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JP4445538B2 - パターン形成方法 - Google Patents

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JP4445538B2 JP2007250180A JP2007250180A JP4445538B2 JP 4445538 B2 JP4445538 B2 JP 4445538B2 JP 2007250180 A JP2007250180 A JP 2007250180A JP 2007250180 A JP2007250180 A JP 2007250180A JP 4445538 B2 JP4445538 B2 JP 4445538B2
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Description

本発明は、パターン形成方法に関する。
磁気記録装置が発明されて以来、その記録密度は年々増加の傾向を続けており、現在もその記録密度は増加し続けている。
パターンドメディアは、テラビット級の記録密度を実現するために有効な手段であるものの、このような高記録密度を達成するには、要求されるセルサイズが30〜20nm以下と微細である。電子線での微細パターンの描画によって微細加工は可能であるが、これは長時間を要する。したがって、加工された媒体は非常に高価なものとなる。
この問題は、ジブロックコポリマーの相分離を利用してパターンドメディアを製造することにより、解決できることが提案されている(例えば、非特許文献1および特許文献1参照)。具体的には、例えばポリスチレンとポリメチレンメタクリレートとのジブロックコポリマーを相分離させてドットパターンを形成し、磁性膜にドットパターンを転写して記録セルとして用いられる磁性ドットが形成される。ジブロックコポリマーの相分離により、円形のドットパターンが細密充填の配置をとって形成される。
パターンドメディアを搭載した磁気記録装置においては、記録ヘッドによって2つ以上の記録セルにまたがった書き込みや読み取りがなされるおそれがある。記録ヘッドに応じて磁性ドットの配列およびトラック幅などの条件を最適化できれば、これを避けることができる。ジブロックコポリマーを相分離させてドットパターンを形成し、ヘッド形状軌跡へ追従したビット形状を作製することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、ジブロックコポリマーを相分離させてドットパターンを形成する方法では、記録ヘッドの形状に応じて磁性ドットの配列およびトラック幅などの条件を最適化するのは困難であった。
K.Naito et. al、 IEEE Trans. Magn.vol.38、pp.1949. 特開2004−342226号公報 特開2004−265474号広報
本発明は、記録ヘッド等の形状に応じて、トラック幅などを最適に設計し得る自由度が高いパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかるパターン形成方法は、少なくともジブロックコポリマーを含有する組成物からなり、第1の相と、この第1の相よりエッチング耐性の高い第2の相とに相分離する組成物層を基板上に形成する工程、
前記ジブロックコポリマーを含有する組成物層を相分離させて、第1の方向に長手を有するシリンダー状またはラメラ状の第1の相の成分からなる易エッチング領域を形成する工程、
前記相分離したジブロックコポリマー組成物層の上に、インプリント用レジスト層を形成する工程、
マスクパターンを用いて前記インプリント用レジスト層にインプリントを施して、前記第1の方向に交差する第2の方向に長手を有する凸部と凹部とからなる凹凸パターンを前記インプリント用レジスト層に形成する工程、
前記インプリント用レジスト層から前記凹凸パターンの前記凹部の底部残渣レジストを除去して前記凸部のみを残置するとともに、前記凹部の下層の前記相分離したジブロックコポリマー組成物層から前記第1の相の成分を除去して、第2の相の成分を含む耐エッチングパターンを得る工程、および
前記インプリント用レジスト膜の凸部と前記第2の相の成分を含む耐エッチングパターンとをマスクとして前記基板をエッチングする工程
を具備することを特徴とする。
本発明の他の態様にかかるパターン形成方法は、少なくともジブロックコポリマーを含有する組成物からなり、第1の相と、この第1の相よりエッチング耐性の高い第2の相とに相分離する組成物層を基板上に形成する工程、
前記ジブロックコポリマーを含有する組成物層を相分離させて、第1の方向に長手を有するシリンダー状またはラメラ状の第1の相の成分からなる易エッチング領域を形成する工程、
前記相分離したジブロックコポリマー組成物層から前記第1の相の成分を除去して、前記第1の方向に長手を有し、前記第2の相の成分を含む耐エッチングパターンを形成する工程、
前記耐エッチングパターンの上にインプリント用レジスト層を形成する工程、
マスクパターンを用いて前記インプリント用レジスト層にインプリントを施して、前記第1の方向に交差する第2の方向に長手を有する凸部と凹部とからなる凹凸パターンを前記インプリント用レジスト層に形成する工程
前記インプリント用レジスト層から前記凹凸パターンの凹部の底部残渣レジストを除去して凸部のみを残置する工程、および
前記第2の相の成分を含む耐エッチングパターンおよび前記インプリント用レジスト層の凸部をマスクとして前記基板をエッチングする工程
を具備することを特徴とする。
本発明によれば、記録ヘッド等の形状に応じて、トラック幅などを最適に設計し得る自由度が高いパターン形成方法が提供される。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1(a)は、本発明の一実施形態にかかる方法により製造される磁気記録媒体の平面図である。図示するように、磁気記録媒体1には、同心円状にトラック2が設けられている。図1(a)における領域Aの拡大図を図1(b)に示す。図示するように、トラック2内には、磁性体セル3が内周トラック、外周トラックとも同一ピッチで並列に整列した形態を示している。本発明の一実施形態にかかるインプリントモールドは、こうした磁気記録媒体の製造に好適に用いられ、本発明の一実施形態にかかるパターン形成方法によって、このためのインプリントモールドを作製することができる。
図2乃至図12を参照して、本発明の一実施形態にかかるパターン形成方法を説明する。まず、図2に示すように、基板11上にジブロックコポリマー含有の層12を形成する。基板11としては特に限定されず、例えばプラスチック基板、ガラス基板、およびシリコン基板などを用いることができる。基板11上には、磁性体や半導体、絶縁膜、導電膜などからなる薄膜を形成してもよい。すなわち、本発明の実施形態にかかるパターン形成方法によって、基板11を直接加工することができる。あるいは、本発明の実施形態にかかる方法によって、基板11上に形成された薄膜にパターンを形成することも可能である。
ジブロックコポリマー含有組成層12は、エッチング耐性の異なる2種類の相に分離する。相分離した第1の相の成分は、第2の相の成分よりエッチング耐性が低いという条件を満足すれば、組成成分やジブロックコポリマー成分の組成・分子量は特に限定されない。こうした第1の相成分と第2の相成分とを含むジブロックコポリマーとしては、例えば、ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート(PS−PMMA)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−alt−プロピレン)(PS−PEP)、ポリスチレン−ポリブタジエン(PS−PBD)、ポリスチレン−ポリイソプレン(PS−PI)、ポリスチレン−ポリビニルメチルエーテル(PS−PVME)、およびポリスチレン−ポリエチレンオキサイド(PS−PEO)などが挙げられる。
また、シリンダー配向性の高いジブロックコポリマーとして、液晶性メソゲン基が置換されたポリアクリレートとポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、またはポリブチレンオキサイドなどとのジブロックコポリマーが挙げられる。
ジブロックコポリマーの総分子量、各ポリマー成分の分子量や極性の差などを調整することによって、得られる相分離のピッチを制御することができる。
また、相分離した構造の第1の相と第2の相にエッチング耐性の差を付与する方法として、第2の相の成分に、酸素エッチング耐性の高いケイ素含有成分を含有させることが好ましい。例えば、シスセスキオキサンなどの誘導体は、有効に用いられる(例えば、Nano Letters(2004)273,Appl.Phys.Lett.88,243107(2006))また、下記一般式(1)で表わされるシリケート類、一般式(2)で表わされるハイドロジェンシロキサン、一般式(3)で表わされるメチルシロキサン、および一般式(4)で表わされるメチルシロキサンなどの有機または無機系のケイ素含有化合物が好ましい。さらには、下記一般式(5)で表わされるハイドロジェンシルセスキオキサン、一般式(6)で表わされるメチルシルセスキオキサンなども適用することができる。
Figure 0004445538
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ジブロックコポリマー組成物層12は、熱または溶媒雰囲気などでアニール処理することによって、図3に示すように相分離したジブロックコポリマー組成物層13を得る。相分離によって、第1のポリマー成分はシリンダー状の易エッチング領域14を形成する。シリンダー状の易エッチング領域14の長手方向を、第1の方向とする。
相分離したジブロックコポリマー組成物層13においては、易エッチング領域14を構成するシリンダーの方向が所定の方向に揃っていることが望まれる。例えば図4に示すように、ガイド42を基板11の対向する辺の上に予め形成することによって、これを達成することができる。ガイド42の間に、図5に示すようにジブロックコポリマー組成物層12を形成して、図6に示すような相分離したジブロックコポリマー組成物層13を得ることができる(例えば、T.Yamaguchi, et al.,J.Photopolym.Sci.Technol.,18(2005)pp.421)。
あるいは、ジブロックコポリマー組成物層12の面に沿って剪断応力を加えることによって、相分離したジブロックコポリマー組成物層13を得ることもできる(D.E.Angelescu,et al.,Adv.Mater.,16(2004)pp.1739)。作製される相分離テンプレートが磁性媒体の形成に用いられる場合には、ガイドまたは剪断応力方向は、ヘッドのアーム軌跡に追従した形であることが望ましい。
次に、第1の相の成分からなる易エッチング領域14を除去して、図7に示すように第2の相の成分を含む耐エッチングパターン15を形成する。易エッチング領域14は、例えば、プラズマ処理、熱処理などにより除去することができる。
さらに、図8に示すように、凹凸パターンをインプリントするためのレジスト層16を、耐エッチングパターン15の上に形成する。この際、ミキシングによるパターン形状劣化を防止するため、インプリント用レジスト層16と耐エッチングパターン15との相互の溶解性を低下させる手段を講じておくことが望ましい。具体的には、ジブロックコポリマーの成分または、添加物成分の三次元架橋による不溶化によって、これを可能とすることができる。あるいは、ジブロックコポリマー成分とは極性の異なるインプリント用レジストを用いてもよい。
インプリント用レジスト層16の上には、図9に示すように、マスクパターン17を配置する。このマスクパターン17には、前述の第1の方向に交差する第2の方向に長手を有する凹凸パターンが設けられている。マスクパターン17における凹凸パターンは、例えば電子線リソグラフィーにより形成することができる。所定の凹凸パターンを有するマスクパターン17を用いて、インプリント用レジスト層16にインプリントを施す。
インプリント用レジスト層16には、図9に示すように凸部19と凹部18とからなる凹凸パターンが形成される。凹凸パターンは、前述の第1の方向に交わる第2の方向に長手を有する。第1の方向と第2の方向との交わる角度は、その目的に応じて調製することができる。
インプリントレジスト層16における凹凸パターンの凹部18は、インプリントレジストにより選択されるプラズマエッチング等により除去して、図10に示すように、第2の相の成分を含む耐エッチングパターン15を露出させる。図示するように、第1の方向に長手を有する耐エッチングパターン15の上には、第2の方向に長手を有するインプリント用レジスト層16の凹凸パターンの凸部19が交差して残置される。
次いで、第2の相の成分を含む耐エッチングパターン15とインプリント用レジスト層16の凸部19とをマスクとして基板11をエッチング加工し、図11に示すような溝21を形成する。最後に、第2の相の成分を含む耐エッチングパターン15およびインプリント用レジスト層16の凸部19を除去して、図12に示すような矩形の溝21を囲む格子状の凸部を有するインプリントモールド30が形成される。
ジブロックコポリマーとしてポリスチレン−ポリエチレンオキシド(PS−PEO)にSOG(Spin−on―glass)を混合した組成物を用いて、上述した方法によりシリコン基板に格子状パターンを形成する例を説明する。
基板11としてのシリコン基板の上に、図2に示すように、ポリスチレン−ポリエチレンオキシド(PS−PEO)にSOGを混合した溶液を塗布して、PS−PEOとSOGの混合物からなるジブロックコポリマー組成物層12を形成する。第1の相の成分はPSであり、第2の相の成分はPEOである。ケイ素含有成分であるSOGが配合されることによって、第2の相の成分の酸素エッチング耐性は第1の相の成分のPSより高められる。
アニール処理を施して、相分離したジブロックコポリマー組成物層を得る。この際のアニール方法としては、加熱、溶媒雰囲気中に暴露など、いずれの方法を用いてもかまわない。この結果、図3に示されるように、第1の相の成分であるPSからなる易エッチング領域14がシリンダー状に形成されて、相分離したジブロックコポリマー組成物層13が得られる。易エッチング領域14の長手方向を、第1の方向とする。
この易エッチング領域14を除去して、図7に示すように第2の相の成分を含む耐エッチングパターン15を得る。易エッチング領域14は、例えば、300℃以上で加熱することによって除去することができる。あるいは、酸素プラズマ処理などを用いて、易エッチング領域14を除去してもよい。
耐エッチングパターン15上には、図8に示すようにインプリント用レジスト層16を形成する。所定の凹凸パターンを有するマスクパターン17を用意し、図9に示すようにインプリント用レジスト層16に配置する。プレス装置により圧力を加えてインプリントを行なって、インプリント用レジスト層16には、凸部19と凹部18とからなる凹凸パターンが形成される。
インプリント用レジスト層16に形成されるパターンは、前述の第1の方向に交差する第2の方向に長手を有する。第1の方向と第2の方向とのなす角度は、例えば記録ヘッドの形状に応じて、約60°から90°の範囲で設定することができる。
続いて、酸素エッチングを行なってインプリント用レジスト層16の凹凸パターンの凹部18を除去し、凸部19を残置する。その結果、図10に示すように第2の相の成分を含む耐エッチングパターン15と、インプリント用レジスト層の凸部19とによって、格子状のエッチングマスクが形成される。
得られた格子状パターンをマスクとして用いてエッチングを行なって、図11に示すように、基板11を加工する。エッチングガスとしては、マスクと基板とのエッチング速度の選択比が大きく取れる組成が好ましく、基板11がシリコン基板の場合、例えばSF6を用いることができる。さらに、SF6と酸素、窒素、または塩素系ガスなどの混合ガスなども挙げられるが、これらに限定されるものではない。
基板11のエッチング後には、溶媒、フッ酸などによるウエットエッチングまたは、ハロゲン系ガスのドライエッチングなどにより耐エッチングパターン15を剥離して、図12に示されるような矩形の凹パターンを有するシリコン基板が得られる。矩形パターンの縦横のアスペクト比は、ジブロックコポリマー組成の相分離ピッチおよび予め用意されたインプリントモールドの溝パターン幅に既定されることから、ジブロックコポリマー組成の選択、および図9に示すマスクパターン17の設計によって、任意のアスペクト比を有する凹パターンを形成することも可能である。
相分離した第1の相の成分によって構成される易エッチング領域14は、ラメラ状であってもよい。すなわち、第1および第2の相の成分が層状に相分離をした状態であり、特に、第1の相の成分と第2の相の成分とが基板に対して垂直方向に相分離していることが好ましい。
図13乃至18を参照して、こうした相分離を用いた例を説明する。ラメラ状に相分離する組成のジブロックコポリマー組成物を用いる以外は、シリンダー状の相分離の場合と同様の方法によって、インプリントモールドを形成することができる。例えば、ジブロックコポリマーのポリマー成分の組成比または、ジブロックコポリマー組成に含有させるケイ素化合物の含有量比を変更することによって、ラメラ状の相分離を得ることが可能である。
まず、図2に示したように、基板11上にジブロックコポリマー組成物層12を形成する。ジブロックコポリマー組成物層12の形成に先立って、所定のランダムコポリマー組成薄膜を基板11上に形成することによって、基板面に垂直な相分離を確実にすることができる。具体的には、用いられるジブロックコポリマーと同様の第1および第2の成分を含有するランダムコポリマーの薄膜である。また、相分離構造配列を促進するためのガイドを形成する場合には、ジブロックコポリマーの一方の組成と親和性のある素材を用いることが好ましい。
ジブロックコポリマー組成物層12は、熱または溶媒雰囲気などでアニール処理することによって、図13に示すように相分離したジブロックコポリマー組成物層13を得る。相分離によって、第1の相の成分は、ラメラ状の易エッチング領域14を形成する。シリンダー状の場合と同様、ラメラ状の易エッチング領域14の長手方向を第1の方向とする。
第1の相の成分からなる易エッチング領域14を除去して、図14に示すように第2の相の成分を含む耐エッチングパターン15を得、この上には、図15に示すようにインプリント用のレジスト層16を形成する。図16に示すようにマスクパターン17を用いてインプリント用レジスト層16にインプリントを行ない、図17に示すように凸部19と凹部18とからなる凹凸パターンをインプリント用レジスト層16に形成する。
インプリントレジスト層16における凹凸パターンの凹部18をエッチングにより除去して、図18に示すように第2の相の成分を含む耐エッチングパターン15を露出させる。
第2の相の成分を含む耐エッチングパターン15とインプリント用レジスト層16の凸部19とをマスクとして、図11に示したように基板11を加工する。最後に、耐エッチングパターン15を除去して、図12に示したようなインプリントモールド30が形成される。
相分離により生じた易エッチング領域14は、必ずしもインプリント用レジスト層16を形成する前に、相分離したジブロックコポリマー層13から除去する必要はない。
図19に示すように、シリンダー状の易エッチング領域14が生じて相分離したジブロックコポリマー組成物層13の上に、インプラント用レジスト層16を設けることもできる。図20に示すようにマスクパターン17を用いて、インプリント用レジスト層16に、凸部19と凹部18とからなる凹凸パターンを形成する。
インプリントレジスト層16における凹凸パターンの凹部の底部残渣レジスト18を除去し、さらに、この凹部の下層にある第1の相の成分からなる易エッチング領域14を除去する。その結果、図10に示したような第2の相の成分を含む耐エッチングパターン15が得られ、このパターン15の上にはインプリント用レジスト層の凸部19が残置される。
第2の相の成分を含む耐エッチングパターン15とインプリント用レジスト層16の凸部19とをマスクとして、図11に示したように基板11を加工する。最後に、耐エッチングパターン15を除去して、図12に示したようなインプリントモールド30が形成される。
ラメラ状の易エッチング領域14が生じて相分離したジブロックコポリマー組成物層13の上に、図21に示すようにインプリント用レジスト層16を設けることもできる。図22に示すようにマスクパターン17を用いて、図23に示すようにインプリント用レジスト層16に、凸部19と凹部18とからなる凹凸パターンを形成する。
インプリントレジスト層16における凹凸パターンの凹部18を除去し、さらに、この凹部の下層にある第1の相の成分からなる易エッチング領域14を除去する。その結果、図10に示したような第2の相の成分を含む耐エッチングパターン15が得られ、このパターン15の上にはインプリント用レジスト層の凸部19が残置される。
第2の相の成分を含む耐エッチングパターン15とインプリント用レジスト層16の凸部19とをマスクとして、図11に示したように基板11を加工する。最後に、耐エッチングパターン15を除去して、図12に示したようなインプリントモールド30が形成される。
本発明の実施形態にかかる方法により作製されたインプリントモールドは、磁気記録媒体の製造に好適に用いられる。
図24乃至図29を参照して、本発明の実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法を説明する。
図24に示すように、媒体基板31の上に磁性膜32およびインプリント用レジスト層33を形成し、上述したように作製されたインプリントモールド30を配置する。磁性膜32は、例えばスパッタリング法などにより形成することができ、インプリント用レジスト層33は、例えば塗布用により形成することができる。
プレスなどでインプリントモールド30を図25に示すように加圧して、図26に示すようにインプリント用レジスト層33に凸パターン34を形成する。このとき、インプリントモールド30には、離型性向上のため、フッ化アルキルシランカップリング剤、パーフルオロポリエーテル誘導体、カーボン膜などで離型処理を施してもかまわない。
凹部のレジスト残渣を除去して、図27に示すように磁性膜32を露出し、イオンミリングなどにより磁性膜32を加工する。その結果、図28に示すような分断された微細な磁性ドット35を得ることができる。磁性ドット35の上のレジストパターン34は、必要に応じて図29のように剥離してもよい。
形成された磁性ドットからなる記録セルは、例えば図29に示されるような縦横比の異なるロッドの形状とすることができる。上記のようにロッド状のナノパターンは、ジブロックコポリマーの相分離を利用するだけでは形成することが困難であるが、本発明の方法によれば高い自由度で最適なパターンを設計することができる。
なお、この方法は、磁気記録媒体に限らず、光ディスクや半導体装置など、微細パターンの形成を必要とする分野へ応用することができる。
以下、本発明の具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
実施例に使用した自己組織化パターン形成用の溶液の調製例として、組成A、B、Cを示すが、これに限られるものではない。
(A)ポリスチレン−ポリエチレンオキシド(Mn:PS=3000、PEO=3000)とSOG(東京応化OCD T−7)とを用いて、塗布溶液を調製した。OCD T−7の固形成分が、PEOの3.2重量倍になるように混合し、塗布溶液における全固形成分量が1.5%になるようにジエチレングリコールジメチルエーテル溶媒で調製した。
(B)ポリスチレン−ポリエチレンオキシド(Mn:PS=3000、PEO=3000)とSOG(東京応化OCD T−7)とを用いて、塗布溶液を調製した。OCD T−7の固形成分がPEOの3.2重量倍になるように混合し、塗布溶液における全固形成分量が2.5%になるようにトリエチレングリコールジメチルエーテル溶媒で調製した。
(C)ポリスチレン−ポリエチレンオキシド(Mn:PS=19000、PEO=6400)とSOG(東京応化OCD T−7)とを用いて、塗布溶液を調製した。OCD T−7の固形成分がPEOの3.8重量倍になるように混合し、塗布溶液における全固形成分量が2.5%になるようにトリエチレングリコールジメチルエーテル溶媒で調製した。
(D)ポリスチレン−ポリエチレンオキシド(Mn:PS=3000、POE=3000)とSOG(東京応化OCD T−7)とを用いて、塗布溶液調製した。T−7の固形成分量がPEOの2重量倍となるように混合し、塗布溶液における全固形成分量が2.5%になるようにトリエチレングリコールジメチルエーテルで調整した。
(実施例1)
まず、3インチの基板上、ハイドロジェンシルセスキオキサン(HSQ)を電子線描画することにより、ガイド20(幅300nm高さ10nm)を形成して、図4に示したような基板11を準備した。
ガイド20が形成された基板11の上には、前述の塗布溶液Aをスピンコートして、図5に示したようなジブロックコポリマー層12を形成した。200℃で3時間アニールすることにより図6に示すように、PSがシリンダー状の易エッチング領域14を形成し、相分離したジブロックコポリマー層13が得られた。相分離により生じたシリンダーのピッチは、16nmであった。
相分離したジブロックコポリマー層13の上には、図19に示すようにインプリント用レジスト膜16としてのノボラック系のi線レジスト層を形成した。膜幅60nm、高さ50nmの凸ラインが150nmピッチで形成されたニッケル製のマスクパターン17を用意し、図20に示したようにインプリント用レジスト層16の上に配置した。マスクパターン17のラインは、易エッチング領域14の長手方向に対して90°の角度をなすように、プレス装置にセットした。
マスクパターン17を、2000barの圧力で60秒押し付けてインプリントを行なうことにより、図20に示されるように、凹部18と凸部19とからなるパターンがインプリント用レジスト層16に形成された。
酸素ドライエッチングにより、インプリント用レジスト層の凹部18を除去するとともに、この凹部の下層にある易エッチング領域14を除去した。その結果、図10に示したように、インプリント用レジスト層の凸部19と、耐エッチングパターン15とからなる格子状パターンが得られた。この格子状パターンをマスクとしてSF6ガスでシリコン基板のエッチングを行なったところ、図11に示したように基板11には溝21が形成された。
その後、酸素エッチングおよび希フッ酸による洗浄を施すことにより、耐エッチングパターン15を除去した。シリコン基板11の表面には、16nmピッチ×150nmピッチの溝21が確認された。このシリコン基板は、インプリントモールドとして用いることができる。
(実施例2)
前述の(実施例1)と同様のガイド20を有する基板11を準備し、前述の塗布溶液Aをスピンコートして、図5に示したようなジブロックコポリマー層12を形成した。これを、200℃で3時間アニールすることにより、図6に示すようにPSがシリンダー状の易エッチング領域14を形成し、相分離したジブロックコポリマー層13が得られた。相分離により生じたシリンダーのピッチは16nmであった。
酸素エッチング処理を施して、相分離したジブロックコポリマー層13からPSからなる易エッチング領域14を除去し、図7に示すような耐エッチングパターン15を得た。この耐エッチングパターン15は、PEOとSOGとの混合相から形成される。
耐エッチングパターン15の上には、図8に示すようにインプリント用レジスト膜16としてのノボラック系のi線レジスト層を形成した。膜幅60nm、高さ50nmの凸ラインが150nmピッチで形成されたニッケル製のマスクパターン17を用意し、図8に示したようにインプリント用レジスト層16の上に配置した。マスクパターン17のラインは、易エッチング領域14の長手方向に対して90°の角度をなすように、プレス装置にセットした。
マスクパターン17を、2000barの圧力で60秒押し付けてインプリントを行なうことにより、図9に示したように凹部18と凸部19とからなるパターンがインプリント用レジスト層16に形成された。
酸素ドライエッチングによりインプリント用レジスト層の凹部18を除去して、図10に示したような、インプリント用レジスト層の凸部19と、耐エッチングパターン15とからなる格子状パターンが得られた。この格子状パターンをマスクとしてSF6ガスでシリコン基板のエッチングを行なったところ、図11に示したように基板11には溝21が形成された。
その後、酸素エッチングおよび希フッ酸による洗浄を施すことにより、耐エッチングパターン15を除去した。シリコン基板11の表面には、16nmピッチ×150nmピッチの溝21が確認された。このシリコン基板は、インプリントモールドとして用いることができる。
(実施例3)
塗布溶液Aを塗布溶液Bに変更した以外は実施例2と同様の手法により、基板11にパターンを形成した。その結果、基板の表面には、16nmピッチ×150nmピッチの溝21が確認された。このシリコン基板は、インプリントモールドとして用いることができる。
(実施例4)
塗布溶液Aを塗布溶液Cに変更した以外は実施例2と同様の手法により、基板11にパターンを形成した。その結果、基板の表面には、38nmピッチ×150nmピッチの溝21が確認された。このシリコン基板は、インプリントモールドとして用いることができる。
(実施例5)
塗布溶液Aを塗布溶液Dに変更した以外は実施例2と同様の手法により、基板11にパターンを形成した。その結果、基板の表面には、20nmピッチ×150nmピッチの溝21が確認された。このシリコン基板は、インプリントモールドとして用いることができる。
(実施例6)
実施例1で得られたインプリントモールドを用いて磁性膜を加工し、磁気記録媒体を作製した。
まず、図24に示すように、ガラス基板31の上に20nmの磁性膜32を成膜し、この磁性膜32の上には、ノボラック系レジストをスピンコートして、厚さ30nmのレジスト層33を形成した。
実施例1で作製された格子状パターンを有するインプリントモールド30を、レジスト層33上に配置し、プレス装置により2000barの圧力を印加して、図25に示すようにかけてインプリントを行なった。インプリントモールド30は、カップリング処理剤(TSL8233(GE東芝シリコーン製)の2%エタノール溶液に30分間浸漬し、120℃のオーブンで1時間乾燥することにより、予め表面に離型処理を表面に施しておいた。
インプリントのレジスト層33には、格子状の溝が形成されて。図26に示すようなレジストパターン34が得られた。溝の底部に残るレジスト層の部分を酸素プラズマにより除去して、図27に示すように磁性膜32を露出した後、レジストパターン34をマスクとして、Arイオンミリングにより磁性膜32をエッチングして、図28に示すように磁性膜パターン35を得た。
最後に、レジストパターン34を剥離して、図29に示すような磁性膜パターン35からなる磁性セルが形成された磁気記録媒体が製造された。磁性セルの寸法は、16nmピッチ×150nmであり、インプリントモールドのパターンが転写されたことが確認された。
本発明の一実施形態にかかる磁気記録媒体の平面図。 本発明の一実施形態にかかるインプラントモールドの製造方法の一工程を表わす斜視図。 図2に続く工程を表わす斜視図。 他の実施形態にかかるインプラントモールドの製造方法の一工程を表わす斜視図。 図4に続く工程を表わす斜視図。 図5に続く工程を表わす斜視図。 図3に続く工程を表わす斜視図。 図7に続く工程を表わす斜視図。 図8に続く工程を表わす斜視図。 図9に続く工程を表わす斜視図。 図10に続く工程を表わす斜視図。 図11に続く工程を表わす斜視図。 本発明の他の実施形態にかかるインプラントモールドの製造方法の一工程を表わす斜視図。 図13に続く工程を表わす斜視図。 図14に続く工程を表わす斜視図。 図15に続く工程を表わす斜視図。 図16に続く工程を表わす斜視図。 図17に続く工程を表わす斜視図。 本発明の他の実施形態にかかるインプラントモールドの製造方法の一工程を表わす斜視図。 図19に続く工程を表わす斜視図。 本発明の他の実施形態にかかるインプラントモールドの製造方法の一工程を表わす斜視図。 図21に続く工程を表わす斜視図 図22に続く工程を表わす斜視図。 本発明の一実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法の一工程を表わす斜視図。 図24に続く工程を表わす斜視図。 図25に続く工程を表わす斜視図。 図26に続く工程を表わす斜視図。 図27に続く工程を表わす斜視図。 図28に続く工程を表わす斜視図。
符号の説明
1…磁気記録媒体; 2…トラック; 3…磁性体セル; 11…基板
12…ジブロックコポリマー膜; 13…相分離したジブロックコポリマー層
14…第1のポリマー成分からなる易エッチング領域
15…第2のポリマー成分からなる耐エッチングパターン
16…インプリント用レジスト層; 17…マスクパターン;18…凹パターン
19…凸パターン; 20…ガイド; 21…溝; 30…インプリントモールド
31…媒体基板; 32…磁性膜; 33…レジスト層; 34…レジストパターン
35…磁性膜パターン。

Claims (9)

  1. 少なくともジブロックコポリマーを含有する組成物からなり、第1の相と、この第1の相よりエッチング耐性の高い第2の相とに相分離する組成物層を基板上に形成する工程、
    前記ジブロックコポリマーを含有する組成物層を相分離させて、第1の方向に長手を有するシリンダー状またはラメラ状の第1の相の成分からなる易エッチング領域を形成する工程、
    前記相分離したジブロックコポリマー組成物層の上に、インプリント用レジスト層を形成する工程、
    マスクパターンを用いて前記インプリント用レジスト層にインプリントを施して、前記第1の方向に交差する第2の方向に長手を有する凸部と凹部とからなる凹凸パターンを前記インプリント用レジスト層に形成する工程、
    前記インプリント用レジスト層から前記凹凸パターンの前記凹部の底部残渣レジストを除去して前記凸部のみを残置するとともに、前記凹部の下層の前記相分離したジブロックコポリマー組成物層から前記第1の相の成分を除去して、第2の相の成分を含む耐エッチングパターンを得る工程、および
    前記インプリント用レジスト膜の凸部と前記第2の相の成分を含む耐エッチングパターンとをマスクとして前記基板をエッチングする工程
    を具備することを特徴とするパターン形成方法。
  2. 少なくともジブロックコポリマーを含有する組成物からなり、第1の相と、この第1の相よりエッチング耐性の高い第2の相とに相分離する組成物層を基板上に形成する工程、
    前記ジブロックコポリマーを含有する組成物層を相分離させて、第1の方向に長手を有するシリンダー状またはラメラ状の第1の相の成分からなる易エッチング領域を形成する工程、
    前記相分離したジブロックコポリマー組成物層から前記第1の相の成分を除去して、前記第1の方向に長手を有し、前記第2の相の成分を含む耐エッチングパターンを形成する工程、
    前記耐エッチングパターンの上にインプリント用レジスト層を形成する工程、
    マスクパターンを用いて前記インプリント用レジスト層にインプリントを施して、前記第1の方向に交差する第2の方向に長手を有する凸部と凹部とからなる凹凸パターンを前記インプリント用レジスト層に形成する工程
    前記インプリント用レジスト層から前記凹凸パターンの凹部の底部残渣レジストを除去して凸部のみを残置する工程、および
    前記第2の相の成分を含む耐エッチングパターンおよび前記インプリント用レジスト層の凸部をマスクとして前記基板をエッチングする工程
    を具備することを特徴とするパターン形成方法。
  3. 前記基板上に前記ジブロックコポリマーを含有する組成物層を形成する前に、前記基板上にガイドを形成する工程をさらに具備し、
    前記第1の方向は、前記ガイドの長さに沿った方向であることを特徴とする請求項1または2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記ジブロックコポリマーは、ポリスチレンおよびポリアクリレートからなる群から選択されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  5. 前記ジブロックコポリマーは、ポリメチルメタクリレート、ポリ(エチレン−alt−プロピレン)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、およびポリブチレンオキサイドからなる群から選択されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  6. ジブロックコポリマーを含有する組成物が相分離した前記第2の相の成分として、ケイ素化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  7. 前記ケイ素化合物は、シリケート類、ハイドロジェンシロキサン、メチルシロキサン、メチルシロキサン、ハイドロジェンシルセスキオキサン、およびメチルシルセスキオキサンからなる群から選択されることを特徴とする請求項6に記載のパターン形成方法。
  8. 前記耐エッチングパターンを、前記基板から除去する工程をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  9. 前記インプリント用レジスト層の前記凹部の除去は、酸素ドライエッチングにより行なわれることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
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