JP4082809B2 - 油性固形化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物処理粉体とシリコーンワックスとを含有することにより、肌や唇への付着、のびのなめらかさ、塗布時のきしみ感のなさ、エモリエント感等の使用感が良好であり、しかも、衣服等への付着防止効果に優れ、耐水性、耐汗性が良好なため化粧持ちに優れた油性固形化粧料を提供することに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、口紅、アイライナー、アイシャドウ、油性ファンデーション等の油性化粧料は、良好な使用感と化粧持ちを同時に満足することが難しく、エモリエント感等の使用感の向上と、化粧持ちの向上を両立させることは困難であった。
この点を改良するべく、従来より様々な検討がなされてきた。例えば、口紅等で染料を配合して口唇への染着により化粧持ちの向上を図ったもの、ワックス等の固体成分を多く配合して塗膜を強固にして色移りを少なくしたもの、揮発性油剤及び皮膜形成剤を配合して、塗布後揮発性油剤が揮発することにより肌上で皮膜を形成させ化粧料が衣服等へ再付着しないようにしたもの、フッ素系油剤の配合により化粧膜に撥水撥油性を付与し、経時での化粧持ちを向上させたもの等が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、染料を配合したものは経時で塗布部が乾きやすく、またワックスを多く配合したものは伸びが重く使用性が悪い。また、揮発性油剤及び皮膜形成剤を配合したものは、化粧膜の艶がなく、塗布部が乾燥する。更に、フッ素系油剤は、他の油剤との相溶性が悪いため、油分量の多い系では均一に分散しにくい等の欠点を有していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは鋭意研究を行った結果、特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物処理粉体とシリコーンワックスとを含有する油性固形化粧料が、肌や唇への付着、のびのなめらかさ、塗布時のきしみ感のなさ、エモリエント感等の使用感が良好であり、しかも、衣服等への付着防止効果に優れ、耐水性、耐汗性が良好なため化粧持ちに優れることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、次の成分(a)及び(b);
(a)パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルアルキル硫酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルアルキルカルボン酸及びその塩から選択される、分子量が300以上であるパーフルオロポリエーテル基を有する化合物で処理した粉体
(b)シリコーンワックス
とを含有することを特徴とする油性固形化粧料を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される(a)成分は、特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物で基材粉体を処理したもので、特開平8−133928号公報等に記載されているものが例示される。処理粉体を構成するパーフルオロポリエーテル基を有する化合物とは、パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルアルキル硫酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルアルキルカルボン酸及びその塩から選択される。これらの化合物はパーフルオロポリエーテル基を含有し、かつ粉体表面と親和性を持つためのリン酸基及び硫酸基及びカルボキシル基から選択される極性基を有するものである。
また、パーフルオロポリエーテル基とは、パーフルオロアルキレン又はパーフルオロアルキルと結合しているエーテル酸素が少なくとも2以上有する基をいうこととする。従って、本発明に係るパーフルオロポリエーテルアルキルリン酸及びその塩には、特開平5−39209号公報及び特開平5−58841号公報に記載のようなエーテル酸素を一つしか持たないパーフルオロオキシアルキル基を含有する化合物は含まれない。
パーフルオロポリエーテル基の分子量は300以上であり、好ましくは500以上であり、好ましい上限は概ね7000程度である。300未満では、撥水・撥油性の付与を十分に行うことがでず、本発明の効果を発現することが困難である。
【0006】
パーフルオロポリエーテル部分を構成する好ましいパーフルオロオキシアルキレン基には、例えばパーフルオロオキシメチレン基、パーフルオロオキシエチレン基、パーフルオロオキシイソプロピレン基、パーフルオロオキシn−プロピレン基などが挙げられる。これらから少なくとも1種以上が選択され且つ重合してパーフルオロポリエーテル基を構成する。
この中で、特に好ましいパーフルオロポリエーテル基は下記一般式(1)、(2)で表わされる基である。
【0007】
−(X)CFO(CF2CF(CF3)O)l(CF2CF2O)m(CF2O)nCF(X)− …(1)
−(X)CFO(CF2CF2CF2O)l(CF2CF2O)m(CF2O)nCF(X)− …(2)
(但し、分子量は300以上であり、より好ましくは500以上であり、l、mは0以上の整数を示し、nは1以上の整数を示し、l=m≠0であり、l/n=1〜100であり、より好ましくは20〜40であり、m/n=0.1〜50であり、より好ましくは0.2〜20であり、Xは同一又は異なっても良く、F又はCF3である。)
尚、パーフルオロポリエーテル基が2種以上のパーフルオロオキシアルキレン基を含有する場合において、それぞれ同種のものが連続重合している場合に限られず、ランダム重合或いはブロック重合でも構わない。
【0008】
更に、本発明に係るパーフルオロポリエーテル基を有する化合物と基材粉体との固着力の観点から、前記化合物から粉体との親和性を有する極性基が容易に離脱しないことが必要であり、そのために前記化合物には、少なくとも1以上のオキシアルキレン基を含むことが好ましい。より好ましくは、1〜2である。3以上のオキシアルキレン基が存在すると前記化合物の撥水・撥油性が劣ったものとなるからである。同様に固着力の点で、オキシアルキレン基に加え更に、アルキレン基を含ませてもよい。アルキレン基の好ましい炭素数は2以下である。
【0009】
上記のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物は、パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルアルキル硫酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルアルキルカルボン酸及びその塩が挙げられるが、中でも好ましくはパーフルオロポリエーテルアルキルリン酸又はその塩である。より好ましくは下記一般式(3)、(4)で表わされる化合物及びそのジエタノールアミン塩である。
【0010】
[CaF2a+1O(C3F6O)l(CF2O)nCF(X)(CH2)d−
−(OCH2CH2)r]qOP(=O)(OH)3-q …(3)
(但し、パーフルオロポリエーテル基の分子量は300以上であり、より好ましくは500以上であり、l/n=1〜100であり、より好ましくは20〜40であり、aは1〜10であり、dは0〜2であり、qは1又は2であり、rは1〜2であり、XはF又はCF3である。)
【0011】
(HO)2(O=)PO(CH2CH2O)rCH2CF2O(CF2CF2O)m(CF2O)nCF2CH2(OCH2CH2)rOP(=O)(OH)2 …(4)
(但し、パーフルオロポリエーテル基の分子量は300以上であり、より好ましくは500以上であり、m/n=0.1〜50であり、より好ましくは0.2〜20であり、rは1〜2である。)
【0012】
本発明の(a)成分の特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物で処理を施す粉体としては、従来化粧用粉体として用いられている粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、合成セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、カルバミン酸エチルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、等が挙げられ、これら粉体はその1種又は2種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。
【0013】
粉体を特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物で表面処理する方法は、特に制限されず、通常の粉体表面被覆処理方法を適用することができる。例えば、パーフルオロポリエーテル基を有する化合物を溶剤(有機溶媒あるいは極性溶媒)に溶解又は分散し、粉体と混合し、その後溶剤を除去、乾燥することによって容易に処理粉体を得ることができる。
尚、上記処理後、粉体にパーフルオロポリエーテル基を有する化合物をより強く吸着させるために、高温で焼き付けても良い。また、表面処理にあっては粉体を同時に2種以上混合して処理することもできる。
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、そのほかのフッ素系化合物、シリコーン系油剤、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、N−長鎖アシルアミノ酸、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤などの公知のコーティング剤で同時に又は重ねて処理してもよい。
パーフルオロポリエーテル基を有する化合物による処理量は、その化合物の種類や粉体によって異なるが、効果の発現の点において、好ましくは粉体の0.1〜50重量%(以下、単に「%」で示す。)、より好ましくは0.5〜20%である。
(a)成分の処理粉体の配合量は0.1〜70%が好ましく、この範囲で用いれば、肌や唇への付着、エモリエント感等の使用感が良好であり、衣服等への付着防止効果にすぐれ、耐水性、耐汗性が良好なため化粧持ちが優れる。
【0014】
本発明の(b)成分のシリコーンワックスは通常化粧品用として許容される原料であれば特に限定されないが、次の一般式(5)で表されるシリコーンワックスが好ましく用いられる。
【0015】
【化1】
【0016】
(式中、R1とR3とR4とは互いに独立して、C1−C30アルキル基、C1−C30アルコキシ基又はC6−C30アリール基であり、R2はC2−C36アルキル基、C2−C36アルコキシ基、又はエステル残基により置換されているC2−C36アルキル基あるいはアルコキシ基であり、またR2は、GがC2−C10アルキル基、C2−C10アルコキシ基又はC2−C30エステル残基の場合はメチル基であることができ、GはC1−C30アルキル基、C1−C30アルコキシ基、C6−C30アリール基又はC1−C30エステル残基であり、jは1〜100の整数であり、kは0又は1〜100の整数である。)
【0017】
例えば、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体としては、市販品としてKF7002(信越化学工業社製)等が挙げられ、アルキル変性メチルポリシロキサンとしては、市販品として、ABIL WAX 9800、同9810(以上、ゴールドシュミット社製)等が挙げられ、ジベヘノキシジメチルポリシロキサンとしては、市販品として、ABIL WAX 2440(ゴールドシュミット社製)等が挙げられ、ジステアロキシジメチルポリシロキサンとしては、市販品としてABIL WAX 2434(ゴールドシュミット社製)等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
(b)成分のシリコーンワックスの配合量は、0.1〜30%が好ましく、この範囲で用いると、のびのなめらかさ、塗布時のきしみ感のなさ等の使用感が良好であり、衣服等への付着防止効果に優れるものが得られる。
【0018】
本発明の化粧料は、上記した必須成分の他に通常の化粧料に使用される成分、例えば、油性成分や、水性成分、界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、香料などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。また、本発明の効果を損なわない範囲であれば、前記粉体を未処理であるいは前記特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物を除く処理剤、例えば、フッ素系油剤、シリコーン系油剤、金属石鹸、ロウ、油脂、炭化水素等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施したものを適宜配合することができる。
【0019】
油性成分としては、化粧品一般に使用される動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、(b)成分以外のシリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、モクロウ、モンタンワックス、フィッシュトロプスワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ロジン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0020】
水性成分としては、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられ、水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものを挙げることができる。
【0021】
界面活性剤としては、化粧品一般に用いられている界面活性剤であればよく、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、レシチンやリゾレシチン及びこれらの水素添加物等のリン脂質含有成分、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものが挙げられ、例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0022】
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられ、PABA系としては、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、パラジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等が挙げられ、ケイ皮酸系としては、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル等が挙げられ、サリチル酸系としては、サリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル等が挙げられ、その他、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。
【0023】
保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等が挙げられる。美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等が挙げられる。防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸アルキル、フェノキシエタノール等が挙げらる。
【0024】
本発明の油性固形化粧料としては、口紅、リップクリーム、ファンデーション、コンシーラー、頬紅、アイカラー、眉墨、アイライナー等のメークアップ製品、日焼け止め等のスキンケア製品、頭髪製品等が挙げられる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0026】
製造例1:処理マイカ
ビーカーに2−プロパノールを500gと下記に示すパーフルオロポリエーテルアルキルリン酸5gを入れ、攪拌しながらマイカ95gを添加する。室温で十分攪拌した後、80℃にて1時間混合後、減圧乾燥し、パーフルオロポリエーテル化合物5%処理マイカを得た。
(HO)2(O=)PO(CH2CH2O)rCH2CF2O(CF2CF2O)m(CF2O)nCF2CH2(OCH2CH2)rOP(=O)(OH)2 …(4)
(式中、m/n=1.8、r=1〜2、パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸の平均分子量は1050であり、パーフルオロポリエーテル基の平均分子量は606である。)
【0027】
製造例2〜9
製造例1と同様の方法で処理して、パーフルオロポリエーテル化合物5%処理タルク(製造例2:処理タルク)、パーフルオロポリエーテル化合物5%処理酸化チタン(製造例3:処理酸化チタン)、パーフルオロポリエーテル化合物3%処理ベンガラ(製造例4:処理ベンガラ)、パーフルオロポリエーテル化合物3%処理黄色酸化鉄(製造例5:処理黄色酸化鉄)、パーフルオロポリエーテル化合物3%処理ナイロンパウダー(製造例6:処理ナイロンパウダー)、パーフルオロポリエーテル化合物3%処理酸化鉄処理微粒子酸化チタン(製造例7:処理酸化鉄処理微粒子酸化チタン)、パーフルオロポリエーテル化合物5%処理オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー(製造例8:処理オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー)、パーフルオロポリエーテル化合物5%処理雲母チタン(製造例9:処理雲母チタン)を得た。
【0028】
製造例10:処理シリカ
ビーカーに水500mlを入れ、攪拌しながらシリカ49.5gを入れ室温にて充分攪拌する。このシリカ分散液に、下記に示すパーフルオロポリエーテルアルキルリン酸ジエタノールアミン塩20%水溶液を2.5g徐々に添加し、添加後3時間攪拌混合を行った。塩酸にて中和した後、吸引濾過を行い、乾燥してパーフルオロポリエーテル化合物1%処理シリカを得た。
CF3O(CF2CF(CF3)O)l(CF2O)nCF2CH2−
−(OCH2CH2)1.9OP(=O)[ONH2(CH2CH2OH)2]2
(式中、l/n=24.1、パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸ジエタノールアミン塩の平均分子量は1195であり、パーフルオロポリエーテル基の平均分子量は791である。)
【0029】
製造例11〜14
製造例10と同様の方法で処理して、パーフルオロポリエーテル化合物8%処理酸化鉄処理雲母チタン(製造例11:処理酸化鉄処理雲母チタン)、パーフルオロポリエーテル化合物8%処理薄片状酸化亜鉛(製造例12:処理薄片状酸化亜鉛)、パーフルオロポリエーテル化合物1%処理群青(製造例13:処理群青)パーフルオロポリエーテル化合物1%処理黒色酸化鉄(製造例14:処理黒色酸化鉄)を得た。
【0030】
製造比較例1:処理マイカ
ビーカーに水500mlをいれ、攪拌しながらマイカ95gをいれ、室温で十分攪拌した。このマイカ分散液に、攪拌しながら次色に示すパーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩の20%水溶液25gを徐々に添加し、添加後1時間半攪拌を行った。酸で中和した後、吸引瀘過を行い、乾燥してパーフルオロアルキル化合物5%処理マイカを得た。
(CmF2m+1CH2CH2O)nP(=O)[ONH2(CH2CH2OH)2]3-n
(式中、m、nはそれぞれm=6〜18、2≧n≧1であり、平均分子量は954であり、パーフルオロアルキル基の平均分子量は619である。)
【0031】
製造比較例2〜6
製造比較例1と同様の方法で処理して、パーフルオロアルキル化合物5%処理タルク(製造比較例2:処理タルク)、パーフルオロアルキル化合物5%処理酸化チタン(製造比較例3:処理酸化チタン)、パーフルオロアルキル化合物3%処理ベンガラ(製造比較例4:処理ベンガラ)、パーフルオロアルキル化合物3%処理黄色酸化鉄(製造比較例5:処理黄色酸化鉄)、パーフルオロアルキル化合物1%処理シリカ(製造比較例6:処理シリカ)を得た。
【0032】
実施例1〜7及び比較例1〜3
表1に示す処方の油性固形ファンデーションを調製し、使用感(肌への付着性、のびのなめらかさ、きしみのなさ、べたつきのなさ、エモリエント感)、衣服への付着防止効果、化粧持ちについて下記の方法により評価した。その結果も併せて表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
注1:メチルハイドロジェンポリシロキサン処理(5%処理)
(製法)
A.成分20〜27を加熱溶解、混合する。
B.Aに成分1〜19を添加し、混合分散する。
C.Bに成分28〜30を添加混合する。
D.Cを加熱し、容器に充填して油性固形ファンデーションを得た。
【0035】
(評価方法)
10名の官能検査パネルにより下記の7段階(0〜6点)の絶対評価を行い、その平均点を更に4段階に分けて評価した。
(1)絶対評価
6点:非常に良い
5点:良い
4点:やや良い
3点:普通
2点:やや悪い
1点:悪い
0点:非常に悪い
(2)4段階評価
◎:5点を超える
○:3点を超えて5点以下
△:1点を超えて3点以下
×:1点以下
【0036】
表1の結果から明らかなように、本発明品である実施例1〜7の油性固形ファンデーションは、使用感、衣服への付着防止効果、化粧持ち等の全ての項目において、はるかに優れた特性を有していることがわかる。特に、本発明品は、粉っぽさが無くエモリエント感が良好で、衣服への付着防止効果と化粧持ちに優れていた。
【0037】
実施例8:スティック状口紅
(成分) (%)
1.マイクロクリスタリンワックス 9
2.キャンデリラワックス 6
3.パラフィンワックス 5
4.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
5.トリオクタン酸グリセリル 20
6.スクワラン 3
7.ジメチルシロキサン・メチルステアロキシ
シロキサン共重合体 5
8.グリセリン 0.1
9.ジプロピレングリコール 0.5
10.アルキル変性カルボキシビニルポリマー
(ペミュレンTR−I 注2) 0.1
11.赤色202号 3
12.黄色4号 1
13.製造例3の処理酸化チタン 3
14.製造例4の処理ベンガラ 0.5
15.美容成分 適量
16.香料 適量
注2:ペミュレンTR−I(B.F.グッドリッチ社製)
(製法)
成分1〜7を加熱溶解した後、成分11〜14を加えて均一分散し、成分8〜10及び成分15〜16を加えて混合し、加熱し、脱気して繰り出し容器に直接流し込み、冷却固化してスティック状口紅を得た。
本発明の実施例8のスティック状口紅は、使用感、衣服への付着防止効果、化粧もちに優れたものであった。
【0038】
実施例9:コンパクト口紅
(成分) (%)
1.トリオクタン酸グリセリル 5
2.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
3.オクタメチルシクロシロキサン 20
4.カルナウバワックス 5
5.ジメチルシロキサン・メチル
(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体 2
6.ジステアロキシジメチルポリシロキサン 15
7.製造例4の処理ベンガラ 1
8.赤色226号 2
9.製造例3の処理酸化チタン 3.5
10.精製水 2
(製法)
成分1〜6を加熱溶解し、成分7〜9を添加し、混合分散した後、成分10を加えて混合する。これを加熱し、皿容器に充填し、冷却してコンパクト口紅を得た。
本発明の実施例9のコンパクト口紅は、使用感、衣服への付着防止効果、化粧持ちに優れたものであった。
【0039】
実施例10:コンパクト日焼け止め
(製法)
成分7〜13を加熱溶解し、これに成分1〜6を添加し混合分散し、成分14を添加混合する。これを加熱し皿容器に充填し、冷却固化してコンパクト日焼け止めを得た。
本発明の実施例10の日焼け止め化粧料は、使用感、衣服への付着防止効果、化粧持ちに優れるものであった。
【0040】
実施例11:ステック状リップクリ−ム
(成分) (%)
1.ジメチルシロキサン・メチルステアロキシ
シロキサン共重合体 10
2.ジステアロキシジメチルポリシロキサン 25
3.キャンデリラワックス 5
4.セレシン 5
5.ヒマシ油 13
6.ワセリン 10
7.製造例8の処理オルガノポリシロキサン
エラストマーパウダー 0.5
8.アルキル変性カルボキシビニルポリマー
(ペミュレンTR−II 注3) 1
9.ポリオキシアルキレン・アルキル共変性
オルガノポリシロキサン
(ABIL EM−90 注4) 5
10.防腐剤 0.2
11.プロピレングリコール 7.8
12.精製水 17.5
注3:ペミュレンTR−II(B.F.グッドリッチ社製)
注4:ABIL EM−90(ゴールドシュミット社製)
(製造方法)
成分1〜6加熱溶解し、成分8〜12を添加混合した後、成分7を添加分散する。これを加熱し、容器に充填しステック状リップクリームを得た。
本発明の実施例11のリップクリームは、使用時感、衣服への付着性の防止効果、うるおい感の持続において優れたものであった。
【0041】
実施例12:スティック状アイシャドウ
(成分) (%)
1.マイクロクリスタリンワックス 8
2.ジベヘノキシジメチルポリシロキサン 10
3.ワセリン 7
4.ソルビタンセスキオレエート 1
5.ヒマシ油 残量
6.ジブチレングリコール 5
7.アルキル変性カルボキシビニルポリマー
(ペミュレンTR−I 注2) 1
8.パーフルオロポリエーテル
(FOMBRIN HC−25 注5) 3
9.製造例1の処理マイカ 3
10.製造例9の処理雲母チタン 2
11.赤色202号 1
12.製造例13の処理群青 2
13.保湿剤 適量
14.香料 適量
注5:FOMBRIN HC−25(アウシモント社製)
(製法)
成分1〜5を加熱溶解した後、成分6〜14を加えて混合分散し、加熱脱気して繰り出し容器に充填し、冷却固化してスティック状アイシャドウを得た。
本発明の実施例12のスティック状アイシャドウは、使用感、衣服への付着防止効果、化粧持ちに優れたものであった。
【0042】
実施例13:コンパクトアイライナー
(成分) (%)
1.ロジン酸ペンタエリトリット 5
2.カルナウバワックス 5
3.セレシンワックス 5
4.セスキオレイン酸ソルビタン 2
5.ジメチルシロキサン・メチルステアロキシ
シロキサン共重合体 37
6.オクタメチルシクロテトラシロキサン 10
7.デカメチルシクロペンタシロキサン 残量
8.有機変性ベントナイト 4
9.製造例14の処理黒色酸化鉄 10
10.製造例8の処理オルガノポリシロキサン
エラストマーパウダー 1
11.美容成分 適量
12.紫外線吸収剤 0.5
13.防腐剤 0.1
14.香料 適量
(製法)
成分1〜5を均一に加熱溶解し、成分6〜7を加えて混合し成分8〜14を添加し混合分散し、皿容器に充填し、コンパクトアイライナーを得た。
本発明品の実施例13のアイライナーは、使用感、化粧の持続性及び成型性に優れたものであった。
【0043】
【発明の効果】
本発明の油性固形化粧料は、肌や唇への付着性、のびのなめらかさ、塗布時のきしみ感のなさ、べたつきのなさ、エモリエント感等の使用感が良好であり、しかも、衣服等への付着防止効果に優れ、耐水性、耐汗性が良好なため化粧持ちに優れたものである。
Claims (3)
- 次の成分(a)及び(b);
(a)下記一般式(3)又は(4)で表わされ、分子量が300以上であるパーフ
ルオロポリエーテル基を有するパーフルオロポリエーテルアルキルリン酸又はそ
のジエタノールアミン塩で表面を処理した粉体
[C a F 2a+1 O(C 3 F 6 O) l (CF 2 O) n CF(X)(CH 2 ) d −
−(OCH 2 CH 2 ) r ] q OP(=O)(OH) 3-q …(3)
(但し、パーフルオロポリエーテル基の分子量は300以上であり、l/n=1
〜100であり、aは1〜10であり、dは0〜2であり、qは1又は2であ
り、rは1〜2であり、XはF又はCF 3 である。)
(HO) 2 (O=)PO(CH 2 CH 2 O) r CH 2 CF 2 O(CF 2 CF 2 O) m (C
F 2 O) n CF 2 CH 2 (OCH 2 CH 2 ) r OP(=O)(OH) 2 …(4)
(但し、パーフルオロポリエーテル基の分子量は300以上であり、m/n=0.
1〜50であり、rは1〜2である。)
(b)シリコーンワックス
とを含有することを特徴とする油性固形化粧料。 - 成分(b)のシリコーンワックスが下記一般式(5)
で表される化合物である請求項1記載の油性固形化粧料。 - 成分(b)のシリコーンワックスがジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性メチルポリシロキサン、ジベヘノキシジメチルポリシロキサンおよびジステアロキシジメチルポリシロキサンから選ばれる1種又は2種以上である請求項1または2記載の油性固形化粧料。
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