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JP6409540B2 - フィルム、フィルムの製造方法および積層体 - Google Patents

フィルム、フィルムの製造方法および積層体 Download PDF

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JP6409540B2 JP2014248590A JP2014248590A JP6409540B2 JP 6409540 B2 JP6409540 B2 JP 6409540B2 JP 2014248590 A JP2014248590 A JP 2014248590A JP 2014248590 A JP2014248590 A JP 2014248590A JP 6409540 B2 JP6409540 B2 JP 6409540B2
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Description

本発明はディスプレイ用フィルムやフレキシブル回路基板用フィルムとして好適に使用可能なフィルムに関する。
従来のディプレイ用フィルム、特に、タッチパネルの前面板に用いるフィルムの場合には、表面に傷がつきにくいことが求められ、フレキシブル回路基板においては、工程中に金属ロール等の硬い物質と触れる際に傷がついて歩留まりが悪くなる恐れがあることから、耐キズ付き性が求められていた。また、400nm以上の可視光における光線透過率が高いことはもちろんのこと、デバイス上に紫外線硬化樹脂層などを設ける場合があり、特にi線(365nm)の波長の光線透過率が高いことが求められる。さらに、ディスプレイ用途において、特にタッチパネルの前面板に用いる場合には、偏光板と積層して用いられることがあり、低位相差が求められていた。また、ITOなどの透明導電層の成形や薄膜トランジスタの形成の際には低い熱膨張係数と高いガラス転移温度が求められていた。
これらの課題を解決するために、特許文献1、2に全芳香族または脂環族のポリアミドフィルムが記載されている。しかし、これらのポリアミドフィルムは湿式製膜によって製造すると分子間のパッキングの乱れにより光が散乱し、ヘイズが大きくなる課題が有るため、アラミドポリマーの有機溶媒溶液を支持体上に展開し、徐々に溶媒を加熱乾燥する工程(乾式工程)にてポリマー濃度を上げて自己支持性のゲルフィルムを得、これを支持体から剥離して熱処理したり(乾式製膜)、水浴に浸して溶媒を抽出した後に熱処理する(乾湿式製膜)方法によって製膜される。これらの方法では良好なフィルムを得るが、面内位相差を低く抑えることや、耐キズ付き性および耐熱性を全て両立させることができていなかった。さらに、多くのポリアミドは湿式製膜では白濁してしまい良好な膜を得ることが出来ない。
また、特許文献3に湿式製膜可能な全芳香族ポリアミドフィルムが開示されている。しかし、特許文献3に開示のポリアミドは液晶性を持つため位相差を利用する用途には有用である一方、等方性を求める用途には適用できない課題があった。
また、特許文献4、5には芳香族と脂環族からなる無色透明なコポリアミドやポリアミドが提案されている。しかし、提案されているこれらのフィルムにおいても、課題を全て満足するフィルムは得られていなかった。
国際公開第2004/039863号パンフレット 国際公開第2005/54173号パンフレット 特開2004−309612号公報 国際公開第2013/245349号パンフレット 特開平8−239469号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。すなわち、本発明の目的は、湿式製膜により低位相差でありながら、耐キズ付き性や、高い透明性さらに耐熱性を両立し、ディスプレイ用フィルムやフレキシブル回路基板用フィルムとして好適に使用可能なフィルムを提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、下記(A)〜(C)を満たすフィルムであることを特徴とする。
(A)ヘイズが5%以下。
(B)548.3nmにおける面内位相差が100nm以下。
(C)1Hzで測定した場合の50℃における損失弾性率が、2.5×10Pa以上。
本発明によれば、透明性と高い表面硬度に加えて低位相差を両立するフィルムを提供できる。さらに表示装置の表面カバー材料としてだけでなく、無色透明フレキシブル回路基板用フィルムとしても好適に用いることができる。
本発明のフィルムは、下記(A)〜(C)を満たすフィルムである。
(A)ヘイズが5%以下。
(B)548.3nmにおける面内位相差が100nm以下。
(C)1Hzで測定した場合の50℃における損失弾性率が、2.5×10Pa以上。
上記(A)〜(C)を満たすことで、高い透明性と高い表面硬度および低位相差のフィルムを得ることができる。より好ましくはヘイズが4%以下、548.3nmにおける面内位相差が90nm以下、1Hzで測定した場合の50℃における損失弾性率が、3.0×10Pa以上である。さらに好ましくは、ヘイズが3%以下、548.3nmにおける面内位相差が80nm以下、1Hzで測定した場合の50℃における損失弾性率が、3.5×10Pa以上である。最も好ましくは、ヘイズが2%以下、548.3nmにおける面内位相差が50nm以下、1Hzで測定した場合の50℃における損失弾性率が、4.0×10Pa以上である。ヘイズが5%より大きい場合は、光線透過率が低くなるため表示装置に組み込んだ際に、表示装置の明るさが低下する場合がある。また、548.3nmにおける面内位相差が100nmより大きい場合は、表示装置に組み込んだ場合に視認性が低下することがある。また、1Hzで測定した場合の50℃における損失弾性率が、2.5×10Paより小さい場合は、表面硬度が低下することがある。
発明のフィルムは、鉛筆硬度がH以上であることが好ましい。より好ましくは2H以上である。さらに好ましく3H以上である。フィルムの鉛筆硬度がHよりも低い場合、タッチパネルのカバー材として用いた際に、キズが付きやすくなることがある。また、フレキシブル回路基板を作成する際には、工程中のロールなどで搬送時にキズが付き易くなり歩留まりが低下しやすい。フィルムの鉛筆硬度をH以上とするためには、例えば、1Hzで測定した場合の50℃における損失弾性率を、2.5×10Pa以上とすることで達成可能である。さらに、損失弾性率を2.5×10Pa以上とするには、例えば、化学式(I)〜(IV)で示される構造単位を一部または全部含み、化学式(I)で表される構造単位のモル分率をa、化学式(II)で表される構造単位のモル分率をb、化学式(III)で表される構造単位のモル分率をc、化学式(IV)で表される構造単位のモル分率をdとし、a+b=50としたとき、a、b、cおよびdが次式(1)〜(4)を満足するポリマーを用い、フィルム化する手法として湿式製膜法を採用することにより達成可能である。ここで言う湿式製膜法とは、次に説明する方法に限定されるものではないが、例えば支持板に展開またはキャストされたポリマー溶液を支持板ごと直接湿式浴中に浸漬してポリマー溶液中の溶媒の脱溶媒を行い、その後、熱処理することでフィルムを得る手法のことをいう。
本発明のフィルムは、化学式(I)〜(IV)で示される構造単位を含み、化学式(I)で表される構造単位のモル分率をa、化学式(II)で表される構造単位のモル分率をb、化学式(III)で表される構造単位のモル分率をc、化学式(IV)で表される構造単位のモル分率をdとし、a+b=50としたとき、a、b、cおよびdが次式(1)〜(4)を満足することが好ましい。
Figure 0006409540
Figure 0006409540
:SO、C(CF、またはO-Ph-SO-Ph-O
Figure 0006409540
:HまたはF
Figure 0006409540
:脂環族基、芳香族基

30≦a≦50 ・・・(1)
0≦c<45 ・・・(2)
5≦d<50 ・・・(3)
0.9≦(c+d)/(a+b)≦1.1 ・・・(4)
化学式(I)で示される、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル残基のモル分率は、より好ましくは35以上50以下である。さらに好ましくは40以上50以下である。化学式(I)示される構造を30mol%以上含む場合は、光線透過率の向上、表面硬度の向上、耐熱性の向上に寄与するため好ましい。化学式(I)で示される構造単位が30mol%より少ない場合は、表面硬度の低下や耐熱性が低下する場合がある。
化学式(II)で示される構造単位中のRについて、より好ましくはSOまたはC(CFである。さらに好ましくはSOである。化学式(II)で示される構造を含む場合、ポリマー重合性が向上し、フィルムの透明性が向上するため好ましい。
化学式(III)がパラ位の芳香族カルボン酸残基である場合、化学式(IV)はメタ位の芳香族カルボン酸残基であることが好ましい。また、化学式(IV)が脂環族基である場合、化学式(III)はパラ位またはメタ位の芳香族カルボン酸残基であることが好ましい。化学式(III)および(IV)が共にパラ位の芳香族カルボン酸残基である場合、湿式製膜する際に、得られるフィルムのヘイズが上昇することがある。また、得られるフィルムの365nmにおける光の光線透過率が低くなる場合がある。
本発明のフィルムは、固有粘度が2.0dl/g以上であることが好ましい。より好ましくは固有粘度が2.5dl/g以上である。さらに好ましくは2.7dl/g以上である。固有粘度が2.0dl/g以上であると、湿式製膜により製膜する際にフィルムのヘイズを低く抑えることができ、光線透過率の優れたフィルムが得られるため好ましい。一方で、固有粘度が2.0dl/gよりも小さい場合、湿式製膜により製膜する際にフィルムのヘイズが上昇するだけでなく、フィルムの強度や伸度が低くなる場合がある。固有粘度を2.0dl/g以上とするには、例えば、上述した化学式(I)〜(IV)で示される構造単位を含み、化学式(I)で表される構造単位のモル分率をa、化学式(II)で表される構造単位のモル分率をb、化学式(III)で表される構造単位のモル分率をc、化学式(IV)で表される構造単位のモル分率をdとし、a+b=50としたとき、a、b、cおよびdが上記した式(1)〜(4)を満足することにより達成可能である。
本発明のフィルムは、365nmにおける光の光線透過率が20%以上であることが好ましい。より好ましくは、365nmにおける光の光線透過率が30%以上である。さらに好ましくは、365nmにおける光の光線透過率が40%以上である。365nmにおける光の光線透過率が20%未満である場合、ディスプレイ基板として利用することが困難となる場合があるだけでなく、紫外線透過率が下がるため、フィルム上に紫外線硬化樹脂層を設けようとする際に高いエネルギーが必要となり、紫外線照射工程でフィルムが脆くなる場合がある。365nmの波長の光の光線透過率を20%以上とするには、例えば、上述した化学式(I)〜(IV)で示される構造単位を含み、化学式(I)で表される構造単位のモル分率をa、化学式(II)で表される構造単位のモル分率をb、化学式(III)で表される構造単位のモル分率をc、化学式(IV)で表される構造単位のモル分率をdとし、a+b=50としたとき、a、b、cおよびdが式(1)〜(4)を満足することにより達成可能である。
本発明のフィルムは、面内の少なくとも1方向の100℃から200℃までの平均熱膨張係数が−10ppm/℃以上30ppm/℃以下であることが好ましい。より好ましくは、面内の少なくとも1方向の上記平均熱膨張係数が−5〜30ppm/℃である。さらに好ましくは、面内の少なくとも1方向の上記平均熱膨張係数が−5〜25ppm/℃である。最も好ましくは、面内の少なくとも1方向の上記平均熱膨張係数が0〜20ppm/℃である。少なくともフィルム面内の1方向の100℃から200℃までの平均熱膨張係数が、−10ppm/℃未満または、30ppm/℃を超える場合、フィルム上にインジウムをドープした酸化錫(ITO)を積層する際や、薄膜トランジスタ(TFT)を作成する際や、ハンダリフローを通す際に、カール、割れ、位置ズレを起こすことがある。少なくともフィルム面内の1方向の100℃から200℃までの平均熱膨張係数を、−10ppm/℃以上30ppm/℃以下とするためには、例えば化学式(I)〜(IV)で示される構造単位を含み、化学式(I)で表される構造単位のモル分率をa、化学式(II)で表される構造単位のモル分率をb、化学式(III)で表される構造単位のモル分率をc、化学式(IV)で表される構造単位のモル分率をdとし、a+b=50としたとき、a、b、cおよびdが式(1)〜(4)を満足することにより達成可能である。
なお、本発明において、「平均熱膨張係数」とは温度T1から温度T2までの平均熱膨張係数を意味し、100℃〜200℃の平均熱膨張係数は250℃まで昇温した後の降温過程において測定する。23℃、65RH%における初期試料長をL0、温度T1の時の試料長をL1、温度T2の時の試料長をL2とするとT1からT2の平均熱膨張係数は以下の式で求められる。
平均熱膨張係数(ppm/℃)
=(((L2−L1)/L0)/(T2−T1))×10
本発明のフィルムは、ガラス転移温度が280℃以上であることが好ましい。より好ましくは、ガラス転移温度が290℃以上である。さらに好ましくは、ガラス転移温度が300℃以上である。ガラス転移温度が280℃より低い場合、フィルム上に積層したITOのキュアを行う際や、薄膜トランジスタ(TFT)を作成する際、ハンダリフローを通す際にカール、割れ、位置ズレを起こすことがある。ガラス転移温度を280℃以上とするためには、例えば化学式(I)〜(IV)で示される構造単位を含み、化学式(I)で表される構造単位のモル分率をa、化学式(II)で表される構造単位のモル分率をb、化学式(III)で表される構造単位のモル分率をc、化学式(IV)で表される構造単位のモル分率をdとし、a+b=50としたとき、a、b、cおよびdが式(1)〜(4)を満足することにより達成可能である。
本発明のフィルムの製造工程は、ポリマー濃度が1wt%〜30wt%のポリマーの有機溶媒溶液を貧溶媒浴に浸す工程を有することが好ましい。この際のポリマー濃度は好ましくは、1wt%〜20wt%であり、さらに好ましくは5wt%〜20wt%である。また、ここで言う貧溶媒浴とは水を10wt%以上含むものであり、好ましくは水を20wt%以上含むものであり、さらに好ましくは水を30wt%以上含むものである。
次に、本発明におけるフィルムに用いるポリマーやその組成物の製造方法、および成形体としてフィルムを製造する例を、ポリアミド、ポリアミドフィルムを例にとり説明するが、もちろん本発明はこれに限定されるものではない。
ポリアミド溶液、すなわち製膜原液を得る方法は種々の方法が利用可能であり、例えば、低温溶液重合法、界面重合法、溶融重合法、固相重合法などを用いることができる。低温溶液重合法つまりカルボン酸ジクロライドとジアミンから得る場合には、非プロトン性有機極性溶媒中で合成される。
カルボン酸ジクロライドとしてはテレフタル酸ジクロライド、2クロロ−テレフタル酸ジクロライド、2フルオロ−テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、ナフタレンジカルボニルクロライド、4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライド、ターフェニルジカルボニルクロライド、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸クロライド、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸クロライド、2,6−デカリンジカルボン酸クロライドなどが挙げられるが、好ましくは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸クロライド、テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライドが用いられる。
ジアミンとしては例えば4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)フルオレン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、o−トリジン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−トリジン)、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジンなどが挙げられるが、好ましくは2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンが挙げられる。ポリアミド溶液は、単量体として酸ジクロライドとジアミンを使用すると塩化水素が副生するが、これを中和する場合には水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機の中和剤が使用される。また、イソシアネートとカルボン酸との反応は、非プロトン性有機極性溶媒中、触媒の存在下で行なわれる。
ジアミンとジカルボン酸ジクロライドを原料とした場合、原料の組成比によってアミン末端あるいはカルボン酸末端となる。または他のアミン、カルボン酸クロライド、カルボン酸無水物によって、末端封止を行ってもよい。
末端封止に用いる化合物としては塩化ベンゾイル、置換塩化ベンゾイル、無水酢酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、4−エチニルアニリン、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、無水マレイン酸などが例示できる。
ポリアミドの製造において、使用する非プロトン性極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の使用も可能である。さらにはポリマーの溶解を促進する目的で溶媒には50質量%以下のアルカリ金属、またはアルカリ土類金属の塩を添加することができる。
本発明のフィルムには、表面形成、加工性改善などを目的として10質量%以下の無機質または有機質の添加物を含有させてもよい。表面形成を目的とした添加剤としては例えば、無機粒子ではSiO、TiO、Al、CaSO、BaSO、CaCO、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、ゼオライト、その他の金属微粉末等が挙げられる。また、好ましい有機粒子としては、例えば、架橋ポリビニルベンゼン、架橋アクリル、架橋ポリスチレン、ポリエステル粒子、ポリイミド粒子、ポリアミド粒子、フッ素樹脂粒子等の有機高分子からなる粒子、あるいは、表面に上記有機高分子で被覆等の処理を施した無機粒子が挙げられる。
次にフィルム化について説明する。本発明に用いる上述したポリアミドは有機溶媒に可溶であるため、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)のように濃硫酸を用いた特殊な製膜方法は必ずしも必要としない。上記のように調製された製膜原液は、いわゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがありいずれの方法で製膜されても差し支えないが、上述したポリアミドは湿式法により製膜される。そのため、ここでは湿式法を例にとって説明する。
湿式法は上記重合方法で得られた原液を口金からシート状に押し出して、空気層を通り直接貧溶媒浴に導入するか、ドラム、エンドレスベルト、ガラス板、フィルム等の支持体上にキャスティングしてシート状とし、かかるシートを5秒から20分程度レベリングさせる。次いでその支持体ごと貧溶媒浴に浸漬して、脱塩、脱溶媒などが行われる。また、貧溶媒が入った浴は1槽から10槽の間で適宜設ける事が出来る。また、各槽の容量は3L以上とすることが好ましい。さらに、各槽への貧溶媒の供給・排水速度は0.05L/分以上100L/分以下であることが好ましい。さらに、1層から10層の間で貧溶媒中の水分量を適宜調整することも可能である。貧溶媒浴は3L以上であれば、特に上限はないが、貧溶媒浴の量が3Lより少ないと、最終的に得られるフィルム中に有機溶媒が残存しフィルムの見かけの耐熱性が低下する恐れがある。また、供給・排水速度が0.05L/分より少ないと槽内の貧溶媒中の有機溶媒濃度が高くなり、効率的にポリマー溶液から有機溶媒を除去できないために、有機溶媒がフィルム中に残存していまい、その後の熱処理工程でフィルムが着色する恐れがある。また、貧溶媒の供給速度が100L/分より多いと水流の流れや勢いが強くなりすぎ、シワや破れの原因になる場合がある。
またこの乾燥工程で用いられるドラム、エンドレスベルト、フィルムの表面をなるべく平滑にすることで表面の平滑なフィルムが得られる。貧溶媒浴に浸漬する際の、ポリアミドポリマーを溶解した有機溶媒溶液のポリマー濃度は1wt%〜30wt%であることが好ましい。ポリマー濃度が1wt%より低いと、得られるフィルムが脆くなりハンドリング性が低下する場合があり、30wt%より高くなると、損失弾性が低くなる場合がある。また、貧溶媒浴には水を10wt%以上含むことが好ましい。貧溶媒浴中の水の濃度が10wt%より低い場合、製膜後のフィルム中に溶媒が残存し、着色やガラス転移温度の低下を引き起こす恐れがある。また、貧溶媒浴の温度は40℃以下であることが好ましい。40℃を超えると、脱溶媒が急激に行われてフィルム中に無数のボイドが形成されヘイズが上昇することがある。次いで、脱溶媒を行ったフィルムはさらに延伸、乾燥、熱処理が行なわれてフィルムとなる。
延伸は延伸倍率として面倍率で0.8〜8(面倍率とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフィルムの面積で除した値で定義する。1以下はリラックスを意味する。)の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは1.2〜8である。また、熱処理としては200℃〜500℃、好ましくは250℃〜400℃の温度で数秒から数分間熱処理が好ましく実施される。さらに、延伸あるいは熱処理後のフィルムを徐冷することは有効であり、50℃/秒以下の速度で冷却することが有効である。
本発明のフィルムは積層体として用いることも可能である。その製造方法としては、樹脂の有機溶媒溶液を口金からシート状に押し出して、空気層を通し直接貧溶媒浴に導入するか、ドラム、エンドレスベルト、ガラス板、フィルム等の支持体上にキャスティングしてシート状とし、かかるシートを5秒から20分程度レベリングさせる。次いでその支持体ごと貧溶媒浴に浸漬して、溶媒抽出し、熱固定される湿式工程を用いることが好ましく、積層体(積層フィルム)を製造する場合は、この工程のいずれかの段階で、上記のポリアミドの有機溶媒溶液を積層して積層体(積層フィルム)とすることが好ましい。より好ましくは樹脂の有機溶媒溶液および、上記のポリアミドの有機溶媒溶液を口金の前または口金の中で積層して支持体にキャストすることである。口金の前で積層する方法としてはピノールや複合管、フィードブロックと呼ばれる積層装置を用いて積層する方法が挙げられる。また、口金の中で積層する方法としては多層口金、マルチマニホールド口金を用いる方法が挙げられる。樹脂の有機溶媒溶液およびポリアミドの有機溶媒溶液は溶液粘度が異なることが多い。そのためピノールなど口金前で積層する方法では良好な積層構成を得ることが困難なことがある。このためマルチマニホールド口金を用いて口金内で積層することが好ましい。もちろん、本発明のフィルムを単層フィルムとして得た後に、熱固定型接着剤、常温固定型接着剤、粘着剤、粘着シートなどを用いて異なるシートやフィルムなどと貼り合わせて積層体とすることもできる。
フィルムにおいては、その厚みは、0.01μm〜1,000μmであることが好ましい。より好ましくは、1μmから100μmである。より好ましくは2μmから20μm、より好ましくは2μmから15μm、さらに好ましくは2μmから8μmである。フィルムの厚みが1,000μmを超えると光線透過率が低くなることがある。またフィルムの厚みが0.01μm未満では加工性が低下することがある。なお、フィルムの厚みは用途により適切に選定されるべきものであることは言うまでもない。
フィルムの構造(構成成分)は、その原料によって決定される。原料が不明であるフィルムの構造分析を行う場合は、質量分析、核磁気共鳴法による分析、分光分析などを用いることができる。
本発明のフィルムは少なくとも1方向のヤング率が5.0GPaを超えることも好ましい。ヤング率が5.0GPaを超えることでハンドリング性が向上する。
少なくとも1方向のヤング率を5.0GPa超とするためには、例えば、上述した化学式(I)〜(IV)で示される構造単位を含み、化学式(I)で表される構造単位のモル分率をa、化学式(II)で表される構造単位のモル分率をb、化学式(III)で表される構造単位のモル分率をc、化学式(IV)で表される構造単位のモル分率をdとし、a+b=50としたとき、a、b、cおよびdが式(1)〜(4)を満足することにより達成可能である。さらに製膜工程において延伸を行い、分子鎖を引き延ばすことも好ましい。延伸は少なくとも1方向に1.0倍を超え2.0倍以下であることが好ましく、1.01倍以上1.8倍以下がより好ましい。さらに好ましくは1.05倍以上1.5倍以下である。1.0倍以下では延伸の効果が得にくく、2.0倍を超えるとフィルムが破断することがある。フィルムの直交する2方向を延伸することも好ましい。
化学式(I)で表される構造単位は剛直構造のため自由度が小さく、これが延伸によって引き延ばされるとヤング率向上に寄与する。
上記で説明した本発明のフィルムは、表示材料、表示材料基板、回路基板、FPC、光電複合回路基板、光導波路基板、半導体実装用基板、多層積層回路基板、透明導電フィルム、位相差フィルム、タッチパネル、ディスプレイ(特にタッチパネル)用カバーフィルム、コンデンサー、プリンターリボン、音響振動板、太陽電池、光記録媒体、磁気記録媒体のベースフィルム、包装材料、粘着テープ、接着テープ、加飾材料等種々の用途に好ましく用いられる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
本発明における物性の測定方法、効果の評価方法は次の方法に従って行った。
(1)ヘイズ
下記測定器を用いて測定した。
装置:濁度計NDH5000(日本電色工業社製)
光源:白色LED5V3W(定格)
受光素子:V(λ)フィルタ付Siフォトダイオード
測定光束:φ14mm(入射開口φ25mm)
光学条件:JIS−K7136(2000)に準拠
(2)548.3nmにおける面内位相差
下記装置を用いて測定した。
測定装置:王子計測器機器(株)製の自動複屈折計(KOBRA−21ADH/DSP)
サンプルホルダー:ADH−AL3
測定径:φ25mm
測定モード:波長分散特性測定
測定波長:480.4nm、548.3nm、628.2nm、752.7nm
入射角:0°
(3)50℃における損失弾性率
下記装置を用いて測定し、50℃における損失弾性(E”)を読み取った。
装置:粘弾性測定装置EXSTAR6000 DMS(セイコーインスツル社製)
測定周波数:1Hz
昇温速度:5℃/分
温度範囲:25℃〜380℃
保持時間:2分
(4)鉛筆硬度
新東科学株式会社製 HEIDON−14DRを用いて、温度23℃、湿度65%RHにおいて測定した。測定条件を下記する。なお、鉛筆の硬度については、下記に示す次の順に硬いことを表し、10Bが最も柔らかく9Hが最も硬い。従って、例えば「鉛筆硬度H以上」とは、鉛筆硬度がH、2H、3H、・・・、9Hのいずれかであることを意味する。
・加重:750g
・傷付け速度:30mm/min
・傷付け:10mm×5本
・サンプル状態:ガラス板にフィルムをテープで貼り付けて実施。
・鉛筆の硬度:10B(柔らかい)・・・B、HB、F、H、2H・・・9H(硬い)
・鉛筆硬度決定方法:5本中、3本無傷であればその硬度を有していると判断した。
(例えば、Hの鉛筆を使用し5本の傷を付け処理をした後、2本の傷が確認され、次いで2Hの鉛筆を使用し5本の傷を付け処理をした後、3本の傷が確認された場合は、鉛筆硬度はHとする。また、例えば2Hの鉛筆を使用し5本の傷を付け処理をした後、観察される傷の数が2本以下である場合は、鉛筆硬度は少なくとも2H以上であると判断する。)
(5)固有粘度
ウベローデ型粘度計を用い、臭化リチウム2.5質量%を含有するN−メチル−2−ピロリドン(NMP)10ml中にサンプル0.05gを溶解し、温度30℃にて下記式より計算した。
固有粘度(η)=ln(t/t0)/0.5 (dl/g)
t0:臭化リチウム2.5質量%含有のNMPの流下時間(秒)
t:サンプルを溶解した溶液の流下時間(秒)
(6)365nmの光の光線透過率
下記装置を用いて測定し、365nmのときの光線透過率を値として採用した。
透過率(%)=(Tr1/Tr0)×100
ただしTr1は試料を通過した光の強度、Tr0は試料を通過しない以外は同一の距離の空気中を通過した光の強度である。
装置:UV測定器U−3410(日立計測社製)
波長範囲:300nm〜800nm(365nmの値を利用)
測定速度:120nm/分
測定モード:透過
(7)100℃〜200℃の平均熱膨張係数
平均熱膨張係数はJIS K7197−1991に準拠して250℃まで昇温した後の降温過程に於いて測定した。23℃、65RH%における初期試料長をL0、温度T1の時の試料長をL1、温度T2の時の試料長をL2とし、T1からT2の平均熱膨張係数を以下の式で求めた。なお、T2=100(℃)、T1=200(℃)である。
熱膨張係数(ppm/℃)=(((L2−L1)/L0)/(T2−T1))×10
装置:TMA/SS6000(セイコー電子社製)
昇温、降温速度:10℃/min
測定方向:製膜方向(MD方向)に対して直交する方向(TD方向)について、測定した。
試料幅:4mm
荷重:フィルム厚み10μmの時44.5mN。フィルム厚みに比例して荷重は変更する。
(8)ガラス転移温度(Tg)
下記装置を用いて測定した。
装置:粘弾性測定装置EXSTAR6000 DMS(セイコーインスツル社製)
測定周波数:1Hz
昇温速度:5℃/分
温度範囲:25℃〜380℃
保持時間:2分
ガラス転移温度(Tg):ASTM E1640−94に準拠し、E’の変曲点をTgとした。
(9)ヤング率、引張強度、破断伸度
ロボットテンシロンRTA(オリエンテック社製)を用いて、温度23℃、相対湿度65%において測定した。引張速度は300mm/分である。但し、試験を開始してから荷重が1Nを通過した点を伸びの原点とした。また、測定方向は製膜方向(MD方向)に対して直交する方向(TD方向)について、測定した。
(10)フィルム厚み
下記測定器を用いて測定し、5点の平均値を値として採用した。
装置:アンリツ株式会社製電子マイクロ厚み計K−402B
(11)原料
本発明に使用した原料は以下のものを使用した。また使用したジアミンおよび酸ジクロライドの構造式を化学式(V)に示す。
[ジアミン]
ジアミン1:2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(東レ・ファインケミカル株式会社製)
ジアミン2:4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(和歌山精化工業株式会社製)
[酸ジクロライド]
酸ジクロライド1:イソフタル酸ジクロライド(イハラニッケイ化学工業株式会社製)
酸ジクロライド2:1,4−シクロヘキサンジカルボン酸クロライド(いす型:舟型=99質量%:1質量%)(イハラニッケイ化学工業株式会社製)
酸ジクロライド3:テレフタル酸ジクロライド(イハラニッケイ化学工業株式会社製)
酸ジクロライド4: ビフェニルジカルボニルクロライド(東レ・ファインケミカル株式会社製)
化学式(V):
Figure 0006409540
(実施例1)
攪拌機を備えた200mlの3つ口フラスコ中に、ジアミン1を7.69g、N−メチル−2−ピロリドン119mlを入れ窒素雰囲気下、0℃に冷却、攪拌しながら30分かけて酸ジクロライド1を0.97gを5回に分けて添加した。30分攪拌した後に酸ジクロライド2を4.01gを5回に分けて添加した。1時間攪拌した後、反応で発生した塩化水素を炭酸リチウムで中和して、ポリマー濃度7質量%のポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液の一部をガラス板上に取り、バーコーターを用いて均一な膜を形成せしめた。これをガラス板ごと流水中の水浴中に浸漬させ、自己支持性のあるフィルムを得た。得られたフィルムを水浴中でガラス板から剥がして金枠に固定して、流水中15分間水洗し、さらに340℃で1分の熱処理を行いポリアミドフィルムを得た。得られたフィルムの物性を測定し、表1に示した。
(実施例2)
攪拌機を備えた200mlの3つ口フラスコ中に、ジアミン1を6.15g、ジアミン2を1.19g、N−メチル−2−ピロリドン120mlを入れ窒素雰囲気下、0℃に冷却、攪拌しながら30分かけて酸ジクロライド2を4.01gを5回に分けて添加した。30分攪拌した後に酸ジクロライド3を0.97gを5回に分けて添加した。1時間攪拌した後、反応で発生した塩化水素を炭酸リチウムで中和して、ポリマー濃度7質量%のポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液の一部をガラス板上に取り、バーコーターを用いて均一な膜を形成せしめた。これをガラス板ごと流水中の水浴中に浸漬させ、自己支持性のあるフィルムを得た。得られたフィルムを水浴中でガラス板から剥がして金枠に固定して、流水中15分間水洗し、さらに340℃で1分の熱処理を行いポリアミドフィルムを得た。得られたフィルムの物性を測定し、表1に示した。
(実施例3)
撹拌機(撹拌翼の形状は3枚後退翼)を備えた1,000Lのグラスライニング製の反応槽に、ジアミン1を28.5kg、臭化リチウム(本荘ケミカル株式会社製)8.0kg、N−メチル−2−ピロリドン433kgを入れ窒素雰囲気下、0℃に冷却、攪拌しながら60分かけて酸ジクロライド1を7.23kg、10回に分けて添加した。90分間攪拌した後に酸ジクロライド3を10.84kg、10回に分けて添加した。1時間攪拌した後、反応で発生した塩化水素を炭酸リチウムで中和して、N−メチル−2−ピロリドンでポリマー溶液を希釈し、ポリマー濃度7質量%のポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液の一部をガラス板上に取り、バーコーターを用いて均一な膜を形成せしめた。これをガラス板ごと流水中の水浴中に浸漬させ、自己支持性のあるフィルムを得た。得られたフィルムを水浴中でガラス板から剥がして金枠に固定して、流水中10分間水洗し、さらに340℃で1分の熱処理を行い芳香族ポリアミドフィルムを得た。得られたフィルムの物性を測定し、表1に示した。
(比較例1)
実施例3で得られたポリマーを用いた。ポリマー溶液の一部をガラス板上に取り、バーコーターを用いて均一な膜を形成せしめた。これを120℃で7分間加熱し、自己支持性のフィルム(ポリマー濃度:43質量%)を得た。得られたフィルムをガラス板から剥がして金枠に固定して、流水中10分間水洗し、さらに340℃1分で熱処理を行い芳香族ポリアミドフィルムを得た(乾湿式製膜法)。得られたフィルムの物性を測定し、表1に示した。
(比較例2)
撹拌機(撹拌翼の形状は3枚後退翼)を備えた1,000Lのグラスライニング製の反応槽に、ジアミン1を20.19kg、ジアミン2を3.91kg、臭化リチウム(本荘ケミカル株式会社製)7.11kg、N−メチル−2−ピロリドン439kgを入れ窒素雰囲気下、0℃に冷却、攪拌しながら60分かけて酸ジクロライド4を4.40kg、10回に分けて添加した。90分間攪拌した後に酸ジクロライド3を12.63kg、10回に分けて添加した。1時間攪拌した後、反応で発生した塩化水素を炭酸リチウムで中和してポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液の一部をガラス板上に取り、バーコーターを用いて均一な膜を形成せしめた。これをガラス板ごと流水中の水浴中に浸漬させ、自己支持性のあるフィルムを得た。得られたフィルムを水浴中でガラス板から剥がして金枠に固定して、流水中15分間水洗し、さらに340℃で1分の熱処理を行い芳香族ポリアミドフィルムを得た。得られたフィルムの物性を測定し、表1に示した。
Figure 0006409540

Claims (9)

  1. 下記(A)〜(C)を満たすフィルム。
    (A)ヘイズが5%以下。
    (B)548.3nmにおける面内位相差が100nm以下。
    (C)1Hzで測定した場合の50℃における損失弾性率が、2.5×10Pa以上。
  2. 鉛筆硬度がH以上である、請求項1に記載のフィルム。
  3. 化学式(I)〜(IV)で示される構造単位を含み、化学式(I)で表される構造単位のモル分率をa、化学式(II)で表される構造単位のモル分率をb、化学式(III)で表される構造単位のモル分率をc、化学式(IV)で表される構造単位のモル分率をdとし、a+b=50としたとき、a、b、cおよびdが次式(1)〜(4)を満足する、請求項1または2に記載のフィルム。
    Figure 0006409540
    Figure 0006409540
    :SO、C(CF、またはO-Ph-SO-Ph-O
    Figure 0006409540
    :HまたはF
    Figure 0006409540
    :脂環族基、芳香族基

    30≦a≦50 ・・・(1)
    0≦c<45 ・・・(2)
    5≦d<50 ・・・(3)
    0.9≦(c+d)/(a+b)≦1.1 ・・・(4)
  4. 固有粘度が2.0dl/g以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム。
  5. 365nmにおける光の光線透過率が20%以上である、請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム。
  6. 面内の少なくとも1方向の100℃から200℃までの平均熱膨張係数が−10ppm/℃以上30ppm/℃以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のフィルム。
  7. ガラス転移温度が280℃以上である、請求項1〜6のいずれかに記載のフィルム。
  8. ポリマー濃度が1wt%〜30wt%のポリマーの有機溶媒溶液を貧溶媒浴に浸す工程を有する、請求項1〜7のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載のフィルムを少なくとも1層有する積層体。
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