(第1実施形態)以下、図1〜図11に基づいて、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示すブロック図であり、図1中、100は車両を示している。また101は車両用通信システムであり、この車両用通信システム101は、車両用情報提供装置102と、携帯情報機器である外部機器(ここではスマートフォンとする)103と、車両用情報提供装置102と外部機器103とを接続する接続手段104とから構成され、この場合、車両用情報提供装置102は、第1の車両搭載機器110(ここでは車両用計器とする)と、第2の車両搭載機器120(ここではヘッドアップディスプレイ装置とする)とを備えている。
第1の車両搭載機器110は、車内に構築される伝送媒体としての車内LAN(多重通信ライン)105を介して、オーディオ106、エアコン107、ボディ制御部108、エンジン制御部109等の各種電装品と、第2の車両搭載機器120とに接続されている。また、接続手段104を介して第1の車両搭載機器110と接続される外部機器103は、通信手段130を介してインターネットとの接続も可能である。
第1の車両搭載機器110は、図2に示すように車両の各種状態に関する各情報(車両状態信号)の入出力を行う第1車両情報端子(第1車両情報入力手段)210及び第1多重通信入出力端子(第1多重通信入出力手段)211と、所定の操作手段213からの操作指示信号を入力可能な操作情報端子212と、第1車両インターフェース(第1車両I/F)手段201と、第1の車両搭載機器110の制御を行う例えばマイクロコンピュータからなる第1の制御手段202と、第1の制御手段202の処理プログラムが格納されるフラッシュメモリやEEPROM等の不揮発性メモリからなる第1の記憶手段203と、車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を視覚的に報知する液晶表示パネルや有機ELパネル等の第1の表示部204と車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を聴覚的に報知するスピーカ等の発音体205とからなる報知手段206と、第1の表示部204と発音体205と各種アナログ式(指針式)計器207との駆動制御を兼ねた第1の駆動手段208と、外部機器103と接続するための接続手段104を構成する無線通信手段としての通信部(ここではBluetooth(登録商標)とする)209とを有している。
ここで、発音体205は、車両が自動二輪車である場合に、当該自動二輪車に搭乗する搭乗者(利用者)が装着するヘルメットに収められたヘルメットスピーカであってもよい。また、各種アナログ式計器207は、詳細図示省略するが、車両の速度をアナログ指示する速度計と、車両のエンジン回転数をアナログ指示する回転計と、タンク内燃料量をアナログ指示する燃料計と、エンジン冷却水の温度をアナログ表示する温度計とのうち少なくとも1つを備えている。
なお、通信部209は、外部機器103に備えられる後述する他の通信部410との間で無線通信を行うものである。つまり、通信部209は、外部機器103と通信(接続)可能に構成されており、外部機器103に備えられる他の通信部410と間でデータのやりとりが可能となる。
また、操作手段213は、第1の車両搭載機器110の各種操作を行うための操作入力部からなり、例えば利用者の手が届くように車内の適宜箇所に設置されたカーソルボタンや決定ボタン等を含む略十字キー型の操作入力部を適用でき、利用者が操作手段213を操作することにより操作手段213から出力される外部機器103側への操作指示信号(遠隔操作指示信号)は、操作情報端子212並びに第1車両インターフェース手段201を通じて第1の制御手段202へと入力され、さらに接続手段104を介して外部機器103側へと至る。なお、操作手段213は、上述した十字キー型の操作入力部に代えてタッチパネル型の操作入力部を適用することも可能である。
第2の車両搭載機器120は、図3に示すように車両の各種状態に関する各情報(車両状態信号)の入出力を行う第2車両情報端子(第2車両情報入力手段)310及び第2多重通信入出力端子(第2多重通信入出力手段)311と、第2車両インターフェース(第2車両I/F)手段301と、第2の車両搭載機器120の制御を行う例えばマイクロコンピュータからなる第2の制御手段302と、第2の制御手段302の処理プログラムが格納されるフラッシュメモリやEEPROM等の不揮発性メモリからなる第2の記憶手段303と、後述する表示光を発する液晶表示器304と、液晶表示器304の駆動制御を行う第2の駆動手段305と、第2の車両搭載機器120の外装ケースを構成する筐体306(図4参照)とから主に構成されている。なお、この場合、筐体306は、上側筐体T1と下側筐体T2とを有している。
液晶表示器304は、液晶表示パネル307と、バックライト光源308とから主に構成され、バックライト光源308の点灯に伴い、液晶表示パネル307から発せられる表示光Lが、上側筐体T1に設けられた透光部T3を通じて透明な板状部材(反射板)からなるコンバイナ309に投影されることで、利用者(図4中、符号E参照)は、コンバイナ309越しに風景と重畳した状態の表示像Vを視認することができる。なお、ここでのコンバイナ309は、後述する特許請求の範囲に記載された第2の表示部に相当する。
外部機器103は、図5に示すように第1の車両搭載機器110と接続するための接続手段104を構成する無線通信手段としての他の通信部(ここではBluetooth(登録商標)とする)410と、各種センサ(ここではGPSモジュールとする)411と、インターフェース(I/F)手段401と、外部機器103の制御を行う例えばマイクロコンピュータからなる第3の制御手段402と、第3の制御手段402の処理プログラムが格納されるフラッシュメモリやEEPROM等の不揮発性メモリからなる第3の記憶手段403と、車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を視覚的に報知するタッチパネル付ディスプレイ等の第2の表示部404と車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を聴覚的に報知するスピーカ等の他の発音体405とからなる他の報知手段406と、第3の表示部404と他の発音体405の駆動制御を兼ねた第3の駆動手段407と、インターネットと接続するための通信手段130を構成する通信モジュール408とを有している。
ここで、ナビゲーション動作を行うことを想定した場合、第3の記憶手段403には、地図を表示するための地図情報や道路に設置された道路標識情報が格納されているものとする。また、第3の制御手段403は、例えばナビゲーション動作を実行する場合、GPSモジュール411から取得した現在位置情報に基づいて、第3の記憶手段403を参照して必要な道路標識情報を取得するものとする。
なお、本実施形態では、第1の車両搭載機器110と外部機器103の接続手段104に、通信部209と他の通信部410とでなる無線通信手段を適用したが、これに限定されるものではなく、USB等の有線接続手段からなる接続手段104を用いて第1の車両搭載機器110と外部機器103とを接続することも可能である。
ところで、図6は、車両用計器である第1の車両搭載機器110に備えられる第1の表示部204と、ヘッドアップディスプレイ装置である第2の車両搭載機器120に備えられるコンバイナ(第2の表示部)309とを示す概略図であり、第1の表示部204は、車両の各種状態(前記車両状態信号に基づく車両状態情報)を少なくとも表示する計器用の情報表示体(表示媒体)からなり、車両のインストルメントパネル(図示せず)の内部に設置される。
一方、第2の車両搭載機器120は、その筐体306が前記インストルメントパネルの内部に埋設(配設)され、前記インストルメントパネルの上側に飛び出しているコンバイナ309は、少なくとも車両の各種状態(車両状態情報)を、上述した表示像Vとして虚像表示する情報表示体(表示媒体)からなる。なお、第1の表示部204とコンバイナ309との位置関係については、両者は、上下に並設された位置関係となり、本例では第1の表示部204の上側(真上)にコンバイナ309が位置する構成となっている。
次に、図7〜図9を用いて、第1の表示部204とコンバイナ(第2の表示部)309との双方に、車両状態情報を表示させる際の第1、第2の制御手段202、302の処理動作について説明する。
第1の制御手段202は第1多重通信入出力端子211(あるいは第1車両情報端子210)を介して車両状態信号を受信し、また第2の制御手段302は第2多重通信入出力端子311(あるいは第2車両情報端子310)を介して車両状態信号を受信する。そして、第1、第2の制御手段202、302による制御のもと、第1の表示部204とコンバイナ309に、図7に示すような第1の表示モードM1に対応する車両状態情報が表示される。
この後述する車両の外部情報が一切表示されず、車両状態情報のみを第1の表示部204とコンバイナ309に表示する第1の表示モードM1においては、第1の制御手段202による制御のもと、第1の表示部204には、車両状態情報として、車両のエンジン回転数を表示する回転数表示部500、シフトポジションを表示するシフトポジション表示部510、燃料の残量を表示する燃料残量表示部520、車両の進行方向を示す方向指示表示部530、車両の平均燃費を表示する燃費表示部540、車両外部の気温を表示する外気温表示部550、注意喚起情報である警告表示部560が表示される。
一方、第2の制御手段302による制御のもと、第2の駆動手段305を介して液晶表示器304が駆動し、液晶表示器304からは車速表示光からなる表示光Lが発せられ、これに伴いコンバイナ309には、車両状態情報として、車両の走行速度を表示する車速表示部570が虚像表示される。
また、この第1の表示モードM1において、第1の表示部204は、区分けされた第1の表示領域R1と第2の表示領域R2とを有する。第1の表示領域R1は、第1の表示部204の上側に位置し、車両状態情報のうち所定情報D1である上述した回転数表示部500、シフトポジション表示部510、燃料残量表示部520、方向指示表示部530を表示するものである。なお、本例の場合、所定情報D1には、コンバイナ309に表示される車速表示部570も含まれるものとする。
回転数表示部500は第1の表示領域R1の中央に表示され、シフトポジション表示部510は回転数表示部500と隣接するように回転数表示部500の左側に位置し、燃料残量表示部520は回転数表示部500と隣接するように回転数表示部500の右側に位置し、方向指示表示部530はシフトポジション表示部510と燃料残量表示部520とを挟むように第1の表示領域R1の両端側に位置している。
また、ここでの回転数表示部500とシフトポジション表示部510と燃料残量表示部520と方向指示表示部530とを少なくとも含む所定情報D1は、優先度が高く、車両の利用者が視認する頻度が多い車両状態情報となっており、第1の表示モードM1においては、所定情報D1を第1の表示領域R1へと表示させる表示レイアウトとしている。
一方、第2の表示領域R2は、第1の表示部204の下側に位置し、所定情報D1とは異なる車両状態情報の他の情報D2である上述した燃費表示部540、外気温表示部550、警告表示部560を表示するものである。燃費表示部540並びに外気温表示部550は、第2の表示領域R2の左側に上下に並設された状態で表示され、燃費表示部540の真下に外気温表示部550が表示されている。
また、第1の制御手段202は、第1多重通信入出力端子211(あるいは第1車両情報端子210)を介して各種の警告信号(ここでは車両後部のトランクが開いていることを示すトランク開信号とする)受信すると、この警告信号に基づいて第1の表示部204を表示動作させ、これに伴い第1の表示部204における第2の表示領域R2の右側には「トランクが開いています」なる警告表示部560が表示される。このように、本例では、車両状態情報の1つに、車両の利用者に対し注意を促す注意喚起情報としての警告表示部560が含まれている。
また、ここでの燃費表示部540と外気温表示部550と警告表示部560とでなる他の情報D2は、車両の利用者が視認する頻度が少ない車両状態情報となっており、第1の表示モードM1においては、他の情報D2を第2の表示領域R2へと表示させる表示レイアウトとしている。
そして、コンバイナ309に表示される(所定情報D1の1つに含まれる)車速表示部570は、車両の利用者が視認する頻度が最も多い車両状態情報に分類されており、第1の表示モードM1においては、車両運転時に、利用者が視線をあまり動かさなくてもよい表示位置(利用者が瞬時に把握できる表示位置)であるコンバイナ309の略中央へと表示させる表示レイアウトとしている。
次に、第1、第2の制御手段202、302が、第1の表示モードM1とは異なる第2の表示モードM2を実行したときの第1の表示部204、コンバイナ309に表示される表示レイアウトを図8を用いて説明する。なお、この第2の表示モードM2において、第1の表示部204に表示される情報は、第1の表示モードM1の場合と同一であるため、以下ではコンバイナ309に表示される表示情報のみについて説明する。
まず第1の制御手段202が、通信部209と外部機器103に備えられる他の通信部410との間で無線通信が確立した(つまり通信部209は他の通信部410と間でデータのやりとりが可能である)ことを検出すると、この検出情報を車内LAN105経由で第2の制御手段302へ伝達(伝送)する。
そして、第2の制御手段302は、前記検出信号を受信し、第2の制御手段302による制御のもと、第2の駆動手段305を介して液晶表示器304が駆動し、液晶表示器304からは車速表示光とアイコン表示光とからなる表示光Lが発せられ、これに伴いコンバイナ309には、図8に示すように、車速表示部570に加えて、車両の外部情報の種別を示すメニュー情報であるアイコン表示部580が表示される。このように本例の場合、第1の表示モードM1に対して、コンバイナ309に(外部機器103の操作に関係した表示情報である)アイコン表示部580が追加表示された状態を第2の表示モードM2とする。
アイコン表示部580は、この場合、ナビゲーション機能用の第1アイコン表示581と、オーディオ機能用の第2アイコン表示582と、電話機能用の第3アイコン表示583とからなり、コンバイナ309における車速表示部570の右側に表示される。これにより、利用者は、上記車両の外部情報を利用できると認識する(つまり外部機器103を用いてナビゲーション機能やオーディオ機能、電話機能を利用できると認識する)。
次に、第1、第2の制御手段202、302が、上述した第1、第2の表示モードM1、M2とは異なる第3の表示モードM3を実行したときの第1の表示部204、コンバイナ309に表示される表示レイアウトを図9を用いて説明する。なお、この第3の表示モードM3において、コンバイナ309に表示される情報は、第2の表示モードM2の場合と同一であるため、以下では第1の表示部204に表示される表示情報のみについて説明する。
まず、ここでは、第2の表示モードM2の実行時において、利用者が車両の外部情報の種別(外部機器103の操作)に関する各アイコン表示581、582、583を見て、車両の外部情報の種別を選択する。
例えば、利用者の操作手段213による所定操作によって、ナビゲーション機能用の第1アイコン表示581が選択されると、第1の制御手段202は、第1アイコン表示581が選択された選択情報を検出し、当該選択情報が、車内LAN105経由で第2の制御手段302へと伝送されるとともに、通信部209、他の通信部410経由で第3の制御手段402へ伝送される。
これに応じて、第2の制御手段302は、前記選択情報に基づいて第1アイコン表示581の表示色を変化させるとともに、第3の制御手段402は、他の通信部410、通信部209経由で車両の外部情報(ここではナビゲーション情報とする)を送信する。
そして、第1の制御手段202は、この他の通信部410、通信部209経由で送られてきた車両の外部情報(ナビゲーション情報)を受信し、当該ナビゲーション情報に基づいて図9に示すような第3の表示モードM3に対応する表示情報を第1の表示部204に表示させるべく、第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。
つまり、第3の表示モードM3において、外部機器103に備えられる第3の制御手段402は、接続手段104(他の通信部410、通信部209)を介して第1の制御手段202に対しナビゲーション情報(車両の外部情報)を出力し、第1の制御手段202は、第2の表示領域R2に車両の外部情報であるナビゲーション表示部590が表示されるように第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。
すると、第3の表示モードM3における第1の表示部204には、図9に示すように回転数表示部500と、シフトポジション表示部510と、燃料残量表示部520と、方向指示表示部530と、燃費表示部540と、外気温表示部550と、警告表示部560と、ナビゲーション表示部590が表示される。
そして、これらのうち回転数表示部500とシフトポジション表示部510と燃料残量表示部520と方向指示表示部530とを含む所定情報D1は、第1、第2の表示モードM1、M2の場合と同様に第1の表示領域R1に表示される。つまり、第3の表示モードM3における回転数表示部500、シフトポジション表示部510、燃料残量表示部520、方向指示表示部530の個々の表示位置は、第1、第2の表示モードM1、M2の場合と同じ位置となっている。
そして、この第3の表示モードM3においては、第1の表示部204における第2の表示領域R2の右側にターンバイターン表示からなるナビゲーション表示部590が表示される。このターンバイターン表示は、矢印表示591と、交差点名表示592と、交差点までの残距離表示593とを含むものである。
なお、車両の外部情報としてターンバイターン表示を行うとき、第3の制御手段402は、接続手段104(他の通信部410、通信部209)を介して第1の車両搭載機器110側に画像情報を出力する代わりにコマンドを出力してもよい。例えば、予め第1の記憶手段203に複数種類のターンバイターン表示情報を格納しておき、第1の制御手段202は、前記コマンドに対応するターンバイターン表示情報を第1の記憶手段203から読み出して第1の表示部204へ表示することで対応可能である。
これにより、接続手段104(通信部209、他の通信部410)を介して外部機器103から第1の車両搭載機器110側へと出力する情報量を削減することが可能である。また、ナビゲーション表示部590は、ターンバイターン表示に代えて地図表示を適用してもよい。このときは、第3の制御手段402は、接続手段104(他の通信部410、通信部209)を介して画像情報を出力するものとする。
次に、図9に示す第3の表示モードM3の実行中に、第1の制御手段202が、道路に設置された道路標識情報を受信したときの第1の表示部204とコンバイナ309に表示される表示レイアウトについて図10を用いて説明する。
第1の制御手段202は、第1多重通信入出力端子211(あるいは第1車両情報端子210)を介して車両状態信号を受信すると同時に、外部機器103側から他の通信部410、通信部209経由で通信情報としての車両の外部情報(ここではナビゲーション情報、並びに道路標識情報のうち一時停止情報とする)を受信する。ここで、第1の制御手段202は、一時停止情報を受信すると、当該一時停止情報は、車内LAN105経由で第2の制御手段302へと伝送される。
つまり、本例の場合、第2の制御手段302は、通信部209及び車内LAN105を介して、一時停止情報(車両の外部情報)を取得可能に構成されており、具体的には、一時停止情報は、外部機器103側から出力された後、通信部209を介して第1の制御手段202へと入力され、さらに第1車両インターフェース手段201、第1多重通信入出力端子211、車内LAN105、第2多重通信入出力端子311、第2車両インターフェース手段301介して、第1の制御手段202から第2の制御手段302へと伝送される。
そして、第2の制御手段302による制御のもと、第2の駆動手段305を介して液晶表示器304が駆動し、液晶表示器304からは車速表示光と道路標識表示光とからなる表示光Lが発せられ、これに伴いコンバイナ309には、図10に示すように車速表示部570に加えて、車速表示部570の右側に一時停止表示部600が表示される。例えば、ここでの一時停止表示部600は、「止まれ」の道路標識(規制標識)を模した表示情報を適用することができる。
つまり、外部機器103に備えられる第3の制御手段402は、ナビゲーション動作を実行時、GPSモジュール411から取得した現在位置情報に基づいて、第3の記憶手段403を参照して接続手段104(他の通信部410、通信部209)を介して第1の制御手段202に対し車両の現在位置(車両が現在、走行している走路)に対応した一時停止情報を出力し、第2の制御手段302による制御のもと、コンバイナ309には車速表示部570と一時停止表示部600とが表示される。このとき、第1の制御手段202による制御のもと、第2の表示領域R2の一部には、ナビゲーション表示部590が継続して表示される。
このように第1の制御手段202による制御のもと、車両の外部情報のうち所定の外部情報(ナビゲーション表示部590)が第2の表示領域R2(第1の表示部204)に表示されるとともに、第2の制御手段302による制御のもと、車両の外部情報のうち所定の外部情報(ナビゲーション表示部590)とは異なる他の外部情報である一時停止表示部600がコンバイナ309に表示されることで、車両の外部情報(ナビゲーション表示部590や一時停止表示部600)を第1の表示部204やコンバイナ309の空き表示スペースを利用し、分担して表示可能となり、所定情報D1の表示位置は、車両の外部情報の表示の有無に関係なく、同じ(不変である)ことから、第1の表示部204やコンバイナ309に表示される情報の移動量が必要最小限に抑えられ、ヒューマン・マシン・インターフェイスの向上した車両用情報提供装置を提供することができる。
次に、図9に示す第3の表示モードM3の実行中に、第1の制御手段202が、電話の着信情報を受信したときの第1の表示部204とコンバイナ309に表示される表示レイアウトについて図11を用いて説明する。
第1の制御手段202は、第1多重通信入出力端子211(あるいは第1車両情報端子210)を介して車両状態信号を受信すると同時に、外部機器103側から他の通信部410、通信部209経由で通信情報としての車両の外部情報(ここでは電話の着信情報とする)を受信する。
ここで、第1の制御手段202は、電話の着信情報を受信すると、当該電話の着信情報は、上述した一時停止情報の場合と同様にして車内LAN105経由で第2の制御手段302へと伝送される。つまり、本例の場合、第2の制御手段302は、通信部209及び車内LAN105を介して、電話の着信情報(車両の外部情報)を取得可能に構成されている。
そして、第2の制御手段302による制御のもと、第2の駆動手段305を介して液晶表示器304が駆動し、液晶表示器304からは車速表示光と電話情報表示光とからなる表示光Lが発せられ、これに伴いコンバイナ309には、図11に示すように車速表示部570に加えて、車速表示部570の右側に上記電話の着信情報に対応した電話着信アイコン610が表示される。
また、このとき第1の制御手段202は、電話の着信情報を受信すると、電話の着信情報に基づいて第2の表示領域R2の右側に表示されていたナビゲーション表示部590が上記電話の着信情報に対応した電話着信表示部620へと切替表示されるように、第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。
これにより、それまで第2の表示領域R2に表示されていたナビゲーション表示部590が非表示状態となり、そこに外部機器103に対し電話をかけてきた相手の名前621と、相手からの電話に応答(接続)するか否かを選択する選択情報622とからなる電話着信表示部620が表示(割り込み表示)される。
その後、利用者が操作手段213を操作することにより操作手段213から出力される、電話に応答することを示す操作入力信号(応答信号)が、操作情報端子212並びに車両インターフェース手段201を通じて第1の制御手段202へと入力される。
このように第1の制御手段202による制御のもと、車両の外部情報のうち所定の外部情報(電話着信表示部620)が第2の表示領域R2(第1の表示部204)に表示されるとともに、第2の制御手段302による制御のもと、車両の外部情報のうち所定の外部情報(電話着信表示部620)とは異なる他の外部情報である電話着信アイコン610がコンバイナ309に表示されることで、車両の外部情報(電話着信表示部620や電話着信アイコン610)を第1の表示部204やコンバイナ309の空き表示スペースを利用し、分担して表示可能となり、第1の表示部204やコンバイナ309に表示される情報の移動量が必要最小限に抑えられ、ヒューマン・マシン・インターフェイスの向上した車両用情報提供装置を提供することができる。
なお、ここでは第1の制御手段202は、電話の着信情報を受信するものであったが、例えば電話の着信情報に代えて、第1の制御手段202がメール等のメッセージ着信情報を受信した場合であっても、上記のように第1、第2の制御手段202、302による制御のもと、第1の表示部204とコンバイナ309とを併用して、メッセージ着信に関する情報を分担して表示する構成としてもよい。この場合、ここでの詳細図示は省略するが、例えばコンバイナ309にメール着信アイコンを表示させ、第2の表示領域R2に外部機器103に対しメール(メッセージ)を送信してきた相手の名前や、メール(メッセージ)の内容等を表示させるものとする。
以上のように本実施形態では、第1の車両搭載機器110は、車両の外部情報を出力する外部機器103と接続可能に構成された通信部209を有し、第1の車両搭載機器110と第2の車両搭載機器120とは、車内に構築される車内LAN105を介して接続されており、第2の制御手段302は、通信部209及び車内LAN105を介して、車両の外部情報(前記一時停止情報や前記電話の着信情報等)を取得可能に構成されていることにより、外部機器103から出力される当該車両の外部情報は、通信部209を経て第1の制御手段202へと入力され、その後、車内に構築された車内LAN105を介して第2の制御手段302(第2の車両搭載機器120)へと送られるため、車両用情報提供装置の構成部品として従来は必要であった、他の車両搭載機器(第2の車両搭載機器)と外部機器とを接続するための専用の通信部が不要となるため、部品点数が削減され、コスト上昇を抑制することが可能となる。
また本実施形態では、車両の外部情報は、道路に設置された道路標識情報である一時停止表示部600と、外部機器の種別を示すメニュー情報であるアイコン表示部580と、電話の着信情報である電話着信表示部620と、前記メッセージの着信情報とのうち少なくとも1つの情報を含み、第2の制御手段302による制御のもと、一時停止表示部600とアイコン表示部580と電話着信表示部620と前記メッセージの着信情報とのうち少なくとも1つの情報がコンバイナ309に表示されることにより、利用者が一時停止表示部600やアイコン表示部580、電話着信表示部620、前記メッセージの着信情報を視認するための視認時間が短縮され、ヒューマン・マシン・インターフェイスの向上した車両用情報提供装置を提供することができる。
(第2実施形態)次に、本発明の第2実施形態を図12、図13に基づいて説明するが、前述の第1実施形態と同一もしくは相当個所には同一の符号を用いてその詳細な説明は省略する。
図12は、図9に示す第3の表示モードM3の実行中に、第1の制御手段202が、電話の着信情報を受信したときの第1の表示部204とコンバイナ309に表示される表示レイアウトの変形例を示している。
第1の制御手段202は、第1多重通信入出力端子211(あるいは第1車両情報端子210)を介して車両状態信号を受信すると同時に、外部機器103側から他の通信部410、通信部209経由で通信情報としての車両の外部情報(ここでは電話の着信情報とする)を受信する。
ここで、第1の制御手段202は、電話の着信情報を受信すると、当該電話の着信情報は、前記第1実施形態の場合と同様に車内LAN105経由で第2の制御手段302へと伝送される。そして、第2の制御手段302による制御のもと、前記第1実施形態(図11)と同様にコンバイナ309には電話着信アイコン610が表示される。但し、このとき第1の制御手段202は、電話の着信情報を受信しても、第2の表示領域R2に表示されているナビゲーション表示部590がそのまま継続して表示されるように、第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。
次に、利用者が電話着信アイコン610を見て、電話の通話を行う余裕があると判断したときの第1の表示部204とコンバイナ309に表示される表示レイアウトについて図13を用いて説明する。
ここでは利用者が操作手段213を操作することにより操作手段213から出力される入力信号(当該入力信号は電話着信の詳細情報を表示することを示す信号であるとする)が、操作情報端子212並びに車両インターフェース手段201を通じて第1の制御手段202へと入力される。
そして、第1の制御手段202は、この入力信号を受信すると、入力信号は車内LAN105経由で第2の制御手段302へと伝送される。これに伴い、第2の制御手段302による制御のもと、コンバイナ309には、それまで表示されていた電話着信アイコン610に代えて前記第1実施形態(図8参照)にて採用したアイコン表示部580が(再度)表示される。
また、このとき第1の制御手段202は、電話の着信情報を受信すると、第2の表示領域R2に表示されているナビゲーション表示部590が電話着信表示部620へと切替表示されるように第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。これにより、第1の表示部204において、それまで第2の表示領域R2に表示されていたナビゲーション表示部590が非表示状態となり、そこに電話着信表示部620が表示される。
つまり、本第2実施形態の場合、第1の制御手段202は、利用者が操作可能な操作手段213から出力される操作指示信号(前記入力信号)を受信したとき、当該操作指示信号(前記入力信号)に基づいて車両の外部情報である電話着信表示部620が第1の表示部204に表示されるように、第1の表示部204を表示動作させる制御を行う。
その後、利用者が操作手段213を操作することにより操作手段213から出力される、電話に応答するか、非接続とするかを示す入力信号が、操作情報端子212並びに車両インターフェース手段201を通じて第1の制御手段202へと入力される。このように第1、第2の制御手段202、302による制御のもと、車両の外部情報である電話の着信情報の内容に応じて、第1の表示部204やコンバイナ309に表示される車両の外部情報の情報量を最適化することが可能となる。
なお、本発明は、上述の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、実施形態及び図面に変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
例えば上述した実施形態では、第1の車両搭載機器110が車両用計器であり、第2の車両搭載機器120がヘッドアップディスプレイ装置であったが、例えば第1の車両搭載機器110をヘッドアップディスプレイ装置とし、第2の車両搭載機器120を車両用計器としてもよい。この場合、ヘッドアップディスプレイ装置に通信部209に相当する通信部(以下、HUD用通信部と言う)が設けられ、車両用計器はHUD用通信部及び車内LAN105を介して外部機器103から出力される車両の外部情報を取得可能となる。
具体的には、車両の外部情報は、外部機器103側から出力された後、HUD用通信部を介して第2の制御手段302へと入力され、さらに第2車両インターフェース手段301、第2多重通信入出力端子311、車内LAN105、第1多重通信入出力端子211、第1車両インターフェース手段201介して、第2の制御手段302から第1の制御手段202へと伝送されることになる。