JP6286138B2 - フルクトオリゴ糖脂肪酸エステル、および、化粧料 - Google Patents
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本開示における化粧料の一態様は、油剤としての第1フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルと、ゲル化剤または皮膜形成剤としてのデキストリン脂肪酸エステル、および、ゲル化剤としての第2フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルの少なくとも一方とを含む。前記第1フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルは、フルクトオリゴ糖と、一般式R1COOHで示される脂肪酸とがエステル結合し、前記フルクトオリゴ糖の平均分子量が300以上10000以下であり、前記脂肪酸の炭化水素基R1は、アルキル基またはアルケニル基であって、前記炭化水素基R1には、炭素数が7以上11以下の直鎖炭化水素基、炭素数7以上17以下の分岐炭化水素基、および、炭素数7以上17以下の不飽和炭化水素基の少なくとも1つが含まれる。前記フルクトオリゴ糖一分子当たりの前記脂肪酸の置換率が65%以上100%以下であり、25℃にて液体状である。前記デキストリン脂肪酸エステルと、前記第2フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルとは、25℃にて固体状または樹脂状である。
上記態様によれば、フルクトオリゴ糖と脂肪酸とのエステルで構成された油剤であるため、例えば、アルコールやグリセリン等と脂肪酸とのエステルに比べて、より肌、髪、および、睫毛等に対する親和性の高い糖を用いている分、肌への付着性が高められる。しかも、フルクトースのオリゴ糖がエステルの構成材料として用いられるため、単糖や二糖が用いられる場合と比べて、フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルに占める糖鎖の分子量割合が大きい分、肌に対する付着性が高められる。
フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルは、フルクトオリゴ糖と脂肪酸とのエステルであり、下記化学式1に示される構造である。
置換率(%)=エステル価/(エステル価+水酸基価)×100
フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルの一例には、カプリル酸フルクトオリゴ糖、カプリン酸フルクトオリゴ糖、(カプリル/カプリン酸)フルクトオリゴ糖、ラウリン酸フルクトオリゴ糖、2−エチルヘキサン酸フルクトオリゴ糖、イソノナン酸フルクトオリゴ糖、イソステアリン酸フルクトオリゴ糖、(ラウリン酸/イソノナン酸)フルクトオリゴ糖が挙げられる。
フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルの状態は、フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルの合成に用いられるフルクトオリゴ糖の平均分子量、脂肪酸の炭素数、および、フルクトオリゴ糖一分子当たりの脂肪酸の置換率によって決まる。すなわち、フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルでは、フルクトオリゴ糖の平均分子量が大きくなるほど、フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルの粘度が高くなり、脂肪酸の炭素数が大きくなるほど、フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルの粘度が高くなる。なお、こうした傾向は、脂肪酸が直鎖であっても分岐鎖であっても共通し、脂肪酸が直鎖の飽和脂肪酸であって、かつ、炭素数が14である場合には、フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルは他の条件に関わらず固体である。また、フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルでは、フルクトオリゴ糖一分子当たりの置換率が低いほど、フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルの粘度が高くなる。
・カプリル酸フルクトオリゴ糖 分子量700 置換率95%
・ラウリン酸フルクトオリゴ糖 分子量700 置換率98%
・ラウリン酸フルクトオリゴ糖 分子量2000 置換率87%
・カプリル酸フルクトオリゴ糖 分子量8000 置換率85%
フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸が分岐鎖の飽和脂肪酸である場合には、フルクトオリゴ糖の分子量、脂肪酸の炭素数、および、フルクトオリゴ糖一分子当たりの置換率が以下の範囲に含まれれば、フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルは、25℃にて液体状である。
・フルクトオリゴ糖の分子量M 300≦M≦10000
・脂肪酸の炭素数C 8≦C≦18
・脂肪酸の置換率T 65%≦T≦100%
なお、例えば、以下に列記するフルクトオリゴ糖脂肪酸エステルは、25℃にて液体状である。
・イソノナン酸フルクトオリゴ糖 分子量700 置換率75%
・イソパルミチン酸フルクトオリゴ糖 分子量700 置換率85%
・イソステアリン酸フルクトオリゴ糖 分子量2000 置換率80%
・2−エチルヘキサン酸フルクトオリゴ糖 分子量8000 置換率77%
また、フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸が直鎖の不飽和脂肪酸である場合には、フルクトオリゴ糖の分子量、脂肪酸の炭素数、および、フルクトオリゴ糖一分子当たりの置換率が以下の範囲に含まれれば、フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルは、25℃にて液体状である。
・フルクトオリゴ糖の分子量M 300≦M≦10000
・脂肪酸の炭素数C 8≦C≦18
・脂肪酸の置換率T 65%≦T≦100%
なお、例えば、以下に列記するフルクトオリゴ糖脂肪酸エステルは、25℃にて液体状である。
・オレイン酸フルクトオリゴ糖脂肪酸エステル 分子量8000 置換率75%
・パルミトレイン酸フルクトオリゴ糖脂肪酸エステル 分子量2000 置換率90%
一方、フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸が直鎖の脂肪酸である場合には、フルクトオリゴ糖の分子量、脂肪酸の炭素数、および、フルクトオリゴ糖一分子当たりの置換率が以下の範囲に含まれれば、フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルは、25℃にて固体状である。
・ラウリン酸フルクトオリゴ糖 分子量700 置換率67%
・カプリン酸フルクトオリゴ糖 分子量4000 置換率75%
・カプリル酸フルクトオリゴ糖 分子量8000 置換率70%
・ラウリン酸フルクトオリゴ糖 分子量8000 置換率87%
なお、フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸が1種類である場合には、フルクトオリゴ糖の分子量、脂肪酸の炭素数、および、フルクトオリゴ糖一分子当たりの置換率に関わらず、25℃にて液体状であれば3つの条件はどのような組み合わせでもよい。
フルクトオリゴ糖と脂肪酸とを反応させてフルクトオリゴ糖脂肪酸エステルを合成する方法には、例えば、以下の方法が用いられる。すなわち、脂肪酸、脂肪酸クロライド、あるいは、脂肪酸無水物が、塩基性触媒の存在下で、フルクトオリゴ糖と反応する方法が用いられる。
化粧料は、上述したフルクトオリゴ糖脂肪酸エステルを含む、あるいは、上述した第1フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルとしてのフルクトオリゴ糖脂肪酸エステルと、ゲル化剤または皮膜形成剤であるデキストリン脂肪酸エステル、および、ゲル化剤である第2フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルとしてのフルクトオリゴ糖脂肪酸エステルの少なくとも1つとを含む。
デキストリンは、α−グルコースの重合体であり、デキストリンの平均分子量は、500以上20000以下であることが好ましい。デキストリンには、澱粉の加水分解物が用いられ、澱粉には、例えば、とうもろこし、小麦、米、甘藷、馬鈴薯、タピオカ、サゴ、緑豆、および、えんどう豆等から生成された澱粉が用いられる。あるいは、澱粉には、列記した植物以外から生成された澱粉が用いられる。なお、澱粉には、例えばアセチル化澱粉等の加工澱粉であっても、脂肪酸とのエステル化反応に影響しない程度に修飾率の低い加工澱粉であれば用いることができる。
ゲル化剤としてのフルクトオリゴ糖脂肪酸エステルは、フルクトオリゴ糖と脂肪酸とのエステルであり、フルクトオリゴ糖の平均分子量は、300以上10000以下であることが好ましい。
フルクトオリゴ糖と脂肪酸とを反応させてフルクトオリゴ糖脂肪酸エステルを合成する方法には、上述した油剤としてのフルクトオリゴ糖脂肪酸エステルと同様の方法が用いられる。
エステル油としては、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。
高級脂肪酸としてはオレイン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。
エモリエント剤としては天然動植物油、脂肪酸エステル、ラノリン及びその誘導体、高級アルコール、炭化水素油、リン脂質、脂肪酸類などが挙げられる。
防腐剤、抗菌剤としてはパラオキシ安息香酸エステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、サリチル酸、石炭酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
セラミド類としては、N−アシル化フィトスフィンゴシン、N−アシル化スフィンゴイド等が挙げられる。
[製法例1]
32.4g(フルクトース残基に換算して0.2mol)のバクモンドウエキスパウダー(一丸ファルコス株式会社製)に、76gのジメチルホルムアミドと、76g(0.96mol)のピリジンを加えて60℃に加熱し、溶液を撹拌することによって溶質を溶解した。溶液に対して、175g(0.8molであり、フルクトース残基の4倍量)のラウリン酸クロライドを60分間で滴下し、滴下の後に60分間にわたって溶液を撹拌した。
フルクトオリゴ糖として、平均分子量が約600であるチコリ由来のフルクトオリゴ糖(ラフティローズP−95、ベネオ社製)を27g用い、脂肪酸としてカプリル酸クロライドを120g用いる以外は、製法例1と同様の操作を行った。これにより、92gの25℃にて液体状であるチコリに由来するフルクトオリゴ糖カプリン酸エステル(試料2)を得た。フルクトオリゴ糖カプリン酸エステルにおける脂肪酸の置換率をエステル価および水酸基価を用いて算出したところ、置換率は、100%であることが認められた。
34gの平均分子量が約2600であるフルクトオリゴ糖、60gのカプリン酸クロライド、および、160gのイソパルミチン酸クロライドを用いる以外は製法例3と同様の操作を行った。これにより、150gの25℃にて液体状であるフルクトオリゴ糖(カプリン酸/イソパルミチン酸)エステル(試料3)を得た。フルクトオリゴ糖(カプリン酸/イソパルミチン酸)エステルにおける脂肪酸の置換率をエステル価および水酸基価を用いて算出したところ、100%であることが認められた。
フルクトオリゴ糖としてメイオリゴP(株式会社明治製)を34g用い、脂肪酸としてイソノナン酸クロライドを100g用いる以外は、製法例1と同様の操作を行った。これにより、34gの25℃にて液体状であるフルクトオリゴ糖イソノナン酸エステル(試料4)を得た。フルクトオリゴ糖イソノナン酸エステルにおける脂肪酸の置換率をエステル価および水酸基価を用いて算出したところ、75%であることが認められた。
22gの平均分子量が約2400であるチコリ由来のイヌリンに、100gの3−メチルピリジンを加え、50℃に加熱した状態で撹拌して、イヌリンを溶解した。イヌリンの溶解液に140gのイソステアリン酸クロライドを20分間で滴下し、滴下の後に2時間、溶液を撹拌した。フルクトオリゴ糖と脂肪酸との反応液をメタノールと水とを1対1で混合した300mlの溶液に加え、撹拌した後に静置し、デカンテーションによって上層を除去した。反応液をメタノールと水との混合液中に加えてデカンデーションを行う操作を3回繰り返した後、溶液を100℃にて減圧乾燥することによって、110gの25℃にて液体状であるイヌリンイソステアリン酸エステル(試料5)を得た。イヌリンイソステアリン酸エステルにおける脂肪酸の置換率をエステル価および水酸基価から算出したところ、85%であることが認められた。
[実施例1 フルクトオリゴ糖脂肪酸エステル]
上述の試料1から試料5について、20人のモニターが、2つの項目である肌に塗布したときのべたつきのなさ、および、付着性を評価した。評価は、良い(5点)、やや良い(4点)、普通(3点)、やや悪い(2点)、および、悪い(1点)の5段階とし、各項目の平均点を算出した。
上述の試料2を用いて、以下の方法、および、以下に示される配合によりO/Wクリームを作成した。O/Wクリームを作成するときには、まず、油相成分である成分(1)から成分(11)を混合して90℃に加熱することによって混合液を作成した。そして、混合液に対して、予め混合した後加熱によって溶解した水相成分である成分(12)から成分(15)を加えて乳化した。次いで、予め混合した成分(16)と成分(17)を加えて均一に混合した。
(1)試料2 5.0
(2)スクワラン 7.0
(3)ホホバ油 3.0
(4)パルミチン酸エチルヘキシル 5.0
(5)ステアリン酸 0.5
(6)ベヘニルアルコール 2.2
(7)ステアリン酸グリセリル(SE) 1.1
(8)セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.5
(9)ステアリン酸ポリグリセリル−10 1.2
(10)ジメチコン 0.1
(11)トコフェロール 0.1
(12)ブチレングリコール 8.0
(13)グリセリン 8.0
(14)1wt%水酸化ナトリウム水溶液 9.0
(15)水 31.3
(16)1wt%カルボキシビニルポリマー水溶液 16.0
(17)2wt%キサンタンガム水溶液 2.0
[実施例3 口紅]
上述の試料3を用いて、以下の方法、および、以下に示される配合により口紅を作成した。口紅を作成するときには、成分(1)から成分(10)を混合し、混合物を90℃に加熱することによって溶解した。そして、混合液を冷却することによって固形状の口紅を得た。
(1)試料4 30.0
(2)リンゴ酸ジイソステアリル 2.0
(3)トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 26.0
(4)ジフェニルジメチコン 3.0
(5)ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)
ジペンタエリスリチル 15.0
(6)キャンデリラワックス 3.0
(7)ポリエチレンワックス 2.0
(8)マイクロクリスタリンワックス 4.0
(9)セレシン 7.0
(10)色材ベース 8.0
[実施例4 アイシャドー]
上述の試料1を用いて、以下の方法、および、以下に示される配合によりアイシャドーを作成した。アイシャドーを作成するときには、成分(1)から成分(4)を混合して混合液1を作成した。一方、予め成分(5)から成分(9)を混合して混合物2を作成した。混合液1に混合物2を加えて混合した後、圧縮成型することによって固形状のアイシャドーを得た。
(1)試料1 6.0
(2)イソノナン酸イソトリデシル 1.0
(3)ジフェニルジメチコン 1.0
(4)セスキオレイン酸ソルビタン 2.0
(5)タルク 45.0
(6)マイカ 15.0
(7)セリサイト 5.0
(8)顔料 15.0
(9)パール顔料 10.0
[実施例5 美容オイル]
上述の試料1と試料2とを用いて、以下の方法、および、以下に示される配合により美容オイルを作成した。美容オイルを作成するときには、成分(1)から成分(3)を均一に混合した。
(1)試料1 38.0
(2)試料2 60.0
(3)テトラヘキシルデカン酸アスコルビル 2.0
実施例5の美容オイルでは、フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルが、0.1wt%以上99.8wt%以下の範囲で含まれることが好ましい。フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルの含有量が0.1wt%未満である場合には、フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルによるべたつきのなさや、肌に対する付着性のよさが得られなくなる。一方、フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルの含有量が99.8wt%を超える場合には、フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルの配合量が増える分だけ、美容成分である例えばテトラヘキシルデカン酸アスコルビルの配合量が減らされる。
上述の試料1から試料5、油剤である流動パラフィン、および、ゲル化剤としてのデキストリン脂肪酸エステルの1つであるパルミチン酸デキストリンを以下の割合で混合して組成物1から組成物5を作成した。また、比較例として、試料を含まない比較例1と、パルミチン酸デキストリンを含まない比較例2とを作成した。そして、20人のモニターによって、各組成物および各比較例を肌に塗ったときの以下の項目を評価し、各項目の平均値を算出した。
・試料1から試料5のいずれか 30wt%
・流動パラフィン 66wt%
・パルミチン酸デキストリン 4wt%
[比較例1]
・流動パラフィン 96wt%
・パルミチン酸デキストリン 4wt%
[比較例2]
・試料1 30wt%
・流動パラフィン 70wt%
評価した項目は、指に取ったときや肌に塗布するときに指から垂れ落ちない、および、肌への塗り拡げやすさ等としての塗りやすさ(A)、塗布するときの感触としての使用感の良さ(B)、および、肌に浸み込むような感触としての肌への付着性(C)の3つの項目である。各項目に対する評価は、良い(5点)、やや良い(4点)、普通(3点)、やや悪い(2点)、および、悪い(1点)の5段階とした。そして、各項目の平均点が4.5点を超える場合を非常に良好であることを示す「◎」とし、3.5点を超えかつ4.5点以下である場合を良好であることを示す「○」とした。平均点が1点を超えかつ3.5点以下である場合をやや不良であることを示す「△」とし、1点以下である場合を不良であることを示す「×」とした。
上述の試料2、試料3、および、試料5のいずれかと、皮膜形成剤としてのイソステアリン酸デキストリン、あるいは、ゲル化剤としてのステアリン酸フルクトオリゴ糖とを含む液状口紅を作成した。また、比較例3として油剤であるリンゴ酸ジイソステアリルと、皮膜形成剤としてのイソステアリン酸デキストリンとを含む液状口紅を作成した。なお、実施例および比較例のいずれもが、油剤、例えば、表3に示される成分(8)および成分(9)と、粉体、例えば、同じく表3に示される成分(10)から成分(13)の顔料とを含んでいる。
上述の試料2を用いて、以下の方法、および、以下に示される配合によりリップグロスを作成した。リップグロスを作成するときには、まず、成分(2)と成分(3)と成分(1)の一部とを混合して90℃に加熱しながら、油剤である成分(1)と成分(2)に対して成分(3)を溶解した。そして、成分(1)から成分(3)の混合液に対して、成分(1)の残り、成分(4)、および、成分(5)を加えて混合した。
(1)試料2 70.0
(2)ミリスチン酸デキストリン 10.0
(3)イソノナン酸イソニル 7.0
(4)水添ポリイソブテン 12.0
(5)色材 1.0
実施例8のリップグロスによれば、油剤としてリンゴ酸ジイソステアリルを用いた場合と比べて、べたつきが抑えられることが認められた。また、ゲル化剤としてデキストリン脂肪酸エステルを用いているため、ゲル化剤であるフルクトオリゴ糖脂肪酸エステルを用いる場合と比べて、リップグロスが白濁することを抑え、より透明度を高くすることができ、結果として、口紅に塗布したときの艶も高められることが認められた。
上述の試料3を用いて、以下の方法、および、以下に示される配合により油性クレンジングオイルジェルを作成した。油性クレンジングオイルジェルを作成するときには、まず、成分(2)から成分(5)を混合し、混合物を90℃に加熱することによって溶解した。そして、混合液に、成分(1)、成分(6)、および、成分(7)を添加して、これらを均一に混合した。次いで、成分(1)から成分(7)の混合液に成分(8)を少量ずつ攪拌しながら添加し、成分(1)から成分(8)の混合液を撹拌しながら室温まで冷却した。
(1)試料3 2.0
(2)(パルミチン酸/エチルへキサン酸)デキストリン 3.0
(3)イソノナン酸イソトリデシル 8.0
(4)エチルヘキサン酸セチル 51.0
(5)パルミチン酸エチルヘキシル 10.0
(6)ジオレイン酸ポリグリセリル−10 14.0
(7)セスキカプリル酸ポリグリセリル−2 6.0
(8)水 6.0
実施例9の油性クレンジングオイルジェルによれば、油剤としてミネラルオイルを用いた場合と比べて、使用者によって肌に塗布されたときに、べたつきのない感触、すなわち、しっとりした感触や滑りのよさを使用者に与えられることが認められた。また、ゲル化剤である(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)エステルによって粘度が付与されているため、ゲル化剤が含まれない構成と比べて、使用性が良好であることも認められた。
上述の試料4を用いて、以下の方法、および、以下に示される配合により口紅を作成した。口紅を作成するときには、まず、成分(2)から成分(8)を混合し、混合物を90℃に加熱することによって溶解した後、成分(1)、成分(9)、および、成分(10)を加えた。そして、成分(1)から成分(10)を均一に混合した混合液を作成し、混合液を冷却することによって固形状の口紅を得た。
(1)試料4 30.0
(2)イソステアリン酸デキストリン 10.0
(3)ステアリン酸イヌリン 7.0
(4)トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル 10.0
(5)ホホバ油 10.0
(6)ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 10.0
(7)キャンデリラロウ 9.0
(8)カルナウバワックス 4.0
(9)色材ベース 8.0
(10)パール剤 2.0
実施例10の口紅は、油剤としてリンゴ酸ジイソステアリルを用いた場合と比べて、べたつきがない、すなわち、使用者に対して軽い感触を与えることが認められた。加えて、実施例10の口紅は、唇に対する付着性が高められるために、使用者が唇に塗布したときにしっとりした感触を与えることが認められた。
上述の試料5を用いて、以下の方法、および、以下に示される配合によりパウダーファンデーションを作成した。パウダーファンデーションを作成するときには、まず、成分(2)から成分(4)を混合し、混合物を90℃に加熱することによって溶解した。そして、成分(1)、成分(5)、および、予め混合して粉砕した成分(6)から成分(12)を混合物に加えて冷却した後、固体状の混合物をミル機によって粉砕した。ミル機によって得られた粉体に対してプレス機を用いて圧力を加えることによって、ペレット状のパウダーファンデーションを得た。
(1)試料5 1.0
(2)スクワラン 3.0
(3)ワセリン 1.0
(4)(パルミチン酸/ステアリン酸)デキストリン 1.0
(5)(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 4.0
(6)オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム 9.0
(7)セリサイト 28.8
(8)硫酸バリウム 6.0
(9)シリコーン処理顔料 10.7
(10)シリコーン処理タルク 30.0
(11)窒化ホウ素 4.0
(12)ミリスチン酸亜鉛 1.5
実施例11のパウダーファンデーションは、油剤としてスクワランを用いた場合と比べて、肌に対する付着性が高められるにもかかわらず、肌に塗布されたときに使用者に対してべたつきを感じさせないことが認められた。また、実施例7のパウダーファンデーションによれば、同じくスクワランを用いた場合と比べて、使用者に対してパウダーファンデーションを肌に塗布するときに、心地よく感じる程度の重さであるリッチな感触を与えることも認められた。
上述の試料5を用いて、以下の方法、および、以下に示される配合により油性ファンデーションを作成した。油性ファンデーションを作成するときには、まず、成分(2)から成分(4)を混合し、混合物を90℃に加熱することによって溶解した。そして、成分(1)、および、成分(5)から成分(8)を混合物に加えて冷却した後、固体状の混合物をミル機によって粉砕した。粉砕した混合物を80℃に加熱した後、混合物を容器に充填して油性ファンデーションを得た。
(1)試料5 20.0
(2)ステアリン酸イヌリン 1.5
(3)パルミチン酸デキストリン 4.5
(4)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 31.0
(5)カオリン 10.7
(6)(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー 10.0
(7)酸化チタン 20.0
(8)酸化鉄、赤、黄、黒 2.3
実施例12の油性ファンデーションは、油剤としてジフェニルシロキシフェニルトリメチコンを用いた場合と比べて、肌に対する付着性が高められるにもかかわらず、肌に塗布されたときに使用者に対してべたつきを感じさせないことが認められた。また、実施例8の油性ファンデーションによれば、同じくジフェニルシロキシフェニルトリメチコンを用いた場合と比べて、使用者に対してリッチな感触を与えることも認められた。
上述の試料4を用いて、以下の方法、および、以下に示される配合によりO/W乳化型ファンデーションを作成した。O/W乳化型ファンデーションを作成するときには、まず、油相成分である成分(1)から(11)を混合して90℃に加熱し、予め混合し加熱溶解した水相成分である成分(12)から成分(16)と、水相成分である成分(17)の一部とを加えて乳化した。次いで、予め混合した(17)の残りと(18)から(21)を乳化液に加えて均一に混合した。
(1)試料4 8.0
(2)パルミチン酸デキストリン 1.0
(3)イソステアリン酸デキストリン 0.5
(4)ステアリン酸 1.0
(5)ステアリン酸グリセリル 0.5
(6)ベヘニルアルコール 1.0
(7)ポリソルベート80 0.8
(8)セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.5
(9)スクワラン 3.0
(10)トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル 5.3
(11)ホホバ油 3.0
(12)ブチレングリコール 15.0
(13)グリセリン 3.0
(14)水酸化ナトリウム 0.1
(15)カルボキシビニルポリマー 0.1
(16)キサンタンガム 0.02
(17)水 43.28
(18)水添レシチン 1.6
(19)酸化チタン 6.0
(20)酸化鉄 1.3
(21)マイカ 5.0
実施例13のO/W乳化型ファンデーションによれば、油剤としてミネラルオイルを用いた場合と比べて、べたつきを抑えながら、肌に対する付着性が高められることが認められた。
上述の試料1を用いて、以下の方法、および、以下に示される配合によりW/O乳化型ファンデーションを作成した。W/O乳化型ファンデーションを作成するときには、まず、成分(1)から成分(3)、成分(4)の一部、および、成分(5)を混合し、加熱して溶解することによって、混合液を作成した。予め加熱して溶解した成分(10)から成分(12)を混合液に加え、ホモミキサーで攪拌することによって溶液を乳化した。乳化液を冷却した後、予め混合した成分(4)の残りと成分(6)から成分(9)を乳化液に加えた。
(1)試料1 2.0
(2)(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン 2.0
(3)イソノナン酸イソトリデシル 3.0
(4)シクロメチコン 15.0
(5)ジメチコンコポリオール 2.0
(6)シリコーン処理マイカ 10.0
(7)シリコーン処理酸化チタン 8.0
(8)シリコーン処理酸化鉄 2.3
(9)ポリメタクリル酸メチル 8.0
(10)塩化ナトリウム 1.0
(11)ブチレングリコール 7.0
(12)水 39.7
実施例14のW/O乳化型ファンデーションによれば、油剤としてリンゴ酸ジイソステアリルを用いた場合と比べて、べたつきを抑えながら、肌に対する付着性が高められることが認められた。
上述の試料1を用いて、以下の方法、および、以下に示される配合によりクリームアイライナーを作成した。クリームアイライナーを作成するときには、まず、成分(2)から成分(5)を混合し、混合物を90℃に加熱することによって溶解した。そして、混合液に対して成分(1)と、予め混合して粉砕した成分(6)および成分(7)を加えて、均一に混合した。
(1)試料1 8.0
(2)パルミチン酸デキストリン 8.0
(3)イソステアリン酸デキストリン 3.0
(4)水添ロジン酸ペンタエリスリチルイソステアリン酸オクチルドデシル 6.0
(5)ドデカン 27.0
(6)黒酸化鉄 27.0
(7)マイカ 21.0
実施例15のクリームアイライナーによれば、油剤としてリンゴ酸ジイソステアリルを用いた場合と比べて、肌への付着性が高められることが認められた。更には、実施例15のクリームアイライナーによれば、付着性が高いために、使用者が瞼の縁に線を描いたときの描きやすさが高められることが認められた。
上述の試料2を用いて、以下の方法、および、以下に示される配合によりマスカラを作成した。マスカラを作成するときには、まず、成分(1)から成分(10)を加熱して均一に溶解することによって混合液1を作成した。そして、混合液1に成分(11)から成分(13)を添加した後、混合液1をディスパーによって攪拌した。混合液1を室温まで冷却することによってマスカラを得た。
(1)試料2 1.0
(2)パルミチン酸デキストリン 10.0
(3)ポリエチレン 5.0
(4)マイクロクリスタリンワックス 1.0
(5)キャンデリラロウ 1.0
(6)イソドデカン 47.95
(7)イソステアリン酸デキストリン 6.0
(8)トコフェロール 0.05
(9)トリメチルシロキシケイ酸 8.0
(10)クオタニウム−18ベントナイト 5.0
(11)酸化鉄 5.0
(12)タルク 6.0
(13)ナイロン−12 4.0
実施例16のマスカラによれば、油剤としてリンゴ酸ジイソステアリルを用いた場合と比べて、ワックス量を減らしつつマスカラの硬度を高めることができるため、ファイバーである成分(13)が分散されやすくなることが認められた。また、ファイバーの分散性が高いために、使用者がマスカラを睫に塗布した場合に、睫同士がマスカラによって付着しにくく、結果として、隣り合う睫が離れた状態になること、および、マスカラが睫毛に沿って塗り拡げられやすく、塊を形成しにくいことが認められた。すなわち、仕上がりがよくなることが認められた。
上述の試料5を用いて、以下の方法、および、以下に示される配合によりアイシャドーを作成した。アイシャドーを作成するときには、まず、成分(6)から成分(13)を混合してミル機で粉砕する一方、成分(1)から成分(5)を混合し、混合物を90℃に加熱することによって溶解した。そして、成分(6)から成分(13)の粉体を混合液に加え、かつ、成分(14)を混合液に加えて、均一に混合した。次いで、これらの混合液を70℃にて4時間以上乾燥させた後、固形物をミル機によって粉砕した。最後に、ミル機によって得られた粉体をプレス機で加圧することによって、ペレット状のアイシャドーを得た。
(1)試料5 2.0
(2)スクワラン 4.0
(3)ワセリン 1.8
(4)イソステアリン酸デキストリン 2.0
(5)ミリスチン酸デキストリン 0.2
(6)オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム 10.0
(7)マイカ 20.0
(8)タルク 20.0
(9)パール剤 20.0
(10)着色マイカ 10.0
(11)ポリメタクリル酸メチル 7.0
(12)酸化チタン 2.0
(13)酸化鉄 1.0
(14)イソパラフィン 40.0
実施例17のアイシャドーによれば、油剤としてリンゴ酸ジイソステアリルを用いた場合と比べて、肌への付着性が高められ、肌からの剥がれが抑えられること、すなわち、化粧もちがよいことが認められた。
上述の試料2を用いて、以下の方法、および、以下に示される配合によりサンスクリーンバームを作成した。サンスクリーンバームを作成するときには、まず、成分(2)から成分(4)の混合物を90℃に加熱することによって溶解した後、成分(1)、および、成分(5)から成分(8)を混合液に加えて、均一に混合した。そして、混合液を75℃に加熱した状態で、予め混合した成分(9)から成分(11)を加え、ホモミキサーを用いてこれらを乳化させた。
(1)試料2 5.0
(2)パルミチン酸デキストリン 2.0
(3)ステアリン酸イヌリン 8.0
(4)スクワラン 7.0
(5)(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー 2.0
(6)酸化亜鉛 10.0
(7)PEG−10ジメチコン 1.5
(8)シクロペンタシロキサン 24.0
(9)1,3−ブチレングリコール 4.0
(10)グリセリン 5.5
(11)水 31.0
実施例18のサンスクリーンバームによれば、油剤としてリンゴ酸ジイソステアリルを用いた場合と比べて、肌への付着性が高められつつ、肌に塗布された場合に、べたつきがなくさらさらとした感触を使用者に与えることが認められた。
上述の試料1を用いて、以下の方法、および、以下に示される配合により美容オイルを作成した。美容オイルを作成するときには、成分(1)から成分(3)を均一に混合した。
(1)試料1 10.0
(2)スクワラン 88.0
(3)テトラヘキシルデカン酸アスコルビル 2.0
実施例19の美容オイルによれば、ミネラルオイルを用いた場合と比べて、べたつきが抑えられつつ、肌への付着性が高められることが認められた。
各実施例にて用いられる油剤としてのフルクトオリゴ糖脂肪酸エステルは、以下の条件を満たし、かつ、25℃にて液体状であるものであれば、各実施例に記載の試料以外のものを用いてもよい。すなわち、フルクトオリゴ糖とエステル結合を形成する脂肪酸は、上述した脂肪酸のうち、1つ以上を選択することができる。また、各フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルが、各実施例に記載された分量で化粧料中に配合される限りは、上述と同等の効果を得ることが可能である。
・フルクトオリゴ糖の分子量M 300≦M≦10000
・脂肪酸の炭素数C 直鎖飽和 8≦C≦12
分岐鎖飽和 8≦C≦18
不飽和 8≦C≦18
・脂肪酸の置換率T 65%≦T≦100%
なお、フルクトオリゴ糖一分子当たりの脂肪酸の置換率が、95%以上100%以下であれば、水酸基の数が少ない分だけ、置換率が65%以上95%未満である場合と比べて、各実施例における化粧料のべたつきを抑えることができる。
更に、各実施例では、ゲル化剤または皮膜形成剤としてのデキストリン脂肪酸エステルでも、デキストリンとエステル結合を形成する脂肪酸は、上述した脂肪酸のうち、1つ以上を選択することができる。また、デキストリン脂肪酸エステルには、相互に異なる脂肪酸を含むデキストリン脂肪酸エステルが2種以上用いられてもよい。また、各実施例では、ゲル化剤としてのフルクトオリゴ糖脂肪酸エステルでも、フルクトオリゴ糖とエステル結合を形成する脂肪酸は、上述した脂肪酸のうち、1つ以上を選択することができる。また、フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルには、相互に異なる脂肪酸を含むフルクトオリゴ糖脂肪酸エステルが2種以上用いられてもよい。
(1)肌に対する親和性の高い糖を用い、しかも、フルクトースのオリゴ糖がエステルの構成材料として用いられるため、単糖や二糖が用いられる場合と比べて、糖鎖の分子量が大きい分、肌に対する付着性が高められる。加えて、脂肪酸の置換率を95%以上という高い置換率とすることで、肌に対する付着性を保ちつつ、油剤であるフルクトオリゴ糖脂肪酸エステルのべたつきを抑えることができる。
Claims (5)
- 複数のフルクトースのみ、または、複数のフルクトースおよび1つのグルコースのみから構成されるフルクトオリゴ糖と、
一般式R1COOHで示される脂肪酸とがエステル結合し、
前記フルクトオリゴ糖の平均分子量が600以上10000以下であり、
前記脂肪酸の炭化水素基R1は、アルキル基またはアルケニル基であって、前記炭化水素基R1には、炭素数が7以上11以下の直鎖状の飽和炭化水素基、炭素数7以上17以下の分岐鎖状の炭化水素基、および、炭素数7以上17以下の不飽和炭化水素基の少なくとも1つが含まれ、
前記フルクトオリゴ糖一分子当たりの前記脂肪酸の置換率が95%以上100%以下であり、
25℃にて液体状である
フルクトオリゴ糖脂肪酸エステル。 - 前記フルクトオリゴ糖一分子当たりの前記脂肪酸の置換率が97%以上100%以下である
請求項1に記載のフルクトオリゴ糖脂肪酸エステル。 - 油剤を0.1重量%以上99.8重量%以下の範囲で含み、
前記油剤が請求項1または2に記載のフルクトオリゴ糖脂肪酸エステルである
化粧料。 - 油剤としての第1フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルと、
ゲル化剤または皮膜形成剤としてのデキストリン脂肪酸エステル、および、ゲル化剤としての第2フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルの少なくとも一方とを含み、
前記第1フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルは、
複数のフルクトースのみ、または、複数のフルクトースおよび1つのグルコースのみから構成されるフルクトオリゴ糖と、
一般式R1COOHで示される脂肪酸とがエステル結合し、
前記フルクトオリゴ糖の平均分子量が600以上10000以下であり、
前記脂肪酸の炭化水素基R1は、アルキル基またはアルケニル基であって、前記炭化水素基R1には、炭素数が7以上11以下の直鎖状の飽和炭化水素基、炭素数7以上17以下の分岐鎖状の炭化水素基、および、炭素数7以上17以下の不飽和炭化水素基の少なくとも1つが含まれ、
前記第1フルクトオリゴ糖一分子当たりの前記脂肪酸の置換率が95%以上100%以下であり、
25℃にて液体状であり、
前記デキストリン脂肪酸エステルと前記第2フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルとは、25℃にて固体状または樹脂状である
化粧料。 - 前記第1フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルが、0.5重量%以上90重量%以下の範囲で含まれ、
前記デキストリン脂肪酸エステルおよび前記第2フルクトオリゴ糖脂肪酸エステルが、総量で0.5重量%以上30重量%以下の範囲で含まれる
請求項4に記載の化粧料。
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