溶融することにより、高融点金属を溶食(ハンダ食われ)することで、高融点金属の融点以下の温度で速やかに溶融させることができる。なお、第1の可溶導体13は、後に説明するように、様々な構成によって形成することができる。
第1の可溶導体13は、略矩形板状に形成され、第1の電極11上に、接続用ハンダ等の接合材18を介して接続されている。また、第1の可溶導体13は、第2の電極12側に突出されるとともに第2の電極12と重畳され、上述した第1の絶縁層17によって支持されることにより第2の電極12と離間されている。これにより、温度短絡素子1は、作動前において第1、第2の電極11,12の開放状態が維持されている。そして、第1の可溶導体13は、外部の熱源からの熱により融点以上の温度雰囲気となることにより溶融し、溶融導体13aが第1の電極11の周囲に凝集するとともに、第1の電極11に隣接して配置された第2の電極12とも接触し、第1、第2の電極11,12間を短絡させる。
例えば、第1の可溶導体13は、SnBi系のハンダ合金を用いることにより、約140℃の温度雰囲気で溶融を開始する。また、第1の可溶導体13は、SnIn系のハンダ合金を用いることにより、約120℃の温度雰囲気で溶融を開始する。
なお、第1の可溶導体13は、酸化防止、濡れ性の向上等のため、フラックス24(図8等参照)が塗布されている。
また、第1の可溶導体13は、第1の電極11に必ずしも支持されていなくともよい。例えば、第1の可溶導体13は一端を上述した第1の絶縁層17に支持されるとともに、他端を図示しない支持部材あるいは絶縁基板等に設けた固定部材によって支持してもよい。このとき、第1の可溶導体13は、第1、第2の電極11,12と重畳する位置に支持され、溶融導体13aが第1、第2の電極11,12間に凝集される(図15参照)。
[回路構成・アプリケーション]
温度短絡素子1は、図4に示す回路構成を有する。すなわち、温度短絡素子1は、動作前の状態において、第1の電極11と第2の電極12とが近接されるとともに離間されることにより絶縁され、第1の可溶導体13が溶融することにより短絡するスイッチ2を構成する。第1、第2の電極11,12は、温度短絡素子1が実装される回路基板等の電流経路上に直列接続されることにより、電源回路や信号回路等の各種外部回路28A,28B間に組み込まれる。
外部回路28A,28Bは、温度短絡素子1の作動前においては、第1、第2の電極11,12間が開放されることにより遮断され、第1、第2の電極11,12の短絡により物理的、不可逆的に短絡される回路であり、例えば温度短絡素子1が組み込まれた電子機器のデバイスが異常発熱を起こした場合や、火災等の緊急事態において、冷却装置やスプリンクラー等の起動、バックアップ回路の起動、警報器等の異常報知システムの作動、バイパス電流経路の構築等を行う各種機能回路を例示できる。あるいは、外部回路28A,28Bは、ネットワーク通信機器におけるハッキングやクラッキングに対してデータサーバを迂回するバイパス信号経路の構築、あるいは通常のデバイスやソフトウェアのアクティベーションを行うものでもよい。
温度短絡素子1は、デバイスの故障に伴う異常発熱や火災等、外部の熱源15からの熱が伝わり、第1の可溶導体13の融点以上の温度雰囲気になると、図2(A)(B)に示すように、第1の可溶導体13が加熱、溶融され、絶縁されていた第1、第2の電極11,12が溶融導体13aを介して短絡される。これにより、図5に示すように、温度短絡素子1は、スイッチ2がオンとなり、外部回路28A,28Bが接続される。
[第2の可溶導体]
また、温度短絡素子1は、図6に示すように、第2の電極12に第2の可溶導体21を接続させるとともに、伝熱部材14と第1、第2の電極11,12とを連続させ、第2の電極2を介して第2の可溶導体21を溶融させてもよい。
第2の電極12にも第2の可溶導体21を設けることにより、図7に示すように、温度短絡素子1は、第1の可溶導体13及び第2の可溶導体21の各溶融導体13a,21aによって、第1、第2の電極11,12間にわたって凝集する溶融導体の量を増大させ、確実に短絡させることができる。第2の可溶導体21は、第1の可溶導体13と同じ材料を用いて形成することにより、第1の可溶導体13が溶融する温度雰囲気において、同様に溶融させることができる。また、第2の可溶導体21も、後に説明するように、様々な構成によって形成することができる。また、第2の可溶導体21は、第1の可溶導体13と同様に接合ハンダ等の接合材18によって第2の電極12に接合されている。
なお、第2の可溶導体21は、第2の電極12から第1の電極11側に突出して設けられ、第1の電極11と離間しつつ重畳する位置まで突出することが好ましい。また、第2の可溶導体21は、第1の可溶導体13とも重畳するように支持することにより、第2の可溶導体21の溶融導体21aと第1の可溶導体13の溶融導体13aとが凝集しやすく、第1、第2の電極11,12間の短絡に寄与することができる。
第2の可溶導体21が接合された第2の電極12は、第1の電極11と同様に、伝熱部材14を介して外部の熱源15の熱が伝達される。これにより、第2の電極12は、第2の可溶導体21を速やかに溶融させることができる。
[表面実装タイプ]
また、本発明が適用された温度短絡素子は、外部回路基板に表面実装可能に形成することができる。表面実装用に形成された温度短絡素子1は、図8(A)(B)に示すように、絶縁基板10の表面10aに第1、第2の電極11,12が積層されている。第1の可溶導体13は、接続ハンダ等の接合材18により第1の電極11上に支持されるとともに、第2の電極12と重畳され、第2の電極12上に形成された第1の絶縁層17に支持されている。これにより、温度短絡素子1は、第1、第2の電極11,12が開放されている。なお、図8(A)は表面実装型の温度短絡素子1の平面図であり、図8(B)は、同図(A)のA−A´断面図である。
絶縁基板10は、たとえば、アルミナ、ガラスセラミックス、ムライト、ジルコニアなどの絶縁性を有する部材を用いて略方形状に形成されている。絶縁基板10は、その他にも、ガラスエポキシ基板、フェノール基板等のプリント配線基板に用いられる材料を用いてもよいが、第1の可溶導体13の溶断時の温度に留意する必要がある。
また、絶縁基板10は、セラミック基板等の熱伝導性に優れた絶縁材料や、表面が絶縁材料によってコーティングされた金属基板を用いることが好ましい。これにより、絶縁基板10は、第1の可溶導体13に外部の熱源15の熱を伝える伝熱部材14として機能する。外部の熱源15の熱は絶縁基板10を介して第1の電極11、接合材18を介して直接第1の可溶導体13に伝わるとともに、温度短絡素子1内におけるあおり熱として間接的に第1の可溶導体13に伝わる。これにより、温度短絡素子1は、第1の可溶導体13の融点以上の温度雰囲気が作り出され、第1の可溶導体13を溶融させることができる。
第1、第2の電極11,12は、絶縁基板10の表面10aに形成された導体パターンである。また、第1、第2の電極11,12は、絶縁基板10の裏面10bに形成された外部接続端子(図示せず)と接続されている。温度短絡素子1は、これら外部接続端子を介して電源回路等の各種外部回路に組み込まれる。
第1、第2の電極11,12上には、ガラス等の絶縁材料によって第1の絶縁層17が設けられるとともに、板状に形成された第1の可溶導体13が、第1、第2の電極11,12間に跨って搭載されている。第1、第2の電極11,12は、第1の絶縁層17で第1の可溶導体13を支持することにより、第1の可溶導体13と離間されている。また、第1の電極11は、接合ハンダ等の接合材18が設けられ、接合材18を介して第1の可溶導体13が接続されている。
なお、第1の絶縁層17は、隣接して設けられた第1、第2の電極11,12の対向する一部を除いて形成され、接合材18や溶融導体13aの流出を防止するとともに、溶融導体13aの凝集位置を第1、第2の電極11,12間に留める。これにより、第1の絶縁層17は、溶融導体13aが外部接続端子側へ流出し、外部回路との接続状態に影響を与える事態を防止するとともに、確実に第1、第2の電極11,12間を短絡可能とすることができる。
第1、第2の電極11,12は、Ag等の高融点金属ペーストをスクリーン印刷技術を用いて絶縁基板10の表面10a上にパターン形成して、焼成する等によって形成することができる。また、第1、第2の電極11,12は、Ag等の熱伝導性に優れた材料を用いて形成することにより、外部の熱源15の熱を第1の可溶導体13に伝える伝熱部材14として機能させることができる。
なお、第1の可溶導体13は、酸化防止、濡れ性の向上等のため、フラックス24が塗布されている。また、温度短絡素子1は、絶縁基板10の表面10a上がカバー部材25によって覆われている。
温度短絡素子1は、外部の熱源が発熱すると、図9(A)(B)に示すように、絶縁基板10や第1、第2の電極11,12等の伝熱部材を介して第1の可溶導体13が加熱溶融され、溶融導体13aが第1、第2の電極11,12間に凝集し、短絡させる。このとき、温度短絡素子1は、第1の可溶導体13を第2の電極12と重畳するように支持することにより、溶融導体13aの表面張力あるいは重力によって溶融導体13aが第2の電極12へ接触し、確実に第1、第2の電極11,12間を短絡させることができる。
なお、温度短絡素子1は、図8に示すように、第1の可溶導体13を第1の電極11の第2の電極12と反対側、及び第2の電極12の第1の電極11と反対側に延在させてもよい。これにより、温度短絡素子1は、第1、第2の電極11,12間に凝集する溶融導体13aの量を増大させ、確実に短絡させることができる。
なお、上述した温度短絡素子1において、板状に形成された第1の可溶導体13は、第1の電極11との接続面積よりも大きな面積を有することが好ましい。これにより、第1の可溶導体13は、第1、第2の電極11,12間を短絡させるのに十分な溶融導体の量を確保することができる。
[温度短絡素子30]
また、本発明が適用された温度短絡素子は、第1の電極11に支持された第1の可溶導体13の端部を支持する支持電極を設けてもよい。なお、以下の説明において、上述した温度短絡素子1と同一の構成については同一の符号を付してその詳細を省略する。
図10に示す温度短絡素子30は、上述した温度短絡素子1と同様に、絶縁基板10の表面10a上に第1、第2の電極11,12が形成され、第1の電極11上に接合材18を介して第1の可溶導体13が支持されている。また、第1の可溶導体13は、第1、第2の電極11,12上に設けられた第1の絶縁層17に支持されることにより、第1、第2の電極11,12と離間され、これにより第1、第2の電極11,12間が開放されている。
また、温度短絡素子30は、第1の可溶導体13の両端が第1、第2の電極11,12から外側に突出され、両端部が絶縁基板10の表面10a上に設けられた第1の支持電極31に支持されている。第1の支持電極31は、第1、第2の電極11,12と同様に、Ag等の高融点金属ペーストをスクリーン印刷技術を用いて絶縁基板10の表面10a上にパターン形成して、焼成する等によって形成することができ、好ましくは第1、第2の電極11,12と同工程で形成する。
また、第1の支持電極31は、接合ハンダ等の接合材18が設けられ、これにより第1の可溶導体13の両端部が固着されている。温度短絡素子30は、第1の可溶導体13が第1、第2の電極11,12から外側に突出する大きさを備えることで、第1、第2の電極11,12間を短絡させる十分な溶融導体13aを得ることができる。また、第1の可溶導体13の両端部を第1の支持電極31に固着することにより、リフロー実装時等の温度環境下においても、第1の可溶導体13を安定して支持することができる。なお、第1の可溶導体13上には、酸化防止、濡れ性の向上等のため、フラックス24が塗布されている。
温度短絡素子30は、第1の可溶導体13の融点以上の温度雰囲気において第1の可溶導体13が溶融することにより、図11に示すように、溶融導体13aが第1、第2の電極11,12上に凝集する。これにより、第1、第2の電極11,12間にわたって溶融導体13aが凝集し、第1、第2の電極11,12間が短絡される。
なお、このとき、第1、第2の電極11,12に、第1の絶縁層17を形成することにより、接合材18や溶融導体13aの流出を防止するとともに、溶融導体13aの凝集位置を第1、第2の電極11,12間に留め、確実に第1、第2の電極11,12を短絡させることができる。
なお、板状に形成された第1の可溶導体13は、それぞれ第1、第2の電極11,12との接続面積よりも大きな面積を有する。これにより、第1の可溶導体13は、第1、第2の電極11,12間を短絡させるのに十分な溶融導体の量を確保することができる。
[温度短絡素子40]
また、本発明が適用された温度短絡素子は、第1の電極11に第1の可溶導体13を支持するとともに、第2の電極12に第2の可溶導体21を支持させてもよい。なお、以下の説明において、上述した温度短絡素子1,30と同一の構成については同一の符号を付してその詳細を省略する。
図12に示す温度短絡素子40は、絶縁基板10の表面10a上に第1、第2の電極11,12が形成され、第1の電極11上に第1の可溶導体13が支持され、第2の電極12上に第2の可溶導体21が支持されている。温度短絡素子40は、第1、第2の電極11,12がそれぞれ独立して可溶導体を支持することにより、第1、第2の可溶導体13,21の溶融前において開放されている。
第1、第2の電極11,12上にはそれぞれ第1の絶縁層17が形成されるとともに、接合材18が設けられ、第1、第2の可溶導体13,21が離間しつつ支持されている。第2の可溶導体21は、第1の可溶導体13と同じ材料、同じ構成を有し、第1、第2の可溶導体13,21は、ほぼ同一の温度雰囲気において溶融される。なお、第1、第2の可溶導体13,21上には、酸化防止、濡れ性の向上等のため、フラックス24が塗布されている。
[固定部材]
また、温度短絡素子40は、第1の電極11に支持された第1の可溶導体13の一端を固定部材42により絶縁基板10に固着し、同様に、第2の電極12に支持された第2の可溶導体21の一端を固定部材42により絶縁基板10に固着してもよい。第1、第2の可溶導体13,21は、それぞれ、第1、第2の電極11,12に設けられた接合材18と、絶縁基板10の表面10a上に設けられた固定部材42に固着されることにより、温度短絡素子40がリフロー実装される際等に加熱された場合にも、互いに近接する方向に移動することがない。したがって、温度短絡素子40は、リフロー実装時等、本来の作動前に、第1、第2の可溶導体13,21が近接する方向に移動し、接触してしまう初期短絡を防止することができる。
第1、第2の可溶導体13,21を固着する固定部材42は、接合ハンダ等の接合材18と同じ材料を用いることができる。
温度短絡素子40は、第1、第2の可溶導体13,21の融点以上の温度雰囲気において第1、第2の可溶導体13,21が溶融することにより、図13に示すように、溶融導体13aが第1の電極11上に凝集するとともに溶融導体21aが第2の電極12上に凝集する。これにより、第1、第2の電極11,12間にわたって溶融導体13a,21aが凝集し、第1、第2の電極11,12間が短絡される。
なお、このとき、第1、第2の電極11,12に、第1の絶縁層17を形成することにより、接合材18や溶融導体13a,21aの流出を防止するとともに、溶融導体13a,21aの凝集位置を第1、第2の電極11,12間に留め、確実に第1、第2の電極11,12を短絡させることができる。
なお、板状に形成された第1、第2の可溶導体13,21は、それぞれ第1、第2の電極11,12との接続面積よりも大きな面積を有することが好ましい。これにより、第1、第2の可溶導体13,21は、第1、第2の電極11,12間を短絡させるのに十分な溶融導体の量を確保することができる。
また、温度短絡素子40は、図14に示すように、第1、第2の可溶導体13,21の端部を支持する第2の支持電極43を設けてもよい。第2の支持電極43は、第1、第2の電極11,12と同様に、Ag等の高融点金属ペーストをスクリーン印刷技術を用いて絶縁基板10の表面10a上にパターン形成して、焼成する等によって形成することができ、好ましくは第1、第2の電極11,12と同工程で形成する。
また、第2の支持電極43は、接合ハンダ等の接合材18が設けられ、これにより第1、第2の可溶導体13,21の端部が固着されている。温度短絡素子40は、第1、第2の可溶導体13,21が第1、第2の電極11,12から外側に突出する大きさを備えることで、第1、第2の電極11,12間を短絡させる十分な溶融導体13a,21aを得ることができる。また、第1、第2の可溶導体13,21の両端部を第2の支持電極43に固着することにより、リフロー実装時等の温度環境下においても、第1、第2の可溶導体13,21を安定して支持することができる。
[温度短絡素子50]
また、本発明が適用された温度短絡素子は、第1の可溶導体13が第1の電極11に支持されていなくともよい。なお、以下の説明において、上述した温度短絡素子1,30,40と同一の構成については同一の符号を付してその詳細を省略する。
図15(A)に示す温度短絡素子50は、絶縁基板10と、絶縁基板10の表面10aに形成された第1、第2の電極11,12と、絶縁基板10の表面10a上に形成され第1、第2の電極11,12よりも厚い第2の絶縁層51と、第1、第2の電極11,12上を跨ぐように第2の絶縁層51に支持された第1の可溶導体13と、絶縁基板10の表面10a上を覆うカバー部材25とを有する。
第2の絶縁層51は、例えばガラス層からなり、絶縁基板10の表面10aにおいて、カバー部材25の側壁25a、第1、第2の電極11,12及び第1、第2の電極11,12を隔てて電気的に開放する間隙部を除く領域に形成されている。これにより第2の絶縁層51は、第1、第2の電極11,12の表面及び相対向する側縁が露出される開口部52が形成されている。また、第2の絶縁層51は、第1、第2の電極11,12の厚さよりも厚く形成されるとともに、上面に第1の可溶導体13が搭載される。
第1の可溶導体13は、第2の絶縁層51の開口部52より臨む第1、第2の電極11,12の上方を跨ぐように第2の絶縁層51上に搭載される。第1の可溶導体13は、第2の絶縁層51によって、開口部52と重畳する中央部を除く両側が広範に支持されている。
また、カバー部材25は、エンジニアリングプラスチック等の絶縁材料を用いて形成され、絶縁基板10の表面10a上に搭載される側壁25aと、絶縁基板10の表面10a上を覆う天面25bとを有する。カバー部材25は、側壁25aによって第2の絶縁層51及び第1の可溶導体13の周囲を覆う。
このような温度短絡素子50は、第1の可溶導体13の融点以上の温度雰囲気において第1の可溶導体13が溶融すると、図15(B)に示すように、溶融導体13aの移動位置が第2の絶縁層51に設けられた開口部52より臨む第1、第2の電極11,12上に制御される。すなわち、温度短絡素子50は、第1の可溶導体13の溶融導体13aに対する濡れ性を備えていない第2の絶縁層51及びカバー部材25によって第1の可溶導体13の周囲が閉塞されていることから、溶融導体13aは、唯一濡れ性を備える第1、第2の電極11,12上に凝集する。
これにより、温度短絡素子50は、第1、第2の電極11,12間にわたって溶融導体13aが凝集し、確実に第1、第2の電極11,12間が短絡される。
[温度短絡素子60]
また、本発明が適用された温度短絡素子は、表面実装用に形成するとともに、第1、第2の電極11,12による第1の可溶導体13の支持面積を広げ、第1の可溶導体13の変形を防止するとともに初期短絡を防止するようにしてもよい。なお、以下の説明において、上述した温度短絡素子1,30,40,50と同一の構成については同一の符号を付してその詳細を省略する。
この温度短絡素子60は、図16、図17に示すように、絶縁基板10と、絶縁基板10の表面10aに形成された第1、第2の電極11,12と、第1、第2の電極11,12上に、第1、第2の電極11,12の対向する各先端部11b,12bを露出させて積層された第1の絶縁層17と、絶縁基板10の表面10a上に形成され第1、第2の電極11,12よりも厚い第2の絶縁層51と、第1、第2の絶縁層17,51上に搭載された第1の可溶導体13とを備える。なお、図16(A)は、温度短絡素子60のカバー部材25を除いて示す平面図であり、同図(B)は同図(A)に示すA−A’断面図、同図(C)は同図(A)に示すB−B’断面図である。また、図17は、温度短絡素子60のカバー部材25及び第1の可溶導体13を除いて示す平面図である。
温度短絡素子60における第1、第2の電極11,12は、矩形状に形成された絶縁基板10の長さ方向に亘って広範に形成されるとともに、絶縁基板10の幅方向の両側縁から中央部にかけて形成され、所定の間隔を隔てて対向されている。また、第1、第2の電極11,12は、略中央部に第1の絶縁層17が積層され、相対向する先端部11b,12bが露出されている。
温度短絡素子60は、第1、第2の電極11,12の短絡長が長く形成されることにより、短絡の確実性を上げるとともに、第1、第2の電極11,12の短絡後の短絡抵抗を下げて高定格電流に対応することができる。
第2の絶縁層51は、第1、第2の電極11,12の相対向する側縁の両端における第1、第2の電極11,12の間隙部に形成される。また第2の絶縁層51は第1、第2の電極11,12の厚さよりも厚く形成され、第1、第2の電極11,12上に形成された第1の絶縁層17と連続される。これにより、第1、第2の絶縁層17,51は、第1、第2の電極11,12の相対向する各先端部11b,12bを露出させる略矩形状の開口部61が形成される。
第1の可溶導体13は、接合用ハンダ等の接合材18を介して第1の電極11に固着されている。また、第1の可溶導体13は、第1、第2の電極11,12に設けられた第1の絶縁層17及び第2の絶縁層51上に、開口部61を覆うように支持されている。すなわち、温度短絡素子60は、絶縁基板10上に広範に第1、第2の電極11,12が積層されるとともに、これら第1、第2の電極11,12の各先端部11b,12bを除いて第1,第2の絶縁層17,51によって囲繞されている。これにより、第1の可溶導体13は、第1,第2の絶縁層17,51によって全周にわたって支持され、長手方向及び幅方向の撓みが防止されている。
したがって、温度短絡素子60によれば、リフロー実装時等において第1の可溶導体13が湾曲することを確実に防止し、第1の可溶導体13の変形によって第1、第2の電極11,12間が短絡される初期短絡を防止することができる。
なお、第1の可溶導体13は、第1の電極11に替えて、又は第1の電極11に加えて、接合材18を介して第1の絶縁層17及び/又は第2の絶縁層51に固着してもよい。第1の可溶導体13を複数個所で固着することにより、リフロー実装時等の温度環境下においても、位置ズレ等を防止し、安定して保持することができる。
このような温度短絡素子60は、第1の可溶導体13の融点以上の温度雰囲気において第1の可溶導体13が溶融すると、図18に示すように、溶融導体13aの移動位置が第1、第2の絶縁層17,51に設けられた開口部61より臨む第1、第2の電極11,12の各先端部11b,12b上に制御される。すなわち、温度短絡素子60は、第1の可溶導体13の溶融導体13aに対する濡れ性を備えていない第1、第2の絶縁層17,51に支持されていることから、溶融導体13aは、唯一濡れ性を備える第1、第2の電極11,12上に凝集する。
これにより、温度短絡素子60は、第1、第2の電極11,12間にわたって溶融導体13aが凝集し、確実に第1、第2の電極11,12間が短絡される。
[温度短絡素子70]
また、本発明が適用された温度短絡素子は、表面実装用に形成するとともに、第2の電極12をカバー部材に設けたカバー部電極と接続してもよい。なお、以下の説明において、上述した温度短絡素子1,30,40,50,60と同一の構成については同一の符号を付してその詳細を省略する。
この温度短絡素子70は、図19に示すように、絶縁基板10の表面上を覆うカバー部材25を備え、第2の電極12が、カバー部材25の天面25bに第1の電極11と対向して形成されたカバー部電極71と接続されているものである。なお、図19(A)は、第1の可溶導体13の溶融前における温度短絡素子70のカバー部材25を除いて示す平面図であり、同図(B)は同図(A)に示すA−A’断面図、同図(C)は同図(A)に示すB−B’断面図である。また、図20は、第1の可溶導体13の溶融後における温度短絡素子70のカバー部材25を除いて示す平面図であり、同図(B)は同図(A)に示すA−A’断面図、同図(C)は同図(A)に示すB−B’断面図である。
カバー部材25は、絶縁基板10の表面10aの外縁部に接続される側壁25aと、天面25bとを有し、各種エンジニアリングプラスチックや絶縁基板10と同様の材料を用いて形成することができる。カバー部材25は、カバー部材25の一側縁部25aから天面25bにかけて、カバー部電極71が形成されている。
カバー部電極71は、カバー部材25が絶縁基板10に搭載されることにより、絶縁基板10の表面10aに形成された第2の電極12と接続される。第1、第2の電極11,12は、互いに離間されることにより開放されている。また、第1、第2の電極11,12は、絶縁基板10の裏面10bに形成された外部接続端子11a,12aと接続されている。温度短絡素子70は、この外部接続端子11a,12aを介して電源回路等の各種外部回路に組み込まれる。
また、カバー部電極71は、絶縁基板10の表面10a上に形成された第1の電極11と対向されるとともに、第1の電極11との間に第1の可溶導体13が配設されている。第1の可溶導体13は、第1の電極11上に接合材18を介して固着されている。なお、第1の可溶導体13は、上述した第1の支持電極31や固定部材42、第2の絶縁層51を絶縁基板10に設け、これらによっても支持するようにしてもよい。
このような温度短絡素子70は、第1の可溶導体13の融点以上の温度雰囲気において第1の可溶導体13が溶融すると、図20に示すように、溶融導体13aが第1の電極11上に凝集するとともに、天面25bに第1の電極11と対向配置されたカバー部電極71上にも凝集する。これにより、温度短絡素子70は、溶融導体13a及びカバー部電極71を介して第1、第2の電極11,12を短絡させることができる。
[温度切替素子]
次いで、本発明が適用された温度切替素子について説明する。なお、温度切替素子の説明において、上述した温度短絡素子1,30,40,50,60,70と同一の構成については同一の符号を付してその詳細を省略する。
[温度切替素子80]
本発明が適用された温度切替素子80は、図21(A)(B)に示すように、第1の電極11と、第1の電極11と隣接して設けられた第2の電極12と、溶融することにより、第1、第2の電極11,12間にわたって凝集し、第1、第2の電極11,12を短絡させる第1の可溶導体13と、第3の電極83及び第4の電極84と、第3、第4の電極83,84に跨って接続され、溶融することにより第3、第4の電極83,84間を遮断する第3の可溶導体81とを備える。
そして、温度切替素子80は、図22(A)(B)に示すように、素子内部に発熱体を備えることなく、第1、第3の可溶導体13,81の融点以上の温度雰囲気において第1、第3の可溶導体13,81が溶融する。これにより温度切替素子80は、溶融導体13aが第1の電極11の周囲に凝集することにより、第1の電極11に隣接して配置された第2の電極12とも接触し、第1、第2の電極11,12間を短絡させるとともに、第3の可溶導体81が溶断され、第3、第4の電極83,84間を遮断するものである。
[温度雰囲気]
温度切替素子80は、上述した温度短絡素子1と同様に、外部の熱源15から伝わる熱により第1、第3の可溶導体13,81を溶融させる。温度雰囲気とは、上述したように、温度切替素子80の外部の熱源15によって作り出された第1、第3の可溶導体13,81が溶融する温度環境をいい、例えば温度切替素子80の近傍に設けられたデバイスの異常発熱による煽り熱が温度切替素子80の内部に伝わることで作り出される。また、第1、第3の可溶導体13,81の融点以上の温度雰囲気は、温度切替素子80が用いられた電子製品の発火や周囲の火災による熱が温度切替素子80の内部に伝わることで作り出されたものでもよい。さらに、第1、第3の可溶導体13,81の融点以上の温度雰囲気は、事故や災害時等の緊急事態のみならず、不可逆的にスイッチを切り替えるための通常の用い方として、外部の熱源による熱が温度切替素子80の内部に伝わることで作り出されたものでもよい。
[伝熱部材]
また、第1、第3の可溶導体13,81を溶融させる温度雰囲気は、温度切替素子80内部の空気又は素子内部の構成部品が素子外部の熱を伝える伝熱部材82として機能することにより作り出される。伝熱部材82は、温度切替素子80外部の熱源の熱を伝えるものであり、例えば後述する温度切替素子80の外筐体や絶縁基板、第1〜第4の電極11,12,83,84、その他の構成部材を用いることができ、直接的、間接的に第1、第3の可溶導体13,81と接続されることにより第1、第3の可溶導体13,81を加熱する。伝熱部材82は、例えば、第1の電極11や第3、第4の電極83,84と接続される電極パターン、線材、又はヒートパイプ等により形成することができ、熱源15からの熱を第1の電極11を介して間接的に第1の可溶導体13に伝える第1の伝熱部材82Aと、熱源15からの熱を直接に第3の可溶導体81に伝える第2の伝熱部材82Bとを有する。
なお、伝熱部材82は、図3に示す伝熱部材14と同様に、ヒートパイプ等の導電性の部材を用いる場合には、周囲との絶縁を図るために、少なくとも表面が絶縁材料で被覆されていることが好ましい。
[第1〜第4の電極]
第1、第2の電極11,12は、上述した温度短絡素子1と同様である。第3、第4の電極83,84も、第1、第2の電極11,12と同様に、例えばアルミナ等の絶縁基板上に高融点金属ペーストの印刷・焼成等により、同一平面上に形成される。また、第3、第4の電極83,84は、高融点金属からなる線材や板材等の機構部品を用い、所定の位置に支持すること等によって形成してもよい。
第3、第4の電極83,84は、所定間隔を隔てて設けられることにより開放され、第3の可溶導体81を介して常時電気的に接続されている。第3、第4の電極83,84と第3の可溶導体81との接続は、上記接続ハンダ等の接合材18を用いることができる。そして、第3、第4の電極83,84は、温度切替素子80が作動することにより、図22(A)(B)に示すように、第3の可溶導体81が溶断することにより導通が遮断される。第3、第4の電極83,84は、それぞれ、一端に外部接続端子83a,84aが設けられている。第3、第4の電極83,84は、これら外部接続端子83a,84aを介して温度切替素子80が動作することにより遮断される電源回路やデジタル信号回路等の外部回路と接続されている。温度切替素子80は、第3、第4の電極83,84間が遮断することにより、当該外部回路の電流経路、あるいは機能回路を遮断することができる。
[第3の可溶導体]
第3の可溶導体81は、第1の可溶導体13と同様に、温度切替素子80の温度雰囲気により速やかに溶融されるいずれの金属を用いることができ、例えば、Sn又はSnBi系ハンダやSnIn系ハンダ、その他Snを主成分とするPbフリーハンダ等の低融点金属を好適に用いることができる。
また、第3の可溶導体81は、低融点金属と高融点金属とを含有してもよい。低融点金属及び高融点金属は、上記第1の可溶導体13に用いるものと同様のものを用いることができる。
なお、第3の可溶導体81は、酸化防止、濡れ性の向上等のため、フラックス24が塗布されている。
[回路構成・アプリケーション]
温度切替素子80は、図23(A)(B)に示す回路構成を有する。すなわち、温度切替素子80は、動作前の状態において、第1の電極11と第2の電極12とが近接されるとともに離間されることにより絶縁され、第1の可溶導体13が溶融することにより短絡するスイッチ2を構成する。また、温度切替素子80は、第3、第4の電極83,84間が第3の可溶導体81を介して接続され、第3の可溶導体81が溶融することにより遮断される。
図24に示すように、第1、第2の電極11,12は、温度切替素子80が実装される回路基板の電流経路上に直列接続されることにより、電源回路や信号回路等の各種外部回路28A,28B間に組み込まれる。同様に、第3、第4の電極83,84も、温度切替素子80が実装される回路基板の電流経路上に直列接続されることにより、電源回路や信号回路等の各種外部回路85A,85B間に組み込まれる。
外部回路28A,28Bは、温度切替素子80の作動前においては、第1、第2の電極11,12間が開放されることにより遮断され、第1、第2の電極11,12の短絡により物理的、不可逆的に短絡される回路であり、例えば温度切替素子80が組み込まれた電子機器のデバイスが異常発熱を起こした場合や、火災等の緊急事態において、冷却装置やスプリンクラー等の起動、バックアップ回路の起動、警報器等の異常報知システムの作動、バイパス電流経路の構築等を行う各種機能回路を例示できる。あるいは、外部回路28A,28Bは、ネットワーク通信機器におけるハッキングやクラッキングに対してデータサーバを迂回するバイパス信号経路の構築、あるいは通常のデバイスやソフトウェアのアクティベーションを行うものでもよい。
また、外部回路85A,85Bは、温度切替素子80の作動前においては、第3、第4の電極83,84間が第3の可溶導体81を介して接続されることにより接続され、第3、第4の電極83,84間の遮断により物理的、不可逆的に遮断される回路であり、例えばバッテリパックや電子機器の電源回路、信号回路、ネットワーク通信機器におけるインターネット回線等、あらゆる電気回路に適用することができる。
温度切替素子80は、デバイスの故障に伴う異常発熱や火災等、外部の熱源15からの熱が伝わり、第1、第3の可溶導体13,81の融点以上の温度雰囲気になると、図22(A)(B)に示すように、第1、第3の可溶導体13,81が加熱、溶融される。これにより、温度切替素子80は、溶融導体13aが第1の電極11の周囲に凝集するとともに、隣接配置された第2の電極11とも接触し、絶縁されていた第1、第2の電極11,12が溶融導体13aを介して短絡され、外部回路28A,28Bが接続される。また、温度切替素子80は、第3の可溶導体81が溶断することにより第3、第4の電極83,84間の導通が遮断され、外部回路85A,85Bが遮断される。
なお、温度切替素子80においても、温度短絡素子1と同様に、第2の電極12に第2の可溶導体21を接続させるとともに、伝熱部材82Aと第1、第2の電極11,12とを連続させ、第2の電極2を介して第2の可溶導体21を溶融させてもよい。
[溶融順序]
また、温度切替素子80は、第1の可溶導体13と第3の可溶導体81との溶融順序を規定することにより、外部回路28A,28B間の短絡と、外部回路85A,85B間の遮断との順序を規定してもよい。
すなわち、温度切替素子80は、第1の可溶導体13が第3の可溶導体81よりも先に溶融することにより、外部回路28A,28Bを短絡させた後に、外部回路85A,85B間を遮断させることができる。これにより、例えば、非常電源回路やバックアップ回路からなる外部回路28A,28B間が起動した後に、通常の電源回路や機能回路からなる外部回路85A,85B間を遮断することができる。
また、温度切替素子80は、第3の可溶導体81が第1の可溶導体13よりも先に溶融することにより、外部回路85A,85B間を遮断させた後に、外部回路28A,28Bを短絡させることができる。これにより、例えば、電源回路からなる外部回路85A,85B間を遮断させた後に、警報システム回路からなる外部回路28A,28Bを起動させることができる。
このような第1の可溶導体13と第3の可溶導体81との溶融順序は、第1の可溶導体13と第3の可溶導体81とに融点差を設けることにより規定することができる。例えば、第1の可溶導体13をSnIn系ハンダで形成し、第3の可溶導体81をSnBi系ハンダで形成すると、インジウム錫合金の融点は120℃であり、錫ビスマス合金の融点は138℃であることから、第1の可溶導体13が第3の可溶導体81よりも融点が低く、先に溶融させることができる。
また、第1の可溶導体13と第3の可溶導体81との溶融順序は、第1の可溶導体13と第3の可溶導体81の断面積を変えることによっても規定することができる。可溶導体は、断面積が太いほど溶融しにくくなるため、先に溶融させる溶融導体の断面積を小さくし、後から溶融させる溶融導体の断面積を大きくすればよい。
また、第1の可溶導体13と第3の可溶導体81との溶融順序は、伝熱部材82の経路長や太さを変えることで熱伝導性に差を設けることにより規定してもよい。
[表面実装タイプ]
また、本発明が適用された温度切替素子は、外部回路基板に表面実装可能に形成することができる。表面実装用に形成された温度切替素子80は、図25(A)(B)に示すように、絶縁基板10の表面10aに第1〜第4の電極11,12,83,84が積層されている。第1の可溶導体13は、接続ハンダ等の接合材18により第1の電極11上に支持されるとともに、第2の電極12と重畳され、第2の電極12上に形成された第1の絶縁層17に支持されている。これにより、温度切替素子80は、第1、第2の電極11,12が開放されている。第3の可溶導体81は、接合材18により第3、第4の電極83,84上に跨って接続されている。なお、図25(A)は表面実装型の温度切替素子80の平面図であり、図25(B)は、同図(A)のA−A´断面図である。
絶縁基板10は、上述した温度短絡素子1の絶縁基板10と同様の部材を用いることができ、セラミック基板等の熱伝導性に優れた絶縁材料や、表面が絶縁材料によってコーティングされた金属基板を用いることにより、第1,第3の可溶導体13,81に外部の熱源15の熱を伝える伝熱部材82として機能する。外部の熱源15の熱は絶縁基板10を介して第1、第3、第4の電極11,83,84、及び接合材18を介して直接第1、第3の可溶導体13,81に伝わるとともに、温度切替素子80内におけるあおり熱として間接的に第1、第3の可溶導体13,81に伝わる。これにより、温度切替素子80は、第1、第3の可溶導体13,81の融点以上の温度雰囲気が作り出され、第1、第3の可溶導体13,81を溶融させることができる。
第1〜第4の電極11,12,83,84は、絶縁基板10の表面10aに形成された導体パターンである。また、第1〜第4の電極11,12,83,84は、絶縁基板10の裏面10bに形成された外部接続端子(図示せず)と接続されている。温度切替素子80は、これら外部接続端子を介して電源回路やバックアップ回路等の各種外部回路に組み込まれる。
第1〜第4の電極11,12,83,84は、Ag等の高融点金属ペーストをスクリーン印刷技術を用いて絶縁基板10の表面10a上にパターン形成して、焼成する等によって形成することができる。また、第1〜第4の電極11,12,83,84は、Ag等の熱伝導性に優れた材料を用いて形成することにより、外部の熱源15の熱を第1の可溶導体13に伝える伝熱部材82として機能させることができる。
第1、第2の電極11,12上には、ガラス等の絶縁材料によって第1の絶縁層17が設けられるとともに、板状に形成された第1の可溶導体13が、第1、第2の電極11,12間に跨って搭載されている。第1、第2の電極11,12は、第1の絶縁層17で第1の可溶導体13を支持することにより、第1の可溶導体13と離間されている。また、第1の電極11は、接合ハンダ等の接合材18が設けられ、接合材18を介して第1の可溶導体13が接続されている。
また、第3、第4の電極83,84上にも、第3の可溶導体81との接続部近傍に、ガラス等の絶縁材料によって第1の絶縁層17が設けられている。
第1の絶縁層17は、第3、第4の電極83,84と各外部接続端子との間に形成され、接合材18や溶融導体81aの流出を防止する。これにより、第1の絶縁層17は、溶融導体81aが各外部接続端子側へ流出し、外部回路との接続状態に影響を与える事態を防止する。
なお、第1、第3の可溶導体13,81は、酸化防止、濡れ性の向上等のため、フラックス24が塗布されている。また、温度切替素子80は、絶縁基板10の表面10a上がカバー部材25によって覆われている。
温度切替素子80は、外部の熱源が発熱すると、図26(A)(B)に示すように、絶縁基板10や第1〜第4の電極11,12,83,84等の伝熱部材を介して第1、第3の可溶導体13,81が加熱溶融される。そして、温度切替素子80は、溶融導体13aが第1、第2の電極11,12間に凝集することにより第1、第2の電極11,12間が短絡され、また、第3の可溶導体81が溶断することにより第3、第4の電極83,84間が遮断される。
なお、温度切替素子80は、図25に示すように、第1の可溶導体13を第1の電極11の第2の電極12と反対側、及び第2の電極12の第1の電極11と反対側に延在させてもよい。これにより、温度切替素子80は、第1、第2の電極11,12間に凝集する溶融導体13aの量を増大させ、確実に短絡させることができる。
また、温度切替素子80において、板状に形成された第1の可溶導体13は、第1の電極11との接続面積よりも大きな面積を有することが好ましい。これにより、第1の可溶導体13は、第1、第2の電極11,12間を短絡させるのに十分な溶融導体の量を確保することができる。
また、温度切替素子80は、上記温度短絡素子30と同様に、第1の電極11に支持された第1の可溶導体13の端部を支持する第1の支持電極31を設けてもよい。
[温度切替素子87]
また、本発明が適用された温度切替素子は、表面実装用に形成するとともに、第1、第2の電極11,12による第1の可溶導体13の支持面積を広げ、第1の可溶導体13の変形を防止するとともに初期短絡を防止するようにしてもよい。なお、以下の説明において、上述した温度短絡素子1,30,40,50,60,70及び温度切替素子80と同一の構成については同一の符号を付してその詳細を省略する。
この温度切替素子87は、図27に示すように、絶縁基板10と、絶縁基板10の表面10aに形成された第1〜第4の電極11,12,83,84と、第1、第2の電極11,12上に、第1、第2の電極11,12の対向する各先端部11b,12bを露出させて積層された第1の絶縁層17と、絶縁基板10の表面10a上に形成され第1、第2の電極11,12よりも厚い第2の絶縁層51と、第1、第2の絶縁層17,51上に搭載された第1の可溶導体13と、第3、第4の電極83,84間に接続された第3の可溶導体81とを備える。なお、図27(A)は、温度切替素子87のカバー部材25を除いて示す平面図であり、同図(B)は同図(A)に示すA−A’断面図、同図(C)は同図(A)に示すB−B’断面図である。
温度切替素子87における第1、第2の電極11,12は、温度短絡素子60と同様に、矩形状に形成された絶縁基板10の長さ方向に亘って広範に形成されるとともに、絶縁基板10の幅方向の両側縁から中央部にかけて形成され、所定の間隔を隔てて対向され、略中央部に積層された第1の絶縁層17から、相対向する先端部11b,12bが露出されている。
また、温度切替素子87における第1、第2の絶縁層17,51は、温度短絡素子60と同様に形成され、第1、第2の電極11,12の相対向する各先端部11b,12bを露出させる略矩形状の開口部61が形成される。
第1の可溶導体13は、第1、第2の絶縁層17,51上に、開口部61を覆うように搭載されるとともに、接合用ハンダ等の接合材18を介して第1の電極11に固着されている。これにより、第1の可溶導体13は、第1,第2の絶縁層17,51によって全周にわたって支持され、長手方向及び幅方向の撓みが防止されている。
したがって、温度切替素子87によれば、リフロー実装時等において第1の可溶導体13が湾曲することを確実に防止し、第1の可溶導体13の変形によって第1、第2の電極11,12間が短絡される初期短絡を防止することができる。
なお、第1の可溶導体13は、第1の電極11に替えて、又は第1の電極11に加えて、接合材18を介して第1の絶縁層17及び/又は第2の絶縁層51に固着してもよい。第1の可溶導体13を複数個所で固着することにより、リフロー実装時等の温度環境下においても、位置ズレ等を防止し、安定して保持することができる。
このような温度切替素子87は、第1、第3の可溶導体13,81の融点以上の温度雰囲気において第1、第3の可溶導体13,81が溶融すると、溶融導体13aが開口部61より臨む第1、第2の電極11,12の各先端部11b,12b間にわたって凝集される。これにより、温度切替素子87は、第1、第2の電極11,12間にわたって溶融導体13aが凝集し、確実に第1、第2の電極11,12間が短絡される。また、温度切替素子87は、第3の可溶導体81が溶断することにより第3、第4の電極83,84間が遮断される。
[温度切替素子90]
また、本発明が適用された温度切替素子は、第1の電極11に第1の可溶導体13を支持するとともに、第2の電極12に第2の可溶導体21を支持させてもよい。なお、以下の説明において、上述した温度短絡素子1,40,50,60,70及び温度切替素子80と同一の構成については同一の符号を付してその詳細を省略する。
図28に示す温度切替素子90は、上述した温度短絡素子40と同様に、絶縁基板10上に第1、第2の電極11,12が形成され、第1の電極11上に第1の可溶導体13が支持され、第2の電極12上に第2の可溶導体21が支持されている。温度切替素子90は、第1、第2の電極11,12がそれぞれ独立して可溶導体を支持することにより、第1、第2の可溶導体13,21の溶融前において開放されている。第1〜第3の可溶導体13,21,81は、同じ材料、同じ構成を有し、ほぼ同一の温度雰囲気において溶融される。なお、第1〜第3の可溶導体13,21,81には、酸化防止、濡れ性の向上等のため、フラックス24が塗布されている。
また、温度切替素子90は、上述した温度短絡素子40と同様に、第1の電極11に支持された第1の可溶導体13の一端を固定部材42により絶縁基板10に固着し、同様に、第2の電極12に支持された第2の可溶導体21の一端を固定部材42により絶縁基板10に固着してもよい。また、温度切替素子90は、上述した温度短絡素子40と同様に、絶縁基板10に第2の支持電極43を設け、接合材18を介して第1、第2の可溶導体13,21の端部を支持してもよい。
温度切替素子90は、第1〜第3の可溶導体13,21,81の融点以上の温度雰囲気において第1〜第3の可溶導体13,21,81が溶融する。これにより、図29に示すように、温度切替素子90は、溶融導体13aが第1の電極11上に凝集するとともに溶融導体21aが第2の電極12上に凝集する。これにより、第1、第2の電極11,12間にわたって溶融導体13a,21aが凝集し、第1、第2の電極11,12間が短絡される。また、第3の可溶導体81が溶断し、第3、第4の電極83,84間が遮断される。
なお、板状に形成された第1、第2の可溶導体13,21は、それぞれ第1、第2の電極11,12との接続面積よりも大きな面積を有することが好ましい。これにより、第1、第2の可溶導体13,21は、第1、第2の電極11,12間を短絡させるのに十分な溶融導体の量を確保することができる。
[熱伝導経路]
また、上述したように温度切替素子90は、温度切替素子80と同様に、第1の可溶導体13と第3の可溶導体81との溶融順序を規定することにより、外部回路28A,28B間の短絡と、外部回路85A,85B間の遮断との順序を規定してもよい。第1の可溶導体13と第3の可溶導体81との溶融順序は、第1の可溶導体13と第3の可溶導体81の融点差を設ける、又は断面積を変えることにより規定することができる。
また、温度切替素子90は、伝熱部材82として機能する第1の電極11の第1の可溶導体13までの熱伝導経路と、伝熱部材82として機能する第3の電極83の第3の可溶導体81までの熱伝導経路との熱伝導率を変えることにより、第1の可溶導体13と第3の可溶導体81との溶融順序を規定してもよい。
すなわち、図30に示すように、温度切替素子90は、第1、第2の電極11,12が第1の可溶導体13に外部の熱源からの熱を伝える伝熱部材として機能し、第3の電極83が第3の可溶導体81に外部の熱源からの熱を伝える伝熱部材として機能する。このとき、例えば、温度切替素子90は、第1、第2の電極11,12の外部の熱源からの伝熱経路P1、P2が細く且つ長く形成され、第3の電極83の外部の熱源からの伝熱経路P3が太く且つ短く形成されている。
これにより、第1の可溶導体13に熱を伝える伝熱経路P1、P2の熱伝導率が、相対的に第3の可溶導体81に熱を伝える伝熱経路P3よりも低くなる。これにより、温度切替素子90は、外部の熱源15からの熱により第1、第3の可溶導体13,81の融点以上の温度雰囲気になると、第3の可溶導体81に第1の可溶導体13よりも先に熱が伝わる。したがって、温度切替素子90は、第3の可溶導体81を先に溶融させて外部回路85A,85B間を遮断した後に、第1の可溶導体13を溶融させて外部回路28A,28B間を短絡させることができる。
このほかにも、温度切替素子90は、第1、第2の電極11,12と第3の電極83とを熱伝導率の異なる材料で形成することにより、外部の熱源からの伝熱経路P1、P2と、伝熱経路P3の熱伝導率を変えてもよい。
[温度切替素子97]
また、本発明が適用された温度切替素子は、表面実装用に形成するとともに、第2の電極12をカバー部材に設けたカバー部電極と接続してもよい。なお、以下の説明において、上述した温度短絡素子1,30,40,50,60,70及び温度切替素子80,90と同一の構成については同一の符号を付してその詳細を省略する。
この温度切替素子97は、図31に示すように、絶縁基板10の表面10aに第1〜第4の電極11,12,83,84が積層され、第3の可溶導体81が、接合材18により第3、第4の電極83,84上に跨って接続されている。また、温度切替素子97は、絶縁基板10の表面上を覆うカバー部材25を備え、第2の電極12が、カバー部材25の天面25bに第1の電極11と対向して形成されたカバー部電極71と接続されているものである。なお、図31(A)は、第1の可溶導体13の溶融前における温度切替素子97のカバー部材25を除いて示す平面図であり、同図(B)は同図(A)に示すA−A’断面図、同図(C)は同図(A)に示すB−B’断面図である。また、図32は、第1の可溶導体13の溶融後における温度切替素子97のカバー部材25を除いて示す平面図であり、同図(B)は同図(A)に示すA−A’断面図、同図(C)は同図(A)に示すB−B’断面図である。
カバー部材25は、カバー部材25の一側縁部25aから天面25bにかけて、カバー部電極71が形成され、絶縁基板10に搭載されることにより、カバー部電極71が第2の電極12に接続される。また、第1、第2の電極11,12は、互いに離間されることにより開放されている。また、第1、第2の電極11,12は、絶縁基板10の裏面10bに形成された外部接続端子11a,12aと接続されている。温度切替素子97は、この外部接続端子11a,12aを介して電源回路等の各種外部回路に組み込まれる。
また、カバー部電極71は、絶縁基板10上に形成された第1の電極11と対向されるとともに、第1の電極11との間に第1の可溶導体13が配設されている。第1の可溶導体13は、第1の電極11上に接合材18を介して固着されている。なお、第1の可溶導体13は、上述した固定部材42や第1の支持電極31、第2の絶縁層51を絶縁基板10に設け、これらによっても支持するようにしてもよい。
このような温度切替素子97は、第1、第3の可溶導体13,81の融点以上の温度雰囲気において第1、第3の可溶導体13,81が溶融すると、図32に示すように、溶融導体13aが第1の電極11上に凝集するとともに、天面25bに第1の電極11と対向配置されたカバー部電極71上にも凝集する。これにより、温度切替素子97は、溶融導体13a及びカバー部電極71を介して第1、第2の電極11,12を短絡させることができる。また、温度切替素子97は、第3の可溶導体81が溶断し、第3、第4の電極83,84間が遮断される。
[その他の構成]
なお、上述した各温度短絡素子1,30,40,50,60,70及び温度切替素子80,90,97において、板状に形成された第1の可溶導体13は、第1の電極11との接続面積の2倍以上の面積を有することが好ましい。これにより、第1の可溶導体13は、第1の電極11と第2の電極12又はカバー部電極71との間を短絡させるのに十分な溶融導体13aの量を確保するとともに、端部を固定部材42や第1の支持電極31に支持されている場合にも、速やかに溶断することができる。
また、上述した各温度短絡素子1,30,40,50,60,70及び温度切替素子80,90,97において、第1の可溶導体13を線材によって形成してもよく、この場合、第1の可溶導体13は、第1の電極11との接続長さの2倍以上の長さを有することが好ましい。これにより、第1の可溶導体13は、第1の電極11と第2の電極12又はカバー部電極71との間を短絡させるのに十分な溶融導体13aの量を確保するとともに、端部を固定部材42や第1の支持電極31に支持されている場合にも、速やかに溶断することができる。
さらに、上述した各温度短絡素子1,30,40,50,60,70及び温度切替素子80,90,97において、第1、第2の電極11,12の間隔は、第1、第2の電極間隔の延長線上における第1の電極11の幅以下とすることが好ましい。例えば、図1に示すように、温度短絡素子1は、第1、第2の電極11,12の間隔W1は、第1、第2の電極間隔の延長線上における第1の電極11の幅W2以下とすることが好ましい。これにより、第1、第2の電極11,12がより近接した位置に配置されることとなり、第1の可溶導体13の溶融導体13aが第1の電極11の周囲に凝集する際に、より確実に第2の電極12にも接触し、第1、第2の電極11,12間にわたって溶融導体13aを凝集させることができる。
また、上述した各温度短絡素子1,30,40,50,60,70及び温度切替素子80,90,97の第1〜第4の電極11,12,83,84、第1、第2の支持電極31,43及びカバー部電極71は、CuやAg等の一般的な電極材料を用いて形成することができ、表面上には、Ni/Auメッキ、Ni/Pdメッキ、Ni/Pd/Auメッキ等の被膜が、メッキ処理等の公知の手法によりコーティングされていることが好ましい。これにより、各温度短絡素子1,30,40,50,60,70及び温度切替素子80,90,97は、第1〜第4の電極11,12,83,84、第1の支持電極31及びカバー部電極71の酸化を防止し、第1〜第3の可溶導体13,21,81を確実に保持させることができる。また、温度短絡素子1,30,40,50,60,70及び温度切替素子80,90,97をリフロー実装する場合に、第1〜第3の可溶導体13,21,81を接続する接続用ハンダ等の接合材18あるいは第1〜第3の可溶導体13,21,81の外層を形成する低融点金属が溶融することにより第1〜第4の電極11,12,83,84、第1、第2の支持電極31,43及びカバー部電極71が溶食(ハンダ食われ)されるのを防ぐことができる。
[可溶導体の構成]
上述したように、第1〜第3の可溶導体13,21,81は、低融点金属と高融点金属とを含有してもよい。なお、以下の説明においては、特に区別する必要がある場合を除き、第1〜第3の可溶導体13,21,81をまとめて「可溶導体13,21,81」という。低融点金属としては、Snを主成分とするPbフリーハンダなどのハンダを用いることが好ましく、高融点金属としては、Ag、Cu又はこれらを主成分とする合金などを用いることが好ましい。このとき、可溶導体13,21,81は、図33(A)(B)に示すように、内層として低融点金属層92が設けられ、外層として高融点金属層91が設けられた可溶導体を用いてもよい。この場合、可溶導体13,21,81は、低融点金属層92の全面が高融点金属層91によって被覆された構造としてもよく、相対向する一対の側面を除き被覆された構造であってもよい。
低融点金属層92の高融点金属層91による被覆構造は、メッキ等の公知の成膜技術を用いて形成することができる。なかでも、線状、あるいは長尺状の低融点金属材料に連続して高融点金属メッキを施すことができる電解メッキ法が、作業効率上、製造コスト上、有利となる。
なお、可溶導体13,21,81は、外層として低融点金属層92が設けられ、内層として高融点金属層91が設けられた可溶導体を用いてもよい。この場合も、可溶導体13,21,81は、高融点金属層91の全面が低融点金属層92によって被覆された構造としてもよく、相対向する一対の側面を除き被覆された構造であってもよい。
また、可溶導体13,21,81は、図34に示すように、高融点金属層91と低融点金属層92とが積層された積層構造としてもよい。
この場合、可溶導体13,21,81は、図34(A)に示すように、第1〜第4の電極11,12,83,84や第1、第2の支持電極31,43等に接続される下層と、下層の上に積層される上層からなる2層構造として形成され、下層となる高融点金属層91の上面に上層となる低融点金属層92を積層してもよく、反対に下層となる低融点金属層92の上面に上層となる高融点金属層91を積層してもよい。あるいは、可溶導体13,21,81は、図34(B)に示すように、内層と内層の上下面に積層される外層とからなる3層構造として形成してもよく、内層となる高融点金属層91の上下面に外層となる低融点金属層92を積層してもよく、反対に内層となる低融点金属層92の上下面に外層となる高融点金属層91を積層してもよい。
高融点金属層91と低融点金属層92の積層構造体は、シート状の低融点金属材料と、シート状の高融点金属材料とを積層することにより形成することができる。例えば、内層となる低融点金属層92の上下面に外層となる高融点金属層91を積層した積層構造は、図35に示すように、シート状の低融点金属層92を構成するハンダ箔92aの上下面に、シート状の高融点金属層91を構成するAg箔91aを積層し、所定の温度、圧力で熱プレス又は熱間圧延を行うことにより形成することができる。高融点金属層91と低融点金属層92の積層構造体からなる可溶導体13,21,81は、低融点金属材料と高融点金属材料との界面が所定の温度、圧力下でプレス又は圧延されることによって合金化され、一体化されている。また、この可溶導体13,21,81は、低融点金属層92の全面にわたって略均一の厚さで高融点金属層91が積層されている。
その他、高融点金属層91と低融点金属層92の積層構造体は、シート状の低融点金属層92を構成するハンダ箔92aの上下面に、高融点金属層91を構成する金属材料を蒸着やスパッタ等の公知の薄膜形成工程により積層することにより形成してもよい。
また、可溶導体13,21,81は、図36に示すように、高融点金属層91と低融点金属層92とが交互に積層された4層以上の多層構造としてもよい。この場合、可溶導体13,21,81は、最外層を構成する金属層によって、全面又は相対向する一対の側面を除き被覆された構造としてもよい。
また、可溶導体13,21,81は、内層を構成する低融点金属層92の表面に高融点金属層91をストライプ状に部分的に積層させてもよい。図37は、可溶導体13,21,81の平面図である。
図37(A)に示す可溶導体13,21,81は、低融点金属層92の表面に、幅方向に所定間隔で、線状の高融点金属層91が長手方向に複数形成されることにより、長手方向に沿って線状の開口部93が形成され、この開口部93から低融点金属層92が露出されている。可溶導体13,21,81は、低融点金属層92が開口部93より露出することにより、溶融した低融点金属と高融点金属との接触面積が増え、高融点金属層91の浸食作用をより促進させて溶断性を向上させることができる。開口部93は、例えば、低融点金属層92に高融点金属層91を構成する金属の部分メッキを施すことにより形成することができる。
また、可溶導体13,21,81は、図37(B)に示すように、低融点金属層92の表面に、長手方向に所定間隔で、線状の高融点金属層91を幅方向に複数形成することにより、幅方向に沿って線状の開口部93を形成してもよい。
また、可溶導体13,21,81は、図38に示すように、低融点金属層92の表面に高融点金属層91を形成するとともに、高融点金属層91の全面に亘って円形の開口部94が形成され、この開口部94から低融点金属層92を露出させてもよい。開口部94は、例えば、低融点金属層92に高融点金属層91を構成する金属の部分メッキを施すことにより形成することができる。
可溶導体13,21,81は、低融点金属層92が開口部94より露出することにより、溶融した低融点金属と高融点金属との接触面積が増え、高融点金属の浸食作用をより促進させて溶断性を向上させることができる。
また、可溶導体13,21,81は、図39に示すように、内層となる高融点金属層91に多数の開口部95を形成し、この高融点金属層91に、メッキ技術等を用いて低融点金属層92を成膜し、開口部95内に充填してもよい。これにより、可溶導体13,21,81は、溶融する低融点金属が高融点金属に接する面積が増大するので、より短時間で低融点金属が高融点金属を溶食することができるようになる。
また、可溶導体13,21,81は、低融点金属層92の体積を、高融点金属層91の体積よりも多く形成することが好ましい。可溶導体13,21,81は、融点以上の温度雰囲気により加熱され、低融点金属が溶融することにより高融点金属を溶食し、これにより速やかに溶融、溶断することができる。したがって、可溶導体13,21,81は、低融点金属層92の体積を高融点金属層91の体積よりも多く形成することにより、この溶食作用を促進し、速やかに第1、第2の電極11,12間を短絡することができる。
また、可溶導体13,21,81は、酸化による溶断特性の劣化を防止するために、表面にCuO膜やAu膜等の酸化防止膜を設けてもよい。
1 温度短絡素子、10 絶縁基板、11 第1の電極、11a 外部接続端子、12 第2の電極、12a 外部接続端子、13 第1の可溶導体、13a 溶融導体、14 伝熱部材、15 熱源、17 第1の絶縁層、18 接合材、21 第2の可溶導体、24 フラックス、25 カバー部材、25a 側壁、25b 天面、28 外部回路、30 温度短絡素子、31 第1の支持電極、40 温度短絡素子、42 固定部材、43 第2の支持電極、50 温度短絡素子、51 第2の絶縁層、52 開口部、60 温度短絡素子、61 開口部、70 温度短絡素子、71 カバー部電極、80 温度切替素子、81 第3の可溶導体、82 伝熱部材、83 第3の電極、83a 外部接続端子、84 第4の電極、84a 外部接続端子、85 外部回路、87 温度切替素子、90 温度切替素子、91 高融点金属層、92 低融点金属層、93 開口部、94 開口部、95 開口部、97 温度切替素子

Claims (64)

  1. 第1の電極と、
    上記第1の電極と隣接して設けられた第2の電極と、
    溶融することにより、上記第1、第2の電極間にわたって凝集し、上記第1、第2の電極を短絡させる第1の可溶導体とを備え、
    上記第2の電極の少なくとも一部に第1の絶縁層が設けられ、
    上記第1の可溶導体が上記第2の電極と重畳するとともに上記第1の絶縁層に支持されることにより、上記第1、第2の電極が開放され、
    上記第1の可溶導体の融点以上の温度雰囲気において上記第1の可溶導体が溶融する温度短絡素子。
  2. 第1の電極と、
    上記第1の電極と隣接して設けられた第2の電極と、
    溶融することにより、上記第1、第2の電極間にわたって凝集し、上記第1、第2の電極を短絡させる第1の可溶導体と
    絶縁基板を有し、
    上記第1、第2の電極は、上記絶縁基板上に形成された導体パターンであり、
    上記絶縁基板上に、上記第2の電極の厚みよりも高い第2の絶縁層が設けられ、
    上記第1の可溶導体が上記第2の電極と重畳するとともに上記第2の絶縁層に支持されることにより、上記第1、第2の電極が開放され、
    上記第1の可溶導体の融点以上の温度雰囲気において上記第1の可溶導体が溶融する温度短絡素子。
  3. 熱源からの熱を伝える伝熱部材を備え、
    上記伝熱部材が上記第1の電極又は上記第1の可溶導体と連続されている請求項1又は2に記載の温度短絡素子。
  4. 上記伝熱部材は、少なくとも表面が絶縁材料である請求項に記載の温度短絡素子。
  5. 上記第1の可溶導体は、上記第1の電極に支持されている請求項1〜のいずれか1項に記載の温度短絡素子。
  6. 第1の絶縁層が上記第1、第2の電極上に積層されるとともに、上記第1、2の電極の対向する各先端部を露出させる開口が設けられ、
    上記第1の可溶導体が上記第1の絶縁層の上記開口を覆うように搭載されている請求項に記載の温度短絡素子。
  7. 上記第1の可溶導体を支持する第1の支持電極が設けられている請求項1〜のいずれか1項に記載の温度短絡素子。
  8. 少なくとも上記第1の可溶導体を覆うカバー部材を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の温度短絡素子。
  9. 上記カバー部材の天面は、内部に上記第1の電極及び上記第1の可溶導体と重畳するとともに上記第2の電極と連続するカバー部電極が設けられ、
    上記第1の可溶導体の融点以上の温度雰囲気において上記第1の可溶導体が溶融し、上記カバー部電極を介して上記第1、第2の電極が短絡する請求項8記載の温度短絡素子。
  10. 上記絶縁基板、上記第1の電極又は外筐体が、上記第1の可溶導体に熱源からの熱を伝える伝熱部材となる請求項2又は6に記載の温度短絡素子。
  11. 上記絶縁基板が、セラミック基板又は表面が絶縁コートされた金属基板である請求項2,6,10のいずれか1項に記載の温度短絡素子。
  12. 上記第2の電極に接続された第2の可溶導体を備える請求項1〜11のいずれか1項に記載の温度短絡素子。
  13. 上記第1の可溶導体は、上記第1の電極との接続面積よりも大きな面積を有する請求項1〜12のいずれか1項に記載の温度短絡素子。
  14. 上記第1の可溶導体は、上記第1の電極との接続部以外の部位が固定部材により、少なくとも上記絶縁基板又は上記第2の絶縁層のいずれかと固着されている請求項記載の温度短絡素子。
  15. 上記第2の可溶導体は、上記第2の電極との接続面積よりも大きな面積を有する請求項12に記載の温度短絡素子。
  16. 上記第1、第2の可溶導体を支持する第2の支持電極が設けられている請求項12又は15に記載の温度短絡素子。
  17. 上記第2の電極に接続された第2の可溶導体を備え、
    上記第2の可溶導体は、上記第2の電極との接続部以外の部位が固定部材により、上記絶縁基板と固着されている請求項2,6,10,11のいずれか1項に記載の温度短絡素子。
  18. 上記第1の可溶導体の少なくとも一部にフラックスが塗布されている請求項1〜17のいずれか1項に記載の温度短絡素子。
  19. 上記第1の可溶導体は、低融点金属と高融点金属とを有する請求項1〜18のいずれか1項に記載の温度短絡素子。
  20. 上記第1の可溶導体は、上記低融点金属と上記高融点金属の積層体である請求項19記載の温度短絡素子。
  21. 上記第1の可溶導体は、上記低融点金属の表面が上記高融点金属で被覆された被覆構造である請求項19に記載の温度短絡素子。
  22. 上記低融点金属はハンダであり、上記高融点金属はAg、Cu、又はAg若しくはCuを主成分とする合金である請求項19〜21のいずれか1項に記載の温度短絡素子。
  23. 上記低融点金属は、Sn又はSnを主成分とする合金である請求項22記載の温度短絡素子。
  24. 上記低融点金属は、SnBi系又はSnIn系の低融点合金である請求項22記載の温度短絡素子。
  25. 上記低融点金属は、上記高融点金属よりも体積が多い請求項19〜24のいずれか1項に記載の温度短絡素子。
  26. 上記高融点金属は、上記低融点金属の表面にメッキすることにより形成される請求項19〜25のいずれか1項に記載の温度短絡素子。
  27. 上記高融点金属は、上記低融点金属の表面に金属箔を貼着させることにより形成される請求項19〜25のいずれか1項に記載の温度短絡素子。
  28. 上記高融点金属は、上記低融点金属の表面に薄膜形成工程により形成される請求項19〜25のいずれか1項に記載の温度短絡素子。
  29. 上記高融点金属の表面に、さらに酸化防止膜が形成されている請求項19〜28のいずれか1項に記載の温度短絡素子。
  30. 上記低融点金属と上記高融点金属とが、交互に複数層積層されている請求項19〜29のいずれか1項に記載の温度短絡素子。
  31. 上記低融点金属の対向する2端面を除く外周部が上記高融点金属によって被覆されている請求項19〜30のいずれか1項に記載の温度短絡素子。
  32. 第1の電極と、
    上記第1の電極と隣接して設けられた第2の電極と、
    溶融することにより、上記第1、第2の電極間にわたって凝集し、上記第1、第2の電極を短絡させる第1の可溶導体と、
    第3の電極及び第4の電極と、
    上記第3、第4の電極に跨って接続され、溶融することにより上記第3、第4の電極間を遮断する第3の可溶導体と
    絶縁基板を有し、
    上記第1〜第4の電極は、上記絶縁基板上に形成された導体パターンであり、
    上記絶縁基板上に、上記第2の電極の厚みよりも高い第2の絶縁層が設けられ、
    上記第1の可溶導体が上記第2の電極と重畳するとともに上記第2の絶縁層に支持されることにより、上記第1、第2の電極が開放され、
    上記第1、第3の可溶導体の融点以上の温度雰囲気において、上記第1、第3の可溶導体が溶融する温度切替素子。
  33. 熱源からの熱を伝える伝熱部材を備え、
    上記伝熱部材は、上記第1の電極又は上記第1の可溶導体、及び上記第3の電極又は上記第3の可溶導体と連続されている請求項32記載の温度切替素子。
  34. 上記伝熱部材は、少なくとも表面が絶縁材料である請求項33に記載の温度切替素子。
  35. 上記第1の可溶導体は、上記第1の電極に支持されている請求項32〜34のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  36. 上記第2の電極の少なくとも一部に第1の絶縁層が設けられ、
    上記第1の可溶導体が上記第2の電極と重畳するとともに上記第1の絶縁層に支持されることにより、上記第1、第2の電極が開放されている請求項32〜35のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  37. 第1の絶縁層が上記第1、第2の電極上に積層されるとともに、上記第1、2の電極の対向する各先端部を露出させる開口が設けられ、
    上記第1の可溶導体が上記第1の絶縁層の上記開口を覆うように搭載されている請求項32に記載の温度切替素子。
  38. 上記第1の可溶導体を支持する第1の支持電極が設けられている請求項32〜37のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  39. 少なくとも上記第1の可溶導体を覆うカバー部材を有する請求項32〜38のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  40. 上記カバー部材の天面は、内部に上記第1の電極及び上記第1の可溶導体と重畳するとともに上記第2の電極と連続するカバー部電極が設けられ、
    上記第1の可溶導体の融点以上の温度雰囲気において上記第1の可溶導体が溶融し、上記カバー部電極を介して上記第1、第2の電極が短絡する請求項39記載の温度切替素子。
  41. 上記絶縁基板、上記第1の電極、上記第3の電極又は外筐体が、上記第1の可溶導体及び/又は第3の可溶導体に熱源からの熱を伝える伝熱部材となる請求項32〜37のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  42. 上記絶縁基板が、セラミック基板又は表面が絶縁コートされた金属基板である請求項32〜41のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  43. 上記第2の電極に接続された第2の可溶導体を備える請求項32〜42のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  44. 上記第1の可溶導体は、上記第1の電極との接続面積よりも大きな面積を有する請求項32〜43のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  45. 上記第1の可溶導体は、上記第1の電極との接続部以外の部位が固定部材により、少なくとも上記絶縁基板又は上記第2の絶縁層のいずれかと固着されている請求項32〜44のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  46. 上記第2の可溶導体は、上記第2の電極との接続面積よりも大きな面積を有する請求項43に記載の温度切替素子。
  47. 上記第1、第2の可溶導体を支持する第2の支持電極が設けられている請求項43又は46に記載の温度切替素子。
  48. 上記第2の可溶導体は、上記第2の電極との接続部以外の部位が固定部材により、少なくとも上記絶縁基板又は上記第2の絶縁層のいずれかと固着されている請求項43,46又は47のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  49. 上記第1の可溶導体及び上記第3の可溶導体の少なくとも一部にフラックスが塗布されている請求項32〜48のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  50. 上記第1の可溶導体及び上記第3の可溶導体は、低融点金属と高融点金属とを有する請求項32〜49のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  51. 上記第1の可溶導体及び上記第3の可溶導体は、上記低融点金属と上記高融点金属の積層体である請求項50記載の温度切替素子。
  52. 上記第1の可溶導体及び上記第3の可溶導体は、上記低融点金属の表面が上記高融点金属で被覆された被覆構造である請求項50に記載の温度切替素子。
  53. 上記低融点金属はハンダであり、上記高融点金属はAg、Cu、又はAg若しくはCuを主成分とする合金である請求項50〜52のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  54. 上記低融点金属は、Sn又はSnを主成分とする合金である請求項53記載の温度切替素子。
  55. 上記低融点金属は、SnBi系又はSnIn系の低融点合金である請求項53記載の温度切替素子。
  56. 上記低融点金属は、上記高融点金属よりも体積が多い請求項50〜55のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  57. 上記高融点金属は、上記低融点金属の表面にメッキすることにより形成される請求項50〜56のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  58. 上記高融点金属は、上記低融点金属の表面に金属箔を貼着させることにより形成される請求項50〜56のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  59. 上記高融点金属は、上記低融点金属の表面に薄膜形成工程により形成される請求項50〜56のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  60. 上記高融点金属の表面に、さらに酸化防止膜が形成されている請求項50〜59のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  61. 上記低融点金属と上記高融点金属とが、交互に複数層積層されている請求項50〜60のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  62. 上記低融点金属の対向する2端面を除く外周部が上記高融点金属によって被覆されている請求項50〜61のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  63. 上記第1の可溶導体と上記第3の可溶導体は、いずれか一方が他方よりも融点が低く、当該一方の可溶導体が溶融した後に、他方の可溶導体が溶融する請求項32〜62のいずれか1項に記載の温度切替素子。
  64. 伝熱部材として機能する上記第1の電極の上記第1の可溶導体までの熱伝導経路と、伝熱部材として機能する上記第3の電極の上記第3の可溶導体までの熱伝導経路とは、いずれか一方が他方よりも熱伝導率が高く、当該一方の熱伝導経路と接続された一方の可溶導体が溶融した後に、他方の熱伝導経路と接続された他方の可溶導体が溶融する請求項32〜63のいずれか1項に記載の温度切替素子。
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