(第1実施形態)以下、図1〜図8に基づいて、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示すブロック図であり、図1中、100は車両を示している。また101は車両用情報提供装置であり、この車両用情報提供装置101は、車両搭載機器(ここでは車両用計器とする)102と、携帯情報機器である外部機器(ここではスマートフォンとする)103と、車両搭載機器102と外部機器103とを接続する接続手段104とから構成される。
車両搭載機器102は、車内LAN(多重通信ライン)105を介して、オーディオ106、エアコン107、ボディ制御部108、エンジン制御部109等の電装品と接続されている。また、接続手段104を介して車両搭載機器102と接続される外部機器103は、通信手段110を介してインターネットとの接続も可能である。
次に、図2を用いて、車両搭載機器102と外部機器103とから主に構成される車両用情報提供装置101の構成を詳細に説明する。車両搭載機器102は、車両の各種状態に関する各情報(車両状態信号)の入出力を行う車両情報端子(車両情報手段)210及び多重通信入出力端子(多重通信入出力手段)211と、所定の操作手段213からの操作指示信号を入力可能な操作情報端子212と、車両インターフェース(車両I/F)手段201と、車両搭載機器102の制御を行う例えばマイクロコンピュータからなる第1の制御手段(制御手段)202と、第1の制御手段202の処理プログラム及び車両の外部情報の表示データが格納されるフラッシュメモリやEEPROM等の不揮発性メモリからなる第1の記憶手段(記憶手段)203と、車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を視覚的に報知する液晶表示パネルや有機ELパネル等の第1の表示部(表示部)204と車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を聴覚的に報知するスピーカ等の第1の発音体205とからなる第1の報知手段206と、第1の表示部204と第1の発音体205と各種アナログ式(指針式)計器207との駆動制御を兼ねた第1の駆動手段208と、外部機器103と接続するための接続手段104を構成する無線通信手段としての第1の通信部(ここではBluetooth(登録商標)とする)209とを有している。
ここで、第1の発音体205は、車両が自動二輪車である場合に、当該自動二輪車に搭乗する搭乗者(利用者)が装着するヘルメットに収められたヘルメットスピーカであってもよい。また、各種アナログ式計器207は、詳細図示省略するが、車両の速度をアナログ指示する速度計と、車両のエンジン回転数をアナログ指示する回転計と、タンク内燃料量をアナログ指示する燃料計と、エンジン冷却水の温度をアナログ表示する温度計とのうち少なくとも1つを備えている。
なお、第1の通信部209は、外部機器103に備えられる後述する第2の通信部との間で無線通信を行うものである。つまり、第1の通信部209は、外部機器103に備えられる前記第2の通信部と間でデータのやりとりが可能となる。
また、操作手段213は、車両搭載機器102の各種操作を行うための操作入力部からなり、例えば利用者の手が届くように車内の適宜箇所に設置されたカーソルボタンや決定ボタン等を含む略十字キー型の操作入力部を適用でき、利用者が操作手段213を操作することにより操作手段213から出力される外部機器103側への操作指示信号(遠隔操作指示信号)は、操作情報端子212並びに車両インターフェース手段201を通じて第1の制御手段202へと入力され、さらに接続手段104を介して外部機器103側へと至る。なお、操作手段213は、上述した十字キー型の操作入力部に代えてタッチパネル型の操作入力部を適用することも可能である。
外部機器103は、車両搭載機器102と接続するための接続手段104を構成する無線通信手段としての第2の通信部(ここではBluetooth(登録商標)とする)260と、各種センサ(ここではGPSモジュールとする)261と、インターフェース(I/F)手段251と、外部機器103の制御を行う例えばマイクロコンピュータからなる第2の制御手段252と、第2の制御手段252の処理プログラムが格納されるフラッシュメモリやEEPROM等の不揮発性メモリからなる第2の記憶手段253と、車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を視覚的に報知するタッチパネル付ディスプレイ等の第2の表示部254と車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を聴覚的に報知するスピーカ等の第2の発音体255とからなる第2の報知手段256と、第2の表示部254と第2の発音体255の駆動制御を兼ねた第2の駆動手段257と、インターネットと接続するための通信手段110を構成する通信モジュール258とを有している。
なお、本実施形態では、車両搭載機器102と外部機器103の接続手段104に無線通信手段からなる第1、第2の通信部209、260を適用したが、これに限定されるものではなく、USB等の有線接続手段からなる接続手段104を用いて車両搭載機器102と外部機器103とを接続することも可能である。
また、本実施形態では、第1の通信部209を車両搭載機器102内に設けたが、これに限定されるものではなく、例えば車内LAN105と接続される図示省略したゲートウェイ(G/W)手段を設けて、前記ゲートウェイ手段の中に第1の通信部209を内蔵することにより、車両搭載機器102と外部機器103とを接続することも可能である。
次に、図3、図4を用いて、車両搭載機器102に備えられる第1の制御手段202が、車両の各種状態と車両の外部情報を受信したときの第1の表示部204に表示される表示レイアウトとその動作について説明する。
ここで、車両用計器である車両搭載機器102は、図3に示すように、前記液晶表示パネルからなる第1の表示部204を備え、この第1の表示部204は、車両の利用者へ車両の各種状態を車両状態情報として表示する計器用のディスプレイからなる。
第1の制御手段202は、多重通信入出力端子211(あるいは車両情報端子210)を介して前記車両状態信号を受信し、前記車両状態信号に基づいて図4に示すように第1の表示部204の上側に位置する第1の表示領域S1へ対応する車両状態情報を第1の表示部204に表示させるべく、第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。
この第1の制御手段202による制御のもと、第1の表示部204の第1の表示領域S1には、車両の走行速度を表示する車速表示部300と、シフトポジションを表示するシフトポジション表示部310と、燃料の残量を表示する燃料残量表示部320と、車両の進行方向を示す方向指示表示部330とからなる車両状態情報が表示される。
車速表示部300は第1の表示領域S1の中央に表示され、シフトポジション表示部310は車速表示部300と隣接するように車速表示部300aの左側に位置し、燃料残量表示部320は車速表示部300と隣接するように車速表示部300の右側に位置し、方向指示表示部330はシフトポジション表示部310と燃料残量表示部320とを挟むように第1の表示領域S1の両端側に位置している。
また、ここでの車速表示部300とシフトポジション表示部310と燃料残量表示部320と方向指示表示部330とでなる所定情報D1は、優先度が高く、車両の利用者が視認する頻度が多い車両状態情報となっている。
次に、外部機器103に備えられる第2の制御手段252が、第1の制御手段202に対して、車両の外部情報の表示内容を指示することで、図4に示すように第1の表示部204の下側に位置する第2の表示領域T1へ表示される車両の外部情報の表示レイアウトについて説明する。
なお、本例の場合、第1の表示部204は、車両状態情報を表示する第1の表示領域S1と、車両状態情報以外の情報となる車両の外部情報を表示する第2の表示領域T1とを有するように構成されている。
第1の制御手段202は、多重通信入出力端子211(あるいは車両情報端子210)を介して前記車両状態信号を受信すると同時に、外部機器103側から各通信部260、209経由で車両の外部情報の表示内容の指示(ここではナビゲーションのターンバイターン情報とする)を受信し、この表示内容の指示に対応する表示データを第1の記憶手段203から読み出し、第2の表示領域T1に表示させるべく、第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。
第1の記憶手段203には、複数種の車両の外部情報の表示内容の指示に対応する表示データが格納(記憶)されており、第1の制御手段202は、前記表示内容の指示に対応する表示データ(ここではターンバイターン表示データとする)を第1の記憶手段203から読み出すとともに、当該表示データに基づいた車両の外部情報(ここでは前記ターンバイターン情報に対応するターンバイターン表示部340とする)が第2の表示領域T1に表示されるように第1の表示部204を表示動作させる。
ここでは、図4に示すようにターンバイターン表示部340として、矢印表示341と、交差点名表示342と、交差点までの残距離表示343とを含むものである。本例によれば、第1の制御手段202は、接続手段104(各通信部209、260)を介して第2の制御手段252から出力される車両の外部情報の表示内容の指示に基づいて第1の表示部204を表示動作させるため、第1の制御手段202(車両搭載機器102)と第2の制御手段252(外部機器103)との間の情報量を削減することが可能である。
次に、図5を用いて、車両の利用者が操作手段213を操作したときの第1の表示部204の表示レイアウトについて説明する。
まず、第1の表示部204の上側に位置する第1の表示領域S1へ表示される表示情報には、上述した車速表示部300とシフトポジション表示部310と燃料残量表示部320と方向指示表示部330とでなる所定情報D1が含まれている。
これらの所定情報D1は、車両の利用者が操作手段213を操作しても、図4と同様に第1の表示領域S1の予め定められた表示位置に常時表示且つ、固定表示領域として構成されていることになる。つまり、このことは、第1の制御手段202は、利用者が操作可能な操作手段213から出力される操作指示信号を受信すると、車両状態情報のうち所定情報D1が第1の表示領域S1に常時表示され、且つ、所定情報D1の表示位置が不変となるように、第1の表示部204を表示動作させる制御を行うことを意味している。
次に、第1の表示部204の下側に位置する第2の表示領域T1へ表示される表示情報には、後述するオーディオ表示部350が含まれている。利用者が操作手段213を操作することにより操作手段213から出力される車両の外部情報の種別(ここではオーディオとする)を示す操作指示信号が、操作情報端子212並びに車両インターフェース手段201を通じて第1の制御手段202へと入力される。第1の制御手段202は、このオーディオ表示用の操作指示信号に基づいて、第2の表示領域T1に表示される車両の外部情報の種別をターンバイターン表示部340からオーディオ表示部350へと切り替えるように第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。
つまり、外部機器103に備えられる第2の制御手段252は、接続手段104(各通信部260、209)を介して第1の制御手段202に対しオーディオ情報を出力し、第1の制御手段202は、第2の表示領域T1に車両の外部情報であるオーディオ表示部350が表示されるように第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。なお、オーディオ表示部350には、図5に示すようにアーティスト名351と、曲名352と、再生・停止スイッチ等の操作用アイコン353とを含むものである。
このように、本例によれば、第1の表示部204における第1の表示領域S1に表示される車速表示部300とシフトポジション表示部310と燃料残量表示部320と方向指示表示部330とでなる所定情報D1は、車両の外部情報の種別の切替に関係なく、常時表示、且つ、表示位置(表示レイアウト)が不変となっていることから、第1の表示部204に表示される情報の移動量が必要最小限に抑えられ、ヒューマン・マシン・インターフェイスの向上した車両用情報提供装置を提供することができる。
なお、車両の外部情報は、ナビゲーション表示部340、オーディオ表示部350に限定されるものではなく、メールの着信情報や電話の着信情報等であってもよく、何れの場合も、車両の外部情報の表示内容の指示に基づいて、第1の記憶手段203に格納してある表示データを読み出して、第1の表示部204へ表示するものである。また、音楽情報のアーティスト名、曲名等の文字表示の場合は、予め第1の記憶手段203に文字フォントを格納しておき、第1の制御手段202が、車両の外部情報の表示内容の指示に基づいて、この文字フォントを組み合わせて表示するものとする。
次に、図6、図7を用いて、後述する操作情報または後述する注意喚起情報が第1の表示部204に表示される場合の第1の表示部204の表示レイアウトについて説明する。
まず、図6(a)に示すように、第1の制御手段202は、第2の表示領域T1に表示される車両の外部情報の表示エリアに、少なくともナビゲーション表示部340と外部機器103の操作に関連した操作情報(操作表示部360)とを表示するように第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。操作表示部360は、車両の外部情報の種別(ここではナビゲーション表示部340とする)に応じた外部機器103の操作情報を表示している。
また、操作表示部360には、操作手段213の外形形状と、操作可能な操作機能とが表示されている。ここでは、前記操作機能として、地図表示の拡大に対応する「Zoom +」と、地図表示の縮小に対応する「Zoom ー」と、ルートガイダンスの音声案内の実施に対応する「Speak」とが例示されている。
このように図6(a)の構成によれば、第1の表示部204における第1の表示領域S1に表示される所定情報D1は、操作情報(操作表示部390a)の表示の有無に関係なく、常時表示、且つ、表示位置(表示レイアウト)が不変となっていることから、第1の表示部204に表示される情報の移動量が必要最小限に抑えられるとともに、ナビゲーション表示部340と操作表示部360とが第2の表示領域T1に表示されていることから、車両の利用者に対し、略十字キー型の操作入力部である操作手段213のボタン位置(操作位置)と操作内容を分かり易く提示することができるという利点がある。
また、第1の制御手段202は、利用者が操作可能な操作手段213から出力される操作情報縮小表示用の操作指示信号を受信すると、この操作情報縮小表示用の操作指示信号に基づいて、図6(a)中、第2の表示領域T1に表示された操作情報(操作表示部360)を縮小表示させるように第1の表示部204を表示動作させる(図6(b)参照)。なお、この場合、第2の制御手段202は、図6(a)に示すように第2の表示領域T1に操作表示部360を表示させてから、所定時間の経過を検出すると、第2の表示領域T1に表示された操作表示部360を縮小表示させるように第1の表示部204を表示動作させてもよい。
次に、図7(a)に示すように、第1の制御手段202は、車両情報端子(車両情報手段)210または多重通信入出力端子(多重通信入出力手段)211を介して、利用者に対し注意を促す注意喚起情報である警告情報を受信したときは、第2の表示領域T1に表示される車両の外部情報の表示エリアに、少なくともナビゲーション表示部340と「トランクが開いています」なる前記警告情報である警告表示部370とを表示するように、第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。
その後、第1の制御手段202は、トランクが閉まったことを示すトランク閉信号を受信すると、このトランク閉信号に基づいて第1の表示部204を図4で示す表示レイアウトへと戻すべく、第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。
これにより、第1の表示部204における第1の表示領域S1に表示される所定情報D1は、注意喚起情報(警告表示部370)の表示の有無に関係なく、常時表示、且つ、表示位置(表示レイアウト)が不変となっていることから、第1の表示部204に表示される情報の移動量が必要最小限に抑えられるとともに、車両の利用者へ注意喚起情報を分かり易く提示することができるという利点がある。
また、第1の制御手段202は、利用者が操作可能な操作手段213から出力される警告情報縮小表示用の操作指示信号を受信すると、この警告情報縮小表示用の操作指示信号に基づいて、図7(a)中、第2の表示領域T1に表示された注意喚起情報(警告表示部370)を縮小表示させるように第1の表示部204を表示動作させる(図7(b)参照)。なお、この場合、第1の制御手段202は、図7(a)に示すように第2の表示領域T1に警告表示部370を表示させてから、所定時間の経過を検出すると、第2の表示領域T1に表示された警告表示部370を縮小表示させるように第1の表示部204を表示動作させてもよい。
このように図6、図7の構成によれば、利用者が、操作手段213を使わないときは操作表示部360を縮小表示させ、注意喚起情報を認識したときは警告表示部370を縮小表示させることができるので、車両の外部情報(ここではナビゲーション表示部340)の誘目性を向上させることができるという利点がある。
また、図8は、図4中、第2の表示領域T1に表示されているナビゲーション表示部340(車両の外部情報)を拡大表示させた構成、あるいは縮小表示させた構成を示したものである。図8(a)はナビゲーション表示部340が拡大表示された一例を示し、図8(b)はナビゲーション表示部340が縮小表示された一例を示している。
この場合、第1の制御手段202は、利用者が操作手段213に設けられた図示しないナビ拡大表示用スイッチを操作することにより操作手段213から出力されるナビ拡大表示指示信号(上記操作指示信号)を受信すると、このナビ拡大表示指示信号に基づいて、図4に示す第2の表示領域T1の場合と比べて、ナビゲーション表示部340の表示エリア(車両の外部情報の表示エリア)を拡大表示させ、且つ、このナビゲーション表示部340の表示エリアの拡大表示に連動して上述した第1の表示領域S1に表示される車両状態情報(所定情報D1)を縮小表示させるように第1の表示部204を表示動作させる。これにより、図8(a)に示すように第1の表示領域S1は、図4に示す構成よりも、その縦寸法が小さくなった第1の表示領域S2として構成され、他方、第2の表示領域T1は、図4に示す構成よりも、その縦寸法が大きくなった第2の表示領域T2として構成される。
なお、ナビ拡大表示指示信号(つまり利用者の選択したナビゲーション表示部340の大きさに関する情報)は、車両搭載機器102に備えられる第1の記憶手段203に書き込まれる(記憶される)。これにより、例えば図8(a)の状態で、利用者が始動スイッチ(図示せず)をオフ状態とし、その後、所定時間経過後に前記始動スイッチを再度、オン状態とした場合、第1の制御手段202は、第1の記憶手段203に書き込まれた情報(つまり前記ナビゲーション表示部340の大きさに関する情報)を読み出す。そして、第1の表示部204に表示される情報は、自動的に図8(a)の状態が維持される構成となる。
一方、第1の制御手段202は、利用者が操作手段213に設けられた図示しないナビ縮小表示用スイッチを操作することにより操作手段213から出力されるナビ縮小表示指示信号(上記操作指示信号)を受信すると、このナビ縮小表示指示信号に基づいて、図4に示す第2の表示領域T1の場合と比べて、ナビゲーション表示部340の表示エリア(車両の外部情報の表示エリア)を縮小表示させ、且つ、このナビゲーション表示部340の縮小表示に連動して上述した第1の表示領域S1に表示される所定情報D1を拡大表示させるように第1の表示部204を表示動作させる。これにより、図8(b)に示すように第1の表示領域S1は、図4に示す構成よりも、その縦寸法が大きくなった第1の表示領域S3として構成され、他方、第2の表示領域T1は、図4に示す構成よりも、その縦寸法が小さくなった第2の表示領域T3として構成される。
なお、ナビ縮小表示指示信号(前記ナビゲーション表示部340の大きさに関する情報)は、第1の記憶手段203に書き込まれる。これにより、例えば図8(b)の状態で、利用者が前記始動スイッチをオフ状態とし、その後、所定時間経過後に前記始動スイッチを再度、オン状態とした場合、第1の制御手段202は、第1の記憶手段203に書き込まれた情報(つまり前記ナビゲーション表示部340の大きさに関する情報)を読み出す。そして、第1の表示部204に表示される情報は、自動的に図8(b)の状態が維持される構成となる。
また、上述のように第1の制御手段202は、車両の外部情報(ナビゲーション表示部340等)の表示エリアの拡大表示に連動して第1の表示領域S2に表示される車両状態情報(所定情報D1)を縮小表示させるように第1の表示部204を表示動作させる場合、車両状態情報のエリアが、所定の大きさ(所定の下限値)よりも小さくならないように第1の表示部204を表示動作させる。
これは、ナビゲーション表示部340の拡大表示に連動して車両状態情報(所定情報D1)が必要以上に縮小表示されてしまった場合、車両を運転する利用者にとって重要な(優先度の高い)情報であり、且つ、視認する頻度が多い車速表示部300等からなる車両状態情報(所定情報D1)が利用者側から見えにくくなるのを防ぐためである。
なお、ナビゲーション表示部340を縮小表示するにあたって、ナビゲーション表示部340の大きさは任意に変更できる。また、拡大表示用スイッチや縮小表示用スイッチを適用する場合、スイッチを押す時間(スイッチの長押し時間)またはスイッチを押す回数に応じて、ナビゲーション表示部340が段階的に拡大表示もしくは縮小表示されるようにしてもよい。
従って、図8の構成によれば、利用者の好みに応じて、ナビゲーション表示部340が表示される第2の表示領域を拡大したり縮小したりすることができ、利用者は、車両の走行状況に応じて、車両の外部情報(ナビゲーション表示部340)の拡大表示、あるいは車両状態情報(車速表示部300や燃費残量表示部320等)の拡大表示が可能となるため、必要な情報の視認性を向上させることができるという利点がある。
以上のように本実施形態では、第1の表示部204は、車両状態情報を表示する第1の表示領域S1と、車両の外部情報(ナビゲーション表示部340等)を表示する第2の表示領域T1とを有し、車両搭載機器102は、車両の外部情報の表示内容の指示に対応する表示データを記憶する第1の記憶手段203を備え、第1の制御手段202は、当該表示データを読み出すとともにこの表示データに基づいた車両の外部情報が第2の表示領域T1に表示されるように第1の表示部204を表示動作させる制御を行うことにより、第1の表示部204における第1の表示領域S1に表示される車速表示部300等の所定情報D1は、車両の外部情報の種別の切替に関係なく、常時表示、且つ、表示位置(表示レイアウト)が不変となっていることから、第1の表示部204に表示される情報の移動量が必要最小限に抑えられ、ヒューマン・マシン・インターフェイスの向上した車両用情報提供装置を提供することができる。
また、第1の制御手段202は、第2の表示領域R2aの拡大に連動して、車両状態情報のエリアである第1の表示領域R1aが縮小されるように第1の表示部204を表示動作させる場合、車両状態情報の表示範囲が所定の大きさよりも小さくならないように第1の表示部204を表示動作させることにより、車両状態情報を視認するのに必要な表示領域が確保され、視認する頻度が多い車速表示部300等が利用者側から見えにくくなるのを防ぐことが可能となる。
(第2実施形態)次に、本発明の第2実施形態を図9〜図14に基づいて説明するが、前述の第1実施形態と同一もしくは相当個所には同一の符号を用いてその詳細な説明は省略する。この第2実施形態が前記第1実施形態と異なる点は、図9に示すように車両搭載機器102を、各種アナログ式計器207の1つである速度計(所定情報D1)と、シフトポジション表示部410(所定情報D1)と、燃料残量表示部420(所定情報D1)と、方向指示表示部430(所定情報D1)と、第1の表示部204とで構成したものである。図10は、第1の制御手段202が、車両の各種状態と車両の外部情報とを受信したときの第1の表示部204に表示される表示レイアウトの一例を示している。
なお、上述のように車両搭載機器102を、前記速度計とシフトポジション表示部410と燃料残量表示部420と方向指示表示部430とからなる所定情報D1と、第1の表示部204とで構成する場合、前記第1実施形態にて採用した車速表示部300、シフトポジション表示部310、燃料残量表示部320、方向指示表示部300は、第1の表示部204にて表示されない構成となる(つまり所定情報D1である車速表示部を前記速度計であるアナログ式計器207で代用可能であり、シフトポジション表示部、燃料残量表示部、方向指示表示部はそれぞれ専用のインジケータで代用可能である)。
第1の制御手段202は、多重通信入出力端子211(あるいは車両情報端子210)を介して前記車両状態信号を受信し、前記車両状態信号に基づいて図10に示すように第1の表示部204の下側に位置する第1の表示領域X1へ対応する車両状態情報を第1の表示部204に表示させるべく、第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。例えば、図10では、第1の表示部204の下方にある第1の表示領域X1には、車両状態情報として車両の平均燃費を表示する燃費表示部380と、車両の外気温を表示する外気温表示部390とが表示される。ここでの燃費表示部380、外気温表示部390は、所定情報D1と異なり、優先度がそれほど高くなく、利用者が視認する頻度が少ない車両状態情報となっている。
次に、車両の外部情報の表示内容の指示に基づいて図10に示すように第1の表示部204の上側に位置する第2の表示領域Y1へ表示される車両の外部情報の表示レイアウトについて説明する。
ここでは、図10に示すように前記第1実施形態にて採用したターンバイターン表示部340が第2の表示領域Y1に表示される。第1の制御手段202は、接続手段104を介して第2の制御手段252から出力される車両の外部情報の表示内容の指示に基づいて第1の表示部204を表示動作させるため、第1の制御手段202と第2の制御手段252との間の情報量を削減することが可能である。また、第1の表示部204に所定情報D1を表示することが不要であるため、車両の外部情報の表示レイアウトを利用者にとって視認性の良好な第1の表示部204の上側に位置させることが可能となる。
次に、図11を用いて、利用者が操作手段213を操作したときの第1の表示部204の表示レイアウトについて説明する。まず、第2の表示領域X1へ表示される表示情報には、燃費表示部380と外気温表示部390とが含まれている。
次に、第2の表示領域Y1へ表示される表示情報には、前記第1実施形態にて採用したオーディオ表示部350が含まれている。利用者が操作手段213を操作することにより操作手段213から出力される車両の外部情報の種別(ここではオーディオとする)を示す操作指示信号が、操作情報端子212並びに車両インターフェース手段201を通じて第1の制御手段202へと入力される。第1の制御手段202は、このオーディオ表示用の操作指示信号に基づいて、第2の表示領域Y1に表示される車両の外部情報の種別をターンバイターン表示部340からオーディオ表示部350へと切り替えるように第1の表示部204を表示動作させる。
つまり、外部機器103に備えられる第2の制御手段252は、接続手段104を介して第1の制御手段202に対しオーディオ情報を出力し、第1の制御手段202は、第2の表示領域T1にオーディオ表示部350が表示されるように第1の表示部204を表示動作させる。
このように本第2実施形態によれば、前記第1実施形態と同様に、第1の制御手段202は、接続手段104を介して第2の制御手段252から出力される車両の外部情報の表示内容の指示に基づいて第1の表示部204を表示動作させるため、第1の制御手段202と第2の制御手段252との間の情報量を削減することが可能であり、また第1の表示部204に所定情報D1を表示することが不要であるため、車両の外部情報の表示レイアウトを利用者にとって視認性の良好な第1の表示部204の上側に位置させることが可能となる。
次に、図12、図13を用いて、前記第1実施形態にて採用した操作表示部360または警告表示部370が第1の表示部204に表示される場合の第1の表示部204の表示レイアウトについて説明する。
図12(a)に示すように、第1の制御手段202は、第2の表示領域Y1に表示される車両の外部情報の表示エリアに、少なくとも燃費表示部380と外気温表示部390と操作表示部360とを表示するように第1の表示部204を表示動作させる。
これにより操作表示部360が第1の表示領域X1に表示されていることから、車両の外部情報の表示を、操作表示部360の表示にて妨げることなく車両の利用者にとって視認性の良好な第1の表示部204の上側(第2の表示領域Y1側)に位置させることが可能とる。また、ナビゲーション表示部340と操作表示部360とが第1の表示領域X1と第2の表示領域Y2とに分かれて表示されていることから、利用者に対し、略十字キー型の操作入力部である操作手段213のボタン位置(操作位置)と操作内容を分かり易く提示することができるという利点がある。
また、第1の制御手段202は、前記操作情報縮小表示用の操作指示信号を受信すると、この操作指示信号に基づいて、図12(a)中、操作表示部360を縮小表示させるように第1の表示部204を表示動作させる(図12(b)参照)。なお、この場合、第2の制御手段202は、図12(a)に示すように操作表示部360を表示させてから、所定時間の経過を検出すると、操作表示部360を縮小表示させるように第1の表示部204を表示動作させてもよい。
次に、図13(a)に示すように、第1の制御手段202は、車両情報端子210または多重通信入出力端子211を介して、警告情報を受信したときは、第2の表示領域Y1に、少なくとも燃費表示部380と外気温表示部390と警告表示部370とを表示するように第1の表示部204を表示動作させる。
その後、第1の制御手段202は、前記トランク閉信号を受信すると、このトランク閉信号に基づいて第1の表示部204を図10で示す表示レイアウトへと戻すべく、第1の表示部204を表示動作させる。
これにより、第1の表示部204に所定情報D1を表示することが不要であり、また車両の外部情報の表示を、警告表示部370の表示にて妨げることなく車両の利用者にとって視認性の良好な第1の表示部204の上側(第2の表示領域Y1側)に位置させることが可能となるとともに、利用者へ注意喚起情報を分かり易く提示することができるという利点がある。
また、第1の制御手段202は、前記警告情報縮小表示用の操作指示信号を受信すると、この操作指示信号に基づいて、図13(a)中、第2の表示領域Y1に表示された警告表示部370を縮小表示させるように第1の表示部204を表示動作させる(図13(b)参照)。なお、この場合、第1の制御手段202は、図13(a)に示すように警告表示部370を表示させてから、所定時間の経過を検出すると、警告表示部370を縮小表示させるように第1の表示部204を表示動作させてもよい。
このように図12、図13の構成によれば、利用者が、操作手段213を使わないときは操作表示部360を縮小表示させ、注意喚起情報を認識したときは警告表示部370を縮小表示させることができるので、車両の外部情報(ここではナビゲーション表示部340)の誘目性を向上させることができるという利点がある。
また、図14は、図9中、第2の表示領域Y1に表示されているナビゲーション表示部340を拡大表示させた構成、あるいは縮小表示させた構成を示したものである。図14(a)はナビゲーション表示部340が拡大表示された一例を示し、図14(b)はナビゲーション表示部340が縮小表示された一例を示している。
この場合、第1の制御手段202は、前記ナビ拡大表示指示信号を受信すると、前記ナビ拡大表示指示信号に基づいて、図9に示す第2の表示領域Y1の場合と比べて、ナビゲーション表示部340の表示エリアを拡大表示させ、且つ、このナビゲーション表示部340の表示エリアの拡大表示に連動して上述した第1の表示領域X1に表示される燃費表示部380、外気温表示部390を縮小表示させるように第1の表示部204を表示動作させる。これにより、図14(a)に示すように第1の表示領域X1は、図9に示す構成よりも、その縦寸法が小さくなった第1の表示領域X2として構成され、他方、第2の表示領域Y1は、図9に示す構成よりも、その縦寸法が大きくなった第2の表示領域Y2として構成される。
なお、前記ナビ拡大表示指示信号は、第1の記憶手段203に書き込まれる。これにより、例えば図14(a)の状態で、利用者が前記始動スイッチをオフ状態とし、その後、所定時間経過後に前記始動スイッチを再度、オン状態とした場合、第1の制御手段202は、第1の記憶手段203に書き込まれた情報(つまり前記ナビゲーション表示部340の大きさに関する情報)を読み出す。そして、第1の表示部204に表示される情報は、自動的に図14(a)の状態が維持される構成となる。
一方、第1の制御手段202は、前記ナビ縮小表示指示信号を受信すると、前記ナビ縮小表示指示信号に基づいて、図9に示す第2の表示領域Y1の場合と比べて、ナビゲーション表示部340の表示エリアを縮小表示させ、且つ、このナビゲーション表示部340の縮小表示に連動して上述した第1の表示領域X1に表示される燃費表示部380、外気温表示部390を拡大表示させるように第1の表示部204を表示動作させる。これにより、図14(b)に示すように第1の表示領域X1は、図9に示す構成よりも、その縦寸法が大きくなった第1の表示領域X3として構成され、他方、第2の表示領域Y1は、図4に示す構成よりも、その縦寸法が小さくなった第2の表示領域Y3として構成される。
なお、前記ナビ縮小表示指示信号は、第1の記憶手段203に書き込まれる。これにより、例えば図14(b)の状態で、利用者が前記始動スイッチをオフ状態とし、その後、所定時間経過後に前記始動スイッチを再度、オン状態とした場合、第1の制御手段202は、第1の記憶手段203に書き込まれた情報(つまり前記ナビゲーション表示部340の大きさに関する情報)を読み出す。そして、第1の表示部204に表示される情報は、自動的に図14(b)の状態が維持される構成となる。
また、上述のように第1の制御手段202は、車両の外部情報(ナビゲーション表示部340等)の表示エリアの拡大表示に連動して第1の表示領域X2に表示される車両状態情報(燃費表示部380、外気温表示部390)を縮小表示させるように第1の表示部204を表示動作させる場合、第1の表示部204に所定情報D1を表示させる必要がないため車両状態情報の大きさは任意に変更できるものとする。なお、ナビゲーション表示部340を縮小表示するにあたって、ナビゲーション表示部340の大きさも任意に変更できる。また、前記拡大表示用スイッチや前記縮小表示用スイッチを適用する場合、前記第1実施形態と同様に、ナビゲーション表示部340が段階的に拡大表示もしくは縮小表示されるようにしてもよい。
従って、図14の構成によれば、利用者の好みに応じて、ナビゲーション表示部340が表示される第2の表示領域を拡大したり縮小したりすることができ、利用者は、車両の走行状況に応じて、車両の外部情報(ナビゲーション表示部340)の拡大表示、あるいは車両状態情報(燃費表示部380等)の拡大表示が可能となるため、必要な情報の視認性を向上させることができるという利点がある。
(第3実施形態)次に、本発明の第3実施形態を図15、図16に基づいて説明するが、前述の第1、第2実施形態と同一もしくは相当個所には同一の符号を用いてその詳細な説明は省略する。この第3実施形態では、図15に示すように、車両搭載機器102が、通信部としての第1の通信部209と、この第1の通信部209を除いた部品で構成される機器ユニット200とで構成され、第1の通信部209が、機器ユニット200と外部機器103との間の通信を行う構成となっている。
この場合、機器ユニット200は、車両情報端子210及び多重通信入出力端子211と、操作情報端子212と、音出力端子214と、車両インターフェース手段201と、第1の制御手段202と、第1の記憶手段203と、第1の報知手段206と、各種指針式計器207と、第1の駆動手段208とを有している。また、第1の通信部209は、コネクタ等からなる着脱手段215を介して機器ユニット200と接続可能に構成される。
図16は、車両搭載機器102と外部機器103とが無線接続される場合の車両用情報提供装置101のブロック図を示しており、この無線接続に対応した第1の通信部209は、アンテナ270と、無線I/F271と、デコーダ272と、制御部273とから主に構成されている。制御部273は、アンテナ270と無線I/F271とデコーダ272の制御を行うものである。
そして、着脱手段215を介して機器ユニット200と第1の通信部209とが接続されている場合、機器ユニット200と外部機器103との間のデータのやりとりは、接続手段104、アンテナ270、無線I/F271、デコーダ272を介して行われる。
また、機器ユニット200が着脱手段215を介して第1の通信部209と接続されているとき、着脱手段215を介し機器ユニット200と第1の通信部209との間でやりとりされるデータには、映像信号F1、音信号F2、制御信号F3の他、図示省略したGND信号(グランド信号)や電源等が含まれる。特に、この場合、第1の通信部209は、車両の外部情報として外部機器103側から送られてくる映像信号F1、音信号F2、制御信号F3のうち少なくとも1つ信号を機器ユニット200に出力することができる。
やりとりされるデータのうち、映像信号F1はデコーダ272から出力されて第1の制御手段202へと入力(供給)され、制御信号F3は制御部273から出力されて第1の制御手段202へと入力(供給)され、音信号F2はデコーダ272から出力されて音出力端子214へと入力(供給)される。
なお、音出力端子214(第1の通信部209)から出力される音信号F2は、D/Aコンバータ216とアンプ217とを有する駆動部(発音体駆動回路)としての駆動ドライバ218を介して、第3の発音体としてのスピーカ219へ入力される。ここで、駆動ドライバ218は、第1の通信部209または機器ユニット200とは別部材(別体)により構成されている。
このように駆動ドライバ218が、第1の通信部209または機器ユニット200とは別部材により構成されていることで、例えば車両が自動二輪車であるとき、当該自動二輪車に搭乗する搭乗者(利用者)が装着するヘルメットに収められたヘルメットスピーカを利用して、駆動ドライバ218の装着を行わないケースも考えられるが、このような場合でも容易に対応可能である。スピーカ219としては、例えば車両に搭載されたナビゲーション装置用やオーディオ装置用のスピーカを適用することができる。
また、第1の通信部209に設けられる制御部273は、前記車両状態信号である車両状態情報(ここでは車両の走行速度を示す車速信号とする)を機器ユニット200と着脱手段215とを介して受信し、この受信した車両状態情報を接続手段104を介して外部機器103に備えられる第2の制御手段252へ出力する構成となっている。そして、第2の制御手段252は、前記車速信号に基づいて車両の走行距離を算出して、車両の走行距離に応じた所定のメンテナンス情報(例えばオイル交換時期情報)を第2の表示部254に表示させるべく、第2の表示部254を表示動作させ、利用者に対する注意喚起を促すことが可能となる。このような構成によれば、第1の通信部209は、直接、車両とインターフェースを持つ必要がなく、保護回路等の部品が不要となることから、コスト上昇を極力抑制することができる。
また、本第3実施形態によれば、外部機器103に備えられる第2の通信部260の仕様が、例えば有線接続用(有線通信用)の通信部から無線接続用(無線通信用)の通信部へと変わった場合は、車両搭載機器102に備えられる機器ユニット200の交換は一切不要であり、車両搭載機器102に備えられる第1の通信部209を交換するだけで、車両搭載機器102と外部機器103との接続(連携)が実現され、コストアップを避けることができるとともに、利用者へ外部機器103の持っている外部情報を車両搭載機器102に備えられる第1の表示部204を介して提供する場合、外部機器103のインターフェース部(通信部)の仕様の変化に対応可能な車両用情報提供装置を提供することができる。