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JP3701862B2 - 鉄骨構造物の高強度継手施工方法 - Google Patents

鉄骨構造物の高強度継手施工方法 Download PDF

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JP3701862B2 JP2000363495A JP2000363495A JP3701862B2 JP 3701862 B2 JP3701862 B2 JP 3701862B2 JP 2000363495 A JP2000363495 A JP 2000363495A JP 2000363495 A JP2000363495 A JP 2000363495A JP 3701862 B2 JP3701862 B2 JP 3701862B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築構造物・橋梁構造物・一般構造物等において、片側溶接を行う技術分野に属する。本発明は、表ビードの高さ及び幅を増加させる溶接方法、又は、溶接継手部材端面部の裏面に肉盛溶接を行った後、溶接継手部材及び該肉盛溶接部を含めて開先加工し継手溶接を行う方法、又は、部材の端部を曲げ加工して部材の開先加工を行った後に継手溶接を行う方法により、消耗式の裏当金や裏当材を用いず部材を片側から溶接施工する片側溶接方法で継手溶接し、溶接継手部材端面部の部材の板厚又は板幅を超えるのど厚を獲得する技術の方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図1は、従来の鉄骨溶接の一例を示す断面図である。部材1及び35度に開先加工した部材2をT継手で突合せ溶接するのであるが、溶接を片側から安定して完全溶け込みにするため裏当金3を裏面からあてがい仮付け溶接4を行う。そして、図2のように継手溶接6を行う。従って、従来の技術では、図1及び図2に示すように、建築などの鉄骨溶接は片側から施工する裏当金付き継手が標準になっている。
【0003】
従来の方法では、部材の接合予定端部の開先加工をしてから、裏当金の製作及び裏当金取付の仮付溶接を行っている。そのため、開先加工してから直ちに継手溶接を実施できない。この問題を避けるために、取り付けられた裏当金をガウジング等で除去し、健全な継手溶接を得るためには莫大な費用と時間を必要とする。
【0004】
また、従来の方法では、溶接後裏当金を除去せず放置するので、部材と裏当金の間に有害なノッチが残留して応力集中が発生する。このため、耐震強度の劣化等を引き起こす要因ともなっている。
【0005】
また、従来の方法では、図11のようにT継手における鉄骨ダイアフラム1の表面に継手溶接の前に予め溶接ビード13を置いたり、図12のようにT継手における鉄骨ダイアフラム1の表面及び対向する部材2の開先裏面に予め溶接ビードを置く方法が公表されているが、部材寸法公差や肉盛溶接ビードの不整により開先合わせが難しく、その上安定な裏波溶接を得るために溶接姿勢に制限があり作業性などに難点がある。
【0006】
また、溶接開始点と終了点が重なる四角パイプや丸パイプの周溶接と異なり、H形鋼のフランジの端部を溶接する場合、フランジ幅が有限幅になり、溶接の始端部と終端部に欠陥のない良好な溶接を得るために、従来の方法では、図13に示すように鋼製エンドタブが必要になる為、エンドタブの製作費用と取付工数が多く掛かる。この鋼製エンドタブの代わりにセラミックス製のエンドタブを使用することが最近増加しつつあるが、この場合もセラミックス製の高価な製作費用と取付作業が必要になる。また、鋼製エンドタブには、タブとフランジの間に応力集中をもたらすノッチがあり、セラミックスエンドタブは溶接欠陥が発生し易いという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法は、図1に示すように部材1及び2が裏当金と接する開先5のルート部に2カ所の凹みコーナ1R及び2Rが存在して、この部分が溶融し難く溶込み不良の原因になり易く、また、図1及び図2に示すように、開先5の加工をした後に裏当金3の製作及び裏当金取付の仮付溶接4を必要とし、継手溶接能率面から製作工数が大きく掛かる上に、その後の継手溶接6では、裏当金3を放置している為、仮付溶接4の残留による応力集中をもたらす有害なノッチや裏当金3と母材1及び2との間に応力集中をもたらす有害なノッチ7及び7Aが残留することになり、曲げ延性・疲労強度や耐震強度等の継手性能を阻害する要因となっている。実験では、図2の継手形式で部材2が上向きの曲げ荷重2Bを受けたときほとんどが有害なノッチ部7又は7Aで亀裂が発生し継手が破壊した。
【0008】
更に、図1及び図2に示す従来の方法では、部材の接合予定端面部の開先加工をしてから、裏当金3の製作・裏当金取付の仮付溶接4を必要とし、本継手の溶接6に直ちに着手できない為、製作工程手順面から鉄骨製作工数が大きくかかるという不利益がある。
【0009】
また、従来の技術では、裏当金3を省略すると開先の表側から第1層目の裏面に欠陥の無い整った波形のビードを作る裏波溶接を行う必要があるが、鉄骨製作では素材の寸法精度に起因する開先精度の保持の困難性、裏波溶接技量の確保の困難性、及び初層からの大電流使用の困難性があるため、その実現が困難である。
【0010】
また、良好な裏波ビード形成のために消耗式の裏当材の使用も可能であるが、この方法では消耗式の裏当材が高価で取付の作業及び取り外しの作業が掛かるという問題がある。図14に示す建築鉄骨の仕口部のように内部が閉じられた空間になる場合は溶接後の消耗式の裏当材の取り外しが出来ないという問題もある。これらの諸問題に対し、図15から図18の一連の施工順序で示すように、T継手の端面が溶接される部材の端面に銅など非溶融の裏当材をあてがい、その裏側に肉盛溶接を行い、肉盛溶接部を含めて開先加工を行い、相手部材に当接し本溶接を実施する方法がある。この方法によればこれらの問題が解決するが、小径の角形鋼管の場合端面に銅など非溶融の裏当材をあてがい裏側即ち内面側に該肉盛溶接を行ったりする場合などに狭くて溶接作業性の問題がある。
【0011】
また、日本建築学会の1997年2月20付「建築工事標準仕様書JASS6鉄骨工事」及び、1998年7月1日付「鉄骨精度測定指針」では、例えば板厚40mm以下のT継手において、図3及び図4に示すように、相手部材1の表面位置に於ける部材2の余盛高さは板厚tの25%から板厚tの25%に10mm加えた大きさまでという寸法を満足するだけでなく母材表面から滑らかに変化しなければならないと規定されている。この規定は表ビードの応力集中を緩和させるため有効であるが、ビード中央に於ける高さがゼロでも許容しており、ビード中央に於ける高さの効果について言及されていない。従って、このようなビードでは、図3に於ける曲げモーメント2Bや引張力2Cにより、継手溶接6のルート部7や7Aの応力集中が高まり、該ルート部7及び7Aに容易に割れが発生しやすい。図4に示すように、裏面に裏当金3とその仮付溶接4がある場合は、継手溶接6のルート部7に加えて仮付溶接部のルート部や止端部4Aに応力集中が働き、特に仮付部止端4Aから容易に割れが発生しやすい。
【0012】
また、一方図11の施工法のように、T継手の端面でない方の部材1の上に予め肉盛溶接13を置いてから、部材2をあてがい開先の表側から第1層目の溶接14を行い、しかる後に、継手溶接6を行う方法がある。この方法は裏当金を省略できるという簡便さはあるが、肉盛溶接ビードの波の凹凸がある上に予め肉盛溶接13の位置を決めておくため寸法精度が一定でない部材同士の肌合わせ位置の調整及び変更が容易でないこと、溶接姿勢が横向きでないと施工が難しいこと、裏波ビード形成のため図11の部材1が一定の傾きを必要とすること、表面からの第1層目の溶接14に熟練が必要であり且つ大電流が使えないこと、のど厚2Aの増加には繋がらないことなどの問題がある。
【0013】
また、図12のように、T継手の部材1表面に加え端面が開先加工された部材2の裏面にそれぞれ予め溶接肉盛ビード13及び13Aを置いてから、部材2をあてがい開先の表側から第1層目の溶接14を行い、しかる後に、継手溶接6を行う方法がある。この方法も裏当金を省略できるという簡便さはあるが、図11と同様な問題がある。更に、図12の部材2の先端に肉盛溶接13Aをするときの溶接が容易でなく、そのうえ、T継手の両部材にそれぞれに予め2カ所の肉盛溶接を置く必要があり、図15から図18に至る一連の施工法で示すような端面が接合される部材のみに溶融しない裏当材を使用して肉盛溶接し肉盛部を含めて開先加工をして継手溶接する方法に比較し、溶接施工の難しさ及び製作工数増加の問題がある。
【0014】
また、H形鋼の有限幅フランジの長手方向の端部に対し幅方向の有限長の溶接を行い、その始端部及び終端部の健全性を得るためにしばしばエンドタブが用いられているが、そのエンドタブの使用には製作費と取付費が掛かるため、このエンドタブを省略する安価で容易な施工法が望まれている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、鉄骨構造物等の片側溶接において、継手溶接能率面からみた製作工数の削減、製作工程手順面からみた鉄骨製作工数の削減、継手部材間の位置調整の容易性の向上、溶接施工性の向上、のど厚の増大、及び、裏当金又はエンドタブと母材との間に応力集中をもたらす有害なノッチ及び裏当金の仮付部に応力集中をもたらす有害なノッチが残留することによる継手性能の阻害要因の排除を、表側の最終層の継手溶接ビード形状を制御すること、又は、継手部材そのものによって形成されるよりも大きな開先面を形成させることにより達成することを目的とする。
【0016】
発明が解決しようとする課題のうち継手性能を向上させる為には、図2に示す従来法の継手を強化し裏面の有害なノッチ7及び7A及び裏当金仮付溶接ビードノッチ4Aを無害化するか、又は、これらの課題総てを解決する為には図1の1R及び2Rのルート部のコーナをなくし、製作工数の掛かる裏当金の製作とその仮付溶接を省略すると共に、有害なノッチの排除・のど厚の増大を図る必要がある。
【0017】
そこで、請求項1の発明に係る方法では、T形の部材同士がほぼ直角となる突合せ溶接継手において片側溶接を行う場合に、図2に示す従来法の継手を強化し裏面の有害なノッチ7及び7Aを無害化する為に、図5に示すように、端面が接合される部材2の側において、表側の溶接ビード止端部の位置6Tが裏面の溶接ルート部の位置7から2Aの母材板厚tの80%以上に離れて望むらくは2Aの母材板厚tから1.5t離れて位置するように、即ち図5で6B≧0.8tとし望むらくはt≦6B≦1.5tとなるように溶接施工され、且つ少なくとも裏面の溶接ビード幅の全領域における表ビード余盛高さ及び裏面溶接ルート部に於ける表ビードの余盛高さ6Hが少なくとも板厚tの10%以上に確保され望むらくは15%以上で25%以下に確保され、継手溶接6の最終層の余盛が接合溶接部材1の母材表面から部材2まで滑らかに変化するように溶接施工を行う。このような溶接施工を行えば、T継手は裏面のノッチ部の板厚が増大し、裏面ノッチ部の応力集中が軽減されて、部材2の引張荷重2C及び曲げモーメント2Bに対し補強され強度が向上する。この場合、溶接施工範囲を、望むらくは母材板厚tの1.5倍以下としたのは、溶接歪みの増加と溶接施工費用の増加を防止するためである。
【0018】
請求項1の発明に係る方法において、図6に示すように裏当金の仮付溶接が存在する場合は、裏当金の応力集中部である止端部4Aから表側の溶接ビード止端部6Tの位置までの距離6Bが2Aの母材板厚tの80%以上になるように、望むらくは2Aの母材板厚tから1.5t離れて位置するように、即ち図6で6B≧0.8tとし望むらくはt≦6B≦1.5tとなるように溶接施工され、且つ少なくとも裏面の溶接部の全領域における表ビード余盛高さ及び裏面溶接ルート部に於ける表ビードの余盛高さ6Hが少なくとも板厚の10%以上確保され望むらくは15%以上で25%以下に確保され、継手溶接6の最終層の余盛が接合溶接部材1の母材表面から部材2まで滑らかに変化するように溶接施工を行う。
【0019】
請求項1の発明に係る方法で、接合される二つの部材がほぼ同じ面内となる突合せ継手において片側溶接を行う場合に、図7に示すように角形鋼管を使用した仕口部で二つの部材2と12の少なくとも板厚の薄い側2で、表側の溶接ビード止端部6Tの位置が裏面の溶接ビードルート部7又は裏当金3に仮付溶接がある場合の止端部の位置から板厚の80%以上に離れて望むらくは2Aの板厚t以上離れて位置するように、即ち図7で6B≧0.8tとし望むらくはt≦6B≦1.5tとして溶接施工され且つ少なくとも裏面の溶接ビード幅の領域における表ビード余盛高さが板厚の10%以上確保され望むらくは15%以上で25%以下に確保され、余盛が母材表面から滑らかに変化するように溶接施工を行う。
【0020】
【実施例】
発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0021】
請求項1に係る発明の実施の形態について、主に、図5、図6及び図7を用いて説明する。
【0022】
図5は、T形の部材同士がほぼ直角となる突合せ溶接継手で裏当金付きの片側溶接を行う場合の本発明に係る方法について説明する代表的な図である。図5において、初層の溶接から順次溶接を実施するところは従来法と同一であるが、端面が接合される部材2の側において、継手溶接6の最終層の幅と高さを従来法よりも大きくするところが異なっている。即ち、請求項1に係る本発明では、端面が接合される部材2の側において、表側の溶接ビード止端部の位置6Tが裏面の溶接ルート部の位置7から2Aの母材板厚tの80%以上に離れて望むらくは2Aの母材板厚tから1.5t離れて位置するように、即ち図5で6B≧0.8tとし望むらくはt≦6B≦1.5tとなるように溶接施工され、且つ少なくとも裏面の溶接ビード幅の全領域における表ビード余盛高さ及び裏面溶接ルート部に於ける表ビードの余盛高さ6Hが少なくとも板厚tの10%以上に確保され望むらくは15%以上で25%以下に確保され、継手溶接6の最終層の余盛が接合溶接部材1の母材表面から部材2まで滑らかに変化するように溶接施工を行う。このように、最終層を広めに且つ高めにすることは、最終層の溶接ビードをウイービングするか又はパス数を多くすることにより達成できる。
【0023】
実験によれば、400MP及び500MP級の鋼材の板厚20及び30mmに対し、2Bの曲げモーメントにより、図3に示すような従来法の継手では部材2は通常10度から30度の曲げ角度でルート部に割れが発止したものが、本発明に係る図5の継手では60度以上まで曲げても割れが発生しなかった。また、図23の裏面肉盛方法を用いた継手に対し、請求項1の本発明に係る方法を同様に適用した場合、2Bの曲げモーメントにより、部材2はほとんどが90度まで曲げても割れが発生しなかった。これらのいずれの曲げ試験においても、曲がり部は母材部であった。また、同じ鋼材を用いて、図5に示す本発明に係る方法で引張荷重2Cを与えた場合、いずれも母材で破断したが、図3に示す従来方法の継手ではほとんどがルートノッチ部で割れ発生ないし破断が起こった。図4に示すような従来継手に対しても、図6のような本発明に係る方法を適用すれば同様な曲げ延性の向上及び引張荷重の対し母材破断が得られた。
【0024】
請求項1の発明に係る方法で、接合される二つの部材がほぼ同じ面内となる突合せ継手において片側溶接を行う場合に、図19に示すように、予め角形鋼管11とダイアフラム12による仕口部を図16から図18に至る裏面肉盛溶接方法による工程で製作し、図7に示すようにダイアフラム12とフランジ2との従来法による裏当金を用いた突合せ溶接継手で最終層をウイビング又は多パスで仕上げて該継手溶接の最終層をt≦6B≦1.5tとして溶接施工され且つ少なくとも裏面の溶接ビード幅の領域における表ビード余盛高さが15%以上で25%以下に確保されるように適用することが可能である。また、図19に示すような仕口を製作し接合される二つの部材がほぼ同じ面内となる突合せ継手において片側溶接を行う場合に、図8又は図9又はず10のようにアーク熱により溶融しない銅などの裏当材をあてがい、フランジ裏面に予め肉盛溶接をして肉盛溶接部を含めて開先加工したのち継手溶接を行い、請求項1の発明に係る方法で、該継手溶接の最終層をt≦6B≦1.5tとして溶接施工され且つ少なくとも裏面の溶接ビード幅の領域における表ビード余盛高さが15%以上で25%以下に確保され、図20に示すように、ノンスカラップ溶接27Aを実施することが可能であった。
【0025】
尚、本発明に係る施工方法では、応力集中をもたらす裏当金付きの従来のT形継手に対しても応力集中を軽減し、曲げ延性や継手強度の向上をもたらすので、既存の鉄骨構造物への適用での曲げ延性や継手強度の改善にも役立つ。
【0026】
【発明の効果】
本発明による効果は、従来法に比べ次の通りである。
1 請求項1については、応力集中をもたらす裏当金付きの従来のT形継手に対しても応力集中を軽減し、曲げ延性や継手強度の向上をもたらす。従って、既存の鉄骨構造物への適用での曲げ延性や継手強度の改善に役立つ。
2 請求項1については、建築鉄骨仕口部柱−梁継手近傍の梁のフランジ部の一部を切り欠くドッグボーン方式に比べ梁の座屈強度が高く製作工費・製作工期も低く押さえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】片側溶接実施前の従来の継手形状の断面図の一例
【図2】片側溶接実施後の従来の継手の断面図の一例
【図3】日本建築学会仕様書による裏当金に仮付溶接のない従来法の継手余盛形状規定の断面図
【図4】の断面図
日本建築学会仕様書による裏当金に仮付溶接がある従来法の継手余盛形状規定の断面図
【図5】裏当金に仮付溶接のない従来法の継手に対する本発明に係る最終層余盛形状の断面図
【図6】裏当金に仮付溶接がある従来法の継手に対する本発明に係る最終層余盛形状の断面図
【図7】梁通し仕口部ダイアフラムと梁フランジとの突合せ溶接に於ける本発明に係る余盛形状改善の適用例の断面図
【図8】T形溶接継手で端面が溶接される部材の端部裏側に銅など溶融しない裏当材をあてがい該端部裏面に肉盛溶接をした断面図
【図9】H形鋼フランジ等の長手方向の端部裏側にアーク熱で溶融しない銅などの裏当材を、フランジ端部を囲むように当てた外観図、
【図10】H形鋼フランジ等の長手方向の端部裏側にアーク熱で溶融しない銅などの裏当材を、フランジ端部を囲むように当てて、肉盛溶接をした外観図
【図11】T継手のダイアフラムなどの部材表面の継手予定部裏面に予め肉盛溶接をして、T継手両部材を片側から裏波溶接する片側溶接方法を示す断面図。
【図12】T継手のダイアフラムなどの部材表面の継手予定部裏面及び開先加工済みの継手端面部裏面の両方に肉盛溶接して、T継手両部材を片側から裏波溶接する片側溶接方法を示す断面図。
【図13】柱梁継手の従来法による鋼製エンドタブ取付施工例
【図14】従来工法の建築仕口部の柱・ダイアフラム及びダイアフラム・梁の溶接部の例
【図15】部材端部に水冷又は非水冷の銅製型枠をあてがい肉盛溶接した断面図の一例
【図16】部材端部に肉盛溶接し部材端部及び肉盛溶接部を共に開先加工した状態の断面図で、部材2は図15と上下反対に表示。
【図17】部材端部に肉盛溶接と開先加工し相手部材にあてがった状態の断面図
【図18】部材端部に肉盛溶接と開先加工し相手部材にあてがい溶接した状態の断面図
【図19】角形鋼管をダイアフラムに溶接した鉄骨溶接仕口部の断面図
【図20】角形鋼管端部裏面及びH形鋼端部のフランジ端部裏面に肉盛溶接した場合の、建築仕口部の柱・ダイアフラム及びダイアフラム・梁のノンスカラップ溶接部の例
【符号の説明】
1 接合溶接部材、例えば、建築鉄骨の柱や仕口部ダイアフラムなど
1A 継手溶接6の有効のど厚
1R 部材1側のルート部コーナ
2 開先加工予定の、又は、行った溶接部材
2A 部材2の板厚t、及び、図2における継手溶接ののど厚
2B 上向きの荷重又は曲げモーメント
2C 引張力
2D 部材2の底面位置から2Kまでの寸法
2E 開先加工位置
2F 開先面
2G T形溶接継手部材2の裏面位置におけるT形溶接開先ギャップ
2R 部材2側のルート部コーナ
2K 部材2の端面上角部
2L 部材2の端面下角部
2M 部材2の底面位置から2Lまでの寸法
2T T形溶接継手部材2の開先加工前の端面
2U 部材2の底面位置
2V 曲げ面により形成される開先角度
2Y 部材2の曲がり部
3 裏当金
4 裏当金の仮付溶接
4A 裏当金の仮付溶接止端部
5 開先
6 継手溶接
6A 裏ビード幅
6B 裏ビードルート部又は仮付け止端部から表ビード止端部までの距離
6H 裏面溶接ルート部又は仮付止端部に於ける表ビード止端部の余盛高さ
6T 表ビード最終層止端部
7 T継手の端面部材側のルート部のノッチによる応力集中部
7A T継手の部材表面側のルート部のノッチによる応力集中部
8 溶接熱源によって溶融しない裏当材、即ち、非溶融式裏当材。例えば、水冷又は非水冷の銅裏当て金、又は、炭素板
9 肉盛溶接
9B ルート部
10 継手端面部材と肉盛溶接部とを共に開先加工した開先加工面
11 四角パイプ柱
12 ダイアフラム
13 T継手の部材表面側に施工した肉盛溶接
13A T継手の端面部材側表面に施工した肉盛溶接
14 裏波溶接
25 エンドタブ
25A 部材とエンドタブの隙間により発生するノッチ
26 H型鋼フランジ
27 H型鋼ウエブ
27A ノンスカラップ溶接予定部
28 スカラップ
28A 柱・ウエブのスカラップ溶接

Claims (1)

  1. 鉄骨構造物において、一つの部材端面を他の部材表面に載せてT形のほぼ直角となる突合せ溶接継手において片側溶接を行う場合に、端面が接合され開先加工される部材側において、表側の溶接ビード止端部の位置が裏面の溶接ルート部又は仮付止端部の位置より板厚の80%以上離れて位置するように溶接施工され且つ少なくとも裏面の溶接ビード幅の領域における表ビード余盛高さが少なくとも板厚の10%以上確保され余盛が母材表面から滑らかに変化するように溶接施工を行うか、又は、接合される二つの部材がほぼ同じ面内となる突合せ継手において片側溶接を行う場合に、二つの部材の少なくとも板厚の薄い側において表側の溶接ビード止端部の位置が裏面の溶接ルート部又は止端部の位置より板厚の80%以上に離れて位置するように溶接施工され且つ少なくとも裏面の溶接ビード幅の領域における表ビード余盛高さが板厚の10%以上確保され余盛が母材表面から滑らかに変化するように溶接施工を行う方法。
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