JP5998508B2 - 含フッ素樹脂積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)樹脂Aが芳香族ポリアミドであり、アセトンに対する耐性を有する。
(2)樹脂Bが化学式(I)で示される構造単位を含む。
滴下箇所: 試験板の中央
試験後の洗浄: 流水
期間 : 10分
評価 : 以下の(a)〜(c)のいずれかに該当する場合は「耐性なし」と判断する。いずれにも該当しない場合は耐性有りと判断する。
化学式(I)で示される構造単位を含む芳香族ポリアミドがアセトンに耐性を持たない理由としては嵩高いトリフロロメチル基の存在およびビフェニル部位のねじれにより、隣接する分子鎖がパッキングすることができないために分子鎖間の距離が開き、この空隙に低分子量の溶媒が入るためと考えられる。一方で、この疎なパッキングが分子間電荷移動錯体の形成を阻害するため、無色透明を実現すると考えられる。
R4:直結されているか、または、フェニル基を必須成分とする炭素数6から12の基
これら化学式(III)で示される各基は、その目的に応じて適宜選択される。
R6:直結されているか、または、フェニル基を必須成分とする炭素数6から12の基
R7:芳香族基
R5は−SO2−に対し、パラまたはメタの位置であることが好ましく、化学式(IV)で示される構造単位の25mol%以上75mol%以下がパラ位、25mol%以上75mol%以下がメタ位であることが好ましい。さらにR5は直結またはフェニルエーテル基であることが好ましい。
0<c<50 ・・・(4)
0.9≦(c+d)/(a+b)≦1.1 ・・・(5)
より好ましくはaは10以上50未満、もっと好ましくは25以上45以下、さらに好ましくは20以上40以下である。
=(((L2−L1)/L0)/(T2−T1))×106
この測定は250℃まで昇温した後の降温過程(2サイクル目以降の過程を含む)において測定することが重要である。
JIS K5600−6−1:1999(方法3)に準じて評価する。また、詳細項目については以下の通り規定する。
滴下箇所: 試験板の中央
試験後の洗浄: 流水
期間 : 10分
評価 : 以下の(a)〜(c)のいずれかに該当する場合は「耐性なし」と判断する。いずれにも該当しない場合は耐性有りと判断する。
臭化リチウム5質量%含有のN−メチル−2−ピロリドンにポリマを5質量%溶解し、25℃で2週間放置後も流動性を保つものを溶解性「○」、すなわちN−メチル−2−ピロリドンに少なくとも5質量%可溶であると評価した。
下記装置を用いて測定した。
ただしT1は試料を通過した光の強度、T0は試料を通過しない以外は同一の距離の空気中を通過した光の強度である。
波長範囲:300nm〜800nm(うち、400nmの値を利用)
測定速度:120nm/分
測定モード:透過
なお、400〜700nmの波長の光の光線透過率についても、上記と同様にして測定を行う。
装置:粘弾性測定装置EXSTAR6000 DMS(セイコーインスツルメンツ社製)
測定周波数:1Hz
昇温速度:2℃/分
ガラス転移温度(Tg):ASTM E1640−94に準拠し、E’の変曲点をTgとした。また、E’の変曲点が複数確認される場合は、tanδのピーク位置が最も高い点をTgとした。
平均熱膨張係数はJIS K7197−1991に準拠して250℃まで昇温した後の降温過程に於いて測定した。23℃、65RH%における初期試料長をL0、温度T1の時の試料長をL1、温度T2の時の試料長をL2とするとT1からT2の平均熱膨張係数を以下の式で求めた。なお、T2=100(℃)、T1=200(℃)である。
昇温、降温速度:5℃/min
測定方向:製膜方向と直交する方向について、測定した。
荷重:フィルム厚み10μmの時44.5mN。フィルム厚みに比例して荷重は変更する。
樹脂A1の合成:
攪拌機を備えた360L重合槽にN−メチル−2−ピロリドン249.34kg、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(和歌山精化株式会社製「44DDS」)11.81kg、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン(三井化学ファイン社製「3,3’−DAS」)11.81kgを入れ窒素雰囲気下、15℃に冷却、攪拌しながら60分かけて60分かけてテレフタル酸ジクロライド(東京化成社製)19.32kgを5回に分けて添加した。60分間攪拌した後、反応で発生した塩化水素を炭酸リチウムで中和してポリマ溶液を得た。
樹脂A2〜A5の合成:
用いる原料を表1に示したものに変えた以外は合成例1と同様にして、樹脂A2を得た。
樹脂A6の合成:
攪拌機を備えた200ml3つ口フラスコ中に無水塩化リチウム2.8gを入れ、窒素気流下攪拌をしながら110℃まで加熱して乾燥する。30℃まで放冷した後にトリエチルアミン(東京化成社製)26.7g、1,4−シクロヘキサンジアミン(東京化成社製)2.01g、m−トリジン(東京化成社製)5.60g、N−メチル−2−ピロリドン174mlを入れ窒素雰囲気下、0℃に冷却、攪拌しながら30分かけて4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライド(東京化成社製)2.46gを5回に分けて添加し、添加終了後30分攪拌した。次にテレフタル酸ジクロライド(東京化成社製)7.15gを5回に分けて添加した。さらに1時間攪拌した後、反応で発生した塩化水素を炭酸リチウムで中和してポリマ溶液を得た。
樹脂B1の合成:
攪拌機を備えた700L重合槽にN−メチル−2−ピロリドン674.37kg、無水臭化リチウム10.58kg(シグマアルドリッチジャパン社製)、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(東レファインケミカル社製「TFMB」)30.05kg、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(和歌山精化株式会社製「44DDS」)5.83kgを入れ窒素雰囲気下、15℃に冷却、攪拌しながら60分かけて4,4’−ビフェニルジカルボニルクロライド(東レファインケミカル社製「4BPAC」)6.55kgを5回に分けて添加した。60分間攪拌した後、60分かけてテレフタル酸ジクロライド(東京化成社製)19.05kgを5回に分けて添加した。60分間攪拌した後、反応で発生した塩化水素を炭酸リチウムで中和してポリマ溶液を得た。
得られた樹脂B1溶液をミキサーを用いて水中で粉砕し、濾取、乾燥してポリマを単離した。単離した樹脂B1を固形分濃度が20質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解して樹脂B1溶液を得た。樹脂B1溶液からフィルムを調製して樹脂B1についてのアセトンに対する耐性を評価した。「耐性なし」であった。
樹脂B2,B3の合成:
用いる原料を表1に示したものに変えた以外は合成例3と同様にして、樹脂B2,B3を得た。樹脂B2、B3ともにアセトンに対する耐性は「耐性なし」であった。
合成例1で得られた樹脂A1と合成例2で得られた樹脂B1をマルチマニホールド口金を用いてA1|B1|A1の積層構成となるように積層し、120℃のエンドレスベルト上に流延し、ポリマ溶液が自己支持性を持つまで乾燥してエンドレスベルトから剥離した。次に溶媒を含んだフィルムを50℃の水で水洗して溶媒を除去した。さらに340℃の乾燥炉で熱処理して、厚み20μmのフィルムを得た。A1|B1|A1の膜厚は5μm|10μm|5μmだった。得られたフィルムの物性を測定し、表2に示した。
用いるポリマの種類、フィルム厚み等を表2に示したように変更した以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの物性を測定し、表2に示した。
合成例3で得られた樹脂A3と合成例7で得られた樹脂B1をA/B/A積層ピノールを設置した口金を用いてA3|B1|A3の積層構成となるように積層し、120℃のエンドレスベルト上に流延し、ポリマ溶液が自己支持性を持つまで乾燥してエンドレスベルトから剥離した。次に溶媒を含んだフィルムを50℃の水で水洗して溶媒を除去した。さらに340℃の乾燥炉で熱処理して、厚み20μmのフィルムを得た。A3|B1|A3の膜厚は5μm|10μm|5μmだった。得られたフィルムの物性を測定し、表2に示した。
用いるポリマの種類、フィルム厚み等を表2に示したように変更した以外は実施例9と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの物性を測定し、表2に示した。
Claims (9)
- 樹脂AがN−メチル−2−ピロリドンに少なくとも5質量%可溶である、請求項1に記載の含フッ素樹脂積層フィルム。
- 化学式(V)で表される構造単位のモル分率をa、化学式(VI)で表される構造単位のモル分率をb、化学式(VII)で表される構造単位のモル分率をc、化学式(VIII)で表される構造単位のモル分率をdとしたとき、a、b、cおよびdが次式(3)〜(5)を満足する、請求項5に記載の含フッ素樹脂積層フィルム。
0<a<50 ・・・(3)
0<c<50 ・・・(4)
0.9≦(c+d)/(a+b)≦1.1 ・・・(5) - 下記(6)〜(8)を満足する、請求項1〜6のいずれかに記載の含フッ素樹脂積層フィルム。
(6)400nmの光の光線透過率が60%以上である。
(7)ガラス転移温度が260℃以上である。
(8)フィルムの少なくとも1方向の100℃〜200℃の平均熱膨張係数が−20ppm/℃以上20ppm/℃以下である。 - 樹脂Aの有機溶媒溶液および樹脂Bの有機溶媒溶液を口金から押し出す工程を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の含フッ素樹脂積層フィルムの製造方法。
- マルチマニホールド口金を用いる、請求項8に記載の含フッ素樹脂積層フィルムの製造方法。
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