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JP5498768B2 - リソグラフィー用洗浄液及び配線形成方法 - Google Patents

リソグラフィー用洗浄液及び配線形成方法 Download PDF

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JP5498768B2 JP2009274394A JP2009274394A JP5498768B2 JP 5498768 B2 JP5498768 B2 JP 5498768B2 JP 2009274394 A JP2009274394 A JP 2009274394A JP 2009274394 A JP2009274394 A JP 2009274394A JP 5498768 B2 JP5498768 B2 JP 5498768B2
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Description

本発明は、リソグラフィー用洗浄液に関し、より詳細には、タングステン、銅、低誘電体材料等の易腐食性材料を腐食することなく、レジスト膜、犠牲膜、さらにはエッチング工程において生じた金属配線層や低誘電体層由来の残渣物を効果的に洗浄除去可能なリソグラフィー用洗浄液に関する。さらに本発明は、上記リソグラフィー用洗浄液を用いた配線形成方法に関する。
半導体デバイスは、シリコンウェーハ等の基板上に金属配線層、低誘電体層、絶縁層等を積層して形成されるものであり、このような半導体デバイスは、レジストパターンをマスクとしてエッチング処理を施すリソグラフィー法により、上記各層を加工して製造されている。
上記リソグラフィー法において用いられるレジスト膜、一時的積層膜(犠牲膜ともいう)、さらにはエッチング工程において生じた金属配線層や低誘電体層由来の残渣物は、半導体デバイスの支障とならないよう、また、次工程の妨げとならないよう、洗浄液を用いて除去される。
また、近年では、半導体デバイスの高密度化、高集積化に伴い、ダマシン法を用いた配線形成方法が採用されている。このような配線形成方法においては、半導体デバイスの金属配線層を構成する金属配線材料として腐食の発生しやすい銅が採用され、さらには、低誘電体層を構成する低誘電体材料(ILD材料ともいう)についても、ますます低誘電率化が進み、腐食の発生しやすいILD材料が採用されるようになっている。したがって、基板の洗浄時に、これらの易腐食性材料に対して腐食を発生しない洗浄液の開発が求められてきた。
また、ダマシン法を用いた配線形成方法においては、エッチング処理時の犠牲膜として利用される材料とILD材料との構成が酷似しており、このような酷似した材料の一方(ILD材料)に対して腐食を発生させずデバイス上に残し、他方(犠牲膜)を効率よく除去し得る洗浄液の開発が求められてきた。
さらに、従来のアルミニウム配線の形成方法においては、酸素プラズマアッシング処理工程を経て薬液による洗浄処理が行われていたため、洗浄液に対してそれ程高い洗浄能力は求められていなかったが、前述の銅やILD材料といった易腐食性材料を有する基板の洗浄においては、このような酸素プラズマアッシング処理を用いることができない。したがって、このような酸素プラズマアッシング処理工程を経なくても、前述の各種残渣物を完全に除去できる高い洗浄能力を有する洗浄液の開発が求められてきた。
従来、このような半導体デバイス製造工程において使用されるリソグラフィー用洗浄液として、4級アンモニウム水酸化物を主成分とした洗浄液が提案されている(例えば特許文献1〜2を参照)。このような4級アンモニウム化合物を主成分としたリソグラフィー用洗浄液は、それ以前の洗浄液に比べて、各種残渣物に対して除去性能が大きく改善され、易腐食性材料に対する腐食抑制機能に優れたものであった。
また、4級アンモニウム水酸化物を主成分とし、さらに全量に対して1質量%以下の水酸化カリウムを添加したリソグラフィー用洗浄液も提案されている(特許文献3を参照)。このように水酸化カリウムを添加したリソグラフィー用洗浄液は、銅やILD材料といった易腐食性材料を腐食することなく、除去性能をより高い水準に保つことができるものであった。
特開2002−357908号公報 特開2004−103771号公報 特表2006−527783号公報
ところで、近年、コンタクトプラグとしてタングステンプラグを用い、このタングステンプラグが形成された層上にダマシン法により銅の多層配線構造を形成した半導体デバイスが提案されている。しかし、上述した各特許文献に記載のリソグラフィー用洗浄液は、銅やILD材料に対する腐食抑制機能には優れていたものの、タングステンに対する腐食抑制機能は不十分なものであった。したがって、タングステンプラグが形成された層上の誘電体層にレジスト膜を用いてエッチング空間を形成し、リソグラフィー用洗浄液を用いて少なくともレジスト膜を除去しようとした場合、タングステンが腐食されてしまうという問題があった。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、タングステンに対する腐食抑制機能に優れ、かつ、レジスト膜等の除去性能にも優れたリソグラフィー用洗浄液、及びこのリソグラフィー用洗浄液を用いた配線形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その結果、リソグラフィー用洗浄液に特定のイミダゾール誘導体を添加することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明の第一の態様は、4級アンモニウム水酸化物と、水溶性有機溶剤と、水と、無機塩基と、下記一般式(1)で表される防食剤とを含有するリソグラフィー用洗浄液である。
Figure 0005498768
(式中、Rは炭素数1〜17のアルキル基又はアリール基を示し、Rは炭素数1〜13のアルキル基を示す。)
本発明の第二の態様は、レジスト膜を用いて半導体多層積層体の誘電体層に形成したエッチング空間に金属を埋め込むことによって金属配線層を形成する配線形成方法において、上記エッチング空間の形成後に、本発明に係るリソグラフィー用洗浄液を用いて少なくとも上記レジスト膜を除去する配線形成方法である。
本発明によれば、タングステンに対する腐食抑制機能に優れ、かつ、レジスト膜等の除去性能にも優れたリソグラフィー用洗浄液、及びこのリソグラフィー用洗浄液を用いた配線形成方法を提供することができる。
<リソグラフィー用洗浄液>
本発明に係るリソグラフィー用洗浄液は、4級アンモニウム水酸化物と、水溶性有機溶剤と、水と、無機塩基と、防食剤とを含有する。以下、本発明を詳細に説明するが、各材料については特に断らない限りは市販のものを用いることができる。
[4級アンモニウム水酸化物]
4級アンモニウム水酸化物としては、下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005498768
上記一般式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示す。
上記一般式(2)で表される化合物の中でも、テトラメチルアンモニウム水酸化物、テトラエチルアンモニウム水酸化物、テトラプロピルアンモニウム水酸化物、テトラブチルアンモニウム水酸化物、メチルトリプロピルアンモニウム水酸化物、メチルトリブチルアンモニウム水酸化物、及び(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが、入手しやすさの点から特に好ましい。さらに、テトラメチルアンモニウム水酸化物及び/又はテトラエチルアンモニウム水酸化物が、犠牲膜に対する溶解性が高い点から好ましい。
4級アンモニウム水酸化物の含有量は、リソグラフィー用洗浄液全量に対し、1〜20質量%であることが好ましく、2〜15質量%であることがより好ましい。このような含有量とすることにより、銅、ILD材料等の腐食を抑えながら、レジスト膜、犠牲膜、さらにはエッチング工程において生じた金属配線層や低誘電体層由来の残渣物を効果的に除去することができる。
[水溶性有機溶剤]
水溶性有機溶剤としては、当該分野で慣用される化合物を用いることができる。水溶性有機溶剤は、アルカノールアミン系水溶性有機溶剤とそれ以外の水溶性有機溶剤とに大別され、適宜選択して用いることができる。
上記アルカノールアミン系水溶性有機溶剤は、慣用される化合物を用いることができる。具体的には、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
中でも、モノエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、N−メチルエタノールアミン、及びモノイソプロパノールアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく選択される。このようなアルカノールアミン系水溶性有機溶剤は、必要に応じて適宜2種以上を混合して用いてもよい。
上記アルカノールアミン系水溶性有機溶剤以外の水溶性有機溶剤としては、例えば、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン、テトラメチレンスルホン等のスルホン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン等のラクタム類;β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジイソプロピル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール等の多価アルコール類、及びその誘導体を挙げることができる。
中でも好ましい溶剤として選択されるのは、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及びジエチレングリコールモノブチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種である。このようなアルカノールアミン系水溶性有機溶剤以外の水溶性有機溶剤は、必要に応じて適宜2種以上を混合して用いてもよい。
これらの水溶性有機溶剤の含有量は、リソグラフィー用洗浄液全量に対し、1〜82質量%であることが好ましく、2〜78質量%であることがより好ましい。このような含有量とすることにより、銅、ILD材料等の腐食を抑えながら、レジスト膜、犠牲膜、さらにはエッチング工程において生じた金属配線層や低誘電体層由来の残渣物を効果的に除去することができる。
上記水溶性有機溶剤は、アルカノールアミン系水溶性有機溶剤であっても、それ以外の水溶性有機溶剤であってもよいが、いずれか単独で用いるならばアルカノールアミン系水溶性有機溶剤以外の水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。この場合、アルカノールアミン系水溶性有機溶剤を単独で用いた場合に比べて、より一層ILD材料の腐食を抑制することができる。
また、上記アルカノールアミン系水溶性有機溶剤と、それ以外の水溶性有機溶剤とを混合溶剤として用いてもよい。このような混合溶剤とすることにより、レジスト膜、犠牲膜、さらにはエッチング工程において生じた金属配線層や低誘電体層由来の残渣物の剥離性能をより一層向上せしめることができる。
この混合溶剤を用いる場合、アルカノールアミン系水溶性有機溶剤の含有量は、リソグラフィー用洗浄液全量に対し、1〜50質量%であることが好ましく、2〜40質量%であることがより好ましい。また、アルカノールアミン系水溶性有機溶剤以外の水溶性有機溶剤の含有量は、上記水溶性有機溶剤全体の含有量のうち、先のアルカノールアミン系水溶性有機溶剤の残部とされる。
[水]
水の含有量は、リソグラフィー用洗浄液全量に対し、10〜80質量%であることが好ましく、15〜70質量%であることがより好ましい。このような含有量とすることにより、銅、ILD材料等の腐食を抑えながら、レジスト膜、犠牲膜、さらにはエッチング工程において生じた金属配線層や低誘電体層由来の残渣物を効果的に除去することができる。
[無機塩基]
無機塩基としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化ルビジウム等のアルカリ金属の水酸化物が好ましく、水酸化カリウムがより好ましい。無機塩基の含有量は、リソグラフィー用洗浄液全量に対し、0.1質量ppm〜1質量%であることが好ましく、1質量ppm〜0.5質量%であることがより好ましい。このような含有量とすることにより、銅、ILD材料等の腐食を抑えながら、犠牲膜に対する除去性能を高めることができる。
[防食剤]
防食剤としては、下記一般式(1)で表される化合物が用いられる。
Figure 0005498768
上記一般式(1)中、Rは炭素数1〜17のアルキル基又はアリール基を示し、Rは炭素数1〜13のアルキル基を示す。Rは炭素数1〜11のアルキル基又はアリール基であることが好ましく、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基であることがより好ましい。また、Rは炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましい。なお、アルキル基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
上記一般式(1)で表される化合物の中でも、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチル−4−エチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−n−ブチル−4−メチルイミダゾール、2−シクロヘキシル―4−メチルイミダゾール、及び2−フェニル−4−メチルイミダゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物の含有量は、リソグラフィー用洗浄液全量に対し、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。このような含有量とすることにより、タングステンの腐食を抑えながら、レジスト膜、犠牲膜、さらにはエッチング工程において生じた金属配線層や低誘電体層由来の残渣物を効果的に除去することができる。
また、本発明に係るリソグラフィー用洗浄液は、ベンゾトリアゾール系化合物及びメルカプト基含有化合物の中から選ばれる少なくとも1種の防食剤をさらに含有していてもよい。
上記ベンゾトリアゾール系化合物としては、下記一般式(3)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0005498768
上記一般式(3)中、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、シアノ基、ホルミル基、スルホニルアルキル基、又はスルホ基を示し、Qは水素原子、水酸基、置換基を有していてもよい炭素数1〜14の炭化水素基(但し、当該炭化水素基はアミド結合又はエステル結合で中断されていてもよい)、又は下記一般式(4)で表される基を示す。
Figure 0005498768
上記一般式(4)中、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R10、R11は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、又は炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基若しくはアルコキシアルキル基を示す。
なお、上記一般式(3)において、R、R、Qの各定義中、炭化水素基は、芳香族炭化水素基及び脂肪族炭化水素基のいずれでもよく、不飽和結合を有していてもよく、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、p−トリル基等が挙げられる。直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、例えばメチル基、n−プロピル基、ビニル基等が挙げられる。分岐状の脂肪族炭化水素基としては、例えばi−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。環状の脂肪族炭化水素基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。置換基を有する炭化水素基としては、例えばヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基等を挙げることができる。
また、上記一般式(3)において、Qとしては、上記一般式(4)で表される基であることが好ましい。特に上記一般式(4)で表される基の中でも、R10、R11がそれぞれ独立に炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基又はアルコキシアルキル基である基を選択することが好ましい。
さらに、Qは、上記一般式(3)で表される化合物が水溶性を示すように選択されることが好ましい。具体的には、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基(すなわち、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基)、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、水酸基等が好ましい。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、具体的には、例えばベンゾトリアゾール、5,6−ジメチルベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−メチルベンゾトリアゾール、1−アミノベンゾトリアゾール、1−フェニルベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシメチルベンゾトリアゾール、1−ベンゾトリアゾールカルボン酸メチル、5−ベンゾトリアゾールカルボン酸、1−メトキシ−ベンゾトリアゾール、1−(2,2−ジヒドロキシエチル)−ベンゾトリアゾール、1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール;「IRGAMET」シリーズとしてチバスペシャリティーケミカルズ社より市販されている、2,2’−{[(4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスエタノール、2,2’−{[(5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスエタノール、2,2’−{[(4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスエタン、2,2’−{[(4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスプロパン等を挙げることができる。これらの中でも、1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−ベンゾトリアゾール、2,2’−{[(4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスエタノール、2,2’−{[(5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスエタノール等が好ましく用いられる。これらのベンゾトリアゾール化合物は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記メルカプト基含有化合物としては、メルカプト基に結合する炭素原子のα位、β位の少なくとも一方に、水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物が好ましい。このような化合物として、具体的には1−チオグリセロール、3−(2−アミノフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロピルメルカプタン、3−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−ヒドロキシプロピルメルカプタン、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸等を挙げることができる。これらの中でも、1−チオグリセロールを用いることが特に好ましい。
[界面活性剤]
本発明に係るリソグラフィー用洗浄液は、必要に応じて界面活性剤を含有していてもよい。このような界面活性剤としては、アセチレンアルコール系界面活性剤等を好ましく用いることができる。界面活性剤の含有量は、リソグラフィー用洗浄液全量に対し、0.5質量%未満であることが好ましい。
<配線形成方法>
本発明に係る配線形成方法は、レジスト膜を用いて半導体多層積層体の誘電体層に形成したエッチング空間に金属を埋め込むことによって金属配線層を形成する、ダマシン法を用いた配線形成方法において、上記エッチング空間の形成後に、本発明に係るリソグラフィー用洗浄液を用いて少なくとも上記レジスト膜を除去するものである。
ダマシン法を用いた配線形成方法は、より具体的には、半導体多層積層体の低誘電体層上に形成したレジストパターンをマスクとして、上記低誘電体層をエッチング処理してエッチング空間を形成し、このエッチング空間に金属を埋め込むことによって金属配線を形成するものである。なお、エッチング空間には、一時的に犠牲膜が埋め込まれる場合がある。
本発明に係るリソグラフィー用洗浄液は、上記エッチング処理後の、レジスト膜由来、犠牲膜由来、さらにはエッチング工程において生じた金属配線層や低誘電体層由来の残渣物を除去する際に用いられる。特に、本発明に係るリソグラフィー用洗浄液はタングステンに対する腐食抑制機能に優れているため、タングステンプラグが形成された層上の誘電体層に、レジスト膜を用いてエッチング空間を形成した後、少なくともレジスト膜を除去する際に好適に用いられる。
レジスト膜等の除去方法は、通常行われる除去方法であれば特に限定されない。具体的には、例えば浸漬法、パドル法、シャワー法等を用いて、本発明に係るリソグラフィー用洗浄液を基板に1〜40分間接触させることにより処理される。除去効果を高めるため、通常は室温であるところ、リソグラフィー用洗浄液を85℃程度まで昇温させて除去処理を行ってもよい。
ここで、上記レジスト膜を形成する材料としては、(KrF、ArF、F、EUV)エキシマレーザー、あるいは電子線用に慣用されるレジスト材料を、常法により用いることができる。
このような慣用のレジスト材料を用いて、層間絶縁層あるいはその上層のバリア層上にレジスト膜が形成され、マスクを介したパターン露光の後、現像処理してレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとしてエッチングが行われた後のレジストパターン残渣物は、その他の、犠牲膜由来、及びエッチング工程において生じた金属配線層や低誘電体層由来の残渣物とともに、本発明に係るリソグラフィー用洗浄液により除去される。
上記低誘電体層としては、具体的には、例えばカーボンドープオキサイド(SiOC)系、メチルシルセスキオキサン(MSQ)系、ヒドロキシシルセスキオキサン(HSQ)系の材料により形成される層である。金属配線層の電気的特性に影響を与えないため、好ましくは誘電率(k)が3.0以下の低誘電体層である。
これら低誘電体層は、上記金属配線層上に形成してもよく、金属配線層上にバリア層を形成した上に形成してもよい。低誘電体層の焼成温度は、通常350℃以上の高温で行われる。
このような低誘電体層を形成する材料、すなわち低誘電体材料(ILD材料)としては、具体的には、上記カーボンドープオキサイド系のブラックダイアモンド(商品名:Apllied Materials社製)、コーラル(商品名:Novelus Systems社製)、Aurora(商品名:日本ASM社製)、上記メチルシルセスキオキサン系のOCL T−31、OCL T−37、OCL T−39(いずれも商品名:東京応化工業社製)、ヒドロキシシルセスキオキサン系のOCD T−12、OCL T−32(いずれも商品名:東京応化工業社製)、等が挙げられる。
また、上記バリア層としては、例えばSiC、SiN、SiCN、Ta、TaN等が挙げられる。このようなバリア層は、低誘電体層と低誘電体層との間に形成してもよい。
また、ダマシン法において用いられる金属配線層を形成する金属材料としては、主にCuであるが、Cu以外のAl、Ti、W等の導電体材料も同一基板上に積層されている。本発明に係るリソグラフィー用洗浄液によれば、洗浄液がこれら金属材料と接触した場合であっても、腐食を効果的に抑制することができる。
本発明に係るリソグラフィー用洗浄液は、ダマシン法の中でも、特に、形成されたエッチング空間内に一時的に犠牲膜を設けるダマシン法による配線形成方法において有用であるが、このような犠牲膜を形成する材料(埋め込み材)としては、具体的には、縮合反応により得られるスピンオングラス材料が好適である。
上記犠牲膜を形成するスピンオングラス材料としては、下記一般式(5)〜(7)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を、水の存在下で酸の作用により加水分解させた化合物が好適である。
Figure 0005498768
上記一般式(5)〜(7)中、R12〜R15、R17〜R19、R22、R23は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を示し、R16、R20、R21は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。
上記一般式(5)で表される化合物の中でも、テトラメトキシシラン若しくはテトラエトキシシラン、又はそれらのオリゴマーが好ましい。また、上記一般式(6)で表される化合物の中でも、トリメトキシシラン若しくはトリエトキシシラン、又はそれらのオリゴマーが好ましい。さらに、上記一般式(7)で表される化合物の中でも、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、若しくはメチルジメトキシシラン、又はそれらのオリゴマーが好ましい。なお、これらのスピンオングラス材料は、1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
さらに、上記一般式(5)〜(7)で表される化合物に、高吸収性物質を適宜配合してもよい。このような高吸収性物質としては、上記スピンオングラス材料と縮合し得る置換基をその構造中に有するものであって、上記レジスト材料中の感光性成分の感光特性波長域における光に対して高い吸収能を有し、基板からの反射光によって生じる定在波や基板表面の段差による乱反射を妨げるものであればよく、特に制限はない。例えば水酸基及び/又はカルボキシル基の置換した、スルホン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アントラセン系化合物、ナフタレン系化合物等が挙げられる。特に、少なくとも2個の水酸基を有するビスフェニルスルホン系化合物及びベンゾフェノン系化合物、少なくとも1個の水酸基及び/又はヒドロキシアルキル基を有するアントラセン系化合物、カルボキシル基及び/又は水酸基を有するアントラセン系化合物、少なくとも1個のカルボキシル基及び/又は水酸基が置換したナフタレン系化合物が好ましい。
上記高吸収性物質の含有量は、スピンオングラス材料中、SiO換算の固形分濃度で10〜50重量%であることが好ましく、15〜40重量%であることがより好ましい。
以下、本発明の実施例を示し、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(リソグラフィー用洗浄液の調製)
下記表1に示す組成及び配合量に基づき、リソグラフィー用洗浄液を調製した。なお、各試薬については、特に記載の無いものに関しては、一般に市販されている試薬を用いた。また、表中の数値は、特に断りの無い限り、質量%の単位で示されるものである。
Figure 0005498768
TMAH : テトラメチルアンモニウム水酸化物
TEAH : テトラエチルアンモニウム水酸化物
EMI : 2−エチル−4−メチルイミダゾール
BMI : 2−n−ブチル−4−メチルイミダゾール
PMI : 2−フェニル−4−メチルイミダゾール
MEI : 2−メチル−4−エチルイミダゾール
BTA : ベンゾトリアゾール
1,2DMI : 1,2−ジメチルイミダゾール
NMI : N−メチルイミダゾール
2MPA : 2−メルカプトプロピオン酸
EDG : ジエチレングリコールモノエチルエーテル
DMSO : ジメチルスルホキシド
(レジスト膜等の除去)
タングステン層が形成された基板上に、第1層としてSiCからなるバリア層を、第2層としてLow−k材からなる低誘電体層(誘電体層はCVD蒸着膜)を形成し、その上にArFレジスト材料「TArF−P6111」(東京応化工業社製)を用いてレジスト膜を形成した。そして、リソグラフィー法によりレジストパターン形成し、そのレジストパターンをマスクとして低誘電体層をエッチングし、バリア層に連通するビアホールを形成した。
次いで、このビアホール内にスピンオングラス材料からなる埋め込み材(ハネウェル社製)を埋め込んで犠牲膜を形成し、犠牲膜が形成された基板上に上記のArFレジスト材料を用いてレジスト膜を形成し、リソグラフィー法によりレジストパターンを形成した。そして、この新たに形成されたレジストパターンをマスクとしてエッチング処理を行い、トレンチを形成した。このとき、レジストパターン表面には、エッチングガスによりダメージを受け、除去が困難となったエッチドレジストが形成され、トレンチパターン側壁には、Low−k材をエッチング除去した際のSi系金属残渣物が堆積し、さらに埋め込み材がビアホール内部に残存していた。
この基板を、上記表1に示した実施例1〜8、比較例1〜5のリソグラフィー用洗浄液に、50℃にて10分間浸漬処理を行った後、純水でリンス処理した。このときの、エッチドレジストの剥離性、Si系金属残渣物の剥離性、埋め込み材の剥離性、Low−k材に対する腐食の状態、及びタングステンに対する腐食の状態を、SEM(走査型電子顕微鏡)で観察することにより評価した。結果を表2に示す。表2中、“○”は、剥離対象物を完全に除去でき、又は基材、タングステンに対して腐食が全く無かったことを示す。“×”は、剥離対象物が基板上に残存し、又は基材、タングステンに対して腐食が発生していたことを示す。
Figure 0005498768
表2から分かるように、防食剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−n−ブチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−メチル−4−エチルイミダゾールを含有する実施例1〜8のリソグラフィー用洗浄液を用いた場合には、Low−k材やタングステンの腐食を抑えながら、エッチドレジスト、埋め込み材、さらにはエッチング工程において生じたSi系金属残渣物を効果的に除去することができた。
一方、比較例1では防食剤が存在しないため、タングステンに腐食が発生していた。また、防食材としてベンゾトリアゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−メルカプトプロピオン酸を含有する比較例2〜5のリソグラフィー用洗浄液を用いた場合には、タングステンに対する腐食抑制効果がなく、タングステンに腐食が発生していた。

Claims (3)

  1. 下記一般式(2)で表される4級アンモニウム水酸化物と、水溶性有機溶剤と、水と、無機塩基と、下記一般式(1)で表される防食剤とを含有するリソグラフィー用洗浄液。
    Figure 0005498768
    (式中、Rは炭素数1〜17のアルキル基又はアリール基を示し、Rは炭素数1〜13のアルキル基を示す。)
    Figure 0005498768
    (式中、R 〜R はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示す。)
  2. 前記防食剤の含有量が0.1〜10.0質量%である請求項記載のリソグラフィー用洗浄液。
  3. レジスト膜を用いて半導体多層積層体の誘電体層に形成したエッチング空間に金属を埋め込むことによって金属配線層を形成する配線形成方法において、
    前記半導体多層積層体はタングステンプラグが形成された層を含み、該タングステンプラグが形成された層上の誘電体層にエッチング空間が形成されており、
    前記エッチング空間の形成後に、リソグラフィー用洗浄液を用いて少なくとも前記レジスト膜を除去する工程を含み、
    前記リソグラフィー用洗浄液が、4級アンモニウム水酸化物と、水溶性有機溶剤と、水と、無機塩基と、下記一般式(1)で表される防食剤とを含有する配線形成方法。
    Figure 0005498768
    (式中、R は炭素数1〜17のアルキル基又はアリール基を示し、R は炭素数1〜13のアルキル基を示す。)
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