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JP4267319B2 - 水中油型乳化組成物 - Google Patents

水中油型乳化組成物 Download PDF

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JP4267319B2
JP4267319B2 JP2002376841A JP2002376841A JP4267319B2 JP 4267319 B2 JP4267319 B2 JP 4267319B2 JP 2002376841 A JP2002376841 A JP 2002376841A JP 2002376841 A JP2002376841 A JP 2002376841A JP 4267319 B2 JP4267319 B2 JP 4267319B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水中油型乳化組成物、特にその使用性の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、化粧料に粉体を配合することにより、肌や頭髪を彩色する、シミ・ソバカスなどを隠す、紫外線から肌を保護する、あるいは汗や皮脂を吸収させる等の機能を付与している。特に、水中油型乳化組成物は良好な感触と多機能性を有することから、これに粉体を配合して、種々の化粧料、例えば乳化型ファンデーション、紫外線防御乳液・クリーム等として応用されている。
【0003】
一方、近年、粉体の肌への密着性向上、あるいは耐水性付与等の目的で、疎水化処理粉体が使用されている。
しかし、疎水化処理粉体を配合した水中油型乳化組成物は、製品として十分な安定性を得ることが一つの課題となっている。そこで、経時や温度変化等に起因する乳化粒子の合一や粉体微粒子の凝集、沈降を防止する研究が進められている(特公平7−94366号公報、特開平8−310940号公報)。しかし、その安定性にはさらに改良の余地があった。
【0004】
水中油型乳化基剤の安定性を確保するためには、増粘剤による連続相の増粘が非常に重要である。カルボキシビニルポリマー等の静電反発による増粘方法は増粘効果が高く、使用感もべたつかず良好であるが、イオン溶出の影響が無視できない疎水化処理粉体を配合した場合には、減粘もしくはゲル化するという問題を生じることがある。そこで、疎水化処理粉体等を配合する場合には、耐塩性に優れる多糖類による増粘方法が好ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多糖類は、前記カルボキシビニルポリマー等と比較して、増粘性が若干弱く、増粘効果を発揮させるためには、比較的多量に配合する必要があり、べたつきが生じることがあった。さらに、多糖類を配合した水中油型乳化組成物は、皮膚に塗布後、乾き際によれが生じることがあった。特に疎水化処理粉体を含む場合、多糖類と疎水化処理粉体との相互作用により、よれが増長される。よって感触が良好で、且つ粉体を安定に保持するものを得るのは困難であり、解決策が望まれていた。
【0006】
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、べたつかず心地良い使用感が得られ、且つ乾き際によれが起こらない水中油型乳化組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、増粘剤としてサクシノグルカンを使用することで、べたつきが解消され、さらにこのサクシノグルカンを可塑化することにより、よれが解消されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明の主題は、サクシノグルカンと、
グリセリン、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリエチレングリコール20000から選択される1種又は2種以上の可塑剤と、
疎水化処理粉体と、
を含み、
サクシノグルカンの配合量が0.05〜2質量%である水中油型乳化組成物である。
【0009】
前記水中油型乳化組成物において、可塑剤の配合量が1〜40質量%であることが好適である。
また、前記水中油型乳化組成物において、疎水化処理粉体が疎水化処理酸化チタン及び/又は疎水化処理酸化亜鉛であることが好適である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
疎水化処理粉体
本発明の組成物において疎水化処理粉体とは、粉体を通常公知の技術により疎水化したものである。粉体は、化粧品一般に使用される粉体であれば、球状、板状、針状等の形状;煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径;多孔質、無孔質等の粒子構造;等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。
【0011】
具体的には、酸化チタン、黒酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類;オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類;ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類;微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体;等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
【0012】
前記粉体を疎水化処理する処理剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高粘度シリコーン、架橋型シリコーン、フッ素変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、シリコーン樹脂等のシリコーン化合物;アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤等の界面活性剤;金属石鹸による処理、ポリイソブチレン、ワックス、油脂等の油剤;パーフルオロアルキルリン酸、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸等のフッ素化合物;PVP−ヘキサデセンのコポリマー等のPVP変性ポリマー;等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。前記処理剤を粉体に処理する方法は通常公知の方法が用いられ、例えば、溶媒を使用する湿式法、気相法、メカノケミカル法等が挙げられる。
また、化粧料の製造過程中で粉体表面が油剤等で処理され、疎水化された粉体も本願でいう疎水化処理粉体に含まれる。
疎水化処理粉体の具体例としては、疎水化処理酸化チタン又は疎水化処理酸化亜鉛等の紫外線散乱剤等が挙げられる。
【0013】
サクシノグルカン
本発明の組成物に配合されるサクシノグルカンは、微生物に由来する多糖類の一種であり、ガラクトース及びグルコースから誘導される糖単位に加え、コハク酸及びピルビン酸並びに随意成分としての酢酸、又はこれらの塩から誘導される単位を含む微生物に由来する多糖類を意味する。
【0014】
より具体的にはサクシノグルカンは、平均分子量が約600万の以下の構造式を有し、ガラクトース単位:1,グルコース単位:7,コハク酸単位:0.8及びピルビン酸単位:1に、随意成分である酢酸単位を含むことのある水溶性高分子である。
【0015】
【化1】
Figure 0004267319
(式中、Glucはグルコース単位を,Galacはガラクトース単位を表す。また.括弧内の表示は糖単位同士の結合様式を表す。例えば(β1,4)は,β1−4結合を表す。)
【0016】
このサクシノグルカンの供給源となる微生物としては、例えばシュードモナス属,リゾビウム属,アルカリゲネス属又はアグロバクテリウム属に属する細菌を挙げることができる。これらの細菌の中でも、アグロバクテリウム属に属する細菌であるアグロバクテリウム・ツメファシエンスI−736(ブタペスト条約に従い1988年3月1日に微生物培養締約国収集機関に寄託され、I−736の番号で公に入手し得る)が特にサクシノグルカンの供給源として好ましい。
【0017】
サクシノグルカンは、これらの微生物を培地中で培養することによって製造することができる。より具体的には、グルコース,ショ糖,デンプンの加水分解物等の炭素源;カゼイン,カゼイネート,野菜粉末,酵母エキス,コーンスティープリカー等の有機窒素源;金属の硫酸塩,リン酸塩,炭酸塩等の無機塩類や随意微量元素等を含む培地で上記の微生物を培養することによって製造することができる。
【0018】
なお、本発明にかかる組成物には、このようにして製造したサクシノグルカンをそのまま配合し得ることは勿論、必要に応じて酸分解,アルカリ分解,酵素分解,超音波処理等の分解処理物も同様に配合することができる。
【0019】
一般に多糖類を増粘剤として使用する場合には、増粘効果を発揮させるために、比較的多量に配合する必要があるため、べたつきが生じることがあった。しかしながら本発明の組成物は、多糖類の中でもサクシノグルカンを増粘剤として使用することにより、べたつきが改善されている。
【0020】
しかし、サクシノグルカンは、剛直性の直鎖状高分子であり、これを含む組成物は皮膚上で乾燥後、硬い被膜を形成するため、よれが生じやすい。特に、疎水化処理粉体と併用する場合、サクシノグルカンが疎水化処理粉体を巻き込むことで、よれが増長される。そこで、サクシノグルカンを可塑化することで、よれが防止される(図1)。
【0021】
可塑化剤
本発明の組成物における可塑剤としては、グリセリン,ポリオキシエチレンエチレンメチルグルコシド,ポリエチレングリコール20000を用いることが好適である。これらの可塑剤は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
【0022】
本発明にかかる組成物におけるサクシノグルカンの配合量は、組成物全体に対して0.05〜2質量%であることが好適である。
サクシノグルカンの配合量が、組成物全体の0.05質量%未満であると、増粘性が十分でなく、疎水化処理粉体を安定に配合することが困難になることがある。また2質量%を超えて配合しても、配合量の増加に見合った、効果の向上を期待することができないうえ、べたつきが生じるため好ましくない。
【0023】
本発明にかかる組成物における可塑剤の配合量は、組成物全体に対して、1〜40重量%であることが好適である。
可塑剤の配合量が、組成物全体の1質量%未満であると、よれを防ぐことができないことがあり、40質量%を超えて配合しても、配合量の増加に見合った、効果の向上を期待することができないうえ、組成物構築上好ましくない。
【0024】
本発明の組成物を化粧料に用いる場合、その形態は特に限定されず、化粧水,乳液,クリーム,洗顔料,ジェル,エッセンス(美容液),パック等の基礎化粧品、口紅,アイシャドウ,アイライナー,マスカラ,ファンデーション,サンスクリーン等のメーキャップ化粧品、口腔化粧品、芳香化粧品、毛髪化粧品、ボディ化粧品等、従来化粧料に用いるものであれば何れの形態でも広く適用可能である。
【0025】
本発明にかかる組成物においては、上記した必須構成成分の他にこれらの所望する形態や剤型に応じて通常公知の基剤成分等を、その配合により本発明の所期の効果を損なわない範囲で広く配合して用いることができる。例えば、流動パラフィン,スクワラン,ワセリン,マイクロクリスタリンワックス,セレシン,セチルアルコール,イソステアリルアルコール,オレイルアルコール,2─ヘキシルデカノール,2─エチルヘキサン酸セチル,パルミチン酸2─エチルヘキシル,ジ2─エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール,ジカプリル酸ネオペンチルグリコール,ジカプリン酸ネオペンチルグリコール,トリ2─エチルヘキサン酸グリセリン,トリイソステアリン酸グリセリン,オリーブ油,マカデミアナッツ油,ヒマワリ油,ラノリン,ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,ビースワックス,キャンデリラロウ,カルナウバロウ,ジメチルポリシロキサン,ポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサン等の油性原料;ポリオキシエチレンオレイルエーテル,モノイソステアリン酸ソルビタン,モノステアリン酸ポリエチレングリコール,ラウロイルジエタノールアミド,ショ糖脂肪酸エステル,ラウリン酸ナトリウム,ラウリル硫酸ナトリウム,ミリスチン酸ナトリウム,ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム,ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド,ポリエーテル変性シリコーン等の界面活性剤;ニコチン酸アミド,ニコチン酸ベンジル,ビタミンEアセテート,ビタミンH,センブリ抽出物,グリチルレチン酸,パントテニルエチルエーテル等の薬効成分;増粘剤、紫外線防御剤、紫外線吸収剤、防腐剤、酸化防止剤、酸化防止助剤、保湿剤、皮膜剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、pH調製剤、皮膚栄養剤、無機粉体、有機粉体、香料、色剤、水等を適宜本発明組成物中に配合し、目的とする剤形に応じて常法により製造することが出来る。
【0026】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の技術範囲はこれら実施例により限定されるものではない。なお、配合量はすべて質量%である。
また、実施例において使用したサクシノグルカンは、特公平6−74283号公報記載の方法に準じて製造した。
【0027】
好ましい増粘剤の検討
本発明の水中油型乳化組成物において用いる、好ましい増粘剤を検討した。
様々な増粘剤を用いて、下記のような水中油型乳化組成物を作成し、べたつき、よれ、及び増粘性を下記の評価基準に基づいて評価した。結果を表1に示す。
【0028】
▲1▼ べたつきの評価基準
被験試料塗布時の使用感を評価する。
○ :べたつかない
△ :ややべたつく
× :べたつく
▲2▼ よれの評価基準
上腕部に、被験試料を手で塗布し、乾き際のよれ具合について評価する。
○ :よれない
△ :ややよれる
× :よれる
▲3▼ 増粘性の評価基準
組成物の状態を観察し、増粘性を評価する。
○ :十分
△ :やや弱い
× :弱い
【0029】
【表1】
Figure 0004267319
【0030】
1.(1)〜(8)を混合溶解し、70℃に加熱する。
2.(9)〜(11)をビーズミルにより高分散処理し、70℃に加熱する。
3.(15)〜(16)を混合溶解し、70℃に加熱する。
4.1〜3を混合乳化し、室温まで攪拌冷却する。
【0031】
増粘剤としてサクシノグルカンを用いた試験例1では、べたつきがなかったのに対し、他の増粘剤を用いた試験例2〜5では、べたつきが生じた。よって、好ましい増粘剤はサクシノグルカンであることが確認された。しかしながら、どの試験例においても、よれが起こってしまった。
【0032】
好ましい可塑剤の検討
多糖類を配合した水中油型乳化組成物は、乾き際によれが生じる。特に疎水化処理粉体を含む場合は、多糖類と疎水化処理粉体との相互作用により、よれが増長される。そこで、サクシノグルカンを可塑化することで、よれが改善されると推測した。
様々な可塑剤を用いて、下記のような水中油型乳化組成物を作成し、べたつき、よれ、及び増粘性を前記評価基準に基づいて評価した。結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
Figure 0004267319
【0034】
1.(1)〜(12)を混合溶解し、70℃に加熱する。
2.(13)〜(18)をビーズミルにより高分散処理し、70℃に加熱する。
3.(19)〜(20)を混合溶解し、70℃に加熱する。
4.1〜3を混合乳化し、室温まで攪拌冷却する。
【0035】
可塑剤としてグリセリン、POEメチルグルコシド、あるいはポリエチレングリコール20000を用いた場合は、よれが改善されたが、その他の可塑剤を使用した場合は、よれが改善されなかった。よって、好ましい可塑剤はグリセリン、POEメチルグルコシド、及びポリエチレングリコール20000であることが確認された。
【0036】
サクシノグルカン及び可塑剤の配合量
次に、サクシノグルカンと可塑剤の好ましい配合量について検討した。
サクシノグルカンと可塑剤の配合量を変化させ、下記のような水中油型乳化組成物を作成し、べたつき、よれ、及び増粘性を前記評価基準に基づいて評価した。結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
Figure 0004267319
Figure 0004267319
【0038】
1.(1)〜(5)を混合溶解し、70℃に加熱する。
2.(6)〜(11)をビーズミルにより高分散処理し、70℃に加熱する。
3.(12)〜(13)を混合溶解し、70℃に加熱する。
4.1〜3を混合乳化し、室温まで攪拌冷却する。
【0039】
サクシノグルカンの配合量が0.01質量%である試験例14,15,22,23,30,31においては、配合量が足りず、増粘性が十分に発揮されなかった。また、サクシノグルカンの配合量が3質量%である試験例20,21,28,29,36,37においては、配合量が過剰であり、べたつきが生じた。これに対し、サクシノグルカンの配合量が0.5あるいは2質量%である試験例16〜19,24〜27,32〜35においては、増粘性、べたつきの点で好ましいものであった。よって、サクシノグルカンの配合量は0.05〜2質量%であることが好ましい。
【0040】
しかし、サクシノグルカンの配合量が0.5あるいは2質量%である試験例においても、可塑剤の配合量が0.5質量%である試験例16,18,24,26,32,34においては、可塑剤の効果が十分発揮されず、よれが起こってしまった。さらに40質量%を超えて配合しても、配合量の増加に見合った、効果の向上を期待することができないうえ、組成物構築上好ましくないことを考慮すると、可塑剤の配合量は1〜40質量%であることが好ましい。
以上より、サクシノグルカンの好適な配合量は0.05〜2質量%、可塑剤の好適な配合量は1〜40質量%であることが確認された。
【0041】
以下に、本発明を実施するために好適な水中油型乳化組成物の処方例を挙げるが、本発明の技術範囲はこれら実施例により限定されるものではない。
実施例1 サンスクリーンクリーム
(処方) 質量%
(1)イオン交換水 残量
(2)POE-60 水添ヒマシ油 2
(3)サクシノグルカン 2
(4)カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.3
(5)グリセリン 1
(6)エデト酸塩 適量
(7)疎水化処理酸化チタン 5
(8)ジメチコンポリオール 2
(9)デカメチルペンタポリシロキサン 12
(10)イソステアリン酸 1
(11)オクチルメトキシシンナメート 5
(12)防腐剤 適量
(13)エタノール 6
(製法)
1.(1)〜(6)を混合溶解し、70℃に加熱する。
2.(7)〜(11)をビーズミルにより高分散処理し、70℃に加熱する。
3.(12)〜(13)を混合溶解し、70℃に加熱する。
4.1〜3を混合乳化し、室温まで攪拌冷却する。
【0042】
実施例2 サンスクリーン乳液
(処方) 質量%
(1)イオン交換水 残量
(2)POE-60 水添ヒマシ油 2
(3)サクシノグルカン 0.05
(4)カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.3
(5)グリセリン 1
(6)エデト酸塩 適量
(7)疎水化処理酸化チタン 5
(8)ジメチコンポリオール 2
(9)デカメチルペンタポリシロキサン 12
(10)イソステアリン酸 1
(11)オクチルメトキシシンナメート 5
(12)防腐剤 適量
(13)エタノール 6
(製法)
1.(1)〜(6)を混合溶解し、70℃に加熱する。
2.(7)〜(11)をビーズミルにより高分散処理し、70℃に加熱する。
3.(12)〜(13)を混合溶解し、70℃に加熱する。
4.1〜3を混合乳化し、室温まで攪拌冷却する。
【0043】
実施例3 水中油型乳化ファンデーション
(処方) 質量%
(1)シリコーン処理二酸化チタン 10
(2)シリコーン処理タルク 3
(3)シリコーン処理黄酸化鉄 0.8
(4)シリコーン処理黒酸化鉄 0.16
(5)シリコーン処理ベンガラ 0.3
(6)ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサン 2
(7)デカメチルペンタシクロシロキサン 10
(8)パラメトキシ桂皮酸オクチル 5
(9)PEG-60水添ヒマシ油 2
(10)ポリオキシエチレンメチルグルコシド 6
(11)サクシノグルカン 0.3
(12)カルボキシメチルセルロース 0.3
(13)エタノール 5
(14)イオン交換水 残量
【0044】
実施例1〜3はいずれも、べたつかず心地良い使用感が得られ、且つ乾き際によれが起こらないものであった。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、増粘剤としてサクシノグルカンを用い、これを可塑化することにより、べたつかず心地良い使用感が得られ、且つ乾き際によれが起こらない水中油型乳化組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる可塑剤の効果を示した図である。

Claims (3)

  1. サクシノグルカンと、
    グリセリン、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリエチレングリコール20000から選択される1種又は2種以上の可塑剤と、
    疎水化処理粉体と、
    を含み、
    サクシノグルカンの配合量が0.05〜2質量%である水中油型乳化組成物。
  2. 請求項1に記載の組成物において、可塑剤の配合量が1〜40質量%であることを特徴とする水中油型乳化組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の組成物において、疎水化処理粉体が疎水化処理酸化チタン及び/又は疎水化処理酸化亜鉛であることを特徴とする水中油型乳化組成物。
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