(第1実施形態)以下、図1〜図6に基づいて、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示すブロック図であり、図1中、100は車両を示している。また、101は車両用情報提供装置であり、この車両用情報提供装置101は、車両搭載機器(ここでは車両用計器とする)102と、携帯情報端末である外部機器(ここではスマートフォンとする)103と、車両搭載機器102と外部機器103とを接続する接続手段104とから構成される。
車両搭載機器102は、車内LAN(多重通信ライン)105を介して、オーディオ106、エアコン107、ボディ制御部108、エンジン制御部109等の電装品と接続されている。また、接続手段104を介して車両搭載機器102と接続される外部機器103は、外部通信手段110を介してインターネットとの接続も可能である。
次に、図2を用いて、車両搭載機器102と外部機器103とから主に構成される車両用情報提供装置101の構成を詳細に説明する。車両搭載機器102は、機器ユニット200と、通信部としての第1の通信部220とを有し、第1の通信部220は、機器ユニット200と外部機器103との間の通信を行うものである。
機器ユニット200は、車両の各種状態に関する各情報(車両状態信号)の入出力を行う車両情報端子(車両情報手段)210及び多重通信入出力端子(多重通信入出力手段)211と、所定の操作手段213からの操作信号を入力可能な操作情報端子212と、音出力端子214と、車両インターフェース(車両I/F)手段201と、車両搭載機器102の制御を行う例えばマイクロコンピュータからなる第1の制御手段202と、第1の制御手段202の処理プログラムが格納されるフラッシュメモリやEEPROM等の不揮発性メモリからなる第1の記憶手段203と、車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を視覚的に報知する液晶表示パネルや有機ELパネル等の第1の表示部(表示部)204と車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を聴覚的に報知するスピーカ等の第1の発音体205とからなる第1の報知手段206と、第1の表示部204と第1の発音体205との駆動制御を兼ねた第1の駆動手段207とを有している。
ここで、第1の発音体205は、車両が自動二輪車である場合に、当該自動二輪車に搭乗する搭乗者(利用者)が装着するヘルメットに収められたヘルメットスピーカであってもよい。
また、操作手段213は、車両搭載機器102の各種操作を行うための操作入力部からなり、例えば利用者の手が届くように車内の適宜箇所に設置されたカーソルボタンや決定ボタン等を含む略十字キー型の操作入力部を適用でき、利用者が操作手段213を操作することにより操作手段213から出力される外部機器103側への操作指示信号(遠隔操作指示信号)は、操作情報端子212並びに車両インターフェース手段201を通じて第1の制御手段202へと入力され、さらに接続手段104を介して外部機器103側へと至る。なお、操作手段213は、上述した十字キー型の操作入力部に代えてタッチパネル型の操作入力部を適用することも可能である。
第1の通信部(通信部)220は、外部機器103と接続するための接続手段104を構成するものであり、ここでは第1の通信部220としてWiーFiまたはBluetooth(登録商標)が用いられる。
また、この場合、第1の通信部220は、車両搭載機器102の主要部を構成する機器ユニット200とコネクタ等からなる着脱手段215を介して接続可能に構成されている。なお、着脱手段215は、コネクタではなく、例えば端子の半田付け接続によって、機器ユニット200と第1の通信部220とを着脱可能に構成してもよい。
また、外部機器103は、車両搭載機器102と接続するための接続手段104を構成する第2の通信部(ここではWiーFiまたはBluetooth(登録商標)とする)260と、各種センサ(ここではGPSモジュールとする)261と、インターフェース(I/F)手段251と、外部機器103の制御を行う例えばマイクロコンピュータからなる第2の制御手段252と、第2の制御手段252の処理プログラムが格納されるフラッシュメモリやEEPROM等の不揮発性メモリからなる第2の記憶手段253と、車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を視覚的に報知するタッチパネル付ディスプレイ等の第2の表示部254と車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を聴覚的に報知するスピーカ等の第2の発音体255とからなる第2の報知手段256と、第2の表示部254と第2の発音体255の駆動制御を兼ねた第2の駆動手段257と、インターネットと接続するための外部通信手段110を構成する通信モジュール258とを有している。
ここで、第2の通信部260は、車両搭載機器102に備えられる第1の通信部220との間で無線通信を行うものである。つまり、第2の通信部260は、車両搭載機器102に備えられる第1の通信部220との間でデータのやりとりが可能となる。
また、本実施形態では、車両搭載機器102と外部機器103の接続手段104に無線通信手段からなる第1、第2の通信部220、260を適用したが、これに限定されるものではなく、USBやHDMI(登録商標)等のケーブルからなる有線通信手段としての接続手段104を用いて車両搭載機器102と外部機器103とを接続することも可能である。なお、無線通信手段(無線接続)から有線通信手段(有線接続)へと切り替える場合、第1の通信部220を有線通信手段に対応したものに交換することで、車両搭載機器102と外部機器103との有線接続が実現可能となる。
図3は、車両搭載機器と外部機器とが無線接続される場合の車両用情報提供装置101のブロック図を示しており、この無線接続に対応した第1の通信部220は、アンテナ270と、無線I/F271と、デコーダ(無線用デコーダ)272と、制御部273とから主に構成されている。制御部273は、アンテナ270と無線I/F271とデコーダ272の制御を行うものである。
そして、着脱手段215を介して機器ユニット200と第1の通信部220とが接続されている場合、車両搭載機器102の機器ユニット200と外部機器103との間のデータのやりとりは、接続手段104、アンテナ270、無線I/F271、デコーダ272を介して行われる。
また、機器ユニット200が着脱手段215を介して第1の通信部220とが接続されているとき、着脱手段215を介し機器ユニット200と第1の通信部220との間でやりとりされるデータには、映像信号S1、音信号S2、制御信号S3の他、図示省略したGND信号(グランド信号)や電源等が含まれる。特に、この場合、第1の通信部220は、車両の外部情報として外部機器103側から送られてくる映像信号S1、音信号S2のうち少なくとも1つ信号を機器ユニット200に出力することができる。
また、やりとりされるデータのうち、映像信号S1はデコーダ272から出力されて第1の制御手段202へと入力(供給)され、制御信号S3は制御部273から出力されて第1の制御手段202へと入力(供給)され、音信号S2はデコーダ272から出力されて音出力端子214へと入力(供給)される。
なお、音出力端子214(通信部220)から出力される音信号S2は、D/Aコンバータ216とアンプ217とを有する駆動部(発音体駆動回路)としての駆動ドライバ218を介して、第3の発音体としてのスピーカ219へ入力される。ここで、駆動ドライバ218は、通信部220または機器ユニット200とは別部材(別体)により構成されている。
このように、駆動ドライバ218が、通信部220または機器ユニット200とは別部材により構成されていることで、例えば車両が自動二輪車であるとき、当該自動二輪車に搭乗する搭乗者(利用者)が装着するヘルメットに収められたヘルメットスピーカを利用して、駆動ドライバ218の装着を行わないケースも考えられるが、このような場合でも容易に対応可能である。スピーカ(発音体)219としては、例えば車両に搭載されたナビゲーション装置用やオーディオ装置用のスピーカを適用することができる。
また、第1の通信部220に設けられる制御部273は、前記車両状態信号である車両状態情報(ここでは車両の走行速度を示す車速信号とする)を機器ユニット200と着脱手段215とを介して受信し、この受信した車両状態情報を接続手段104を介して外部機器103に備えられる第2の制御手段252へ出力する構成となっている。そして、第2の制御手段252は、前記車速信号に基づいて車両の走行距離を算出して、車両の走行距離に応じた所定のメンテナンス情報(例えばオイル交換時期情報)を第2の表示部254に表示させるべく、第2の表示部254を表示動作させ、利用者に対する注意喚起を促すことが可能となる。このような構成によれば、第1の通信部220は、直接、車両とインターフェースを持つ必要がなく、保護回路等の部品が不要となることから、コスト上昇を極力抑制することができる。
一方、図4は、車両搭載機器と外部機器とが無線接続ではなく前記ケーブル等によって有線接続される場合の車両用情報提供装置101のブロック図を示しており、この有線接続に対応した第1の通信部220は、有線I/F281と、デコーダ(有線用デコーダ)282と、制御部283とから主に構成されている。制御部283は、有線I/F281とデコーダ282の制御を行うものである。
そして、着脱手段215を介して機器ユニット200と第1の通信部220とが接続されている場合、車両搭載機器102の機器ユニット200と外部機器103との間のデータのやりとりは、接続手段104、有線I/F281、デコーダ282を介して行われる。
また、機器ユニット200が着脱手段215を介して第1の通信部220とが接続されているとき、着脱手段215を介し機器ユニット200と第1の通信部220との間でやりとりされるデータには、映像信号S1、音信号S2、制御信号S3の他、図示省略したGND信号(グランド信号)や電源等が含まれる。特に、この場合、第1の通信部220は、車両の外部情報として外部機器103側から送られてくる映像信号S1、音信号S2のうち少なくとも1つ信号を機器ユニット200に出力することができる。
また、やりとりされるデータのうち、映像信号S1はデコーダ282から出力されて第1の制御手段202へと入力(供給)され、制御信号S3は制御部283から出力されて第1の制御手段202へと入力(供給)され、音信号S2はデコーダ282から出力されて音出力端子214へと入力(供給)される。なお、音出力端子214から出力される音信号S2は、D/Aコンバータ216やアンプ217により構成される駆動部としての駆動ドライバ218を介して、スピーカ219へ入力される。
次に、図5〜図7を用いて、車両搭載機器102に備えられる第1の制御手段202が、後述する第1、第2の表示モードを実行したときの第1の表示部204に表示される表示レイアウトについて説明する。
ここで、車両搭載機器102に備えられる機器ユニット200は、図5に示すように、前記液晶表示パネルからなる第1の表示部204を備え、この第1の表示部204は、車両の利用者へ車両の各種状態を車両状態情報として表示する計器用のディスプレイからなる。
第1の制御手段202は、着脱手段215を介して第1の通信部220と接続されているとき、多重通信入出力端子211(あるいは車両情報端子210)を介して前記車両状態信号を受信し、前記車両状態信号に基づいて図6に示すような第1の表示モードM1に対応する車両状態情報を第1の表示部204に表示させるべく、第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。
この後述する車両の外部情報が一切表示されず、車両状態情報のみを第1の表示部204に表示する第1の表示モードM1において、第1の制御手段202は、車両状態情報として車両の走行速度を表示する車速表示部300、シフトポジションを表示するシフトポジション表示部310、燃料の残量を表示する燃料残量表示部320、車両の進行方向を示す方向指示表示部330、車両の平均燃費を表示する燃費表示部340、車両外部の気温を表示する外気温表示部350、警告表示部360を第1の表示部204に表示させるべく、第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。
また、第1の表示モードM1において、第1の表示部204は、区分けされた第1の表示領域R1と第2の表示領域R2とを有する。第1の表示領域R1は、第1の表示部204の上側に位置し、車両状態情報のうち所定情報D1である上述した車速表示部300、シフトポジション表示部310、燃料残量表示部320、方向指示表示部330を表示するものである。
車速表示部300は第1の表示領域R1の中央に表示され、シフトポジション表示部310は車速表示部300と隣接するように車速表示部300の左側に位置し、燃料残量表示部320は車速表示部300と隣接するように車速表示部300の右側に位置し、方向指示表示部330はシフトポジション表示部310と燃料残量表示部320とを挟むように第1の表示領域R1の両端側に位置している。
また、ここでの車速表示部300とシフトポジション表示部310と燃料残量表示部320と方向指示表示部330とでなる所定情報D1は、優先度が高く、車両の利用者が視認する頻度が多い車両状態情報となっており、第1の表示モードM1においては、所定情報D1を第1の表示領域R1へと表示させる表示レイアウトとしている。
一方、第2の表示領域R2は、第1の表示部204の下側に位置し、所定情報D1とは異なる車両状態情報の他の情報D2である上述した燃費表示部340、外気温表示部350、警告表示部360を表示するものである。
燃費表示部340並びに外気温表示部350は、第2の表示領域R2の左側に上下に並設された状態で表示され、燃費表示部340の真下に外気温表示部350が表示されている。なお、利用者が操作手段213を操作することにより、第2の表示領域R2に表示されている燃費表示部340と外気温表示部350との双方を異なる表示(例えば走行距離表示とエンジン回転数表示)に切り替えることも可能である。つまり、このことは、操作手段213が、後述する外部機器103の操作と、車両搭載機器102に備えられる機器ユニット200の操作(機器ユニット200の車両用計器機能に関する操作)と、のうち少なくとも一方の操作を操作可能に構成されていることを意味する。
また、第1の制御手段202は、多重通信入出力端子211(あるいは車両情報端子210)を介して各種の警告信号(ここでは車両後部のトランクが開いていることを示すトランク開信号とする)を受信すると、この警告信号に基づいて第1の表示部204を表示動作させ、これに伴い第1の表示部204における第2の表示領域R2の右側には「トランクが開いています」なる警告表示部360が表示される。このように、本例では、車両状態情報の1つに、車両の利用者に対し注意を促す注意喚起情報としての警告表示部360が含まれている。
また、ここでの燃費表示部340と外気温表示部350と警告表示部360とでなる他の情報D2は、車両の利用者が視認する頻度が少ない車両状態情報となっており、第1の表示モードM1においては、他の情報D2を第2の表示領域R2へと表示させる表示レイアウトとしている。なお、第1の表示モードM1が実行された際の第2の表示領域R2において、燃費表示部340及び外気温表示部350が表示される左側領域500の表示面積と、警告表示部360が表示される右側領域510の表示面積とは略等しくなっている。
次に、第1の制御手段202が、第1の表示モードM1とは異なる第2の表示モードM2を実行したときに、第1の表示部204に表示される表示レイアウトについて説明する。
この第2の表示モードM2の実行時において、第1の制御手段202は、多重通信入出力端子211(あるいは車両情報端子210)を介して前記車両状態信号を受信すると同時に、着脱手段215を介して第1の通信部220と接続されているとき、外部機器103側から各通信部260、220経由で車両の外部情報(ここではナビゲーション情報とする)を受信し、前記車両状態信号やナビゲーション情報に基づいて図7(a)に示すような第2の表示モードM2に対応する表示情報を第1の表示部204に表示させるべく、第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。
つまり、第2の表示モードM2において、第2の制御手段252(外部機器103)は、各通信部260、220(接続手段104)を介して第1の制御手段202(機器ユニット200)に対しナビゲーション情報を出力し、第1の制御手段202は、第2の表示領域R2にナビゲーション表示部370(車両の外部情報)が表示されるように第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。
従って、第2の表示モードM2に対応する表示情報には、車速表示部300とシフトポジション表示部310と燃料残量表示部320と方向指示表示部330と燃費表示部340とナビゲーション表示部370とが含まれている。なお、車両の外部情報は、ナビゲーション表示部370以外に、メールの着信情報や電話の着信情報、音楽情報等であってもよい。
そして、これらのうち車速表示部300とシフトポジション表示部310と燃料残量表示部320と方向指示表示部330とでなる所定情報D1は、第1の表示モードM1の場合と同様に第1の表示領域R1に表示され、且つ、第2の表示モードM2における車速表示部300、シフトポジション表示部310、燃料残量表示部320、方向指示表示部330の個々の表示位置は、第1の表示モードM1の場合と同じ位置となっている。
このように、本例の場合、第1の表示領域R1は、両表示モードM1、M2の実行時に、車速表示部300とシフトポジション表示部310と燃料残量表示部320と方向指示表示部330とでなる所定情報D1を予め定められた表示位置に表示可能な固定表示領域として構成されていることになる。
そして、第2の表示モードM2において、車速表示部300とシフトポジション表示部310と燃料残量表示部320と方向指示表示部330とでなる所定情報D1以外の情報となる燃費表示部340及びナビゲーション表示部370は、第2の表示領域R2に表示される。
換言すれば、第2の表示モードM2は、車速表示部300とシフトポジション表示部310と燃料残量表示部320と方向指示表示部330と燃費表示部340とでなる車両状態情報、及びナビゲーション表示部370からなる車両の外部情報を第1の表示部204に表示する表示モードとなっている。
この第2の表示モードM2においては、第1の表示モードM1のときに第2の表示領域R2に表示されていた外気温表示部350及び警告表示部360が非表示状態となるとともに、燃費表示部340に関しては燃費のデジタル表示値と単位表示とが「平均燃費」なる表示の直下に移動し、上述の左側領域500が縮小された状態となる。以下、第2の表示モードM2での第2の表示領域R2において、縮小された左側領域500を左側エリア600として説明する。
そして、第2の表示領域R2において、左側エリア600を除いた領域であって、左側エリア600の右側に位置する右側エリア610には、ターンバイターン表示からなるナビゲーション表示部370が表示される。このターンバイターン表示は、図7(a)に示すように矢印表示371と、交差点名表示372と、交差点までの残距離表示373とを含むものである。なお、ナビゲーション表示部370は、ターンバイターン表示に代えて地図表示を適用してもよい。
つまり、第1の表示モードM1が実行された際に第2の表示領域R2に形成されていた上述の右側領域510は、第2の表示モードM2の実行時には右側領域510が拡大された右側エリア610として設けられ、この右側エリア610にナビゲーション表示部370が表示される。
このように、本例の場合、第2の表示領域R2は、第2の表示モードM2の実行時に、車両の外部情報であるナビゲーション表示部370が表示されることに伴い、他の情報D2(例えば燃費表示部340やナビゲーション表示部370)の表示形態が可変可能な可変表示領域として構成されていることになる。
次に、図7(a)に示す第2の表示モードM2の実行中に、第1の制御手段202が、前記警告信号を受信した際の第1の表示部204の表示レイアウトを図7(b)に基づいて説明する。
図7(b)は、上述の警告表示部360がナビゲーション表示部370の一部(少なくとも一部)に割り込むように表示された第2の表示モードM2の変形例を示している。この場合、第1の制御手段202は、第2の表示モードM2の実行時において、前記警告信号の発生の有無を判定する機能を有し、前記警告信号が発生していると判定した場合には、第2の表示領域R2の右側に表示されているナビゲーション表示部370の一部が警告表示部360へと切替表示されるように第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。
すると、例えば図7(b)に示すように、第1の表示部204において、それまで第2の表示領域R2に表示されていた矢印表示371と交差点名表示372とが非表示状態となり、それまで矢印表示371と交差点名表示372とが表示されていた箇所に「トランクが開いています」なる警告表示部360が割り込むように表示される。その後、第1の制御手段202は、トランクが閉まったことを示すトランク閉信号を受信すると、このトランク閉信号に基づいて第1の表示部204を図7(a)の表示レイアウトへと戻すべく(つまり警告表示部360を非表示とするとともに矢印表示371と交差点名表示372とを再表示させるべく)、第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。
以上のように本実施形態では、利用者へ車両の各種状態を車両状態情報として表示する第1の表示部204及び第1の表示部204を動作させる第1の制御手段202を有する機器ユニット200と、機器ユニット200に対して車両の外部情報を出力する外部機器103と機器ユニット200との間の通信を行う第1の通信部220とを有し、第1の通信部220は、機器ユニット220と着脱手段215を介して接続可能(着脱可能)に構成されているものである。
従って、外部機器103に備えられる第2の通信部260の仕様が、例えば有線接続用(有線通信用)の通信部から無線接続用(無線通信用)の通信部へと変わった場合は、車両搭載機器102に備えられる機器ユニット200の交換は一切不要であり、車両搭載機器102に備えられる第1の通信部220を図4に示す有線接続用のものから図3に示す無線接続用のものへと交換するだけで、車両搭載機器102と外部機器103との接続(連携)が実現され、コストアップを避けることができるとともに、利用者へ外部機器103の持っている外部情報を第1の表示部204を介して提供する場合、外部機器103のインターフェース部(通信部)の仕様の変化に対応可能な車両搭載機器を提供することができる。
また、本実施形態では、第1の表示部204は、車両状態情報のうち所定情報D1を表示する第1の表示領域R1と、所定情報D1とは異なる車両状態情報の他の情報D2を表示する第2の表示領域R2とを有し、第1の制御手段202は、着脱手段215を介して第1の通信部220と接続されているとき、車両状態情報を第1の表示部204に表示する第1の表示モードM1と車両状態情報及びナビゲーション表示部(車両の外部情報)370を第1の表示部204に表示する第2の表示モードM2とを実行するとともに、第2の表示モードM2においては、ナビゲーション表示部370が第2の表示領域R2に表示されるように第1の表示部204を動作させるものである。
従って、車両の利用者へ外部機器103の持っている車両の外部情報を第1の表示部204を介して提供する場合、第1の表示部204における第1の表示領域R1に表示される車速表示部300とシフトポジション表示部310と燃料残量表示部320と方向指示表示部330とでなる所定情報D1は、表示モードM1、M2の切替に関係なく、その表示位置(表示レイアウト)が不変となっていることから、第1の表示部204に表示される情報の移動量が必要最小限に抑えられ、ヒューマン・マシン・インターフェイスの向上した車両搭載機器を提供することができる。
(第2実施形態)次に、本発明の第2実施形態を図8に基づいて説明するが、前述の第1実施形態と同一もしくは相当個所には同一の符号を用いてその詳細な説明は省略する。この第2実施形態が前記第1実施形態と異なる点は、図8(a)に示すように第2の表示モードM2において、第2の表示領域R2の左側に表示されていた燃費表示部340を非表示状態とし、燃費表示部340に代えて操作表示部380を表示させている点にある。
この第2実施形態の場合、第1の制御手段202は、第2の表示モードM2の実行時に、外部機器103の操作に関連した操作情報である操作表示部380とナビゲーション表示部370とを含む車両の外部情報が第2の表示領域R2に表示されるように第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。
なお、第2実施形態において、第1の表示領域R1に表示される所定情報D1は、前記第1実施形態の場合と同様に、車速表示部300とシフトポジション表示部310と燃料残量表示部320と方向指示表示部330とからなる。
操作表示部380は、その右側に隣接するように表示されているナビゲーション表示部370に応じた外部機器103の操作情報を表示してなる。また、操作表示部380には、操作手段213の外形形状と操作可能な操作機能とが表示されている。ここでは、前記操作機能として、地図表示の拡大に対応する「Zoom +」と、地図表示の縮小に対応する「Zoom ー」と、ルートガイダンスの音声案内の実施に対応する「Speak」とが例示されている。
利用者は、操作表示部380に表示された前記操作情報を見ながら、操作手段213を操作する(ここでは上述の「Zoom +」を操作するものとする)。この操作手段213の操作に伴い、操作手段213から出力される外部機器103側への前記操作信号は、操作情報端子212並びに車両インターフェース手段201を通じて第1の制御手段202へと入力され、さらに着脱手段215、第1の通信部220に備えられる制御部273(または制御部283)、接続手段104を介して外部機器103の第2の制御手段252へ入力される。
つまり、この場合、第1の制御手段202は、利用者が操作手段213を操作することにより操作手段213から出力される外部機器103の操作に関連した前記操作信号(前記操作情報)を検出すると、前記操作信号は、第1の通信部220(着脱手段215と第1の通信部220と)を介して外部機器103に備えられる第2の制御手段252に出力されることになる。
第2の制御手段252は、前記操作信号に基づいて外部機器103を動作させて、拡大された地図データを第2の通信部260へ入力し、さらに接続手段104、第1の通信部220を介して機器ユニット200に備えられる第1の制御手段202へ映像信号として出力する。第1の制御手段202は、この拡大された地図データ(映像信号)をナビゲーション表示部370へ表示させるべく、第1の表示部204を表示動作させる。
かかる第2実施形態においても、外部機器103に備えられる第2の通信部260の仕様が、例えば有線接続用(有線通信用)の通信部から無線接続用(無線通信用)の通信部へと変わった場合は、車両搭載機器102に備えられる機器ユニット200の交換は一切不要であり、車両搭載機器102に備えられる第1の通信部220を図4に示す有線接続用のものから図3に示す無線接続用のものへと交換するだけよいから、前記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また本第2実施形態では、第2の表示モードM2において、ナビゲーション表示部370と操作表示部380とが第2の表示領域R2に表示されているこから、車両の利用者に対し、略十字キー型の操作入力部である操作手段213のボタン位置(操作位置)と操作内容を分かり易く提示することができるというメリットがある。
また、図8(a)に示す第2の表示モードM2において、第1の制御手段202が、前記警告情報を受信した際には、図8(b)に示すようにナビゲーション表示部370の少なくとも一部(例えば矢印表示371と交差点名表示372)が「トランクが開いています」なる警告表示部360(他の情報D2)へと切替表示されるように第1の表示部204を表示動作させる。この点に関しては、前記第1実施形態における図7(a)で示す表示レイアウトから図7(b)に示す表示レイアウトへの表示切替と同様な処理が行われる。
(第3実施形態)次に、本発明の第3実施形態を図9に基づいて説明するが、前述の第1、第2実施形態と同一もしくは相当個所には同一の符号を用いてその詳細な説明は省略する。この第3実施形態が前記第1実施形態と異なる点は、外部機器103が、互いに異なる通信インターフェースを有する少なくとも2つの外部機器(ここでは外部機器が2つあり、第1の外部機器103a、第2の外部機器103bとする)にて構成され、第1の通信部220を前記2つの外部機器に対応するような構成とした点である。
この場合、前記2つの外部機器のうち第1の外部機器103aは、無線接続の通信インターフェースを有し、接続手段104を介して車両搭載機器102と接続可能であり、前記2つの外部機器のうち第2の外部機器103bは、有線接続の通信インターフェースを有し、接続手段104を介して車両搭載機器102と接続可能であるものとする。なお、第1、第2の外部機器103a、103bの構成は、前記第1実施形態にて採用した外部機器103と基本的に同等の構成となっており、第2の通信部260(前記通信インターフェース)の構成のみが異なる。
この第3実施形態における第1の通信部220は、図9に示すように前記2つの外部機器のうち1つの外部機器(第1の外部機器103aまたは第2の外部機器103b)と接続するため、アンテナ270と、少なくとも2種類のインターフェース部(ここではインターフェース部が2種類あり、無線I/F271及び有線I/F281とする)と、少なくとも2種類のデコーダ(ここではデコーダが2種類あり、無線用デコーダ272及び有線用デコーダ282とする)と、アンテナ270と無線I/F271と無線用デコーダ272と有線I/F281と有線用デコーダ282の制御を行う制御部291と、無線用デコーダ272、有線用デコーダ282からの出力を選択する選択部292とを備えている。
ここで、前記2種類のデコーダは前記2種類のインターフェース部に対応するように設けられている。つまり、第1の通信部220と前記2つの外部機器に着目すると、無線I/F271は、第1の外部機器103a及び無線用デコーダ272に対応するように設けられ、有線I/F281は、第2の外部機器103b及び有線用デコーダ282に対応するように設けられていることになる。
また、第3実施形態における第1の通信部220に設けられる制御部291は、接続された1つの外部機器(つまり接続された外部機器が第1の外部機器103aであるか第2の外部機器103bであるか)に応じて選択部292を制御して、異なる通信インターフェースを持つ第1の外部機器103aまたは第2の外部機器103bに対応することが可能となる。
そして、着脱手段215を介して機器ユニット200と第1の通信部220とが接続されている場合、車両搭載機器102の機器ユニット200と前記2つの外部機器(第1、第2の外部機器103a、103b)との間のデータのやりとりは、無線接続の場合、接続手段104、アンテナ270、無線I/F271、無線用デコーダ272、選択部292を介して行われ、有線接続の場合、接続手段104、有線I/F281、有線用デコーダ282、選択部292を介して行われる。
ここで、機器ユニット200が着脱手段215を介して第1の通信部220とが接続されているとき、着脱手段215を介し機器ユニット200と第1の通信部220との間でやりとりされるデータには、映像信号S1、音信号S2、制御信号S3の他、前記GND信号や前記電源等が含まれる。特に、この場合、第1の通信部220は、車両の外部情報として外部機器103側から送られてくる映像信号S1、音信号S2のうち少なくとも1つ信号を機器ユニット200に出力することができる。
また、やりとりされるデータのうち、映像信号S1は選択部292から出力されて第1の制御手段202へと入力(供給)され、制御信号S3は制御部291から出力されて第1の制御手段202へと入力(供給)され、音信号S2は選択部292から出力されて音出力端子214へと入力(供給)される。
なお、音出力端子214(第1の通信部220)から出力される音信号S2は、D/Aコンバータ216とアンプ217とを有する駆動ドライバ218を介して、スピーカ219へ入力される。また、この場合においても、駆動ドライバ218は、第1の通信部220または機器ユニット200とは別部材により構成されている。
第1の通信部220に設けられる制御部291は、前記車両状態信号(例えば車両の走行速度を示す車速信号)を機器ユニット200と着脱手段215とを介して受信し、この受信した前記車両状態信号を接続手段104を介して(外部機器103に備えられる)第2の制御手段252へ出力する。別の言い方をすれば、このことは第1の制御手段202は、前記車両状態信号を着脱手段215と第1の通信部220とを介して第2の制御手段252へ出力することを意味している。そして、第2の制御手段252は、前記車速信号に基づいて車両の走行距離を算出して、車両の走行距離に応じた前記メンテナンス情報を第2の表示部254に表示させるべく、第2の表示部254を表示動作させ、利用者に対する注意喚起を促すことが可能となる。
かかる第3実施形態によれば、第1の通信部220は、前記2つの外部機器のうち1つの外部機器と接続するため、無線I/F271及び有線I/F281と、これら無線I/F271及び有線I/F281に対応するように設けられる無線用デコーダ272及び有線用デコーダ282と、これら無線用デコーダ272、有線用デコーダ282からの出力を選択する選択部292とを備え、第1の通信部220に設けられる制御部291は、接続された1つの外部機器に応じて選択部292を制御することにより、第1の通信部220は、異なる通信インターフェースを持つ第1の外部機器103aまたは第2の外部機器103bと接続することが可能となるため、第1の通信部220の汎用性を高めることが可能となる。
なお、前記各実施形態では、第1の表示部204が、2つの表示領域(第1、第2の表示領域R1、R2)に区分けされている例について説明したが、例えば第1の表示部204を3つ以上の表示領域に区分けするような構成としてもよい。