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JP5543692B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた表示装置および照明装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた表示装置および照明装置 Download PDF

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Description

本発明は高効率な有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という)を用いた表示装置および照明装置に関するものである。
有機EL素子は、有機薄膜中に電子、正孔を注入することによって発光する発光デバイスである。有機EL素子は、自発光であるためコントラストが高く、発光部の膜厚が非常に薄いという特徴を有している。このため、薄型平面表示装置あるいは薄型平面照明装置として用いることが検討されている。これらは、携帯電話や薄型テレビや家庭用照明器具などへの応用が可能なものである。
有機EL素子の陽極側の電極としては透明電極が用いられ、通常、酸化インジウムにドーパントとしてスズを添加した酸化インジウムスズ(以下ITOという)膜が使用されている。この電極は、電極として導電性を有し、かつ発光層から放射される光に対する光透過性を併せ持つ必要がある。
有機EL素子を用いた表示装置(以下、有機ELディスプレイという)においては、画素領域を大きくするためTFT(Thin Film Transistor)アレイを発光面とは反対側である基板側に形成したトップエミッション型素子構造が好適である。トップエミッション型素子構造において、発光面側上部電極は光を透過する必要がある。通常の表示装置においては、光透過性電極として一般にITOが用いられる。しかし、トップエミッション型有機EL素子においては、製造工程上、有機発光層を形成させた後、発光面側上部電極を形成させる必要がある。このため、スパッタ製膜や、高温プロセスが必要となるITOなどを用いることが困難である。
また、有機EL素子を用いた照明装置(以下、有機EL照明装置という)においては、薄型でより大面積を有するものが求められている。ここで光透過性電極として一般的に用いられているITO膜を使用すると、全面を均一に発光させることが困難である。これは、ITO膜の抵抗率が通常の金属電極と比較して100倍以上大きいために、大面積化されると面内での抵抗が大きくなるためである。
さらには、ITO膜の原料であるインジウムは希少金属であり、その将来的な枯渇が問題となっている。このため、将来的には材料の調達が困難になるという懸念点もある。
このようなITO膜に関する問題点を解決するために、金属薄膜を光透過性電極に用いることが検討されている。
有機ELディスプレイに関しては、有機発光層へのプロセスダメージの少ない真空蒸着法などによって、数nm〜数十nmの極薄膜の半透明金属電極を用いることが一般的に行われている。しかしながら、半透明金属電極を用いた場合、光の透過率が大きく減少し、有機ELディスプレイの輝度を著しく低下させるという問題がある。そのため、高輝度発光を得るためには、素子駆動電圧を大きくする必要があり、熱の発生等によりデバイス寿命が著しく低下してしまう。また、ディスプレイが大面積になると、極薄の半透明金属電極を均一に形成させることが困難となるため、上部電極形成工程におけるプロセスマージンが小さくなり、量産化において歩留まりが低下するという問題もある。
また有機EL照明装置に関しては、発光面を大面積化させた場合には半透明金属電極を均一に形成させることが困難であり、また導電性を十分に高いレベルで維持するために膜厚を厚くすると光透過性が低下してしまう。
このように、光透過性電極として従来用いられていたITO膜と金属薄膜とは、光透過性と導電性とを高いレベルで両立させることが困難であった。
このようなジレンマを解決するためにITO膜の抵抗を下げようとする試みもされている。たとえば特許文献1には、透明基板上に厚さ15μm以下、線幅25μm以下、開口部50μm〜2.5mmの構造を有する金属メッシュ電極を作製し、開口部位に透明樹脂膜を充填し、それらの上面全体にITO膜を製膜する技術が開示されている。ただし、このような手法においても金属メッシュ電極部はITO膜の補助的な役割を担うのみであり、上記問題の本質的な解決に至っているとはいえない。
特開2005−332705号公報 特開2005−279807号公報 米国特許第6,565,763号明細書 理化学辞典第5版、岩波書店発行 C. Harrison, et. al., Physical Review E, 66, 011706 (2002)
本発明は、光透過性電極における光透過性と導電性とを高いレベルで両立し、高効率である有機ELディスプレイおよび有機EL照明装置を提供しようとするものである。
本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンスディスプレイは、「基板と、画素駆動用回路部と、前記基板上にマトリックス状に配列された画素部とを具備してなる有機エレクトロルミネッセンスディスプレイであって、前記画素部が、前記基板に近い位置に設けられた第1の電極と前記基板から遠い位置に設けられた第2の電極とで挟持された少なくとも1層以上の有機層とを含む発光部を具備してなり、前記第2の電極が、金属電極層を具備してなり、前記金属電極層が貫通する複数の開口部を有しており、前記金属電極層の金属部位の任意の2点間は切れ目無く連続しており、前記開口部径が10nm以上780nm以下の範囲であり、前記金属電極層の膜厚が10nm以上200nm以下の範囲にあり、前記開口部の配列周期の分布を動径分布曲線で表した場合、その半値幅が5〜300nmの範囲にある」ことを特徴とするものである。
本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンスディスプレイは、「基板と、画素駆動用回路部と、前記基板上にマトリックス状に配列された画素部とを具備してなる有機エレクトロルミネッセンスディスプレイであって、前記画素部が、前記基板に近い位置に設けられた第1の電極と前記基板から遠い位置に設けられた第2の電極とで挟持された少なくとも1層以上の有機層とを含む発光部を具備してなり、前記第2の電極が、金属電極層を具備してなり、前記金属電極層が貫通する複数の開口部を有しており、前記金属電極層の金属部位の任意の2点間は切れ目無く連続しており、前記金属電極層における、前記開口部に阻害されない連続した金属部位の直線距離が、利用する可視光域波長380nm〜780nmの波長の1/3以下である部位が、全面積の90%以上であり、平均開口部径が10nm以上、前記光の波長の3分の1以下の範囲にあり、前記開口部の中心間ピッチが平均開口部径以上、前記光の波長の1/2以下の範囲にあり、前記金属電極層の膜厚が10nm以上200nm以下の範囲にある」ことを特徴とするものである。
本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法は、「前記の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法であって、前記画素部の前記第2の電極を形成させるに際して、ブロックコポリマー膜の相分離形状であるドット状のミクロドメインを生成させる工程と、前記ミクロドメインのパターンをマスクとしてエッチングを行うことにより、開口部を有する金属電極層を形成させる工程と、を含んでなる」ことを特徴とするものである。
本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法は、「電極を形成する基板上に有機ポリマー層を形成させる工程と、前記有機ポリマー層の上に微粒子の単粒子膜のドット状ミクロドメインを形成させる工程と、前記微粒子をエッチングにより、任意の粒径まで加工する工程と、前記エッチング処理した微粒子の単粒子膜を有機ポリマー層に転写することにより、透明基板の表面に、有機ポリマーとエッチング処理した微粒子とからなる柱状構造を形成させる工程と、前記形成された柱状構造の間隙部位に金属層を製膜する工程と、前記有機ポリマーを除去する工程と、を含んでなること」を特徴とするものである。
また、本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンス照明装置は、「透明基板と、前記透明基板に近い位置に設けられた第1の電極と前記透明基板から遠い位置に設けられた第2の電極とで挟持された発光部を具備してなる有機エレクトロルミネッセンス照明装置であって、前記第2の電極が、金属電極層を具備してなり、前記金属電極層が貫通する複数の開口部を有しており、前記金属電極層の金属部位の任意の2点間は切れ目無く連続しており、前記開口部径が10nm以上780nm以下の範囲であり、前記金属電極層の膜厚が10nm以上200nm以下の範囲にあり、前記開口部の配列周期の分布を動径分布曲線で表した場合、その半値幅が5〜300nmの範囲にある」ことを特徴とするものである。
また、本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンス照明装置は、「透明基板と、前記透明基板に近い位置に設けられた第1の電極と前記透明基板から遠い位置に設けられた第2の電極とで挟持された発光部を具備してなるものであって、前記第2の電極が、金属電極層を具備してなり、前記金属電極層が貫通する複数の開口部を有しており、前記金属電極層の金属部位の任意の2点間は切れ目無く連続しており、前記金属電極層における、前記開口部に阻害されない連続した金属部位の直線距離が、利用する可視光域波長380nm〜780nmの波長の1/3以下である部位が、全面積の90%以上であり、平均開口部径が10nm以上、前記光の波長の3分の1以下の範囲にあり、前記開口部の中心間ピッチが平均開口部径以上、前記光の波長の1/2以下の範囲にあり、前記金属電極層の膜厚が10nm以上200nm以下の範囲にある」ことを特徴とするものである。
また、本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンス照明装置の製造方法は、「透明基板上に金属電極層を形成させるに際して、ブロックコポリマー膜の相分離形状であるドット状のミクロドメインを生成させる工程と、前記ミクロドメインのパターンをマスクとしてエッチングを行うことにより、開口部を有する金属電極層を形成させる工程と、前記形成された金属電極層上に有機エレクトロルミネッセンス層を蒸着法または塗布法により形成させる工程と、前記形成された有機エレクトロルミネッセンス層の上にもうひとつの電極を蒸着法により形成させる工程と、を含んでなる」ことを特徴とするものである。
また、本発明の一実施形態による有機エレクトロルミネッセンス照明装置のもうひとつの製造方法は、「電極を形成する基板上に有機ポリマー層を形成させる工程と、前記有機ポリマー層の上に微粒子の単粒子膜のドット状ミクロドメインを形成させる工程と、前記微粒子をエッチングにより、任意の粒径まで加工する工程と、前記エッチング処理した微粒子の単分子膜を有機ポリマー層に転写することにより、透明基板の表面に、有機ポリマーとエッチング処理した微粒子とからなる柱状構造を形成させる工程と、前記形成された柱状構造の間隙部位に金属層を製膜する工程と、前記有機ポリマーを除去する工程と、を含んでなる」ことを特徴とするものである。
本発明の態様によれば、高効率な有機ELディスプレイおよび有機EL照明装置が提供される。これらは輝度が高く、寿命が長いうえ、輝度ムラがないという優れた特性を有している。これらのディスプレイおよび照明装置は、薄型テレビ、携帯電話など映像表示装置や、室内証明等に好適に用いることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明すると以下の通りである。
光透過性金属電極
まず、本発明において用いられる光透過性金属電極に関して説明すると以下の通りである。
物質、特に金属へ光が照射した際の応答について、原理から説明する。自由電子の電子による分極を古典力学的に記述したドルーデの理論において、自由電子の平均散乱時間が光の振動の周期より十分に小さいと仮定すると、誘電関数ε(ω)は以下のように記述される。
ε(ω) = ε(ω) − ωp / ω (1)
このときωp=ne/m*×εは、伝導電子のプラズマ周波数であり、nはキャリア密度、eは電荷、m*は実効質量、εは真空の誘電率である。(1)式の第1項は金属のダイポールの寄与であり、ここでは1に近い。第2項は伝導電子からの寄与である。
つまり、プラズマ周波数はキャリア密度nの関数となる。ここで、ω>ωのとき、誘電関数ε(ω)は負の値となり、物質に照射された光はプラズマ反射される。一方、ω>ωのとき、誘電関数ε(ω)は正の値となり、光を透過する。したがって、プラズマ周波数は物質の光に応答する際の反射と透過の閾値として考えることができる。
典型的な金属ではプラズマ周波数は紫外領域に存在するため、可視光は反射される。たとえば、Agにおいてはキャリア密度n=6.9×1022[cm−3]であり、プラズマ周波数に対応する波長は約130nmの紫外域にある。
一方、通常、有機EL素子に用いられているITOについて考えると、そのプラズマ周波数に対応する波長は赤外域にある。キャリア密度は電気伝導率に比例、抵抗率に逆比例するため、抵抗率を下げるためにドーパントを添加することはプラズマ周波数の増加につながる。したがって、ドーパントの添加量を増加させていくと、ある値から可視光の長波長側でプラズマ反射が生じ、透過率が減少してしまう。
以上のように、可視光領域において透過率を確保するためにはプラズマ周波数に対応する波長が赤外領域になくてはならず、この原理によってキャリア密度の上限が規定されてしまう。このような理由によって、一般に使用されているITOではそのキャリア密度は約n=1×1021[cm−3]であり、金属の数十分の一である。この値から算出される抵抗率の下限は約100μΩ・cmとなり、これ以上抵抗率を下げることは原理上困難である。このように、ITOに代表される酸化物半導体系の光透過型電極においては、原理的な面から抵抗率に下限が存在してしまう。
本発明において用いられる光透過性を有する金属電極の一実施態様は図1に示すとおりのものである。図1(A)は金属電極層101の斜視図であり、図1(B)は金属電極層101の立面図である。この光透過性を有する金属電極は本発明において、微細な開口部103を有する金属電極層を具備してなる。そして金属電極層は金属部102とその金属部を貫通する微細な開口部103を有する。金属電極層は電極として作用すると同時に、可視領域にある波長の光を透過することができるものである。
そして、本願発明において用いられる光透過性を有する金属電極は、金属部102に設けられた開口部の面積の総和から期待される以上の光透過性を有すること、言い換えれば、金属部103が本来有する反射の性質を低減させ、光を透過させることに大きな特徴を有するものである。
前記光透過性を有する金属電極層が、開口部径が10nm以上780nm以下であり、開口部の配置分布を動径分布曲線で表したとき、その半値幅が5〜300nmの範囲にあることによって、金属でありながら光透過性を有するには大別して次の二つの原理がある。
第一の原理は、電極に光が照射された際に光の電場により誘起される自由電子の運動が阻害され、光透過性となることである。第二の原理は、金属電極に設けられた開口部の開口径が光の波長より小さいため、レイリー散乱や回折の影響が低減され、光の直進性が維持されることにある。
なお、ここで「光の波長」とは、当該光透過性を有する金属電極が用いられるときに、その電極に入射する光の波長をいう。したがって、この波長は広範な範囲で変化し得るが、一般的に可視領域、具体的には380〜780nmの範囲から選択される。
まず、第一の原理について述べる。前記に記載したドルーデの理論において、対象となる物質は照射される光の波長に対して十分に大きく、均一な構造であることが仮定されている。物質にプラズマ周波数よりも低い周波数の光が照射された際、物質内の自由電子の運動について述べると、光のもつ電場により物質内の電子の分極が生じる。この分極は光の電場を打ち消す方向に誘起される。この誘起された電子の分極により、光の電場が遮蔽されることで、光は物質を透過することができず、いわゆるプラズマ反射が生じる。ここで、もし電子の分極を誘起される物質が、光の波長よりも小さいとすると、電子の運動は幾何学的な構造により制限され、光の電場を遮蔽することができなくなるものと考えられる。
以上のように、光に対する物質の応答を、微細構造による自由電子運動の阻害という観点から考えることで、図1に示されるような等方的に光の電場を透過する構造を提案した。本発明者らはこのような構造体に関する鋭意研究を行うことにより、電極膜中に開口部を設け、開口部径が10nm以上780nm以下であり、開口部の配置分布を動径分布曲線で表したとき、その半値幅が5〜300nmの範囲にあることによって、電極全体として、全方向の偏光を透過することを見出した。その一方で、金属部の任意の2点間は切れ目無く連続しており、言い換えれば面全体として金属部位は連続しているので、電極としての機能は維持され、また抵抗率も開口部の体積比率に従って減少するのみであるため、導電性は比較的高いまま維持される。
上記したような構造を、金属薄膜全体にわたって完全に均一に作製することは、従来非常に困難であった。しかし、発明者らは開口部径が10nm以上780nm以下であり、開口部の配置分布を動径分布曲線で表したとき、その半値幅が5〜300nmの範囲にあれば、本発明の目的である光に対する透過性を損なわないことを見出した。
金属電極層薄膜中に前記構造が形成されていることを解析するには、以下のような方法が挙げられる。該当する金属薄膜表面の電子顕微鏡画像、または原子間力顕微鏡画像に対してフーリエ変換を実施し、横軸に相関波長、縦軸に相関関数をプロットする。縦軸の相関関数は、連続した構造の周期性を示す、すなわち、画像中に含まれる構造のうちある波長を繰り返し単位とする構造がどれほど存在するかを示す。
次に第二の原理である、光の散乱の影響の低減、回折効果の回避による光の直進性の維持について述べる。
本発明の透明金属電極は光の散乱による影響を低減して光の直進性の効率向上を意図したものであり、その表面構造を定義するには、光が反応する大きさをパラメータとして取り扱う必要がある。この目的には、開口部径を述べるにあたっては、開口部の構造体の回転半径が最適であり、開口部の形状を構造物の回転半径で規定することによって、光の直進性の効率を最も適切に表現できることに想到したものである。すなわち、本発明の表面構造体の開口部の半径を回転半径で定義し、開口部径はその二倍となる。そして、種々の異なる形状も、回転半径が等しければ、本発明の作用が等しくなる。回転半径の定義は、例えば非特許文献1に記載がある。
本発明において、開口部の回転半径は次のように定義される。すなわち、開口部のある面に対して、端部から等間隔に円周状の線を描いていく。具体的には、原子間力顕微鏡で得られた凹凸像より、端部から等間隔に円周状に線引きしていく。この部分を画像処理し、さらに重心を割り出す。重心から凹部までの距離を換算し、モーメントをとり計算したものが回転半径であり、Rと定義する。これらの構造物の回転半径は、電子顕微鏡画像や原子間力顕微鏡画像のフーリエ変換によっても得ることができる。
光の散乱を生じる表面構造において、表面構造体の大きさが大きい物ほど光に対して影響が大きく、その効果は大きさの2乗に比例する。そのため、開口部の平均回転半径〈R〉は、該当する入射光の波長の1/6以下であることが好ましく、つまりは開口部径が入射光波長の1/3以下であることが好ましい。開口部の形状は特に限定されるものではない。たとえば、円筒形状、円錐形状、三角錐形状、四角錐形状、およびその他の任意の筒形状または錘形状であり、もしくはこれらが混在していてもかまわない。また、本発明に用いられる光透過性金属電極には種々の大きさ開口部が混在していても本発明の効果は失われない。むしろ開口部の大きさにばらつきがあるほうが、連続した金属部位の直線距離が長くなる傾向にあるので好ましい。このように開口部の大きさが一定ではない場合、開口部径は平均値で表示することができる。
次に回折について述べる。本発明に用いられる光透過性金属電極において、有機EL層側から金属電極方向へ入射して、金属電極を透過する光を考える場合、スカラー理論により回折の生じる条件は以下のように表される。
nmsinθm − ni×sinθi = m×λ/d (2)
ここで、θmは金属電極からの出射角、θiは有機EL層側からの入射角、λは入射する光の波長、dは回折格子の間隔であり、mは回折次数であり、整数(m=0、±1、±2、・・・)であり、ni、nmはそれぞれ有機EL層、金属電極外側の媒体、例えば透明基板などの屈折率である。したがって、回折が生じない条件は、最低回折次数であるm=−1のとき、式(2)が解をもたない条件となる。これを解くと λ/ni < 1 となり、入射光の波長を透明基板の屈折率で除した値が回折を生じないための閾値となる。一般に使用される有機EL層の屈折率は2を超えることはない。したがって、本発明における開口部間のピッチが一般に入射波長の1/2以下であれば、回折の影響を回避することができるため好ましい。
また、上記の開口部の相対位置は面内で相互に隣接した複数のミクロドメインから形成されており、ミクロドメインのそれぞれに配置された開口部は周期的に配列されており、かつそれぞれのミクロドメインは、それぞれの開口部の配列方向がランダムになるように配置されている、または全くランダムに配置されていることが好ましい。その理由は第一の原理から述べれば、たとえ長距離周期性を有する六方対称な構造をとれば周期構造をとる3軸方向に連続した金属の連続部位が存在してしまい、自由電子の運動を等方的に阻害することができないためである。ミクロドメイン構造、もしくはランダム構造として開口部が配置することによって、自由電子の運動を有効に阻害することができる。
開口部の相対位置を解析するにあたっては次のような方法がある。たとえば、開口部を有する金属薄膜の電子顕微鏡、もしくは原子間力顕微鏡の画像を、2次元フーリエ変換し、いわゆる逆格子空間像を得る。開口部の相対位置に周期性があれば、その逆格子空間像に明確なスポットが現れる。一方、開口部の相対位置が等方的であるならば、逆格子空間像はリング状となる。
次に、上記の光透過性金属電極の作製方法について述べる。既存のEB描画装置や露光装置を用いて開口部を作製する場合、規則配列をもった長周期的な構造は作製しやすいが、ランダムに開口部が配置された構造の作成は困難である。これに対して、本実施形態では、開口部形成用のテンプレートとして用いるブロックポリマーの相分離形状は、開口部の相対位置がランダムで等方的であり、本発明に用いられる光透過性金属電極を製造するのに適している。
これ以降の考察は、実際に微細な開口部を有する金属電極を作製し、試作品の測定を行った結果、得られたものである。前記電極は、開口部に阻害されない連続した金属部位の直線距離が該光の波長の1/3以下であることが好ましい。しかし、微細加工技術の観点からは、平均開口部径は10nm以上であることが好ましく、これ以下では透過特性に優れた光透過性を有する金属電極を均一かつ正確に作製することが難しくなる傾向にある。
これらの開口部を有する光透過性を有する金属電極は、ブロックコポリマー薄膜を形成用のテンプレートとして用いて、アルミニウムを蒸着、ブロックポリマーのテンプレートをリフトオフすることで作製した。本方法では、これまで光や電子線リソグラフィーでできなかった大面積かつ100nm以下の開口部パターンを作成することができる。もちろん、将来、光リソグラフィーや電子線リソグラフィーの進歩により、同様の構造が作製されても、光透過性を有する金属電極としての機能は同じである。
本実施形態では、主に芳香環ポリマーとアクリルポリマーの組み合わせのジブロックコポリマーを使用した。しかし、後述のようにジブロックポリマーを構成するブロックの一方が選択的に除去できるのであれば、これらの組み合わせには限らない。
本実施形態で芳香環ポリマーとアクリルポリマーの組み合わせのジブロックコポリマーを使用した理由は、この2種のポリマーの間に大きなドライエッチング耐性の違いがあるからである。本原理については、特許文献3に開示されている。芳香環ポリマーとして、ポリスチレン、ポリビニルナフタレン、ポリヒドロキシスチレン、これらの誘導体が挙げられる。アクリルポリマーの例として、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリヘキシルメタクリレートなどのアルキルメタクリレート、ポリフェニルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレートなどが挙げられ、これらの誘導体が含まれる。また、これらのメタクリレートの代わりにアクリレートを用いても同様の性質を示す。これらの中では、ポリスチレンとポリメチルメタクリレートのジブロックコポリマーがドライエッチング耐性などの点から優れている。
本発明の作製方法の一つでテンプレートとして使用するには、ブロックポリマーは十分に自己組織化で形成されるナノスケールのドット状ドメインがなくてはならない。このため、ブロックコポリマーの相分離形状はドット状構造である組成が本発明の目的には最適である。
自己組織化ブロックポリマーは必ずしも、自然に相分離して並ぶわけではない。近距離のパターンは同方向に配向してグレイン(grains)を形成する。ブロックコポリマーのガラス転移点温度以上で熱アニールをかけることで、グレインの大きさは時間と共に大きくなり、この速度は時間の1/4乗に比例して成長することが、過去の研究結果より分っている(非特許文献2)。このことは、配向したグレインがミクロン程度まで成長するのは数時間のアニールで十分である。
発明者らは50〜70nmの周期のドット状構造を持つブロックコポリマーの相分離形状得る方法を見出した。この相分離されたドット状のパターンは、この後に記述される方法で基板に転写される。転写された構造に金属電極を蒸着し、パターン転写部位を除去することで、有機EL素子に用いることができる光透過性を有する金属電極として用いることができる。
また、本発明の光透過性を有する金属電極の作製方法は、複数のミクロドメインの配列が互いに独立である構造を持つシリカ微粒子の単粒子層をエッチングマスクに用いた作製方法を採用することができる。
まず、基板を準備し、この上に必要に応じて有機ポリマー層(レジスト層)を50〜150nm厚で塗布をする。有機ポリマー層は、基板をエッチングする際に、マスクパターンのアスペクト比を向上させるために用いることが好ましい。
次に、前期有機ポリマー層は、この上に必要に応じて有機ポリマー層を20〜50nm厚で塗布をする。この有機ポリマー層は、シリカ微粒子の分散液を塗布した際に形成する多層膜中から、単粒子膜のみを捕捉するトラップ層の役割を担う。
特定の粒度分布を有するシリカ微粒子を含有する分散液を前記基板上に回転塗布をする。シリカ微粒子は自己組織的に最密な多層膜を形成しようとする。しかし、このときに完全に最密構造をとることができず、一部に「隙間」が生じる。これが最終的なミクロドメインの境界、すなわち粒界を構成する。ついで、この基板を加熱処理することにより、前記有機ポリマー層にシリカ微粒子表面層の最下層のみがし沈み込む。そこで、室温まで冷却すると最下層のシリカ微粒子のみが有機ポリマー層により基板に捕捉される。そのため、基板を超音波等で洗浄すると、シリカ微粒子は最下層のみを残して除去され、エッチング前の基材を得る。
基板はCFを用いたエッチングに付される。このエッチングによりシリカ微粒子はエッチングにより粒径が小さくなり、粒子間の隙間が広がる。このCFによるエッチングはシリカ微粒子を小粒径化させて、開口部を形成させるための所望のサイズにすることが目的である。このために、有機ポリマー層はエッチングされにくい条件でエッチングを行うことが好ましい。シリカ微粒子が所望の粒子径になったあと、O―RIEに付されて、基板上にドット状パターンが形成される。このパターン上に金属電極層が堆積される。金属を堆積させる方法としては、例えば蒸着などを用いることができる。堆積後に、例えば超音波洗浄などによりポリマーが除去されると、光透過性を有する金属電極の構造が出来上がる。
また、シリカ微粒子を配列させて単粒子膜を形成させ、小粒径化させるまでの工程を行った後、そのシリカ微粒子の単分子膜を有機ポリマー層(レジスト層)に転写してからエッチングを行ってパターンを形成させることもできる。
さらには、前記したいずれかの方法で金属を堆積させる前までの工程によりパターンの原盤を作製し、それをスタンパーとしてナノインプリンティングによりパターンを転写し、転写されたパターンに金属を堆積させることにより光透過性を有する金属電極を作製することもできる。このような方法によれば、比較的煩雑なエッチング処理の工程を省略することができるため、効率のよい電極の製造が可能となる。
本発明において電極を構成する金属は、光の透過率の観点からは、光透過性を有する金属電極に入射する光の周波数よりもプラズマ周波数の高い材料からなることが好ましい。また、有機EL素子として高い効率を達成するためにできるだけ抵抗率の低いものが好ましい。上記の観点からアルミニウム、金、銀、銅、インジウム、マグネシウム、リチウム、スカンジウム、カルシウム、ニッケル、コバルト、および白金からなる群から選択される金属を用いることが好ましい。
有機ELディスプレイ
本発明の一実施形態にかかるアクティブマトリクス型駆動方式のトップエミッション型有機ELディスプレイの構造は図2に例示されるものである。図2は本発明の実施形態の理解を助けるための典型的な例を示したものであって、本発明の実施形態にかかる有機ELディスプレイは図示される構造に限定されないことはいうまでもない。
図2に例示する有機ELディスプレイは基板201とは反対側を発光面とするトップエミッション型ディスプレイである。そのため、基板201は透明である必要がなく、画素部支持体として機能すれば特に限定されず、ガラス基板、Si基板、プラスチック基板などを用いることができる。なかでもディスプレイサイズを大型化できるガラス基板を用いることが特に好ましい。
基板201外周部には、映像信号駆動回路、走査信号駆動回路等の画素駆動用回路202が配置されている。基板201上には、画素駆動用回路部202と接続された複数の画素203がマトリクス状に配列されている。前記画素203は、例えば一対の電源端子間で直列に接続された子制御回路、出力スイッチ、画素スイッチ、および第1の電極と第2の電極で少なくとも1層以上の有機層を挟持してなる発光部を有する。前記素子制御回路は、その制御端子が画素スイッチを介して映像信号線に接続されており、映像信号線駆動回路から映像信号線および画素スイッチを介して供給される映像信号に対応した大きさの電流を、出力スイッチを介して発光部へ出力する。また、画素スイッチは、その制御端子が走査信号線に接続されており、走査信号線駆動回路から走査信号線を介して供給される走査信号によりON/OFFが制御される。さらに、出力スイッチは、その制御端子が走査信号線に接続されており、走査信号線駆動回路から走査信号線を介して供給される走査信号によりON/OFFが制御される。なお上述のディスプレイ構造は、本発明を理解するために典型的な例を示したものであって、本発明がこれに限定されないことはいうまでもなく、これら画素駆動用回路、および画素には他の構造を採用することも可能である。
続いて前記画素203について、図3を用いて説明する。図2は各画素3の典型的な断面図を示したものであって、本発明の構造がこれに限定されないことはいうまでもない。前記基板201上には、例えばSiN、SiO等が積層された下地層204を設けることができる。下地層204上には、例えばチャネル領域、ソース領域、ドレイン領域が形成されたポリシリコンからなる半導体層205と、例えばTEOS(Tetraethoxysilane)などを用いて形成されるゲート絶縁膜206と、例えばMoWなどからなるゲート電極207とがこの順序で形成され、トップゲート型の薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を構成している。これらTFTは画素スイッチ、出力スイッチ、素子制御回路等に利用される。ゲート絶縁膜206上には、ゲート電極207と同一の工程で形成された走査信号線がさらに形成されている。
例えばプラズマCVD法などにより成膜された、SiOなどからなる層間絶縁膜208は、ゲート電極を含むゲート絶縁膜206上に形成されている。例えば、Mo/Al/Moの三層構造を有する、ソース電極209、またはドレイン電極210は、層間絶縁膜208上に形成されている。これらの電極は、その層間絶縁膜208に設けられたコンタクトホールを通してTFTのソース領域、ドレイン領域にそれぞれ接続されている。また、ソース電極209、およびドレイン電極210と同一の工程で形成可能な映像信号線は層間絶縁膜208上に形成されている。ソース電極209、およびドレイン電極210を含む層間絶縁膜208上には、例えばSiNなどからなるパッシベーション膜211が形成されている。
パッシベーション膜211上には、第1の電極212が形成され、パッシベーション膜211に形成されたスルーホールによって、ドレイン電極210と電気的に接続されている。第1の電極212は陽極であり、正孔を有機層中に注入する役割を担うため、4.0eV以上の仕事関数を有する材質であることが好ましい。例えば、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫、酸化亜鉛、金、銀、白金、銅等の金属、またはこれらの酸化物、ならびにこれらの混合物等を用いて陽極を形成することができる。中でも5.0eV程度の大きな仕事関数を有するITOを用いることが特に好ましい。陽極は有機層214への正孔注入のため、有機層との界面のみに形成されていればよく、厚さは特に限定されない。通常、5nm〜300nm程度の膜厚で用いることができる。第1の電極は、基板側に形成した光取り出し層や、反射層などに光を導くため透明性を有するITOを単層構造で用いてもよいし、低抵抗な電気的導通性と光反射性を兼ね備えたITO/Ag/ITOなどの多層構造としてもよい。
さらに画素隔壁層213が、第1の電極212を含むパッシベーション膜211上に設けられており、各画素間の隔壁を形成している。画素隔壁層213には、例えば感光性のアクリル樹脂等を用いることができ、通常の露光方法によってパターニングすることができる。
画素隔壁層213を含む第1の電極212上には、活性層を含む一層以上の有機薄膜が積層された有機層214が形成される。ここで活性層とは、正孔と電子とが結合する領域をさす。有機層214は、各画素によってR、G、Bに対応した発光材料により形成させることができる。例えば正孔と電子との結合効率を向上させるため、活性層の他に、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、または正孔ブロック層等の種々の有機薄膜が挿入されていてもよい。活性層、正孔輸送層、および電子輸送層の材質は特に限定されず、低分子系であっても高分子系であってもよく、有機EL素子において通常用いられる活性層材料、正孔輸送材料、あるいは電子輸送材料等であれば任意の材料を用いることができる。
例えば、活性層材料としては、トリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体(Alq)やビスジフェニルビニルビフェニル(BDPVBi)、1,3−ビス(p−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾールイル)フェニル(OXD−7)、N,N’−ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(BPPC)、および1,4ビス(p−トリル−p−メチルスチリルフェニルアミノ)ナフタレンなどが挙げられる。また、正孔輸送材料として、例えば、ビス(ジ(p−トリル)アミノフェニル)−1,1−シクロヘキサン、テトラジフェニルジアミン(TPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(α−NPD)等のトリフェニルジアミン類や、スターバースト型分子等が挙げられる。さらに、電子輸送材料として、例えば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(Bu−PBD)、OXD−7等のオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、およびキノリノール系の金属錯体が挙げられる。有機層の厚さは、特に限定されることはないが、通常用いられるように、0.01μmから1μmの範囲であることが好ましい。
画素隔壁層213を含む有機層214上には、第2の電極215が形成されている。第2の電極215は画素隔壁層213、パッシベーション膜211に形成されたコンタクトホールにより、映像信号線と同一の層上に形成された配線に電気的に接続されている。第2の電極215は陰極であり、電子を注入する役割を担うため、仕事関数が小さい材質であることが好ましい。本発明における特徴は、この第2の電極215として、図1に示す構造の光透過性電極を用いることである。この光透過性金属電極を第2の電極215に用いることで、高効率な有機ELディスプレイが得られる。この光透過性金属電極は、電極として作用すると同時に、可視領域にある波長の光を透過することが可能であり、金属部に設けられた微小開口部103の面積の総和から期待される以上の光透過性を有する。そのため、通常用いられるような半透明金属電極よりも高い透過率を達成することができ、高輝度かつ高効率な有機ELディスプレイが得られる。このディスプレイは高効率であるために、寿命も長いものとなる。
また、第2の電極215は、一層である必要はなく、異なった金属より構成される金属電極膜101が複数層積層した多層構造であってもよい。例えば、有機層214に効率よく電子を注入するため仕事関数の低い金属を有機層214との界面に形成させた後、それとは別の金属を積層した二層構造とし、これに上記のような微小開口部103を形成させてもよい。また、微小開口部103からは、電子注入が出来ないため、有機層214と第2の電極215の界面に、電子拡散層を挿入してもよいし、有機層214上に透明な数nm程度の極薄膜金属を形成した後、その上部に微小開口部103を形成させた金属電極膜101を積層した多層構造を持つ第2の電極215を用いてもよい。また、R、G、B各画素ごとに、微小開口部103の平均開口径を変化させてもよい。
また微小開口部103が空隙ではない場合、その材質は、透明性を有していれば特に限定されず、誘電体のような物質により孔が埋め込まれていても本発明の効果が失われることはない。また、空隙である場合には任意の気体が充填されていてもよい。以上のように、第1の電極212、有機層214、および第2の電極215によって発光部218が形成されている。
さらに発光部218と対向した封止基板219と、対向面周縁に沿って設けられたシール層(図示せず)をさらに備えており、それにより発光部218と封止基板219との間に密閉された空間を形成する。この空間は、例えばArガスなどの希ガス類や、Nガスのような不活性ガスで満たされ、水分などによる発光部218の劣化を防止するために用いられる。発光部218と封止基板219との間に、コントラスト向上のためカラーフィルターや、光散乱層等の光取り出しを向上させる手段が設けられていてもよい。
以上のように、従来知られている有機ELディスプレイの電極を本発明により特定された光透過性金属電極に置き換えることで、優れた特性を有する有機ELディスプレイとすることができる。ここで、本発明の光透過性金属電極は、陽極または陰極のいずれにも用いることができる。しかしながら、装置の構造により、光を放出する側の電極を光透過性金属電極とすることが好ましい。
有機EL照明装置
次に、本発明の一実施形態にかかる有機EL照明装置の構造は、図4に例示されるものである。図4は本発明の実施形態の理解を助けるための典型的な例を示したものであって、本発明の実施形態にかかる有機ELディスプレイは図示される構造に限定されないことはいうまでもない。
図4に例示する有機EL照明装置は、透明基板401上に、陽極402と陰極404とに挟まれた発光層403を具備してなる。この照明装置は発光層から放射される光を透明基板側に放射するものであり、基板は光透過性が高いものがより好ましく、透過度は80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。具体的にはガラスまたはプラスチックなどが用いられる。また、電極間には発光層403の他に、正孔注入層(正孔輸送層)または、電子注入層(電子輸送層)を形成させることもできる。即ち、本発明の実施態様において、有機EL照明装置の代表的な層構造としては、以下のものが挙げられる。
1)光透過性金属電極(陽極)/発光層/電極(陰極)
2)光透過性金属電極(陽極)/発光層/電子注入層/電極(陰極)
3)光透過性金属電極(陽極)/正孔注入層/発光層/電子注入層/電極(陰極)
4)光透過性金属電極(陽極)/正孔注入層/発光層/電極(陰極)
ここで、本発明においては陽極電極に、前記の光透過性金属電極を用いる。光透過性金属電極402上には、真空蒸着法もしくは塗布法によって正孔注入層、さらに必要に応じて電子注入層を形成する。電子注入層及び正孔注入層は、それぞれ電荷の注入性、電荷の輸送性、電荷に対する障壁性の何れかを有する層である。これらの層は、有機材料及び無機材料の何れを用いて構成してもよく、厚さは10〜300nm程度とすることが好ましい。
陰極404は、光透過性がある必要はなく、むしろ光反射性であることが好ましい。このため、例えばアルミニウム、マグネシウム、インジウム、銀、あるいはそれらの合金等の仕事関数が小さな金属から形成されることが一般的である。この陰極404の厚さは10〜500nm程度とすることが好ましい。
発光層では、電子と正孔とが再結合して光が発生するものである。この層は、照明装置に求められる発光波長などに応じて、従来知られている任意のものを用いることができる。具体的には、以下のような構成により、白色の有機EL照明装置を作製することができる。
光透過性金属電極上へPSS(ポリスチレンスルホン酸):PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)の水溶液をスピンコートにより塗布して、50nm程度の厚さの正孔注入層を形成させる。その上にα−NPD(4,4−ビス[N−(1−ナフチル)−n−フェニル−アミノ]ビフェニル)を蒸着法に堆積させて、50nm程度の厚さの正孔輸送層を形成させる。次に、その上に青色発光材料であるFIrpic(イリジウム(III)ビス(4,6−ジ−フルオロフェニル)−ピリジナト−N,C)ピコリネート)がCBP(4,4‘−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル)に10%ドープされた層を共蒸着法により10nm程度の厚さで形成させる。次にその上に赤色発光材料であるBtp2Ir(acac)(ビス(2−(2‘−ベンゾ[4,5−a]チエニル)ピリジナト−N,C)イリジウム(アセチルアセトナト))がCBPに10%ドープされた層を共蒸着法により10nm程度の厚さで形成させる。次にその上に黄色発光材料であるBt2Ir(acac)がCBPに10%ドープされた層を共蒸着法により10nm程度の厚さで形成する。これらの青、赤、および黄色の発光層を設けることにより白色光を発生させることができる。そして、その上にBCP(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)を蒸着法により50nm程度の厚さで堆積させて電子輸送層を形成させる。最後にLiF/Alを蒸着法により150nm程度の厚さで堆積させて陰極を形成させる。
上記の白色有機EL照明装置は発光層を蒸着法により形成するものであるが、塗布法によっても形成させることができる。発光層を塗布法により形成する方法について説明すると以下の通りである。
光透過性金属電極上にPSS:PEDOTの水溶液をスピンコートにより塗布して、50nm程度の厚さの正孔注入層を形成させる。その上にPVK(ポリビニルカルバゾール)にFIrpic、Btp2Ir(acac)、Bt2Ir(acac)を分散させた溶液をスピンコートにより塗布して、100nm程度の厚さの発光層を形成させる。青、赤、および黄色の発光材料をPVKに分散させることにより白色発光が得られる。そして、その上にBCPを蒸着法により50nm程度の厚さで堆積させて電子輸送層を形成させる。そして、その上にAlq3(8−ヒドロキシキノリンアルミニウム)を蒸着法により20nm程度の厚さで堆積させて電子注入層を形成させる。最後にMg:Agを共蒸着法により150nm程度の厚さで堆積させて陰極を形成させる。
光透過性金属電極の形成方法
本発明において必要とされるような、一般的なリソグラフィーの限界解像度を超えるパターンを有する光透過性金属電極の作製には、上述したようなブロックコポリマーの相分離構造や、単粒子層をエッチングマスクやリフトオフマスクに用いたリソグラフィーを採用することが好ましい。リフトオフにより、有機EL照明装置において光透過性金属電極を形成させる方法を、図5を参照しながら説明すると以下の通りである。
まず、透明基板401上に有機ポリマー層501を50〜150nm形成する(図5(a))。次に、有機ポリマー膜の上に無機物質層502を5〜30nm形成する(図5(a))。この無機物質層は下層の有機ポリマー層501を酸素プラズマエッチングする際のエッチングマスクとして機能する。有機ポリマー層501は酸素プラズマエッチングによって容易に削られるが、無機物質層の材料として適当な無機層物質を選べば酸素プラズマエッチングに高いエッチング耐性を得ることができる。そのため、アスペクト比の大きいマスクを形成することが可能となり、その後のリフトオフが容易になる。次に、ブロックコポリマーの薄膜503を無機層の上に形成する。ジブロックコポリマーを形成したのち、ホットプレート上もしくはオーブン中で熱アニールを行い、ドット状ミクロドメイン504を形成させる(図5(a))。
ブロックコポリマーが相分離したのち、1つのポリマー組成が、残りのポリマー組成よりエッチングにより容易に除去できれば、残った方の配向したナノスケールのポリマードメインをエッチングマスクとして用いることができる。芳香族とアクリルの組み合わせのジブロックポリマーは、2種のブロックのエッチングコントラストが大きいため、本用途には望ましい。例えば、ポリスチレンとポリメチルメタクリレートはRIEでエッチング速度が大きく違うため、相分離したポリスチレンドメインを選択的に残すことができ、エッチングマスクとして使うことができる。
ブロックコポリマーの一方の相が選択的に除去されてドット状のパターンが形成した後、ドット状パターンをマスクにして無機物質層502をエッチングする(図5(b))。無機物質層はCFまたはCHF、もしくは両方の混合ガスによりRIEする。その後、パターン化した無機物質層502をマスクにして有機ポリマー層を酸素RIEによりエッチングする。無機物質層は酸素プラズマによってエッチングされず、無機物質層502とその下の有機ポリマー層501のエッチングコントラストを非常に大きくできるため、高いアスペクト比のドット状パターンを得ることができる(図5(c))。
有機ポリマー層にドット状パターンが転写された後、金属電極層505を蒸着法により堆積する(図5(d))。図5(e)に示すように、金属電極層堆積後にポリマー層501を除去すると、本発明による一実施形態の光透過性を有する金属電極の構造が完成する。無機物質層は下層の有機ポリマー層をエッチング、例えば酸素プラズマエッチングする際のエッチングマスクとして機能する。このような特性を示す材料として蒸着したシリコン、チッ化シリコン、酸化シリコンなどが、無機物質層の材料として挙げられる。また、回転塗布したシロキセンポリマー、ポリシラン、スピンオングラスなども、酸素プラズマエッチングを用いる際には有効な材料である。
ここでは、有機EL照明装置において光透過性金属電極を形成させる方法を説明したが、有機ELディスプレイにおいても、従来の電極に変えて、前記したのと同様に方法により光透過性金属電極を形成させることができる。
また、前記したいずれかの方法で金属を堆積させる前までの工程によりパターンの原盤を作製し、それをスタンパーとしてナノインプリンティングによりパターンを転写し、転写されたパターンに金属を堆積させることにより光透過性を有する金属電極を作製することもできる。このような方法によれば、比較的煩雑なエッチング処理の工程を省略することができるため、効率のよい電極の製造が可能となる。
本発明を具体的な実施例を用いて説明すると以下の通りである。本発明がこれらの例に限定されないことはいうまでもない。
(実施例1)
ガラス基板上に下地層として、SiO、SiNをプラズマCVD法によって、それぞれ膜厚100nm、50nmの厚さで堆積させた。続いて、半導体層としてアモルファスシリコンをプラズマCVD法で50nmの厚さで堆積させた。脱水素アニールを行った後、エキシマレーザーを照射することによってアモルファスシリコンを結晶化させ、TFTを形成させる領域をポリシリコンに改質させた。さらにフォトリソグラフィーを用いてエッチング加工し、ポリシリコンのパターニングを行った。ゲート絶縁膜としてSiOを堆積させた。さらにMoWを堆積させ、パターニングを行ってゲート電極を形成させた。ドーピングを行った後、層間絶縁膜としてSiOをプラズマCVD法により堆積させた。ソース領域、ドレイン領域へのコンタクトホールをフォトリソグラフィーによって形成させた後、Mo/Al/Moの三層構造からなるソース電極、ドレイン電極を形成させてTFTを形成させた。さらにプラズマCVD法によってSiNを堆積させ、パッシベーション膜を形成させた。パッシベーション膜に感光性アクリル樹脂をコーティングした後、フォトリソグラフィーを用いてパッシベーション膜をエッチング加工し、ドレイン電極とのスルーホールを形成させた。その後、スパッタ法を用いて、ITOを10nmの厚さで堆積させ、Agを100nmの厚さで堆積させ、さらにITOを10nmの厚さで堆積させた後、パターニングして第1の電極(陽極)を形成させた。さらに、感光性アクリル樹脂をコーティングした後、フォトリソグラフィーによりパターニングを行い、画素隔壁層を形成させた。ITO表面を酸素プラズマによって表面処理した。
続いて、R、G、およびB各色について、α−NPDを真空蒸着法にて50nmの厚さで堆積させ正孔輸送層を形成させた。DCMをドーパント、Alq3をホスト材料に用いて、真空蒸着法によって80nmの厚さで堆積させ、Rに対応する活性層および電子輸送層を形成させた。Alq3を真空蒸着法によって80nmの厚さで堆積させ、Gに対応する活性層および電子輸送層を形成させた。クマリン6をドーパント、Alq3をホスト材料に用いて、真空蒸着法によって80nmの厚さで堆積させ、Bに対応する活性層および電子注入層を形成させた。さらにLiFを5nmの厚さで堆積させて電子注入層を形成させた後、MgAg合金を蒸着速度比10:1で真空蒸着法により共蒸着させて、30nmの厚さのMgAg合金層を得た。続いて、MgAg合金層上に、SiOを真空蒸着法で40nmの厚さに堆積させた後、パーフルオロポリエーテルを真空蒸着法で3nmの厚さで堆積させてSiO膜の表面処理を実施した後、さらにTPDを9nmの厚さで真空蒸着により堆積させた。このときTPDはパーフルオロポリエーテルによって疎水性に表面処理されたSiO膜に蒸着されるため島状に成長し、平均ドット径60nm、平均ピッチ75nmのランダムな配列を有するドットパターンが形成された(図6)。その後、TPDをエッチングマスクに用いて、CFガスを用いたドライエッチングによって、SiO膜の島状成長したTPDで被覆されていない領域を5nmエッチング加工した。さらに基板を100℃でアニール処理すると、SiO膜のうちエッチングされた領域は親水性表面であるため、TPDはより濡れ性の良い親水性表面へと移動し、平均開口径60nm、平均ピッチ75nmのホールパターンが形成された。
次にホールパターンで形成されたTPDをエッチングマスクに用いて、CFガスによるドライエッチングによってSiO膜を30nmドライエッチングして、TPDマスクに被覆されていない領域のSiO膜を貫通させ、MgAg表面を露出させた。このとき、TPDマスクは約10nmの厚さで残存していた。最後にArガスを用いたスパッタエッチングによって、MgAg膜をエッチング加工して、表面から25nmの深さまでを除去した。表面をSEMで観察した結果、MgAg膜に平均開口径60nm、平均ピッチ75nmの微小開口部が形成されていた。さらに、断面をSEMで観察した結果、30nmのMgAg膜のうち、LiFとの界面のMgAgは5nmの厚さの薄膜状に残存しており、膜厚25nmの微小開口部を有するMgAg膜がその上部に形成されていた。該当波長については、550nmの波長として対応する金属の連続領域が約180nm以下となる面積が、全面積の約97%を占めていた。Arスパッタ前に残存していたTPDは、Arスパッタ後にはすべて除去されており、SiOは約10nmの厚さで残存していた。最後に封止基板によってシール層を挟んで封止し、実施例1のトップエミッション型有機ELディスプレイが得られた。
(実施例2)
実施例1と同様の方法によって有機層まで形成させた。その後、MgAg合金を蒸着速度比10:1で真空蒸着法により共蒸着させて、5nmの膜厚のMgAg膜を形成させた。次にポジ型レジスト(THMR−ip3250(商品名)、東京応化工業株式会社製)をコーティングしてベーク処理を行い、膜厚80nmのレジスト膜を形成した。さらに有機スピンオングラス(SOG)組成物(OCD−T7 5500−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)をコーティングしてベーク処理を行い、膜厚20nmのSOG膜を得た。さらに、ポリスチレン(PS)(Mw78000):ポリメチルメタクリレート(PMMA)(Mw:170000)のブロックポリマーに、PMMA(Mw1500)を重量比6:4で混合したポリマー溶液をコーティングして、アニール処理を行い、ブロックポリマーを相分離させた。
その後、酸素ガスを用いたドライエッチングによってPMMA相のみを除去した。さらに残存したPS相をエッチングマスクに用いて、CFガスを用いたドライエッチングによってSOG膜をエッチングし、PS相パターンをSOG膜に転写した。さらに転写されたSOGパターンをエッチングマスクに用いて、酸素ガスを用いたドライエッチングによってレジスト層をエッチングし、MgAg表面を露出させた。MgAg表面上には、ランダム配列を持つ高さ90nmのレジスト/SOGのピラーが形成された。その後、MgAg合金を蒸着速度比10:1で真空蒸着法により共蒸着させて、膜厚20nmのMgAg膜を形成させた。ピラーのレジストを酸素プラズマによって除去してピラーと逆パターンを有する微小開口部を有する第2の電極を形成させた。このときの、第2の電極に形成された微小開口部のパターンは、平均開口部径は約100nmであり、全面積に占める開口率は約32%であった(図7)。該当波長については、550nmの波長として対応する金属の連続領域が約180nm以下となる面積が、全面積の約96%を占めていた。最後に封止基板によってシール層を挟んで封止し、実施例2のトップエミッション型有機ELディスプレイが得られた。
(実施例3)
実施例1と同様の方法によって有機層まで形成した。その後、MgAg合金を蒸着速度比10:1で真空蒸着法により共蒸着させて、30nmの膜厚のMgAg膜を形成させた。次にポジ型レジスト(THMR−ip3250(商品名)、東京応化工業株式会社製)をコーティングしてベーク処理を行い、膜厚80nmのレジスト膜を形成した。さらに有機SOG組成物(OCD−T7 5500−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)をコーティングしてベーク処理を行い、膜厚20nmのSOG膜を得た。さらに、PS(Mw78000):PMMA(Mw:170000)のブロックポリマーに、PMMA(Mw1500)を重量比6:4で混合したポリマー溶液をコーティングして、アニール処理を行い、ブロックポリマーを相分離させた。その後、酸素ガスを用いたドライエッチングによってPMMA相のみを除去した。さらに残存したPS相をエッチングマスクに用いて、CFガスを用いたドライエッチングによってSOGをエッチングし、PS相パターンをSOGに転写した。さらに転写されたSOGパターンをエッチングマスクに用いて、酸素ガスを用いたドライエッチングによってレジスト層をエッチングし、MgAg表面を露出させた。MgAg表面上には、ランダム配列を持つ高さ90nmのレジスト/SOGのピラーが形成された。さらに、SOG(OCD−T7 12000−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)をコーティングし、ピラーの埋め込みを行った。埋め込んだSOG膜をCFガスを用いてエッチバックし、レジストピラーを露出させ、エッチングをストップした。レジストのピラーを酸素ガスを用いたエッチングによって除去し、レジストのピラーが存在した部分のMgAg表面を露出させた。さらに、Arガスを用いたスパッタエッチングによってMgAg膜をエッチングして、表面から30nmの深さまで除去し、微小開口部を有する第2の電極を形成させた。このとき、第2の電極に形成された微小開口部のパターンは、平均開口部径は約100nmであり、全面積に占める開口率は約32%であった。該当波長については、550nmの波長として対応する金属の連続領域が約180nm以下となる面積が、全面積の約96%を占めていた。最後に封止基板によってシール層を挟んで封止し、実施例3のトップエミッション型有機ELディスプレイが得られた。
(実施例4)
実施例1と同様の方法によって有機層まで形成した。その後、MgAg合金を蒸着速度比10:1で真空蒸着法により共蒸着させて30nmの膜厚のMgAg膜を形成させた。さらにMgAg膜上に感光性アクリル樹脂を100nmコーティングした。この基板とは別に、石英基板を用意し、ポジ型レジスト(THMR−ip3250(商品名)、東京応化工業株式会社製)をコーティングしてベーク処理を行い、膜厚120nmのレジスト膜を形成させた。さらに有機SOG組成物(OCD−T7 5500−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)をコーティングしてベーク処理を行い、膜厚30nmのSOG膜を得た。さらに、PS(Mw78000):PMMA(Mw:170000)のブロックポリマーに、PMMA(Mw1500)を重量比6:4で混合したポリマー溶液をコーティングしてアニール処理を行い、ブロックポリマーを相分離させた。その後、酸素ガスを用いたドライエッチングによってPMMA相のみを除去した。さらに残存したPS相をエッチングマスクに用いて、CFガスを用いたドライエッチングによってSOGをエッチングし、PS相パターンをSOGに転写した。さらに転写されたSOGパターンをエッチングマスクに用いて、酸素ガスを用いたドライエッチングによってレジスト層をエッチングし、石英基板表面を露出させた。石英基板上には、ランダム配列を持つ高さ130nmのレジスト/SOGのピラーが形成された。
得られたレジスト/SOGのピラーをエッチングマスクに用いて、CF/CHF混合ガスを用いたドライエッチングによって石英基板表面を深さ50nmにエッチング加工した。最後に酸素プラズマによってレジストを除去した。石英基板上には、平均ドット径は約100nmであり、ドットの占有率は32%であるドットパターンが形成された。このドットパターンを形成させた石英基板をスタンパーに用いて、有機ELディスプレイ基板を感光性アクリル樹脂に0.5MPaでの押印圧力でナノインプリントを行い、UV照射して光硬化させた。アクリル樹脂には、スタンパーとは逆パターンを有するホールパターンが形成されていた。酸素ガスを用いたドライエッチングによって、ホール部の底だしを行った。さらに、Arガスを用いたスパッタエッチングによってMgAg膜をエッチング加工して、表面から深さ25nmまでを除去し、微小開口部を有する第2の電極を形成させた。このときの、第2の電極に形成された微小開口部のパターンは、平均開口部径は約100nmであり、全面積に占める開口率は約32%であった。該当波長については、550nmの波長として対応する金属の連続領域が約180nm以下となる面積が、全面積の約96%を占めていた。最後に封止基板によってシール層を挟んで封止し、実施例4のトップエミッション型有機ELディスプレイが得られた。
(比較例1)
実施例1と同様の方法によって有機層まで形成した。その後、MgAg合金を蒸着速度比10:1で真空蒸着法により共蒸着させて15nmの膜厚のMgAg膜を形成させた。
実施例と比較例のR、G、およびB各画素に8Vの直流電圧を印加し、EL発光させた。比較例1に対する各実施例の全光束比は表1に示すとおりであった。その結果、本発明の実施例では輝度が大きく向上しており、高効率な有機ELディスプレイが得られることが確認された。
(実施例5)
レジスト(THMR−iP3250、(商品名)東京応化工業株式会社製)を乳酸エチルで1:3に希釈した溶液をガラス基板に2000rpm、30秒でスピンコートにより塗布した。次いで、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させ、窒素雰囲気下で250℃、1時間アニールし、レジストを熱硬化させた。硬化後の膜厚は80nmであった。
次に、有機SOG組成物(OCD−T7 T−5500(商品名)、東京応化工業株式会社製)を乳酸エチルで1:5に希釈した溶液を、前記レジスト上に、3000rpm、30秒でスピンコートにより塗布した。さらに、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱し溶媒を蒸発させ、窒素雰囲気下で250℃、1時間アニールした。アニール後のSOGの膜厚は20nmであった。
次に、ポリスチレン(PS)−ポリメチルメタクリレート(PMMA)のジブロックコポリマーの3重量%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶液をSOG上へ2000rpm、30秒でスピンコートした。その後、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた。使用したジブロックコポリマーの分子量は、PS部が78000g/mol、PMMA部が170000g/molであった。ブロックコポリマー層の膜厚は50nmであった。次いで、窒素雰囲気中下で210℃、4時間のアニールを行い、ブロックコポリマー層のPSとPMMAの相分離を行った。アニール後、PSドット状の相分離形状が得られ、ドットサイズは50〜70nmであった。
次に、ブロックコポリマー層をO:30sccm、100mTorr、RFパワー100Wの条件で8秒間エッチング加工に付した。酸素エッチング後、PSドットパターンが形成された。次に、PSドットパターンをマスクに用いてSOG層に対してCF:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。エッチング後、PSパターンがSOG層に転写された。次いで、SOG層をマスクに用いてレジストに対してO:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件でRIEを90秒間行った。エッチング後、アスペクト比の高いレジストの柱状のパターンが得られた。
その後、柱状のパターンに蒸着法でアルミニウムを30nmの厚さで堆積させた。その後、リフトオフを行い柱状のレジストパターンを除去し、所望の開口部を有する光透過性金属電極が得られた。作製した光透過性金属電極は、平均開口部径が50〜70nmであり、全面積に占める開口率は約32%であった。膜の抵抗率は30μΩ・cmであった。
光透過性金属電極上へPSS:PEDOTの水溶液をスピンコートにより塗布して、厚さ40nmの正孔注入層を形成させた。その上にα−NPDを蒸着法により約20nmの厚さで堆積させて、正孔輸送層を形成させた。次に、その上に青色発光材料であるFIrpicがCBPに10%ドープされた青色発光層を共蒸着法により10nmの厚さで形成させた。次に、その上に赤色発光材料であるBtp2Ir(acac)がCBPに10%ドープされた赤色発光層を共蒸着法により10nmの厚さで形成させた。次に、その上に黄色発光材料であるBt2Ir(acac)がCBPに10%ドープされた黄色発光層を共蒸着法により10nmの厚さで形成させた。そして、その上にBCPを蒸着法により40nmの厚さで堆積させて電子輸送層を形成させた。最後にLiF(1nm)/Al(150nm)を蒸着法により堆積させて陰極を形成させ、白色有機EL照明装置を完成させた。このようにして得られた有機EL照明装置の断面概念図は図8に示すとおりである。
得られた有機EL照明装置について輝度のムラの評価を行ったところ、中心部と端との輝度の差は10%以内であった。陽極の光透過性金属電極の抵抗率がITOの1/3以下になったことから均一発光できるようになった。
(実施例6)
実施例5と同様にしてガラス基板へレジスト層、次いでSOG層、次いでブロックポリマー層を形成させた。
次に、ブロックコポリマー層をO:30sccm、100mTorr、RFパワー100Wの条件で10秒間エッチング加工に付した。酸素エッチング後、PSドットパターンが形成された。次に、PSドットパターンをマスクに用いてSOG層に対してCF:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。エッチング後、PSパターンがSOG層に転写された。次いで、SOG層をマスクに用いてレジストに対してO:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件でRIEを90秒間行った。エッチング後、アスペクト比の高いレジストの柱状のパターンが得られた。
その後、柱状のパターンに蒸着法でアルミニウムを30nmの厚さで堆積させた。その後、リフトオフを行って柱状のレジストパターンを除去し、所望の開口部を有する光透過性金属電極を形成させた。作製された前記光透過性金属電極は、平均開口部径が30〜50nmであり、全面積に占める開口率は約15%であった。また、膜の抵抗率は10μΩ・cmであった。
実施例5と同様にして正孔注入層、正孔輸送層、青色発光層、赤色発光層、黄色発光層、電子輸送層、および陰極形成させ白色有機EL照明装置を完成させた。
得られた有機EL照明装置について輝度のムラの評価を行ったところ、中心部と端との輝度の差は5%以内であった。陽極の光透過性金属電極の抵抗率がITOの1/10程度になったことからより均一発光できるようになった。
(実施例7)
実施例5と同様にしてガラス基板にレジスト層、次いでSOG層、次いでブロックポリマー層を形成させた。
次に、ブロックコポリマー層をO:30sccm、100mTorr、RFパワー100Wの条件で8秒間エッチング加工に付した。酸素エッチン後、PSドットパターンが形成された。次に、PSドットパターンをマスクに用いてSOG層に対してCF:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。エッチング後、PSパターンがSOG層に転写された。次いで、SOG層をマスクに用いてレジストに対してO:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件でRIEを90秒間行った。エッチング後、アスペクト比の高いレジストの柱状のパターンが得られた。
その後、柱状のパターンに蒸着法で銅を30nmの厚さで堆積させた。その後、リフトオフを行って柱状のレジストパターンを除去し、所望の開口部を有する光透過性金属電極を形成させた。作製された前記光透過性金属電極は、平均開口部径が50〜70nmであり、全面積に占める開口率は約35%であった。膜の抵抗率は20μΩ・cmであった。
実施例5と同様にして正孔注入層、正孔輸送層、青色発光層、赤色発光層、黄色発光層、電子輸送層、および陰極を形成させ、白色有機EL照明装置を完成させた。
得られた有機EL照明装置について輝度のムラの評価を行ったところ、中心部と端との輝度の差は10%以内であった。陽極の光透過性金属電極の抵抗率がITOの1/5程度になったことから均一発光できるようになった。
(実施例8)
実施例5と同様にしてガラス基板にレジスト層、次いでSOG層、次いでブロックポリマー層を形成させた。
次に、ブロックコポリマー層をO:30sccm、100mTorr、RFパワー100Wの条件で8秒間エッチング加工に付した。酸素エッチング後、PSドットパターンが形成された。次に、PSドットパターンをマスクに用いてSOG層に対してCF:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。エッチング後、PSパターンがSOG層に転写された。次いで、SOG層をマスクに用いてレジストに対してO:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件でRIEを90秒間行った。エッチング後、アスペクト比の高いレジストの柱状のパターンが得られた。
その後柱状のパターンに蒸着法で金を30nmの厚さで堆積させた。その後、リフトオフを行って柱状のレジストパターンを除去し、所望の開口部を有する光透過性金属電極を形成させた。作製された前記光透過性金属電極は、平均開口部径が50〜70nmであり、全面積に占める開口率は約35%であった。膜の抵抗率は35μΩ・cmであった。
実施例5と同様にして正孔注入層、正孔輸送層、青色発光層、赤色発光層、黄色発光層、電子輸送層、および陰極を形成させて白色有機EL照明装置を完成させた。
得られた有機EL照明装置について輝度のムラの評価を行ったところ、中心部と端との輝度の差は10%以内であった。陽極の光透過性金属電極の抵抗率がITOの1/3程度になったことから均一発光できるようになった。
(実施例9)
実施例5と同様にしてガラス基板上に光透過性金属電極を形成させた。
光透過性金属電極上にPSS:PEDOTの水溶液をスピンコートにより塗布して、40nmの厚さの正孔注入層を形成させた。そして、その上に発光層であるPVKにFIrpic、Btp2Ir(acac)、Bt2Ir(acac)を10:0.25:0.25の比率で分散させた溶液をスピンコートにより塗布して、約80nmの厚さの発光層を形成させた。そして、その上にBCPを蒸着法により堆積させて、約20nmの厚さの電子輸送層を形成させた。そして、その上にAlq3を蒸着法により20nmの厚さで堆積させて、電子注入層を形成させた。最後にMg:Ag(5%)を共蒸着法により約150nmの厚さで堆積させて陰極を形成させて、白色有機EL照明装置を完成させた。このようにして得られた有機EL照明装置の断面概念図は図9に示すとおりである。
得られた有機EL照明装置について輝度のムラの評価を行ったところ、中心部と端との輝度の差は10%以内であった。
(実施例10)
本実施例は、エッチング法により有機EL照明装置を製造する方法について示すものである。
透明基板401(ガラス基板)に蒸着法によりアルミニウム層1001を30nmの厚さで堆積させた(図10(a))。その上へレジスト(THMR−iP3250(商品名)、東京応化工業株式会社)を乳酸エチルで1:3に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させ、窒素雰囲気下で250℃、1時間アニールし、レジストを熱硬化させて有機ポリマー層501を形成させた。有機ポリマー層の膜厚は80nmであった(図10(a))。
次に、有機SOG組成物(OCD−T7 T−5500(商品名)、東京応化工業株式会社)を乳酸エチルで1:5に希釈した溶液を、前記レンジスト上に、3000rpm、30秒でスピンコートしたのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱し溶媒を蒸発させ、窒素雰囲気下で250℃、1時間アニールした。アニール後のSOG、すなわち無機物質層502の膜厚は20nmであった(図10(a))。
次に、ポリスチレン(PS)−ポリメチルメタクリレート(PMMA)のジブロックコポリマーの3重量%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶液をSOG上へ2000rpm、30秒でスピンコートして、ブロックコポリマー層503を形成させた。その後、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた。使用したジブロックコポリマーの分子量は、PS部が78000g/mol、PMMA部が170000g/molであった。ブロックコポリマー層の膜厚は50nmであった。次いで、窒素雰囲気中下で210℃,4時間のアニールを行い、ブロックコポリマー層のPSとPMMAの相分離を行った。アニール後、PSドット状の相分離形状504が得られ、ドットサイズは50〜70nmであった(図10(a))。
次に、ブロックコポリマー層をO:30sccm、100mTorr、RFパワー100Wの条件で8秒間エッチング加工に付した。酸素エッチング後。PSドットパターンが形成された。次に、PSドットパターンをマスクに用いてSOG層に対してCF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。エッチング後、PSパターンがSOG層に転写された(図10(b))。次いで、SOG層をマスクに用いてレジストに対してO:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件でRIEを90秒間行った。エッチング後、アスペクト比の高いレジストの柱状のパターンが得られた(図10(c))。
次に、有機SOG組成物(T−12000(商品名)、東京応化工業株式会社製)をレジスト柱状パターンへ3000rpm、30秒でスピンコートにより塗布した。塗布後はレジスト柱状パターンを完全に埋め込んで平坦化された(図10(d))。さらに、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱し溶媒を蒸発させた。
次に、SOG膜をCF:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件でRIEを8分行った。SOG膜エッチング後はレジスト柱状パターンの頂上部が露出した。その後、O:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で60秒間エッチングを行い、レジストを除去した。レジスト除去後、SOGのホールパターンが形成された(図10(e))。
次に、SOGマスクを用いてアルミニウムに対してエッチングを行った。Cl:15sccm、Ar:15sccm、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。エッチング後、平均開口部径が50〜70nm、全面積に占める開口率は約32%のアルミニウムのパターンが形成された。残っているSOGマスクをCF:30sccm、10mTorr、RFパワー100WでRIEを30秒間行い除去した(図10(f))。
実施例5と同様にして正孔注入層、正孔輸送層、青色発光層、赤色発光層、黄色発光層、電子輸送層、および陰極形成させ白色有機EL照明装置を完成させた。得られた有機EL照明装置は、実施例5と同様の、図8に示されるような構造を有するものであった。
(実施例11)
本実施例は、単粒子層をテンプレートに用いて本発明の有機EL照明装置を製造する方法について示すものである。
熱硬化性レジスト(THMR IP3250(商品名)、東京応化工業株式会社製)を乳酸エチルで1:3に希釈した溶液を、ガラス基板上に1500rpm、30秒で回転塗布を行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱したのち、無酸化オーブンにて窒素雰囲気下250℃でさらに1時間加熱し、熱硬化反応させた。膜厚はおよそ120nmであった。
次に、熱硬化性レジスト(THMR IP3250(商品名)、東京応化工業株式会社製)を乳酸エチルで1:5に希釈した溶液を、前記レジストを塗布した基板上に、3000rpm、30秒で回転塗布を行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱した。さらに、このレジスト層に対し、反応性リアクティブエッチング装置を用いて、O:30sccm、100mTorr、RFパワー100Wで、5秒間エッチングを行った。この処理により、最上面のレジスト層が親水化され、以後の分散液塗布時のぬれ性が良くなる。
次に、シリカ微粒子分散液(PL−13(商品名)、扶桑化学工業株式会社製)を、1μmメッシュのフィルターによるフィルタリングを行って、実際に塗布するシリカ微粒子分散液を得た。この溶液を前記の基板上に1000rpm、60秒で回転塗布を行った。基板を乾燥した後、ホットプレート上で220度、30分間のアニール処理を施した。この処理により、シリカ微粒子の最下層粒子のみが前記親水化処理したレジスト層が沈み込む。その後、室温冷却することでレジスト層が再度硬化し、微粒子最下層のみが基板表面に補足される。
ついで、この基板表面を純水で洗浄しながら、基板表面全体をベンコット等により擦ることにより、最下層以外のシリカ微粒子を除去する。
次に、シリカ微粒子単粒子膜に対して、CF:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で、225秒間エッチングを行った。このプロセスでシリカ微粒子がエッチングされ半径が小さくなることで、隣接していた粒子間に隙間が生じていく。なお、この条件では下地のレジスト層はほぼエッチングされることはない。所定の粒径サイズまでエッチングを行った後、残ったシリカ微粒子をマスクに用いて、下地の熱硬化性レジストをO:30sccm、10mTorr、RFパワー100WでO−RIEを105秒間行った。以上の結果、初期に小粒径化されたシリカ微粒子があった部位に、アスペクト比の高い柱状のパターンが得られた。
できあがった柱状のパターンに抵抗加熱蒸着法でアルミニウムを膜厚30nm蒸着した。その後、このプロセスでエッチング部位は基板が完全に露出した。ついで、この形成した柱状のパターンに対し、O:30sccm、100mTorr、RFパワー100Wの条件でO−RIEを5分間行った。これよりシリカ微粒子の下地であるレジスト層のみがエッチングされる。このような処理を施すことにより、マスクパターン部位の除去が容易になる。次いで水に浸漬し超音波洗浄を行い、柱状のパターン部位を除去するというリフトオフ処理をした結果、所望の開口部を有する光透過性を有する金属電極が得られた。
作製した前記光透過性を有する金属電極は、平均開口部径が約100nmであり、全面積に占める開口率は約30%であり、抵抗率は約17μΩ・cmであった。
実施例5と同様にして正孔注入層、正孔輸送層、青色発光層、赤色発光層、黄色発光層、電子輸送層、および陰極形成させ白色有機EL照明装置を完成させた。得られた有機EL照明装置は、実施例5と同様の、図8に示されるような構造を有するものであった。
得られた有機EL照明装置について輝度のムラの評価を行ったところ、中心部と端との輝度の差は10%以内であった。
(実施例12)
本実施例では、ナノインプリントを用いた大量生産方法について記述する。シリカ微粒子の柱状パターンを鋳型としてナノインプリントのNi基材のスタンパスタンパーを作製する。
まず熱硬化性レジスト(THMR IP3250(商品名)、東京応化工業株式会社製)を乳酸エチルで1:3に希釈した溶液を、6インチシリコンウェハ11上に、1500rpm、30秒で回転塗布を行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱した。さらにのち、無酸化オーブンにて窒素雰囲気下250℃でさらに1時間加熱し、熱硬化反応させてレジスト層を形成させた。この膜の膜厚はおよそ120nmであった。
熱硬化性レジスト(THMR IP3250(商品名)、東京応化工業株式会社製)を乳酸エチルで1:5に希釈した溶液を、前記レジストを塗布した基板上に、3000rpm、30秒で回転塗布を行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱した。さらに、このレジスト層に対し、反応性リアクティブエッチング装置を用いて、O:30sccm、100mTorr、RFパワー100Wの条件で、5秒間エッチングを行った。この処理により、最上面に親水化されたレジスト層が形成され、以後の微粒子分散液塗布時のぬれ性が良くなる。
次に、シリカ微粒子分散液(PL−13(商品名)、扶桑化学工業株式会社製)を、1μmメッシュのフィルターによるフィルタリングを行って、実際に塗布するシリカ微粒子分散液を得た。この溶液を前記の基板上に1000rpm、60秒で回転塗布を行った。基板を乾燥した後、ホットプレート上で220℃度、30分間のアニール処理を施した。この処理により、シリカ微粒子の最下層粒子のみが前記親水化処理されレジスト層に沈み込む。その後、室温冷却することでレジスト層が再度硬化し、微粒子最下層のみが基板表面に補足される。
ついで、この基板表面を純水で洗浄しながら、基板表面を全体ベンコット等により擦ることにより、最下層以外のシリカ微粒子を除去する。この処理によって、レジスト層の上に微粒子の単分子膜が形成される。
次に、シリカ微粒子単粒子膜に対して、CF:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で、225秒間エッチングを行った。このプロセスでシリカ微粒子がエッチングされ半径が小さくなることで、隣接していた粒子間に隙間が生じていく。なお、この条件では下地のレジスト層はほぼエッチングされることはない。所定の粒径サイズまでエッチングを行った後、残ったシリカ微粒子をマスクに用いて、下地の熱硬化性レジストをO:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件でO−RIEを105秒間行った。このプロセスでエッチング部位は基板が完全に露出した。以上の結果、初期に小粒径化されたシリカ微粒子があった部位に、アスペクト比の高い柱状のパターンが得られた。
シリコンウエハー上に得られた微小化されたシリカ微粒子とレジストとからなる柱状パターン上に、スパッタリングプロセスによってニッケルの導電性膜を形成させる。チャンバーの真空が8×10−3Paにしたのち、アルゴンで1Paに調整し、純ニッケルをターゲットに用いてDCパワーが400Wで、40秒間スパッタリングを行った。導電性膜の厚みは30nmであった。
さらに、ニッケル(III)サルファメートメッキ溶液(昭和化学工業株式会社製:NS−160(商品名))を用いて90分間メッキを行い、メッキ導電膜を持つ原版を得た。メッキ条件は以下の通りである。
ニッケルサルファメート:: 600g/L;
ホウ酸: 40g/L;
界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム): 0.15g/L;
液温: 55℃;
pH: pH: 4.0;
電流密度: 20A/dm
この結果、メッキ膜の厚みは0.3mmであった。その後、メッキ膜は導電膜を持つスタンパーが、メッキ膜の柱状の微小化されたシリカおよび柱状レジストが付いたウエハーから剥がされ、独立したメッキ膜として得られた。
メッキ膜に付着したレジストやシリカの残渣は一般的にはCFエッチングおよび酸素プラズマアッシング除去によりすることができる。メッキ膜ニッケルの表面は、酸素プラズマアッシングと、CF/O RIEの処理を行なうことで、残渣を除去した後、パンチングプロセスでスタンパーの余分な部分を取り除き、インプリント用スタンパーを得た。柱状パターンを鋳型としているため、得られたスタンパーは無数の開口が空いたホールパターンの形状となる。以上のようにして、シリカ微粒子の配列パターンを転写したニッケルスタンパーインプリント用スタンパーを、ナノインプリントのマスターとして使用する。
次に、ガラス基板上に、熱硬化性レジスト(THMR IP3250(商品名)、東京応化工業株式会社製)を乳酸エチルで1:3に希釈した溶液を、2500rpm、30秒で回転塗布を行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱することによりレジスト層を形成させた。レジスト膜の膜厚は120nmであった。その後、サンプルはナノインプリント装置のステージ上に設置され、120℃、圧力0.5MPaでインプリント用スタンパーを用いて1分間プレスをし、ニッケルのホールパターンをインプリントした。この処理により、石英基板上にレジストの柱状パターンが形成された。次にパターン転写されたこのレジスト層に酸素ガスによるRIEを行うことによりインプリント時に残ったレジスト残渣が除去され、柱状パターン部位以外は基板が完全に露出した。
その後、石英アモルファスクオーツ表面に形成されたレジストの柱状パターンに抵抗加熱蒸着法でアルミニウムを膜厚30nm蒸着してアルミニウム膜を形成させた。ついで、O:30sccm、100mTorr、RFパワー100Wの条件でO−RIEを5分間行った。その後、水に浸漬し超音波洗浄を行い、柱状のパターン部位を除去するというリフトオフ処理をした結果、所望の開口部を有する光透過性を有する金属電極が得られた。得られた透過型金属電極は、可視域におけるピーク透過率は約52%、抵抗率は約19Ω・cmであった。
実施例5と同様にして正孔注入層、正孔輸送層、青色発光層、赤色発光層、黄色発光層、電子輸送層、および陰極形成させ白色有機EL照明装置を完成させた。得られた有機EL照明装置は、実施例5と同様の、図8に示されるような構造を有するものであった。
得られた有機EL照明装置について輝度のムラの評価を行ったところ、中心部と端との輝度の差は10%以内であった。
なお、本実施例実験において製造された用いたニッケル基材のスタンパーは、インプリント実施実験後にも形状に損傷はなく、同様のパターン製造実験を繰り返し行うことが可能であった。
開口部を有する光透過性を有する金属電極のパターンの一例を示す図。 本発明の有機ELディスプレイの概略図。 本発明の有機ELディスプレイの画素断面図。 本発明の一実施態様である有機EL照明装置の断面図。 本発明における光透過性金属電極の形成方法の概念図。 実施例1のSiO膜上に形成したTPDマスクのAFM像。 実施例2の第2の電極表面構造を表すSEM像。 実施例5の有機EL照明装置の断面図。 実施例9の有機EL照明装置の断面図。 実施例10における有機EL照明装置の形成方法の概念図。
符号の説明
101 金属電極層
102 金属部
103 開口部
201 基板
202 画素駆動用回路部
203 画素
204 下地層
205 半導体層
206 ゲート絶縁膜
207 ゲート電極
208 層間絶縁膜
209 ソース電極
210 ドレイン電極
211 パッシベーション膜
212 第1の電極
213 画素隔壁層
214…有機層
215 第2の電極
218 発光部
219 封止基板
401 透明基板
402 陽極
403 発光層
404 陰極
501 有機ポリマー層
502 無機物質層
503 ブロックコポリマー薄膜
504 ドット状ミクロドメイン
505 金属電極層
1001 アルミニウム層

Claims (24)

  1. 基板と、画素駆動用回路部と、前記基板上にマトリックス状に配列された画素部とを具備してなる有機エレクトロルミネッセンスディスプレイであって、
    前記画素部が、前記基板に近い位置に設けられた第1の電極と前記基板から遠い位置に設けられた第2の電極とで挟持された少なくとも1層以上の有機層とを含む発光部を具備してなり、
    前記第2の電極が、金属電極層を具備してなり、
    前記金属電極層が貫通する複数の開口部を有しており、
    前記金属電極層の金属部位の任意の2点間は切れ目無く連続しており、
    前記開口部径が10nm以上780nm以下の範囲であり、
    前記金属電極層の膜厚が10nm以上200nm以下の範囲にあり、
    前記開口部が金属電極層にランダムに配置されており、
    前記開口部の配列周期の分布を動径分布曲線で表した場合、その半値幅が5〜300nmの範囲にある
    ことを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  2. 基板と、画素駆動用回路部と、前記基板上にマトリックス状に配列された画素部とを具備してなる有機エレクトロルミネッセンスディスプレイであって、
    前記画素部が、前記基板に近い位置に設けられた第1の電極と前記基板から遠い位置に設けられた第2の電極とで挟持された少なくとも1層以上の有機層とを含む発光部を具備してなり、
    前記第2の電極が、金属電極層を具備してなり、
    前記金属電極層貫通する複数の開口部を有しており、
    前記金属電極層の金属部位の任意の2点間は切れ目無く連続しており、
    前記金属電極層における、前記開口部に阻害されない連続した金属部位の直線距離が、利用する可視光域波長380nm〜780nmの波長の1/3以下である部位が、全面積の90%以上であり、
    平均開口部径が10nm以上、前記光の波長の3分の1以下の範囲にあり、
    前記開口部の中心間ピッチが平均開口部径以上、前記光の波長の1/2以下の範囲にあり、
    前記金属電極層の膜厚が10nm以上200nm以下の範囲にあり、
    前記開口部が金属電極層にランダムに配置されている
    ことを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  3. 前記金属電極層が、入射する光の周波数よりもプラズマ周波数の高い材料からなる、請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  4. 前記金属電極層は、相互に隣接した複数のミクロドメインから形成されており、
    前記ミクロドメインのそれぞれに配置された前記開口部は周期的に配列されており、かつそれぞれのミクロドメインは、それぞれの開口部の配列方向がランダムになるように配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  5. 前記金属電極層が、アルミニウム、金、銀、銅、インジウム、マグネシウム、リチウム、スカンジウム、カルシウム、ニッケル、コバルト、および白金からなる群から選択される少なくとも1種類からなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  6. 前記金属電極層の光透過率のピーク値が前記金属電極層中の開口部の平均面積比率以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  7. 前記金属電極を陰極として具備してなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  8. 前記金属電極が、異なった金属より構成される金属電極膜が複数層積層された多層構造を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法であって、前記画素部の前記第2の電極を形成させるに際して、
    ブロックコポリマー膜の相分離形状であるドット状のミクロドメインを生成させる工程と、
    前記ミクロドメインのパターンをマスクとしてエッチングを行うことにより、開口部を有する金属電極層を形成させる工程と、
    を含んでなることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法であって、前記画素部の前記第2の電極を形成させるに際して、
    電極を形成する基板上に有機ポリマー層を形成させる工程と、
    前記有機ポリマー層の上に微粒子の単粒子膜のドット状ミクロドメインを形成させる工程と、
    前記微粒子をエッチングにより、任意の粒径まで加工する工程と、
    前期エッチング処理した微粒子の単分子膜を有機ポリマー層に転写することにより、透明基板の表面に、有機ポリマーとエッチング処理した微粒子とからなる柱状構造を形成させる工程と、
    前記形成された柱状構造の間隙部位に金属層を製膜する工程と、
    前記有機ポリマーを除去する工程と、
    を含んでなることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法であって、前記画素部の前記第2の電極を形成させるに際して、
    第1の基板上にブロックコポリマー膜の相分離形状であるミクロドメインをマスクとしてエッチングを行うことによりドット状構造を形成させる工程と、
    前記ドット状構造を形成した第一の基板を鋳型として、新たな第2の基板上に構造体を有するスタンパーを作製し、前記スタンパーを圧着することで、所望の電極を形成させる第三の基板上にパターンを転写する工程と、
    前記スタンパーの転写により形成された構造体をマスクとして、開口部を有する金属電極層を形成させる工程と、
    を含んでなることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法。
  12. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法であって、前記画素部の前記第2の電極を形成させるに際して、
    第1の基板上に微粒子の単粒子膜の配列構造であるドット状のミクロドメインをマスクとしてエッチングを行うことによりドット状構造を形成させる工程と、
    前記ドット状構造を形成した基板を鋳型として、新たな第2の基板上に構造体を有するスタンパーを作製し、前記スタンパーを圧着することで、所望の電極を形成させる第三の基板上にパターンを転写する工程と、
    前記スタンパーの転写により形成された構造体をマスクとして、開口部を有する金属電極層を形成させる工程と、
    を含んでなることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法。
  13. 透明基板と、前記透明基板に近い位置に設けられた第1の電極と前記透明基板から遠い位置に設けられた第2の電極とで挟持された発光部を具備してなる有機エレクトロルミネッセンス照明装置であって、
    前記第の電極が、金属電極層を具備してなり、
    前記金属電極層が貫通する複数の開口部を有しており、
    前記金属電極層の金属部位の任意の2点間は切れ目無く連続しており、
    前記開口部径が10nm以上780nm以下の範囲であり、
    前記金属電極層の膜厚が10nm以上200nm以下の範囲にあり、
    前記開口部が金属電極層にランダムに配置されており、
    前記開口部の配列周期の分布を動径分布曲線で表した場合、その半値幅が5〜300nmの範囲にある
    ことを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス照明装置。
  14. 透明基板と、前記透明基板に近い位置に設けられた第1の電極と前記透明基板から遠い位置に設けられた第2の電極とで挟持された発光部を具備してなる有機エレクトロルミネッセンス照明装置であって、
    前記第の電極が、金属電極層を具備してなり、
    前記金属電極層が貫通する複数の開口部を有しており、
    前記金属電極層の金属部位の任意の2点間は切れ目無く連続しており、
    前記金属電極層における、前記開口部に阻害されない連続した金属部位の直線距離が、利用する可視光域波長380nm〜780nmの波長の1/3以下である部位が、全面積の90%以上であり、
    平均開口部径が10nm以上、前記光の波長の3分の1以下の範囲にあり、
    前記開口部の中心間ピッチが平均開口部径以上、前記光の波長の1/2以下の範囲にあり、
    前記金属電極層の膜厚が10nm以上200nm以下の範囲にあり、
    前記開口部が金属電極層にランダムに配置されている
    ことを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス照明装置。
  15. 前記金属電極層が、入射する光の周波数よりもプラズマ周波数の高い材料からなる、請求項13または請求項14に記載の有機エレクトロルミネッセンス照明装置。
  16. 前記金属電極層は、相互に隣接した複数のミクロドメインから形成されており、
    前記ミクロドメインのそれぞれに配置された前記開口部は周期的に配列されており、かつそれぞれのミクロドメインは、それぞれの開口部の配列方向がランダムになるように配置されている、請求項13〜15のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス照明装置。
  17. 前記金属電極層が、アルミニウム、金、銀、銅、インジウム、マグネシウム、リチウム、スカンジウム、カルシウム、ニッケル、コバルト、および白金からなる群から選択される少なくとも1種類からなる、請求項13〜16のいずれ1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス照明装置。
  18. 前記金属電極層の光透過率のピーク値が前記金属電極層中の開口部の平均面積比率以上である、請求項13〜17のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス照明装置。
  19. 前記金属電極層を陽極として具備してなる、請求項13〜18のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス照明装置。
  20. 前記金属電極層の透過率が80%以上である、請求項13〜19のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス照明装置。
  21. 請求項13〜20のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス照明装置の製造方法であって、透明基板上に金属電極層を形成させるに際して、
    ブロックコポリマー膜の相分離形状であるドット状のミクロドメインを生成させる工程と、
    前記ミクロドメインのパターンをマスクとしてエッチングを行うことにより、開口部を有する金属電極層を形成させる工程と、
    前記形成された金属電極層上に有機エレクトロルミネッセンス層を蒸着法または塗布法により形成させる工程と、
    前記形成された有機エレクトロルミネッセンス層の上にもうひとつの電極を蒸着法により形成させる工程と、
    を含んでなることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス照明装置の製造方法。
  22. 請求項13〜20のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス照明装置の製造方法であって、透明基板上に金属電極層を形成させるに際して、
    電極を形成する基板上に有機ポリマー層を形成させる工程と、
    前記有機ポリマー層の上に微粒子の単粒子膜のドット状ミクロドメインを形成させる工程と、
    前記微粒子をエッチングにより、任意の粒径まで加工する工程と、
    前期エッチング処理した微粒子の単分子膜を有機ポリマー層に転写することにより、透明基板の表面に、有機ポリマーとエッチング処理した微粒子とからなる柱状構造を形成させる工程と、
    前記形成された柱状構造の間隙部位に金属層を製膜する工程と、
    前記有機ポリマーを除去する工程と、
    を含んでなることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス照明装置の製造方法。
  23. 請求項13〜20のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス照明装置の製造方法であって、透明基板上に金属電極を形成させるに際して、
    第1の基板上にブロックコポリマー膜の相分離形状であるミクロドメインをマスクとしてエッチングを行うことによりドット状構造を形成させる工程と、
    前記ドット状構造を形成した第一の基板を鋳型として、新たな第2の基板上に構造体を有するスタンパーを作製し、前記スタンパーを圧着することで、所望の電極を形成させる第三の基板上にパターンを転写する工程と、
    前記スタンパーの転写により形成された構造体をマスクとして、開口部を有する金属電極層を形成させる工程と、
    を含んでなることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス照明装置の製造方法。
  24. 請求項13〜20のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス照明装置の製造方法であって、透明基板上に金属電極層を形成させるに際して、
    第1の基板上に微粒子の単粒子膜の配列構造であるドット状のミクロドメインをマスクとしてエッチングを行うことによりドット状構造を形成させる工程と、
    前記ドット状構造を形成した第一の基板を鋳型として、新たな第2の基板上に構造体を有するスタンパーを作製し、前記スタンパーを圧着することで、所望の電極を形成させる第三の基板上にパターンを転写する工程と、
    前記スタンパーの転写により形成された構造体をマスクとして、開口部を有する金属電極層を形成させる工程と、
    を含んでなることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス照明装置の製造方法。
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