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JP5637718B2 - 光電式煙感知器 - Google Patents

光電式煙感知器 Download PDF

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JP5637718B2 JP2010080281A JP2010080281A JP5637718B2 JP 5637718 B2 JP5637718 B2 JP 5637718B2 JP 2010080281 A JP2010080281 A JP 2010080281A JP 2010080281 A JP2010080281 A JP 2010080281A JP 5637718 B2 JP5637718 B2 JP 5637718B2
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Description

本発明は光電式煙感知器に関し、特に薄型化・小型化しても検煙部への煙流入特性がよい光電式煙感知器に関する。
従来の光電式煙感知器としては、例えば、煙流入部の内部に発光素子及び受光素子が配置されたものものがあった。
また、従来の光電式煙感知器としては、例えば「ラビリンス壁1bにより内部空間Sが形成され、内部空間Sに連なる開口部6が設置面側に設けられたケース部材1と、上記ケース部材1の開口部6が設けられた設置面側に配置され、ケース部材1の開口部6に対向する穴を有するプリント基板とを備える。上記発光素子2と受光素子4は、ケース部材1の開口部6内において発光素子2の光軸と受光素子4の受光軸が開口部6の開口面と略平行な同一平面上で交差するようにプリント基板に実装する。」(特許文献1参照)というものが提案されている。このような光電式煙感知器は、煙流入部(特許文献1のケース部材1に相当)の外部に発光素子及び受光素子が実装されているため、湯気等による誤報の抑制を期待できるように思われる。
特開2008−216193号公報(要約、図4)
しかしながら、煙流入部の内部に発光素子及び受光素子が配置された従来の光電式煙感知器は、湯気等が検煙部に流入すると、誤報してしまうという問題点があった。
一方、ケース部材1(煙流入部)の外部に発光素子及び受光素子が実装された特許文献1に記載の光電式煙感知器は、湯気等による誤報の抑制を期待できるように思われる。しかしながら、特許文献1に記載の光電式煙感知器は、ケース部材1内の煙が開口部と平行に煙が流れた場合等、発光素子及び受光素子が実装された実装部内に煙が流入しにくくなるという問題点があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、湯気等による誤報を防止することができ、実装部への煙流入特性がよい光電式煙感知器を得ることを目的とする。
本発明に係る光電式煙感知器は、検煙部と、検煙部の出力信号に基づいて火災を判断する火災判別部と、を有し、火災判別部が火災と判断すると火災信号を出力する光電式煙感知器において、検煙部は、実装部と、煙流入部と、を備え、実装部は、実装部の内部に光を照射する発光素子と、発光素子から照射され、検煙部の煙粒子により生じる散乱光を受光する受光素子と、を有し、煙流入部は、煙流入部に外光が入射することを防止する複数の壁体と、壁体の間に形成された煙流入口と、上面に設けられ、略中心部に開口部が形成された光学台と、を有し、実装部と煙流入部とは、開口部で連通されており全ての壁体において、第1壁体の一方の端部、第2壁体の一方の端部、及び第3壁体の一方の端部が接続された部分には、煙の滞留を防止する筒状のボス部が設けられており、第1壁体は、ボス部から、光学台の略中心部に向けて延びるものであり、第2壁体は、ボス部から、隣接する壁体におけるボス部に向けて延びるものであり、第3壁体は、ボス部から、光学台の外周側且つ隣接する壁体に向けて略円弧状に曲がって延びるものであり、煙流入部には、開口部と対向する範囲に、煙流入部に流入した煙を実装部へ誘導するガイドが設けられているものである。
また、ガイドの形状は、側面視略円弧状であり、ガイドは、煙流入部に進入した煙を、ガイドの形状に沿って開口部に導くものである
本発明においては検煙部は、発光素子と受光素子が設けられた実装部と煙流入部とが分けられている。また、実装部と煙流入部とは、設置面が天井面の場合においては、煙流入部が下側になるように重ねて配置され、開口部で連通されている。このため、煙流入部に流入した湯気は、粒子の質量が大きく慣性が大きいため、流動状態を変化させにくいので、実装部にほとんど流入することなく煙流入部を通過する。一方、煙流入部に流入した煙は、粒子の質量が小さいため慣性が小さく、流動状態を変化させやすいので、開口部を介して実装部に流入する。したがって、検煙部(煙流入部)に湯気が流入しても誤報することがなく、煙が流入した際には火災を判断することができる光電式煙感知器を得ることができる。
また、煙流入部に流入した煙はガイドによって実装部へ導かれるので、実装部への煙流入特性がよい光電式煙感知器を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る火災警報器の外観を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る火災警報器の外観を示す底面図である。 本発明の実施の形態に係る火災警報器の外観を示す平面図である。 図2のA−A断面模式図である。 図2のB−B断面模式図である。 図1のC−C断面模式図である。 本発明の実施の形態に係る火災警報器を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る火災警報器の検煙部近傍を示す縦断面模式図である。 本発明の実施の形態に係る火災警報器の動作状態を示す説明図(縦断面図)である。 本発明の実施の形態に係る壁体の別の一例を示す横断面図である。 本発明の実施の形態に係るガイドの別の一例を示す横断面図である。
実施の形態.
以下の実施の形態では、光電式煙感知器の構成に押し釦スイッチやブザー等の警報装置を設けた火災警報器に本発明を実施した場合について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る火災警報器の外観を示す側面図である。図2は、この火災警報器の外観を示す底面図である。図3は、この火災警報器の外観を示す平面図である。図4は、図2のA−A断面模式図である。図5は、図2のB−B断面模式図である。図6は、図1のC−C断面模式図である。図7は、この火災警報器を示す分解斜視図である。図8は、この火災警報器の検煙部近傍を示す縦断面模式図である。これら図1〜図8は、縮尺を一部異ならせて示している。以下、これら図1〜図8を用いて、本実施の形態に係る火災警報器について説明する。なお、以下の説明では、図1の上下左右方向に合わせて説明する。
この火災警報器100は、例えば家屋の室内等の監視空間に設置されるものである。火災警報器100が監視空間の天井面に取り付けられた状態においては(つまり設置面が天井面の場合においては)、火災警報器100は、図1に示すように、煙流入部10が下側となって設置される。
火災警報器100の検煙部1は、煙流入部10及び実装部20等から構成されている。煙流入部10は、略円筒形状をしており、光学台11及び壁体12等から構成されている。光学台11は略円板状をしており、略中心部に例えば略長方形の開口部13が形成されている。この光学台11における下面側の周縁部には、複数(本実施の形態では8本)の例えば略Y字状の壁体12が、所定の間隔を空けて略等間隔に配置され(隣接する壁体12との間隔が略等間隔となるように配置され)、略円環状に立設されている。これにより、煙流入部10は、上面部が光学台11によって覆われるように略円筒状に形成されている。
平面視略Y字状の壁体12は、煙流入部10へ外光が入射することを防止するものである。この壁体12は、第1壁体12aの一方の端部、第2壁体12bの一方の端部、及び第3壁体12cの一方の端部が接続されて、平面視略Y字状となっている。また、これらの接続部には、例えば略円筒形状のボス部12dが設けられている。より詳しくは、ボス部12dは、壁体12の略中心部に配置されている。ボス部12dの内部には、後述の光学台カバー16に形成されたピン16aが嵌め込まれる非貫通の孔12eが形成されている。第1壁体12aは、ボス部12dから光学台11の略中心部に向かって延設されている。より詳しくは、平面視において、光学台11の略中心部から隣接された壁体12の方へ若干傾くように、第1壁体12aは、ボス部12dから延設されている。本実施の形態では、図6で見た場合、第1壁体12aは、時計回り方向に隣接された壁体12に向かって、若干傾いている。
第2壁体12bは、隣接する壁体12のボス部12dへ向かって、ボス部12dから延設されている。本実施の形態では、図6で見た場合、第2壁体12bは、反時計回り方向に隣接された壁体12のボス部12dに向かって、ボス部12dから延設されている。第3壁体12cは、ボス部12dから光学台11の外周側へ向かって延設されている。より詳しくは、平面視において、隣接する壁体12の方へ略円弧状に曲がるように、第3壁体12cはボス部12dから延設されている。本実施の形態では、図6で見た場合、第3壁体12cは、時計回り方向に隣接された壁体12に向かって略円弧状に曲がるように、延設されている。各壁体12間に形成された空間(所定の間隔)は、煙流入部10に煙が流入するための煙流入口14となっている。
このように壁体12を形成することにより、隣接する壁体12の間に形成される間隙の平面視における幅を、煙流入口14から開口部13にかけて略同等に形成できる。なお、ボス部12dは、必ずしも略円筒形状である必要はなく、例えば略角筒形状でもよい。また、光学台カバー16のピン16aがはめ込まれないボス部12dは、孔12eが形成されている必要はなく、中実の略筒形状としてもよい。
煙流入部10の下面側開口部は光学台カバー16により閉塞されており、煙流入部10内が暗箱となっている。光学台カバー16は、光学台カバー16の上面部に形成されたピン16aを壁体12のボス部12dに形成された孔12eに嵌め入れることにより、煙流入部10の下面側開口部を閉塞する。また、光学台カバー16の上面部の略中心部には、平面視略十字状のガイド17が設けられている。
光学台カバー16が煙流入部10の下面側開口部を閉塞した状態においては、ガイド17は、光学台11の開口部13と対向する範囲に(換言すると、各壁体12の内周側に)配置される。ガイド17の高さは壁体12の高さよりも低く形成されている。より詳しくは、本実施の形態においては、煙流入高さ(煙流入口14の高さ、又は後述の光学素子カバー25,26下面部と光学台カバー16上面部との距離)とガイド17の高さとの比は、1:0.2〜0.8となっている。このため、光学台カバー16が煙流入部10の下面側開口部を閉塞した状態においては、ガイド17と後述の第1光学素子カバー25及び第2光学素子カバー26との間には、所定の間隙が形成されている。また、煙流入部10の側面部には、煙流入口14から虫が侵入することを防止するため、防虫網(図示せず)が設けられている。
なお、本実施の形態に係るガイド17は平面視略十字状となっているが、ガイド17の形状はこれに限定されるものではなく、開口部13の形状に対応した形状とすればよい。例えば、開口部13が平面視略円形状の場合、ガイド17は、開口部13の略中心部から複数の壁体が放射状に延設された形状としてもよい。また例えば、ガイド17は、光学台カバー16の上面部の略中心部を頂点とする略角錐形状や略円錐形状となっていてもよい。
煙流入部10の上方には、実装部20が設けられている。この実装部20は、発光素子22、受光素子23、第1光学素子カバー25及び第2光学素子カバー26等から構成されている。
発光素子22及び受光素子23は、例えばチップLEDやチップPDであり、回路基板2に実装されている。より詳しくは、回路基板2の下部側縁部には略凹状の切欠き部2aが形成され、発光素子22及び受光素子23はこの切欠き部2aの隅に設けられている。また、第1光学素子カバー25及び第2光学素子カバー26は、これら発光素子22及び受光素子23を覆うように(換言すると回路基板2を挟み込むように)設けられている。なお、受光素子23は、シールドケース24に覆われている。シールドケース24は、受光素子23の受光部と対向する範囲が開口した略角筒形状をしている。
第1光学素子カバー25及び第2光学素子カバー26は、凹部25a及び凹部26aを備えており、これら凹部25a及び凹部26aが対向するように設けられる。第1光学素子カバー25及び第2光学素子カバー26の下部外周形状は、光学台11の開口部13に対応した形状となっている。そして、第1光学素子カバー25及び第2光学素子カバー26の下部が光学台11の開口部13に嵌め入れられることで、煙流入部10と実装部20とが連結される。このとき、第1光学素子カバー25の凹部25a、第2光学素子カバー26の凹部26a及び回路基板2の切欠き部2aによって形成される空間は、開口部13を介して、暗箱となっている煙流入部と連通している。つまり、第1光学素子カバー25の凹部25a、第2光学素子カバー26の凹部26a及び回路基板2の切欠き部2aによって形成される空間は、暗箱となっている実装部に相当する。
また、第1光学素子カバー25には、凹部25aと発光素子22の収容空間とを連通する絞り部25bが設けられている。また、第1光学素子カバー25には、凹部25aと受光素子23の収容空間とを連通する絞り部25cも設けられている。絞り部25bは、発光素子22の光軸22a(照射範囲22b)を決めるためのものである。絞り部25cは、受光素子23の光軸23a(受光範囲23b)を決めるためのものである。
これら絞り部25b及び絞り部25cにより、第1光学素子カバー25の凹部25a、第2光学素子カバー26の凹部26a及び回路基板2の切欠き部2aによって形成される空間には、図8に示すように検煙領域21が形成される。より詳しくは、発光素子22の光軸22aと受光素子23の光軸23aは、平面視において略平行となり、側面視において発光素子22から照射された光が直接受光素子23で受光されない所定の角度をなすように形成される。そして、発光素子22の照射範囲22bと受光素子23の受光範囲23bとの重合部である検煙領域21で煙を検出する。つまり、発光素子22から照射された光がこの検煙領域21に進入する煙によって散乱される光を、受光素子23は受光する。
上述のように下部側縁部に実装部20が設けられた回路基板2には、複数の電気部品(図示せず)が実装されており、これら電気部品が火災判別部3等を構成する。実装部20が回路基板2に実装された状態においては、発光素子22及び受光素子23と火災判別部3とは電気的に接続されている。そして、火災判別部3は、受光素子23が検出する受光量に基づいて火災が発生したか否かを判別する。受光素子23が検出する受光量は、例えば電圧等によって火災判別部3に出力される。
また、回路基板2は、ブザー54に接続されており、火災判別部3によって火災が発生したと判断されると、ブザー54から警報音を発する。ブザー54は、例えば第1光学素子カバー25の側方に設けられている。また、回路基板2には、ブザー54から発する警報音を停止させるスイッチ51、及び警報音発生中に例えば点滅する表示灯52も設けられている。この表示灯52の下部は、スイッチ51を操作するための押し釦53で覆われている。つまり、表示灯が発する光は押し釦53で拡散され、押し釦53が発光するように見えるので視認性が向上する。
検煙部1及び回路基板2は、筐体40内に設けられている。この筐体40は、本体41及び保護カバー42で構成されている。本体41は、検煙部1の実装部20、回路基板2及びブザー54を上部から覆うように設けられている。回路基板2が本体41内に設けられている状態においては、回路基板2は設置面(天井面)に対してほぼ垂直に立設するように設けられている。また、保護カバー42は、検煙部1(煙流入部10及び実装部20)、回路基板2、ブザー54及び本体41を下部から覆うように設けられている。保護カバー42は、煙流入部10への通気性が確保されるよう、煙流入口14と対向する範囲が開口している。また、保護カバー42には、ブザー54からの警報音が監視空間へ伝達されやすいように、ブザー54と対向する範囲に音響孔としての複数の孔42aが形成されている。また、保護カバー42には、押し釦53の操作部を保護カバー42の外部へ突出させるための開口部42bが形成されている。
本実施の形態に係る火災警報器100は、例えばリチウム電池である電池30を駆動源としている。つまり、電池30は、検煙部1の発光素子22や回路基板2の火災判別部3等に電源供給する。この電池30は、回路基板2の側方に設けられている。つまり、電池30を収納する電池収納部が、回路基板2の側方に設けられている。したがって、本実施の形態に係る火災警報器100は、電池収納部の位置に影響を受けることなく、検煙部1を配置することが可能となっている。
(動作説明)
続いて、本実施の形態に係る火災警報器100の動作について説明する。
図9は、本発明の実施の形態に係る火災警報器の動作状態を示す説明図(縦断面図)である。なお図9(a)は、検煙部1に煙が流入した状態を示す縦断面図であり、検煙部1内の煙の流れを破線の矢印で示している。また、図9(b)は、検煙部1に湯気が流入した状態を示す縦断面図であり、検煙部1内の湯気の流れを破線の矢印で示している。
図9(a)に示すように、火災により発生した煙は、監視空間の天井面等に沿って流れ、検煙部1の煙流入部10に流入する。ここで、本実施の形態に係る火災警報器100は、上述のように、電池収納部の位置に影響を受けることなく、検煙部1を配置することが可能となっている。このため、本実施の形態に係る火災警報器100は、検煙部1の煙流入部10の外周部に、均等に煙流入口14を形成することができる。したがって、本実施の形態に係る火災警報器100は、平面視において、煙流入方向の違いによる煙流入部10への煙流入特性のバラツキを低減できる。換言すると、本実施の形態に係る火災警報器100は、平面視において、煙の流入特性に対する煙流入方向の影響(以下、方向性という)が少なくなる。つまり、側面視において、煙の流れ方向と水平方向との角度が同じであれば、本実施の形態に係る火災警報器100は、平面視におけるいずれの方向からの煙であっても、煙流入部10への煙の流入特性(流入しやすさ)は略同等となる。
また、本実施の形態に係る火災警報器100においては、発光素子22及び受光素子23は、煙流入部10ではなく、実装部20に設けられている。したがって、本実施の形態に係る火災警報器100においては、発光素子22及び受光素子23等が煙流入部10に流入する煙の流れを遮らず、煙流入部10の煙流入特性が向上する。
また、本実施の形態に係る火災警報器100は、煙流入部10に形成された壁体12が平面視略Y字状となっているとともに所定の間隔を空けて略等間隔に配置されているので、煙流入特性の方向性によるバラツキを低減することができる。図6を用いてより詳しく説明すると、煙流入口14から流入した煙S1は、隣接する第2壁体12bと第3壁体12cとの間を通り、ボス部12dの方へ導かれる。この煙は、隣接する第2壁体12bと第1壁体12aの間、及び隣接する第1壁体12aと第1壁体12aとの間を通り、ガイド17(開口部13)の方へ導かれる。
このとき、隣接する壁体12の間に形成される間隙の平面視における幅は、煙流入口14から開口部13にかけて略同等となっている。このため、隣接する壁体12間を流れる煙の流通特性が向上する。つまり、煙流入部への煙流入特性が向上する。また、流速が小さくなっても煙流入特性の方向性によるバラツキを低減することができる。
ここで、例えば壁体12にボス部12dが形成されていない場合、図10に示すように、第1壁体12aと第2壁体12bとの接続部で煙S2が滞留してしまう場合がある。このため、壁体12にボス部12dを設けることにより、第1壁体12aと第2壁体12bとの接続部で発生する煙の滞留を防止し、煙流入部10の煙流入特性をより向上させている。
なお、壁体12を略Y字状にすることで得られる効果は、本実施の形態に係る検煙部1(煙流入部10と実装部20が二段重ねになっているもの)に限られるものではない。煙流入部の内部に発光素子及び受光素子を配置した検煙部(煙流入部と実装部が一段のもの)に本実施の形態に係る略Y字状の壁体12を設けても、煙流入特性の方向性によるバラツキを低減することができる。
ガイド17の近傍に到達した煙は、ガイド17の側面に沿って、開口部13の方へ導かれる。このため、実装部20への煙流入特性が向上する。なお、図11に示すように、光学台カバー16とガイド17との接続部形状を、側面視略円弧状にしてもよい。光学台カバー16とガイド17との接続部で煙が滞留することを防止でき、実装部20への煙流入特性がより向上する。
煙は粒子の質量が小さいため慣性が小さく、流動状態を変化させやすい。このため、開口部13の方へ導かれた煙は、開口部13を通って実装部20へ流入する。実装部20に煙が流入すると、この煙によって発光素子22の照射した光が散乱する。この散乱光は受光素子23によって受光される。つまり、受光素子23の受光量が変化する。そして受光素子23は、受光量に応じた検出値(電圧等)を火災判別部3に出力する。この検出値に基づいて、火災判別部3は火災が発生したか否かを判別する。火災が発生したと判断すると、火災判別部3は、表示灯52やブザー54等の警報装置によって火災が発生したことを周囲に警報する。なお、本実施の形態では、より精度よく煙を検出するため(より精度よく火災を判断するため)、発光素子22及び受光素子23を、回路基板2の切欠き部2aの隅に配置している。しかしながら、発光素子22及び受光素子23の配置は、この位置に限らず、煙検出に影響の無い範囲で回路基板2の切欠き部2aから離して配置しても勿論よい。
一方、図9(b)に示すように、湯気は粒子の質量が大きく慣性が大きいため、流動状態を変化させにくい。このため、開口部13の方へ導かれた煙は、ほとんど実装部20に流入することなく、ガイド17上端部と光学素子カバー25,26下面部との間を通って煙流入部10を通過する。このため、実装部20内では、発光素子22の照射した光が湯気によって散乱することはない(又は少ない)。したがって、煙流入部10(検煙部1)に湯気が流入しても、火災判別部3(火災警報器100)は火災であると誤判断することがない。
以上、このように構成された火災警報器100においては、検煙部1は、発光素子22と受光素子23が実装された実装部20と煙流入部10とが分けられている。また、実装部20と煙流入部10とは、煙流入部10が下側になるように重ねて配置され、開口部13で連通されている。このため、煙流入部10に湯気が流入しても誤報することがなく、煙が流入した際には火災を判断することができる火災警報器100を得ることができる。
また、ガイド17の近傍に到達した煙は、ガイド17の側面に沿って、実装部20内へ導かれる。このため、実装部20への煙流入特性が向上する。
なお、本実施の形態に係る火災警報器100は、天井面と略直交する側壁面に設置されても、煙と湯気はそれぞれ図9(a),(b)の通りに流動するので、天井面取付時と同様な効果が得られる。
また、本実施の形態では散乱光式の火災警報器100に本発明を実施したが、火災感知器に本発明を実施することももちろん可能である。
1 検煙部、2 回路基板、2a 切欠き部、3 火災判別部、10 煙流入部、11 光学台、12 壁体、12a 第1壁体、12b 第2壁体、12c 第3壁体、12d ボス部、12e 孔、13 開口部、14 煙流入口、16 光学台カバー、16a ピン、17 ガイド、20 実装部、21 検煙領域、22 発光素子、22a 光軸、22b 照射範囲、23 受光素子、23a 光軸、23b 受光範囲、24 シールドケース、25 第1光学素子カバー、25a 凹部、25b 絞り部、25c 絞り部、26 第2光学素子カバー、26a 凹部、30 電池、40 筐体、41 本体、42 保護カバー、42a 孔、42b 開口部、51 スイッチ、52 表示灯、53 押し釦、54 ブザー、100 火災警報器。

Claims (2)

  1. 検煙部と、該検煙部の出力信号に基づいて火災を判断する火災判別部と、を有し、前記火災判別部が火災と判断すると火災信号を出力する光電式煙感知器において、
    前記検煙部は、実装部と、煙流入部と、を備え、
    前記実装部は、
    該実装部の内部に光を照射する発光素子と、該発光素子から照射され、前記検煙部の煙粒子により生じる散乱光を受光する受光素子と、を有し、
    前記煙流入部は、
    該煙流入部に外光が入射することを防止する複数の壁体と、該壁体の間に形成された煙流入口と、上面に設けられ、略中心部に開口部が形成された光学台と、を有し、
    前記実装部と前記煙流入部とは、前記開口部で連通されており
    全ての前記壁体において、第1壁体の一方の端部、第2壁体の一方の端部、及び第3壁体の一方の端部が接続された部分には、煙の滞留を防止する筒状のボス部が設けられており、
    前記第1壁体は、
    前記ボス部から、前記光学台の略中心部に向けて延びるものであり、
    前記第2壁体は、
    前記ボス部から、隣接する前記壁体におけるボス部に向けて延びるものであり、
    前記第3壁体は、
    前記ボス部から、前記光学台の外周側且つ隣接する前記壁体に向けて略円弧状に曲がって延びるものであり、
    前記煙流入部には、前記開口部と対向する範囲に、該煙流入部に流入した煙を前記実装部へ誘導するガイドが設けられている
    ことを特徴とする光電式煙感知器。
  2. 前記ガイドの形状は、側面視略円弧状であり、
    前記ガイドは、前記煙流入部に進入した煙を、前記ガイドの形状に沿って前記開口部に導くものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の光電式煙感知器。
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