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JP4853963B2 - 現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 - Google Patents

現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 Download PDF

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JP4853963B2 JP2006346238A JP2006346238A JP4853963B2 JP 4853963 B2 JP4853963 B2 JP 4853963B2 JP 2006346238 A JP2006346238 A JP 2006346238A JP 2006346238 A JP2006346238 A JP 2006346238A JP 4853963 B2 JP4853963 B2 JP 4853963B2
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Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置とそこに設置される現像装置及びプロセスカートリッジとに関し、特に、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤を用いた現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置において、非磁性トナーと磁性キャリアとからなる2成分現像剤(外添剤等を添加する場合も含むものとする。)を収容した現像装置が多く用いられている。
このような2成分現像方式の現像装置において、装置の小型化を目的として、搬送スクリュによって現像剤を現像装置の長手方向に循環させながら、現像ローラに現像剤を供給する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
詳しくは、現像装置は、現像ローラ(現像剤担持体)、2つの搬送スクリュ(第1搬送部材及び第2搬送部材)等で構成される。
そして、現像装置内におけるトナー消費に応じて、現像装置の上方に設けられたトナー補給口(補給口)から装置内に適宜にトナーが補給される。補給されたトナーは、現像装置内の現像剤とともに、2つの搬送スクリュによって、装置内を長手方向(現像ローラの回転軸方向と同方向である。)に循環しながら混合される。その混合された現像剤は、その一部が、現像ローラに対向する搬送スクリュによって、現像ローラに供給される。現像ローラに担持された現像剤は、ドクターブレードによって適量に規制された後に、その現像剤中のトナーが感光体ドラム(像担持体)との対向位置で感光体ドラム上の潜像に付着する。
このような搬送スクリュを搭載した現像装置は、現像剤を装置の長手方向に積極的に循環搬送しているので、現像剤の長手方向の片寄りが発生しにくい。これにより、トナー補給口を、長手方向の全域に設けるのではなく、長手方向の一部に設けることができる。また、搬送スクリュは、短手方向(長手方向に直交する方向である。)の設置スペースをそれほど必要としない。したがって、現像装置及び画像形成装置を小型化することができる。
一方、特許文献2等には、現像装置に2成分現像剤を適宜に補給するものであって、現像剤の混合効率を高めることを目的として、現像剤補給部に撹拌スクリュを設ける技術が開示されている。詳しくは、現像剤補給部に配設された撹拌スクリュは、その回転軸が上下方向に向くように配設されている。
特開2000−89550号公報 特開平7−134481号公報
上述した従来の現像装置は、トナー補給口から補給されたトナーが装置内を循環する現像剤中に充分に分散・混合されにくいという問題があった。これは、現像剤の循環経路を形成する2つの搬送スクリュが、現像剤を長手方向(水平方向)に搬送する搬送性には優れるものの、現像剤を分散・混合する撹拌性には不充分であることによる。
そして、補給トナー(フレッシュトナー)が現像剤中に充分に分散・混合されないと、キャリアとの摩擦による補給トナーの帯電が不充分になって、地肌汚れ(かぶり)等の画質劣化やトナー飛散が発生してしまう。このような問題は、トナー補給口から補給されるトナーの量が多くなる場合に特に無視できないものになる。
このような問題を解決するために、2つの搬送スクリュの回転数を高めて現像剤に対する撹拌性を向上させる方策も考えられる。しかし、その場合、現像剤に与えるダメージが大きくなって、現像剤の寿命を早めてしまうことになる。
また、上述した問題は、装置内に新しい2成分現像剤(又は、キャリア)を適宜に補給する方式(これをトリクル現像方式という。)の現像装置においても共通するものである。すなわち、2つの搬送スクリュを用いて現像剤の循環経路を形成する現像装置においては、補給口から補給された現像剤(又はキャリア)が装置内を循環する現像剤中に充分に分散・混合されにくく、地肌汚れやトナー飛散が発生してしまうことがあった。
一方、上述した特許文献2等の技術は、トリクル現像方式の現像装置であって、現像装置内に補給される前の現像剤を、現像剤補給部にて撹拌スクリュを用いて撹拌するものである。したがって、現像装置内に補給された後の補給トナーと、現像装置内を循環する現像剤と、の撹拌性を向上させる効果は期待できない。さらに、現像剤補給部に撹拌スクリュを設けることで、現像装置内を循環する現像剤の流れが脈動化する可能性もある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、現像剤に与えるストレスが小さく、比較的簡易な構成で現像剤の搬送性を低下させることなく、補給トナーが充分に現像剤に分散・混合されてトナー飛散や地肌汚れ等の不具合が生じることのない、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することにある。
本願発明者は、上述した課題を解決するために研究を重ねた結果、次の事項を知るに至った。
すなわち、現像剤を長手方向に搬送する第1搬送部と第2搬送部とで形成される現像剤の循環経路中に上下方向に現像剤を搬送する第3搬送部を設けることで、循環経路中を循環する現像剤の撹拌性が著しく向上する。
この発明は以上述べた事項に基づくものであり、すなわち、この発明の請求項1記載の発明にかかる現像装置は、トナー及びキャリアを有する現像剤を収容するとともに、像担持体上に形成される潜像を現像する現像装置であって、前記像担持体に対向するとともに前記現像剤が担持される現像剤担持体と、前記現像剤担持体に対向するとともに長手方向に前記現像剤を搬送する第1搬送部材を具備する第1搬送部と、仕切部材を介して前記第1搬送部材に対向するとともに当該第1搬送部材の搬送方向とは逆の方向に前記現像剤を搬送する第2搬送部材を具備する第2搬送部と、上下方向に前記現像剤を搬送して前記第1搬送部及び前記第2搬送部とともに前記現像剤の循環経路を形成する第3搬送部と、を備え、前記第3搬送部は、前記現像剤を下方から上方に向けて搬送する第3搬送部材と、前記現像剤を上方から下方に向けて落下させる落下経路部と、を具備したものである。
また、請求項2記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記第3搬送部材と第3搬送部材を包囲するケースとの隙間が0.5〜1.5mmの範囲になるように形成されたものである。
また、請求項3記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第3搬送部材は、水平面に対する回転軸の角度が60〜90度の範囲になるように配設されたものである。
また、請求項4記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記第3搬送部に送入される現像剤量と前記第3搬送部から送出される現像剤量とが同等になるように、前記第3搬送部材による上方への現像剤の搬送量と前記第3搬送部材を包囲するケースにおける下方への現像剤の落下量とのバランスが調整されたものである。
また、請求項5記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項4に記載の発明において、前記ケースは、円筒状に形成され、前記第3搬送部材は、前記ケースの内部で回転する搬送スクリュであって、前記搬送スクリュの回転数によって前記上方への現像剤の搬送量が調整されて、前記ケースの内径と前記搬送スクリュのスクリュ外径との隙間によって前記下方への現像剤の落下量が調整されたものである。
また、請求項6記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記第3搬送部材は、切欠きを有するスクリュ部を備えたものである。
また、請求項7記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発明において、前記第3搬送部は、前記第2搬送部の搬送経路における下流側に搬送された前記現像剤を前記第1搬送部の搬送経路における上流側に搬送するように配設されたものである。
また、請求項8記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明において、前記第2搬送部は、前記循環経路を循環する前記現像剤中にトナーを補給するための補給口を具備し、前記第3搬送部は、前記第2搬送部の搬送経路における前記補給口の下流側に配設されたものである。
また、請求項9記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の発明において、装置内に新たにキャリアを補給するキャリア補給手段と、装置内に収容された前記現像剤の一部を排出する現像剤排出手段と、をさらに備えたものである。
また、請求項10記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項9に記載の発明において、前記キャリア補給手段は、キャリアとともにトナーを装置内に新たに補給するものである。
また、請求項11記載の発明にかかるプロセスカートリッジは、画像形成装置の装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とが一体化されたものである。
また、請求項12記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とを備えたものである。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電部と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置(現像部)と、像担持体上をクリーニングするクリーニング部とのうち、少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱自在に構成されたユニットと定義する。
本発明は、現像剤を長手方向に搬送する第1搬送部と第2搬送部とで形成される現像剤の循環経路中に上下方向に現像剤を搬送する第3搬送部を設けているために、現像剤に与えるストレスが小さく、比較的簡易な構成で現像剤の搬送性を低下させることなく、補給トナーが充分に現像剤に分散・混合されてトナー飛散や地肌汚れ等の不具合が生じることのない、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1〜図9にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのカラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、20Y、20M、20C、20BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応したプロセスカートリッジ、21は各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにそれぞれ収容された像担持体としての感光体ドラム、22は感光体ドラム21上を帯電する帯電部、23Y、23M、23C、23BKは感光体ドラム21上に形成される静電潜像を現像する現像装置(現像部)、24は感光体ドラム21上に形成されたトナー像を中間転写ベルト27に転写する転写バイアスローラ、25は感光体ドラム21上の未転写トナーを回収するクリーニング部、を示す。
また、27は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、28は中間転写ベルト27上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する第2転写バイアスローラ、29は中間転写ベルト27上の未転写トナーを回収する中間転写ベルトクリーニング部、30は4色カラーのトナー像が転写された記録媒体Pを搬送する搬送ベルト、32Y、32M、32C、32BKは各現像装置23Y、23M、23C、23BKに各色のトナーを補給するトナー補給部、51は原稿Dを原稿読込部55に搬送する原稿搬送部、55は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部(スキャナ)、61は転写紙等の記録媒体Pが収納される給紙部、66は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着部、を示す。
ここで、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKは、それぞれ、感光体ドラム21、帯電部22、クリーニング部25が、一体化されたものである。
各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにおける感光体ドラム21上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像形成がおこなわれる。
以下、画像形成装置における、4色フルカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部51の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部55のコンタクトガラス53上に載置される。そして、原稿読込部55で、コンタクトガラス53上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部55は、コンタクトガラス53上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部(不図示である。)で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部2に送信される。そして、書込み部2からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応するプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの感光体ドラム21(像担持体)上に向けて発せられる。
一方、4つの感光体ドラム21は、それぞれ、図1の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム21の表面は、帯電部22との対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム21上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム21表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部2において、光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応して射出される。レーザ光は、ポリゴンミラー3に入射して反射した後に、レンズ4、5を透過する。レンズ4、5を透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、ミラー6〜8で反射された後に、紙面左側から1番目のプロセスカートリッジ20Yの感光体ドラム21表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラー3により、感光体ドラム21の回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電部22にて帯電された後の感光体ドラム21上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、ミラー9〜11で反射された後に、紙面左から2番目のプロセスカートリッジ20Mの感光体ドラム21表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、ミラー12〜14で反射された後に、紙面左から3番目のプロセスカートリッジ20Cの感光体ドラム12表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、ミラー15で反射された後に、紙面左から4番目のプロセスカートリッジ20BKの感光体ドラム21表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム21表面は、それぞれ、現像装置23Y、23M、23C、23BKとの対向位置に達する。そして、各現像装置23Y、23M、23C、23BKから感光体ドラム21上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム21上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム21表面は、それぞれ、中間転写ベルト27との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト27の内周面に当接するように転写バイアスローラ24が設置されている。そして、転写バイアスローラ24の位置で、中間転写ベルト27上に、感光体ドラム21上に形成された各色の画像が、順次重ねて転写される(第1転写工程である。)。
そして、第1転写工程後の感光体ドラム21表面は、それぞれ、クリーニング部25との対向位置に達する。そして、クリーニング部25で、感光体ドラム21上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム21表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム21における一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム21上の各色の画像が重ねて転写された中間転写ベルト27表面は、図中の矢印方向に走行して、第2転写バイアスローラ28の位置に達する。そして、第2転写バイアスローラ28の位置で、記録媒体P上に中間転写ベルト27上のフルカラーの画像が2次転写される(第2転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト27表面は、中間転写ベルトクリーニング部29の位置に達する。そして、中間転写ベルト27上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部29に回収されて、中間転写ベルト27上の一連の転写プロセスが完了する。
ここで、第2転写バイアスローラ28位置の記録媒体Pは、給紙部61から搬送ガイド63、レジストローラ64等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部61から、給紙ローラ62により給送された転写紙Pが、搬送ガイド63を通過した後に、レジストローラ64に導かれる。レジストローラ64に達した記録媒体Pは、中間転写ベルト27上のトナー像とタイミングを合わせて、第2転写バイアスローラ28の位置に向けて搬送される。
その後、フルカラー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルト30により、定着部66に導かれる。定着部66では、加熱ローラ67と加圧ローラ68とのニップにて、カラー画像が記録媒体P上に定着される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラ69によって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
なお、モノクロ画像形成時や3色カラー画像形成時における画像形成装置の動作は、画像が形成される作像部の数が異なるだけで、基本的な動作は上述の4色フルカラー画像形成時のものと同様である。
次に、図2〜図5にて、画像形成装置の作像部について詳述する。
図2は作像部の要部(現像装置の近傍)を示す斜視図であり、図3は作像部を示す断面図(長手方向中央部の断面図)である。また、図4は現像装置の長手方向端部(第3搬送部が設置された位置である。)の断面図であり、図5は現像装置を長手方向(図3の紙面垂直方向である。)にみた断面図である。
なお、装置本体1に設置される4つの作像部は、作像プロセスに用いられるトナーTの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、プロセスカートリッジ及び現像装置及びトナー補給部における符号のアルファベット(Y、M、C、BK)を省略して図示する。
図3に示すように、プロセスカートリッジ20には、主として、像担持体としての感光体ドラム21と、帯電部22と、クリーニング部25とが、ハウジング26に一体的に収納されている。クリーニング部25には、感光体ドラム21に当接するクリーニングブレード25a及びクリーニングローラ25bが設置されている。
図2〜図5を参照して、現像装置23は、感光体ドラム21に対向する現像剤担持体としての現像ローラ23a、現像ローラ23aに対向する第1搬送部材としての第1搬送スクリュ23b、仕切部材23eを介して第1搬送スクリュ23bに対向する第2搬送部材としての第2搬送スクリュ23c、現像剤を下方から上方に向けて重力に逆らうように搬送する第3搬送部材としての第3搬送スクリュ23r、現像ローラ23aに対向するドクターブレード23d(現像剤規制部材)、等で構成される。
また、現像装置23には、第1搬送部(現像剤供給部)23gと第2搬送部23hと第3搬送部(縦搬送部)23mとが設けられている。
図5を参照して、仕切部材23eで隔絶された第1搬送部23gと第2搬送部23hとは片側の端部(第3搬送部23mが設置されていない図5の右側端部である。)で連通している。
縦搬送部としての第3搬送部23mは、現像装置の片側端部に配設されている(図2をも参照できる。)。詳しくは、第3搬送部23mは、第2搬送部23hの搬送経路における下流側(図5の左側である。)に搬送された現像剤を第1搬送部23gの搬送経路における上流側(図5の左側である。)に搬送するように配設されている。
そして、第1搬送部23gと第2搬送部23hと第3搬送部23mとによって、現像装置23内における現像剤の循環経路が形成されることになる。
ここで、現像剤供給部としての第1搬送部23gには、第1搬送スクリュ23bが配設されるとともに、現像ローラ23aやドクターブレード23dも配設されている。第2搬送部23hには、第2搬送スクリュ23c、磁気センサ40、補給口23f、等が配設されている。図4を参照して、第3搬送部23mには、現像剤を下方から上方に向けて搬送する上昇経路部23n(第3搬送スクリュ23rが設置されている。)と、現像剤を上方から下方に向けて落下させる落下経路部23pと、が配設されている。上昇経路部23nは、円筒状に形成された円筒経路であって、その内部に第3搬送スクリュ23rが設置されている。
なお、第1搬送スクリュ23b及び第2搬送スクリュ23c及び第3搬送スクリュ23rは、主として軸部とスクリュ部(一条スクリュである。)とで構成されている。
図5を参照して、現像ローラ23aは、内部に固設されてローラ周面に磁極を形成するマグネット23a1と、非磁性材料からなりマグネット23a1の周囲を回転するスリーブ23a2と、で構成される。マグネット23a1によって現像ローラ23a(スリーブ23a2)上に複数の磁極(主極、搬送極、汲み上げ極、剤切り極等である。)が形成される。
現像ローラ23a(スリーブ23a2)は、装置本体1に設置された不図示の駆動モータに連結されていて、駆動モータによって回転駆動される。また、図示は省略するが、現像ローラ23aと、第1搬送スクリュ23b及び第2搬送スクリュ23c及び第3搬送スクリュ23rとは、ギア列によって駆動連結されている。これにより、現像ローラ23aが駆動モータによって回転駆動されるのにともない、それに従動して第1搬送スクリュ23b及び第2搬送スクリュ23c及び第3搬送スクリュ23rも回転駆動される。なお、第3搬送スクリュ23rに連結されたギア列23j(カサ歯ギアを含む。)は、長手方向(水平方向)を回転軸とする回転駆動力を、上下方向(垂直方向)を回転軸とする回転駆動力に変換するものである。
現像装置23内には、トナーTとキャリアCとからなる2成分現像剤Gが収容されている。
本実施の形態1におけるトナーT(現像剤G中のトナーとトナー補給部32内のトナーとである。)は、樹脂及び着色剤からなるトナー母体粒子や添加剤を含有する。また、本実施の形態1における現像剤G中のキャリアCは、磁性を有する核体粒子に被覆層が形成されたものである。
先に述べた作像プロセスを、現像工程を中心にしてさらに詳しく説明する。
現像ローラ23aは、図3中の矢印方向に回転している。現像装置23内の現像剤Gは、第1搬送スクリュ23b及び第2搬送スクリュ23c及び第3搬送スクリュ23rの矢印方向の回転によって、トナー補給部32から補給口23fを介して補給されたトナーT(新品トナー)とともに撹拌混合されながら循環する(図5中の破線矢印で示す循環である。)。
詳しくは、第2搬送スクリュ23cによって図5の右側から左側に向けて搬送された現像剤Gは、第3搬送部23mの位置に達する。ここで、第2搬送路23hの搬送経路(上流側の位置である。)に設けられた補給口23fからは、適宜に新品トナー(補給トナー)が補給される。
そして、第3搬送部23mに達した現像剤Gは、第3搬送スクリュ23rの搬送力によって上昇経路部23nを上方に向けて移動する。このとき、第3搬送スクリュ23rとケース23s(第3搬送スクリュ23rを包囲している。)との隙間から重力方向に落下する現像剤Gと、第3搬送スクリュ23rによる搬送力によって重力に逆らって上昇する現像剤Gと、が適度にぶつかり合うことで、補給トナーが充分に現像剤に分散・混合されて、トナーが充分に摩擦帯電されることになる。
そして、上昇経路部23sの上部に達した現像剤G(充分に撹拌されたものである。)は、落下経路部23pの傾斜に沿って斜下方に落下(滑落)して、第1搬送部23gの上流側(図5の左側である。)に達する。そして、第1搬送部23gに達した現像剤Gは、第1搬送スクリュ23bによって図5の左側から右側に向けて搬送されて、第2搬送部23hの上流側(図5の右側である。)に達する。
ここで、第1搬送部23gを移動する現像剤Gは、その一部が現像ローラ23aに担持されて現像工程に供することになる。また、現像工程後に現像ローラ23aから離脱された現像剤Gは、第1搬送スクリュ23bによって搬送されることになる。
詳しくは、摩擦帯電してキャリアCに吸着したトナーTは、キャリアCとともに現像ローラ23a上に担持される。現像ローラ23a上に担持された現像剤Gは、その後にドクターブレード23dの位置に達する。そして、現像ローラ23a上の現像剤Gは、ドクターブレード23dの位置で適量に調整された後に、感光体ドラム21との対向位置(現像領域である。)に達する。
その後、現像領域において、現像剤G中のトナーTが、感光体ドラム21表面に形成された静電潜像に付着する。詳しくは、レーザ光Lが照射された画像部の潜像電位(露光電位)と、現像ローラ23aに印加された現像バイアスとの、電位差(現像ポテンシャル)によって形成される電界によって、トナーTが潜像に付着する。
その後、現像工程にて感光体ドラム21に付着したトナーTは、そのほとんどが中間転写ベルト27上に転写される。そして、感光体ドラム21上に残存した未転写のトナーTが、クリーニングブレード25a及びクリーニングローラ25bによってクリーニング部25内に回収される。
他方、現像工程後の現像ローラ23a上の現像剤Gは、現像ローラ23aから離脱されて第1搬送部23gに戻される。
ここで、装置本体1に設けられたトナー補給部32は、交換自在に構成されたトナーカートリッジ33と、トナーカートリッジ33から排出された新品トナー(補給トナー)Tを現像装置23に導くトナー補給経路34と、トナー補給経路34に設置された搬送スクリュ(不図示である。)を駆動するパルス駆動モータ35(図2を参照できる。)と、で構成されている。また、トナーカートリッジ33内には、新品のトナーT(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのいずれかである。)が収容されている。
なお、トナーカートリッジ33内のトナーTは、現像装置23内のトナーTの消費にともない、補給口23fから現像装置23内に適宜に補給されるものである。現像装置23内のトナーTの消費は、第2搬送部23hの第2搬送スクリュ23cの下方に設置された磁気センサ40(トナー濃度検知手段)や、感光体ドラム21に対向するフォトセンサ(不図示である。)によって検出される。そして、磁気センサ40やフォトセンサの検知結果が狙いのトナー濃度(現像剤G中のトナーTの割合である。)の範囲に対応する出力値になるように、トナー補給部32から補給口23fを介して現像装置23にトナーが補給される。
現像装置23に補給するトナー補給量の調整は、トナー補給経路34内に配置した搬送スクリュの回転量をパルス駆動モータ35で制御することによっておこなわれる。なお、トナー補給経路34における搬送手段としては、上述したスクリュ機構の他に、粉体ポンプ機構を用いることもできる。
このように、本実施の形態1においては、現像剤Gを長手方向に搬送する第1搬送部23gと第2搬送部23hとで形成される現像剤Gの循環経路中に上下方向に現像剤を搬送する第3搬送部23mを設けているために、現像剤Gの搬送性を低下させることなく、補給トナーが充分に現像剤Gに分散・混合されることになる。すなわち、第3搬送部23mの上昇経路部23nにおいて、重力に逆らって上昇する現像剤Gと、重力方向に落下する現像剤Gと、に適度な衝突が生じて現像剤Gの撹拌が促進され、トナーが充分に摩擦帯電される。なお、上昇経路部23nでは、現像剤Gがケース23sの壁面や第3搬送スクリュ23rのスクリュ部に衝突することによっても、トナーの摩擦帯電が促進されることになる。
ここで、本実施の形態1においては、補給口23fは、第2搬送部23hによる現像剤の循環経路(搬送経路)の上流側(図5中の右側であって、第1搬送部23gから第2搬送部23hへの現像剤の受け渡しがおこなわれる位置近傍である。)の上方に配設されている。
そして、第3搬送部23mは、その補給口23fの下流側に配設されている。これによって、補給後のトナーTが、第1搬送部23gに達するまでに、第3搬送部23mにて現像剤G中に充分に分散・混合されることになる。したがって、現像剤中に分散されることにともなう補給トナーの摩擦帯電が充分におこなわれて、地肌汚れ等の画質劣化やトナー飛散の発生が抑止される。
また、本実施の形態1では、図4を参照して、第3搬送スクリュ23rにおける水平面に対する回転軸の角度αが60〜90度の範囲になるように設定されている(本実施の形態1では、角度αが90度に設定されている。)。これにより、下方から上方に向けての上昇経路部23nにおいて、現像剤Gの撹拌性を担保することができる。すなわち、上昇経路部23nにおいて現像剤Gを充分に分散・混合するためには、重力に逆らって上昇する現像剤Gと、重力方向に落下する現像剤Gと、の適度な衝突(上下撹拌)が必要である。第3搬送スクリュ23r(上昇経路部23n)の傾斜角度αが60度よりも小さいときには、重力方向に落下する現像剤Gの量が少なくなってしまい現像剤Gの上下撹拌が不充分になる。
さらに、本実施の形態1では、図4を参照して、第3搬送スクリュ23rとケース23sとの隙間(ギャップ)δが0.5〜1.5mmの範囲になるように設定されている。これにより、現像剤Gにダメージを与えることなく、重力に逆らって上昇する現像剤Gと重力方向に落下する現像剤Gとの適度な衝突による現像剤Gの撹拌性を確保することができる。
以下、図6〜図9を用いて、詳しく説明する。
図6に示すように、第3搬送スクリュ23rの回転数と、現像剤Gに与えるダメージと、には相関がある。具体的に、第3搬送スクリュ23rの回転数が増加すると、現像剤Gに与えるダメージが大きくなる。ここで、現像剤Gのダメージは、キャリアの表面抵抗の低下の度合いや、キャリア表面へのトナー固着量によってとらえられる。
図7に示すように、第3搬送スクリュ23rとケース23sとのギャップδが大きくなった場合には、ギャップδから落下する現像剤Gの量が増加するために、現像剤Gを上方に向けて搬送するために必要な第3搬送スクリュ23rの回転速度が大きくなる。
図8に示すように、第3搬送スクリュ23rとケース23sとのギャップδが大きくなった場合には、ギャップδから落下する現像剤Gの量が増加して上下撹拌の度合いが高まるために、トナーの帯電量が増加する。ただし、ギャップδを大きくしてもトナー帯電量は比例的に大きくなることはなく、所定のギャップδを超えるとトナー帯電量は飽和することになる。
以上のことから、実験をおこなった結果、ギャップδが1.5mmを超えると、トナー帯電量は飽和状態になり、現像剤の搬送性を確保するために第3搬送スクリュ23rの回転数を増加することによるキャリアへのダメージが大きくなってしまう。これに対して、ギャップδが0.5mmに達しないと、キャリアへのダメージは小さいものの、充分なトナー帯電量が得られない。
したがって、図9に示すように、第3搬送スクリュ23rとケース23sとの隙間(ギャップ)δを0.5〜1.5mmの範囲に設定することで、現像剤Gにダメージを与えることなく、現像剤Gの撹拌性(トナー帯電性)を確保することができる。
以上説明したように、本実施の形態1の構成によれば、現像剤Gを長手方向に搬送する第1搬送部23gと第2搬送部23hとで形成される現像剤Gの循環経路中に上下方向に現像剤Gを搬送する第3搬送部23mを設けているために、現像剤Gに与えるストレスが小さく、比較的簡易な構成で現像剤Gの搬送性を低下させることなく、補給トナーが充分に現像剤Gに分散・混合されてトナー飛散や地肌汚れ等の不具合が生じるのを抑止することができる。
なお、本実施の形態1では、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKを、それぞれ、感光体ドラム21、帯電部22、クリーニング部25を一体化して構成した。また、各現像装置23Y、23M、23C、23BKを、単体のユニットとして構成した。これに対して、各現像装置23Y、23M、23C、23BKを、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKと一体化することもできる。すなわち、プロセスカートリッジ20を、感光体ドラム21、帯電部22、現像装置23、クリーニング部25で構成することもできる。この場合にも、本実施の形態1と同様の効果を奏することになる。さらには、作像部のメンテナンス性が向上する。
実施の形態2.
図10にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図10は、実施の形態2における現像装置とその近傍を示す断面図であって、前記実施の形態1における図3に対応するものである。本実施の形態2における画像形成装置は、現像装置23内に新たにキャリアを補給するキャリア補給手段47と現像装置23内に収容された現像剤の一部を排出する現像剤排出手段23kとが設置されている点が、前記実施の形態1のものとは相違する。
本実施の形態2における現像装置23は、トリクル現像方式が用いられている。
図10に示すように、本実施の形態2における画像形成装置には、現像装置23内に収容された現像剤Gの一部を現像装置23外に排出する現像剤排出手段23kと、現像装置23内に新たにキャリアCを補給するキャリア補給手段としてのキャリア補給部47と、が設けられている。
詳しくは、第2搬送部23hの上方には、トナー補給部32とは別に、キャリア補給手段としてのキャリア補給部47が設けられている。キャリア補給部47は、交換自在に構成されたキャリアカートリッジ48と、キャリアカートリッジ48から排出された新品キャリアCを補給口23fを介して現像装置23に導くキャリア補給経路49と、で構成されている。キャリアカートリッジ48内には、新品キャリアCが収容されている。そして、所定のタイミングで、キャリア補給部47から現像装置23内に適宜にキャリアが補給されることになる。
図示は省略するが、現像装置23に補給するキャリア補給量の調整は、キャリア補給経路49内に配置したスクリュの稼動時間又は稼動回数をパルス駆動モータで制御することによっておこなわれる。なお、キャリア補給経路49における搬送手段としては、上述したスクリュ機構の他に、粉体ポンプ機構を用いることもできる。
一方、第2搬送部23hにおける壁面の上端近傍であって補給口23fの下流側には、現像剤排出手段としての現像剤排出口23kが設けられている。
そして、キャリア補給部47から現像装置23内に新品キャリアCが補給されて現像装置23内の現像剤量が所定量を超えると、過剰になった現像剤Gが現像剤排出口23kから現像装置23外に排出される。現像剤排出口23kから排出された現像剤Gは、現像剤回収経路43を経由して現像剤回収部44まで搬送される。
このように、新品キャリアCの補給にともない現像剤の剤面(高さ)が上昇して、現像剤排出口23kの高さを超えた現像剤Gが現像装置23外に排出されるので、現像装置23内の現像剤量は常に一定に保たれることになる。
なお、本実施の形態2では、現像装置23から現像剤を排出する現像剤排出手段としてオーバーフロー法を用いたが、現像剤排出口23kに開閉自在なシャッタを設けて、シャッタの開閉によって現像剤の排出をおこなうこともできる。
また、本実施の形態2でも、前記実施の形態1と同様に、現像剤Gを長手方向に搬送する第1搬送部23gと第2搬送部23hとで形成される現像剤Gの循環経路中に上下方向に現像剤を搬送する第3搬送部23mを設けている(現像装置23の端部は、図4と同様の構成になる。)。これにより、現像剤Gの搬送性を低下させることなく、補給トナーや補給キャリアが充分に現像剤Gに分散・混合されることになる。
さらに、本実施の形態2では、トリクル現像方式が用いられていて、帯電能力が低下した劣化キャリアが現像装置23内から適宜に排出されるために、キャリアの経時劣化にともなう弱帯電トナーの発生量を軽減することができる。
以上説明したように、本実施の形態2の構成によれば、前記実施の形態1と同様に、現像剤Gに与えるストレスが小さく、比較的簡易な構成で現像剤Gの搬送性を低下させることなく、補給トナー及び補給キャリアが充分に現像剤Gに分散・混合されてトナー飛散や地肌汚れ等の不具合が生じるのを抑止することができる。
なお、本実施の形態2では、キャリア補給部47から新品のキャリアCを補給したが、キャリア補給部47から新品の現像剤Gを補給する構成にすることもできる。この場合にも、本実施の形態2と同様の効果を奏することになる。
実施の形態3.
図11及び図12にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図11は、実施の形態3における現像装置の第3搬送部を示す断面図である。
図11を参照して、本実施の形態3では、第3搬送部23m(上昇経路部23n)に送入される現像剤量W1と第3搬送部23m(上昇経路部23n)から送出される現像剤量W2とが同等になるように、第3搬送スクリュ23rによる上方(矢印X方向)への現像剤の搬送量と、第3搬送スクリュ23rを包囲する上昇経路部23n(ケース)における下方(矢印Y方向)への現像剤の落下量と、のバランスが調整されている。
すなわち、上昇経路部23nに送入される現像剤量をW1とし、上昇経路部23nから送出される現像剤量をW2とし、第3搬送スクリュ23rによる上方への現像剤の搬送量をXとし、上昇経路部23n(ケース)における下方への現像剤の落下量をYとしたときに、
W1=X−Y=W2
なる関係が成立するように設定する。
具体的には、第3搬送スクリュ23rの回転数によって上方への現像剤の搬送量Xが調整されて、略円筒状に形成された上昇経路部23nの内径と第3搬送スクリュ23rのスクリュ外径との隙間δによって下方への現像剤の落下量Yが調整される。すなわち、第3搬送スクリュ23rの形状及び回転数と、上昇経路部23nの形状と、を最適化して、上昇経路部23nに送入される現像剤量W1と上昇経路部23nから送出される現像剤量W2とがほぼ等しくなるようにする。
このように構成することにより、第1搬送部23g、第2搬送部23h、第3搬送部23mで形成される現像剤の循環経路において、局所的な現像剤の停滞が生じることなく、スムーズに現像剤が流動することになる。したがって、局所的な現像剤の停滞による現像剤の搬送不良や帯電不良等の不具合が発生するのを抑止することができる。
ここで、図12を参照して、縦搬送部としての上昇経路部23nにおける上方への現像剤の搬送量Xと下方への現像剤の落下量Yとのバランスを調整するにあたり、第3搬送スクリュ23rのスクリュ部23r1に切欠き23r2を形成することもできる。
図12(A)に示すような第3搬送スクリュ23rを用いた場合に対して、図12(B)に示すようなスクリュ部23r1に切欠き23r2を有する第3搬送スクリュ23rを用いた場合には、上方への現像剤の搬送量Xが減少するとともに、下方への現像剤の落下量Yが増加することになる。このように、第3搬送スクリュ23rの形状を最適化することによって、上方への現像剤の搬送量Xと下方への現像剤の落下量Yとのバランスを調整することができる。
以上説明したように、本実施の形態3の構成によれば、前記各実施の形態と同様に、現像剤Gに与えるストレスが小さく、比較的簡易な構成で現像剤Gの搬送性を低下させることなく、補給トナー及び補給キャリアが充分に現像剤Gに分散・混合されてトナー飛散や地肌汚れ等の不具合が生じるのを抑止することができる。
なお、前記各実施の形態では、現像ローラ23aに現像剤を供給する現像剤供給部としての第1搬送部23gとは別に第2搬送部23hが設置された現像装置に対して本発明を適用した。これに対して、第2搬送部が設置されていない現像装置や、3つ以上の搬送部を有する現像装置に対しても、当然に本発明を適用することができる。すなわち、現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部と循環経路を形成する縦搬送部23mを設置したものであれば、搬送部の数や形態に関係することなく、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が前記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。 図1の画像形成装置における作像部の要部を示す斜視図である。 作像部を示す断面図である。 現像装置の端部を示す断面図である。 現像装置を長手方向にみた断面図である。 第3搬送スクリュの回転数と、現像剤に与えるダメージと、の関係を示すグラフである。 第3搬送スクリュとケースとのギャップと、現像剤を搬送するために必要な第3搬送スクリュの回転速度と、の関係を示すグラフである。 第3搬送スクリュとケースとのギャップと、トナーの帯電量と、の関係を示すグラフである。 第3搬送スクリュとケースとのギャップの適正範囲を示すグラフである。 この発明の実施の形態2における現像装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態3における現像装置の第3搬送部を示す断面図である。 第3搬送部材を示す概略図である。
符号の説明
1 画像形成装置本体(装置本体)、
20、20Y、20M、20C、20BK プロセスカートリッジ、
21 感光体ドラム(像担持体)、 22 帯電部、
23、23Y、23M、23C、23BK 現像装置(現像部)、
23a 現像ローラ(現像剤担持体)、
23b 第1搬送スクリュ(第1搬送部材)、
23c 第2搬送スクリュ(第2搬送部材)、
23d ドクターブレード、 23f 補給口(トナー補給口)、
23g 第1搬送部、 23h 第2搬送部、 23j ギア列、
23k 現像剤排出口(現像剤排出手段)、
23m 第3搬送部(縦搬送部)、
23n 上昇経路部(円筒経路部)、 23p 落下経路部、
23r 第3搬送スクリュ(第3搬送部材)、 23s ケース、
32、32Y、32M、32C、32BK トナー補給部、
33 トナーカートリッジ、 34 トナー補給経路、
43 現像剤回収経路、 44 現像剤回収部、
47 キャリア補給部(キャリア補給手段)、
48 キャリアカートリッジ、 49 キャリア補給経路、
G 2成分現像剤(現像剤)、 C キャリア、 T トナー。

Claims (12)

  1. トナー及びキャリアを有する現像剤を収容するとともに、像担持体上に形成される潜像を現像する現像装置であって、
    前記像担持体に対向するとともに前記現像剤が担持される現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に対向するとともに長手方向に前記現像剤を搬送する第1搬送部材を具備する第1搬送部と、
    仕切部材を介して前記第1搬送部材に対向するとともに当該第1搬送部材の搬送方向とは逆の方向に前記現像剤を搬送する第2搬送部材を具備する第2搬送部と、
    上下方向に前記現像剤を搬送して前記第1搬送部及び前記第2搬送部とともに前記現像剤の循環経路を形成する第3搬送部と、
    を備え
    前記第3搬送部は、前記現像剤を下方から上方に向けて搬送する第3搬送部材と、前記現像剤を上方から下方に向けて落下させる落下経路部と、を具備したことを特徴とする現像装置。
  2. 前記第3搬送部材と第3搬送部材を包囲するケースとの隙間が0.5〜1.5mmの範囲になるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記第3搬送部材は、水平面に対する回転軸の角度が60〜90度の範囲になるように配設されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
  4. 前記第3搬送部に送入される現像剤量と前記第3搬送部から送出される現像剤量とが同等になるように、前記第3搬送部材による上方への現像剤の搬送量と前記第3搬送部材を包囲するケースにおける下方への現像剤の落下量とのバランスが調整されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の現像装置。
  5. 前記ケースは、円筒状に形成され、
    前記第3搬送部材は、前記ケースの内部で回転する搬送スクリュであって、
    前記搬送スクリュの回転数によって前記上方への現像剤の搬送量が調整されて、前記ケースの内径と前記搬送スクリュのスクリュ外径との隙間によって前記下方への現像剤の落下量が調整されたことを特徴とする請求項4に記載の現像装置。
  6. 前記第3搬送部材は、切欠きを有するスクリュ部を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の現像装置。
  7. 前記第3搬送部は、前記第2搬送部の搬送経路における下流側に搬送された前記現像剤を前記第1搬送部の搬送経路における上流側に搬送するように配設されたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の現像装置。
  8. 前記第2搬送部は、前記循環経路を循環する前記現像剤中にトナーを補給するための補給口を具備し、
    前記第3搬送部は、前記第2搬送部の搬送経路における前記補給口の下流側に配設されたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の現像装置。
  9. 装置内に新たにキャリアを補給するキャリア補給手段と、
    装置内に収容された前記現像剤の一部を排出する現像剤排出手段と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の現像装置。
  10. 前記キャリア補給手段は、キャリアとともにトナーを装置内に新たに補給することを特徴とする請求項9に記載の現像装置。
  11. 画像形成装置の装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、
    請求項1〜請求項10のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とが一体化されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  12. 請求項1〜請求項10のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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