JP4180404B2 - 燃料電池、酸化剤配流板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は配流板を有する燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保護、エネルギ等の面から燃料電池が着目されている。一般に、燃料電池は、酸化剤及び燃料に基づいて発電を行うものである。燃料電池は、膜・電極接合体(以下、MEAともいう)を有する。膜・電極接合体は、イオン伝導性をもつ電解質膜と、電解質膜の厚み方向の一方側に設けられた燃料極と、電解質膜の厚み方向の他方側に設けられた酸化剤極とを有する。更に燃料電池は、燃料極に燃料を供給する燃料流路を形成する燃料配流板と、酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路を形成する酸化剤配流板とを備える。一般的には、酸化剤配流板及び燃料配流板は、ガスリークが生じないように、多孔質体ではなく緻密体で形成されている。
【0003】
上記した燃料電池によれば、イオン伝導性をもつ電解質膜が過剰乾燥すると、電解質膜のイオン伝導性が低下する。そこで電解質膜の過剰乾燥を抑える必要がある。上記した従来の燃料電池によれば、燃料電池に供給される前の酸化剤ガスあるいは燃料をバブラー等の外部加湿装置により積極的に加湿させることが行われている。
【0004】
また、近年、細孔をもつ多孔質体で酸化剤配流板、燃料配流板を形成した固体高分子型燃料電池も開発されている。このものによれば、液相としての水を酸化剤配流板の細孔、燃料配流板の細孔に浸透させてMEAに供給すると共に、水を酸化剤配流板の細孔、燃料配流板の細孔に浸透させて細孔を封止し、細孔からのガスリークを抑えている。
【0005】
上記したように細孔をもつ多孔質体を備えた燃料電池として、特許文献1には、燃料配流板を多孔質体で形成すると共に、酸化剤配流板を多孔質体で形成し、更に燃料配流板の裏面側に通水路を形成すると共に、酸化剤配流板の裏面側に通水路を形成した固体高分子型燃料電池が開示されている。この特許文献1によれば、各通水路の水を多孔質の燃料配流板の細孔、酸化剤配流板の細孔を介してMEA側に供給することができ、電解質膜の過剰乾燥を抑制することができる。
【0006】
また特許文献2には、多数の細孔をもつ導電性多孔質体で親水性をもつ燃料配流板を形成すると共に、燃料配流板の裏面側には、MEAと背向する位置に、疎水性をもつ導電性多孔質体で形成した加湿水透過体を配置した固体高分子型燃料電池が開示されている。この特許文献2によれば、加湿水透過体に保持されている液相としての水は、導電性多孔質体で形成された燃料配流板の細孔を経てMEA側に浸透し、電解質の過剰乾燥を抑える。このものによれば、燃料配流板は親水性をもつので、燃料配流板の細孔には液相としての水が効率よく浸透し、細孔を封止するとされている。
【0007】
また特許文献3、4には、空気配流板及び燃料配流板を多孔質構造とした固体高分子型燃料電池が開示されている。このものによれば、空気極側で生成した水を空気配流板にこれの方向に通過させ、空気配流板の背面側の通水路に供給する。そして燃料通路の燃料ガス圧を調整することにより、当該通水路の水を燃料配流板にこれの厚み方向に通過させて燃料通路に供給し、燃料を加湿することにしている。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−338338号
【特許文献2】
特許番号第2922132号(特開平8−250130号公報)
【特許文献3】
米国特許公報 5、853、909
【特許文献4】
米国特許公報 5、700、595
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記した燃料電池によれば、酸化剤配流板は、MEAに背向する背向流路と、MEAに対向するように背向流路に表裏の関係で形成された反応流路との双方に酸化剤ガスを通す方式のものではない。同様に、燃料配流板は、MEAに背向する背向流路と、MEAに対向するように背向流路に表裏の関係で形成された反応流路との双方に燃料ガスを通す方式のものではない。
【0010】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、配流板の背向流路から、その表裏の関係にある反応流路に流れる方式を採用した燃料電池及び酸化剤配流板を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る燃料電池は、イオン伝導性を有する電解質膜と、電解質膜の厚み方向の一方の片側に設けられた酸化剤極と、電解質膜の厚み方向の他方の片側に設けられた燃料極とをもつ膜・電極接合体と、酸化剤極に対向して設けられ酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤配流板と、燃料極に対向して設けられ燃料極にガス状の燃料を供給する燃料配流板とを具備する燃料電池において、
酸化剤配流板及び燃料配流板のうちの少なくとも一方は、
膜・電極接合体に背向する背向面に形成された背向流路と、膜・電極接合体に対向する対向面に形成され背向流路に連通すると共に背向流路を流れた酸化剤ガスまたは燃料が流れる反応流路とを有しており、
背向流路および反応流路は配流板において表裏の関係に設定されており、
背向流路の終部は反応流路の始部に連通しており、且つ、
酸化剤配流板の背向流路における下流領域と、酸化剤配流板の反応流路における上流領域とは、酸化剤配流板の厚み方向において互いに対向するように、酸化剤配流板の表裏の関係に設定されており、且つ、
酸化剤配流板及び/または燃料配流板のうち反応流路の少なくとも下流領域は、これの厚み方向に、液相状の水または水蒸気を含む水分を透過させる水分透過性およびガス透過性を有するように多孔質化されていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る酸化剤配流板は、燃料電池の膜・電極接合体の酸化剤極に対向して設けられ酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤配流板において、
膜・電極接合体に背向する背向面に形成され酸化剤ガスが流れる背向流路と、膜・電極接合体に対向する対向面に形成されると共に背向流路に連通すると共に背向流路を流れた酸化剤ガスが流れる反応流路とを有しており、
背向流路および反応流路は配流板において表裏の関係に設定されており、
背向流路の終部は反応流路の始部に連通しており、且つ、
酸化剤配流板の背向流路における下流領域と、酸化剤配流板の反応流路における上流領域とは、酸化剤配流板の厚み方向において互いに対向するように、酸化剤配流板の表裏の関係に設定されており、且つ、
酸化剤配流板の反応流路の少なくとも下流領域は、これの厚み方向に、液相状の水または水蒸気を含む水分を透過させる水分透過性およびガス透過性を有するように多孔質化されていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明に係る燃料電池、本発明に係る酸化剤配流板によれば、酸化剤配流板及び燃料配流板のうちの少なくとも一方は、膜・電極接合体に背向する背向面に形成された背向流路と、膜・電極接合体に対向する対向面に形成され背向流路に連通すると共に背向流路を流れた酸化剤ガスが流れる反応流路とを有する。背向流路の終部は反応流路の始部に連通しており、且つ、配流板の反応流路の少なくとも下流領域は、これの厚み方向に、液相状の水または水蒸気を含む水分を透過させる水分透過性およびガス透過性を有するように多孔質化されている。
【0014】
背向流路と反応流路は配流板において表裏の関係にある。そして、酸化剤ガスまたは燃料は、背向流路を流れた後に、その表裏の関係にある反応流路を流れる。
【0015】
【発明の実施の形態】
・本発明によれば、酸化剤配流板及び燃料配流板のうちの少なくとも一方は、膜・電極接合体に背向する背向面に形成された背向流路と、膜・電極接合体に対向する対向面に形成され背向流路に連通すると共に背向流路を流れた酸化剤ガスまたは燃料が流れる反応流路とを有する。背向とは背中合わせという意味である。対向とは向き合うという意味である。背向流路及び反応流路は配流板において表裏の関係にあり、互いに連通しており、酸化剤ガスや燃料ガスは背向流路を流れた後に反応流路を流れ、発電反応に使用される。
【0016】
従って、酸化剤配流板は、膜・電極接合体に背向する背向面に形成され酸化剤ガスの流路入口側に繋がる背向流路と、膜・電極接合体に対向する対向面に形成され背向流路に連通すると共に背向流路を流れた酸化剤ガスが流れる反応流路とを有する形態を採用できる。酸化剤ガスとしては空気などの酸素含有ガスを例示できる。
【0017】
また、燃料配流板は、膜・電極接合体に背向する背向面に形成され燃料の流路入口側に繋がる背向流路と、膜・電極接合体に対向する対向面に形成され背向流路に連通すると共に背向流路を流れた燃料が流れる反応流路とを有する形態を採用できる。燃料としては水素ガス等の水素含有ガスを例示できる。
【0018】
・本発明によれば、背向流路を流れる酸化剤ガスまたはガス状の燃料を燃料電池内において加湿する加湿要素を設けることができる。この場合、加湿要素によって、酸化剤配流板及び燃料配流板のうちの少なくとも一方の背向流路を流れる酸化剤ガスまたは燃料は、燃料電池内において加湿される。これにより反応面で発電反応を行う酸化剤ガスまたは燃料の水分が確保される。ひいては電解質の過剰乾燥が抑制される。このため、電解質のイオン伝導性が確保され、燃料電池の発電性能が良好に確保される。前記した加湿要素は燃料電池の内部で加湿するものである。加湿要素は、酸化剤配流板のうち少なくとも一部を水分透過性およびガス透過性を有するように多孔質化することにより構成されている。前記一部は、酸化剤配流板の反応流路の下流領域とする。また、酸化剤配流板の全体が多孔質化されて加湿要素を構成していても良い。場合によっては、酸化剤配流板の反応流路のうち上流領域を緻密化させることもできる。
【0019】
本発明によれば、加湿要素は、燃料配流板のうち少なくとも一部を多孔質化することにより構成されている形態を例示できる。前記一部は、燃料配流板の反応流路の下流領域とする。また燃料配流板の全体が水分透過性およびガス透過性を有するように多孔質化されて加湿要素を構成していても良い。場合によっては、燃料配流板の反応流路のうち上流領域を緻密化させることもできる。
【0020】
・本発明によれば、発電反応により燃料電池内で生成した生成水を燃料電池内で有効利用することにより、MEAの反応面に供給される前の酸化剤ガス及び/または燃料を燃料電池内において加湿することができる、いわば『セル内部自己加湿構造』を採用することができる。
【0021】
・本発明によれば、酸化剤配流板の気孔率は、反応流路の下流領域が反応流路の上流領域よりも相対的に大きくされている形態を例示できる。これにより反応流路の下流領域に溜まっている水分を酸化剤配流板の厚み方向に透過させ、背向流路の酸化剤ガスを加湿させるのに有利となる。また、背向流路の酸化剤ガスの活物質を酸化剤配流板の厚み方向に透過させ、反応流路の下流領域に補給するのに有利となる。なお、反応流路の下流領域及び上流領域は、反応流路における相対的な位置を示すものである。反応流路の下流領域は、一般的には、反応流路の流路長のうち下流側半分をいう。反応流路の上流領域は、一般的には、反応流路の流路長のうち上流側半分をいう。
【0022】
・本発明によれば、燃料配流板の気孔率は、反応流路の下流領域が反応流路の上流領域よりも相対的に大きくされている形態を例示できる。これにより反応流路の下流領域に溜まっている水分を燃料配流板の厚み方向に透過させ、背向流路の燃料を加湿させるのに有利となる。また、背向流路の燃料の活物質を燃料配流板の厚み方向に透過させ、反応流路の下流領域に補給するのに有利となる。
【0023】
・本発明によれば、酸化剤配流板のうち膜・電極接合体に背向する側に設けら冷媒を流す冷媒配流板を有する形態を例示できる。この場合、加湿要素は、冷媒配流板のうち少なくとも一部を多孔質化することにより構成されている形態を例示できる。冷媒配流板の全体が多孔質化されて加湿要素を構成していても良い。冷媒としては冷却水または冷却ガスを例示できる。
【0024】
・本発明によれば、上記したように酸化剤配流板は細孔を有することができる。細孔径としては適宜選択でき、0.1〜200μm、0.1〜100μm、殊に0.1〜30μm、2〜15μm、更に3〜4μmを例示できるが、これらに限定されるものではない。酸化剤配流板の気孔率としては適宜選択できるが、体積比で10〜90%、15〜60%、殊に20〜40%とすることができる。但し細孔径、気孔率は上記した範囲に限定されるものではない。また上記したように燃料配流板は細孔を有することができる。細孔径としては適宜選択でき、0.1〜200μm、0.1〜100μm、殊に0.1〜30μm、2〜15μm、更に3〜4μmを例示できるが、これらに限定されるものではない。燃料配流板の気孔率としては適宜選択できるが、体積比で10〜90%、15〜60%、殊に20〜40%とすることができる。但し細孔径、気孔率は上記した範囲に限定されるものではない。
【0025】
・本発明によれば、上記したように酸化剤配流板及び/または燃料配流板は、細孔を有することができる。酸化剤配流板及び/または燃料配流板は、親水性を有していても良いし、疎水性を有していても良い。親水性を有する場合には、MEAに対向する対向面において、毛細管現象を利用すべく、酸化剤ガスの流れの下流の細孔径を相対的に小さくすると共に、酸化剤ガスの流れの上流の細孔径を相対的に大きくする形態を例示できる。この場合、細孔径を段階的にまたは連続的に変化させることができる。
【0026】
また、酸化剤配流板及び/または燃料配流板が疎水性を有する場合には、MEAに対向する対向面において、水蒸気圧を調整すべく、酸化剤ガスの流れの下流の細孔径を相対的に大きくすると共に、酸化剤ガスの流れの上流の細孔径を相対的に小さくする形態を例示できる。この場合においても、細孔径を段階的にまたは連続的に変化させることができる。
【0027】
・本発明によれば、酸化剤配流板の細孔径は、反応流路の下流領域から反応流路の上流領域にかけて実質的に均一である第1構成、反応流路の下流領域が反応流路の上流領域よりも相対的に小さくされている第2構成、反応流路の下流領域が反応流路の上流領域よりも相対的に大きくされている第3構成のうちのいずれかに設定されている形態を例示できる。
【0028】
・本発明によれば、燃料配流板の細孔径は、反応流路の下流領域から反応流路の上流領域にかけて実質的に均一である第1構成、反応流路の下流領域が反応流路の上流領域よりも相対的に小さくされている第2構成、反応流路の下流領域が反応流路の上流領域よりも相対的に大きくされている第3構成のうちのいずれかに設定されている形態を例示できる。
【0029】
・燃料電池としては、車載用、定置用、ポータブル用、家庭用、業務用等を問わない。
【0030】
【実施例】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1を参照して説明する。図1は本実施例に係る固体高分子型燃料電池の概念図であり、電解質膜11の厚み方向に沿った断面を模式的に示す。図1に示すように、本実施例に係る固体高分子型燃料電池のMEA1は、プロトン伝導性を有する高分子材料で形成された電解質膜11と、電解質膜11の厚み方向の一方側に設けられ酸化反応を行うアノードとも呼ばれる燃料極12と、電解質膜11の厚み方向の他方側に設けられ還元反応を行うカソードとも呼ばれる酸化剤極15(空気極ともいう)とを有する。
【0031】
更に、固体高分子型燃料電池は、図1に示すように、MEA1の燃料極12の対向するように外側に設けられ燃料極12にガス状の燃料(一般的には水素ガス等の水素含有ガス)を流す燃料配流板4と、MEA1の酸化剤極15に対向するように酸化剤極15の外側に配置され酸化剤極15に酸化剤ガス(一般的には空気等の酸素含有ガス)を流す酸化剤配流板3とを有する。
【0032】
図1に示すセル構造が厚み方向に多数積層されて固体高分子型燃料電池が形成される。図1ではMEA1、燃料配流板4、酸化剤配流板3等は縦方向に沿って図示されているが、図1は概念図であり、水平方向に沿って配置されていても良い。
【0033】
図1において、MEA1の酸化剤極15は、多孔質性及び導電性をもつカーボン系の第1ガス拡散層16と、触媒を主要成分とする多孔質性及び導電性をもつ第1触媒層17とを有する。MEA1の燃料極12は、多孔質性及び導電性をもつカーボン系の第2ガス拡散層13と、触媒を主要成分とする多孔質性及び導電性をもつ第2触媒層14とを有する。触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、金、銀等のうちの少なくとも1種を例示できる。
【0034】
酸化剤配流板3は、酸化剤/酸化剤・配流板、または、空気/空気・配流板とも呼ばれるものである。酸化剤配流板3は、これの厚み方向に透過性を有するように連通する連通孔となりうる多数の細孔をもつ多孔質体で形成されており、多孔質性及び導電性を有し、一般的にはカーボン系材料を基材とする。
【0035】
図1に示すように、酸化剤配流板3は、MEA1のカソード側の反応面1cに背向する背向面に形成された第1背向流路31と、MEA1のカソード側の反応面1cに直接対向する対向面に形成された第1反応流路32とを有する。第1背向流路31は酸化剤ガスの入口である第1流路入口33に連通すると共に、第1冷媒流路50に対面している。第1反応流路32は酸化剤ガスの出口である第1流路出口34に連通する。
【0036】
図1に示すように、第1背向流路31の終部31fは、第1反応流路32の始部32sに連通するため、第1背向流路31を流れた酸化剤ガスは、終部31f、始部32sを経て第1反応流路32に流れる。
【0037】
本実施例によれば、図1に示すように、酸化剤配流板3の第1背向流路31を流れる酸化剤ガスを加湿する第1加湿要素T1が設けられている。第1加湿要素T1は、酸化剤配流板3のうちMEA1の反応面1cに対向する壁部分を多孔質化することにより構成されている。従って酸化剤配流板3には透過性を有する多数の細孔が形成されている。細孔により、酸化剤配流板3はその厚み方向(矢印X1、X2方向)に水分透過性及びガス透過性を有する。酸化剤配流板3の細孔及び気孔率については、適宜選択できるが、例えば、0.1μm〜10μm、気孔率は5%〜40%とすることができる。ただし細孔径及び気孔率はこれらに限定されるものではない。
【0038】
燃料配流板4は燃料/燃料・配流板とも呼ばれるものである。燃料配流板4は導電性をもつ材料(カーボン系材料)を基材とする。燃料配流板4は、MEA1のアノード側の反応面1dに背向する背向面に形成された第2背向流路41と、MEA1の反応面1cに対向する対向面に形成された第2反応流路42とを有する。第2背向流路41は、ガス状の燃料の入口である第2流路入口43に連通すると共に、第2冷媒流路60に対面している。第2反応流路42は、ガス状の燃料の出口である第2流路出口44を有する。図1に示すように、第2背向流路41の終部41fは、第2反応流路42の始部42sに連通するため、第2背向流路41を流れた燃料は、終部41f、始部42sを経て第2反応流路42に流れる。
【0039】
燃料配流板4の第2背向流路41を流れるガス状の燃料を燃料電池内において加湿する第2加湿要素T2が設けられている。第2加湿要素T2は、燃料配流板4のうちMEA1の反応面1cに対向する壁部分を多孔質化することにより構成されている。従って燃料配流板4には多数の細孔が形成されている。細孔により、燃料配流板4はその厚み方向(矢印X3、X4方向)に水分透過性及びガス透過性を有する。燃料配流板4の細孔及び気孔率については適宜選択できるが、例えば、細孔径は0.1μm〜10μm、気孔率は5%〜40%とすることができる。ただし細孔径及び気孔率はこれらに限定されるものではない。
【0040】
更に図1に示すように、酸化剤配流板3のうちMEA1の酸化剤極15に背向する側には、第1冷媒配流板5が設けられている。第1冷媒配流板5は、固体高分子型燃料電池を冷却する冷媒(一般的に液相としての水)を流す第1冷媒流路50を有する。第1冷媒流路50は、酸化剤配流板3の第1背向流路31に背向する位置に形成されている。第1冷媒配流板5は、厚み方向に透過性をもつ多数の細孔を有する多孔質体を基材としており、多孔質の酸化剤配流板3と共に第1加湿要素T1を構成する。
【0041】
燃料配流板4のうちMEA1の燃料極12に背向する側には、第2冷媒配流板6が設けられている。第2冷媒配流板6は、固体高分子型燃料電池を冷却する冷媒(一般的には水)を流す第2冷媒流路60を有する。第2冷媒流路60は、燃料配流板4の第2背向流路41に背向する位置に形成されている。第2冷媒配流板6は、厚み方向に透過性をもつ多数の細孔を有する多孔質体を基材としており、多孔質の燃料配流板4と共に第2加湿要素T2を構成する。
【0042】
固体高分子型燃料電池を運転する際には、燃料電池の外方に配置された酸化剤ガス搬送源90(ファン、ポンプ、コンプレッサ等)が駆動し、酸化剤ガスが酸化剤配流板3の第1流路入口33から酸化剤配流板3の第1背向流路31に供給される。この酸化剤ガスは、酸化剤配流板3の第1背向流路31に沿って流れて、第1背向流路31の終部31fから第1反応流路32の始部32sに至り、更に第1反応流路32に沿って流れて酸化剤配流板3の第1流路出口34から排出される。このように酸化剤ガスが酸化剤配流板3の第1反応流路32を流れると、酸化剤ガスは酸化剤配流板3の第1反応流路32からMEA1の酸化剤極15の第1ガス拡散層16、第1触媒層17に向けて矢印E1方向(図1参照)に流入し、酸化剤ガスは発電反応に使用される。
【0043】
更に、ガス状の燃料は、燃料搬送源92(ファン、ポンプ、コンプレッサ等)により、燃料配流板4の第2流路入口43から燃料配流板4の第2背向流路41に供給される。ガス状の燃料は、燃料配流板4の第2背向流路41に沿って流れ、第2背向流路41の終部41fから第2反応流路42の始部42sに至り、燃料配流板4の第2反応流路42に沿って流れ、燃料配流板4の第2流路出口44から排出される。このように燃料が燃料配流板4の第2反応流路42を流れると、燃料は燃料配流板4の第2反応流路42から燃料極12の第2ガス拡散層13及び第2触媒層14に向けて矢印E2方向(図1参照)に流入し、燃料は発電反応に使用される。
【0044】
発電反応によれば、燃料極12の第2触媒層14の触媒作用により、燃料に含まれている水素からプロトン(水素イオン)と電子(e-)とが生成される。生成されたプロトンは、MEA1の電解質膜11を厚み方向に透過して酸化剤極15に至る。電子は外部導電経路を流れ、外部導電経路に装備されている負荷で電気的仕事を行った後に、酸化剤極15に至る。酸化剤極15では、酸化剤極15の第1触媒層17の触媒作用により、酸化剤極15の酸化剤ガス(一般的に空気)とプロトンと電子とが反応して水が生成される。上記した発電反応に基づいてMEA1の酸化剤極15側では水が生成される。
【0045】
生成水は酸化剤配流板3の第1反応流路32において溜まる。殊に、酸化剤ガスと共に生成水は下流に向けて流れるため、生成水は酸化剤配流板3の第1反応流路32の下流領域に溜まる。
【0046】
この点本実施例によれば、酸化剤配流板3は多孔質化されているため、酸化剤配流板3の第1反応流路32において溜まった水を、酸化剤配流板3の細孔により、酸化剤配流板3を厚み方向(矢印X1方向)に毛細管現象等により浸透させて酸化剤配流板3の第1反応流路32から第1背向流路31に移行させることができる。このため酸化剤配流板3の裏面側の第1背向流路31を流れる酸化剤ガスを加湿させることができる。この結果、第1背向流路31を流れる酸化剤ガスが酸化剤配流板3の第1反応流路32の始部32sに到達したときには、その酸化剤ガスは既に適量に加湿されている。
【0047】
このように加湿されている酸化剤ガスが第1反応流路32の始部32sから酸化剤配流板3の第1反応流路32を流れて発電反応に消費されるため、電解質膜11の過剰乾燥が抑制され、燃料電池の発電性能が良好に確保される。このように本実施例によれば、発電反応によりセル内で生成した生成水をセル内で有効利用することにより、MEA1のカソード側の反応面1cに供給される前の酸化剤ガスを効率よく加湿することができ、いわば『セル内部自己加湿構造』を実現できる。
【0048】
従って本実施例によれば、酸化剤ガスを酸化剤配流板3の第1流路入口33に供給する前に酸化剤ガスを燃料電池の外部で加湿させる加湿操作を、低減または廃止させることができる。よって、酸化剤配流板3の第1流路入口33に供給する前に酸化剤ガスを燃料電池の外部で加湿させる外部加湿装置を、低減または廃止させることができる。
【0049】
殊に、発電反応で生成された水は、酸化剤ガスの流れの影響等により、酸化剤配流板3の第1反応流路32のうち下流領域に集まり易い。このため酸化剤ガスの流れの下流領域ではフラッディング現象が生じるおそれがある。フラッディング現象とは、水がガス流路を塞いで、MEA1に対してガスの供給が制約されることをいう。このため本実施例のように酸化剤配流板3のうち第1反応流路32の少なくとも下流領域を多孔質化させれば、酸化剤ガスの流れの下流領域において過剰に溜まりがちの水を、酸化剤配流板3の細孔を介して、毛細管現象等により、酸化剤配流板3を厚み方向(矢印X1方向)に浸透させて酸化剤配流板3の第1背向流路31に移行させることができる。故に、生成水が溜まりがちの酸化剤配流板3の下流領域の除湿を行うことができ、これにより酸化剤ガスの流れの下流領域におけるフラッディング現象を抑えることができる。この意味においても、酸化剤ガスの流れの下流領域における発電ムラが低減され、燃料電池の発電性能が良好に確保される。
【0050】
本実施例によれば、図1に示すように、第1冷媒配流板5も多孔質とされており、第1冷媒配流板5の第1冷媒流路50を流れる冷媒(一般的には水)を、毛細管現象等により、第1冷媒配流板5の厚み方向(矢印M1方向)に浸透させ、第1冷媒流路50に対面する酸化剤配流板3の第1背向流路31の酸化剤ガスを加湿させることもできる。
【0051】
即ち、本実施例によれば、酸化剤配流板3の第1背向流路31の酸化剤ガスを、第1冷媒配流板5の第1冷媒流路50を流れる冷媒によっても、また、発電反応で生成され酸化剤配流板3の第1反応流路32に溜まった生成水によっても加湿させることができ、加湿能力を高めることができる。
【0052】
なお、第1冷媒流路50を流れる冷媒の圧力を調整すれば、第1冷媒流路50から酸化剤配流板3の第1背向流路31に矢印M1方向に向かう水量を調整できるため、冷媒により第1背向流路31の酸化剤ガスを加湿する加湿量を調整することができる。
【0053】
ところで、酸化剤配流板3の第1反応流路32を流れる酸化剤ガスでは、酸化剤配流板3の第1反応流路32を下流に向けて進むにつれて、発電反応により活物質である酸素の濃度が次第に低下するため、発電ムラの要因となり得る。この点本実施例によれば、ガス透過性を有する酸化剤配流板3により、酸化剤配流板3の第1背向流路31を流れる酸素濃度が高い新鮮な酸化剤ガスを、酸化剤配流板3の厚み方向(矢印X2方向)に浸透させ、酸化剤配流板3の第1背向流路31から第1反応流路32に補給させることも期待できる。このため、酸化剤配流板3の第1背向流路31から第1反応流路32へ活物質である酸素を積極的に補給させるのに有効である。
【0054】
ここで、酸化剤配流板3の下流側である第1反応流路32の圧力P2は、圧損により、酸化剤配流板3の上流側である第1背向流路31の圧力P1よりも低いのが一般的である(P2<P1)。このためP2とP1との差圧、第1背向流路31と第1反応流路32との間における酸素濃度の差による拡散等に基づいて、第1背向流路31を流れる新鮮な酸化剤ガスの酸素を、酸化剤配流板3の厚み方向(矢印X2方向)に浸透させて第1反応流路32に補給させることを期待できる。
【0055】
殊に、酸化剤配流板3の第1反応流路32の最下流領域の圧力P2aは、圧損により、酸化剤配流板3の第1背向流路31の最上流領域の圧力P1aよりも低いのが一般的である。このため上記した差圧、酸素濃度差による拡散等に基づいて、第1背向流路31の最上流領域を流れる新鮮な酸化剤ガスの酸素を、酸化剤配流板3の厚み方向(矢印X2方向)に浸透させて第1反応流路32の最下流領域(酸素濃度が最も低い領域)に補給させることを期待できる。
【0056】
換言すると、前記したように酸化剤配流板3の第1反応流路32における下流領域は、発電反応により活物質である酸素の濃度が低下しており、発電反応が制約を受けるおそれがある。これを避けるため本実施例の酸化剤配流板3によれば、第1反応流路32における下流領域(酸素濃度が低い領域)は、酸化剤配流板3の断面において、第1背向流路31の上流領域(酸素濃度が高い領域)となるべく近くなるように配置されている。この結果、多孔質で水分透過性およびガス透過性を有する酸化剤配流板3により、第1背向流路31の上流領域を流れる新鮮な酸化剤ガスを酸化剤配流板3の厚み方向(矢印X2方向)に浸透させ、酸化剤配流板3の第1反応流路32の下流領域に直接的に補給させることが効果的に行われ、発電ムラを抑えるのに有利となる。この意味においても、燃料電池の発電性能が良好に確保される。
【0057】
燃料側についても同様である。即ち、本実施例によれば、燃料配流板4は水分透過性およびガス透過性を有するように多孔質化されているため、燃料配流板4の第2反応流路42側の水を、毛細管現象等により、燃料配流板4の厚み方向(矢印X3方向)に浸透させて、第2反応流路42から第2背向流路41に移行させることができる。このため燃料配流板4の第2背向流路41を流れるガス状の燃料を加湿させることができ、電解質膜11の過剰乾燥を低減できる。従ってガス状の燃料を第2流路入口43に供給する前に燃料を燃料電池の外部において加湿させる加湿操作を、低減または廃止することができる。よって、ガス状の燃料(燃料ガスともいう)を第2流路入口43に供給する前に燃料電池の外部において燃料を加湿させる外部加湿装置を、低減または廃止することができる。
【0058】
更に本実施例によれば、第2冷媒配流板6も多孔質とされており、第2冷媒配流板6の第2冷媒流路60を流れる冷媒(一般的には水)を、毛細管現象等により、第2冷媒配流板6の厚み方向(矢印M2方向)に浸透させ、燃料配流板4の第2背向流路41のガス状の燃料を加湿させることもできる。即ち本実施例によれば、燃料配流板4の第2背向流路41の燃料を、第2冷媒配流板6の第2冷媒流路60を流れる水によっても、燃料配流板4の第2反応流路42において生成された水によっても加湿させることができる。なお、第2冷媒流路60を流れる冷媒の圧力を調整すれば、燃料配流板4の第2背向流路41のガス状の燃料を加湿する加湿量を調整することができる。
【0059】
また燃料配流板4の第2反応流路42を流れるガス状の燃料は、燃料配流板4の第2反応流路42をこれの下流に向けて進むにつれて発電反応により活物質である水素の濃度が次第に低下する。燃料配流板4の下流側である第2反応流路42の圧力P4は、圧損により、燃料配流板4の上流側である第2背向流路41の圧力P3よりも低いのが一般的である(P4<P3)。このため、第2背向流路41及び第2背向流路41間における差圧、水素濃度差による拡散等に基づいて、厚み方向にガス透過性を有する燃料配流板4により、第2背向流路41を流れる新鮮なガス状の燃料の水素を、燃料配流板4の厚み方向(矢印X4方向)に浸透させて第2背向流路41から第2反応流路42に直接的に補給させることも期待できる。このため燃料配流板4の第2反応流路42への活物質である水素の補給に有効である。
【0060】
ここで、燃料配流板4の第2反応流路42における下流領域は、発電反応により活物質である活物質である水素がかなり低下しており、燃料の下流領域では発電反応が制約を受けるおそれがある。これを避けるため本実施例に係る燃料配流板4によれば、燃料配流板4の第2反応流路42における下流領域(水素濃度が低い領域)は、燃料配流板4の第2背向流路41の上流領域(水素濃度が高い領域)となるべく近くなるように配置されている。この場合、多孔質でガス透過性を有する燃料配流板4により、燃料配流板4の第2背向流路41の上流領域を流れる新鮮な燃料を燃料配流板4の厚み方向(矢印X4方向)に浸透させることができる。よって、燃料配流板4の第2背向流路41の上流領域(水素濃度が高い領域)から、活物質である水素を燃料配流板4の第2反応流路42の下流領域(水素濃度が低い領域)に直接的に補給させることが効果的に行われる。
【0061】
また本実施例によれば、図1に示すように、第1冷媒流路50の冷媒の基本流れ方向は、酸化剤配流板3の第1反応流路32の酸化剤ガスの基本流れ方向と同じ、または、ほぼ同じとなるような関係に設定されている配置構造が採用されている。この結果、第1冷媒流路50の冷媒の流れの下流領域は、酸化剤配流板3の第1反応流路32の下流領域と対応する位置となる。ここで、第1冷媒流路50の冷媒の流れの下流の温度は、受熱のため、冷媒の流れの上流の温度よりも高い。このため上記した配置構造を採用すると、酸化剤配流板3の第1反応流路32の下流領域の温度は、第1反応流路32の上流領域の温度に比較して高くなる傾向がある。このため、第1反応流路32の下流領域に保持できる蒸気量を大きくでき、フラッディングの抑制に有利となる。
【0062】
なお、上記した配置構造に必ずしも限定されるものではなく、第1冷媒流路50の冷媒の基本流れ方向は、酸化剤配流板3の第1反応流路32の酸化剤ガスの基本流れ方向と逆、または、ほぼ逆の関係となる配置構造としても良い。
【0063】
本実施例によれば、燃料電池に供給される酸化剤ガスの温度が低いときには、酸化剤配流板3の第1背向流路31を酸化剤ガスが流れるときに、第1背向流路31を流れる酸化剤ガスを燃料電池の内部において予熱することを期待できる。また燃料電池に供給される酸化剤ガスの温度が高過ぎるときには、酸化剤配流板3の第1背向流路31を酸化剤ガスが流れるときに、第1背向流路31を流れる酸化剤ガスを予冷することを期待できる。これにより酸化剤配流板3の第1反応流路32に供給される酸化剤ガスの適温化に有利である。
【0064】
同様に、燃料電池に供給される燃料ガスの温度が低いときには、燃料配流板4の第2背向流路41を燃料ガスが流れるときに、第2背向流路41を流れる燃料ガスを燃料電池の内部で予熱することを期待できる。また燃料電池に供給される燃料ガスの温度が高過ぎるときには、燃料配流板4の第2背向流路41を燃料ガスが流れるときに、第2背向流路41を流れる燃料ガスを予冷することを期待できる。これにより燃料配流板4の第2反応流路42に供給される燃料ガスの適温化に有利である。
【0065】
上記した本実施例によれば、燃料配流板4、第1冷媒配流板5、第2冷媒配流板6は多孔質化とされているが、緻密体で形成することもできる。但し酸化剤配流板3は多孔質化する。
【0066】
(第2実施例)
図2は本発明の第2実施例を示す。第2実施例は第1実施例と基本的には同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。本実施例においても、酸化剤配流板3Bは、MEA1のカソード側の反応面1cに背向する背向面に形成された第1背向流路31と、MEA1の反応面1cに対向する対向面に形成され第1反応流路32とを有する。第1加湿要素T1を構成する酸化剤配流板3Bは、多孔質化されているため、第1実施例と同様に、発電反応により生成されて酸化剤配流板3Bの第1反応流路32に溜まった水を、酸化剤配流板3Bの細孔の毛細管現象等により、酸化剤配流板3Bを厚み方向(矢印X1方向)に浸透させ、酸化剤配流板3Bの第1背向流路31に移行させることができる。このため酸化剤配流板3Bの第1背向流路31を流れる酸化剤ガスを加湿させることができる。この結果、第1背向流路31を流れる酸化剤ガスが酸化剤配流板3の第1反応流路32の始部32sに到達したときには、その酸化剤ガスは既に適量に加湿されている。このように本実施例によれば、発電反応により生成された生成水で酸化剤ガスを加湿する、いわば『セル内部自己加湿構造』を実現できる。
【0067】
また本実施例においても、図2に示すように、第2加湿要素T2を構成する燃料配流板4Bは、多孔質化されているため、燃料配流板4Bの第2反応流路42側の水を、燃料配流板4Bの細孔の毛細管現象等により、燃料配流板4Bにこれの厚み方向(矢印X3方向)に浸透させて燃料配流板4Bの第2背向流路41に移行させることができる。このため燃料配流板4Bの第2背向流路41を流れるガス状の燃料を加湿させることができる。
【0068】
本実施例よれば、第1冷媒配流板5B及び第2冷媒配流板6Bは多孔質体ではなく、緻密体とされている。従って第1冷媒配流板5Bの第1冷媒流路50を流れる冷媒(一般的には水)、第2冷媒配流板6Bの第2冷媒流路60を流れる冷媒(一般的には水)より、固体高分子型燃料電池の冷却を図る。なお上記した本実施例によれば、燃料配流板4Bは多孔質化とされているが、緻密体で形成することもできる。但し酸化剤配流板3は多孔質化する。
【0069】
(第3実施例)
図3は本発明の第3実施例を示す。第3実施例は第1実施例と基本的には同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。本実施例においても、第1加湿要素を構成する酸化剤配流板3Cは多孔質性を有しており、MEA1のカソード側の反応面1cに背向する背向面に形成された第1背向流路31と、MEA1の反応面1cに対向する対向面に形成され第1反応流路32とを有する。燃料配流板4Cは緻密体で形成されており、MEA1のアノード側の反応面1dに背向する背向面に形成された第2背向流路41と、MEA1の反応面1dに対向する対向面に形成され第2反応流路42とを有する。本実施例においても、発電反応により生成された生成水で酸化剤ガスを加湿する、いわば『セル内部自己加湿構造』を実現できる。なお燃料配流板4C、第1冷媒配流板5C,第2冷媒配流板6Cは緻密体で形成されているが、多孔質化させても良い。
【0070】
(第4実施例)
図4は本発明の第4実施例を示す。第4実施例は第1実施例と基本的には同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。本実施例においても、第1加湿要素T1を構成する酸化剤配流板3Dは、MEA1の反応面1cに背向する背向面に形成された第1背向流路31と、MEA1の反応面1cに対向する対向面に形成され第1反応流路32とを有する。酸化剤配流板3Dは多孔質化されているため、第1実施例と同様に、酸化剤配流板3Dの第1反応流路32において生成された水を、毛細管現象等により、酸化剤配流板3Dにこれの厚み方向(矢印X1方向)に浸透させて酸化剤配流板3Dの第1背向流路31に移行させることができる。このため酸化剤配流板3の第1背向流路31を流れる酸化剤ガスを加湿させることができ、電解質膜11の過剰乾燥を低減できる。このように本実施例においても、発電反応により生成された生成水で酸化剤ガスを加湿する、いわば『セル内部自己加湿構造』を実現できる。従って酸化剤ガスを固体高分子型燃料電池の第1流路入口33に供給する前に酸化剤ガスを加湿させる加湿操作を、低減または廃止することができる。
【0071】
また本実施例においても、第2加湿要素T2を構成する燃料配流板4Dは、多孔質化されているため、燃料配流板4Dの第2反応流路42側の水を燃料配流板4を厚み方向(矢印X3方向)に浸透させて燃料配流板4Dの第2背向流路41に移行させることができる。このため燃料配流板4Dの第2背向流路41を流れるガス状の燃料を加湿させることができる。図4に示すように、第1冷媒配流板及び第2冷媒配流板は搭載されていない。なお、燃料配流板4Dは多孔質化されているが、緻密化させても良い。
【0072】
(第1参考例)
図5は本発明の第1参考例(第5実施例は欠番とする)を示す。第1参考例は第1実施例と基本的には同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。図5に示すように、酸化剤配流板3Eは、MEA1の反応面1cに背向する背向面に形成された第1背向流路31と、MEA1の反応面1cに対向する対向面に形成され第1反応流路32とを有する。酸化剤配流板3Eは多孔質ではなく、緻密体とされている。
【0073】
第1冷媒配流板5Eは第1加湿要素を構成すべく、厚み方向に透過性を有するように多孔質とされており、第1冷媒配流板5Eの第1冷媒流路50を流れる冷媒(一般的に水)を第1冷媒配流板5Eの厚み方向(矢印M1方向)に浸透させ、酸化剤配流板3Eの第1背向流路31の酸化剤ガスを加湿させることができる。このように酸化剤配流板3Eの第1背向流路31を流れる酸化剤ガスをセル内において加湿させることができる。従って酸化剤ガスを第1流路入口33に供給する前に酸化剤ガスを燃料電池の外部において加湿させる加湿操作や外部加湿装置を、低減または廃止することができる。ここで、第1冷媒流路50を流れる冷媒の圧力を調整すれば、第1冷媒流路50の冷媒を第1冷媒配流板5Eの厚み方向(矢印M1方向)に浸透させる程度を調整できるため、酸化剤ガスの加湿量を調整することができる。
【0074】
燃料配流板4Eは、MEA1のアノード側の反応面1dに背向する背向面に形成された第2背向流路41と、MEA1の反応面1dに対向する対向面に形成され第2反応流路42とを有する。燃料配流板4Eは多孔質ではなく、緻密体とされている。
【0075】
第2冷媒配流板6Eは第2加湿要素を構成すべく、厚み方向に透過性を有するように多孔質とされており、第2冷媒配流板6Eの第2冷媒流路60を流れる冷媒(一般的には水)を第2冷媒配流板6Eの厚み方向(矢印M2方向)に浸透させ、燃料配流板4Eの第2背向流路41のガス状の燃料を加湿させることもできる。このように燃料配流板4Eの第2背向流路41を流れるガス状の燃料を加湿させることができる。
【0076】
(第6実施例)
第6実施例は図1を準用する。第6実施例は第1実施例と基本的には同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。本実施例によれば、第1加湿要素を構成する酸化剤配流板3Fは、親水性を有する多孔質体を基材として形成されている。このため酸化剤配流板3Fの第1反応流路32において溜まった液相としての水を、毛細管現象等により、酸化剤配流板3Fを厚み方向(矢印X1方向)に積極的に浸透させ、酸化剤配流板3Fの第1背向流路31に移行させることができる。このため、酸化剤配流板3Fの第1背向流路31を流れる酸化剤ガスを液相としての水により効果的に加湿させることができる。なお親水性は、酸化剤配流板3Fの材質自体により、あるいは、親水性処理を施すことにより形成できる。
【0077】
また、第2加湿要素を構成する燃料配流板4Fは、親水性を有する多孔質体を基材として形成されている。このため燃料配流板4Fの第2反応流路42において生成された水分を液相の水として、細孔による毛細管現象等により、燃料配流板4Fを厚み方向(矢印X3方向)に浸透させ、燃料配流板4Fの第2背向流路41に移行させることができる。このため燃料配流板4Fの第2背向流路41を流れるガス状の燃料を液相としての水により加湿させることができる。なお親水性は、燃料配流板4Eの材質自体により、あるいは、親水性処理を施すことにより形成できる。
【0078】
上記したように酸化剤配流板3Fが親水性を有するときには、酸化剤配流板3Fの細孔径について、ほぼ均一としても良い。また燃料配流板4Fが親水性を有するときには、燃料配流板4Fの細孔径について、ほぼ均一としても良い。
【0079】
また、親水性を有する酸化剤配流板3FのうちMEA1に対向する対向面において、つまり第1反応流路32において、第1反応流路32の上流から第1反応流路32の下流に向かうにつれて細孔径を小さくできる。この場合、細孔径は例えば0.1〜10μmの範囲内で調整できる。細孔径が小さいと、毛細管圧を大きくでき、毛細管圧で水を酸化剤配流板3Fの厚み方向に透過させるのに有利である。
【0080】
また、親水性を有する酸化剤配流板3FのうちMEA1に対向する対向面において、つまり第1反応流路32において、気孔率を下流に向かうにつれて大きくなるようにできる。これにより第1反応流路32の下流領域において矢印X1方向の水通過性、矢印X2方向のガス透過性を高めるのに有利となる。この場合、気孔率は例えば5〜40%の範囲内で調整できる。なお燃料配流板4Fの細孔径、気孔率についても、酸化剤配流板3Fと同様にすることができる。
【0081】
(第7実施例)
図6及び図7に示す第7実施例は第1実施例と基本的には同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。本実施例によれば、第1加湿要素を構成する酸化剤配流板3Gは、親水性を有する多孔質体で形成されている。MEA1に対向する対向面において、つまり第1反応流路32において、酸化剤配流板3Gの細孔径を第1反応流路32の下流の細孔径を相対的に小さくすると共に、第1反応流路32の上流の細孔径を相対的に大きくするように設定されている。この場合、図7の特性線S11に示すように、第1反応流路32の上流から第1反応流路32の下流にかけて連続的に細孔径を小さくするように変化させることができる。また図7の特性線S12、S13に示すように、第1反応流路32の上流から第1反応流路32の下流にかけて段階的に細孔径を小さくするように変化させることができる。この場合、気孔率は例えば5〜40%の範囲内で調整できる。
【0082】
この場合、細孔径が小さい方が毛細管圧を大きくでき、水を酸化剤配流板3Gの厚み方向の奥部まで浸透させるのに有利となる。よって、酸化剤配流板3における細孔による毛細管圧は、細孔径を相対的に小さく設定している第1反応流路32の下流領域の方が相対的に大きくなる。
【0083】
また酸化剤配流板3Gについては、MEA1に対向する対向面において、つまり第1反応流路32において、図7の特性線S14に示すように、第1反応流路32の下流に向かうにつれて気孔率を次第に大きくすることができる。これにより第1反応流路32の下流領域における矢印X1方向の水通過性、矢印X2方向のガス透過性を高めるのに有利となる。この場合、気孔率は例えば5〜40%の範囲内で調整できる。
【0084】
上記した本実施例によれば、酸化剤配流板3Gの第1反応流路32の下流領域に溜まった生成水を、酸化剤配流板3Gの厚み方向(矢印X1方向)に浸透させて第1背向流路31に移行させるのに有利となる。このため酸化剤配流板3Gの下流領域における除湿機能が確保され、酸化剤配流板3Gの下流領域におけるフラッディング現象を抑えるのに有利となる。
【0085】
また、第2加湿要素を構成する燃料配流板4Gが親水性を有する。この場合、MEA1に対向する対向面において、第2反応流路42の下流の細孔径を相対的に小さくすると共に、第2反応流路42の上流の細孔径を相対的に大きくするように設定されている。この場合、図7の特性線S11に示すように、第2反応流路42の上流から第2反応流路42の下流にかけて連続的に細孔径を小さくなるように変化させることができる。また図7の特性線S12、S13に示すように、第2反応流路42の上流から第2反応流路42の下流にかけて段階的に細孔径を小さくなるように変化させることができる。よって、燃料配流板4Gにおける細孔による毛細管圧は、細孔径を相対的に小さく設定している第2反応流路42の下流領域の方が相対的に大きくなる。この結果、第2反応流路42の下流領域に溜まった水を、燃料配流板4Gの厚み方向(矢印X3方向)に浸透させて第2背向流路41に浸透させるのに有利となる。
【0086】
また燃料配流板4Gの気孔率については、MEA1に対向する対向面において、つまり第2反応流路42において、図7の特性線S14に示すように、第2反応流路42の上流から第2反応流路42の下流に向かうにつれて、気孔率を次第に大きくすることができる。この場合、気孔率は例えば0.1〜10μmの範囲内で調整できる。
【0087】
(第8実施例)
第8実施例は図1を準用する。第8実施例は第1実施例と基本的には同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。第1加湿要素を構成する酸化剤配流板3Hは、疎水性(撥水性)を有する多孔質体を基材として形成されている。このため酸化剤配流板3Hの第1反応流路32において溜まった水分(水蒸気)を、酸化剤配流板3Hを厚み方向(矢印X1方向)に拡散させ、酸化剤配流板3Hの第1背向流路31に移行させることができる。このため酸化剤配流板3Hの第1背向流路31を流れる酸化剤ガスを水蒸気により加湿させるのに有利となる。なお疎水性は、酸化剤配流板3Hの材質自体により、あるいは、疎水性処理を施すことにより形成できる。
【0088】
また、第2加湿要素を構成する燃料配流板4Hは、疎水性(撥水性)を有する多孔質体を基材として形成されている。このため、燃料配流板4Hの第2反応流路42において生成された水分(水蒸気)を、細孔を経て、燃料配流板4Hの厚み方向(矢印X3方向)に拡散させ、燃料配流板4Hの第2背向流路41に移行させることができる。このため燃料配流板4Hの第2背向流路41を流れるガス状の燃料を水蒸気により加湿させるのに有利となる。なお疎水性は、燃料配流板4Hの材質自体により、あるいは、疎水性処理を施すことにより形成できる。上記したように酸化剤配流板3Hが疎水性を有するときには、酸化剤配流板3Hの細孔径について、ほぼ均一としても良い。また燃料配流板4Hが疎水性を有するときには、燃料配流板4Hの細孔径について、ほぼ均一としても良い。
【0089】
上記した説明では、疎水性にした酸化剤配流板3H、燃料配流板4Hについて細孔径をほぼ均一とした場合について説明した。しかしこれに限らず、疎水性にした酸化剤配流板3H、疎水性にした燃料配流板4Hについては、MEA1に対向する対向面において、つまり、第1反応流路32の下流に向かうにつれて細孔径を相対的に大きくなるようにでき、また、気孔率を第1反応流路32の下流に向かうにつれて相対的に大きくなるようにすることもできる。この場合、気孔率は例えば5〜40%の範囲内で調整でき、気孔率は例えば0.1〜10μmの範囲内で調整できる。
【0090】
(第9実施例)
図8、図9は第9実施例を示す。第9実施例は第1実施例と基本的には同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。第1加湿要素を構成する酸化剤配流板3Kは、疎水性を有する多孔質体を基材とする。そして、MEA1に対向する対向面において、酸化剤配流板3Kの細孔径について第1反応流路32の下流の細孔径を相対的に大きくすると共に、第1反応流路32の上流の細孔径を相対的に小さくするように設定されている。この場合、図9の特性線S21に示すように、第1反応流路32の上流から第1反応流路32の下流にかけて連続的に細孔径を大きくするように変化させることができる。また図9の特性線S22、S23に示すように、第1反応流路32の上流から第1反応流路32の下流にかけて段階的に細孔径を大きくなるように変化させることができる。なお細孔径は0.1〜10μmの範囲内で調整できる。
【0091】
また疎水性をもつ酸化剤配流板3Kについて、MEA1に対向する対向面において、図9の特性線S24に示すように第1反応流路32の下流に向かうにつれて気孔率を増加させることができる。これにより第1反応流路32の下流領域における矢印X1方向の水通過性、矢印X2方向のガス透過性を高めるのに有利となる。なお気孔率は例えば5〜40%の範囲内で調整できる。
【0092】
この場合、下記に示すKelvinの式によれば、疎水性の場合には、細孔径が大きい方が水蒸気圧を小さくでき、水蒸気を凝縮させて液相としての水を生成し易くなり、従って、液相としての水を酸化剤配流板3Kにこれの厚み方向(矢印X1方向)に透過させて第1背向流路31に浸透させるのに有利となる。この結果、酸化剤配流板3Kの第1反応流路32の下流領域に溜まった液相状の生成水を、酸化剤配流板3Kの厚み方向(矢印X1方向)に浸透させて第1背向流路31に移行させるのに有利となる。このため酸化剤配流板3Kの下流領域におけるフラッディング現象を抑えるのに有利となる。なお、第1冷媒配流板5、第2冷媒配流板6による強制冷却機能も上記凝縮に寄与する。
【0093】
なお、数式1で示されるKelvinの式は、細孔における水蒸気分圧を示す。ここで、Pは細孔内における液体の平衡蒸気圧、Poはその温度における液体の飽和蒸気圧、σはその液体の表面張力、Mはその液体の分子モル質量、θはその液体の接触角、ρはその液体の密度、Rは気体定数、Tは絶対温度を示す。一般的には、親水性はθが0〜90度以下とされ、疎水性はθが90度越え〜180度とされる。
【0094】
【数1】
【0095】
Kelvinの式によれば、細孔の内壁面が疎水性である場合には、θが90度越え〜180度とされるため、cosθは負の値となり(cosθ<0)、PはPoよりも大きくなる(P>Po)。Kelvinの式によれば、細孔の内壁面が疎水性である場合には、細孔径rが大ければ大きいほど、細孔の水蒸気分圧Pは小さくなる。また、細孔径rが小さければ小さいほど、細孔の水蒸気分圧Pは大きくなる。
【0096】
また、図8に示すように、第2加湿要素を構成する燃料配流板4Kは、疎水性を有す多孔質体で形成されている。この場合、MEA1に対向する対向面において、燃料配流板4Kの細孔径について第2反応流路42の下流の細孔径を相対的に大きくすると共に、第2反応流路42の上流の細孔径を相対的に小さくするように設定することができる。この場合、図9の特性線S21に示すように、第2反応流路42の上流から第2反応流路42の下流にかけて連続的に細孔径を大きくなるように変化させることができる。また図9の特性線S22、S23に示すように、第2反応流路42の上流から第2反応流路42の下流にかけて段階的に細孔径を大きくなるように変化させることができる。この結果、燃料の第2反応流路42の下流領域に溜まった液相としての水を、燃料配流板4Kの厚み方向(矢印X3方向)に浸透させて第2背向流路41に移行させるのに有利となる。このため燃料配流板4Kの下流流領域におけるフラッディング現象を抑えるのに有利となる。なお前記した第2実施例〜第4実施例に係る酸化剤配流板3、燃料配流板4についても、疎水性を施す形態としても良い。
【0097】
(第10実施例)
図10及び図11は第10実施例を示す。第10実施例は図8に示す実施例と基本的には同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。第1加湿要素を構成する酸化剤配流板3Rは疎水性(撥水性)を有する多孔質体を基材として形成されている。第2加湿要素を構成する燃料配流板4Rは、疎水性(撥水性)を有する多孔質体を基材として形成されている。そして図8に示す実施例に対して細孔径の大小関係を逆の関係にしている。即ち、図11の特性線S11’,S12’,S13’に示すように、MEA1に対向する対向面において、酸化剤配流板3Rの細孔径について第1反応流路32の下流の細孔径を相対的に小さくすると共に、第1反応流路32の上流の細孔径を相対的に大きくするように設定している。
【0098】
上記したKelvinの式によれば、細孔が小さい方が細孔内の水蒸気分圧を大きくできる。このため、酸化剤配流板3Rの第1反応流路32において生成された水分が蒸気化した水蒸気の拡散を利用して、酸化剤配流板3Rの第1背向流路31の酸化剤ガスを加湿させることができる。燃料配流板4Rについても同様とされている。
【0099】
(第11実施例)
図12は第11実施例を示す。第11実施例は第1実施例と基本的には同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。但し、酸化剤配流板3Pにおいて第1反応流路32の下流側は多孔質とされているものの、第1反応流路32の上流側は多孔質ではなく緻密体とされている。緻密体とすれば、その部分の強度、導電性、集電性を高めるのに有利となる。燃料配流板4Pも同様の構造にできる。
【0100】
(製造例)
上記した多孔質な酸化剤配流板3、燃料配流板4は次のように形成できる。即ち、カーボン系材料(天然黒鉛、人造黒鉛等)とバインダ(熱硬化性樹脂、例えばフェノール樹脂)と消失可能な造孔材(セルロース系有機質材)とを混合した混合材料を用いる。この混合材料を成形型のキャビティ型面でプレス成形して成形体とし、その成形体を焼成温度(例えば500〜600℃)において焼成し、成形体の造孔材を消失させることにより、多数の細孔をもつ酸化剤配流板3、燃料配流板4を形成することができる。細孔径を上流領域から下流領域にかけて変化させるには、造孔材のサイズを上流領域から下流領域にかけて変化させることにより行い得る。造孔材のサイズが大きいと、細孔径が大きくなる。造孔材のサイズが小さいと、細孔径が小さくなる。細孔径としては1〜100μm、2〜30μm、2〜15μm、殊に3〜4μmとすることができる。気孔率としては体積比で10〜90%、15〜60%、殊に20〜40%とすることができる。
【0101】
酸化剤配流板3に疎水性を与える疎水性物質としては、フッ素原子、CF2、CF3基、CH3基、CH2基等を有するものが挙げられ、フッ素、フッ素樹脂(PTFF、FEP、PFA、PVDF等)、フッ化黒鉛、疎水性カーボン、シラン化合物、パラフィン等を例示できる。疎水処理を行う改質ガスとしては、フッ素ガス、あるいは、フッ素ガスと不活性ガス(窒素等)とを主要成分とするガスを用いることができる。親水処理としては、親水性物質を液状媒体(水、アルコール等)に溶解または分散させた溶液を用い、その溶液と酸化剤配流板3とを接触させることにより行い得る。親水性物質としては、過酸化水素水、二酸化珪素の粉末、酸化アルミニウムの粉末等を例示することができ、その表面に水酸基やカルボキシル基等の親水性の官能基を多量に含むものを例示することができる。更に、吸水性の樹脂である、デンプン・アクリル酸共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール等を用いることもできる。また、イオン交換樹脂、吸水性多糖類を親水性物質として例示できる。いずれもその構造内に、水酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノ基、スルホ基等の親水性の官能基のうちの少なくとも1種を有するものを例示することができる。
【0102】
(酸化剤配流板3の形態例)
上記した第1実施例に係る酸化剤配流板3について加湿の観点からみると、酸化剤ガスが第1背向流路31に流れるにつれて、第1背向流路31の流路の全領域またはほぼ全領域において加湿が行われる。従って、第1背向流路31における加湿があまり進行していない上流領域U1(UP)の湿度と、加湿が進行した第1背向流路31における下流領域D1(DOWN)の湿度とを比較すると、第1背向流路31における下流領域D1の湿度は、第1背向流路31における上流領域U1の湿度よりも高いという特性がある。
【0103】
また酸化剤配流板3の第1反応流路32についてみると、酸化剤ガスが第1背向流路31を経て第1反応流路32における上流領域U2に到達した時点において、酸化剤ガスは既に加湿が完了していることが好ましい。このため上記した事情を勘案すると、第1背向流路31における下流領域D1と、第1反応流路32における上流領域U2とを、酸化剤配流板3の表裏の関係においてできるだけ接近させることが好ましい。このようにすれば、第1反応流路32における上流領域U2の湿度を高めることができ、第1反応流路32の始端から発電反応を良好に確保できる。
【0104】
このため図13〜図15に示す各形態を採用できる。図13〜図15に示すように、矢印は酸化剤ガスの基本的流れ方向を示し、酸化剤配流板3は辺3a、3b、3c、3dを有する。酸化剤配流板3は第1背向流路31及び第1反応流路32を表裏の関係で有する。100は第1背向流路31及び第1反応流路32を流れる酸化剤ガスを案内させる案内突起である。102は新鮮な空気を酸化剤配流板3の第1背向流路31に導入する空気導入マニホルドである。106は酸化剤配流板3の第1反応流路32を流れて発電に消費された空気オフガスを導出させる空気導出マニホルドである。108は新鮮なガス状の燃料を第2背向流路41に導入する燃料導入マニホルドである。112は第2反応流路42を流れて発電に消費された燃料オフガスを導出させる燃料導出マニホルドである。500は第1冷媒流路50、第2冷媒流路60に冷媒を供給する冷媒導入マニホルド、501は第1冷媒流路50、第2冷媒流路60から吐出された冷媒を導出させる冷媒導出マニホルドを示す。
【0105】
図13〜図15に示す各形態によれば、第1背向流路31における加湿が進行した下流領域D1と、第1反応流路32における上流領域U2とを、酸化剤配流板3の表裏の関係となるように設定している。あるいは、それに近い関係となるように接近させている。この結果、酸化剤ガスの加湿についてみると、酸化剤ガスが第1背向流路31を経て、第1反応流路32における上流領域U2に到達した時点において、酸化剤ガスは既に加湿が完了している。
【0106】
(その他)
その他、本発明は上記した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。上記した記載から次の技術的思想を把握できる。
(付記項1)燃料電池の膜・電極接合体の燃料極に対向して設けられ燃料極に燃料を供給する燃料配流板において、膜・電極接合体に背向する背向面に形成された背向流路と、膜・電極接合体に対向する対向面に形成され背向流路に連通すると共に背向流路が流れた燃料が流れる反応流路とを有することを特徴とする燃料配流板。
(付記項2)付記項1において、燃料配流板の反応流路のうちの少なくとも下流領域が多孔質化されていることを特徴とする燃料配流板。
(付記項3)酸化剤配流板の第1背向流路における下流領域と、酸化剤配流板の第1反応流路における上流領域とは、酸化剤配流板の表裏の関係に設定されていることを特徴とする酸化剤配流板。
(付記項4)燃料配流板の第2背向流路における下流領域と、燃料配流板の第2反応流路における上流領域とは、燃料配流板の表裏の関係に設定されていることを特徴とする燃料配流板。
(付記項5)膜・電極接合体の酸化剤極に対向して設けられ酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤配流板において、膜・電極接合体に背向する背向面に形成され酸化剤ガスが流れる背向流路と、膜・電極接合体に対向する対向面に形成され前記背向流路に連通すると共に前記背向流路を流れた酸化剤ガスが流れる反応流路とを有し、対向面において平均細孔径は、酸化剤ガスの流れの上流と下流とで異なるように設定されていることを特徴とする酸化剤配流板。
(付記項6)イオン伝導性を有する電解質膜と、電解質膜の厚み方向の一方の片側に設けられた酸化剤極と、電解質膜の厚み方向の他方の片側に設けられた燃料極とをもつ膜・電極接合体と、
酸化剤極に対向して設けられ酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤配流板と、
燃料極に対向して設けられ燃料極に燃料を供給する燃料配流板とを具備する燃料電池において、
酸化剤配流板及び燃料配流板のうちの少なくとも一方は、
膜・電極接合体に背向する背向面に形成された背向流路と、膜・電極接合体に対向する対向面に形成され背向流路に連通すると共に背向流路を流れた酸化剤ガスまたは燃料が流れる反応流路と、背向流路の少なくとも一部と反応流路の少なくとも一部とを連通させる多孔質部分とを有しており、更に、
前記背向流路を流れる酸化剤ガスに含まれている活物質、または、燃料に含まれている活物質を、多孔質部分の細孔を介して反応流路に補給するような構成とされていることを特徴とする燃料電池。この場合、背向流路を流れる新鮮な酸化剤ガスに含まれている活物質、または、新鮮な燃料に含まれている活物質を、酸化剤配流板の厚み方向に透過させ、多孔質部分の細孔を介して、反応流路に補給することができる。
【0107】
(付記項7)付記項6において、多孔質部分は、反応流路の少なくとも下流領域に設けられていることを特徴とする燃料電池。
【0108】
(付記項8)燃料電池の膜・電極接合体の酸化剤極に対向して設けられ前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤配流板において、膜・電極接合体に背向する背向面に形成され酸化剤ガスが流れる背向流路と、膜・電極接合体に対向する対向面に形成されると共に背向流路に連通すると共に背向流路を流れた酸化剤ガスが流れる反応流路と、背向流路の少なくとも一部と反応流路の少なくとも一部とを連通させる多孔質部分とを有しており、更に、
前記背向流路を流れる酸化剤ガスに含まれている活物質を、多孔質部分の細孔を介して反応流路に補給するような構成とされていることを特徴とする酸化剤配流板。
【0109】
(付記項9)燃料電池の膜・電極接合体の酸化剤極に対向して設けられ前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する燃料配流板において、膜・電極接合体に背向する背向面に形成され酸化剤ガスが流れる背向流路と、膜・電極接合体に対向する対向面に形成されると共に背向流路に連通すると共に背向流路を流れた酸化剤ガスが流れる反応流路と、背向流路の少なくとも一部と反応流路の少なくとも一部とを連通させる多孔質部分とを有しており、更に、背向流路を流れる酸化剤ガスに含まれている活物質を、多孔質部分の細孔を介して反応流路に補給するような構成とされていることを特徴とする燃料配流板。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、配流板の背向流路から、その表裏の関係にある反応流路に流れる方式を採用した燃料電池及び酸化剤配流板を提供することができる。本発明によれば、燃料電池の内部の水を有効利用することにより、MEAに背向する背向面に形成された背向流路において酸化剤ガス及び/または燃料を燃料電池内において加湿することができる燃料電池を提供できる。いわば、『セル内部自己加湿構造』を実現できる。このため、燃料電池に供給される前の酸化剤ガス及び/または燃料を加湿させる加湿装置の低減または廃止を図ることができる。
【0111】
殊に、酸化剤配流板が多孔質化されている場合には、発電反応により酸化剤極において生成した生成水を有効利用することにより、MEAに背向する背向流路を流れる酸化剤ガスを燃料電池内において加湿することができる燃料電池を提供できる。
【0112】
本発明によれば、燃料電池に供給される酸化剤ガスや燃料の温度が低いときには、酸化剤ガスや燃料が配流板の背向流路を流れるとき、背向流路を流れる酸化剤ガスや燃料を燃料電池の内部で予熱することを期待できる。また燃料電池に供給される酸化剤ガスや燃料の温度が高過ぎるときには、配流板の背向流路を酸化剤ガスや燃料が流れるときに、背向流路を流れる酸化剤ガスや燃料を予冷することを期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係り、燃料電池の概念を模式的に示す断面図である。
【図2】第2実施例に係り、燃料電池の概念を模式的に示す断面図である。
【図3】第3実施例に係り、燃料電池の概念を模式的に示す断面図である。
【図4】第4実施例に係り、燃料電池の概念を模式的に示す断面図である。
【図5】第1参考例に係り、燃料電池の概念を模式的に示す断面図である。
【図6】第7実施例に係り、燃料電池の概念を模式的に示す断面図である。
【図7】第7実施例に係り、酸化剤配流板の上流端から下流端にかけて細孔径の変化を示すグラフである。
【図8】第9実施例に係り、燃料電池の概念を模式的に示す断面図である。
【図9】第9実施例に係り、酸化剤配流板の上流端から下流端にかけて細孔径の変化を示すグラフである。
【図10】第10実施例に係り、燃料電池の概念を模式的に示す断面図である。
【図11】第10実施例に係り、酸化剤配流板の上流端から下流端にかけて細孔径の変化を示すグラフである。
【図12】第11実施例に係り、燃料電池の概念を模式的に示す断面図である。
【図13】酸化剤配流板の形態1を示す図である。
【図14】酸化剤配流板の形態2を示す図である。
【図15】酸化剤配流板の形態3を示す図である。
【符号の説明】
図中、1はMEA、11は電解質膜、12は燃料極、15は酸化剤極、3は酸化剤配流板、31は第1背向流路、32は第1反応流路、33は第1流路入口、34は第2流路出口、4は燃料配流板、41は第2背向流路、42は第2反応流路、43は第2流路入口、44は第2流路出口、5は第1冷媒配流板、50は第1冷媒流路、6は第2冷媒配流板、60は第2冷媒流路、T1は第1加湿要素、T2は第2加湿要素を示す。
Claims (12)
- イオン伝導性を有する電解質膜と、前記電解質膜の厚み方向の一方の片側に設けられた酸化剤極と、前記電解質膜の厚み方向の他方の片側に設けられた燃料極とをもつ膜・電極接合体と、
前記酸化剤極に対向して設けられ前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤配流板と、
前記燃料極に対向して設けられ前記燃料極にガス状の燃料を供給する燃料配流板とを具備する燃料電池において、
前記酸化剤配流板及び前記燃料配流板のうちの少なくとも一方は、
前記膜・電極接合体に背向する背向面に形成された背向流路と、前記膜・電極接合体に対向する対向面に形成され前記背向流路に連通すると共に前記背向流路を流れた酸化剤ガスまたは燃料が流れる反応流路とを有しており、
前記背向流路および前記反応流路は前記配流板において表裏の関係に設定されており、
前記背向流路の終部は前記反応流路の始部に連通しており、且つ、
前記酸化剤配流板の前記背向流路における下流領域と、前記酸化剤配流板の前記反応流路における上流領域とは、前記酸化剤配流板の厚み方向において互いに対向するように、前記酸化剤配流板の表裏の関係に設定されており、且つ、
前記酸化剤配流板及び/または前記燃料配流板のうち前記反応流路の少なくとも下流領域は、これの厚み方向に、液相状の水または水蒸気を含む水分を透過させる水分透過性およびガス透過性を有するように多孔質化されていることを特徴とする燃料電池。 - 請求項1において、更に、前記酸化剤配流板及び/または燃料配流板に対して、前記膜・電極接合体に背向する側に設けられ冷媒を流す冷媒配流板を具備しており、
前記冷媒配流板はこれの厚み方向に透過性を有するように多孔質化され、前記冷媒配流板を流れる冷媒を前記背向流路に供給することを特徴とする燃料電池。 - 請求項1または請求項2において、前記反応流路の下流領域は、前記厚み方向に多孔質化されており、且つ、前記反応流路の上流領域は緻密化されていることを特徴とする燃料電池。
- 請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項において、前記酸化剤配流板の気孔率は、前記反応流路の下流領域が前記反応流路の上流領域よりも相対的に大きくされていることを特徴とする燃料電池。
- 請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項において、前記酸化剤配流板の細孔径は、前記反応流路の下流領域から前記反応流路の上流領域にかけて実質的に均一である第1構成にされていることを特徴とする燃料電池。
- 請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項において、前記酸化剤配流板の細孔径は、前記反応流路の下流領域が前記反応流路の上流領域よりも相対的に小さくされている第2構成にされていることを特徴とする燃料電池。
- 請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項において、前記酸化剤配流板の細孔径は、前記反応流路の下流領域が前記反応流路の上流領域よりも相対的に大きくされている第3構成にされていることを特徴とする燃料電池。
- 燃料電池の膜・電極接合体の酸化剤極に対向して設けられ前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤配流板において、
前記膜・電極接合体に背向する背向面に形成され酸化剤ガスが流れる背向流路と、前記膜・電極接合体に対向する対向面に形成されると共に前記背向流路に連通すると共に前記背向流路を流れた酸化剤ガスが流れる反応流路とを有しており、
前記背向流路および前記反応流路は前記配流板において表裏の関係に設定されており、
前記背向流路の終部は前記反応流路の始部に連通しており、且つ、
前記酸化剤配流板の前記背向流路における下流領域と、前記酸化剤配流板の前記反応流路における上流領域とは、前記酸化剤配流板の厚み方向において互いに対向するように、前記酸化剤配流板の表裏の関係に設定されており、且つ、
前記酸化剤配流板の前記反応流路の少なくとも下流領域は、これの厚み方向に、液相状の水または水蒸気を含む水分を透過させる水分透過性およびガス透過性を有するように多孔質化されていることを特徴とする酸化剤配流板。 - 請求項8において、前記酸化剤配流板の気孔率は、前記反応流路の下流領域が前記反応流路の上流領域よりも相対的に大きくされていることを特徴とする酸化剤配流板。
- 請求項8または請求項9において、前記酸化剤配流板の細孔径は、前記反応流路の下流領域から前記反応流路の上流領域にかけて実質的に均一である第1構成にされていることを特徴とする酸化剤配流板。
- 請求項8または請求項9において、前記酸化剤配流板の細孔径は、前記反応流路の下流領域が前記反応流路の上流領域よりも相対的に小さくされている第2構成にされていることを特徴とする酸化剤配流板。
- 請求項8または請求項9において、前記酸化剤配流板の細孔径は、前記反応流路の下流領域が前記反応流路の上流領域よりも相対的に大きくされている第3構成にされていることを特徴とする酸化剤配流板。
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