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JP2016113955A - 高圧インジェクタ制御装置 - Google Patents

高圧インジェクタ制御装置 Download PDF

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JP2016113955A JP2014252930A JP2014252930A JP2016113955A JP 2016113955 A JP2016113955 A JP 2016113955A JP 2014252930 A JP2014252930 A JP 2014252930A JP 2014252930 A JP2014252930 A JP 2014252930A JP 2016113955 A JP2016113955 A JP 2016113955A
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Abstract

【課題】噴射量のばらつきを抑制することのできる高圧インジェクタ制御装置を提供する。【解決手段】インジェクタの駆動を制御する高圧インジェクタ制御装置1は、昇圧回路と、昇圧時間検出手段20と、昇圧能力算出手段21と、噴射時間補正手段22とを備える。昇圧回路は、バッテリから供給される電圧に基づきコンデンサにエネルギを蓄える。昇圧時間検出手段20は、コンデンサ電圧がバッテリ電圧から目標昇圧電圧まで変化するのに要する昇圧時間ΔTを算出する。昇圧能力算出手段21は、昇圧時間ΔTに基づき昇圧回路の昇圧能力αを算出する。噴射時間補正手段22は、昇圧能力αに基づきインジェクタの噴射設定時間を補正する。【選択図】図7

Description

本発明は、インジェクタの駆動を制御する高圧インジェクタ制御装置に関する。
この種の高圧インジェクタ制御装置としては、例えば特許文献1に記載の装置がある。特許文献1に記載の高圧インジェクタ制御装置は、バッテリ電圧を昇圧する昇圧回路を有している。この高圧インジェクタ制御装置は、インジェクタから燃料を噴射する際、まずは昇圧回路により昇圧された電圧をインジェクタに供給することによりインジェクタを開弁させる。その後、高圧インジェクタ制御装置は、インジェクタの供給電流を一定値に維持することにより、インジェクタを開弁状態に保持する。また、高圧インジェクタ制御装置は、インジェクタを開弁させた時点から噴射設定時間が経過した際にインジェクタへの電流供給を停止することによりインジェクタを閉弁させ、噴射を停止する。
特開2008−190388号公報
ところで、特許文献1に記載の高圧インジェクタ制御装置では、昇圧回路を構成する素子に製造公差や温度公差、耐久公差等の個体差がある。こうした素子の個体差により昇圧回路の昇圧能力にばらつきが生じる。高圧インジェクタ制御装置では、燃料噴射中に昇圧回路のコンデンサの放電と昇圧を同時に行っているため、昇圧回路の昇圧能力にばらつきが存在すると、燃料噴射弁の供給電流にばらつきが生じる。これが噴射量のばらつきを招く要因となる。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、噴射量のばらつきを抑制することのできる高圧インジェクタ制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、インジェクタ(5,6)の駆動を制御する高圧インジェクタ制御装置(1)は、バッテリから供給される電圧に基づきコンデンサ(C10)にエネルギを蓄える昇圧回路(30)と、コンデンサの電圧が第1電圧値から、当該第1電圧値よりも高い第2電圧値まで変化するのに要する昇圧時間を検出する昇圧時間検出手段(20)と、コンデンサに単位時間当たりに蓄えられるエネルギ量を示す昇圧能力を昇圧時間に基づいて算出する昇圧能力算出手段(21)と、昇圧能力に基づきインジェクタの噴射設定時間を補正する噴射時間補正手段(22)と、を備える。
この構成によれば、昇圧回路の個別の昇圧能力に基づいてインジェクタの噴射設定時間が調整されるため、噴射量のばらつきを抑制することができる。
本発明によれば、噴射量のばらつきを抑制することができる。
高圧インジェクタ制御装置の第1実施形態についてその構成を示す回路図。 (a),(b)は、第1実施形態の高圧インジェクタ制御装置についてスイッチ電流I10及びコンデンサ電流I11の推移を示すタイミングチャート。 (a)〜(f)は、第1実施形態の高圧インジェクタ制御装置について噴射信号、トランジスタT20,T21,T23のそれぞれの動作、インジェクタ電流I20、及びインジェクタの噴射量の推移を示すタイミングチャート。 第1実施形態の高圧インジェクタ制御装置についてコンデンサ電圧Vcの推移を示すタイミングチャート。 (a)〜(c)は、第1実施形態の高圧インジェクタ制御装置による噴射信号、インジェクタ電流I20、及びコンデンサ電圧Vcの推移を示すタイミングチャート。 第1実施形態の高圧インジェクタ制御装置についてその昇圧電圧検出部の構成を示す回路図。 第1実施形態の高圧インジェクタ制御装置についてそのマイコンの構成を示すブロック図。 第1実施形態の高圧インジェクタ制御装置についてそのコンデンサ電圧Vcの推移を示すグラフ。 第1実施形態の高圧インジェクタ制御装置により実行される処理の手順を示すフローチャート。 第1実施形態の変形例の高圧インジェクタ制御装置により実行される処理の手順を示すフローチャート。 高圧インジェクタ制御装置の第2実施形態についてそのマイコンの構成を示すブロック図。 第2実施形態の高圧インジェクタ制御装置により実行される処理の手順を示すフローチャート。 高圧インジェクタ制御装置の第3実施形態についてそのマイコンの構成を示すブロック図。 第3実施形態の高圧インジェクタ制御装置により実行される処理の手順を示すフローチャート。
<第1実施形態>
以下、高圧インジェクタ制御装置の第1実施形態について説明する。本実施形態の高圧インジェクタ制御装置は、筒内直噴式内燃機関に搭載されるものである。筒内直噴式内燃機関では、高圧の燃料がインジェクタの駆動に伴い直接各気筒に噴射供給される。
図1に示されるように、本実施形態の高圧インジェクタ制御装置1は、CPUや各種メモリ等からなる周知のマイクロコンピュータ2を備える電子制御装置(ECU)からなる。以下、高圧インジェクタ制御装置1を単に「ECU1」と略記するとともに、マイクロコンピュータ2を「マイコン2」と略記する。
ECU1は、マイコン2の他、インジェクタ5,6を駆動させるための駆動回路3と、駆動回路3を介してインジェクタ5,6の駆動を制御するインジェクタ制御回路4とを備えている。なお、図1では、便宜上、各気筒に対応する複数のインジェクタのうちの2つのみを図示している。
インジェクタ5,6は常閉式の電磁弁からなり、ソレノイド50,60をそれぞれ備えている。ソレノイド50,60の高電位側端子はECU1の端子INJ1P,INJ2Pにそれぞれ接続されている。ソレノイド50,60の低電位側端子はECU1の端子INJ1M,INJ2Mにそれぞれ接続されている。駆動回路3によりソレノイド50,60が通電されると、図示しない弁体がリターンスプリングの付勢力に抗して開弁位置に移動し、燃料噴射が行われる。また、ソレノイド50,60の通電が遮断されると、弁体が元の閉弁位置に戻り、燃料噴射が停止される。
駆動回路3は、昇圧回路30と、トランジスタT20〜T23と、ダイオードD20,D21と、電流検出抵抗R20とを有している。
昇圧回路30は、インダクタL10と、トランジスタT10と、コンデンサC10と、電流検出抵抗R10,R11と、ダイオードD10と、昇圧制御回路31とを有している。
インダクタL10の一端は、車載電源としてのバッテリ電源ライン(バッテリ電圧VB)に接続されている。インダクタL10の他端はトランジスタT10のドレイン端子に接続されている。トランジスタT10のソース端子は電流検出抵抗R10を介して接地(グランド)に接続されている。電流検出抵抗R10は、トランジスタT10を流れるスイッチ電流I10を検出するためのものである。
トランジスタT10のゲート端子は昇圧制御回路31に接続されている。すなわち、トランジスタT10は、昇圧制御回路31の出力に応じてオン/オフされる。コンデンサC10の一端は、逆流防止用のダイオードD10を介してインダクタL10とトランジスタT10との間に接続されている。コンデンサC10の他端は電流検出抵抗R11を介して接地されている。電流検出抵抗R11は、コンデンサC10を流れるコンデンサ電流I11を検出するためのものである。
昇圧制御回路31は、電流検出抵抗R10を通じて検出されるスイッチ電流I10、及び電流検出抵抗R11を通じて検出されるコンデンサ電流I11に基づきトランジスタT10をオン/オフさせる。詳しくは、図2(a),(b)に示されるように、昇圧制御回路31は、時刻t10でトランジスタT10をオンした後、時刻t11でスイッチ電流I10が予め設定された閾値電流Ith1に達すると、その直後の時刻t12でトランジスタT10をオフさせる。この際、トランジスタT10がオンされた時刻t10から、トランジスタT10がオフされる時刻t12までの期間にインダクタL10に蓄えられた電気エネルギがダイオードD10を介してコンデンサC10に蓄えられる。
コンデンサ電流I11は、コンデンサC10への電気エネルギの蓄積が開始される時刻t12で上昇した後、徐々に減少していく。昇圧制御回路31は、時刻t13でコンデンサ電流I11が予め設定された閾値電流Ith2以下になると、その直後の時刻t14でトランジスタT10を再度オンさせる。これにより、スイッチ電流I10が再び上昇する。以降、昇圧制御回路31は、スイッチ電流I10及びコンデンサ電流I11に基づきトランジスタT10のオン/オフを繰り返す。これにより、コンデンサC10に電気エネルギが蓄積される。以下、コンデンサC10の電圧、すなわち昇圧回路30の昇圧電圧をコンデンサ電圧Vcと称する。
トランジスタT20は、昇圧回路30のコンデンサC10と駆動回路3の端子INJ1P,INJ2Pの接続点P1との間に設けられている。すなわち、トランジスタT20がオンされると、コンデンサC10に蓄積された電気エネルギがソレノイド50,60に供給される。こうしたコンデンサC10のエネルギ放出により、ソレノイド50,60に電流が供給され、インジェクタ5,6が開弁する。
トランジスタT21は駆動回路3の端子INJ1Mと接地との間に設けられている。トランジスタT22は駆動回路3の端子INJ2Mと接地との間に設けられている。トランジスタT21及びトランジスタT22のいずれかオンさせることで、ソレノイド50,60のいずれか一方に電流を供給することができる。すなわち、インジェクタ5,6のいずれを開弁させるかを選択することができる。
電流検出抵抗R20は、トランジスタT21と接地との間に設けられている。電流検出抵抗R20は、ソレノイド50,60を流れるインジェクタ電流I20を検出するためのものである。
駆動回路3の端子INJ1P,INJ2PはダイオードD20及びトランジスタT23を介してバッテリ電源ラインに接続されている。したがって、トランジスタT23をオンさせることにより、バッテリ電源ラインからソレノイド50,60に定電流を供給することが可能となっている。ダイオードD21は帰還ダイオードであり、トランジスタT22のオフ時にソレノイド50,60に流れる電流はダイオードD21を介して還流される。
マイコン2は、エンジン回転数Ne、アクセル開度ACC、エンジン水温THWなど、各種センサにて検出されるエンジン運転情報に基づき気筒毎に噴射信号を生成し、生成した噴射信号をインジェクタ制御回路4に出力する。
インジェクタ制御回路4は、マイコン2から送信される噴射信号に基づいてトランジスタT20〜T23をオン/オフさせることによりインジェクタ5,6を駆動させる。
次に、インジェクタ制御回路4によるインジェクタ5,6の駆動制御について説明する。以下では、便宜上、インジェクタ5の駆動制御について代表して説明する。
図3(a),(b),(d)に示されるように、インジェクタ制御回路4は、噴射信号の信号レベルがローレベルからハイレベルに切り替わる時刻t20でトランジスタT21をオンするとともに、トランジスタT20をオンする。これにより、図3(e)に示されるように、昇圧回路30からソレノイド50への電流供給が開始される。
その後、インジェクタ制御回路4は、インジェクタ電流I20を監視し、インジェクタ電流I20が時刻t21でピーク電流設定値Ipに達すると、トランジスタT20をオフさせる。ピーク電流設定値Ipは、インジェクタ5を開弁させるために必要な開弁閾値電流Ioよりも大きい値に設定されている。すなわち、インジェクタ電流I20が開弁閾値電流Ioを超える時刻t21でインジェクタ5が開弁して燃料噴射が開始される。インジェクタ制御回路4は、時刻t22でトランジスタT20をオフさせた後、図3(c)に示されるようにトランジスタT23のオン/オフを繰り返し行うことにより、インジェクタ5の開弁状態を維持する。
具体的には、インジェクタ制御回路4は、トランジスタT20をオフさせている間にインジェクタ電流I20がホールド電流下限値ILに達した場合、トランジスタT23をオンさせることにより、バッテリ電源ラインからソレノイド50に電流を供給する。ホールド電流下限値ILは、インジェクタ5が閉弁する閉弁閾値電流Icよりも大きい値に設定されている。また、インジェクタ制御回路4は、トランジスタT20をオンさせている期間にインジェクタ電流I20がホールド電流上限値IHに達した場合には、トランジスタT23をオフさせることにより、ソレノイド50への電流供給を停止する。ホールド電流上限値IHは、開弁閾値電流Ioよりも小さい値に設定されている。インジェクタ制御回路4は、噴射信号の信号レベルがハイレベルとなっている期間、トランジスタT23のオン/オフを繰り返し行うことにより、インジェクタ5の開弁状態を維持する。
図3(a),(c),(d)に示されるように、インジェクタ制御回路4は、時刻t23で噴射信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに切り替わると、トランジスタT21及びトランジスタT23を共にオフさせる。これにより、インジェクタ電流I20が閉弁閾値電流Ic未満となる時刻t24でインジェクタ5が閉弁する。
本実施形態では、噴射信号の信号レベルがハイレベルに設定されている期間がインジェクタ5,6の噴射設定時間Hに相当する。インジェクタ5は、スイッチ電流I10が開弁閾値電流Ioに達する時刻t21から、スイッチ電流I10が閉弁閾値電流Ic未満となる時刻24まで燃料を噴射するため、インジェクタ5の噴射量は図3(f)に示されるように変化する。
ところで、このようなECU1では、昇圧回路30に個体差がある。昇圧回路30の個体差は、例えばインダクタL10のインダクタンス成分や抵抗成分、トランジスタT10のオン抵抗やスイッチング時間、ダイオードD10の順方向電圧、コンデンサC10のキャパシタ成分や抵抗成分のばらつきにより発生する。これらの素子は製造段階や構成材料のばらつきに起因する製造公差、構成材料が有する温度特性に起因する温度公差、構成材料や素子のはんだ付け部の劣化等に起因する耐久公差を持ち、これらの各々の公差により昇圧回路30の個体差が発生する。
このような昇圧回路30の個体差により、昇圧回路30の昇圧能力にばらつきが生じる。昇圧能力とは、単位時間当たりにコンデンサC10に蓄えられるエネルギ量を示すものであり、[J/S]の単位で表される。例えば、トランジスタT10のオン抵抗が大きい場合には、そのオン期間におけるスイッチ電流I10の時間的な変化が小さくなる。この場合、図2(a)に示されるように、スイッチ電流I10の変化は実線から一点鎖線へと変化するため、スイッチ電流I10が閾値電流Ith1に達するまでの時間が長くなる。そのため、単位時間当たりにコンデンサC10に蓄えられるエネルギ量が少なくなる。すなわち、昇圧回路30の昇圧能力が低下する。
また、コンデンサC10の抵抗成分が大きい場合には、図2(b)に一点鎖線で示されるように、スイッチ電流I10が零となっている期間、すなわちトランジスタT10のオフ期間にコンデンサ電流I11が閾値電流Ith2まで減少するのに要する時間が長くなる。この場合にも、単位時間当たりにコンデンサC10に蓄えられるエネルギ量が少なくなるため、昇圧回路30の昇圧能力が低下する。
これに対し、トランジスタT10のオン抵抗が小さい場合、あるいはコンデンサC10の抵抗成分が小さい場合には、スイッチ電流I10及びコンデンサ電流I11が図2(a),(b)に二点鎖線で示されるように変化する。よって、単位時間当たりにコンデンサC10に蓄えられるエネルギ量が増加するため、昇圧回路30の昇圧能力が上昇する。
このように昇圧回路30の昇圧能力にばらつきがあると、例えば図4に示されるように、コンデンサ電圧Vcの時間的な変化にばらつきが生じる。すなわち、公差の無い理想的な昇圧回路30の昇圧能力を基準昇圧能力βとすると、昇圧回路30の昇圧能力が基準昇圧能力βよりも高い値α1である場合には、コンデンサ電圧Vcは実線の変化曲線から二点鎖線の変化曲線へと変化する。すなわち、コンデンサ電圧Vcの上昇速度が基準昇圧能力βの場合よりも速くなる。
また、昇圧回路30の昇圧能力が基準昇圧能力βよりも低い値α2である場合には、コンデンサ電圧Vcは実線の変化曲線から一点鎖線の変化曲線へと変化する。すなわち、コンデンサ電圧Vcの上昇速度が基準昇圧能力βの場合よりも遅くなる。
このような昇圧能力の差異により、インジェクタ電流I20にもばらつきが生じる。詳しくは、図5(a)に実線示されるように噴射信号が変化するとき、昇圧回路30の昇圧能力が基準昇圧能力βに設定されている場合のインジェクタ電流I20が図5(b)に実線で示されるように変化するとする。この場合、昇圧回路30の昇圧能力が基準昇圧能力βよりも低い場合には、インジェクタ電流I20が図5(b)に一点鎖線で示されるように変化するため、スイッチ電流I10が開弁閾値電流Ioに達する時期が基準昇圧能力βの場合と比較して遅れる。すなわち、より遅くインジェクタ5が開弁するため、結果的に噴射量が少なくなる。
これに対し、昇圧回路30の昇圧能力が基準昇圧能力βよりも大きい場合には、インジェクタ電流I20が図5(b)に二点鎖線で示されるように変化するため、スイッチ電流I10が開弁閾値電流Ioに達する時期が基準昇圧能力βの場合と比較して早くなる。すなわち、より早くインジェクタ5が開弁するため、結果的に噴射量が多くなる。
このように、昇圧回路30の昇圧能力に応じて噴射量にばらつきが生じる。本実施形態のECU1は、これを解決すべく、昇圧回路30の昇圧能力αに応じて噴射設定時間Hを調整している。
次に、噴射設定時間Hの調整方法について説明する。はじめに、ECU1による昇圧回路30の昇圧能力αの検出方法について説明する。
図1に示されるように、ECU1は、昇圧電圧検出部7を備えている。図6に示されるように、昇圧電圧検出部7は比較器70,71を有している。
比較器70の非反転入力端子には、バッテリ電圧VBを分圧抵抗R30,R31により分圧した電圧が入力されている。比較器70の反転入力端子には、コンデンサ電圧Vcを分圧抵抗R32,R33により分圧した電圧が入力されている。コンデンサ電圧Vcがバッテリ電圧VB以上となったときに、比較器70の出力信号の信号レベルがローレベルからハイレベルに切り替わるように各抵抗R30〜33の抵抗値が調整されている。
比較器71の非反転入力端子には、バッテリ電圧VBを分圧抵抗R40,R41により分圧した電圧が入力されている。比較器71の反転入力端子には、コンデンサ電圧Vcを分圧抵抗R42,R43により分圧した電圧が入力されている。コンデンサ電圧Vcが目標昇圧電圧Vth以上となったときに、比較器71の出力信号の信号レベルがローレベルからハイレベルに切り替わるように各抵抗R40〜43の抵抗値が調整されている。目標昇圧電圧Vthはバッテリ電圧VBよりも大きい値に設定されている。目標昇圧電圧Vthは、昇圧能力αを検出することができるように予め実験等により設定されている。
比較器70,71のそれぞれの出力はマイコン2に取り込まれる。図7に示されるように、マイコン2は、昇圧時間検出手段20と、昇圧能力算出手段21と、噴射時間補正手段22と、噴射時間指示手段23とを有している。
昇圧時間検出手段20は、比較器70,71のそれぞれの出力に基づきコンデンサ電圧Vcがバッテリ電圧VBから目標昇圧電圧Vthに達するまでに要する昇圧時間ΔTを検出する。具体的には、昇圧時間検出手段20は、コンデンサC10が放電しておらず、且つコンデンサ電圧Vcがバッテリ電圧VB以下であるという条件が成立している際に昇圧時間ΔTを検出する。例えば、イグニッションスイッチのオン操作時は、コンデンサC10にエネルギが蓄積されておらず、インジェクタ5,6が駆動していないため、上記の条件が成立する。この場合、図8に示されるように、例えば車両のイグニッションスイッチがオン操作されて時刻t30でECU1に電源が投入されたとすると、コンデンサC10にエネルギが蓄積されていないため、バッテリ電圧VBがダイオードD10を介してコンデンサC10に充電される。したがって、コンデンサ電圧Vcはバッテリ電圧VBまで上昇する。コンデンサ電圧Vcがバッテリ電圧VBに達する時刻t31で比較器70の出力がローレベルからハイレベルに変化する。その後、昇圧回路30が昇圧動作を行うことによりコンデンサ電圧Vcが時刻t32で目標昇圧電圧Vthに達すると、時刻t32で比較器71の出力がローレベルからハイレベルに変化する。
昇圧時間検出手段20は、比較器70の出力がローレベルからハイレベルに切り替わる時刻t31から、比較器71の出力がローレベルからハイレベルに切り替わる時刻t32までの時間を計測することにより昇圧時間ΔTを検出する。図7に示されるように、昇圧時間検出手段は、検出した昇圧時間ΔTを昇圧能力算出手段21に出力する。
昇圧能力算出手段21は、昇圧時間検出手段から出力される昇圧時間ΔTを用いて以下の式f1に基づき昇圧能力αを算出する。なお、「Cp」はコンデンサC10のコンデンサ容量を示し、「ΔV」は「Vth−VB」を示す。
Figure 2016113955
昇圧能力算出手段21は、算出した昇圧能力αを噴射時間補正手段22に出力する。
噴射時間補正手段22は、昇圧能力算出手段21から出力される昇圧能力αと基準昇圧能力βとの比較に基づき噴射補正時間ΔHを設定する。
詳しくは、昇圧能力が基準昇圧能力βに設定されている場合、コンデンサ電圧Vcが例えば図5(c)に示されるように変化するとする。なお、コンデンサ電圧Vc及びインジェクタ電流I20は以下の式(f2)及び式(f3)により求めることが可能である。なお、「En」は満充電時のコンデンサC10のエネルギを示し、「ΔEINJ」は各インジェクタ5,6の放電エネルギを示す。また、「L」は、各ソレノイド50,60のインダクタンスを示す。
Figure 2016113955
昇圧能力αが基準昇圧能力βよりも高い場合、インジェクタ5,6の開弁中のコンデンサ電圧Vcは図5(c)の実線の変化曲線から二点鎖線の変化曲線へと変化する。すなわち、基準昇圧能力βの場合と比較してコンデンサ電圧Vcが大きくなる。したがって、インジェクタ電流I20が開弁閾値電流Ioに達するまでの時間が短くなる。この場合、噴射時間補正手段22は、基準昇圧能力βの場合と同量の噴射量を確保すべく、噴射設定時間Hを短くするような噴射補正時間ΔHを演算する。具体的には、噴射時間補正手段22は、負の値に設定された噴射補正時間ΔHを演算する。噴射時間補正手段22は、基本的には、昇圧能力αと基準昇圧能力βとの偏差の絶対値が大きくなるほど、噴射補正時間ΔHの絶対値をより大きい値に設定する。
また、昇圧能力αが基準昇圧能力βよりも低い場合、インジェクタ5,6の開弁中のコンデンサ電圧Vcは図5(c)の実線の変化曲線から一点鎖線の変化曲線へと変化する。すなわち、基準昇圧能力βの場合と比較してコンデンサ電圧Vcが小さくなる。したがって、インジェクタ電流I20が開弁閾値電流Ioに達するまでの時間が長くなる。この場合、噴射時間補正手段22は、基準昇圧能力βの場合と同量の噴射量を確保すべく、噴射設定時間Hを長くするような噴射補正時間ΔHを演算する。具体的には、噴射時間補正手段22は、正の値に設定された噴射補正時間ΔHを演算する。噴射時間補正手段22は、基本的には、昇圧能力αと基準昇圧能力βとの偏差の絶対値が大きくなるほど、噴射補正時間ΔHの絶対値をより大きい値に設定する。
図7に示されるように、噴射時間補正手段22は、演算した噴射補正時間ΔHを噴射時間指示手段23に出力する。
噴射時間指示手段23は、エンジン回転数Ne、アクセル開度ACC、エンジン水温THWなど、各種センサにて検出されるエンジン運転情報に基づき気筒毎に噴射信号を生成する。また、噴射時間指示手段23は、噴射補正時間ΔHを用いて噴射信号の噴射設定時間Hを以下の式f4に基づき補正する。
Figure 2016113955
これにより、昇圧能力αが基準昇圧能力βよりも高い場合には、図5(a)に二点鎖線で示されるように、噴射設定時間Hが基準噴射設定時間Hbよりも短い時間H1に設定される。そのため、図5(b)に示されるように、インジェクタ電流I20が閉弁閾値電流Ic未満になる時期が早まる。これにより、高い昇圧能力αによる噴射量の増加分を、インジェクタ5,6の閉弁時期が早まることで発生する噴射量の減少分で相殺することができるため、インジェクタ5,6の噴射量を、基準昇圧能力βに対応した噴射量に近づけることができる。
また、昇圧能力αが基準昇圧能力βよりも低い場合には、図5(a)に一点鎖線で示されるように、噴射設定時間Hが基準噴射設定時間Hbよりも長い時間H2に設定される。そのため、図5(b)に示されるように、インジェクタ電流I20が閉弁閾値電流Ic未満になる時期が遅くなる。これにより、低い昇圧能力αによる噴射量の減少分を、インジェクタ5,6の閉弁時期が遅くなることで発生する噴射量の増加分で相殺することができるため、結果的にインジェクタ5,6の噴射量を、基準昇圧能力βに対応した噴射量に近づけることができる。
図7に示されるように、噴射時間指示手段23は、噴射設定時間Hが補正された噴射信号をインジェクタ制御回路4に出力する。これにより、インジェクタ制御回路4は、噴射設定時間Hが補正された噴射信号に基づきトランジスタT20〜T23をオン/オフさせることにより、各インジェクタ5,6を駆動させる。
次に、図9を参照して、マイコン2により実行される噴射設定時間Hの補正手順を総括する。
図9に示されるように、マイコン2は、まず、コンデンサC10が放電しているか否かを判断する(ステップS1)。マイコン2は、コンデンサC10が放電していない場合には(ステップS1:NO)、コンデンサ電圧Vcがバッテリ電圧VB以下であるか否かを判断する(ステップS2)。マイコン2は、コンデンサC10が放電しておらず(ステップS1:NO)、且つコンデンサ電圧Vcがバッテリ電圧VB以下である場合には(ステップS2:YES)、昇圧回路30の昇圧能力αを算出する(ステップS3)。また、マイコン2は、当該昇圧能力αに基づいてインジェクタ5,6の噴射設定時間Hを補正する(ステップS4)。
以上説明した本実施形態のECU1によれば、以下の(1)〜(3)に示される作用及び効果を得ることができる。
(1)昇圧回路30の個別の昇圧能力αに基づいてインジェクタ5,6の噴射設定時間Hが調整されるため、噴射量のばらつきを抑制することができる。
(2)噴射設定時間Hは、昇圧能力算出手段21により算出される昇圧能力αと、予め設定された基準昇圧能力βとの偏差に基づき補正される。具体的には、昇圧能力αが基準昇圧能力βよりも高い場合には、基準噴射設定時間Hbよりも短くなるように噴射設定時間Hが補正される。また、昇圧能力αが基準昇圧能力βよりも低い場合には、基準噴射設定時間Hbよりも長くなるように噴射設定時間Hが補正される。これにより、インジェクタ5,6の噴射量を、基準昇圧能力βに対応した一定量の噴射量にすることができるため、より的確に噴射量のばらつきを抑制することができる。
(3)昇圧時間検出手段20は、コンデンサC10が放電しておらず、且つコンデンサ電圧Vcがバッテリ電圧VB以下であることを条件に昇圧時間ΔTを検出することとした。これにより、より高い精度で昇圧時間ΔTを検出することができるため、昇圧能力αの演算精度を高めることができる。
(変形例)
次に、第1実施形態のECU1の変形例について説明する。
本変形例では、マイコン2が図9の処理に代えて図10の処理を実行する。すなわち、マイコン2は、ECU1への電源投入時からインジェクタ5,6の燃料噴射が開始されるまでの期間であるか否かを判断する(ステップS5)。マイコン2は、ステップS6の判断処理で肯定判断した場合には(ステップS5:YES)、ステップS3,S4の処理を実行する。このような構成であっても、第1実施形態に準じた作用及び効果を得ることができる。
<第2実施形態>
次に、ECU1の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図11に示されるように、本実施形態のマイコン2は昇圧能力記憶手段24を有している。昇圧能力記憶手段24はEEPROM等の不揮発性メモリからなる。昇圧能力算出手段21は、昇圧回路30の昇圧能力αを算出した際、算出した昇圧能力αの情報を昇圧能力記憶手段24に記憶させる。昇圧能力算出手段21は、昇圧能力αを算出することができない期間、昇圧能力記憶手段24に記憶された昇圧能力αを噴射時間補正手段22に出力する。
なお、昇圧能力αを算出することができない期間とは、コンデンサC10が放電していること、及びコンデンサ電圧Vcがバッテリ電圧VBを超えていることの少なくとも一方の条件が満たされている期間である。また、昇圧能力αを算出することができない期間は、ECU1への電源投入時からインジェクタ5,6への燃料噴射が開始されるまでの期間を除く期間として設定されていてもよい。
噴射時間補正手段22は、昇圧能力算出手段21から出力される昇圧能力αと基準昇圧能力βとの比較に基づき噴射補正時間ΔHを設定する。
次に、図12を参照して、本実施形態のマイコン2により実行される噴射設定時間Hの補正手順を総括する。
図12に示されるように、マイコン2は、ステップS3の処理で昇圧回路30の昇圧能力αを算出した後、当該昇圧能力αを昇圧能力記憶手段24に記憶させる(ステップS10)。
一方、マイコン2は、コンデンサC10が放電している場合(ステップS1:YES)、あるいはコンデンサ電圧Vcがバッテリ電圧VBを超えている場合には(ステップS2:NO)、昇圧能力記憶手段24に記憶された昇圧能力αを読み込む(ステップS11)。また、マイコン2は、読み込んだ昇圧能力αに基づいてインジェクタ5,6の噴射設定時間Hを補正する(ステップS4)。
以上説明した本実施形態のECU1によれば、以下の(4)に示される作用及び効果を更に得ることができる。
(4)例えばインジェクタ5,6の駆動中は、コンデンサC10が放電していること、及びコンデンサ電圧Vcがバッテリ電圧VBを超えていることの少なくとも一方の条件が満たされる。このような状況でも、本実施形態のECU1によれば、噴射設定時間Hを補正することができるため、より的確に噴射量のばらつきを抑制することができる。
<第3実施形態>
次に、ECU1の第3実施形態について説明する。以下、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
図13に示されるように、本実施形態のECU1は、昇圧回路30のインダクタL10やコンデンサC10等の素子温度Tsを検出する素子温度検出手段8を有している。素子温度検出手段8は、例えばサーミスタからなる。素子温度検出手段8の出力信号は昇圧能力算出手段21に取り込まれる。
昇圧能力算出手段21は、昇圧能力αを算出した際、素子温度検出手段8により素子温度Tsを検出する。昇圧能力算出手段21は、検出した素子温度Tsと、算出した昇圧能力αとを関連付けて昇圧能力記憶手段24に記憶させる。昇圧能力算出手段21は、昇圧能力αを算出する都度、素子温度Tsと昇圧能力αとを関連付けて昇圧能力記憶手段24に記憶させることにより、素子温度Ts及び昇圧能力αの関係を学習していく。
昇圧能力算出手段21は、昇圧能力αを算出することができない期間、素子温度検出手段8により現在の素子温度Tsを検出し、検出された素子温度Tsから、昇圧能力記憶手段24に記憶された過去の学習結果に基づき、現在の素子温度Tsに対応した昇圧能力αを算出する。昇圧能力算出手段21は、昇圧能力αを算出することができない期間、このようにして演算される昇圧能力αを噴射時間補正手段22に出力する。
噴射時間補正手段22は、昇圧能力算出手段21から出力される昇圧能力αと基準昇圧能力βとの比較に基づき噴射補正時間ΔHを設定する。
次に、図14を参照して、マイコン2により実行される噴射設定時間Hの補正手順を総括する。
図14に示されるように、マイコン2は、ステップS3の処理で昇圧能力αを算出した後、素子温度検出手段8により素子温度Tsを検出する(ステップS20)。次に、マイコン2は、算出した昇圧能力αと、検出した素子温度Tsとを昇圧能力記憶手段24に記憶させる(ステップS21)。
一方、マイコン2は、コンデンサC10が放電している場合(ステップS1:YES)、あるいはコンデンサ電圧Vcがバッテリ電圧VBを超えている場合には(ステップS2:NO)、素子温度検出手段8により素子温度Tsを検出する(ステップS22)。また、マイコン2は、昇圧能力記憶手段24に記憶された過去の昇圧能力α及び素子温度Tsの関係に基づき、検出した素子温度Tsに対応した昇圧能力αを算出する(ステップS23)。そして、マイコン2は、当該昇圧能力αに基づいてインジェクタ5,6の噴射設定時間Hを補正する(ステップS4)。
以上説明した本実施形態のECU1によれば、以下の(5)に示される作用及び効果を更に得ることができる。
(5)昇圧回路30のインダクタL10やコンデンサC10等の素子は、温度に応じて特性が変化する、いわゆる温度特性を有している。こうした素子の温度特性がインジェクタ5,6の噴射量にばらつきを生じさせる要因となる。この点、本実施形態のECU1によれば、昇圧回路30の温度に応じて噴射設定時間Hが補正されるため、素子の温度特性に起因する噴射量のばらつきを抑制することができる。
<他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・上記各実施形態のマイコンは、基準昇圧能力βを用いることなく噴射補正時間ΔHを設定してもよい。例えば、噴射時間補正手段22は、昇圧能力αと噴射補正時間ΔHとの関係を示すマップに基づいて、昇圧能力算出手段21により算出される昇圧能力αから噴射補正時間ΔHを設定してもよい。この場合、昇圧能力αと噴射補正時間ΔHとの関係を示すマップは予め実験等により作成しておき、マイコン2の不揮発性メモリに記憶させておく。このような構成であっても、上記各実施形態に準じた作用及び効果を得ることができる。
・上記各実施形態の昇圧時間検出手段20は、コンデンサ電圧Vcがバッテリ電圧VBから目標昇圧電圧Vthに達するまでに要する時間を昇圧時間ΔTとして用いたが、昇圧時間ΔTの算出方法は適宜変更可能である。要は、昇圧時間検出手段20は、コンデンサ電圧Vcが第1電圧値から、第1電圧値よりも高い第2電圧値まで変化するまでに要する時間を昇圧時間ΔTとして算出するものであればよい。また、昇圧能力算出手段は、このようにして昇圧時間検出手段20により算出される昇圧時間ΔTに基づき昇圧能力αを算出するものであればよい。
・本発明は上記の具体例に限定されるものではない。すなわち、上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素及びその配置や条件等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1:高圧インジェクタ制御装置(ECU)
5,6:インジェクタ
8:素子温度検出手段
20:昇圧時間検出手段
21:昇圧能力算出手段
22:噴射時間補正手段
24:昇圧能力記憶手段
30:昇圧回路
C10:コンデンサ

Claims (9)

  1. インジェクタ(5,6)の駆動を制御する高圧インジェクタ制御装置(1)であって、
    バッテリから供給される電圧に基づきコンデンサ(C10)にエネルギを蓄える昇圧回路(30)と、
    前記コンデンサの電圧が第1電圧値から、当該第1電圧値よりも高い第2電圧値まで変化するのに要する昇圧時間を検出する昇圧時間検出手段(20)と、
    前記コンデンサに単位時間当たりに蓄えられるエネルギ量を示す昇圧能力を前記昇圧時間に基づいて算出する昇圧能力算出手段(21)と、
    前記昇圧能力に基づき前記インジェクタの噴射設定時間を補正する噴射時間補正手段(22)と、を備えることを特徴とする高圧インジェクタ制御装置。
  2. 前記噴射時間補正手段は、前記昇圧能力算出手段により算出される前記昇圧能力と、予め設定された基準昇圧能力とに基づき前記噴射設定時間を補正することを特徴とする請求項1に記載の高圧インジェクタ制御装置。
  3. 前記噴射時間補正手段は、前記昇圧能力算出手段により算出される前記昇圧能力と前記基準昇圧能力との偏差に基づき前記インジェクタの噴射量が一定量となるように前記噴射設定時間を補正することを特徴とする請求項2に記載の高圧インジェクタ制御装置。
  4. 前記噴射時間補正手段は、
    前記基準昇圧能力に対応する基準噴射設定時間を予め有しており、
    前記昇圧能力が前記基準昇圧能力よりも高い場合には、前記基準噴射設定時間よりも短くなるように前記噴射設定時間を補正し、
    前記昇圧能力が前記基準昇圧能力よりも低い場合には、前記基準噴射設定時間よりも長くなるように前記噴射設定時間を補正することを特徴とする請求項3に記載の高圧インジェクタ制御装置。
  5. 前記昇圧時間検出手段は、前記コンデンサが放電していないことを条件に前記昇圧時間を検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高圧インジェクタ制御装置。
  6. 前記昇圧時間検出手段は、前記コンデンサの電圧が前記バッテリの電圧以下であることを条件に前記昇圧時間を検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の高圧インジェクタ制御装置。
  7. 前記昇圧時間検出手段は、当該インジェクタ制御装置への電源投入時から前記インジェクタの燃料噴射が開始されるまでの期間に前記昇圧時間を検出することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の高圧インジェクタ制御装置。
  8. 前記昇圧能力算出手段により算出された前記昇圧能力を記憶する昇圧能力記憶手段(24)を更に備え、
    前記噴射時間補正手段は、前記昇圧能力算出手段により前記昇圧能力を算出することができない期間、前記昇圧能力記憶手段に記憶された前記昇圧能力に基づき前記噴射設定時間を補正することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の高圧インジェクタ制御装置。
  9. 前記昇圧回路の素子の温度を検出する素子温度検出手段(8)を更に備え、
    前記昇圧能力算出手段は、
    前記昇圧時間を検出した際に前記素子温度検出手段により前記昇圧回路の素子の温度を検出するとともに、
    検出された前記素子の温度と前記昇圧能力との関係を示す情報を前記昇圧能力記憶手段に記憶させ、
    前記昇圧能力算出手段により前記昇圧能力を算出することができない期間、前記昇圧能力記憶手段に記憶された前記素子の温度と前記昇圧能力との関係を示す情報に基づき、前記素子温度検出手段により検出される前記素子の温度から前記昇圧能力を算出することを特徴とする請求項8に記載の高圧インジェクタ制御装置。
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