JP6011447B2 - 燃料噴射弁の制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、内燃機関に設けられる燃料噴射弁を開閉動作させる燃料噴射弁の制御装置に関する。
一回の燃料噴射における燃料噴射弁の通電時間は、同噴射弁を開弁させるための開弁期間と、同噴射弁の開弁状態を保持させるための保持期間とに区分される。開弁期間では、バッテリよりも高い電圧を印加できるコンデンサから燃料噴射弁のソレノイドに給電されることにより、同ソレノイドに流れる励磁電流が上昇される。この場合、燃料噴射弁で発生する電磁力が次第に強くなって同噴射弁が開弁される。そして、燃料噴射弁を確実に開弁させるための電流値として設定されているピーク電流値に励磁電流が達すると、開弁期間が終了し、保持期間が始まる。保持期間では、バッテリから燃料噴射弁のソレノイドに給電されるようになり、励磁電流は、ピーク電流値から急激に低下して保持電流値近傍で保持されるようになる。この場合、燃料噴射弁で発生する電磁力が開弁状態の保持に必要な程度の力で保持される。
なお、開弁期間では、ソレノイドに流れる励磁電流の上昇に伴って電磁力が次第に大きくなるため、ソレノイドへの通電開始時点からある程度時間が経過したあとに燃料噴射弁が実際に開弁される。こうした通電開始時点から燃料噴射弁が実際に開弁される開弁時点までの時間のことを「噴射待ち時間」といい、開弁時点から燃料噴射弁が閉弁される時点までの時間のことを「有効噴射時間」という。
有効噴射時間は、一回の燃料噴射に対して設定される要求噴射量が少ないときほど短くなるのに対し、噴射待ち時間は、その時点の燃料噴射弁の動作特性によって決まる時間であって有効噴射時間のように要求噴射量に比例して変化するものではない。そのため、一回の燃料噴射に対して設定される要求噴射量が少なく、通電時間が短い場合にあっては、通電時間における噴射待ち時間が占める割合が大きくなる。したがって、一回の燃料噴射での通電時間が短いときほど、噴射待ち時間の推定誤差の影響が大きくなり、燃料の実際の噴射量が要求噴射量から乖離しやすくなる。
実際の噴射量が要求噴射量よりも多い場合には点火時期の調整などにより発生するトルクを低減させてトルクを調整することができるが、実際の噴射量が要求噴射量よりも少ない場合にはトルクを増大させることが難しい。そのため、噴射待ち時間を正確に推定し、実際の噴射量が要求噴射量よりも少なくならないようにする必要がある。
特許文献1には、噴射待ち時間のばらつきの学習方法の一例が開示されている。すなわち、要求噴射量などに応じて電流波形が選択され、この電流波形に基づいて燃料噴射弁が制御される。こうした燃料噴射時において噴射待ち時間のばらつきを学習するための条件が成立しているときには、燃料噴射弁の制御のために選択された電流波形をパラメータとして噴射待ち時間のばらつきが学習される。
なお、噴射待ち時間の推定方法としては、開弁期間において励磁電流がピーク電流値まで上昇する過程での同励磁電流の上昇勾配を検出し、この上昇勾配が緩いときほど噴射待ち時間が長いとする方法が考えられる。
開弁期間における励磁電流の上昇勾配に基づいて噴射待ち時間を推定する方法では、励磁電流を監視するために電流検出回路を用いることとなる。この電流検出回路による励磁電流の検出精度は、電流検出回路の製造上の個体差、経年変化及びそのときの雰囲気温度などによってばらつくため、こうした推定方法では噴射待ち時間の推定精度が高いとは言い難い。
本発明の目的は、噴射待ち時間を精度良く算出することができる燃料噴射弁の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するための燃料噴射弁の制御装置は、燃料噴射弁のソレノイドに励磁電流を流すことにより同燃料噴射弁の開閉動作を制御する駆動制御部と、ソレノイドに流れる励磁電流を検出する電流検出回路と、ソレノイドへの通電開始時点から燃料噴射弁が開弁される時点までの時間である噴射待ち時間を算出する算出部と、を備え、噴射待ち時間に応じてソレノイドへの通電時間を調整する装置を前提としている。そして、電流検出回路によって検出される励磁電流がピーク電流値に達して低下される過程で同励磁電流が同ピーク電流値よりも小さい基準電流値を下回る時点を基準立ち下がり検出時点としたとき、上記燃料噴射弁の制御装置の算出部が、通電開始時点から基準立ち下がり検出時点までの時間である基準立ち下がり検出時間を計測し、同基準立ち下がり検出時間が長いときほど噴射待ち時間を長くする。
励磁電流が上昇する際の励磁電流の上昇速度が遅いときほど、燃料噴射弁で発生する電磁力が緩やかに大きくなるため、噴射待ち時間が長くなると推定することができる。また、設定されているピーク電流値に励磁電流が達すると、燃料噴射弁は開弁状態になっているため、励磁電流が保持電流値近傍まで低下される。このときの励磁電流の低下速度は、励磁電流をピーク電流値まで上昇させる際の同励磁電流の上昇速度よりも速い。すなわち、励磁電流がピーク電流値から低下するときには、その変化が急峻である。そのため、電流検出回路の製造上の個体差や、経年劣化及びそのときの雰囲気温度などによって、検出される電流値の変化にばらつきが生じたとしても、基準立ち下がり検出時間は、通電開始時点から基準立ち上がり検出時点までの時間に比べてそのばらつきの影響を受けにくい。なお、ここでいう「基準立ち上がり検出時点」とは、電流検出回路によって検出される励磁電流がピーク電流値に向けて上昇される過程で、同励磁電流が基準電流値を上回る時点のことである。
上記構成によれば、基準立ち下がり検出時間が長いときほど、噴射待ち時間が長くされる。すなわち、電流検出回路によって検出される電流値のばらつきの影響を受けにくい基準立ち下がり検出時間に基づいて噴射待ち時間を算出するようにしているため、噴射待ち時間を精度良く算出することができるようになる。
また、上記燃料噴射弁の制御装置において、算出部は、通電開始時点から基準立ち上がり検出時点までの時間である基準立ち上がり検出時間を計測するとともに、基準立ち下がり検出時間に基準変換係数を乗ずることにより、通電開始時点から基準立ち上がり検出時点までの時間の算出値である基準立ち上がり算出時間を算出し、同基準立ち上がり算出時間を基準立ち上がり検出時間で除した商である基準立ち上がりばらつき比が大きいときほど基準立ち下がりばらつき比を大きくし、基準立ち下がり検出時間に基準立ち下がりばらつき比を乗ずることにより基準立ち下がり算出時間を算出し、同基準立ち下がり算出時間が長いときほど噴射待ち時間を長くすることが好ましい。
ピーク電流値が同一である場合、励磁電流がピーク電流値に向けて上昇する際の同励磁電流の上昇速度と、励磁電流がピーク電流値から低下する際の同励磁電流の低下速度とは一定の相関関係を有する。そのため、こうした上昇速度と低下速度との相関関係に応じた基準変換係数を基準立ち下がり検出時間に乗ずることにより、基準立ち上がり算出時間を算出することができる。この基準立ち上がり算出時間は、基準立ち上がり検出時間よりも電流検出回路によって検出される電流値のばらつきによる影響を受けにくい基準立ち下がり検出時間に基づいて算出された値であるため、基準立ち上がり検出時間よりもそのばらつきの影響を受けにくい。
基準立ち上がり算出時間と基準立ち上がり検出時間とのばらつき比である基準立ち上がりばらつき比、及び基準立ち下がり算出時間と基準立ち下がり検出時間とのばらつき比である基準立ち下がりばらつき比は、いずれも電流検出回路によって検出される電流値のばらつきの度合いを示す値である。そのため、基準立ち下がりばらつき比と、基準立ち上がりばらつき比とは一定の相関関係を有しており、基準立ち下がりばらつき比は、基準立ち上がりばらつき比から算出することができる。そして、こうして基準立ち上がりばらつき比から算出した基準立ち下がりばらつき比を基準立ち下がり検出時間に乗ずることにより基準立ち下がり算出時間を算出することができる。この基準立ち下がり算出時間は、電流検出回路によって検出される電流値のばらつきの度合いを考慮した時間となるため、基準立ち下がり検出時間よりも精度の高い値となる。したがって、こうした基準立ち下がり算出時間に基づいて噴射待ち時間を算出することにより、噴射待ち時間の算出精度を向上させることができるようになる。
また、電流検出回路によって検出される励磁電流がピーク電流値に向けて上昇される過程で、同励磁電流が基準電流値よりも小さい学習電流値以上となる時点を学習立ち上がり検出時点としたとする。この場合、上記燃料噴射弁の制御装置において、算出部は、通電開始時点から学習立ち上がり検出時点までの時間である学習立ち上がり検出時間を計測し、基準立ち下がり算出時間に学習変換係数を乗ずることにより通電開始時点から学習立ち上がり検出時点までの時間の算出値である学習立ち上がり算出時間を算出し、同学習立ち上がり算出時間を学習立ち上がり検出時間で除することによりばらつき比学習値を算出するようになっており、燃料噴射時に学習立ち上がり検出時間を計測し、同学習立ち上がり検出時間にばらつき比学習値を乗じた積が大きいときほど噴射待ち時間を長くすることが好ましい。
上述したように、ピーク電流値が同一である場合、励磁電流がピーク電流値に向けて上昇する際の同励磁電流の上昇速度と、励磁電流がピーク電流値から低下する際の同励磁電流の低下速度とは一定の相関関係を有する。そこで、上記構成では、こうした上昇速度と低下速度との相関関係に応じた学習変換係数を基準立ち下がり算出時間に乗ずることにより学習立ち上がり算出時間を算出し、学習立ち上がり検出時間と学習立ち上がり算出時間とのばらつき比として、ばらつき比学習値を算出するようにした。そして、通電開始時点から学習立ち上がり検出時点までの時間である学習立ち上がり検出時間を計測し、この学習立ち上がり検出時間にばらつき比学習値を乗じた積に応じて噴射待ち時間が算出される。すなわち、上記構成では、励磁電流が学習電流値に達した時点で燃料噴射に対する噴射待ち時間が算出される。そのため、励磁電流がピーク電流値に達する前に通電が終了されるような短い燃料噴射時であっても、噴射待ち時間を適切に算出でき、通電時間を適切に調整することができるようになる。
なお、励磁電流がピーク電流値に達する前に燃料噴射弁への通電が終了されるときには、基準立ち下がり検出時間を検出することができないため、適切なばらつき比学習値を算出できず、ばらつき比学習値の算出精度が低くなる可能性がある。そこで、上記燃料噴射弁の制御装置において、算出部は、電流検出回路によって検出される励磁電流がピーク電流値に達する前に、燃料噴射弁への通電が終了されるときには、ばらつき比学習値を算出しないようにすることが好ましい。この構成によれば、ばらつき比学習値の算出精度が低くなるような場合にはばらつき比学習値が算出されない。そのため、精度の低いばらつき比学習値を用いての噴射待ち時間の算出が行われにくくなるため、噴射待ち時間の算出精度の低下を抑制することができるようになる。
また、励磁電流をピーク電流値に到達させるために必要な通電時間に相当する時間を所定時間として設定し、通電時間がこの所定期間未満であることに基づいて励磁電流がピーク電流値に達する前に通電が終了されたことを判定するようにしてもよい。すなわち、燃料噴射弁に対して設定されている通電時間が所定時間未満であるときには、電流検出回路によって検出される励磁電流がピーク電流値に達する前に燃料噴射弁への通電が終了される可能性がある。そのため、こうした場合には、ばらつき比学習値を算出しないようにするといった構成を採用することもできる。
また、上記燃料噴射弁の制御装置において、学習立ち上がり検出時間の中央特性値を、計測されうる学習立ち上がり検出時間の最小値で除した商をばらつき比学習値の初期値とし、算出部は、ばらつき比学習値の算出が完了していないときには、学習立ち上がり検出時間にばらつき比学習値の初期値を乗じた積が大きいときほど噴射待ち時間を長くすることが好ましい。
学習立ち上がり検出時間は、電流検出回路によって生じうる励磁電流の検出値のばらつきの大きさによって決まる最大値と最小値との間でばらつきうるのに対し、学習立ち上がり検出時間よりもばらつきにくい学習立ち上がり算出時間は、上記の最大値と最小値との間の中央特性値近傍でばらつきうる。そのため、中央特性値から最もかけ離れた最小値で中央特性値を除した商を初期値にする上記のような方法でばらつき比学習値の初期値を算出するようにすれば、算出された初期値は、算出されうる範囲において極めて大きな値になる。そのため、ばらつき比学習値の初期値を用いて算出された噴射待ち時間は、実際の噴射待ち時間よりも長めになる。したがって、上記のようにばらつき比学習値の初期値を設定することにより、ばらつき比学習値の算出が完了する前に噴射される燃料の実際の噴射量が要求噴射量よりも少なくなってしまうことを抑制することができるようになる。
また、上記燃料噴射弁の制御装置において、算出部は、ばらつき比学習値の算出後においては、噴射待ち時間を求める際に学習立ち上がり検出時間に乗ずる値を、燃料噴射弁からの燃料噴射を行う度にばらつき比学習値の初期値からばらつき比学習値に次第に近づけるようにしてもよい。この構成によれば、ばらつき比学習値の算出が完了した後は、燃料噴射弁からの燃料噴射が行われる度に噴射待ち時間が次第に適正な値に近づけられる。そのため、ばらつき比学習値の初期値と算出されたばらつき比学習値との差が大きい場合、噴射待ち時間が徐々に変更される。したがって、初期値から算出値へのばらつき比学習値の切り替え時における燃料噴射量の急変を抑制することができるようになる。
また、上記燃料噴射弁の制御装置において、算出部は、内燃機関の運転状態が燃料噴射弁による燃料噴射を禁止する噴射禁止状態から同燃料噴射弁による燃料噴射を行う噴射許可状態に移行した場合、前回に内燃機関の運転状態が噴射許可状態であったときに最後に検出された学習立ち上がり検出時間にばらつき比学習値を乗じ、この積に温度補正値を加算した値が大きいほど噴射待ち時間を長くすることが好ましい。
燃料噴射弁による燃料噴射が禁止されているときには、燃料噴射に伴う冷却作用が生じないために燃料噴射弁の温度が高くなることがある。この場合、燃料噴射弁のソレノイドの抵抗値が高くなり、同燃料噴射弁が開弁しにくくなる。そこで、上記構成では、内燃機関の運転状態が噴射禁止状態から噴射許可状態に移行した場合には、前回に内燃機関の運転状態が噴射許可状態であったときに最後に検出された学習立ち上がり検出時間にばらつき比学習値を乗じ、この積に温度補正値を加算した値に基づいて噴射待ち時間を算出するようにした。これにより、噴射許可状態への移行直後における燃料噴射時には、電流検出回路による励磁電流の検出が行われていなくても、燃料噴射が禁止されていた間の同燃料噴射弁の温度上昇を加味して噴射待ち時間を算出することができるようになる。
なお、上記のように噴射待ち時間を算出する際に温度補正値を用いる場合、温度補正値を、内燃機関の状態が噴射禁止状態であった間における燃料噴射弁の温度上昇量が大きいときほど大きくなるようにしてもよい。この構成によれば、温度上昇量が大きく、燃料噴射弁が開弁しにくいときほど、噴射待ち時間が長くされる。したがって、温度上昇による燃料噴射弁の開弁特性の変化にあわせた態様で噴射待ち時間を算出することができるようになる。
また、上記燃料噴射弁の制御装置において、算出部は、機関温度が温度範囲内に含まれるときにばらつき比学習値の算出を行うことが好ましい。
燃料噴射弁のソレノイドの抵抗値は同ソレノイドの温度によって変わるため、燃料噴射弁の噴射特性は、同燃料噴射弁の設置環境温度によって変わりうる。すなわち、設置環境温度が異なる種々の状況下でばらつき比学習値を算出した場合、同ばらつき比学習値は、算出された際の設置環境温度によってばらつく。そこで、上記構成では、機関温度が温度範囲内に含まれるときに限ってばらつき比学習値の算出を行うようにした。これにより、機関温度が温度範囲内に含まれるときだけではなく、機関温度が温度範囲に含まれないときでもばらつき比学習値の算出を許可する場合と比較して、燃料噴射弁の設置環境温度に起因するばらつき比学習値のばらつきを抑えることができる。したがって、上記構成によれば、設置環境温度に起因するばらつきを抑えたばらつき比学習値を用いて噴射待ち時間を算出することにより、その算出精度を向上させることができるようになる。
燃料噴射弁のソレノイドの抵抗値は同ソレノイドの温度によって変わるため、燃料噴射弁の噴射特性は、同燃料噴射弁の設置環境温度によって変わりうる。すなわち、設置環境温度が異なる種々の状況下でばらつき比学習値を算出した場合、同ばらつき比学習値は、算出された際の設置環境温度によってばらつく。そこで、上記構成では、機関温度が温度範囲内に含まれるときに限ってばらつき比学習値の算出を行うようにした。これにより、機関温度が温度範囲内に含まれるときだけではなく、機関温度が温度範囲に含まれないときでもばらつき比学習値の算出を許可する場合と比較して、燃料噴射弁の設置環境温度に起因するばらつき比学習値のばらつきを抑えることができる。したがって、上記構成によれば、設置環境温度に起因するばらつきを抑えたばらつき比学習値を用いて噴射待ち時間を算出することにより、その算出精度を向上させることができるようになる。
機関始動からそれほど時間が経過していないときには、機関温度が外気温に近い温度であるため、機関温度は外気温が取りうる一定の温度範囲内に含まれやすい。そのため、機関始動から一定期間が経過するまでの間でばらつき比学習値の算出を行うようにした場合にも、設置環境温度に起因するばらつきを抑えたばらつき比学習値を用いて噴射待ち時間を算出することにより、その算出精度を向上させることができるようになる。
また、上記燃料噴射弁の制御装置において、駆動制御部は、通電開始時点から励磁電流がピーク電流値に達する時点までは、バッテリよりも高い電圧を印加できるコンデンサから同ソレノイドに給電させるようになっている。そして、算出部は、通電開始時点におけるコンデンサの電圧が低いときほど、学習立ち上がり算出時間を短くし、同学習立ち上がり算出時間を用いてばらつき比学習値を算出することが好ましい。
燃料噴射の間隔が短い場合などにあっては、コンデンサの電圧が十分に回復する前に、次の燃料噴射が開始されることがある。この場合、コンデンサの電圧が同コンデンサの容量に応じて決まる上限電圧よりも低いため、コンデンサの電圧が上限電圧であるときと比較して、通電開始時点からの励磁電流の上昇速度が遅くなりやすい。こうした状況下で計測された基準立ち下がり検出時間などを用いて算出される学習立ち上がり算出時間は、コンデンサの電圧が上限電圧であるときに算出される学習立ち上がり算出時間と比較して長くなる。そして、コンデンサの電圧が上限電圧よりも低い状態での燃料噴射時に算出される学習立ち上がり算出時間を用いてばらつき比学習値を算出した場合、ばらつき比学習値は、コンデンサの電圧低下の影響を受けた値となってしまう。
この点、上記構成では、通電開始時点のコンデンサの電圧が低いときほど、学習立ち上がり算出時間が短くされる。そして、このように補正された学習立ち上がり算出時間を用いてばらつき比学習値を算出するようにしたことにより、コンデンサの電圧による影響を極力排除した状態でばらつき比学習値を算出することができる。その結果、こうしたばらつき比学習値を用いて噴射待ち時間を算出することにより、その算出精度の低下を抑制することができるようになる。
また、上記燃料噴射弁の制御装置において、算出部は、学習立ち上がり検出時間が許容範囲に含まれないときには、前回の燃料噴射時に計測された学習立ち上がり検出時間にばらつき比学習値を乗じ、この積に異常判定補正値を加算した値が大きいときほど噴射待ち時間を長くすることが好ましい。
学習立ち上がり検出時間が短すぎたり長すぎたりした場合には、同時間を正確に計測できない異常状態である可能性がある。こうした異常状態で計測された学習立ち上がり検出時間にばらつき比学習値を乗じ、その積に基づき噴射待ち時間を算出した場合、算出した噴射待ち時間が実際の噴射待ち時間よりも短くなるおそれがある。そこで、上記構成では、計測された学習立ち上がり検出時間が許容範囲に含まれないときには、前回の燃料噴射時に計測された学習立ち上がり検出時間にばらつき比学習値を乗じ、この積に異常判定補正値を加算した値に基づき噴射待ち時間を算出するようにした。なお、異常判定補正値は上記の方法で算出される噴射待ち時間が実際の噴射待ち時間よりも長くなるようにその大きさが設定されている。そのため、上記構成によれば、噴射待ち時間を実際の噴射待ち時間よりも長くすることができ、結果として、燃料の実際の噴射量が要求噴射量未満となってしまうことを抑制することができるようになる。
さらに、上記燃料噴射弁の制御装置において、算出部は、基準立ち上がり検出時間と基準立ち下がり検出時間との差が判定値以下であるときには、ばらつき比学習値の前回の算出時に用いた基準立ち上がり算出時間とばらつき比学習値の前回の算出時に用いた基準立ち下がり算出時間とを用いてばらつき比学習値を算出することが好ましい。
基準立ち上がり検出時間と基準立ち下がり検出時間との差が判定値以下であるときには、ノイズなどによる誤検知の可能性がある。そこで、上記構成では、基準立ち上がり検出時間と基準立ち下がり検出時間との差が判定値未満であるときには、これら各検出時間を用いて算出される各算出時間を採用せず、前回の基準立ち上がり算出時間と前回の基準立ち下がり算出時間を用いて今回のばらつき比学習値を算出する。そのため、ノイズなどによる誤検知の影響により、算出される噴射待ち時間と実際の噴射待ち時間とのずれが大きくなってしまうことを抑制することができるようになる。
また、上記燃料噴射弁の制御装置において、燃料噴射弁から燃料を噴射する時点のデリバリパイプ内の燃料圧力を噴射時燃圧としたとき、算出部は、噴射時燃圧が高いときほど噴射待ち時間を長くすることが好ましい。
デリバリパイプ内の燃料圧力が高いときほど燃料噴射弁は開弁しにくくなる。これに対して上記構成によれば、デリバリパイプ内の燃料圧力が高く、燃料噴射弁が開弁しにくいときほど、噴射待ち時間が長くされる。したがって、デリバリパイプ内の燃料圧力の変化による燃料噴射弁の開弁特性にあわせた態様で噴射待ち時間を算出することができるようになる。
なお、噴射時燃圧を、燃圧センサによって検出された燃圧センサ値に、同燃圧センサ値の検出時点から通電開始時点までの期間における燃料ポンプからの燃料吐出量が多いほど大きくなる燃料圧力の増大量を加算した値としてもよい。この構成によれば、燃圧センサによる燃料圧力の検出周期の合間に燃料噴射が行われる場合であっても、燃圧センサによる燃圧センサ値の検出時点から通電開始時点までの期間における燃料圧力の増大を加味して、噴射時燃圧を精度よく算出することができるようになるため、噴射待ち時間の算出精度を向上させることができるようになる。
以下、図1〜図16を参照して、内燃機関に設けられる燃料噴射弁を開閉動作させる燃料噴射弁の制御装置を具体化した一実施形態について説明する。
図1には、本実施形態の燃料噴射弁の制御装置10と、制御装置10に制御される複数(ここでは4つ)の燃料噴射弁20とが示されている。これら各燃料噴射弁20は、内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射する筒内噴射用の噴射弁である。
図1には、本実施形態の燃料噴射弁の制御装置10と、制御装置10に制御される複数(ここでは4つ)の燃料噴射弁20とが示されている。これら各燃料噴射弁20は、内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射する筒内噴射用の噴射弁である。
図1に示すように、制御装置10は、車両に設けられているバッテリ30の電圧を昇圧する昇圧回路11と、昇圧回路11によって昇圧された電圧によって充電されるコンデンサ12と、駆動制御部としての駆動回路13とを備えている。この駆動回路13は、算出部としても機能する電子制御装置(以下、「ECU」という。)14の制御によって、電源としてコンデンサ12とバッテリ30とを使い分けて燃料噴射弁20を駆動させるようになっている。
ECU14は、CPU、ROM及びRAMなどで構築されるマイクロコンピュータを有している。ROMには、CPUが実行する各種制御プログラムなどが予め記憶されており、RAMには、適宜更新される情報が記憶されるようになっている。
また、ECU14には、コンデンサ12の電圧であるコンデンサ電圧Vcを検出する電圧センサ41、燃料噴射弁20のソレノイド21に流れる励磁電流Iinjを検出する電流検出回路42、及び燃料噴射弁20への燃料供給系に設けられているデリバリパイプ内の燃料圧力を検出するための燃圧センサ43などの各種検出系が電気的に接続されている。そして、ECU14を備える制御装置10は、各種検出系によって検出される情報に基づいて、各燃料噴射弁20を制御するようになっている。
次に、図2を参照して、燃料噴射弁20に燃料を供給する燃料供給系50について説明する。
図2に示すように、燃料供給系50には、燃料が貯留される燃料タンク51から燃料を汲み上げる低圧燃料ポンプ52と、低圧燃料ポンプ52から吐出された燃料を所定の燃料圧力まで昇圧して吐出させる高圧燃料ポンプ53と、高圧燃料ポンプ53から吐出された高圧の燃料が貯留されるデリバリパイプ54とが設けられている。そして、このデリバリパイプ54内の燃料が燃料噴射弁20に供給される。
図2に示すように、燃料供給系50には、燃料が貯留される燃料タンク51から燃料を汲み上げる低圧燃料ポンプ52と、低圧燃料ポンプ52から吐出された燃料を所定の燃料圧力まで昇圧して吐出させる高圧燃料ポンプ53と、高圧燃料ポンプ53から吐出された高圧の燃料が貯留されるデリバリパイプ54とが設けられている。そして、このデリバリパイプ54内の燃料が燃料噴射弁20に供給される。
次に、図3を参照して、燃料噴射弁20に対する給電態様について説明する。
図3(a),(b),(c)に示すように、ECU14から駆動回路13に出力される通電信号のレベルが「Low」から「High」になると、燃料噴射弁20のソレノイド21に励磁電流Iinjが流れ始める。すなわち、通電信号のレベルが「Low」から「High」となる第1のタイミングt11から、通電信号のレベルが「High」から「Low」になる第4のタイミングt14までが、燃料噴射弁20が通電される通電時間TIである。
図3(a),(b),(c)に示すように、ECU14から駆動回路13に出力される通電信号のレベルが「Low」から「High」になると、燃料噴射弁20のソレノイド21に励磁電流Iinjが流れ始める。すなわち、通電信号のレベルが「Low」から「High」となる第1のタイミングt11から、通電信号のレベルが「High」から「Low」になる第4のタイミングt14までが、燃料噴射弁20が通電される通電時間TIである。
燃料噴射弁20への通電が開始される通電開始時点である第1のタイミングt11では燃料噴射弁20は閉弁している。ここでは、燃料噴射弁20を開弁させるために、バッテリ30よりも高い電圧を印加できるコンデンサ12を電源として給電が行われる。この場合、ソレノイド21に流れる励磁電流Iinjが次第に上昇するため、ソレノイド21で発生する電磁力もまた次第に大きくなる。そして、励磁電流Iinjの上昇途中の第2のタイミングt12で、燃料噴射弁20が開弁し、同燃料噴射弁20から燃料が噴射されるようになる。
なお、第1のタイミングt11から第2のタイミングt12までの時間が、燃料噴射弁20への通電が開始されても同燃料噴射弁20から未だ燃料が噴射されない噴射待ち時間としての無効噴射時間TAとされる。また、第2のタイミングt12から燃料噴射弁20への通電が終了される第4のタイミングt14までの時間が、燃料噴射弁20から燃料が実際に噴射される有効噴射時間TBとされる。
第2のタイミングt12以降の第3のタイミングt13で、ソレノイド21に流れる励磁電流Iinjが、燃料噴射弁を確実に開弁させるための電流値として設定されているピーク電流値Ipに達すると、燃料噴射弁20を開弁させるための開弁期間TOが終了し、燃料噴射弁20の開弁状態を保持させるための保持期間THが始まる。すると、駆動回路13によって電源がコンデンサ12からバッテリ30に切り替えられ、燃料噴射弁20のソレノイド21に印加される電圧が低くなるため、励磁電流Iinjが急激に低下する。このときの励磁電流Iinjの低下速度は、励磁電流Iinjがピーク電流値Ipに向けて上昇する際の上昇速度と比較して非常に速い。すなわち、励磁電流Iinjがピーク電流値Ipから低下するときには、その変化が急峻である。
そして、ピーク電流値Ipから低下する励磁電流Iinjは、燃料噴射弁20の開弁状態を保持できる程度の電磁力をソレノイド21から発生させるように、所定の保持電流値Ih近傍で調整される。その後、第4のタイミングt14で通電信号が「High」から「Low」に切り替ると、燃料噴射弁20への通電が終了され、同燃料噴射弁20が閉弁する。
通電時間TIは一回の燃料噴射に対して設定される要求噴射量によって決定されるため、要求噴射量が少ない場合ほど通電時間TIが短くされる。すなわち、要求噴射量が少ない場合には、コンデンサ12から燃料噴射弁20に通電されている開弁期間TO中に、同燃料噴射弁20への通電が終了されることもある。
ところで、有効噴射時間TBは、一回の燃料噴射に対して設定される要求噴射量が多いときほど長く設定されるのに対し、無効噴射時間TAは、そのときの燃料噴射弁20の特性に応じて決まるものである。そのため、要求噴射量に見合った適量の燃料を燃料噴射弁20から噴射させるためには、無効噴射時間TAを適切に設定し、この無効噴射時間TAに要求噴射量に応じた有効噴射時間TBを加算して通電時間TIを算出することが好ましい。
次に、図4を参照して、無効噴射時間TAの算出方法の概略について説明する。なお、図4には、ピーク電流値Ipを所定のピーク設定値Ipaに設定した状態で燃料噴射弁20から燃料を噴射させる際におけるそのソレノイド21に流れる励磁電流Iinjの推移が模式的に示されている。
なお、以降の記載においては、励磁電流Iinjが上昇される過程において、ピーク設定値Ipaよりも小さい学習電流値I_Th1を励磁電流Iinjが上回る時点を「学習立ち上がり検出時点t22」という。また、ピーク設定値Ipaよりも小さく且つ学習電流値I_Th1よりも大きい基準電流値I_Th2を励磁電流Iinjが上回る時点を「基準立ち上がり検出時点t23」という。そして、励磁電流Iinjがピーク電流値Ipに達する時点を「ピーク到達時点t24」といい、励磁電流Iinjがピーク電流値Ipから低下される過程において、同励磁電流Iinjが基準電流値I_Th2を下回る時点を「基準立ち下がり検出時点t25」というものとする。
本実施形態の燃料噴射弁の制御装置10では、学習立ち上がり検出時点t22で、今回の燃料噴射時における無効噴射時間TAを決定するようにしている。すなわち、通電開始時点t21からの励磁電流Iinjの上昇速度が遅いときほど、燃料噴射弁20のソレノイド21で発生する電磁力がゆっくりと強くなるために燃料噴射弁20が開弁しにくく、無効噴射時間TAが長くなる。すなわち、通電開始時点t21からの励磁電流Iinjの上昇速度が遅いときほど、通電開始時点t21から学習立ち上がり検出時点t22までの時間である学習立ち上がり検出時間T1rが長くなる。よって、この学習立ち上がり検出時間T1rに基づいて無効噴射時間TAを推定することができる。
しかし、電流検出回路42によって検出される励磁電流Iinjには、電流検出回路42による電流値の検出誤差が含まれている。しかも、この検出誤差は、回路の製造上の個体差、特性の経年変化及びそのときの設置環境の温度によって変動しうる。すなわち、計測された学習立ち上がり検出時間T1rには、電流検出回路42による電流値の検出誤差に起因するばらつきが生じる。そのため、無効噴射時間TAを正確に算出するためには、計測された学習立ち上がり検出時間T1rから電流検出回路42によって検出された電流値のばらつきの影響を取り除いた値を算出し、この算出値を用いて無効噴射時間TAを算出することが好ましい。
本実施形態の燃料噴射弁の制御装置10では、電流検出回路42によって検出された電流値のばらつきに起因して生じうる学習立ち上がり検出時間T1rのばらつき比として、ばらつき比学習値Rcが算出される。こうしたばらつき比学習値Rcは、燃料噴射弁20毎に算出される。そして、ばらつき比学習値Rcの算出完了後の燃料噴射では、開弁期間TOに計測される学習立ち上がり検出時間T1rにばらつき比学習値Rcを乗じて学習算出時間T4cを算出し、この学習算出時間T4cが長いときほど無効噴射時間TAを長くなるようにした。
なお、学習電流値I_Th1は、燃料噴射弁20に対して設定される要求噴射量が燃料噴射弁20における最小噴射量である場合であっても、励磁電流Iinjが学習電流値I_Th1を必ず上回ることができるような値に設定されている。すなわち、燃料噴射を目的とする燃料噴射弁20への通電時にあっては、励磁電流Iinjが学習電流値I_Th1未満の段階で燃料噴射弁20への通電が終了されることはない。そのため、ばらつき比学習値Rcの算出が完了している状態での燃料噴射時には、学習算出時間T4cを確実に算出できるため、同学習算出時間T4cを用いて無効噴射時間TAを算出することができる。
また、上記のばらつき比学習値Rcは、ピーク電流値Ipが所定のピーク設定値Ipaに設定される燃料噴射時に限って算出される。言い換えると、ピーク電流値Ipがピーク設定値Ipaとは異なる値に設定される燃料噴射時には、ばらつき比学習値Rcの算出が行われない。そして、ばらつき比学習値Rcの算出が行われる燃料噴射時にあっては、以下の検出時間T1r、T2r、T3rが計測される。
・通電開始時点t21から学習立ち上がり検出時点t22までの時間の計測値である学習立ち上がり検出時間T1r。
・通電開始時点t21から基準立ち上がり検出時点t23までの時間の計測値である基準立ち上がり検出時間T2r。
・通電開始時点t21から基準立ち下がり検出時点t25までの時間の計測値である基準立ち下がり検出時間T3r。
・通電開始時点t21から学習立ち上がり検出時点t22までの時間の計測値である学習立ち上がり検出時間T1r。
・通電開始時点t21から基準立ち上がり検出時点t23までの時間の計測値である基準立ち上がり検出時間T2r。
・通電開始時点t21から基準立ち下がり検出時点t25までの時間の計測値である基準立ち下がり検出時間T3r。
また、ばらつき比学習値Rcの算出が行われる燃料噴射時にあっては、以下の算出時間T1c、T2c、T3cが算出される。
・通電開始時点t21から学習立ち上がり検出時点t22までの時間の算出値である学習立ち上がり算出時間T1c。
・通電開始時点t21から基準立ち上がり検出時点t23までの時間の算出値である基準立ち上がり算出時間T2c。
・通電開始時点t21から基準立ち下がり検出時点t25までの時間の算出値である基準立ち下がり算出時間T3c。
・通電開始時点t21から学習立ち上がり検出時点t22までの時間の算出値である学習立ち上がり算出時間T1c。
・通電開始時点t21から基準立ち上がり検出時点t23までの時間の算出値である基準立ち上がり算出時間T2c。
・通電開始時点t21から基準立ち下がり検出時点t25までの時間の算出値である基準立ち下がり算出時間T3c。
そして、ばらつき比学習値Rcは、上記の各検出時間T1r〜T3r及び各算出時間T1c〜T3cに基づいて算出される。
次に、図5に示すフローチャートを参照して、一回の燃料噴射時において燃料噴射弁20への通電時間TIを設定するためにECU14が実行する処理ルーチンについて説明する。ここでは、複数の燃料噴射弁20のうち一つの燃料噴射弁への通電開始時に開始される処理ルーチンについて説明する。なお、他の燃料噴射弁20への通電開始時であっても、この処理ルーチンと同様の処理ルーチンが開始される。
次に、図5に示すフローチャートを参照して、一回の燃料噴射時において燃料噴射弁20への通電時間TIを設定するためにECU14が実行する処理ルーチンについて説明する。ここでは、複数の燃料噴射弁20のうち一つの燃料噴射弁への通電開始時に開始される処理ルーチンについて説明する。なお、他の燃料噴射弁20への通電開始時であっても、この処理ルーチンと同様の処理ルーチンが開始される。
図5に示すように、本処理ルーチンにおいて、ECU14は、通電開始時点におけるデリバリパイプ54内の燃料圧力である噴射時燃圧Pinjを算出する算出処理を行う(ステップS11)。燃料噴射弁20はデリバリパイプ54内の燃料圧力が高いときほど開弁しにくくなり、結果として、無効噴射時間TAが長くなりやすい。すなわち、ステップS11では、噴射時燃圧Pinjを考慮して無効噴射時間TAを算出するために、噴射時燃圧Pinjを算出している。なお、噴射時燃圧の算出処理に関しては、図6にて後述する。
続いて、ECU14は、通電開始時点におけるコンデンサ電圧Vcを検出する(ステップS12)。コンデンサ電圧Vcが低いときほど通電開始時点からの励磁電流Iinjの上昇速度が緩やかになりやすい。そのため、ばらつき比学習値Rcの算出に際しては、通電開始時点のコンデンサ電圧Vcの高低の影響を極力排除してばらつき比学習値Rcを算出するために、ステップS12において通電開始時点におけるコンデンサ電圧Vcが検出される。
そして、ECU14は、電流検出回路42によって検出される励磁電流Iinjが学習電流値I_Th1以上になったか否かを判定する(ステップS13)。励磁電流Iinjが学習電流値I_Th1未満である場合(ステップS13:NO)、ECU14は、励磁電流Iinjが学習電流値I_Th1以上となるまでステップS13の判定処理を繰り返し実行する。そして、励磁電流Iinjが学習電流値I_Th1以上になった場合(ステップS13:YES)、すなわち学習立ち上がり検出時点に達した場合、ECU14は、図8にて後述する無効噴射時間TAの算出処理を行う(ステップS14)。
続いて、ECU14は、ステップS14で算出した無効噴射時間TAと今回の燃料噴射に対する要求噴射量に応じて設定された有効噴射時間TBとを加算して通電時間TIを算出する(ステップS15)。そして、ECU14は、機関始動から所定期間が経過したか否かを判定する(ステップS16)。ここでいう機関始動とは、イグニッションスイッチのオン操作などの機関運転開始操作がなされたことによる機関始動のことである。そして、こうした機関始動からそれほど時間が経過していないときには、機関温度が外気温に近い温度であるため、機関温度は、外気温が取りうる一定の温度範囲内に含まれやすい。そこで、本実施形態の燃料噴射弁の制御装置10では、機関温度が一定の温度範囲内に含まれているか否かを機関始動時点からの経過時間に基づいて推定できるように、所定期間が予め設定されている。
機関始動から所定期間が経過した場合(ステップS16:YES)、すなわち機関温度が上記温度範囲内に含まれていないと推定できる場合、ECU14は、今回の燃料噴射時ではばらつき比学習値Rcを算出することなく本処理ルーチンを終了する。一方、機関始動から所定期間が経過していない場合(ステップS16:NO)、すなわち機関温度が上記温度範囲内に含まれていると推定できる場合、ECU14は、その処理を次のステップS17に移行する。
燃料噴射弁20のソレノイド21の抵抗値はソレノイド自身の温度によって変わる。すなわち、ばらつき比学習値Rcを算出するに際し、他の条件が全て一致していたとしても、ばらつき比学習値Rcの算出時におけるソレノイド21の温度が異なると、上記各検出時間T1r,T2r,T3rが変わり、結果として、算出されるばらつき比学習値Rcのばらつきが大きくなりやすい。これに対し、機関温度が上記温度範囲内に含まれていると推定できる場合、ソレノイド21の温度のばらつきが小さくなり、ソレノイド21の温度に起因するソレノイド21の抵抗値のばらつきを小さくなる。すなわち、算出されるばらつき比学習値Rcがばらつきにくくなる。そこで、本実施形態の燃料噴射弁の制御装置10では、機関温度が上記温度範囲内に含まれていると推定できる場合に限ってばらつき比学習値Rcの算出を許可するようにした。
ステップS17において、ECU14は、今回の燃料噴射に対して設定されているピーク電流値Ipが上記ピーク設定値Ipaであるか否かを判定する。ピーク電流値Ipがピーク設定値Ipaではない場合(ステップS17:NO)、ECU14は、今回の燃料噴射時ではばらつき比学習値Rcを算出することなく本処理ルーチンを終了する。
一方、ピーク電流値Ipがピーク設定値Ipaである場合(ステップS17:YES)、ECU14は、ステップS15で算出した通電時間TIが所定時間としてのピーク到達時間TI_Thを超えているか否かを判定する(ステップS18)。このピーク到達時間TI_Thは、通電開始時点から励磁電流Iinjがピーク設定値Ipaに達するピーク到達時点までの時間の推定値である。通電時間TIがピーク到達時間TI_Th以下である場合、今回の燃料噴射時には、励磁電流Iinjがピーク電流値Ipに達する前に、すなわち開弁期間TO中に、燃料噴射弁20への通電が終了される可能性がある。
通電時間TIがピーク到達時間TI_Th以下である場合(ステップS18:NO)、ECU14は、今回の燃料噴射時ではばらつき比学習値Rcを算出することなく本処理ルーチンを終了する。一方、通電時間TIがピーク到達時間TI_Thを超えている場合(ステップS18:YES)、ECU14は、図7にて後述するばらつき比学習値Rcの算出処理を行い(ステップS19)、その後、本処理ルーチンを終了する。
次に、図6に示すフローチャートを参照して、上記ステップS11の噴射時燃圧の算出処理ルーチンについて説明する。
図6に示すように、本処理ルーチンにおいて、ECU14は、燃圧センサ43によって検出されるデリバリパイプ54内の燃料圧力の検出値である燃圧センサ値Prを取得する(ステップS101)。燃圧センサ値Prは、予め設定された検出サイクル毎に検出される値であり、ステップS101では燃圧センサ43によって検出された最新の燃圧センサ値Prが取得される。続いて、ECU14は、最新の燃圧センサ値Prが検出された時点から今回の通電開始時点までの期間におけるデリバリパイプ54内の燃料圧力の増大量である燃圧増大値ΔPを算出する(ステップS102)。
図6に示すように、本処理ルーチンにおいて、ECU14は、燃圧センサ43によって検出されるデリバリパイプ54内の燃料圧力の検出値である燃圧センサ値Prを取得する(ステップS101)。燃圧センサ値Prは、予め設定された検出サイクル毎に検出される値であり、ステップS101では燃圧センサ43によって検出された最新の燃圧センサ値Prが取得される。続いて、ECU14は、最新の燃圧センサ値Prが検出された時点から今回の通電開始時点までの期間におけるデリバリパイプ54内の燃料圧力の増大量である燃圧増大値ΔPを算出する(ステップS102)。
デリバリパイプ54内の燃料圧力は、高圧燃料ポンプ53からデリバリパイプ54内に燃料が供給されると増大される。そのため、最新の燃圧センサ値Prの検出時点から今回の通電開始時点までの間でデリバリパイプ54内に高圧燃料ポンプ53から燃料が供給されなかった場合、燃圧増大値ΔPは「0(零)」となる。一方、最新の燃圧センサ値Prの検出時点から今回の通電開始時点までの間でデリバリパイプ54内に高圧燃料ポンプ53から燃料が供給された場合、高圧燃料ポンプ53からデリバリパイプ54内への燃料供給の開始時点から通電開始時点までの期間内における高圧燃料ポンプ53からの燃料供給量が取得される。そして、高圧燃料ポンプ53からデリバリパイプ54内への燃料供給の開始時点から今回の通電開始時点までの期間内における高圧燃料ポンプ53からの燃料供給量を「F1」とし、デリバリパイプ54内の容積を「F2」とし、燃料の体積弾性率を「F3」としたとき、燃圧増大値ΔPは、以下の関係式(式1)に示すように算出される。
次に、図7に示すフローチャートと、図9〜図11に示すタイミングチャートと、図12及び図13に示すマップとを参照して、上記ステップS19のばらつき比学習値Rcの算出処理ルーチンについて説明する。
図7に示すように、本処理ルーチンにおいて、ECU14は、今回の燃料噴射に際し、上記の学習立ち上がり検出時間T1r、基準立ち上がり検出時間T2r及び基準立ち下がり検出時間T3rが計測済みであるか否かを判定する(ステップS201)。これら検出時間T1r,T2r,T3rのうち少なくとも一つの計測が未だ完了していない場合(ステップS201:NO)、すなわち基準立ち下がり検出時点に未だ達していない場合、ECU14は、全ての検出時間T1r,T2r,T3rが計測済みとなるまでステップS201の判定処理を繰り返し実行する。
一方、全ての検出時間T1r,T2r,T3rが計測済みである場合(ステップS201:YES)、ECU14は、基準立ち下がり検出時間T3rから基準立ち上がり検出時間T2rを減算し、この差(=T3r−T2r)が所定のノイズ判定値ΔTnよりも大きいか否かを判定する(ステップS202)。
ここで、電流検出回路42によって検出される励磁電流Iinjにはノイズが重畳されることがある。例えば、図9に示すように、基準立ち上がり検出時点である第2のタイミングt32で基準立ち上がり検出時間T2rの計測が完了した直後に励磁電流Iinjにノイズが重畳されると、本来の基準立ち下がり検出時点である第5のタイミングt35よりも前の第3のタイミングt33で励磁電流Iinjが基準電流値I_Th2を下回り、この第3のタイミングt33が基準立ち下がり検出時点であると誤って検出されることがある。この場合、通電開始時点である第1のタイミングt31から第2のタイミングt32までの時間が基準立ち下がり検出時間T3rとされてしまう。
本実施形態の燃料噴射弁の制御装置10にあっては、このように励磁電流Iinjにノイズが重畳した際の対策として、ノイズ判定値ΔTnを予め設定している。そして、基準立ち上がり検出時点である第2のタイミングt32からノイズ判定値ΔTnに相当する時間が経過する第4のタイミングt34までに、励磁電流Iinjが基準電流値I_Th2を下回ることがあった場合には、励磁電流Iinjにノイズが重畳したことによる基準立ち下がり検出時点の誤検出であると判定される。
図7に戻り、上記の差(=T3r−T2r)がノイズ判定値ΔTnよりも大きい場合(ステップS202:YES)、すなわち基準立ち下がり検出時点を正しく検出できた場合、ECU14は、その処理を後述するステップS204に移行する。一方、上記の差(=T3r−T2r)がノイズ判定値ΔTn以下である場合(ステップS202:NO)、すなわち基準立ち下がり検出時点を誤検出した場合、ECU14は、その処理を次のステップS203に移行する。そして、ステップS203において、ECU14は、ばらつき比学習値Rcの前回の算出時に用いた基準立ち上がり検出時間を取得し、取得した値を今回のばらつき比学習値Rcの算出に用いる基準立ち上がり検出時間T2rとする。また、ECU14は、ばらつき比学習値Rcの前回の算出時に用いた基準立ち下がり検出時間を取得し、取得した値を今回のばらつき比学習値Rcの算出に用いる基準立ち下がり検出時間T3rとする。そして、ECU14は、その処理を次のステップS204に移行する。
ステップS204において、ECU14は、基準立ち下がり検出時間T3rに対して基準変換係数Aを乗じ、この積(=T3r×A)を基準立ち上がり算出時間T2cとする。
図10に示すように、励磁電流Iinjがピーク電流値Ipまで上昇する際の励磁電流の上昇速度と比較して、励磁電流Iinjがピーク電流値Ipから低下する際の励磁電流の低下速度は非常に速い。そのため、同一の電流検出回路42を用いて励磁電流Iinjを監視しても、基準立ち下がり検出時点t43は、基準立ち上がり検出時点t41よりもばらつきにくい。
図10に示すように、励磁電流Iinjがピーク電流値Ipまで上昇する際の励磁電流の上昇速度と比較して、励磁電流Iinjがピーク電流値Ipから低下する際の励磁電流の低下速度は非常に速い。そのため、同一の電流検出回路42を用いて励磁電流Iinjを監視しても、基準立ち下がり検出時点t43は、基準立ち上がり検出時点t41よりもばらつきにくい。
また、ピーク電流値Ipがピーク設定値Ipaで一定である条件下にあっては、励磁電流Iinjがピーク電流値Ipに向けて上昇する際の励磁電流の上昇速度と、励磁電流Iinjがピーク電流値Ipから低下する際の励磁電流の低下速度とは一定の相関関係を有する。すなわち、基準立ち上がり検出時点t41からピーク到達時点t42までの時間Δt11は、ピーク到達時点t42から基準立ち下がり検出時点t43までの時間Δt12が長いときほど長くなる。そのため、この相関関係に対応する基準変換係数Aを予め用意しておき、計測された基準立ち下がり検出時間T3rに基準変換係数Aを乗ずることにより、通電開始時点から基準立ち上がり検出時点t41までの時間の算出値である基準立ち上がり算出時間T2cが算出される。
図7に戻り、ステップS204で基準立ち上がり算出時間T2cを算出したECU14は、基準立ち上がり算出時間T2cを基準立ち上がり検出時間T2rで除し、この商(=T2c/T2r)を基準立ち上がりばらつき比Raとする(ステップS205)。この基準立ち上がりばらつき比Raは、基準立ち上がり検出時点での電流検出回路42による電流値の検出誤差に起因する値となる。そして、ECU14は、ステップS205で算出した基準立ち上がりばらつき比Raに基づき、基準立ち下がり検出時点での電流検出回路42による電流値の検出誤差に起因する基準立ち下がりばらつき比Rbを算出する(ステップS206)。
図11に示すように、電流検出回路42によって検出される励磁電流Iinjには検出誤差が含まれているため、基準立ち上がり検出時点t51を検出した場合であっても、実際の電流値は、電流検出回路42の検出誤差などによって決まる電流検出範囲HI内でばらつきうる。こうした実際の電流値と電流検出回路42によって検出される電流値との乖離は、ピーク到達時点t52よりもあとの基準立ち下がり検出時点t53を検出する場合であっても同じように生じる。すなわち、基準立ち下がり検出時点t53を検出した場合でも、実際の電流値は、上記電流検出範囲HI内でばらつきうる。つまり、基準立ち上がりばらつき比Raと基準立ち下がりばらつき比Rbとは一定の相関関係を有し、基準立ち下がりばらつき比Rbは基準立ち上がりばらつき比Raが大きいときほど大きくなる。
本実施形態の燃料噴射弁の制御装置10にあっては、図12に示すマップを予め用意し、このマップを用い、基準立ち下がりばらつき比Rbを算出するようにしている。
図12に示すマップは、基準立ち上がりばらつき比Raと基準立ち下りばらつき比Rbとの関係を示している。図12に示すように、基準立ち下りばらつき比Rbは、基準立ち上がりばらつき比Raが大きいときほど大きくなる。
図12に示すマップは、基準立ち上がりばらつき比Raと基準立ち下りばらつき比Rbとの関係を示している。図12に示すように、基準立ち下りばらつき比Rbは、基準立ち上がりばらつき比Raが大きいときほど大きくなる。
図7に戻り、ステップS206で基準立ち下がりばらつき比Rbを算出したECU14は、基準立ち下がり検出時間T3rに基準立ち下がりばらつき比Rbを乗じ、この積(=T3r×Rb)を基準立ち下がり算出時間T3cとする(ステップS207)。この基準立ち下がり算出時間T3cは電流検出回路42によって検出される電流値のばらつきに左右されにくい値であるため、その精度は基準立ち下がり検出時間T3rの精度よりも高い。続いて、ECU14は、算出した基準立ち下がり算出時間T3cに対して学習変換係数Bを乗じ、この積(=T3c×B)を学習立ち上がり算出時間T1cとする(ステップS208)。
上述したように、ピーク電流値Ipがピーク設定値Ipaで一定である条件下にあっては、励磁電流Iinjがピーク電流値Ipまで上昇する際の励磁電流の上昇速度と、励磁電流Iinjがピーク電流値Ipから低下する際の励磁電流の低下速度とは一定の相関関係を有する。すなわち、学習立ち上がり検出時点からピーク到達時点までの時間は、ピーク到達時点から基準立ち下がり検出時点までの時間が長いときほど長くなる。そのため、この相関関係に対応する学習変換係数Bを予め用意しておき、算出した基準立ち下がり算出時間T3cに学習変換係数Bを乗ずることにより、通電開始時点から学習立ち上がり検出時点までの時間の算出値である学習立ち上がり算出時間T1cが算出される。
そして、ECU14は、上記ステップS12で検出したコンデンサ電圧Vcに基づいたコンデンサ電圧補正値Ycを決定する(ステップS209)。
コンデンサ電圧Vcが低い状態とは、開弁期間TO中に燃料噴射弁20のソレノイド21に印加される電圧が低いこととなるため、ソレノイド21に流れる励磁電流Iinjの上昇速度が緩やかになりやすい。そのため、ばらつき比学習値Rcの算出を行う燃料噴射時においてコンデンサ電圧Vcが低いときには、今回の通電開始時点におけるコンデンサ電圧Vcの低下に起因する影響を極力排除できるように、学習立ち上がり算出時間T1cを補正することが好ましい。そこで、本実施形態の燃料噴射弁の制御装置10にあっては、図13に示すマップを用い、コンデンサ電圧補正値Ycを、今回の通電開始時点におけるコンデンサ電圧Vcに応じた値に決定するようにしている。
コンデンサ電圧Vcが低い状態とは、開弁期間TO中に燃料噴射弁20のソレノイド21に印加される電圧が低いこととなるため、ソレノイド21に流れる励磁電流Iinjの上昇速度が緩やかになりやすい。そのため、ばらつき比学習値Rcの算出を行う燃料噴射時においてコンデンサ電圧Vcが低いときには、今回の通電開始時点におけるコンデンサ電圧Vcの低下に起因する影響を極力排除できるように、学習立ち上がり算出時間T1cを補正することが好ましい。そこで、本実施形態の燃料噴射弁の制御装置10にあっては、図13に示すマップを用い、コンデンサ電圧補正値Ycを、今回の通電開始時点におけるコンデンサ電圧Vcに応じた値に決定するようにしている。
図13に示すマップは、通電開始時点におけるコンデンサ電圧Vcとコンデンサ電圧補正値Ycとの関係を示すマップである。図13に示すように、コンデンサ電圧補正値Ycは、通電開始時点におけるコンデンサ電圧Vcが大きいときほど小さくなる。そして、通電開始時点におけるコンデンサ電圧Vcが最大電圧値Vcmax以上である場合、コンデンサ電圧補正値Ycは「0(零)」となる。なお、この最大電圧値Vcmaxは、コンデンサ12の容量の設計値から想定することのできるコンデンサ電圧の最大値である。
図7に戻り、ステップS209でコンデンサ電圧補正値Ycを決定したECU14は、ステップS208で算出した学習立ち上がり算出時間T1cからコンデンサ電圧補正値Ycを減算し、この差(=T1c−Yc)を学習立ち上がり算出時間T1cとする(ステップS210)。このステップS210では、学習立ち上がり算出時間T1cは、今回の通電開始時点におけるコンデンサ電圧Vcが低いときほど小さくされる。続いて、ECU14は、ステップS210で補正した学習立ち上がり算出時間T1cを学習立ち上がり検出時間T1rで除し、この商(=T1c/T1r)をばらつき比学習値Rcとする(ステップS211)。そして、ECU14は、本処理ルーチンを終了する。
次に、図8に示すフローチャートと、図14に示すタイミングチャートと、図15及び図16に示すマップとを参照して、上記ステップS14の無効噴射時間TAの算出処理ルーチンについて説明する。
図8に示すように、本処理ルーチンにおいて、ECU14は、ばらつき比学習値Rcの学習を完了しているか否かを判定する(ステップS301)。ばらつき比学習値Rcの学習が未だ完了していない場合(ステップS301:NO)、ECU14は、予め設定されているばらつき比学習値の初期値Rcbを演算値Rdとして設定する(ステップS302)。続いて、ECU14は、徐変カウンタNに「1」をセットし(ステップS303)、その処理を後述するステップS308に移行する。
ここで、ばらつき比学習値の初期値Rcbについて説明する。
図14に示すように、電流検出回路42によって検出される励磁電流Iinjが学習電流値I_Th1を上回る時点である学習立ち上がり検出時点は、電流検出回路42によって検出される電流値のばらつきによって、第2のタイミングt62と第4のタイミングt64との間でばらつきうる。すなわち、電流検出回路42によって励磁電流Iinjが実際の励磁電流よりも大きく検出される場合には、実際の励磁電流が学習電流値I_Th1を上回る第3のタイミングt63よりも早いタイミングで学習立ち上がり検出時点が検出される。また、電流検出回路42によって励磁電流Iinjが実際の励磁電流よりも小さく検出される場合には、第3のタイミングt63よりも遅いタイミングで学習立ち上がり検出時点が検出される。
図14に示すように、電流検出回路42によって検出される励磁電流Iinjが学習電流値I_Th1を上回る時点である学習立ち上がり検出時点は、電流検出回路42によって検出される電流値のばらつきによって、第2のタイミングt62と第4のタイミングt64との間でばらつきうる。すなわち、電流検出回路42によって励磁電流Iinjが実際の励磁電流よりも大きく検出される場合には、実際の励磁電流が学習電流値I_Th1を上回る第3のタイミングt63よりも早いタイミングで学習立ち上がり検出時点が検出される。また、電流検出回路42によって励磁電流Iinjが実際の励磁電流よりも小さく検出される場合には、第3のタイミングt63よりも遅いタイミングで学習立ち上がり検出時点が検出される。
ちなみに、第2のタイミングt62は、学習立ち上がり検出時点が最も早く検出されうるタイミングであり、通電開始時点である第1のタイミングt61から第2のタイミングt62までの時間である学習立ち上がり検出時間の最小値T1rminは、実験やシミュレーションなどによって予め設定することができる。また、第4のタイミングt64は、学習立ち上がり検出時点が最も遅く検出されうるタイミングであり、第1のタイミングt61から第4のタイミングt64までの時間である学習立ち上がり検出時間の最大値T1rmaxもまた、最小値T1rminと同様に、実験やシミュレーションなどによって予め設定することができる。さらに、第1のタイミングt61から第3のタイミングt63までの時間である学習立ち上がり検出時間の中央特性値T1rmidもまた、実験やシミュレーションなどによって予め設定することができる。
上述したように、学習立ち上がり検出時間T1rは、最小値T1rminと最大値T1rmaxとの間でばらつきうるのに対し、学習立ち上がり検出時間T1rよりも精度の高い学習立ち上がり算出時間T1cは、学習立ち上がり検出時間T1rよりも狭い範囲内でばらつきうる。すなわち、学習立ち上がり算出時間T1cは、学習立ち上がり検出時間の中央特性値T1rmid近傍でばらつくこととなる。
上記のことを加味し、ばらつき比学習値の初期値Rcbは、以下に示す関係式(式2)を用いて算出される。そして、このように算出したばらつき比学習値の初期値RcbがECU14のメモリに予め記憶されている。
図8に戻り、ばらつき比学習値Rcの学習が完了している場合(ステップS301:YES)、ECU14は、徐変カウンタNが予め設定されているカウント判定値M未満であるか否かを判定する(ステップS304)。徐変カウンタNがカウント判定値M未満である場合(ステップS304:YES)、ECU14は、以下に示す関係式(式3)を用い、演算値Rdを算出する(ステップS305)。
その一方で、徐変カウンタNがカウント判定値M以上である場合(ステップS304:NO)、ECU14は、学習されているばらつき比学習値Rcを演算値Rdとして設定し(ステップS307)、その処理を次のステップS308に移行する。
ステップS308において、ECU14は、今回の燃料噴射に際して計測された学習立ち上がり検出時間T1rが所定の許容下限値T1rmin1以上であって且つ所定の許容上限値T1rmax1以下であるか否かを判定する。許容下限値T1rmin1は、電流検出回路42の特性や今回の燃料噴射に対して設定されているピーク電流値Ipなどから想定できる学習立ち上がり検出時間の最小値よりも短い時間に設定されている。同様に、許容上限値T1rmax1は、電流検出回路42の特性や今回の燃料噴射に対して設定されているピーク電流値Ipなどから想定できる学習立ち上がり検出時間の最大値よりも長い時間に設定されている。そのため、学習立ち上がり検出時間T1rが許容下限値T1rmin1未満であったり、学習立ち上がり検出時間T1rが許容上限値T1rmax1を超えていたりする場合、すなわち学習立ち上がり検出時間T1rが所定の許容範囲内に含まれていない場合、学習立ち上がり検出時間T1rを正確に計測できていない異常状態であると判定することができる。
そして、学習立ち上がり検出時間T1rが許容下限値T1rmin1以上であって且つ許容上限値T1rmax1以下である場合(ステップS308:YES)、すなわち学習立ち上がり検出時間T1rが許容範囲内に含まれている場合、ECU14は、その処理を次のステップS309に移行する。ステップS309において、ECU14は、今回の燃料噴射に際して計測された学習立ち上がり検出時間T1rに上記演算値Rdを乗じ、この積(=T1r×Rd)を学習算出時間T4cとする。この学習算出時間T4cは、今回の燃料噴射における通電開始時点から学習立ち上がり検出時点までの時間の算出値に相当する。続いて、ECU14は、異常判定補正値Yuを「0(零)」とし(ステップS310)、その処理を後述するステップS314に移行する。
一方、学習立ち上がり検出時間T1rが許容下限値T1rmin1未満である場合又は学習立ち上がり検出時間T1rが許容上限値T1rmax1を超えている場合(ステップS308:NO)、ECU14は、前回の燃料噴射時に算出された学習立ち上がり検出時間を取得し、この取得した値を前回の学習立ち上がり検出時間T1rbに設定する(ステップS311)。そして、ECU14は、取得した前回の学習立ち上がり検出時間T1rbに演算値Rdを乗じ、この積(=T1rb×Rd)を学習算出時間T4cとする(ステップS312)。続いて、ECU14は、異常判定補正値Yuに予め設定されている所定値(>0(零))をセットする(ステップS313)。この所定値は、算出される無効噴射時間TAが実際の無効噴射時間よりも長くなるように設定されている。そして、ECU14は、その処理を次のステップS314に移行する。
ステップS314において、ECU14は、図15に示すマップを用い、燃圧補正係数Zpを、上記ステップS103で算出した噴射時燃圧Pinjに応じた値に決定する。
図15に示すマップは、燃圧補正係数Zpと噴射時燃圧Pinjとの関係を示すマップである。図15に示すように、燃圧補正係数Zpは、噴射時燃圧Pinjが高いときほど大きい値とされる。
図15に示すマップは、燃圧補正係数Zpと噴射時燃圧Pinjとの関係を示すマップである。図15に示すように、燃圧補正係数Zpは、噴射時燃圧Pinjが高いときほど大きい値とされる。
図8に戻り、ステップS314で燃圧補正係数Zpを決定したECU14は、今回の燃料噴射に際して燃料噴射を行う燃料噴射弁20のソレノイド21の抵抗値に起因するソレノイド抵抗補正値Yinjを取得する(ステップS315)。燃料噴射弁20のソレノイド21の抵抗値は、ソレノイド21の製造誤差の関係上、固体毎に異なることがある。こうした個体差に起因するソレノイド21の抵抗値に対応する補正成分であるソレノイド抵抗補正値Yinjは、例えば、出荷時の検査結果などに基づいて予め設定されている。
そして、ECU14は、内燃機関の運転状態が、燃料噴射弁20による燃焼室内への燃料の直接噴射を禁止する噴射禁止状態から燃料噴射弁20による燃焼室内への燃料の直接噴射を行う噴射許可状態に移行した直後であるか否かを判定する(ステップS316)。
噴射許可状態が継続しているときには、燃料噴射弁20から燃料が噴射されているため、燃料噴射弁20による前回の燃料噴射時点と今回の燃料噴射時点とでは燃料噴射弁20の温度がほとんど変化していない。その一方で、噴射禁止状態は、アイドルストップ中などのように機関運転が間欠停止している場合の運転状態である。また、燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁20に加え、吸気通路内に燃料を噴射するポート噴射用の燃料噴射弁も備える内燃機関にあっては、吸気通路内への燃料噴射のみによって機関運転を行っている状態も噴射禁止状態となる。さらに、モータなどのように内燃機関以外の他の動力源を有する車両にあっては、他の動力源を用いた走行モードであるときのように間欠停止している内燃機関の状態も噴射禁止状態となる。
噴射禁止状態が継続しているときには、燃料噴射弁20から燃料が噴射されていないため、燃料噴射弁20による燃料噴射に伴う冷却作用が生じず、燃料噴射弁20の温度が高くなることがある。この場合、ソレノイド21の温度上昇によって同ソレノイド21の抵抗値が高くなる。そして、このように燃料噴射弁20の温度が高くなってから噴射許可状態となり、燃料噴射弁20から燃料を噴射させる場合にあっては、ソレノイド21の抵抗値が高くなったために開弁しにくくなっていることがある。
すなわち、内燃機関の状態が噴射禁止状態から噴射許可状態に移行し、燃料噴射弁20からの燃料噴射が再開される場合、燃料噴射弁20の開弁特性は、内燃機関の状態が噴射禁止状態となる前における燃料噴射弁20の開弁特性と乖離している可能性がある。そのため、内燃機関の運転状態が噴射禁止状態から噴射許可状態に移行した直後であるか否かによって、無効噴射時間TAの算出方法を変更することが好ましい。
そして、噴射許可状態が継続されている場合(ステップS316:NO)、ECU14は、以下に示す関係式(式4)を用い、無効噴射時間TAを算出し(ステップS317)、本処理ルーチンを終了する。
図16に示すマップは、温度補正値Ytmpと噴射弁温度変化量ΔTMPとの関係を示すマップである。図16に示すように、噴射弁温度変化量ΔTMPが基準変化量ΔTMPb以下である場合、温度補正値Ytmpは「0(零)」とされる。これは、噴射弁温度変化量ΔTMPが基準変化量ΔTMPb以下である場合、燃料噴射弁20の温度変化に起因するソレノイド21の抵抗値の変化が無視できる程度であると推定できるためである。その一方で、噴射弁温度変化量ΔTMPが基準変化量ΔTMPbを超えている場合、温度補正値Ytmpは、噴射弁温度変化量ΔTMPが大きいときほど大きい値とされる。
図8に戻り、ステップS319で温度補正値Ytmpを決定したECU14は、内燃機関の状態が噴射禁止状態となる前において最後に算出された学習算出時間を取得し、この取得した値を前回の学習算出時間T4cbに設定する(ステップS320)。そして、ECU14は、以下に示す関係式(式5)を用い、無効噴射時間TAを算出し(ステップS321)、本処理ルーチンを終了する。
イグニッションスイッチのオン操作などの運転開始操作が行われると、機関運転が開始される。そして、内燃機関の状態が、燃料噴射弁20から燃焼室内に燃料を直接噴射させる噴射許可状態になると、燃料噴射弁20から燃料が噴射されるようになる。こうした燃料噴射弁20への通電に際して設定されたピーク電流値Ipがピーク設定値Ipaである場合、今回の燃料噴射時にばらつき比学習値Rcの算出が行われる(ステップS14)。
なお、ばらつき比学習値Rcの算出を伴う燃料噴射時にあっては、ばらつき比学習値Rcの算出が完了していない(ステップS301:NO)。そのため、励磁電流Iinjが学習電流値I_Th1を上回る学習立ち上がり検出時点になると、通電開始時点から学習立ち上がり検出時点までの時間の計測値である学習立ち上がり検出時間T1rに予め設定されているばらつき比学習値の初期値Rcbを乗ずることにより学習算出時間T4cが算出される(ステップS302,S308)。そして、この学習算出時間T4cが長いほど今回の燃料噴射時における無効噴射時間TAが長くされる(ステップS315)。このとき、無効噴射時間TAは、噴射時燃圧Pinjによっても調整される(ステップS312,S315)。こうした無効噴射時間TAを用いて通電時間TIを算出することにより、燃料の実際の噴射量が要求噴射量よりも少なくなることが抑制される。
そして、このような燃料噴射弁20による燃料噴射時では、学習立ち上がり検出時間T1rだけではなく、基準立ち上がり検出時間T2r及び基準立ち下がり検出時間T3rもまた計測される。また、こうした検出時間T1r〜T3rの計測だけではなく、基準立ち上がり算出時間T2c、基準立ち下がり算出時間T3c及び学習立ち上がり算出時間T1cが算出される(ステップS204〜S208)。そして、学習立ち上がり算出時間T1cが通電開始時点のコンデンサ電圧Vcに基づいて補正されると(ステップS220)、補正後の学習立ち上がり算出時間T1cを学習立ち上がり検出時間T1rで除することによりばらつき比学習値Rcが算出される。
こうしてばらつき比学習値Rcが算出されると、それ以降の燃料噴射以降では、燃料噴射弁20による燃料噴射が行われる度に、演算値Rdがばらつき比学習値の初期値Rcbからばらつき比学習値Rcに次第に近づけられる(ステップS304〜S306)。そのため、電流検出回路42によって検出される電流値のばらつきの影響が小さくなり、燃料の実際の噴射量が要求噴射量に次第に近づくこととなる。
上記構成及び作用によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)基準立ち下がり検出時間T3rは、計測値であるため、電流検出回路42によって検出される電流値のばらつきの影響を含んでいる。これに対し、基準立ち下がり算出時間T3cは、電流検出回路42によって検出される電流値のばらつきの影響がある程度排除された値となるため、基準立ち下がり検出時間T3rよりも精度の高い値となる。そして、こうした基準立ち下がり算出時間T3cに基づいて無効噴射時間TAが算出される。そのため、無効噴射時間TAを精度良く算出することができ、通電時間TIを要求噴射量に見合った適切な値に設定することができる。
(1)基準立ち下がり検出時間T3rは、計測値であるため、電流検出回路42によって検出される電流値のばらつきの影響を含んでいる。これに対し、基準立ち下がり算出時間T3cは、電流検出回路42によって検出される電流値のばらつきの影響がある程度排除された値となるため、基準立ち下がり検出時間T3rよりも精度の高い値となる。そして、こうした基準立ち下がり算出時間T3cに基づいて無効噴射時間TAが算出される。そのため、無効噴射時間TAを精度良く算出することができ、通電時間TIを要求噴射量に見合った適切な値に設定することができる。
(2)さらに、本実施形態の燃料噴射弁の制御装置10では、基準立ち下がり検出時間T3rを用いてばらつき比学習値Rcが算出される。そして、燃料噴射弁20による燃料噴射時に際しては、通電開始時点から励磁電流Iinjが学習電流値I_Th1を上回る時点までの学習立ち上がり検出時間T1rを計測し、この学習立ち上がり検出時間T1rにばらつき比学習値Rcを乗じた学習算出時間T4cに基づいて無効噴射時間TAが算出される。上記の学習電流値I_Th1は、燃料噴射弁20に対して設定される要求噴射量が最小値である場合であっても、励磁電流Iinjが学習電流値I_Th1を必ず上回ることができるような値に設定されている。そのため、励磁電流Iinjがピーク電流値Ipに達する前に通電が終了されるような短い燃料噴射時であっても、無効噴射時間TAを適切に算出でき、通電時間TIを適切に調整することができる。
(3)励磁電流Iinjがピーク電流値Ipに達する前に燃料噴射弁20への通電が終了されるときには、基準立ち下がり検出時間T3rを検出することができず、適切なばらつき比学習値Rcを算出できないおそれがある。そこで、算出された通電時間TIがピーク到達時間TI_th以下である場合には、励磁電流Iinjがピーク電流値Ipに達する前に燃料噴射弁20への通電が終了されるおそれがあるため、ばらつき比学習値Rcを算出しないようにした。したがって、精度の低いばらつき比学習値Rcを用いての無効噴射時間TAの算出が行われにくくなるため、無効噴射時間TAの算出精度の低下を抑制することができる。
(4)励磁電流Iinjがピーク電流値Ipに向けて上昇する際の励磁電流の上昇速度と、励磁電流Iinjがピーク電流値Ipから低下する際の励磁電流の低下速度との相関関係は、設定されているピーク電流値Ipの大きさによって変わりうる。そこで、本実施形態の燃料噴射弁の制御装置10では、ピーク電流値Ipがピーク設定値Ipaに設定されているときに限って、ばらつき比学習値Rcの算出を許可するようにした。これにより、基準立ち上がり算出時間T2cの算出に用いる基準変換係数A及び学習立ち上がり算出時間T1cの算出に用いる学習変換係数Bを、ピーク設定値Ipaに基づいた値のみを用意することにより、ばらつき比学習値Rcの算出を行うことができる。したがって、複数の基準変換係数A及び複数の学習変換係数Bを用意する必要がない分、こうした係数の記憶に要するメモリ内の記憶容量を少なくすることができる。
(5)また、ばらつき比学習値Rcの算出が未だ完了していないときにおける燃料噴射時に際しては、予め設定されているばらつき比学習値の初期値Rcbを用いて無効噴射時間TAが算出される。こうして算出された無効噴射時間TAは、実際の無効噴射時間よりも長くなるため、燃料の実際の噴射量が要求噴射量未満になることを抑制することができる。
(6)そして、ばらつき比学習値Rcの学習が完了した後での燃料噴射時においては、無効噴射時間TAの算出時に学習立ち上がり検出時間T1rに乗ずる演算値Rdを、燃料噴射弁20からの燃料噴射を行う度にばらつき比学習値の初期値Rcbからばらつき比学習値Rcに次第に近づけるようにした。そのため、ばらつき比学習値の初期値Rcbと算出されたばらつき比学習値Rcとの差が大きい場合、無効噴射時間TAが徐々に変更される。したがって、初期値から算出値へのばらつき比学習値の切り替え時における燃料噴射量の急変を抑制することができる。
(7)ところで、内燃機関の運転状態が噴射禁止状態であるときには、燃料噴射弁20による燃料噴射が行われないため、燃料噴射に伴う冷却作用が生じず、燃料噴射弁20の温度が高くなることがある。この場合、燃料噴射弁20のソレノイド21の抵抗値が高くなり、燃料噴射弁20が開弁しにくくなる。これに対し、本実施形態の燃料噴射弁の制御装置10では、内燃機関の運転状態が噴射禁止状態から噴射許可状態に移行した場合には、前回に内燃機関の運転状態が噴射許可状態であったときに最後に検出された学習立ち上がり検出時間T1rにばらつき比学習値Rcを乗じた前回の学習算出時間T4cbが取得される。そして、この前回の学習算出時間T4cbに応じた値に温度補正値Ytmpを加算し、この和に基づいて無効噴射時間TAが算出される。これにより、噴射許可状態への移行直後における燃料噴射時には、電流検出回路42による励磁電流Iinjの検出が行われていなくても、燃料噴射が禁止されていた間の燃料噴射弁20の温度上昇を加味して無効噴射時間TAを算出することができる。
(8)なお、温度補正値Ytmpは、内燃機関の状態が噴射禁止状態であった間における燃料噴射弁20の温度上昇量である噴射弁温度変化量ΔTMPが大きいときほど大きくされる。そのため、噴射弁温度変化量ΔTMPが大きく、燃料噴射弁20が開弁しにくいときほど、無効噴射時間TAを長くすることができる。したがって、温度上昇による燃料噴射弁20の開弁特性の変化にあわせた態様で無効噴射時間TAを算出することができる。
(9)燃料噴射弁20のソレノイド21の抵抗値はソレノイド21の温度によって変わるため、燃料噴射弁20の噴射特性は、燃料噴射弁20の設置環境温度によって変わりうる。すなわち、設置環境温度が異なる種々の状況下でばらつき比学習値Rcを算出した場合、ばらつき比学習値Rcは、算出された際の設置環境温度によってばらつく。
また、機関始動からそれほど時間が経過していないときには、機関温度が外気温に近い温度であるため、機関温度は外気温が取りうる一定の温度範囲内に含まれやすい。そのため、機関始動から所定期間が経過するまでの間でばらつき比学習値Rcの算出を行うようにした場合、設置環境温度に起因するばらつきを抑えたばらつき比学習値Rcを用いて無効噴射時間TAを算出することにより、その算出精度を向上させることができる。
(10)コンデンサ12から燃料噴射弁20への通電が終了すると、バッテリ30からの充電によってコンデンサ電圧Vcが回復される。そして、こうしたコンデンサ電圧Vcの回復途中で燃料噴射の開始が要求されることがある。この場合、コンデンサ電圧Vcが回復してからの燃料噴射時と比較して、燃料噴射弁20が開弁しにくくなる。
また、コンデンサ12の容量は、コンデンサ12の製造上の個体差、コンデンサ12の経年変化などによってばらつく。そのため、コンデンサ電圧Vcがその時点の容量に応じた上限電圧になっていたとしても、そのときのコンデンサ12の容量に応じて、燃料噴射弁20の開弁しにくさが変わることがありうる。
そこで、本実施形態の燃料噴射弁の制御装置10では、通電開始時点のコンデンサ電圧Vcが低いときほどコンデンサ電圧補正値Ycを大きくし、このコンデンサ電圧補正値Ycを用いて学習立ち上がり算出時間T1cを補正するようにした。これにより、通電開始時点のコンデンサ電圧Vcが低いときほど、学習立ち上がり算出時間T1cが短くされる。そして、このように補正された学習立ち上がり算出時間T1cを用いてばらつき比学習値Rcを算出するようにしたことにより、コンデンサ電圧Vcによる影響を極力排除した状態でばらつき比学習値Rcを算出することができる。その結果、こうしたばらつき比学習値Rcを用いて無効噴射時間TAを算出することにより、その算出精度の低下を抑制することができる。
(11)計測された学習立ち上がり検出時間T1rが許容範囲内に含まれないときには、前回の燃料噴射時に計測された学習立ち上がり検出時間が前回の学習立ち上がり検出時間T1rbとして取得される。そして、この前回の学習立ち上がり検出時間T1rbにばらつき比学習値Rcを乗ずることにより学習算出時間T4cが算出され、この学習算出時間T4cに異常判定補正値Yu、すなわち所定値を加算し、この和に基づいて無効噴射時間TAが算出される。そのため、無効噴射時間TAが実際の無効噴射時間よりも長くなり、燃料の実際の噴射量が要求噴射量未満となることを抑制することができる。
(12)基準立ち上がり検出時間T2rと基準立ち下がり検出時間T3rとの差がノイズ判定値ΔTn以下であるときには、励磁電流Iinjにノイズが重畳したことに起因する基準立ち下がり検出時点などの誤検出の可能性があるため、前回の基準立ち上がり算出時間と前回の基準立ち下がり算出時間とを用いてばらつき比学習値Rcが算出される。そのため、励磁電流Iinjにノイズが重畳したことによる基準立ち下がり検出時点などの誤検出の影響により、算出される無効噴射時間TAと実際の無効噴射時間との乖離が大きくなることを抑制することができる。
(13)デリバリパイプ54内の燃料圧力が高いときほど燃料噴射弁20が開弁しにくくなるため、噴射時燃圧Pinjが高いときほど、無効噴射時間TAが長くされる。したがって、デリバリパイプ54内の燃料圧力の変化による燃料噴射弁20の開弁特性にあわせた態様で無効噴射時間TAを算出することができる。
(14)なお、噴射時燃圧Pinjは、燃圧センサ値Prに、燃圧センサ値Prの検出時点から通電開始時点までの期間における高圧燃料ポンプ53からの燃料吐出量が多いほど大きくなる燃圧増大値ΔPを加算することにより算出される。そのため、燃圧センサ43による燃料圧力の検出周期の合間に燃料噴射が行われる場合であっても、燃圧センサ43による燃圧センサ値Prの検出時点から通電開始時点までの期間における燃料圧力の増大を加味して、噴射時燃圧Pinjを精度よく算出することができる。そして、こうした噴射時燃圧Pinjを用いて無効噴射時間TAを算出することにより、その算出精度を向上させることができる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・燃圧増大値ΔPの算出方法として、燃圧センサ値Prの検出時点から通電開始時点までの期間における高圧燃料ポンプ53からの燃料吐出量に基づいて求める方法を例示したが、燃圧センサ値Prの検出時点から通電開始時点までのデリバリパイプ54内の燃料圧力の変動を推定できるのであれば他の任意の方法を採用してもよい。
・燃圧増大値ΔPの算出方法として、燃圧センサ値Prの検出時点から通電開始時点までの期間における高圧燃料ポンプ53からの燃料吐出量に基づいて求める方法を例示したが、燃圧センサ値Prの検出時点から通電開始時点までのデリバリパイプ54内の燃料圧力の変動を推定できるのであれば他の任意の方法を採用してもよい。
・噴射時燃圧Pinjを、燃圧センサ43によって最後に検出された燃圧センサ値Prとしてもよい。この場合、上記実施形態の場合と比較して、噴射時燃圧Pinjに基づいた燃圧補正係数Zpの設定精度が多少低くなるものの、噴射時燃圧Pinjの算出に要する制御負荷を低減させることができる。
・無効噴射時間TAを算出するに際し、噴射時燃圧Pinjに応じた燃圧補正係数Zpを学習算出時間T4cに乗ずるのではなく、噴射時燃圧Pinjが大きいほど大きい値に決定される補正値を求め、この補正値を学習算出時間T4cに加算することにより無効噴射時間TAを算出するようにしてもよい。このような制御構成を採用しても、無効噴射時間TAを、噴射時燃圧Pinjが高いときほど長くすることができる。
・噴射時燃圧Pinjによる燃料噴射弁20の開弁特性の変動が極めて小さい場合には、噴射時燃圧Pinjを考慮することなく無効噴射時間TAを算出するようにしてもよい。
・基準立ち上がり検出時間T2rと基準立ち下がり検出時間T3rとの差がノイズ判定値ΔTn以下であるときには、ばらつき比学習値Rcの算出を禁止するようにしてもよい。この場合、次回以降の燃料噴射時において基準立ち上がり検出時間T2rと基準立ち下がり検出時間T3rとの差がノイズ判定値ΔTnよりも大きいときに、これら各検出時間T2r,T3rを用いてばらつき比学習値Rcを算出することが好ましい。
・学習立ち上がり検出時間T1rが許容範囲内に含まれない場合には、無効噴射時間TAを予め設定された異常時無効噴射時間に設定するようにしてもよい。ただし、異常時無効噴射時間は、燃料噴射弁20及び制御装置10の特性上、算出されうる無効噴射時間の最大値よりも大きい値であることが好ましい。これによれば、学習立ち上がり検出時間T1rが許容範囲内に含まれなくなるような異常が発生しているときであっても、燃料の実際の噴射量が要求噴射量未満となることを抑制することができる。
・通電開始時点におけるコンデンサ電圧Vcに基づいてばらつき比学習値Rcを算出することができるのであれば、通電開始時点におけるコンデンサ電圧Vcに応じたコンデンサ電圧補正値Ycに基づいて学習立ち上がり算出時間T1cを補正する方法以外の他の方法で学習立ち上がり算出時間T1cを補正するようにしてもよい。例えば、通電開始時点におけるコンデンサ電圧Vcが小さいときほど大きくされる補正係数を求め、この補正係数を学習立ち上がり算出時間T1cに乗ずることにより学習立ち上がり算出時間T1cを補正するようにしてもよい。このような制御構成を採用しても、通電開始時点におけるコンデンサ電圧Vcが低いときほど学習立ち上がり算出時間T1cが小さくなり、コンデンサ電圧Vcによる影響を極力排除した状態でばらつき比学習値Rcを算出することができる。
・機関温度が所定の温度範囲内に含まれる可能性があるときに限ってばらつき比学習値Rcの算出を許可することができるのであれば、機関始動から所定期間が未だ経過していないときに限ってばらつき比学習値Rcの算出を許可する方法以外の他の方法を採用してもよい。例えば、内燃機関内を循環する冷却水の水温などに基づいて機関温度を推定し、この機関温度が所定の温度範囲内に含まれているときに限ってばらつき比学習値Rcの算出を許可するようにしてもよい。
・ばらつき比学習値Rcの算出が完了した後、演算値Rdを初期値Rcbから演算値(すなわち、ばらつき比学習値Rc)へと一気に切り替えるようにしてもよい。しかし、この場合には初期値Rcbと学習されたばらつき比学習値Rcとの差が大きいときには、切り替えに伴って無効噴射時間TAが急変することになる。そのため、こうした急変による燃料噴射量の急変を抑制する上では、上記実施形態のように、演算値Rdをばらつき比学習値の初期値Rcbからばらつき比学習値Rcに次第に近づける構成を採用することが好ましい。
・ばらつき比学習値の初期値Rcbは、算出されうるばらつき比学習値Rcよりも大きい値であれば、中央特性値T1rmidを最小値T1rminで除した値以外の値であってもよい。例えば、最大値T1rmaxを最小値T1rminで除した値をばらつき比学習値の初期値Rcbとしてもよい。
・基準立ち下がり算出時間T3cに基づいて無効噴射時間TAを算出できるのであれば、ばらつき比学習値Rcを算出し、このばらつき比学習値Rcを用いて無効噴射時間TAを算出する方法以外の他の方法を採用してもよい。例えば、基準立ち下がり算出時間T3cが長いときほど燃料噴射弁20のソレノイド21の抵抗値が高いと推定できるため、基準立ち下がり算出時間T3cと無効噴射時間TAとの関係を示すマップを予め用意し、このマップを用いて基準立ち下がり算出時間T3cに応じた無効噴射時間TAを算出するようにしてもよい。
・基準立ち下がり検出時間T3rに基づいて無効噴射時間TAを算出できるのであれば、ばらつき比学習値Rcを算出し、このばらつき比学習値Rcを用いて無効噴射時間TAを算出する方法以外の他の方法を採用してもよい。例えば、基準立ち下がり検出時間T3rが長いときほど燃料噴射弁20のソレノイド21の抵抗値が高いと推定できるため、基準立ち下がり検出時間T3rと無効噴射時間TAとの関係を示すマップを予め用意し、このマップを用いて基準立ち下がり検出時間T3rに応じた無効噴射時間TAを算出するようにしてもよい。この場合であっても、励磁電流Iinjがピーク電流値Ipに向けて上昇する際の励磁電流Iinjの上昇速度に基づいて無効噴射時間TAを算出する場合よりは無効噴射時間TAを精度良く算出することができる。
10…燃料噴射弁の制御装置、12…コンデンサ、13…駆動制御部としての駆動回路、14…算出部としても機能する電子制御装置(ECU)、20…燃料噴射弁、21…ソレノイド、30…バッテリ、41…電圧センサ、42…電流検出回路、43…燃圧センサ、54…デリバリパイプ、A…基準変換係数、B…学習変換係数、Iinj…励磁電流、Ip…ピーク電流値、I_Th1…学習電流値、I_Th2…基準電流値、Pinj…噴射時燃圧、Pr…燃圧センサ値、Ra…基準立ち上がりばらつき比、Rb…基準立ち下がりばらつき比、Rc…ばらつき比学習値、Rcb…ばらつき比学習値の初期値、T1c…学習立ち上がり算出時間、T1r…学習立ち上がり検出時間、T1rmid…中央特性値、T1rmin…最小値、T2c…基準立ち上がり算出時間、T2r…基準立ち上がり検出時間、T3c…基準立ち下がり算出時間、T3r…基準立ち下がり検出時間、TA…噴射待ち時間としての無効噴射時間、TI…通電時間、Vc…コンデンサ電圧、Ytmp…温度補正値、Yu…異常判定補正値、ΔP…燃料圧力の増大量である燃圧増大値、ΔTMP…燃料噴射弁の温度上昇量としての噴射弁温度変化量、ΔTn…ノイズ判定値。
Claims (16)
- 燃料噴射弁のソレノイドに励磁電流を流すことにより同燃料噴射弁の開閉動作を制御する駆動制御部と、
前記ソレノイドに流れる励磁電流を検出する電流検出回路と、
前記ソレノイドへの通電開始時点から前記燃料噴射弁が開弁される時点までの時間である噴射待ち時間を算出する算出部と、を備え、
前記噴射待ち時間に応じて前記ソレノイドへの通電時間を調整する燃料噴射弁の制御装置において、
前記電流検出回路によって検出される励磁電流がピーク電流値に達して低下される過程で同励磁電流が同ピーク電流値よりも小さい基準電流値を下回る時点を基準立ち下がり検出時点としたとき、
前記算出部が、前記通電開始時点から前記基準立ち下がり検出時点までの時間である基準立ち下がり検出時間を計測し、同基準立ち下がり検出時間が長いときほど前記噴射待ち時間を長くする
ことを特徴とする燃料噴射弁の制御装置。 - 前記電流検出回路によって検出される励磁電流が前記ピーク電流値に向けて上昇される過程で、同励磁電流が前記基準電流値を上回る時点を基準立ち上がり検出時点としたとき、
前記算出部は、前記通電開始時点から前記基準立ち上がり検出時点までの時間である基準立ち上がり検出時間を計測するとともに、前記基準立ち下がり検出時間に基準変換係数を乗ずることにより、前記通電開始時点から前記基準立ち上がり検出時点までの時間の算出値である基準立ち上がり算出時間を算出し、同基準立ち上がり算出時間を前記基準立ち上がり検出時間で除した商である基準立ち上がりばらつき比が大きいときほど、基準立ち下がりばらつき比を大きくし、前記基準立ち下がり検出時間に前記基準立ち下がりばらつき比を乗ずることにより、基準立ち下がり算出時間を算出し、同基準立ち下がり算出時間が長いときほど前記噴射待ち時間を長くする
請求項1に記載の燃料噴射弁の制御装置。 - 前記電流検出回路によって検出される励磁電流が前記ピーク電流値に向けて上昇される過程で、同励磁電流が前記基準電流値よりも小さい学習電流値以上となる時点を学習立ち上がり検出時点としたとき、
前記算出部は、前記通電開始時点から前記学習立ち上がり検出時点までの時間である学習立ち上がり検出時間を計測し、前記基準立ち下がり算出時間に学習変換係数を乗ずることにより、前記通電開始時点から前記学習立ち上がり検出時点までの時間の算出値である学習立ち上がり算出時間を算出し、同学習立ち上がり算出時間を前記学習立ち上がり検出時間で除することにより、ばらつき比学習値を算出するようになっており、燃料噴射時に前記学習立ち上がり検出時間を計測し、同学習立ち上がり検出時間に前記ばらつき比学習値を乗じた積が大きいときほど前記噴射待ち時間を長くする
請求項2に記載の燃料噴射弁の制御装置。 - 前記算出部は、前記電流検出回路によって検出される励磁電流が前記ピーク電流値に達する前に、前記燃料噴射弁への通電が終了されるときには、前記ばらつき比学習値を算出しない
請求項3に記載の燃料噴射弁の制御装置。 - 前記算出部は、前記通電時間が所定時間未満であるときには、前記ばらつき比学習値を算出しない
請求項3に記載の燃料噴射弁の制御装置。 - 前記学習立ち上がり検出時間の中央特性値を、計測されうる前記学習立ち上がり検出時間の最小値で除した商をばらつき比学習値の初期値とし、
前記算出部は、前記ばらつき比学習値の算出が完了していないときには、前記学習立ち上がり検出時間に前記ばらつき比学習値の初期値を乗じた積が大きいときほど前記噴射待ち時間を長くする
請求項4又は請求項5に記載の燃料噴射弁の制御装置。 - 前記算出部は、前記ばらつき比学習値の算出後においては、前記噴射待ち時間を求める際に前記学習立ち上がり検出時間に乗ずる値を、前記燃料噴射弁からの燃料噴射を行う度に前記ばらつき比学習値の初期値から前記ばらつき比学習値に次第に近づける
請求項6に記載の燃料噴射弁の制御装置。 - 前記算出部は、内燃機関の運転状態が前記燃料噴射弁による燃料噴射を禁止する噴射禁止状態から同燃料噴射弁による燃料噴射を行う噴射許可状態に移行した場合、
前回に内燃機関の運転状態が噴射許可状態であったときに最後に検出された前記学習立ち上がり検出時間に前記ばらつき比学習値を乗じ、この積に温度補正値を加算した値が大きいほど前記噴射待ち時間を長くする
請求項3〜請求項7のうち何れか一項に記載の燃料噴射弁の制御装置。 - 前記温度補正値は、内燃機関の状態が前記噴射禁止状態であった間における前記燃料噴射弁の温度上昇量が大きいときほど大きくなる
請求項8に記載の燃料噴射弁の制御装置。 - 前記算出部は、機関温度が温度範囲内に含まれるときに前記ばらつき比学習値の算出を行う
請求項3〜請求項9のうち何れか一項に記載の燃料噴射弁の制御装置。 - 前記算出部は、機関始動から一定期間が経過するまでの間に、前記ばらつき比学習値の算出を行う
請求項3〜請求項10のうち何れか一項に記載の燃料噴射弁の制御装置。 - 前記駆動制御部は、前記通電開始時点から励磁電流が前記ピーク電流値に達する時点までは、バッテリよりも高い電圧を印加できるコンデンサから前記燃料噴射弁のソレノイドに給電させるようになっており、
前記算出部は、前記通電開始時点における前記コンデンサの電圧が低いときほど、前記学習立ち上がり算出時間を短くし、同学習立ち上がり算出時間を用いて前記ばらつき比学習値を算出する
請求項3〜請求項9のうち何れか一項に記載の燃料噴射弁の制御装置。 - 前記算出部は、前記学習立ち上がり検出時間が許容範囲に含まれないときには、前回の燃料噴射時に計測された前記学習立ち上がり検出時間に前記ばらつき比学習値を乗じ、この積に異常判定補正値を加算した値が大きいときほど前記噴射待ち時間を長くする
請求項3〜請求項12のうち何れか一項に記載の燃料噴射弁の制御装置。 - 前記算出部は、前記基準立ち上がり検出時間と前記基準立ち下がり検出時間との差が判定値以下であるときには、前記ばらつき比学習値の前回の算出時に用いた前記基準立ち上がり算出時間と前記ばらつき比学習値の前回の算出時に用いた前記基準立ち下がり算出時間とを用いて前記ばらつき比学習値を算出する
請求項3〜請求項13のうち何れか一項に記載の燃料噴射弁の制御装置。 - 前記燃料噴射弁から燃料を噴射する時点のデリバリパイプ内の燃料圧力を噴射時燃圧としたとき、
前記算出部は、前記噴射時燃圧が高いときほど前記噴射待ち時間を長くする
請求項1〜請求項14のうち何れか一項に記載の燃料噴射弁の制御装置。 - 前記噴射時燃圧は、燃圧センサによって検出された燃圧センサ値に、同燃圧センサ値の検出時点から前記通電開始時点までの期間における燃料ポンプからの燃料吐出量が多いほど大きくなる燃料圧力の増大量を加算した値である
請求項15に記載の燃料噴射弁の制御装置。
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