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JP4604819B2 - 発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、LED素子を用いた発光装置に関し、特に、大光量の光照射を実現するとともに放熱性に優れ、反射光の放射効率低減を最小限に抑えることのできる発光装置に関する。
従来、LED(Light-Emitting Diode:発光ダイオード)素子と反射鏡を対向配置し、LED素子から放射される光を反射して所望の方向に放射させる反射型の発光装置がある(例えば、特許文献1参照。)。反射型の発光装置は、反射光の光路にLED素子や給電用のリードが位置するために光の一部が遮られるという不都合はあるが、LED素子から放射される光を高い効率で集光できるため、光放射効率に優れている。
近年、LEDの用途拡大に伴って、高出力のLEDの開発が進められており、すでに数ワットの大出力タイプも製品化されている。LEDは発熱の少ないことが特徴であるが、高出力化を実現するにはLED素子に大電流を供給する必要があり、その結果無視できないレベルの発熱が生じる。
特許文献1に記載されるLEDは、LED素子をリードに搭載し、LED素子の電極とリードとをワイヤでボンディングしたものを第1の光透過性材料で封止し、さらに第2の光透過性材料で第1の光透過性材料とリードとを封止して形成されており、第2の光透過性材料にはLED素子の発光面に対向する側に凹面状反射面が形成され、LED素子の背面側に平坦な放射面が形成されている。LED素子から放射された光は凹面状反射面で反射され、放射面から外部に放射される。
特開平5−291627号公報(図1)
しかし、従来の反射型の発光装置によると、LED素子の点灯に伴って生じる熱をリードを介して外部に伝熱して放熱するため、LED素子の発熱量増大に対応すべくリードのサイズを大にすると反射光を遮って光放射効率を低下させることから、放熱性の向上に制約がある。そのため、大光量で長時間の駆動を前提とする照明装置等の用途への適用が困難である。
従って、本発明の目的は、大光量の光照射を実現するとともに放熱性に優れ、反射光の放射効率低減を最小限に抑えることのできる発光装置を提供することにある。
本発明は、上記の目的を達成するため、無機封止材料で発光素子を封止して形成された光源と、前記光源の背面方向に放熱幅を有する板材によって前記光源の背面方向に空間が伸びるように形成されて前記光源を搭載し、前記光源の発光に伴って生じる熱を大気放熱する放熱体と、前記光源から放射された光を反射して外部放射させる反射部と、を有し、前記反射部は、前記光源の発光面側に対向配置され、前記光源が発する光を前記光源の背面方向に反射して上記空間を介して外部放射する発光装置を提供する。

また、放熱体は、光源が発する熱を拡る熱伝導性板と、熱伝導性板に接合された薄板とを組み合わせて構成されていても良く、光を反射する表面を有していても良い
光源は、フリップ実装型の発光素子と、発光素子と同等の熱膨張率を有し、発光素子に対して電力の受供給を行う配線パターンを有する無機材料基板と、無機材料基板と同等の熱膨張率を有し、発光素子を封止する無機封止材料とを有するものであっても良い。無機封止材料には、ガラスを用いることができ、発光素子は、GaN系半導体材料によって形成されたものを用いることが可能であり、さらにpコンタクト電極がITOからなることが好ましい。
また、光源は、無機材料基板に実装される複数の発光素子を前記無機封止材料で封止して構成しても良く、発光素子から放射される光を波長変換する蛍光体層を無機封止材料の表面に有するものであっても良い。
本発明の発光装置によれば、大光量の光照射を実現するとともに放熱性に優れ、反射光の放射効率低減を最小限に抑えることができる。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る反射型の発光装置を示す斜視図である。
(発光装置1の構成)
この発光装置1は、図1に示すように熱伝導性に優れる金属材料からなるケース10と、ケース10内に収容されて後述する複数のLEDを固定されるとともに、LED素子の発光に伴って生じる熱を大気放散させる放熱体11とを有する。同図においては、放熱体の幅方向をx方向、放熱体の長さ方向をy方向、光照射方向をz方向としている。
ケース10は、アルミニウム(Al)材によって形成されており、放熱体11から伝達される熱の放熱性を高める複数の孔10Aが設けられている。
放熱体11は、Cu合金からなる厚さ1mmの放熱フィン12と、放熱フィン12との間に介装される厚さ0.15mmのCu合金からなる薄板13とを有し、放熱フィン12には圧延時に光源としてのLEDを搭載する厚さ2mmの肉厚部120が設けられている。薄板13は、プレス加工によって台形状のパターンが異なる方向でy方向に交互に連続するように形成されており、放熱フィン12と電気溶接によって一体化されている。この放熱体11の表面には、LEDから放射される光の反射性に優れるAgめっき11Aが施されている。
このことにより放熱体11は、四角形状の肉厚部120の周囲に薄板13によって形成される六角形状の空間がz方向に伸びた構成を有している。
また、放熱体11は、上記したCu以外にも、例えばAl材によって形成しても良く、熱伝導性が良好で加工性に優れる材料を適宜選択することができる。また、放熱フィン12と薄板13との接合についても電気溶接の他にはんだ接合やろう付けによる一体化が可能である。
図2は、図1に示す発光装置を部分的に示し、(a)は光取出し側から見た平面図、(b)は(a)のA−A部における断面図、(c)は(b)のB−B部における切断図である。
ケース10は、(a)および(b)に示すように放熱フィン12の肉厚部120に応じた位置に高直線反射率を有するAl板を圧延加工することにより形成した反射鏡100を有する。この反射鏡100は、LED2を焦点とする回転放物面形状を有し、肉厚部120の底面に搭載されているLED2から放射される光をz方向に反射する。LED2は、肉厚部120の底面に設けられる配線層3を介して電圧を印加される。
図2(c)は、肉厚部120の底面側から光取出し方向となるz方向に見た状態を示し、肉厚部120の底面に搭載されるLED2の4つのLED素子から放射される光が反射鏡100によってそれぞれ反射され、薄板13によって形成される六角形状の空間を介してz方向に放射される。なお、図2(c)においては、LED2の配置を示すために反射鏡100の図示を一部省略している。
(放熱フィン12の構成)
図3は、放熱フィンを部分的に示し、(a)はLED搭載部に搭載されたLEDを示す平面図、(b)は(a)のA−A部における断面図、(c)はLEDの未搭載状態での配線層を示す平面図である。
LED2は、(a)に示すようにAl基板21上に4つのLED素子20を搭載して一体的にガラス封止したガラス封止型LEDであり、放熱フィン12に貼り付けられた配線層3上に実装されている。
(LED2の構成)
このLED2は、(b)に示すようにGaN系半導体化合物で構成されて電圧に印加に基づいて青色光を放射するフリップ実装型のLED素子20と、LED素子20を搭載するAl基板21と、LED素子20を封止する融点350〜400℃の低融点ガラスからなり素子実装後にホットプレス加工に基づいてLED素子20を封止するガラス封止部22によって構成されており、Al基板21の素子搭載面と反対側の周辺部に設けられる電極部23A,23Bを介して配線層3の導電部30にはんだ25によって接合されている。上記した4つのLED素子20は素子搭載面に設けられる配線パターン21Aによって電極部23A,23B間に直列接続される。また、Al基板21の素子搭載面と反対側の中央部には、放熱パターン24が形成されており、この放熱パターン24は肉厚部120とはんだ25によって接合されている。このLED2を構成するLED素子20,Al基板21,およびガラス封止部22の熱膨張率は7.0×10−6/℃である。
配線層3は、(b)および(c)に示すように肉厚部120に開口部3Aを有するように形成されており、この開口部3AにおいてLED2の電極部23A,23Bと電気的に接続される導電部30をポリイミドの絶縁層31から露出させた構成を有する。肉厚部120には導電部30と電極部23A,23Bとのはんだ接合時に溶けたはんだの回り込みを防ぐ溝120Aが設けられている。
なお、ガラス封止部22は、低融点ガラスを用いたものを説明したが、例えば熱膨張率がLED素子20およびAl基板21と同等であり、LED素子20の放射する光で劣化することのない耐性を有するものであれば良く、SiO系の無機ペースト等を用いることができる。
(LED素子20の構成)
図4は、LED素子の構成を示す断面図である。
LED素子20は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置を用いてサファイア基板200上にGaN系半導体層210を結晶成長させることによって形成される。GaN系半導体層210は、サファイア基板200上にAlNバッファ層201を形成後、Siドープのn−GaN層202、発光層203、Mgドープのp−GaN層204を順次結晶成長させることによって形成されており、発光層203に対応した広い面積が必要なp−GaN層204の表面にはガラス封止の際の熱に対して剥離等が生ぜず安定な熱膨張率7.0×10−6/℃のITO(Indium Tin Oxide)からなるpコンタクト電極205を有する。また、p−GaN層204からn−GaN層201にかけてエッチングを施すことにより露出させたn−GaN層201にn側電極206を有する。なお、本実施の形態では、発光波長領域450〜460nmで、標準サイズ(0.3mm×0.3mm)の青色のLED素子20を用いているが、ラージサイズ(1mm×1mm)のLED素子20を用いることも可能である。
(発光装置1の製造方法)
この発光装置1の製造するには、まず、予めCu合金材を圧延加工して肉厚部120を10mm間隔で有する放熱フィン12と、台形状の加工パターンを交互に異なる方向で連続させた薄板13とを形成する。次に、放熱フィン12と薄板13とを電気溶接で一体化して放熱体11を形成する。放熱フィン12と薄板13の枚数は放熱体11に搭載するLED2の個数により決定する。次に、この放熱フィン12と薄板13の表面にAgめっきを施す。次に、放熱体11の底面側となる放熱フィン12に対し、開口部3Aが肉厚部120に配置されるように位置決めを行って配線層3を接着剤で貼り付ける。次に、ケース10の底部におけるLED2との対向位置に反射鏡100を接着固定する。次に、LED2の電極部23A,23Bと放熱パターン24とにはんだペーストを所定量で塗布し、開口部3Aに露出した導電部30に電極部23A,23Bが接触するように位置決めを行ってLED2を放熱フィン12に実装する。次に、複数のLED2を実装された放熱体11をリフロー炉に通すことにより電極部23A,23Bと導電部30、放熱パターン24と肉厚部120とをはんだ接合する。次に、複数のLED2を実装された放熱体11をケース10に収容し、ケース10に固定する。このとき、各LED2は、ケース10の底部に接着固定されている反射鏡100と対向するように位置決めされる。次に、配線層3の端末部において導電部30を外部接続用の図示しない端子部と電気的に接続する。
(発光装置1の動作)
次に、第1の実施の形態の発光装置1の動作について以下に説明する。
ケース10の外側に設けられた端子部を図示しない電源装置に接続して電圧を印加することにより、放熱体11に搭載されたLED2が発光して青色光が放射される。この青色光は反射鏡100で反射されて図2(a)から(c)に示すz方向に導かれ、ケース10の上面から外部放射される。LED2の発光に伴って生じる熱は、LED2の底面から放熱パターン24を介して放熱フィン12の肉厚部120に伝達され、さらに薄板13を介して広範囲に熱伝導する。このことにより放熱フィン12および薄板13で大気放散される。
また、放熱体11内をz方向に導かれる青色光は、放熱フィン12および薄板13の表面のAgめっきによって反射されて光ロスを生じることなくケース10の外部に放射される。
(第1の実施の形態の効果)
上記した第1の実施の形態によると、以下の効果が得られる。
(1)放熱フィン12と、この放熱フィン12より厚さの小なる薄板13を一体化させた放熱体11の端面にガラス封止型のLED2を搭載するので、封止材の光劣化に優れた耐性を有し、LED2の発光に伴って生じる熱の放熱面積が確保される。また、肉厚の異なる金属材料を組み合わせて放熱経路を形成することにより小サイズでも速やかな放熱性が得られ、LED素子20の高出力化による発熱量の増大に対応することができる。すなわち、厚肉の放熱フィン12により、LED2の発する熱を広範囲に拡げ、さらに放熱フィン12の熱を薄板13へ伝えることで大気放熱を促すことができ、LED2の大出力化に対応することができる。
(2)放熱体11を構成する放熱フィン12および薄板13は、LED2の背面方向(z方向)に放熱幅を有している。すなわち、面の法線方向がz方向に直交する方向で配置されているので、伝熱のために十分な面積を保つことができるとともに、反射鏡100で反射された反射光が放熱フィン12および薄板13の端面に当たる面積が小になり、反射光が端面に当たることに基づいて生じる迷光を低減して外部放射性を向上させることができる。なお、従来技術のように、金属平板を打ち抜いたリードから伝熱させるものでは、リード幅となる抜き幅に対し、2倍程度の厚みとしかできないのに対し、本発明では放熱フィン12および薄板13の幅に対して10倍以上の厚さ(LED2の背面方向への幅)を有する伝熱面積が得られる。
(3)放熱体11に複数のLED2を近接させて実装することができるので、外部放射される光が点光源状に見えることなく、面状に放射させることができる。
(4)放熱体11が複数の孔10Aを有するAl製のケース10に収容される構造であるので、複数のLED2が構造的に保護されるとともに放熱性に優れる。
(5)放熱体11の内壁面、放熱フィン12および薄板13の表面は直線反射率が高いため、光源であるLED2が大きさを持つことに起因して生ずる、z方向に対して拡がり角を持つ反射光がこれらに達しても反射鏡100で反射された反射光を減衰させることなく、さらには、反射光は入射光に対して対称反射されるものが大半であるので、集光度を保ったままケース10の外部に放射させることができる。
(6)LED2については、ガラス封止部22を形成する低融点ガラスと同等の熱膨張率を有するAl基板21を用いることで、加工時の耐熱性を備え、さらに加工時と常温時における温度差と、熱膨張率差による熱応力の発生を低く抑えることによりクラック等が生じないものとしている。さらにLED素子20は、実装に際してワイヤを用いないフリップ実装型のものを用いることで、極力低温としつつ高粘度ガラス状態(10〜10ポアズ)で加工できるものとし、これをホットプレス加工に基づいてLED素子20およびAl基板21に対するガラス封止を行っている。これにより、従来ガラス封止LEDのコンセプトが提案されていながらも具現化できていないという問題を解消している。
(7)熱膨張率差による剥離断線については、ガラス封止部22とAl基板21の熱膨張率が同等であるので、高温で接着された後、常温あるいは低温状態としても、剥離、クラック等の接着不良が生じにくい。また、製造時以外にも、大電流タイプのLED素子20の発光に伴う100℃を超える高温点灯状態の熱による熱応力に関しても、樹脂のような熱膨張率が他の部材より著しく大の部材がなくなるので、LED2にクラック等の熱応力によって生じる問題を回避することができる。
(8)大気放熱は、放熱フィン12と外気との温度差によって促されるが、GaN系LED素子は特性の温度依存性がAlInGaP系LED素子等に比べて小であり、100〜150℃の点灯においてLED素子20自体あるいはガラス封止部22を構成する無機封止材料には初期的にも経時的にも特性変化が生じない。そしてこれらの熱が高熱伝導性材料で形成される放熱フィン12および薄板13に伝わることによって、広い面積で高温となる状態がつくられる。このことにより、大出力で大気放熱による発光装置1を成立させることができる。
(9)板状部材の成形により、放熱体11を形成しているので、製造が容易であり、生産性に優れる。
なお、第1の実施の形態では、GaN系の青色LED素子20を用いた構成を説明したが、フリップ実装が可能なLED素子であれば他の色、例えば緑色光、紫色光、あるいは紫外光を放射するLED素子20を搭載するようにしても良い。
また、光源としてチップLEDを用いることもできる。チップLEDとは、LED素子を基板等に実装して電気的な接続を行った後に封止材で全体を封止し、ペレット状にダイシングすることによって得られる小型LEDである。
さらに、LED素子20として青色と緑色のLED素子を混在させることも可能である。例えば、上記した白色光を放射する発光装置1の場合に青色と緑色のLED素子をAl基板21に搭載してガラス封止することにより、470〜530nmにかけての発光スペクトルを補うことができ、色再現性に優れる白色の発光装置1が得られる。
すなわち、例えば、白色光源は、LED素子から放射される青色とそれによって励起される蛍光体の黄色、あるいは、LED素子から放射されるUV光によって励起される蛍光体の青色、緑色、赤色等の複数領域波長のスペクトル光で構成されている。この光をレンズによって集光放射する場合、波長によって屈折角が異なり、それぞれ異なる方向へ放射される。集光度が高く照射距離が長いほどこの現象は顕著となる。一方、反射光学系では、波長による反射角依存はないため、高集光長照射距離としてもこの問題は生じない。
そして、これまでの大電流供給による高光出力タイプのLEDでないものでは、照明装置に用いるものには光量不足であり、色分離が大きな問題となるとなるケースは稀であったが、大電流を通電する高出力タイプでは照明に用いられる光源とすることができる。そして、放熱対策が必要な高出力タイプのLEDにおいて複数領域波長のスペクトル光を放射する光を色分離なしで高効率集光放射することによる、均一な色の高照度照射を実現することができる。なお、複数領域のスペクトル光は、LED素子と蛍光体との組み合わせに限定されるものではなく、LED素子自体が広い波長幅のスペクトル特性である場合や、複数の複数色LED素子を密配列し、光拡散部材で封止したものである場合等でも良い。
また、LED素子20と反射鏡100との間が光透過性材料で充填されたものであっても良い。
放熱フィン12および薄板13については、放熱性に優れる金属材料であればCu、Alに限定されず、他の材料で形成されても良いが、熱伝導率100W・m−1・k−1以上の材料を用いることが好ましい。
また、薄板13は、一枚板を折り曲げたものに限らず、複数の貫通孔の間が薄板状に残されたもの等、大気放熱を促す他の形状であっても良い。
図5は、LED2の他の構成を示す断面図である。LED2は、発光色以外の光を放射する波長変換型発光装置であっても良く、例えばYAG(Yttrium Aluminum Garnet)蛍光体等と青色のLED素子20との組み合わせによって白色光を放射する波長変換型の発光装置1とすることもできる。この場合、LED2のガラス封止部22の表面にYAG蛍光体層26を設けることで色むらのない白色発光装置1が得られる。
(第2の実施の形態)
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る反射型の発光装置を示し、(a)は光取出し側から見た平面図、(b)は(a)のA−A部における断面図、(c)は(b)のB−B部における切断図である。以下の説明において、第1の実施の形態と同様の構成および機能を有する部分については同一の引用数字を付している。
この第2の実施の形態においては、(a)および(c)に示されるように薄板13の加工パターンを台形から三角形状とした構成において第1の実施の形態と相違している。
(第2の実施の形態の効果)
上記した第2の実施の形態によると、第1の実施の形態の好ましい効果に加えて薄板13の部分による放熱体11の放熱面積が向上する。このように薄板13のピッチが微細化したとしても、反射鏡100で反射された光の導光性は阻害されず、良好に保たれる。
(第3の実施の形態)
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る反射型の発光装置を示し、(a)は光取出し側から見た平面図、(b)は(a)のA−A部における断面図、(c)は(b)のB−B部における切断図である。
この第3の実施の形態においては、(a)および(c)に示されるように薄板13の加工パターンを台形から波型とした構成において第1の実施の形態と相違している。
(第3の実施の形態の効果)
上記した第3の実施の形態によると、第1の実施の形態の好ましい効果に加えて薄板13の部分による放熱体11の放熱面積が向上する。また、波型の薄板13と放熱フィン12およびケース10とのろう付けにおけるろう材の付着面積が大になり、放熱体11の機械的強度が向上するとともに、より熱伝導性が向上する。この波型の薄板13についても、反射鏡100で反射された光の導光性は阻害されず、良好に保たれる。また、薄板13はプレス成形加工を省き、隣接する放熱フィン12の隙間へ薄板13を押し込んでいくことでも形成できるため、生産性の向上を図ることも可能である。
(第4の実施の形態)
図8は、本発明の第4の実施の形態に係る反射型の発光装置を示し、(a)は光取出し側から見た平面図、(b)は(a)のA−A部における断面図である。
この第4の実施の形態においては、(a)および(b)に示されるように放熱体11を収容したケース10の上面に環状開口部としてLED2の位置に応じて配置されたリング状のスリット140を有するカバー14を設けた構成、およびAl蒸着によって複数の反射鏡面101Aを形成された樹脂成型体からなる反射鏡部101をケース10の底部に設けた構成において第1の実施の形態と相違している。
カバー14は、熱伝導性に優れるAl板によって形成されており、上面に反射を防ぐ黒色塗装が施されている。スリット140は、カバー14の下に位置する放熱フィン12の形成方向と一致する方向に接続部141を配置することによってスリット140を介して外部放射される光を遮光しないように構成されている。なお、カバー14の表面における反射防止は塗装によるものでなくても良く、シールの貼り付けや着色された不透光性の樹脂カバーであっても良い。
(第4の実施の形態の効果)
上記した第4の実施の形態によると、ケース10の上面にスリット140を有する黒色塗装が施されたカバー14を設けているので、第1の実施の形態の好ましい効果に加えてスリット140を介した良好な光放射性を有しながら、ケース10の上面を観測面として発光装置1を点滅させた場合でも、点灯時と非点灯時との明確なコントラストを付与することができる。
(第5の実施の形態)
図9は、本発明の第5の実施の形態に係る反射型の発光装置を示し、(a)は光取出し側から見た平面図、(b)は(a)のA−A部における断面図である。
この第5の実施の形態においては、(a)および(b)に示されるように放熱体11の上面の肉厚部120にそれぞれLED2を搭載し、このLED2をカバー14の貫通孔142内に配置した構成において第1の実施の形態と相違している。
カバー14の貫通孔142は、光取出し方向に径が拡大するように形成された反射面142Aを有しており、複数のLED2から放射される横方向の光を反射してz方向に放射させる。
(第5の実施の形態の効果)
上記した第5の実施の形態によると、放熱体11の優れた放熱特性を生かしながら非反射型の発光装置1として形成することも可能であり、LED2の大電流駆動によって発熱量が大になるような場合でも発光効率の低下を生じることがない。
また、LED2がガラス封止型LEDであることにより、反射面142Aの内側を封止する必要がなく、そのことによってz方向への光放射性を確保しながら貫通孔142を介したケース10内への通気性を確保でき、LED2の放熱性が高められる。
(第6の実施の形態)
図10は、本発明の第6の実施の形態に係る反射型の発光装置を示す斜視図である。
この第6の実施の形態においては、第1の実施の形態で説明したケース10の側面にあたる位置に基板15を設け、この基板15上に所定の配列で複数のLED2を搭載することによって光取出し方向を−y方向としたものである。
(第6の実施の形態の効果)
上記した第6の実施の形態によると、放熱体11の優れた放熱特性を生かしながらz方向以外の他の方向に光を放射する発光装置1を構成することも可能である。この際には、放熱フィン12および薄板13には光学的な制約は生じないので、例えば、薄板13は空気の流れを妨げない範囲で密に配置されるものとしても良い。これにより、更なる放熱性向上を図ることができる。
(第7の実施の形態)
図11は、本発明の第7の実施の形態に係る反射型の発光装置を部分的に示し、(a)は光取出し側から見た平面図、(b)は(a)のA−A部における断面図である。図12は、図11の発光装置を部分的に示し、(a)は図11(a)の位置aの部分拡大図、(b)は図11(a)の位置bの部分拡大図、(c)は図11(a)の位置cの部分拡大図である。
この第7の実施の形態においては、図11(a)に示すように第1の実施の形態で説明したケース10を用いずに肉厚部120を有する放熱フィン12を円筒形枠状に折り曲げ、その内側に折り曲げた厚さ0.1mmの薄板13を挿入して放熱フィン12との接触部分をAu−Sn接合することにより放熱フィン12と一体化した放熱体11を有する。放熱フィン12には図12(a)から(c)に示すように部分的にAu−Sn層11Bが形成されている。放熱体11のLED2搭載側には高直線反射率を有するAl板を圧延加工することにより形成した反射鏡100が接着されている。なお、Au−Sn層11Bは、放熱フィン12の接合箇所に予めめっき形成される。
(第7の実施の形態の効果)
上記した第7の実施の形態によると、ケース状の放熱フィン12と折り曲げられた薄板13とがAu−Sn接合により一体形成されているので、放熱体11の優れた放熱特性および光取出し性を生かしながら製造工程を簡素化することができる。Au−Sn接合ははんだ接合に比べて熱伝導性に優れることから、より高い放熱性を付与することができる。Au−Sn層11Bは所定箇所に形成されているので、製造の手間を省くことができ、量産性に優れる。なお、放熱体11の形状は上記した円筒形枠状でなくても良く、例えば立方形枠形状としても良いし、薄板13を枠外に形成しても良い。また、放熱フィン12の外周に貫通孔等を設けても良い。
本発明の第1の実施の形態に係る反射型の発光装置を示す斜視図である。 図1に示す発光装置を部分的に示し、(a)は光取出し側から見た平面図、(b)は(a)のA−A部における断面図、(c)は(b)のB−B部における切断図である。 放熱フィンを部分的に示し、(a)はLED搭載部に搭載されたLEDを示す平面図、(b)は(a)のA−A部における断面図、(c)はLEDの未搭載状態での配線層を示す平面図である。 LED素子の構成を示す断面図である。 LEDの他の構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る反射型の発光装置を示し、(a)は光取出し側から見た平面図、(b)は(a)のA−A部における断面図、(c)は(b)のB−B部における切断図である。 本発明の第3の実施の形態に係る反射型の発光装置を示し、(a)は光取出し側から見た平面図、(b)は(a)のA−A部における断面図、(c)は(b)のB−B部における切断図である。 本発明の第4の実施の形態に係る反射型の発光装置を示し、(a)は光取出し側から見た平面図、(b)は(a)のA−A部における断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る反射型の発光装置を示し、(a)は光取出し側から見た平面図、(b)は(a)のA−A部における断面図である。 本発明の第6の実施の形態に係る反射型の発光装置を示す斜視図である。 本発明の第7の実施の形態に係る反射型の発光装置を部分的に示し、(a)は光取出し側から見た平面図、(b)は(a)のA−A部における断面図である。 図11の発光装置を部分的に示し、(a)は図11(a)の位置aの部分拡大図、(b)は図11(a)の位置bの部分拡大図、(c)は図11(a)の位置cの部分拡大図である。
符号の説明
1…発光装置、2…LED、3…配線層、3A…開口部、10…ケース、10A…孔、11…放熱体、11A…Agめっき、11B…Au−Sn層、12…放熱フィン、13…薄板、14…カバー、15…基板、20…LED素子、21…Al基板、21A…配線パターン、22…ガラス封止部、23A,23B…電極部、24…放熱パターン、25…はんだ、26…蛍光体層、30…導電部、31…絶縁層、100…反射鏡、101…反射鏡部、101A…反射鏡面、120A…溝、120…肉厚部、140…スリット、141…接続部、142…貫通孔、142A…反射面、200…サファイア基板、201…AlNバッファ層、202…n−GaN層、203…発光層、204…p−GaN層、205…pコンタクト電極、206…n側電極、210…GaN系半導体層

Claims (9)

  1. 無機封止材料で発光素子を封止して形成された光源と、
    前記光源の背面方向に放熱幅を有する板材によって前記光源の背面方向に空間が伸びるように形成されて前記光源を搭載し、前記光源の発光に伴って生じる熱を大気放熱する放熱体と、
    前記光源から放射された光を反射して外部放射させる反射部と、を有し、
    前記反射部は、前記光源の発光面側に対向配置され、前記光源が発する光を前記光源の背面方向に反射して上記空間を介して外部放射する発光装置。
  2. 前記放熱体は、前記光源が発する熱を拡げる熱伝導性板と、前記熱伝導性板に接合された薄板とを組み合わせて構成されている請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記放熱体は、前記光を反射する表面を有する請求項1又は2記載の発光装置。
  4. 前記光源は、フリップ実装型の発光素子と、
    前記発光素子と同等の熱膨張率を有し、前記発光素子に対して電力の受供給を行う配線パターンを有する無機材料基板と、
    前記無機材料基板と同等の熱膨張率を有し、前記発光素子を封止する無機封止材料とを有する請求項1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 前記無機封止材料は、ガラスである請求項4に記載の発光装置。
  6. 前記発光素子は、GaN系半導体材料によって形成されている請求項4または5に記載の発光装置。
  7. 前記発光素子は、pコンタクト電極がITOからなる請求項4から6のいずれか1項に記載の発光装置。
  8. 前記光源は、前記無機材料基板に実装される複数の前記発光素子を前記無機封止材料で封止して構成される請求項4から7のいずれか1項に記載の発光装置。
  9. 前記光源は、前記発光素子から放射される光を波長変換する蛍光体層を前記無機封止材料の表面に有する請求項4から8のいずれか1項に記載の発光装置。
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