JP4440689B2 - レジスト剥離剤組成物 - Google Patents
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Description
これらの中でも、硫酸、塩酸、硝酸、燐酸、フッ化水素酸が好ましい。
また、中でも好ましい塩基性化合物としては、塩基性無機化合物であるアンモニア等、塩基性有機化合物である水酸化テトラメチルアンモニウム、コリン等が挙げられる。
また、無機酸と塩基性無機化合物の組み合わせの代表例としては、例えば硫酸ヒドロキシルアミン、硝酸ヒドロキシルアミン、塩酸ヒドロキシルアミン、シュウ酸ヒドロキシルアミン、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、フッ化アンモニウム等が挙げられる。
レジスト残渣除去性の点から好ましい塩の組み合わせとしては、具体的には例えば硝酸アンモニウムと塩酸アンモニウム、硝酸アンモニウムとリン酸アンモニウム、硝酸ヒドロキシルアミンと塩酸ヒドロキシルアミン、硝酸ヒドロキシルアミンと2−アミノエタノールアミン塩酸塩等が挙げられる。
中でも、無機酸と塩基性無機化合物の塩がより好ましく、硝酸アンモニウムと塩酸アンモニウム、硝酸アンモニウムとリン酸アンモニウム等の組み合わせがより好ましい。
二種以上の無機酸の塩において、それぞれの塩の割合は特に限定されず、塩の総重量%が上記の合計量の範囲内であればよい。
これらの塩の濃度が0.001重量%よりも低い場合は、レジスト残渣に対する除去性能が不十分となる傾向があり、30重量%よりも高い場合は溶解性が悪くなる傾向がある。
スルホン酸基を有する化合物として、具体的にはアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、アルキレンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、フェノールスルホン酸ホルマリン縮合物、フェニルフェノールスルホン酸ホルマリン縮合物等の分子構造中にアニオン系官能基を2つ以上有する化合物、アルキルベンゼンスルホン酸、ジアルキルサクシネートスルホン酸、モノアルキルサクシネートスルホン酸、アルキルフェノキシエトキシエチルスルホン酸等の化合物又はその塩等が挙げられ、硫酸エステル基を有する化合物としてアルキルメチルタウリン、アシルメチルタウリン、脂肪酸メチルタウリン等のメチルタウリン類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアリールエーテル硫酸エステル等の化合物又はその塩、リン酸エステル基を有する化合物としてはポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸等の化合物またはその塩、カルボン酸基を有する化合物としてはアシルサルコシン、脂肪酸サルコシン等のサルコシン類化合物、やし油、オレイン酸等の脂肪酸類化合物またはその塩、更に分子構造中に異なった2つのアニオン系官能基を有する化合物としてスルホン酸基及びカルボン酸基を有する化合物であるアルキルスルホコハク酸、ポリオキシアルキレンアルキルスルホコハク酸等の化合物またはその塩が挙げられる。
本発明剥離剤においては、スルホン酸基及び/又は硫酸エステル基を有するアニオン系界面活性剤を用いるのが好ましい。
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸又はその塩としては、具体的には、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ジナトリウム塩又はドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ジアンモニウム塩、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ジトリエタノールアミン塩が挙げられる。
本発明剥離剤には、これらのアニオン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性剤が一種類または二種類以上含有されていても良い。
金属の腐食抑制剤としては、分子内に窒素原子、酸素原子、燐原子、硫黄原子の少なくとも1つを有する有機化合物等が挙げられ、より具体的には、有機酸類、糖類、窒素原子に少なくとも2つのアルキル基を有する第3級アミン化合物、分子内に少なくとも1つのアゾール基を有する化合物、少なくとも1つのメルカプト基を有し、該メルカプト基が結合している炭素原子と水酸基が結合している炭素原子とが隣接している、炭素数が2以上である脂肪族アルコール系化合物等が挙げられる。
中でもシュウ酸、マロン酸、乳酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グリオキシル酸等が好ましい。これらは、銅配線に対して優れた腐食抑制効果を示す。
具体的には、アルドースとしては、リキソース、グリセルアルデヒド、トレオース、エリトロース、アラビノース、キシロース、リボース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、タロース、グルコース、マンノース、ガラクトース等が挙げられ、ケトースとしてはエリトルロース、リブロース、キシルロース、タガトース、ソルボース、プシコース、果糖等が挙げられ、糖アルコール類としては、トレイトール、エリトルトール、アドニトール、アラビトール、キシリトール、タリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、ズルシトール等が挙げられ、中でも、好ましいものとしてソルビトール、マンニトール、キシリトールが挙げられ、より好ましいものとしてマンニトールが挙げられる。
ここでアルキル基としては炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
上記アミン化合物としては、具体的には、アルキル基の他に更にヒドロキシルアルキル基を有するアミン化合物としてN,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジイソプロピルエタノールアミン、N,N−ジn−プロピルエタノールアミン等が挙げられ、シクロアルキル基を有するアミン化合物としてN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジイソプロピルシクロヘキシルアミン、N,N−ジn−プロピルシクロヘキシルアミン、N,N−ジブチルシクロヘキシルアミン等が挙げられ、また、分子内に窒素原子を2個以上有するポリアミン化合物としては、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチルブタンジアミン、テトラメチルペンタンジアミン、テトラメチルヘキサンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、トリス(3−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン等が挙げられる。
これらの中でも、ジメチルシクロヘキシルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテルが好ましい。
本発明剥離剤中にはこれらの金属の腐食抑制剤が通常0.0001〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%、さらに好ましくは0.01〜2重量%含有される。0.0001重量%未満では銅配線に対する腐食抑制効果が不十分となる傾向があり、10重量%より多い場合には剥離剤中への溶解性が不十分となる傾向がある。
また前述の無機酸及び塩基性化合物は、一般的なpH調整剤として本発明剥離剤に含有されていてもよい。
本発明剥離剤には水が通常40〜99.98重量%、好ましくは50〜99.98重量%、より好ましくは70〜99.98重量%、特に好ましくは90〜99.98重量%含有される。
これらの水溶性有機溶媒が含有される場合には、その含有量は本発明剥離剤全量に対して5重量%〜30重量%の範囲内である。
その他の成分としては、例えば過酸化水素水、消泡剤等が挙げられる。
このようなLow−k膜としては、例えば、FSG(F含有SiO2)、SiOC(カーボン含有SiO2)、SiON(N含有SiO2)のような無機系の膜、MSQ(メチルシルセスキオキサン)、HSQ(ハイドロジェンシルセスキオキサン)、MHSQ(メチル化ハイドロジェンシルセスキオキサン)等のポリオルガノシロキサン系の膜、PAE(ポリアリールエーテル)、BCB(ジビニルシロキサン−ビス−ベンゾシクロブテン)等の芳香族系の膜、Silk、ポーラスSilk等の有機膜系の膜等が挙げられる。
特に本発明剥離剤を処理するのに好適な膜としてはSiOC、MSQ、PAE(ポリアリールエーテル)等の膜が挙げられる。
まずトランジスタ等の素子を形成した半導体基板にシリコン酸化膜等の絶縁膜を形成し、公知のCMP技術とリソグラフィー技術を用いて絶縁膜に銅配線を形成する。その後銅配線上にLow−k膜やシリコン酸化膜、シリコン窒化膜等を形成する。
次いでリソグラフィー技術でレジストをパターニングした後、レジストをマスクとしてドライエッチング技術を用いて誘電率膜等にビアホールを形成する。このビアホール形成時にホール内壁にエッチングによって発生した残渣が付着する。その後酸素プラズマ等でレジストを灰化アッシング除去し、更にビアホール底や内壁、ホール周辺に残存する残渣を、本発明剥離剤を用いて剥離処理を行う。これにより、アッシングで除去しきれなかったレジスト膜やエッチング残渣が除去される。
その後、ビアホール内部に、銅又はタングステン膜を埋め込み、層間接続プラグを形成する。
銅配線上のビアホール形成プロセスにおいて、本発明剥離剤におけるアッシング後のレジスト残渣除去性及び銅配線とLow-k膜に対するダメージ抑制性の評価を行った。
評価に供する試料は、次のようにして作成した。
まずシリコンウェーハ上に銅配線を形成した後、その上にプラズマCVD法を用いてLow-k膜であるSiOC膜を成膜した。次にポジ型レジスト膜を形成、露光、現像し、レジストパターンを得た。
このレジスト膜をマスクとしてLow-k膜をドライエッチングし、ビアホールを形成した。エッチング終了後、酸素プラズマアッシングによりレジスト膜を灰化した後、灰化後に残るレジスト残渣付き試料について表1に示す組成の本発明剥離剤及び比較剥離剤を用いて剥離処理を行った。pH調整剤には水酸化テトラメチルアンモニウムを用いた。
剥離処理条件としては、試料を500rpmで回転させ、剥離剤を150ml/分の流量で1分間、枚葉スピン処理し、その後10秒間水リンスを行った後、SEM(走査型電子顕微鏡)による断面観察を行った。レジスト残渣のホール内残渣除去性、ビア底に露出した銅膜に対する腐食性、露出しているLow-k膜(SiOC)表面のダメージを評価した。結果を表1に示す。なお、表1中各成分欄の数字は重量%を、pH欄の数字は調合後の液のpH値を示す。
[評価基準]:
残渣除去性 ○:良好
△:やや不足
×:不足
銅膜腐食性 ○:腐食なし
△:腐食あり
×:激しい腐食
Low−k膜ダメージ ○:ダメージなし
△:ダメージあり
×:激しいダメージあり
Claims (3)
- 酸の由来成分が異なる二種以上の無機酸の塩、界面活性剤及び金属の腐食抑制剤を含有し、pHが3〜7である、銅又は銅を主成分とする銅合金を配線材料とする半導体デバイス製造時に発生するレジスト残渣を剥離するためのレジスト剥離剤組成物であって、
a)酸の由来成分が異なる二種以上の無機酸の塩は、無機酸と塩基性無機化合物とからなる塩及び無機酸と塩基性有機化合物とからなる塩からなる群から選択された二種以上の塩であり、
b)界面活性剤は、分子構造中に2つ以上のアニオン系官能基を有するアニオン系界面活性剤である
ことを特徴とするレジスト剥離剤組成物。 - 二種以上の無機酸の塩が、硝酸塩、塩化物及びリン酸塩から選ばれる塩であることを特徴とする請求項1に記載のレジスト剥離剤組成物。
- 該金属の腐食抑制剤が有機酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載のレジスト剥離剤組成物。
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