JP6038482B2 - 発光素子搭載用配線基板 - Google Patents
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Description
前記のような発光素子用配線基板の場合、発光素子が発する熱を効果的に放射するべく、絶縁基体の裏面に露出する貫通導体の下端面の面積を広くせざるを得ないため、当該発光素子用配線基板の裏面側に配置すべき必要な一対の電極(パッド)の面積を小さくせざるを得なかった。その結果、マザーボード上に実装する際に用いるハンダの量が過少となり、マザーボード上への実装性が不安定になり得る、という問題があった。
更に、絶縁基体の表面と裏面との間を貫通する貫通導体を裏面パッドに接続して、表面パッドと裏面パッドとの間における電気経路として用いる場合には、上記絶縁基体の裏面に設ける一対の裏面パッドの面積が両者間で著しく不均衡にならざるを得ない。その結果、マザーボード上へ実装した際に、当該発光素子用配線基板が不用意に傾くので、搭載された発光素子の光を所要の方向への発光ができなくなる場合がある、という問題があった。
しかし、特許文献2に記載された前記発光素子用配線基板の場合、絶縁基体の絶縁材のみからなる裏面において一対の裏面パッドをそれぞれ広く且つ均等な面積で形成できる反面、実装される発光素子から発生する熱を金属体から絶縁基体の裏面側に放射できなくなる。その結果、放熱性が不十分になる場合がある、という問題があった。
即ち、本発明の発光素子搭載用配線基板(請求項1)は、絶縁材からなり、表面、裏面、および該表面と裏面との間に位置する側面を有する基板本体と、該絶縁基板の表面に形成され、且つ発光素子の搭載部を上面に有する第1表面パッドと、上記絶縁基板の表面に形成され、上記第1表面パッドと離れている第2表面パッドと、上記絶縁基板の裏面において、互いに離れて形成された第1裏面パッドおよび第2裏面パッドと、上記第1表面パッドと第1裏面パッドとの間を電気的に導通する第1接続導体と、上記第2表面パッドと第2裏面パッドとの間を電気的に導通する第2接続導体と、を備えた発光素子搭載用配線基板であって、上記基板本体の表面と裏面との間において、上記第1表面パッドに接して配設された第1貫通導体と、該第1貫通導体と上記第1裏面パッドとの間でこれらに接続され、且つ側面視の長さが上記第1貫通導体よりも短い第2貫通導体とが設けられ、上記基板本体の表面付近を除いた上記第1貫通導体の平面視における面積は、上記第1表面パッドの上面に位置する発光素子の搭載部を含み且つ該搭載部の面積よりも大きいと共に、上記第1貫通導体は、平面視の投影において、上記第1裏面パッドと重複しており、上記第1貫通導体と第2貫通導体との間には、平面状の接続配線層が形成され、上記第1貫通導体は、上記基板本体の厚み方向に沿って複数の導体部分から形成され、上記基板本体の表面付近の導体部分は、複数のビア導体で構成されている、ことを特徴とする。
しかも、第1裏面パッドは、第2貫通導体と接し、且つ第1接続導体を介して電気的に第1表面パッドと接続されており、第2裏面パッドは、第2接続導体を介して電気的に第2表面パッドと接続されているので、第1および第2裏面パッドを、基板本体の裏面において同等の面積にするなど、自由な設計が容易となる。
更に、前記第1貫通導体と第2貫通導体との間には、平面状の接続配線層が形成されているので、平面視で基板本体の中央部に配設され且つ比較的太径の前記第1貫通導体の裏面側と、基板本体の裏面側において第1裏面パッドに接して配設される第2貫通導体とを広い面積による熱伝達が可能となる。特に、第2貫通導体を、比較的小径である複数のビア導体により構成する形態では、一部のビア導体が平面視の投影で第1貫通導体と重複しないか、部分的に重複する場合でも、かかる複数のビア導体と第1貫通導体とを、確実に接触させることができる。
従って、前記発光素子からの熱は、第1貫通導体、第2貫通導体、および第1裏面パッドを経て、裏面側から外部へ効率の良い放射が可能になると共に、同様な面積とした第1および第2裏面パッドにそれぞれハンダを介して、マザーボード上へ実装する際に、当該発光素子搭載用配線基板が不用意に傾かず、良好な実装性を奏することも可能となる。
加えて、前記第1貫通導体は、前記基板本体の厚み方向に沿って複数の導体部分から形成され、前記基板本体の表面付近の導体部分は、複数のビア導体で構成されていることで、基板本体内部に位置する比較的太径の導体部分が基板本体の表面に露出しない。そのため、例えば、絶縁材のセラミックとの間で熱膨張率の差に起因して、第1貫通導体の周囲に位置するセラミックにクラックが大きく且つ広範囲に生じる事態を抑制することが可能となる。
また、前記第1接続導体と第2接続導体は、前記基板本体における何れかの側面に形成された側面導体であるか、あるいは基板本体の表面と裏面との間を貫通するビア導体である。上記側面導体には、1つの側面の凹部内に形成された形態と、2つの側面が交差するコーナに設けた凹部内に形成された形態とが含まれる。
また、前記基板本体の表面には、該表面を底面とし、該底面の周辺から円錐形状、円筒形状、あるいは四角形以上の多角柱形状に立ち上がる側面を有するキャビティを備えた形態も含まれる。
更に、前記発光素子には、発光ダイオードや半導体レーザなどが含まれる。
加えて、前記第1表面パッドの上面には、複数の発光素子の搭載部を直線状、格子状、あるいは市松模様のパターンで配置しても良く、当該第1表面パッドの平面視における面積に対応して、第2表面パッド、第1裏面パッド、第2裏面パッド、および第1貫通導体の面積と、複数の第2貫通導体の総面積とを設定することも可能である。
これによれば、前記第1貫通導体および第1裏面パッドに接する第2貫通導体の厚みが0.10mm以下であるため、第1貫通導体の内部を伝導してきた発光素子からの熱は、短い第2貫通導体を経て滞ることなく第1裏面パッドに送られ且つ外部に放射される。しかも、比較的太径の前記第1貫通導体が基板本体の裏面に露出しないので、第1および第2裏面パッドを自由に設計することができる。
尚、第2貫通導体の厚みが0.10mmを超えると、発光素子からの熱が当該第2貫通導体を迅速に通過しにくくなり、第1貫通導体の内部に滞留するおそれを生じる得るため、かかる範囲を除いたものである。
また、前記範囲厚みの第2貫通導体を形成するため、基板本体を構成する絶縁材のうち、裏面側には、硬化処理後の厚みが0.10mm以下の樹脂層、あるいは焼成後の厚みが0.10mm以下のセラミック層が配置される。
更に、前記第2貫通導体は、複数の比較的小径なビア導体からなる形態のほか、例えば、水平断面が長方形状を呈する単一の直方体形状の形態としても良い。
これによれば、当該発光素子搭載用配線基板をマザーボード上へ実装する際に、第1および第2裏面パッドごとに用いるハンダ量が均衡するので、不用意に傾きにくくなるので、良好な実装性を保証することが可能となる。
尚、第1裏面パッドと第2裏面パッドとの平面視における面積が同等であることは、底面視における面積が互いに同じ形態(1:1)からほぼ同じ範囲内(±30%以内、望ましくは±20%以内、より望ましくは±10%以内)にある。
また、上記太径の導体部分は、平面視が円形、楕円形、矩形(長円形や正方形)、半円形状、あるいは凸形状などを呈する形態である。
図1は、本発明による一形態の発光素子実装用配線基板(以下、単に配線基板と称する)1を示す平面図、図2は、図1中のX−X線の矢視に沿った垂直断面図、図3は、上記配線基板1の基板本体2を透視的に示した斜視図である。
配線基板1は、図1,図2に示すように、平面視がほぼ正方形(矩形)の表面3、裏面4、およびこれらの四辺間に位置する側面5を有する基板本体2と、該基板本体2の表面3において互いに離れて形成された第1表面パッド11および第2表面パッド12と、上記基板本体2の裏面4において互いに離れて形成された第1裏面パッド15および第2裏面パッド16と、上記第1表面パッド11と第1裏面パッド15との間を電気的に接続する第1接続導体17と、上記第2表面パッド12と第2裏面パッド16との間を電気的に接続する第2接続導体18と、を備えている。
上記第1表面パッド11は、第2表面パッド12に比べて、数倍の広い面積を有している。また、上記第1裏面パッド15と第2裏面パッド16は、平面視における面積が互いに同等(両パッド15,16間の面積の差が±10%以内)である。
また、図1の平面図における左右の側面5の中央付近には、比較的浅い凹溝19が対称に形成され、該凹溝19の内壁面に沿って前記第1および第2接続導体(側面導体)17,18が形成されている。
更に、図1に示すように、基板本体2の表面3における中央部における第1表面パッド11の上面には、追って搭載される発光ダイオード(LED)などの発光素子10を搭載するための仮想線で示す搭載部10aが位置しており、且つ該搭載部10aの付近には、追って封止樹脂13がほぼ半球形状にして形成される。
尚、上記搭載部10aに追って搭載され且つ第1表面パッド11と導通される発光素子10は、第2表面パッド12との間で、図2中の破線で示すボンディングワイヤ14を介して電気的に接続される。
また、第2貫通導体24は、軸方向の厚みが0.10mm以下であり且つ比較的小径である複数のビア導体からなると共に、側面視(軸方向)の長さが第1貫通導体20に比べて著しく短い。かかる導体部分21および第2貫通導体24を複数のビア導体により構成することで、セラミック層6,9との間で熱膨張率の差に起因するクラックの発生を抑制することが容易となる。
更に、図3に示すように、接続配線層25は、第1貫通導体20における裏面4側の導体部分23の底面よりも若干太径の半円形部26と、その右側において前後方向に延びた長方形部29とからなる。前記第2貫通導体24を構成する複数のビア導体(24)は、上記長方形部29のほぼ全面に等間隔状に接続されている。
また、前記第1および第2表面パッド11,12、第1および第2裏面パッド15,16、第1および第2接続導体17,18、第1および第2貫通導体20,24、接続配線層25は、例えば、W、Mo、Cu、またはAgなどからなる。
更に、図2において、第1および第2裏面パッド15,16の下側には、図示しないプリント基板などのマザーボードの表面上に、本配線基板1を実装するために用いるハンダ27,28が配置される。該ハンダ27,28は、例えば、Sn−Ag系のハンダなどからなり、互いに同様の形状および容積を有している。
以上のような配線基板1は、前記セラミック層6〜9となる複数層のグリーンシートに対し、打ち抜きによる穴明け加工、得られた孔内へのW、Mo、Cu、またはAg粉末などを含む導電性ペーストの充填、上記グリーンシートの何れかの表面および裏面の少なくとも一方への上記導電性ペーストの印刷、上記複数層のグリーンシートの積層および圧着、得られたグリーンシート積層体の焼成、および得られた前記基板本体2の外部に露出する導体部分(11,12,15〜18)に対するNiおよびAuの電解金属または無電解金属メッキの各工程を順次施すプロセス(多数個取りの形態を含む)によって、製造することが可能である。
しかも、第1貫通導体20が基板本体1の裏面4に露出していないので、かかる基板本体2の裏面4において、第1および第2裏面パッド15,16を、互いに同等の比較的広い面積にして形成することができる。
従って、前記発光素子10からの熱は、第1貫通導体20、接続配線層25、第2貫通導体24、および第1裏面パッド15を経て、裏面側から外部へ効率の良い放射が可能となると共に、同等な面積の第1および第2裏面パッド15,16にそれぞれハンダ27,28を介して、マザーボード上へ実装する際に、当該配線基板1が不用意に傾かないので、良好な実装性を奏することも可能となる。
該配線基板1aは、図4に示すように、表面3を含む比較的厚肉のセラミック層7および裏面4を含む比較的薄肉のセラミック層9を積層した基板本体2aと、該基板本体2aの表面3に形成された前記同様の第1および第2表面パッド11,12と、上記基板本体2aの裏面4に形成された前記同様の第1および第2裏面パッド15,16と、左右の側面5の凹溝19に沿って形成された前記同様の第1および第2接続導体17,18とを備えている。
図4に示すように、上記基板本体2aの表面3と裏面4との間には、セラミック層7を貫通し、且つ第1表面パッド11に広く接触する大径の円柱形の導体部分22のみからなる第1貫通導体20と、該第1貫通導体20と第1裏面パッド15との間を接続する前記同様(厚みが0.10mm以下の複数のビア導体)の第2貫通導体24とが配設されている。第1貫通導体20の導体部分22は、平面視で発光素子10の搭載部10aを含む大きな面積を有し、側面視の長さが第2貫通導体24よりも長いと共に、平面視で第1裏面パッド15と重複している。
以上のような配線基板1a,1bによっても、前記配線基板1と同様に追って搭載部10aに搭載される発光素子10の熱を第1裏面パッド15から外部へ放射できる共に、同等な面積の第1および第2裏面パッド15,16によって、マザーボード上へ実装する際に、不用意に傾かせず、良好な実装性が得られる。
尚、搭載部10aに発光素子10が搭載された後で、キャビティ33内には、図示のように封止樹脂13が充填される。また、キャビティ33の前記側面34は、例えば、四角錐形状や六角錐形状などの多角錐形状などにしても良い。
尚、上記配線基板1eの基板本体2bを、前記基板本体2cとしても良い。
以上のような配線基板1c〜1eによっても、前記配線基板1,1a,1bと同様な効果を奏することが可能となる。
また、図9(b)は、図9(a)の第1貫通導体20の応用形態である第1貫通導体20bを示す斜視図であり、前記裏面4側に平面視で半円形状を呈する導体部分23aを配設することによって、複数のビア導体(24)からなる前記第2貫通導体24との接続を確保可能としたものである。
以上のような第1貫通導体20a,20bも、前記配線基板1〜1eに対し、前記同様に適用でき、且つ前記同様の効果を奏することが可能である。
また、図10(b)は、上記第1貫通導体20cの応用形態である第1貫通導体20dを示す斜視図であり、前記導体部分22に対し、その裏面4側に平面視で角形状を呈する導体部分23bを軸心をずらし且つ第1裏面パッド15側に位置させものである。
更に、図10(c)は、第1貫通導体20c,20dの変形形態である第1貫通導体20eを示す斜視図であり、前記表面3側の導体部分22も平面視で角形状を呈する導体部分22aとし、該導体部分22aと上記導体部分23bとを軸心をずらして配設したものである。
以上のような応用形態や変形形態の第1貫通導体20c〜20eも、前記配線基板1〜1eに対し、前記同様に適用でき、且つ前記同様の効果を奏することが可能である。
尚、前記導体部分22aと上記導体部分23cとを上記同様に配設した異なる形態の第1貫通導体20とすることも可能である。
以上のような異なる形態の第1貫通導体20fも、前記配線基板1〜1eに対し、前記同様に適用でき、且つ前記同様の効果を奏することが可能である。
例えば、前記基板本体を構成する絶縁材には、例えば、エポキシ系などの樹脂からなる所要数の樹脂絶縁層を適用したり、あるいは、積層する位置ごとにセラミック層と樹脂絶縁層とを併用する形態として用いることも可能である。
また、前記図9〜図11で示した各形態の第1貫通導体20において、前記第1表面パッド11に接する複数のビア導体からなる導体部分21をそれぞれ省略した形態とすることも可能である。
また、前記第1および第2接続導体は、同じ配線基板において、側面導体とビア導体との双方の形態を併用したものとしても良い。
加えて、本発明の配線基板1は、平面視で複数個が縦横に隣接して併設された製品領域と、該領域の周囲を囲む枠形状の耳部とを含む多数個取りの形態も含むものである。
2,2a〜2c…………基板本体
3…………………………表面
4…………………………裏面
5…………………………側面
6〜9……………………セラミック層(絶縁材)
10………………………発光素子
10a……………………搭載部
11………………………第1表面パッド
12………………………第2表面パッド
15………………………第1裏面パッド
16………………………第2裏面パッド
17,30………………第1接続導体
18,31………………第2接続導体
20,20a〜20f…第1貫通導体
21〜23………………導体部分
24………………………第2貫通導体
25………………………接続配線層
Claims (3)
- 絶縁材からなり、表面、裏面、および該表面と裏面との間に位置する側面を有する基板本体と、
上記絶縁基板の表面に形成され、且つ発光素子の搭載部を上面に有する第1表面パッドと、
上記絶縁基板の表面に形成され、上記第1表面パッドと離れている第2表面パッドと、
上記絶縁基板の裏面において、互いに離れて形成され、平面視の投影において上記第1表面パッドと少なくとも一部が重複する第1裏面パッドおよび第2裏面パッドと、
上記第1表面パッドと第1裏面パッドとの間を電気的に導通する第1接続導体と、
上記第2表面パッドと第2裏面パッドとの間を電気的に導通する第2接続導体と、を備えた発光素子搭載用配線基板であって、
上記基板本体の表面と裏面との間において、上記第1表面パッドに接して配設された第1貫通導体と、該第1貫通導体と上記第1裏面パッドとの間でこれらに接続され、且つ側面視の長さが上記第1貫通導体よりも短い第2貫通導体とが設けられ、
上記基板本体の表面付近を除いた上記第1貫通導体の平面視における面積は、上記第1表面パッドの上面に位置する発光素子の搭載部を含み且つ該搭載部の面積よりも大きいと共に、
上記第1貫通導体は、平面視の投影において、上記第1裏面パッドおよび第2裏面パッドと少なくとも一部が重複しており、
上記第1貫通導体と第2貫通導体との間には、平面状の接続配線層が形成され、
上記第1貫通導体は、上記基板本体の厚み方向に沿って複数の導体部分から形成され、上記基板本体の表面付近の導体部分は、複数のビア導体で構成されている、
ことを特徴とする発光素子搭載用配線基板。 - 前記第2貫通導体の厚みは、0.10mm以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子搭載用配線基板。 - 前記第1裏面パッドと第2裏面パッドは、平面視における面積が同等である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子搭載用配線基板。
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