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JP6348792B2 - 配線基板 - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁材からなる基板本体の表面に形成した表面パッドの上方に比較的高い発熱性を有する発光素子などの素子を実装するための配線基板に関する。
例えば、平板状のセラミックからなる絶縁基体の表面の中央部に露出する搭載部を有し、且つ該搭載部と前記絶縁基体の裏面の中央部との間を該絶縁基体の垂直方向に沿って貫通して設けた貫通金属体を備え、該貫通金属体の上記絶縁基体のセラミックに接する側面に傾斜部または段差部を設けることによって、上記搭載部の上方に搭載される発光素子から発生する熱の熱放散性および実装信頼性に優れた発光素子用配線基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、前記発光素子用配線基板では、前記絶縁基体の表面に露出する貫通金属体の搭載部(上面)の面積が比較的大きいので、該貫通金属体の搭載部付近とこれに隣接する上記絶縁基体を構成しているセラミックあるいは樹脂との熱膨張係数の差に起因して作用する応力が大きくなる。その結果、上記貫通金属体の搭載部の上方に、比較的発熱量が多い発光素子などの素子を搭載した場合、上記熱膨張係数の差に起因する応力によって、貫通金属体の搭載部を囲む上記絶縁基体の表面側にクラックが生じ易くなる、という問題点があった。
しかも、前記貫通金属体の搭載部(上面)の面積が比較的大きいので、前記絶縁基体の表面にパッドや表面配線などを配置するためのスペースが制限されてしまう、という問題点もあった。
特開2006−93565号公報(第1〜21頁、図1〜4)
本発明は、背景技術で説明した問題点を解決し、絶縁材からなる基板本体の表面上に形成した表面パッドに比較的高い発熱性を有する発光素子などの素子を実装しても、上記表面パッドの周囲に隣接する絶縁材にクラックが生じにくく、且つ基板本体の表面に別のパッドや表面配線などを容易に配置し得る配線基板を提供する、ことを課題とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明は、前記課題を解決するため、基板本体の表面上に形成する表面パッドの面積に対し、該表面パッドに一端が接続され且つ他端が前記基板本体の内部に埋設される放熱部に接続される第1接続部の断面積を小さくする、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の配線基板(請求項1)は、絶縁材からなり、互いに平行な表面および裏面と、該表面と裏面との間に位置する側面を有する基板本体と、該基板本体の表面上に形成された表面パッドと、上記基板本体の内部に埋設された放熱部と、上記表面パッドと上記放熱部とを接続する第1接続部とを備えた配線基板であって、上記放熱部は、上記基板本体の表面側から裏面側に向かうに連れて平面視の断面積が大きくなる錐体形状を呈するか、あるいは、上記基板本体の裏面側から表面側に向かうに連れて平面視の断面積が大きくなる錐体形状を呈すると共に、上記放熱部における角部には、曲面部あるいは平面からなる面取り部が形成されており、平面視において、上記基板本体の表面に露出する上記第1接続部の面積は、上記表面パッドの面積よりも小さい、ことを特徴とする。
これによれば、錐体形状を呈する前記放熱部は、基板本体の表面上に形成された表面パッドに対し、平面視で該表面パッドの面積よりも小さい面積の第1接続部を介して、接続されている。即ち、平面視において、基板本体の表面に露出する第1接続部の面積は、表面パッドの面積よりも小さくなっている。そのため、追って、上記表面パッドの上方に比較的発熱量の高い発光素子などの素子が実装された場合、該素子から発せられる熱は、第1接続部を介して上記放熱部に伝達され、該放熱部の表面から基板本体を構成している前記絶縁材中に順次放散された後、外部に放出される。その結果、前記表面パッドとこれに接する基板本体の絶縁材との間における熱膨張係数の差に起因して、該基板本体の表面側の絶縁材にクラックが生じる事態を皆無にするか、確実に抑制することが可能となる。
しかも、上記放熱部が、上記基板本体の表面側から裏面側に向かうに連れて平面視の断面積が大きくなる錐体形状を呈する形態の場合、前記発光素子などの素子から発生する熱を該放熱部の底面側に向かうに連れて、該熱の伝達速度を次第に速めつつ拡散させることができる。
更に、前記表面パッドは、平面視で前記素子が実装できる大きさの面積であれば良く、基板本体の表面を過度に占有しないので、該基板本体の表面における別のパッドや表面電極や表面配線などの配置に支障を来すことも少なくできる。
加えて、錐体形状を呈する前記放熱部の円錐面または複数の側面と、該放熱部の底面との間に位置する角部に、曲面部(アール)あるいは平面からなる面取り部が形成されているため、製造時において、追って上記放熱部となる導電性ペーストが上記角部にも確実に充填されるので、前記基板本体の内部に無用な空隙(ボイド)が生じる事態を確実に防ぐことも可能となる
従って、追って、発熱量の高い素子が表面パッドの上方に実装されても、該素子の発熱によって、上記表面パッドに接する基板本体の表層側の絶縁材にクラックが生じにくく、上記熱の放熱性に優れると共に、上記基板本体の表面における設計の自由度が比較的高い配線基板を提供することが可能となる。
尚、前記基板本体を構成する絶縁材は、セラミックあるいは樹脂であり、前記セラミックには、例えば、アルミナなどの高温焼成セラミックやガラス−アルミナなどの低温焼成セラミックが含まれ、上記樹脂には、熱硬化性であり且つ耐熱性を有する合成樹脂(例えば、エポキシ、ポリエステル、シリコン、ポリイミド樹脂など)が含まれる。上記絶縁材は、複数の絶縁層を積層した形態のほか、一体物(塊状)の絶縁体であっても良い。
また、前記表面上とは、前記表面パッドの底面が前記基板本体の表面に接し、該表面パッドの厚み分だけ前記基板本体の表面から突出していることを意味する。
更に、前記放熱部は、主に熱伝導性に優れた金属からなり、該金属には、W、Mo、Ag、Cuなどやこれらの何れかを主成分とする合金が含まれ、これらの金属を構成するための金属粉末は、製造時における流動性を確保するため、平均粒径で1μm以下が望ましい。但し、該放熱部は、一部に製造時に用いた導電性ペースト中に含まれていたバインダ樹脂などの非導電性成分を含んでいても良い。
更に、前記基板本体の表面は、該表面に開口するキャビティの底面も含む。
また、前記表面パッド上には、追って、発光ダイオード(LED)などの発光素子やパワーモジュールに用いられる半導体素子などのような発熱量が比較的大きな素子が追って搭載される。
更に、前記第1接続部は、前記同様の金属からなり、断面が円形状のほか、楕円形、長円形、矩形状、または五角形以上の多角形状などを呈していても良い。
加えて、前記基板本体には、1つの前記表面パッドに対し、複数の第1接続部と、単数または複数の放熱部とが電気的に接続された形態とされていても良い。
また、本発明には、錐体形状を呈する前記放熱部の頂部側が、前記第1接続部に接続されている、配線基板(請求項2)も含まれる。
これによれば、上記放熱部は、前記基板本体の表面側から裏面側に向かうに連れて平面視の断面積が大きくなり、且つ該断面積が最少となる頂部が上記基板本体の表面側に位置する錐体形状として、該基板本体の内部に埋設されている。そのため、放熱部の該頂部と前記表面パッドとの間を、断面積が比較的小さい前記第1接続部であっても、容易に接続することが可能となる。
記面取り部の平面を区画する該平面の両側には、それぞれ鈍角(90度超)の角部が位置している。また、上記平面は、複数であっても良い。
また、本発明には、錐体形状を呈する前 記放熱部の円錐面または複数の側面には、該放熱部の頂部側から底面側に向かって延びる複数組の凹溝および凸条が形成されている、配線基板(請求項)も含まれる。
これによれば、上記放熱部の円錐面または複数の側面に、該放熱部の頂部側から底面側に向かって延びる複数組の凹溝および凸条が形成されていることにより、当該放熱部の表面積が拡大されている。そのため、前記発光素子などから第1接続部を介して伝達された熱を、前記基板本体の絶縁材中に効率良く放散できると共に、該絶縁材と上記放熱部との密着強度も高められる。
更に、本発明には、錐体形状を呈する前記放熱部の円錐面または複数の側面は、該放熱部の内側に凹む湾曲面を有している、配線基板(請求項)も含まれる。
これによれば、上記放熱部の円錐面または複数の側面が、該放熱部の内側に凹む湾曲面を有することにより、当該放熱部の表面積が拡大されている。そのため、前記同様に、前記素子からの熱を前記基板本体の絶縁材中に効率良く放散できると共に、該絶縁材と上記放熱部との密着強度も高められる。
尚、前記湾曲面は、例えば、ドーム形状あるいは断面U字形状の凹溝である。
また、多角錘体形状を呈する放熱部において、三角形状を呈する複数の前記側面には、該側面の一部に単数または複数の前記湾曲面を形成している形態のほか、上記側面全体を単一の湾曲面とした形態も含まれる。
加えて、本発明には、錐体形状を呈する前記放熱部の底面側には、前記基板本体の裏面あるいは側面に他端が露出する第2接続部の一端が接続されている、配線基板(請求項)も含まれる。
これによれば、前記第1接続部、放熱部、および第2接続部を介して、前記基板本体の表面と裏面との間、あるいは該表面と側面との間を電気的に導通可能となる。そのため、例えば、追って、前記表面パッドの上方に実装される発光素子などの素子における一方の電極と、上記基板本体の裏面または側面に形成される裏面パッドあるいは側面導体との間が電気的に接続可能となる。しかも、上記放熱部および裏面パッドあるいは側面導体を介して、上記素子の電極と、追って本配線基板自体が搭載されるマザーボードなどの表面パッドとを電気的に接続することもできる。更に、前記素子が発する熱を裏面パッドあるいは側面導体を介して、基板本体の外部に放出することも可能となる。
尚、上記第2接続部も、前記第1接続部と同様の金属からなると共に、該第1接続部と同様の断面形状を有している。
また、上記第2接続部の他端が露出する基板本体の裏面または側面には、これらと個別に接続する裏面パッドあるいは側面導体が形成されている。
更に、前記第2接続部は、錐体形状を呈する前記放熱部の底面側から基板本体の裏面および側面の双方に延びた形態であっても良い。
本発明による一形態の配線基板を示す垂直断面図。 (A),(B)は上記配線基板に用いる放熱部などを示す斜視図。 (A),(B)はそれぞれ上記配線基板の製造工程を示す概略図。 (A),(B)は図3(B)に続く製造工程を示す概略図。 (A),(B)は図4(B)に続く製造工程を示す概略図。 (A),(B)はそれぞれ前記配線基板の応用形態を示す垂直断面図。 (A)は前記配線基板の応用形態を、(B)は異なる形態の配線基板を示す垂直断面図。 (A),(B)はそれぞれ異なる形態の配線基板を示す垂直断面図。 (A),(B)は更に異なる形態の配線基板を示す垂直断面図。 (A),(B)はそれぞれ応用形態の放熱部などを示す斜視図。 (A),(B)は異なる応用形態の放熱部などを示す斜視図。
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明による一形態の配線基板1aを示す垂直断面図、図2(A),(B)は、該配線基板1aに用いる放熱部10a,10bを示す斜視図である。
上記配線基板1aは、図1に示すように、例えば、ガラス−セラミック(絶縁材)からなり、互いに平行な表面3および裏面4と、該表面3と裏面4との周辺間に位置する四辺の側面5とを有する基板本体2と、該基板本体2の表面3上に形成された表面パッド6と、該基板本体2の内部に埋設された放熱部10aあるいは放熱部10bと、を含んでいる。
上記放熱部10aは、図2(A)に示すように、頂部13を有する円錐面11と、底面視が円形の底面12とからなる円錐体形状を呈し、前記円錐面11と底面12との角部の全周に沿って曲面部(アール)14が形成されている。
一方、上記放熱部10bは、図2(B)に示すように、頂部13を有する四角錐体形状を呈し、四つの細長い三角形状の側面15と、底面視が正方形状の底面12とを有すると共に、該四つの側面15と底面12との全周に沿って曲面部14が形成されている。
図2(A),(B)に示すように、前記放熱部10a,10bには、それぞれの頂部13から円柱形状の第1接続部8が同軸状に立設されており、且つそれぞれの底面12の中心部から円柱形状の第2接続部9が同軸状に垂下している。
図1に示すように、第1接続部8は、前記基板本体2の表面3における中心部に上端部が露出し且つ前記表面パッド6の底面に接続されている。該第1接続部8に頂部13側が接続された放熱部10a,10bは、基板本体2の表面3側から裏面4側に向かうに連れて平面視の断面積が大きくなるように、上記基板本体2を構成している前記セラミックの内部に埋設されている。該放熱部10a,10bの底面12ごとの中心部と、上記基板本体2の裏面4における中心部に形成された裏面パッド7との間には、第2接続部9が接続されている。
尚、図1おいては、第1接続部8、第2接続部9、および放熱部10a(10b)の中心軸は、それぞれ基板本体2の表面3および裏面4と直交しているが、必ずしも当該形態に限定されるものではない。
前記基板本体2の表面3と裏面4との周辺部の何れかには、該表面3と裏面4との間を貫通する細長い円柱形状のビア導体20が配設され、その上端部には、上記表面3上に形成された表面電極21が接続され、上記ビア導体20の下端部には、上記裏面4上に形成された裏面電極22が接続されている。
上記表面電極21は、図1に示すように、追って表面パッド6の上方に実装される発光素子24における片方の電極とボンディングワイヤ23を介して、電気的に接続される。一方、前記裏面パッド7および裏面電極22は、追って本配線基板1aが搭載される図示しないマザーボード側の外部端子と導通可能とされる。
尚、前記放熱部10a,10b、表面・裏面パッド6,7、第1・第2接続部8,9、ビア導体20、および表面・裏面電極21,22は、基板本体2を構成するセラミックが前記ガラス−セラミックのような低温焼成セラミックの場合には、主にAgまたはCuからなり、上記セラミックがアルミナなどの高温焼成セラミックの場合には、主にWまたはMoからなる。
以下において、前記配線基板1aの製造方法について説明する。
予め、図3(A)の垂直断面図で示すように、前記第1・第2接続部8,9を上下に有する放熱部10aを形成するため、これらと相似形状である模型部8m,9m,10mからなる立体模型30Mと、ビア導体20と相似形の立体模型20mとを製作した。
即ち、平均粒径が1〜50μmであるアクリル樹脂の粉末および接着剤などからなる液状の原料を、図示しない3次元プリンタに用いることで、図3(A)に示すように、第1・第2接続部8,9の模型部8m,9mと、これらの間を接続する円錐体形状の放熱部10の模型部10mとからなる立体模型30Mを成形した。該模型部10mの角部には、前記放熱部10aと相似形の曲面部14が位置している。
また、上記原料および3次元プリンタを用いることで、図3(A)の右側に示すように、前記ビア導体20と相似形の立体模型20mを成形した。
次に、図示しない型内に配設された直方体状のキャビティ内に、前記立体模型30M,20mをそれぞれの上・下端面のみを該キャビティの天井面および床面に接触させ且つ拘束した状態として、上記キャビティ内にガラス−セラミック(絶縁材)のスラリをゲルキャスト法によって充填した。
その結果、図3(B)に示すように、前記ガラス−セラミックのスラリが乾燥した生(未焼成)のセラミック体からなり、表面3、裏面4、およびこれらの四辺間に位置する側面5を有し、上記立体模型30M,20mの上下の両端面が表面3と裏面4とに個別に露出している未焼成の素基板本体31が得られた。
次いで、上記素基板本体31を所定の温度帯に加熱して、該素基板本体31を構成している前記ガラス−セラミックを焼成した。かかる加熱過程において、前記立体模型30M,20mを構成していた前記アクリル樹脂の粉末や接着剤などは、当該立体模型30M,20mごとの上端部側から順次外部に蒸発して行った。
その結果、図4(A)に示すように、上記ガラス−セラミックからなり、表面3、裏面4、およびこれらの四辺間に位置する側面5を有し、上記立体模型30M,20mが蒸発して除去された跡には、該立体模型30M,20mとそれぞれ相似形の空洞部8s〜10s,20sが内部に形成されている焼成済みのセラミックからなる基板本体32が得られた。
更に、前記空洞部8s〜10s,20s内にAg粉末あるいはCu粉末(金属粉末)を含む導電性ペーストを前記表面3側の上端部(開口部)から充填した。
その結果、図4(B)に示すように、空洞部8s〜10s内に上記導電性ペーストからなる未硬化の第1・第2接続部8p,9pと、これらの間を接続する未硬化の放熱部10pとが形成され、空洞部20s内に上記導電性ペーストからなる未硬化のビア導体20pとが個別に形成された基板本体2が得られた。尚、上記放熱部10pの角部には、前記模型部10mの角部に形成された曲面部14と相似形の空洞部に上記導電性ペーストが充填されたので、空隙を生じなかった。
次に、未硬化の第1・第2接続部8p,9pおよび放熱部10pと、ビア導体20pとを内設する上記基板本体2を、所定の温度帯に加熱することで、上記放熱部10pなどとビア導体20pとを硬化(キュア)させた。その結果、図5(A)に示すように、硬化した第1・第2接続部8,9および放熱部10aとビア導体20とを内部に埋設している基板本体2が得られた。
そして、前記基板本体2の表面3と裏面4とを研磨した後、該表面3および裏面4に露出する第1・第2接続部8,9の端面ごと、およびビア導体20の両端面に対し、Ti合金をスパッタリングして、それぞれ平面視が矩形状あるいは円形状を呈する下地金属層を形成し、該下地金属層ごとの表面にCuをスパッタリングして表層金属層を積層してパッド本体を形成した後、それらの表面に対して電解Niメッキおよび電解Auメッキを順次施した。
その結果、図5(B)に示すように、第1・第2接続部8,9、放熱部10a、およびビア導体20を基板本体2の内部に埋設していると共に、該第1・第2接続部8,9の端面ごとに個別に接続した表面・裏面パッド6,7と、ビア導体20の両端面に個別に接続した表面・裏面電極21,22とを、前記表面3あるいは裏面4に形成した前記配線基板1aを得ることができた。
尚、前記模型部10mの形状を変更することで、前記放熱部10bを基板本体2の内部に対し前記同様に埋設した配線基板1aを製造することもできる。
以上のような製造方法によれば、前記配線基板1aを、一個でも多数個取り方式でも、比較的少ない工程によって、精緻で且つ確実に製造することができる。
前記のような配線基板1aによれば、円錐体形状または四角錐体形状を呈する放熱部10a,10bは、基板本体2の表面3上に形成された表面パッド6に対し、平面視で該表面パッド6の面積よりも小さい面積の第1接続部8を介して接続されている。即ち、平面視において、基板本体2の表面3に露出する第1接続部8の面積は、表面パッド6の面積よりも小さい。そのため、追って、表面パッド6の上方に比較的発熱量の高い発光素子24が実装された場合、該発光素子24から発せられる熱は、第1接続部8を介して放熱部10a,10bに伝達され、該放熱部10a,10bの表面から基板本体2を構成しているセラミック中に順次放散された後、外部に放出される。その結果、上記表面パッド6とこれに接する基板本体2のセラミックとの間における熱膨張係数の差に起因して、該セラミックの表面3側にクラックが生じる事態を皆無にできるか、確実に抑制することが可能となる。
しかも、前記放熱部10a,10bは、基板本体2の表面3側から裏面4側に向かうに連れて平面視の断面積が大きくなる錐体形状を呈するので、前記発光素子24からの熱を該放熱部10a,10bの頂部13側から底面12側に向かうに連れて、該熱の伝達速度を次第に速めつつ迅速に拡散させることができる。
更に、前記表面パッド6は、平面視で前記発光素子24が実装できる面積であれば良く、基板本体2の表面3を過度に占有しないので、該基板本体2の表面3における表面電極21や表面配線などの配置に支障を来す事態を少なくできる。
従って、追って、発熱量の高い発光素子24が表面パッド6の上方に実装されても、該素子24から発せられる熱によっても、上記表面パッド6に接する基板本体2の表面3側のセラミックにクラックが生じにくく、上記熱の放熱性に優れていると共に、上記基板本体2の表面における設計の自由度が比較的高い配線基板1aを提供することができる。
図6(A)は、前記配線基板1aの応用形態を示す垂直断面図である。
応用形態の配線基板1aは、図6(A)に示すように、前記同様の基板本体2、表面パッド6、第1接続部8、および放熱部10a(10b)を備えている。該配線基板1aは、放熱部10a(10b)の底面12と基板本体2の裏面4との間に前記第2接続部9を有していない反面、基板本体2における周辺部に一対のビア導体20を左右対称にして貫通させ、且つこれらの両端ごとに表面電極21および裏面電極22を個別に接続している。
上記表面パッド6の上方には、図6(A)に示すように、追って、発熱量が比較的多い半導体素子25が実装され、該半導体素子25における一対の外部電極(図示せず)と、左右一対の表面電極21との間は、ボンディングワイヤ23を介して電気的に接続される。
以上のような応用形態の配線基板1aによれば、前記半導体素子25から発生する熱は、表面パッド6および第1接続部8を介して放熱部10a(10b)に放散され、基板本体2を構成する前記セラミックに拡散された後に、外部に放出される。しかも、上記半導体素子25は、前記ボンディングワイヤ23、基板本体2を貫通する一対のビア導体20、および前記裏面電極22を介して、外部のプリント基板などのマザーボード(図示せず)と導通可能とされるので、所要の動作を確実に奏することができる。更に、基板本体2の裏面4には、一対の裏面電極22だけを形成すれば良いので、それらの配置すべき位置を比較的自由に設計することもできる。
尚、前記放熱部10a(10b)の底面12と、基板本体2の裏面4との間に、更に前記第2接続部9を配置した形態としても良い。
図6(B)は、配線基板1aの異なる応用形態の概略を示す垂直断面図である。
かかる応用形態の配線基板1aは、図6(B)に示すように、前記同様の基板本体2、表面パッド6、第1接続部8、放熱部10a(10b)、第2接続部9、裏面パッド7、ビア導体20、および表面・裏面電極21,22を備えている。
かかる配線基板1aは、第2接続部9における放熱部10a(10b)の底面12側に、該底面12に近付くに連れて平面視の断面積が大きくなる円錐形状部16を形成している。
上記のような異なる応用形態の配線基板1aによれば、前記図1に示した形態の配線基板1aによる効果に加え、追って表面パッド6の上方に実装される前記発光素子24からの熱を、放熱部10a(10b)の底面12側から第2接続部9を介して裏面パッド7側へ一層スムーズに伝達することが可能となる。
図7(A)は、前記配線基板1aの更に異なる応用形態を示す垂直断面図である。該応用形態の配線基板1aは、図7(A)に示すように、前記同様の基板本体2、表面パッド6、第1接続部8、放熱部10a(10b)、第2接続部9、裏面パッド7、ビア導体20、および表面・裏面電極21,22を備えている。
上記配線基板1aは、図7(A)に示すように、放熱部10a(10b)の曲面部14と上記基板本体2の側面5との間に、基板本体2の表面3と平行な第2接続部33を更に形成すると共に、該第2接続部33の端部が露出する基板本体2の側面5には、側面導体34が形成されている。尚、同図中の破線で示すように、上記側面導体34の下端部を、更に、基板本体2の裏面4側まで延ばして、別の裏面パッドまたは裏面電極を形成するようにしても良い。
更に異なる応用形態の上記配線基板1aによれば、前記図1に示した形態の配線基板1aによる効果に加え、前記素子24,25からの熱を一層効果的に放散することが可能となる。尚、図7(A)の上記配線基板1aにおいて、第2接続部9および裏面パッド7を省略した形態とすることも可能である。
図7(B)は、異なる形態の配線基板1bの概略を示す垂直断面図である。
かかる配線基板1bは、図7(B)に示すように、前記同様の基板本体2、表面パッド6、第1接続部8、第2接続部9、裏面パッド7、ビア導体20、および表面・裏面電極21,22を備えている。
上記配線基板1bは、図7(B)に示すように、第1接続部8と第2接続部9との間に、第1接続部8側から第2接続部9側に向かうに連れて断面積が徐々に拡大し、且つ内側に凹んだ円錐面16あるいは複数の側面17を有する円錐体形状または四角錐体形状を呈する放熱部10cあるいは放熱部10dを配設している。かかる配線基板1bによっても、前記図1に示した形態の配線基板1aと同様な効果を奏することが可能である。
図8(A)は、更に異なる形態の配線基板1cの概略を示す垂直断面図である。
かかる配線基板1cは、図8(A)に示すように、前記同様の基板本体2、表面パッド6、第1接続部8、第2接続部9、裏面パッド7、ビア導体20、および表面・裏面電極21,22を備えている。
上記配線基板1cは、図8(A)に示すように、第1接続部8と第2接続部9との間に、かかる第1接続部8側から第2接続部9側に向かうに連れて、断面積が第1接続部8側では急速に拡大し且つ第2接続部9側に近付くほど緩やかに拡大する円錐体(半紡錘体)形状または四角錐体形状を呈し、且つ円錐面18または複数の側面19を有する放熱部10eあるいは放熱部10fを配設している。
以上のような配線基板1cによっても、前記図1に示した形態の配線基板1aと同様な効果を奏することが可能である。
図8(B)は、別異なる形態の配線基板1dの概略を示す垂直断面図である。
かかる配線基板1dは、図8(B)に示すように、前記同様の基板本体2、表面パッド6、第1接続部8、第2接続部9、ビア導体20、および表面・裏面電極21,22を備えている。上記第1接続部8と第2接続部9との間には、前記同様の錐体形状(または四角錐形状)を呈し、円錐面26(複数の側面27)を有する放熱部10g(10h)が、基板本体2の裏面4側から表面3側に向かうに連れて平面視の断面積が次第に大きくなるような形態、即ち、前記各形態とは上下を逆にした姿勢で配設されている。尚、上記第1接続部8と放熱部10g(10h)における上面28との間には、前記熱の伝達をスムーズにするため、円錐面を有する円錐形状部29が形成されている。
以上のような配線基板1dによっても、前記図1に示した形態の配線基板1aと同様な効果を奏することが可能である。
図9(A)は、更に異なる応用形態の配線基板1aを示す垂直断面図である。
かかる配線基板1aは、図9(A)に示すように、前記同様の基板本体2、表面パッド6、第1接続部8、放熱部10a(10b)、ビア導体20、および表面・裏面電極21,22を備えている。上記放熱部10a(10b)は、その円錐面11(または側面15)と底面12との角部に、前記曲線部14に替えて側面視で平面からなる面取り部14fを全周に沿って有している。更に、上記底面12と基板本体2の裏面4との間に少なくも左右一対(複数)の第2接続部9を形成すると共に、かかる第2接続部9の下端部が露出する基板本体2の裏面4ごとに、裏面パッド7が形成されている。かかる配線基板1aによっても、前記図1に示した形態の配線基板1aと同様な効果を奏することが可能である。
尚、前記放熱部10c〜10hについても、それらの前記曲面部14を面取り部14fに替えた形態としても良い。
図9(B)は、別個なる形態の配線基板1eの概略を示す垂直断面図である。
かかる配線基板1eは、図9(B)に示すように、前記同様の基板本体2、比較的面積の大きい表面パッド6、左右一対(複数)の第1接続部8、第2接続部9、ビア導体20、および表面・裏面電極21,22を備えている。上記第2接続部9の左右(前後)には、互いに対称に傾斜した左右一対(複数)の第2接続部9aが更に配置されている。上記第1接続部8,8と第2接続部9,9aとの間には、平坦な円形状(または正方形状)の頂面(頂部)38と、該頂面38から基板本体2の裏面4側に向かうに連れて平面視の断面積が拡大する円錐面(または複数の側面)37と、上記頂面38と相似形の底面39とからなり、全体が円錐体形状(四角錐体形状)を呈し且つ垂直断面が台形状である放熱部35(36)が配設されている。尚、該放熱部35(36)の曲面部14も前記面取り部14fに替えても良い。
以上のような配線基板1eによれば、前記図1に示した形態の配線基板1aによる効果(放熱性および電気的接続性)を一層効果的に奏することが可能である。
図10(A)は、前記放熱部10aの円錐面11に、該放熱部10aの頂部13側から底面12側に向かって延びる複数組の凹溝41および凸条40を円周方向に沿って連続して形成した形態を示す斜視図である。上記複数組の凹溝41および凸条40は、前記放熱部10c,10e,10g,35の円錐面16,18,26,37に対しても、上記と同様に形成しても良い。
図10(B)は、前記放熱部10bにおける複数の側面15ごとに、該放熱部10bの頂部13側から底面12側に向かって延びる複数組の凹溝43および凸条42を幅方向に沿って連続して形成した形態を示す斜視図である。該複数組の凹溝43および凸条42は、前記放熱部10d,10f,10h,36における複数の側面17,19,27,37に対しても、上記と同様に形成しても良い。
以上のような複数組の凹溝41,43および凸条40,42を更に形成することで、前記放熱部10a〜10h,35,36の表面積が一層大きくなるので、前記基板本体2を構成する前記セラミックとの密着面積が増大すると共に、前記発光素子24あるいは半導体素子25からの熱を基板本体2のセラミック中に一層効率良く放散することが可能となる。
図11(A)は、前記放熱部10aの円錐面11に、該放熱部10aの頂部13側から底面12側に向かって延び且つ該放熱部10aの内側に凹む複数の湾曲面44を円周方向に沿って形成した形態を示す斜視図である。かかる複数の湾曲面44は、前記放熱部10c,10e,10g,35の円錐面16,18,26,37に対しても、上記と同様に形成しても良い。
図11(B)は、前記放熱部10bにおける複数の側面15を、それぞれ該放熱部10bの内側に凹む湾曲面45にした形態を示す斜視図である。かかる湾曲面45は、前記放熱部10d,10f,10h,36における複数の側面17,19,27,37ごとに対しても、上記と同様に形成しても良い。
以上のような湾曲面44,45を更に形成すれば、前記放熱部10a〜10h,35,36の表面積が更に大きくなるので、前記基板本体2を構成するセラミックとの密着面積が増大すると共に、前記発光素子24あるいは半導体素子25からの熱を、基板本体2のセラミック中に一層効率良く放散することが可能となる。
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記基板本体を構成する絶縁材は、ガラス−セラミック以外の低温焼成セラミックや、アルミナなどの高温焼成セラミックとしても良い。後者の場合、前記放熱部やビア導体には、WまたはMoなどが適用される。更に、上記絶縁材には、熱硬化性であり且つ耐熱性を有する合成樹脂(例えば、エポキシ樹脂など)を適用しても良い。上記セラミックや樹脂は、前記ゲルキャスト法によって基板本体を成形するほか、複数のセラミック層または樹脂層を積層する方法によって、前記基板本体を形成しても良い。
また、前記基板本体は、その表面の中央部に開口するキャビティを有する形態とし、該キャビティの底面(表面)に前記第1接続部8の一端部を露出させ、その真上に表面パッド6を形成しても良い。
また、前記放熱部は、単一の基板本体の内部に複数個を埋設し、該複数個の放熱部ごとに前記第1接続部を接続し、更に、第2接続部を接続しても良い。
更に、前記放熱部は、前記基板本体の表面側から裏面側に向かうに連れて平面視の断面積が大きくなる錐体形状と、該基板本体の裏面側から表面側に向かうに連れて平面視の断面積が大きくなる錐体形状との双方を併有する形態としても良い。
加えて、前記放熱部の円錐面や複数の側面に形成する複数組の凹溝および凸条、あるいは凹溝状の前記湾曲面は、該放熱部の中心軸と直交する方向(上記円錐面の円周方向、上記側面の幅方向)に沿って形成しても良い。あるいは、上記円錐面や複数の側面に、複数の浅いドーム形状を呈する凹部を形成しても良い。
本発明によれば、絶縁材からなる基板本体の表面上に形成した表面パッドに比較的高い発熱性を有する発光素子などの素子を実装しても、前記表面パッドの周囲に隣接する絶縁材にクラックが生じにくく、且つ基板本体の表面に別のパッドや表面配線などを容易に配置し得る配線基板を提供することができる。
1a〜1e…………………………配線基板
2……………………………………基板本体
3……………………………………表面
4……………………………………裏面
5……………………………………基板本体の側面
6……………………………………表面パッド
8……………………………………第1接続部
9,33……………………………第2接続部
10a〜10h,35.36……放熱部
11,16,18,26,37…円錐面
12,39…………………………底面
13,38…………………………頂部
14…………………………………曲面部
14f………………………………面取り部
15,17,19,27,37…放熱部の側面
40,42…………………………凸条
41,43…………………………凹溝
44,45…………………………湾曲面

Claims (5)

  1. 絶縁材からなり、互いに平行な表面および裏面と、該表面と裏面との間に位置する側面を有する基板本体と、
    上記基板本体の表面上に形成された表面パッドと、
    上記基板本体の内部に埋設された放熱部と、
    上記表面パッドと上記放熱部とを接続する第1接続部とを備えた配線基板であって、
    上記放熱部は、上記基板本体の表面側から裏面側に向かうに連れて平面視の断面積が大きくなる錐体形状を呈するか、あるいは、上記基板本体の裏面側から表面側に向かうに連れて平面視の断面積が大きくなる錐体形状を呈すると共に、
    上記放熱部における角部には、曲面部あるいは平面からなる面取り部が形成されており、
    平面視において、上記基板本体の表面に露出する上記第1接続部の面積は、上記表面パッドの面積よりも小さい、
    ことを特徴とする配線基板。
  2. 錐体形状を呈する前記放熱部の頂部側が、前記第1接続部に接続されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  3. 錐体形状を呈する前記放熱部の円錐面または複数の側面には、該放熱部の頂部側から底面側に向かって延びる複数組の凹溝および凸条が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板。
  4. 錐体形状を呈する前記放熱部の円錐面または複数の側面は、該放熱部の内側に凹む湾曲面を有している、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板。
  5. 錐体形状を呈する前記放熱部の底面側には、前記基板本体の裏面あるいは側面に他端が露出する第2接続部の一端が接続されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の配線基板。
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