JP5534511B2 - 煙感知器 - Google Patents
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Description
図1及び図2に示すごとく、煙感知器は、側周面からの煙の流入を許容すると共に、正面視において正方形状、即ち、非円形状のケース部(以下、「ケース1」と称する)と、ケース部に収容され、流入した煙を感知可能な光電式のセンサ部(以下、「センサ3」と称する)と、正面視においてケース部の四角形状よりも小さい円形状であって、壁面に固定可能であり、ケース部を取り付け可能な取付下地部(以下、「ベース4」と称する)と、を備えている。
ケース1は、図3及び図5に示すごとく、背面側となる基部(以下、「リアケース1a」)と、表面側となるカバー部(以下、「フロントケース1c」と称する)と、リアケース1aとフロントケース1cとで囲まれるケース1の内部空間を前後方向に仕切る仕切部(以下、「中間ケース1b」と称する)と、を備えている。フロントケース1cとリアケース1aと中間ケース1bとは、樹脂製であって、射出成形によって製作してある。ケース1には、センサ3、基板2、スピーカ5、警報停止ボタン6等が収容される。
センサ3は、図2に示すごとく、円筒形状であって、側周面に備えられて煙を導入可能な複数の煙導入口3cと、外部からの光を遮断するように間隙を介して並置された複数のラビリンス状の壁部と、センサ3の内部に光を照射する発光部3aと、センサ3の内部に流入した煙による散乱された発光部3aからの光を感知する受光部3bと、を備えている。このセンサ3は既に公知であるので、煙感知のメカニズムについてはここでは説明しない。なお、煙導入口3cの外周側には防虫網3dが設けてある。
基板2には、図3に示すごとく、センサ3と電源コネクタ2cが配設されると共に、スピーカ5が接続されている。基板2は、不図示の電気回路がプリントされ、不図示の電子部品が配設され、煙の感知や警報音の発令等を制御する。基板2のうちセンサ3を配設した面と同じ面に、煙調整部2aが備えられている。煙調整部2aを介して、外部から基板2側に信号やデータを送ったり、基板2側から外部に信号やデータを読み出したりすることでき、製品製造過程における実煙を用いた煙流入性能の調整に使用する。
煙感知器の組立概要、及び、各部材の相対位置関係について説明する。先ず、図3及び図5に示すごとく、フロントケース1cに形成した警報停止ボタン6用の開口に背面側から警報停止ボタン6を落とし込み、左右方向を軸芯として揺動可能にフロントケース1cに支持する。警報停止ボタン6は、背面方向に立設形成されたヒモ掛け部6aを備えており、警報停止引きヒモ7を掛けることも外すことも可能である。警報停止ボタン6は、自身が押されるか、警報停止引きヒモ7が引かれるかすることによって背面側に揺動し、基板の表面側に配設された不図示の警報音停止用のスイッチを押すことが可能である。
ケース1の内部構造について説明する。図2に示すごとく、ケース1の内部には、煙流入口11から流入した煙をセンサ3の煙導入口3cまで誘導する「煙誘導部」としての煙誘導リブ12,31を形成してある。ケース1の内部に360°どの方向から煙が流入してもセンサ3が煙を感知が可能なように、煙導入口3cはセンサ3の側周面に略均等に設けてある。しかし、ケース1の内部空間にはセンサ3以外に、ボス部1d、後述する電池収容部15や外部出力機構収容部14等も存在し、煙の流通が円滑に行われない虞がある。煙誘導リブ12,31は、煙が360°どの方向からセンサ3内部に流入しても、煙がボス部1d等を回避しつつも煙導入口3cまで円滑に到達できるよう誘導するものである。煙誘導リブ12,31は、前後方向に中間ケース1bとリアケース1aとに亘るよう設けてある。煙誘導リブ12,31は、煙誘導空間SBを、煙が流通する空間と電池収容部15等とに仕切る役割も成している。
ベース4は、図8に示すごとく、ケース1に先行して壁面に固定するものである。ベース4は樹脂製であり、射出成形により製作してある。図9に示すごとく、ベース4は円形状であり、リアケース1aの正方形状に内接する大きさである。即ち、ベース4に対してケース1を最大限小さくすることにより、コンパクトなケース1にしているとも言えるし、また、ケース1に対してベース4を最大限大きくすることにより、ケース1を安定して支持できる構成であるとも言える。ベース4の外周部の四箇所には径外方向に突出す突起部41を形成してある。突起部41には、図8に示すごとく、固定具、例えば、石膏ボードピンPを挿通可能な孔が形成してあり、四箇所の突起部41を介して石膏ボードの壁面にベース4を取り付けることができる。なお、ベース4には、ビス穴44も形成してあり、ビス等によっても取り付けることも可能である。
ケース1をベース4に取り付ける要領について説明する。図8に示すごとく、リアケース1aの中心部に背面側に突出する被案内部16を一体形成し、ベース4の中心部に背面側に凹入する案内部42を一体形成してある。被案内部16は、正面視円形状であり、外周部の二箇所を径外方向に突起させてある。案内部42は被案内部16の形状に沿う形状に形成してあり、案内部42を嵌り込める形状としてある。ケース1をベース4に取り付ける際は、ベース4の円形部分がケース1の背後に隠れてしまうが、突起部41のみが視認できるようになっており、複数の突起部41からベースの中心が判断できる。さらに、被案内部16が案内部42に嵌り込む構成であるため、ケース1とベース4との芯合わせが容易である。被案内部16が案内部42に嵌り込めば、両者は位置決めされる。その後は、案内部42の案内に従ってケース1を回転させると、リアケース1aの背面側外周部分に設けた係合フック18が、ベース4の正面側外周部分に設けた係合フック43に係合し、ケース1をベース4に取り付けることができる。ケース1をベース4に取り付けると、図5に示すごとく、側面視において、ベース4のうち一部がリアケース1aから背面側、即ち壁面の側に突出する。
煙感知器への煙の流入について説明する。説明の便宜上、煙の流れが水平方向である場合について説明する。上述したように、ケース1をベース4に取り付けると、側面視においてベース4の一部がリアケース1aから突出する。即ち、図10に示すごとく、煙感知器を壁面Wに設置したときには、ケース1が壁面Wから少し浮いた状態となる。このため、壁面Wによる摩擦損失によって気流速度が落ちた壁面沿いの煙は、リアケース1aと壁面Wとの隙間のスペースに流れ込み、気流速度が落ちていない壁面Wから離れた煙はそのまま煙流入口11に流入する。また、ベース4が円形状であるため、壁面沿いの煙はベース4の側面に沿って気流方向下流側へ円滑に案内される。ベース4の側面に多少の煙がぶつかって気流の乱れが生じるが、ベース4が正面視においてケース1よりも小さく、ベース4の側面と煙流入口11とが離れているため、煙流入口11から流入する煙に対する影響は少ない。よって、上述したように薄型の煙感知器とすることにより、煙流入口11が従来よりも壁面に近くなっても、煙感知器の応答性が損なわれることはない。
(1)上述の実施形態においては、壁面に設置する煙感知器について説明したが、煙感知器は天井面に設置するものであっても良い。
(2)上述の実施形態においては、ケース部1の形状を正方形状としたが、この形状に限定されるものではなく、非円形状であれば良い。ケース部1は、例えば、三角形状等の他の多角形状や、楕円形状などの非線形形状であっても良い。なお、正方形状を含む多角形状である場合、正面視の角を面取りしてあっても良い。
(3)上述の実施形態においては、基板2は、フロントケース1cと中間ケース1bとの間に配設したが、これに限られず、リアケース1aと中間ケース1bとの間に配設してあっても良い。この場合は、リアケース1aの側から組み上げる構成とする。
1a リアケース(基部)
1b 中間ケース(仕切部)
1c フロントケース(カバー部)
2 基板
2a 煙調整部
3 センサ(センサ部)
12 煙誘導リブ(煙誘導部)
13 凹部
14 外部出力機構収容部(煙誘導部)
15 電池収容部(煙誘導部)
31 煙誘導リブ(煙誘導部)
32 凹部
33 煙調整孔(開口部)
SA 基板配設空間
SB 煙誘導空間
Claims (1)
- 内部に煙の流入を許容するケース部と、
前記ケース部に収容され、流入した煙を感知可能なセンサ部と、
前記センサ部が接続されると共に、所定の濃度で警報するように、煙流入性能の調整を行う煙調整部を有する基板と、を備え、
前記ケース部が、基部と、前記基部に取り付けられて前記基部との間に空間を形成するカバー部と、前記空間を仕切る仕切部と、を有し、
前記センサ部を、前記基部と前記仕切部との間の空間、及び、前記カバー部と前記仕切部との間の空間のうちの一方の煙誘導空間に配設すると共に、
前記基板を、前記基部と前記仕切部との間の空間、及び、前記カバー部と前記仕切部との間の空間のうちの他方の基板配設空間に配設し、
前記仕切部に前記煙誘導空間から前記煙調整部に連通する開口部を形成すると共に、前記煙誘導空間に流入した煙を前記センサ部に誘導する煙誘導部を備え、
前記煙誘導部の少なくとも一部によって前記開口部を前記煙誘導空間から隔離してあり、
前記煙誘導空間において、前記煙誘導部を設けた面の対向面に、前記煙誘導部の先端部が嵌り込み可能な凹部を形成してある煙感知器。
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