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JP3765272B2 - 感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの製造法及びプリント配線板の製造法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの製造法及びプリント配線板の製造法 Download PDF

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JP3765272B2
JP3765272B2 JP2001525474A JP2001525474A JP3765272B2 JP 3765272 B2 JP3765272 B2 JP 3765272B2 JP 2001525474 A JP2001525474 A JP 2001525474A JP 2001525474 A JP2001525474 A JP 2001525474A JP 3765272 B2 JP3765272 B2 JP 3765272B2
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carbon atoms
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photosensitive resin
meth
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敬浩 日高
美智子 名取
泰治 村上
有紀子 村松
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Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Resonac Corp
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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの製造法及びプリント配線板の製造法に関する。
【0002】
(背景技術)
従来、プリント配線板の製造分野において、エッチング、めっき等に用いられるレジスト材料としては、感光性樹脂組成物及びそれに支持体と保護フィルムを用いて得られる感光性エレメントが広く用いられている。
【0003】
プリント配線板は、感光性エレメントを銅基板上にラミネートして、パターン露光した後、硬化部分を現像液で除去し、エッチング又はめっき処理を施して、パターンを形成させた後、硬化部分を基板上から剥離除去する方法によって製造されている。
【0004】
感光性エレメントに対しては、近年のプリント配線板の高密度化に伴い、従来に比べ高解像性・高密着性に関する要求がますます高くなっている。
また、一方では、作業性の向上という点から、高感度、低めっき浴汚染性の感光性樹脂組成物が望まれており、これらの特性は、使用される光開始剤の種類及び量に依存するものである。
【0005】
高感度の光開始剤は、ドイツ特許第2,027,467号明細書、ヨーロッパ特許公開第11,786号明細書、ヨーロッパ特許公開第220号明細書、ヨーロッパ特許公開第589号明細書、特開平6−69631号公報に記載されているが、これらはめっき浴汚染性を有する傾向がある。
【0006】
この他に、めっき浴汚染性の少ない光開始剤である2,4,5−トリフェニルイミダゾール二量体と、水素供与性化合物を組み合わせ高感度にした感光性樹脂組成物が、米国特許第3,479,185号明細書に記載されているが、要求される感度に調整した場合、2,4,5−トリフェニルイミダゾール二量体の使用量を増量すると、レジストの線幅が太くなってしまい、水素供与性化合物の使用量を増量すると、銅との密着性及び保存安定性が劣るという問題がある。また、2,4,5−トリフェニルイミダゾール二量体と高反応性のエチレン性不飽和基を有する化合物(例えば、ポリエチレングリコールジメタクリレート等)を使用することが考えられるが、耐薬品性が著しく劣るものとなる。
【0007】
(発明の開示)
そこで、本発明は、解像性、密着性、感度、剥離特性等に優れ、めっき浴汚染性が低い感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。別の目的は、解像性、密着性、感度、剥離特性、低めっき浴汚染性、作業性及び生産性等に優れた感光性エレメントを提供することである。さらに別の目的は、解像性、密着性、感度、剥離特性、低めっき浴汚染性、作業性及び生産性等に優れたレジストパターンの製造法を提供することである。さらに別の目的は、解像性、密着性、感度、剥離特性、低めっき浴汚染性、作業性及び生産性等に優れたプリント配線板の製造法を提供することである。
【0008】
本発明の第一の側面によれば、(A)バインダーポリマーとして、少なくともスチレン及び/又はスチレン誘導体、ならびに、アクリル酸又はメタクリル酸及びこれらのアルキルエステルを共重合成分として含む重量平均分子量が20,000〜300,000のアクリル樹脂、(B1)オキセタン化合物(B2)ビスフェノールA系(メタ)アクリレート、(C1)光酸発生剤、及び(C2)ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする、アルカリ水溶液により現像可能である感光性樹脂組成物が提供される。
【0009】
本発明の別の側面によれば、本発明に係る感光性樹脂組成物からなるレジスト層が支持体上に形成されてなる感光性エレメントが提供される。
【0010】
本発明のさらに別の側面によれば、以下の工程を含むレジストパターンの製造法が提供される:
i)本発明に係る感光性樹脂組成物からなるレジスト層が支持体上に形成されてなる感光性エレメントを、回路形成用基板上に、前記レジスト層が前記回路形成用基板の表面に密着するようにして積層する工程;
ii)マスクパターンを通して活性光線を照射又はレーザー直接描画露光し、露光部の前記レジスト層を光硬化させる工程;および
iii)未露光部の前記レジスト層を現像により選択的に除去してレジストパターンを形成する工程。
【0011】
本発明のさらに別の側面によれば、以下の工程を含むプリント配線板の製造法が提供される:
i)本発明に係る感光性樹脂組成物からなるレジスト層が支持体上に形成されてなる感光性エレメントを、表面に被加工層を有する回路形成用基板上に、前記レジスト層が前記回路形成用基板の被加工層の表面に密着するようにして積層する工程;
ii)マスクパターンを通して活性光線を照射又はレーザー直接描画露光し、露光部の前記レジスト層を光硬化させる工程;
iii)未露光部の前記レジスト層を現像により選択的に除去してレジストパターンを形成する工程;および
iv)前記レジストパターンをマスクとして、前記回路形成用基板の前記被加工層をエッチング又は前記被加工層上に選択的にめっきする工程。
【0012】
(発明を実施するための最良の形態)
以下に、本発明の実施の形態について詳しく説明する。なお、以下の説明において、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。
【0013】
本発明に係る感光性樹脂組成物には、各々独立した3つの特徴がある。すなわち、第一の特徴は、(A)バインダーポリマー、(B1)分子内に少なくとも1つの重合可能な環状エーテル基有する光重合性化合物及び(C1)光酸発生剤を含有してなることである。第二の特徴は、(A)バインダーポリマー、(B2)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物及び(C1)光酸発生剤を含有してなることである。第三の特徴は、(A)バインダーポリマー、(B1)分子内に少なくとも1つの重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物、(B2)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物及び(C2)ラジカル重合開始剤を含有してなることである。上記第一の特徴によれば、解像度、密着性、感度、剥離特性に優れ、めっき浴汚染性が低い感光性樹脂組成物が提供できる。上記第二の特徴によれば、密着性、感度、耐薬品性、柔軟性に優れ、めっき浴汚染性が低い感光性樹脂組成物が提供できる。上記第三の特徴によれば、解像度、感度、パターン形状、剥離特性に優れた感光性樹脂組成物が提供できる。
【0014】
バインダーポリマーとラジカル重合性化合物とラジカル重合開始剤とを含む従来のラジカル重合系に対して(B1)成分の分子内に少なくとも1つの重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物を用いることにより、この(B1)成分がラジカル重合の可塑剤として機能して系を軟らかくし、特にパターン形状が良好な樹脂組成物となり、また、ラジカル重合は促進されるが架橋密度は上がらないので、硬化物の剥離時間が短いという効果が得られる。一方、従来のラジカル重合系に対して(C1)成分の光酸発生剤を用いることにより、(C1)成分から発生するラジカルがラジカル重合に寄与するため、特に感度と解像度に優れた樹脂組成物が得られる。さらに、従来のラジカル重合系に対して(B1)成分と(C1)成分とを用いることにより、ラジカル重合と共にカチオン重合が生じ、特に感度に優れた樹脂組成物を得ることができる。
【0015】
上記(A)成分のバインダーポリマーとしては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。アルカリ性水溶液で現像できるという見地からは、アクリル系樹脂が好ましい。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、必要に応じて、これらのバインダーポリマーは感光性基を有していてもよい。
【0016】
バインダーポリマーは、例えば、重合性の単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。
【0017】
上記重合性の単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエンやα−メチルスチレン等のα−位又は芳香族環が置換されている重合可能なスチレン誘導体、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマル酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、一般式(3):
【化3】
Figure 0003765272
(式中、R6は水素原子又はメチル基を示し、R7は炭素数1〜12のアルキル基を示す)
で表される化合物、これらの化合物のアルキル基に水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等が置換した化合物などが挙げられる。
【0019】
上記一般式(3)中のR7で示される炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。
【0020】
上記一般式(3)で表される単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル、等が挙げられる。
【0021】
本発明における(A)成分であるバインダーポリマーは、アルカリ性水溶液で現像できる、すなわちアルカリ現像可能という見地から、カルボキシル基を含有させることが好ましく、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。
【0022】
また、解像性及び可とう性の見地から、(A)成分のバインダーポリマーは、スチレン及び/又はスチレン誘導体を重合性単量体として含むものであることが好ましい。このスチレン及び/又はスチレン誘導体を共重合成分として含む場合、密着性及び剥離特性を共に良好にするには、これらを0.1〜30重量%含むことが好ましく、1〜28重量%含むことがより好ましく、1.5〜27重量%含むことが特に好ましい。この含有量が0.1重量%未満では、密着性が劣る傾向があり、30重量%を超えると、剥離片が大きくなり、剥離時間が長くなる傾向がある。
【0023】
(A)成分のバインダーポリマーはアルカリ現像可能であることが好ましく、その観点から、その酸価は、30〜500mgKOH/gであることが好ましく、100〜500mgKOH/gであることがより好ましく、100〜400mgKOH/gであることが特に好ましく、100〜200mgKOH/gであることが極めて好ましい。この酸価が30mgKOH/g未満では現像時間が長くなる傾向があり、500mgKOH/gを超えると光硬化したレジストの耐現像液性が低下する傾向がある 。
【0024】
また、(A)成分のバインダーポリマーの重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算)は、20,000〜300,000であることが好ましく、30,000〜150,000であることがより好ましく、40,000〜100,000であることが特に好ましい。この重量平均分子量が20,000未満では耐現像液性が低下する傾向があり、300,000を越えると現像時間が長くなる傾向がある。
【0025】
これらのバインダーポリマーを2種類以上組み合わせて使用する場合、その組合せとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上のバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーなどが挙げられる。また、その開示内容が引用により援用される特開平11−327137号公報記載のマルチモード分子量分布を有するポリマーを使用することもできる。
【0026】
次に、上記(B1)成分について説明する。この(B1)成分は、第一の特徴及び第三の特徴を有する本発明の感光性樹脂組成物に用いられる。この成分が含まれることにより、樹脂組成物の感度およびパターン形状等を良好なものとすることができる。
【0027】
この(B1)分子内に少なくとも1つの重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物としては、重合可能な環状エーテル基を分子内に少なくとも1つ有していれば特に制限はなく、例えば、カチオン重合可能な環状エーテル基を分子内に有する化合物を使用できる。具体的には、例えば、オキセタン化合物、エポキシ化合物等が挙げられる。これらを用いることにより、感光性樹脂組成物の感度、剥離特性、パターン形状が一層良好なものとなる。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0028】
上記オキセタン化合物としては、その分子中にオキセタン環を有していれば特に制限はなく、1個のオキセタン環を有する化合物、2個のオキセタン環を有する化合物、3個のオキセタン環を有する化合物、4個のオキセタン環を有する化合物等が挙げられる。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0029】
上記1個のオキセタン環を有する化合物としては、例えば、オキセタン、2−メチルオキセタン、2,2−ジメチルオキセタン、3−メチルオキセタン、3,3−ジメチルオキセタン等のアルキルオキセタン、3−メチル−3−メトキシメチルオキセタン、3,3−ジ(トリフルオロメチル)パーフルオロオキセタン、2−クロロメチルオキセタン、3,3−ビス(クロルメチル)オキセタンや、一般式(1):
【化4】
Figure 0003765272
(式中、R1は及びR2は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、(メタ)アクリロイル基、フェナシル基、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、アリル基、水酸基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、アルキル基の炭素数が1〜10のカルボキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜10のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のN−アルキルカルバモイル基若しくは複素環を含む基、又は1以上のこれらの置換基で置換されたアリール基を示す)
で示される化合物等が挙げられる。また、オキセタン環の水素原子がフッ素等のハロゲン原子などで置換されていてもよい。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0030】
上記一般式(1)中の置換基は、これらの置換基中の水素原子がハロゲン原子等の上記置換基などに置換されていてもよく、一般式(1)において、R1は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、炭素数6〜18アリール基又は複素環を含む基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキル基であることがより好ましい。
【0031】
一般式(1)において、R2は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基又は炭素数2〜10のN−アルキルカルバモイル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
【0032】
一般式(1)中のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチンが挙げられる。
【0033】
一般式(1)中の炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、これらの構造異性体等が挙げられる。
【0034】
一般式(1)中の炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
【0035】
一般式(1)中の炭素数6〜18のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられ、これらは、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、アリル基、炭素数1〜20のアルキル基等で置換されていてもよい。
【0036】
一般式(1)中の炭素数1〜10のアルキルアミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基等が挙げられる。
【0037】
一般式(1)中の炭素数2〜20のジアルキルアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等が挙げられる。
【0038】
一般式(1)中の炭素数1〜10のアルキルメルカプト基としては、例えば、メチルメルカプト基、エチルメルカプト基、プロピルメルカプト基等が挙げられる。
【0039】
一般式(1)中の炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシイソプロピル基、ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
【0040】
一般式(1)中のアルキル基の炭素数が1〜10のカルボキシアルキル基としては、例えば、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基等が挙げられる。
【0041】
一般式(1)中のアルキル基の炭素数が1〜10のアシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基等が挙げられる。
【0042】
一般式(1)中の炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
【0043】
一般式(1)中の炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0044】
一般式(1)中の炭素数2〜10のアルキルカルボニル基としては、例えば、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等が挙げられる。
【0045】
一般式(1)中の炭素数2〜10のアルケニル基としては、例えば、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等が挙げられる。
【0046】
一般式(1)中の、炭素数2〜10のN−アルキルカルバモイル基としては、例えば、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等が挙げられる。
【0047】
一般式(1)中の複素環を含む基、すなわち複素環化合物から誘導される基としては、例えば、フリル基、チエニル基、ピロリル基、チアゾリル基、インドリル基、キノリル基等が挙げられる。
【0048】
さらに具体的には、一般式(1)において、R=エチル基、R=水素原子である化合物(東亜合成(株)製、製品名OXT−101):
【化5】
Figure 0003765272
=メチル基、R=フェニル基である化合物(東亜合成(株)製、製品名OXT−211):
【化6】
Figure 0003765272
=メチル基、R=2−エチルヘキシル基である化合物(東亜合成(株)製、製品名OXT−212):
【化7】
Figure 0003765272
=エチル基、R=メタクリロイル基である化合物(東亜合成(株)製、製品名OXT−MA):
【化8】
Figure 0003765272
等が好ましく挙げられる。
【0049】
また、前記2個のオキセタン環を有する化合物としては、例えば、一般式(2):
【化9】
Figure 0003765272
(式中、R3は2価の有機基を示し、R4及びR5は各々独立に一般式(1)におけるR1と同意義である)
で表される化合物、一般式(2a):
【化10】
Figure 0003765272
(式中、2個のR3は各々独立に上記一般式(2)におけるRと同意義であり、R及びRは各々独立に上記一般式(2)におけるR及びRと同意義である)
で表される化合物等が挙げられる。
【0050】
一般式(2)中、2価の有機基としては、例えば、炭素数1〜20の線状又は分枝状アルキレン基、アルキレン基の炭素数が1〜6の線状又は分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、線状又は分枝状不飽和炭化水素基、カルボニル基、アルキレン基の炭素数が1〜20のカルボニル基を含むアルキレン基、アルキレン基の炭素数が1〜20のカルボキシル基を含むアルキレン基、アルキレン基の炭素数が1〜20のカルバモイル基を含むアルキレン基が挙げられる。
【0051】
上記において、炭素数1〜20の線状又は分枝状アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。アルキレン基の炭素数が1〜6の線状又は分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基としては、例えば、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等が挙げられる。線状又は分枝状不飽和炭化水素基としては、例えば、エテニレン基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等が挙げられる。
【0052】
さらに、一般式(2)中の2価の有機基としては、以下の一般式又は式(4)〜(16)で示される基が挙げられる。
【0053】
【化11】
Figure 0003765272
(式中、R8は、前記一般式(1)におけるR1と同意義である)
【0054】
【化12】
Figure 0003765272
(式中、mは、1〜10の自然数であり、さらに、mの数値が異なる化合物の混合物でもよい)
【0055】
【化13】
Figure 0003765272
(式中、R9は、酸素原子、硫黄原子、炭素数1〜6のアルキレン基、あるいは、
【化14】
Figure 0003765272
を示す)
【0056】
【化15】
Figure 0003765272
(式中、R10は、前記一般式(1)におけるR1と同意義である)
【0057】
【化16】
Figure 0003765272
(式中、R11は一般式(6)におけるR9と同意義である)
【0058】
【化17】
Figure 0003765272
(式中、R12は一般式(1)におけるR1と同意義であり、ナフタレン環に2〜4個置換していてもよい)
【0059】
【化18】
Figure 0003765272
(式中、R13は一般式(1)におけるR1と同意義であり、ナフタレン環に2〜4個置換していてもよい)
【0060】
【化19】
Figure 0003765272
(式中、nは1〜10の自然数であり、さらにnの数値が異なる化合物の混合物でもよい)
を示す)
【0061】
前記2個のオキセタン環を有する化合物のうち好ましい化合物としては、例えば、下記式(17)〜(21)で表される化合物等が挙げられる。
【0062】
【化20】
Figure 0003765272
(R14はメチル基又はエチル基である)
【0063】
【化21】
Figure 0003765272
【0064】
また、入手可能な2個のオキセタン環を有する化合物としては、例えば、下記式:
【化22】
Figure 0003765272
で表される化合物(東亜合成(株)製、製品名OXT−221)、下記式:
【化23】
Figure 0003765272
で表される化合物(宇部興産(株)製、製品名OXT−BTOE)、下記式:
【化24】
Figure 0003765272
で表される化合物(宇部興産(株)製、製品名OXT−BDOE)、下記式:
【化25】
Figure 0003765272
で表される化合物(宇部興産(株)製、製品名OXT−DDOE)、下記式:
【化26】
Figure 0003765272
で表される化合物(日立化成工業(株)製、サンプル名HM−20)、下記式:
【化27】
Figure 0003765272
で表される化合物(日立化成工業(株)製、サンプル名HM−23)、下記式:
【化28】
Figure 0003765272
で表される化合物(日立化成工業(株)製、サンプル名HM−24)等が挙げられる。
【0065】
前記3又は4個のオキセタン環を有する化合物としては、例えば、一般式(22):
【化29】
Figure 0003765272
(式中、R1は、前記一般式(1)におけるR1と同意義であり、R15は、炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基を示し、jは3又は4である)
で表される化合物、一般式(22a):
【化30】
Figure 0003765272
(式中、Rは、前記一般式(1)におけるRと同意義であり、Rは、前記一般式(2)におけるRと同意義であり、R15は、前記一般式(22)におけるR15と同意義であり、jは前記一般式(22)におけるjと同意義である)
で表される化合物、一般式(22b):
【化31】
Figure 0003765272
(式中、Rは、前記一般式(1)におけるRと同意義であり、Rは、前記一般式(2)におけるRと同意義であり、R15は、前記一般式(22)におけるR15と同意義であり、j及びjは各々独立に1、2又は3であり、j+j=3又は4になるように選ばれる)
で表される化合物等が挙げられる。
【0066】
上記一般式(22)中の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基としては、例えば、一般式(23):
【化32】
Figure 0003765272
(式中、R16は炭素数1〜6のアルキル基である)
で示される基、下記式(24)および下記式(25):
【化33】
Figure 0003765272
で示される基等が挙げられる。
【0067】
上記一般式(22)中の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基としては、例えば、一般式(26):
【化34】
Figure 0003765272
(式中、pは、各々独立に1〜10の整数である)
で示される基等が挙げられる。
【0068】
前記3又は4個のオキセタン環を有する化合物のうち好ましい化合物としては、例えば、下記式(27):
【化35】
Figure 0003765272
で表される化合物、下記式:
【化36】
Figure 0003765272
で表される化合物(日立化成工業(株)製、サンプル名HM−16)等が挙げられる。
【0069】
また、上述したオキセタン化合物中の芳香環は、置換基を有していてもよく、それらの置換基の例としては、前記一般式(1)中のR1に例示したもの等が挙げられる。これら置換基が複数個の場合、複数個の置換基は、各々同一でも相違していてもよい。
【0070】
また、前記したオキセタン化合物以外にも、例えば、分子量1000〜5000程度の高分子量である1〜4個のオキセタン環を有する化合物等も使用することができる。
【0071】
さらに、オキセタンを含むポリマーとして、その開示内容が引用により援用されるK.Sato,A.Kameyama and T.Nishikubo, Macromolecules, 25,1198(1992)記載の、側鎖にオキセタン環を有するポリマー等も同様に使用することができる。
【0072】
前記(B1)成分として好ましく用いられるエポキシ化合物としては、分子内にエポキシ基を有していれば特に制限はなく、例えば、下式に示すような化合物等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0073】
【化37】
Figure 0003765272
【0074】
また、入手可能なエポキシ化合物としては、下記式:
【化38】
Figure 0003765272
で表される化合物(共栄社化学(株)製、製品名エポライト4000)、
下記式:
【化39】
Figure 0003765272
で表される化合物(共栄社化学(株)製、製品名エポライト3002)等が挙げられる。
【0075】
次に、(B2)成分について説明する。この(B2)成分は、第二の特徴及び第三の特徴を有する本発明の感光性樹脂組成物に用いられる。また、第一の特徴を有する本発明の感光性樹脂組成物にも好ましく用いられる。この成分が含まれることにより、本発明に係る感光性樹脂組成物の感度をさらに高めることができる。
【0076】
成分(B2)の分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例えば、ラジカル重合性のものが好ましく用いられ、具体的には、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、ノニルフェニルジオキシレン(メタ)アクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。なかでも、感光性樹脂組成物の感度、解像性、細線密着性の観点から、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物又はウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物を必須成分として含んでいることが好ましい。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0077】
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0078】
上記α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸等が拳げられる。
【0079】
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)等が挙げられ、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)、FA−321M(日立化成工業(株)製、商品名)等として商業的に入手可能である。
【0080】
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0081】
上記グリシジル基含有化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等が拳げられる。
【0082】
上記ウレタンモノマーとしては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、EOはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有する。また、POはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有する。
【0083】
上記EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート及びEO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、一般式(28):
【化40】
Figure 0003765272
(式中、R17及びR18は各々独立に水素原子又はメチル基を示し、X1及びX2は各々独立にエチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基を示し、Zは炭素数2〜16の炭化水素基を示し、s及びtは各々独立に2〜30の整数である)
で表される化合物等が挙げられる。
【0084】
また、s及びtがそれぞれ2以上の時、2以上のX1及び2以上のX2は、各々同一でも相違していてもよく、X1及びX2が2種のアルキレンオキサイド基(エチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基)で構成される場合、2種のX1及び2種のX2は、ランダムに存在してもよいし、ブロック的に存在してもよい。
【0085】
上記一般式(28)で表されるEO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、新中村化学工業(株)製、製品名UA−11等が挙げられる。
【0086】
また、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、新中村化学工業(株)製、製品名UA−13等が挙げられる。
【0087】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。
【0088】
次に、(C1)成分について説明する。この(C1)成分は、第一の特徴及び第二の特徴を有する本発明の感光性樹脂組成物に用いられる。この成分が含まれることにより、本発明に係る感光性樹脂組成物の感度、解像度をさらに高めることができる。
【0089】
(C1)成分の光酸発生剤としては、光により酸(電子対受容体)を発生する化合物であれば特に制限はなく、例えば、光又は熱によってカルボカチオンを発生する、カチオン重合開始剤として使用されるものを使用できる。具体的には、例えば、ヨードニウム塩化合物、スルホニウム塩化合物、アンモニウム塩化合物、ホスホニウム塩化合物、アルソニウム塩化合物、スチボニウム塩化合物、オキソニウム塩化合物、セレノニウム塩化合物、スタンノニウム塩化合物等が挙げられ、ヨードニウム塩化合物、スルホニウム塩化合物又はアンモニウム塩化合物であることが好ましい。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0090】
上記ヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフィネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4,4’−ターシャリブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロボレート、ビス(4,4’−ターシャリブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフィネート、ビス(4,4’−ターシャリブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4,4’−ターシャリブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ビス(4,4’−ターシャリブチルフェニル)ヨードニウムトリフレート等が挙げられる。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0091】
上記スルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフィネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムトリフレート等が挙げられる。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0092】
次に、(C2)成分について説明する。この(C2)成分は、第三の特徴を有する本発明の感光性樹脂組成物に用いられる。また、第一の特徴及び第二の特徴を有する本発明の感光性樹脂組成物にも好ましく用いられる。すなわち、第一の特徴及び第二の特徴を有する本発明の感光性樹脂組成物は、(C1)成分として光酸発生剤を必須の成分とし、(C2)成分としてラジカル重合開始剤を含有させることが好ましいが、光又は熱によってカチオン及びラジカルを発生する開始剤であれば、それだけで使用してもよい。この成分が含まれることにより、本発明に係る感光性樹脂組成物の感度をさらに高めることができる。
【0093】
(C2)ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物などが挙げられる。また、二量体を構成する2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対象な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、密着性及び感度の見地からは、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体がより好ましい。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0094】
上記2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体としては、例えば、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,4ージクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,3ージクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2ークロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(m−メトキシ)フェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,3ージクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(m−メトキシ)フェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,4ージクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(m−メトキシ)フェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,6ージクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(m−メトキシ)フェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−フルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,4ージフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,3ージフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2ーフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(m−メトキシ)フェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,3ージフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(m−メトキシ)フェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,4ージフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(m−メトキシ)フェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(m−メトキシ)フェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,4ージブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,3ージブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
【0095】
上記(C2)ラジカル重合開始剤には、増感剤として、例えば、7−アミノ−4−メチルクマリン、7−ジメチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−メチルアミノ−4−メチルクマリン、7−エチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジメチルアミノシクロペンタ[c]クマリン、7−アミノシクロペンタ[c]クマリン、7−ジエチルアミノシクロペンタ[c]クマリン、4,6−ジメチル−7−エチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−エチルアミノクマリン、4,6−ジメチル−7−ジエチルアミノクマリン、4,6−ジメチル−7−ジメチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−ジエチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−ジメチルアミノクマリン、4,6−ジメチル−7−エチルアミノクマリン等を併用することができる。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0096】
また、上記(C1)光酸発生剤には、増感剤として、例えば、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、アントラセン、ピレン、フェノチアジンなどを併用することができる。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0097】
前記(A)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分((B1)成分+(B2)成分)の総量100重量部に対して、光硬化物の硬度と感光性エレメントとして用いた場合の塗膜性の観点から40重量部以上であり、感度の観点から80重量部以下であることが好ましく、45〜60重量部であることがより好ましい。
【0098】
前記(B)成分((B1)成分+(B2)成分)の配合量は、上記と同様の理由から、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、20〜60重量部であることが好ましく、40〜55重量部であることがより好ましい。
【0099】
前記(B1)成分は(B)成分中、剥離時間の観点から5重量%以上であり、感度の観点から95重量%以下であることが好ましく、5〜80重量%であることがより好ましく、10〜50重量%であることが特に好ましい。
【0100】
前記(B2)成分は(B)成分中、感度の観点から5重量%以上であり、剥離時間の観点から95重量%以下であることが好ましく、20〜95重量%であることがより好ましく、50〜90重量%であることが特に好ましい。
【0101】
(C)成分((C1)成分+(C2)成分)の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、感度の観点から1重量部以上であり、解像度の観点から10重量部以下であることが好ましく、2〜6重量部であることがより好ましい。
【0102】
前記(C1)成分は(C)成分中、解像度及び剥離特性の観点から10重量%以上であり、感度の観点から80重量%以下であることが好ましく、10〜50重量%であることがより好ましく、10〜40重量%であることが特に好ましい。
【0103】
前記(C2)成分は(C)成分中、細線密着性の観点から20重量%以上であり、解像度及び感度の観点から90重量%以下であることが好ましく、50〜90重量%であることがより好ましく、60〜90重量%であることが特に好ましい。
【0104】
以上のような成分を含む感光性樹脂組成物には、必要に応じて、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して各々0.01〜20重量部程度含有することができる。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0105】
本発明に係る感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解して固形分30〜60重量%程度の溶液として塗布することができる。その用途は、特に制限はないが、銅、銅系合金、鉄、鉄系合金等の金属面上に、液状レジストとして塗布して乾燥後、必要に応じて保護フィルムを被覆して用いるか、感光性エレメントの形態で用いられることが好ましい。
【0106】
塗布される感光性樹脂組成物層の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μm程度であることが好ましい。液状レジストとして塗布後、保護フィルムを被覆して用いる場合の保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムなどが挙げられる。
【0107】
次に、本発明に係る感光性エレメント、すわなち、上述した本発明の第一、第二、第三のいずれかの特徴を有する感光性樹脂組成物からなるレジスト層が支持体上に形成されてなる感光性エレメント、について図面を参照しながら説明する。
【0108】
図1は、感光性エレメントの一実施形態を模式的に示したものであり、感光性エレメント1は、支持体11と、その上に形成されたレジスト層(感光性樹脂組成物層)12とを含んでいる。支持体11としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルムを好ましく用いることができる。支持体11上へのレジスト層12の形成方法は、特に限定されないが、感光性樹脂組成物を塗布、乾燥することにより好ましく得ることができる。塗布は、例えば、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の公知の方法で行うことができる。乾燥は、70〜150℃、5〜30分間程度で行うことができる。また、レジスト層12中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する点から、2重量%以下とすることが好ましい。
【0109】
支持体11の重合体フィルムの厚みは、1〜100μmとすることが好ましい。これらの重合体フィルムの一つはレジスト層の支持体として、他の一つはレジスト層の保護フィルムとして、レジスト層の両面に積層してもよい。保護フィルムとしては、レジスト層と支持体との接着力よりも、レジスト層と保護フィルムとの接着力の方が小さいものを選択することが好ましく、また、低フィッシュアイのフィルムが好ましい。
【0110】
また、図には示されていないが、感光性エレメントは、レジスト層、支持体及び保護フィルムの他に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層や保護層を有していてもよい。
【0111】
前記感光性エレメントは、例えば、そのまま又はレジスト層の表面にさらに保護フィルムを積層して、円筒状の巻芯に巻きとって貯蔵される。なお、この際支持体が外側になるように巻き取られることが好ましい。上記ロール状の感光性エレメントロールの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、梱包方法として、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
【0112】
上記巻芯としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックなどが挙げられる。
【0113】
次に、本発明に係るレジストパターンの製造法について、その工程を一実施形態として模式的に示した図2を参照しながら説明する。
【0114】
まず、工程(i)として、図2(A)にみるように、上述した感光性エレメント1を、回路形成用基板2上に、レジスト層12が回路形成用基板2の表面に密着するようにして積層する。積層に先立ち、感光性エレメント1のレジスト層12上に保護フィルムが存在している場合には、保護フィルムを除去する。積層方法としては、たとえば、レジスト層12を70〜130℃程度に加熱しながら、回路形成用基板2に0.1〜1MPa程度(1〜10kgf/cm程度)の圧力で圧着することにより積層する方法などが挙げられ、減圧下で積層することも可能である。回路形成用基板2には、一般にその表面に被加工層である金属層(図示せず)が設けられたものが用いられ、感光性エレメント1が積層される基板2表面は通常金属面であるが、特に制限はない。
【0115】
感光性エレメントの積層が完了した後、工程(ii)として、図2(B)にみるように、マスクパターン3を通してレジスト層12上に、画像状に活性光線を照射し、露光部のレジスト層12を光硬化させる。マスクパターン3は、ネガ型でもポジ型でもよく、一般に用いられているものを使用できる。活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。また、マスクパターンを用いずにレーザー直接描画露光を行うこともできる。
【0116】
露光後、工程(iii)として、未露光部のレジスト層を現像により選択的に除去することにより、図2(C)に示すようにレジストパターン121が形成される。なお、工程(ii)の露光は、レジスト層12への光照射が妨げられない限り、支持体11が存在した状態で行うことができ、その場合は、現像に先立ち、支持体11を除去する。現像は、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液によるウエット現像、ドライ現像等で未露光部を除去することにより行われる。上記アルカリ性水溶液を好ましく用いることができ、例えば、0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%水酸化ナトリウムの希薄溶液等が挙げられる。このアルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を混入させてもよい。上記現像の方式としては、例えば、ディップ方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。
【0117】
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm程度の露光を行うことにより、形成されたレジストパターンをさらに硬化するようにしてもよい。
【0118】
次に、本発明に係るプリント配線板の製造法について、その工程を一実施形態として模式的に示した図3および図4を参照しながら説明する。
【0119】
レジストパターンを形成するまでの工程は、感光性エレメント1の回路形成基板2への積層工程(i)、露光工程(ii)、現像工程(iii)を含むものであり、上記レジストパターンの製造法において説明したと同様である。ただし、プリント配線板の製造法においては、図3(A)及び図4(A)にみるように、回路形成用基板2として、その表面に銅等からなる薄い被加工層21を有するものを使用する。図3には、エッチングを用いたサブストラクティブ法による回路形成工程を示し、図4には、めっきを用いたセミアディティブ法による回路形成工程を示す。
【0120】
レジストパターン121が形成された後、工程(iv)として、図3(B)にみるように、形成されたレジストパターン121をマスクとして、回路形成用基板2の被加工層21をエッチングするか、又は、図4(B)にみるように、被加工層21上に選択的にめっきを施して、銅等からなるめっき層(22)を形成する。金属面からなる被加工層21のエッチングには、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液等を用いることができる。めっき法としては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっきなどがある。
【0121】
最後に、図3(C)及び図4(C)にみるように、基板2上に残っているレジストパターン121は、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離することができ、回路211が形成されたプリント配線板4が得られる。また、セミアディティブ法の場合は、図4(D)に示すように、レジストパターンを剥離した後、例えばクイックエッチング法等により被加工層21も除去される。強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10重量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられる。また、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよく、小径スルーホールを有していてもよい。
【0122】
次に、本発明を、実施例を参照してさらに詳しく説明する。
(実施例1〜20及び比較例1〜3)
表1に示す成分を配合し、バインダーポリマー溶液を得た。
【0123】
【表1】
Figure 0003765272
【0124】
次いで、得られた溶液に、表2、表3、表4及び表5に示す成分を溶解させて、感光性樹脂組成物の溶液を得た。
【0125】
【表2】
Figure 0003765272
【0126】
【表3】
Figure 0003765272
【0127】
【表4】
Figure 0003765272
【0128】
【表5】
Figure 0003765272
【0129】
なお、表2〜5において用いた化合物を以下に示す。上記以外の表中の化合物は、既に製品名と共に前記されたものと同じ。
*1 OXT−101:3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(一般式(1)においてR1=エチル基、R2=水素原子である化合物、東亞合成(株)、製品名)
*2 OXT−121:キシリレンジオキセタン(1,4−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ベンゼン(前記式(20)の化合物)(80〜85重量%)及び一般式(2)においてR4=R5=エチル基及びR3=一般式(5)においてm=1である基である化合物(10〜15重量%)の混合物、東亞合成(株)、製品名)
*3 XDO:1,4−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ベンゼン(前記式(20)の化合物、東亞合成(株)、製品名)
*4 UA−11:EO変性ウレタンジメタクリレート(前記一般式(28)においてR17=R18=メチル基、X1=X2=エチレンオキサイド基、Z=(CH2)6及びs=t=5である化合物、新中村工業(株)、製品名)
*5 FA−321M(2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、日立化成工業(株)、製品名)
*6 BBI−105:4−ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウム・トリフレート
*7 SP−170:ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホニオ)−フェニル]スルフィド・ビス−ヘキサフルオロアンチノメート,60%プロピレンカルボナート溶液(旭電化工業(株)、製品名):
【化41】
Figure 0003765272
【0130】
*8 Cl−HABI:2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール
*9 EAB:ジエチルアミノベンゾフェノン
*10 NP−8EA:ノニルフェノキシオクタエチレンオキシアクリレート(共栄社化学(株)製、製品名)
【0131】
次いで、この感光性樹脂組成物の溶液を、16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥器で10分間乾燥して、感光性エレメントを得た。感光性樹脂組成物層(レジスト層)の膜厚は、20μmであった。
【0132】
一方、銅箔(厚さ35μm)を両面に積層したガラスエポキシ材である銅張り積層板(日立化成工業(株)製、商品名MCL−E−61)の銅表面を、♯600相当のブラシを持つ研磨機(三啓(株)製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥し、得られた銅張り積層板を80℃に加温し、その銅表面上に、前記感光性樹脂組成物層を、110℃に加熱しながらラミネートした。
【0133】
次に、高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク(株)製)590を用い、ネガとしてストーファー41段ステップタブレットを試験片の上に置いて、60mJ/cm2露光した。
【0134】
露光後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、30℃で1重量%炭酸ナトリウム水溶液を20秒間スプレーすることにより、未露光部分を除去した。
【0135】
感光性樹脂組成物の光感度について、得られたレジストパターン(すなわち、銅張り積層板上に形成された光硬化膜)のステップタブレットの段数を測定することにより評価した。光感度は、ステップタブレットの段数で示され、このステップタブレットの段数が高いほど、光感度が高いことを示す。また、現像後のパターンを観察し、ライン・アンド・スペースとして残ったライン幅(μm)から解像度(μm)を求めた。さらに、露光量60mJ/cm2で硬化させた膜を3%NaOH水溶液に含浸させ、剥離にかかる時間を測定した。
以上の評価結果を表6〜9に示す。
【0136】
【表6】
Figure 0003765272
【0137】
【表7】
Figure 0003765272
【0138】
【表8】
Figure 0003765272
【0139】
【表9】
Figure 0003765272
【0140】
(実施例21〜24及び比較例4)
表10に示す成分を配合し、感光性樹脂組成物の溶液を得た。
次いで、得られた感光性樹脂組成物の溶液に表11に示す成分を溶解させて、感光性樹脂組成物の溶液を得た。
【0141】
【表10】
Figure 0003765272
【0142】
【表11】
Figure 0003765272
【0143】
次いで、この感光性樹脂組成物の溶液を用い、上記実施例と同様にして感光性エレメントを得た。得られた感光性樹脂組成物層(レジスト層)の膜厚は、30μmであった。この感光性エレメントを用いて、上記実施例と同様にして、銅張り積層板(上記と同じ)上にラミネートした。
【0144】
次に、上記と同じ露光機を用いて、ネガとしてストーファー41段ステップタブレットを試験片の上に置いて、30mJ/cm、60mJ/cm、120mJ/cmの露光量で露光した。その後、上記と同様に未露光部分を除去した。
【0145】
得られたレジストパターンについて、銅張り積層板上に形成された光硬化膜のステップタブレットの段数を測定することにより、感光性樹脂組成物の感度を評価し、41段ステップタブレット(O.D.=0.05)の21段を硬化させるのに必要な露光量(mJ/cm)を感度とした。なお、この値は数字が低いほど高感度である。また、現像後のパターンを観察し、ライン・アンド・スペースとして残ったライン幅(μm)から解像度(μm)を求めた。さらに、30μm幅のラインのパターンをSEMを用いて観察し、そのパターンの形状を評価した。レジストパターンは矩形であることが好ましい。
【0146】
剥離時間は以下のように測定した。それぞれの感度に相当する露光量(21段/41)を照射した試料を、1重量%の炭酸ナトリウム水溶液にて現像した。1昼夜放置後、3重量%水酸化ナトリウム溶液を45℃に保ち撹拌子により撹拌しながら、浸漬し剥離が始まる時間(sec)を測定した。なお、剥離時間は短いほうが好ましい。
実施例21〜24及び比較例4についての上記評価結果を表12に示す。
【0147】
【表12】
Figure 0003765272
【0148】
本願の開示は、1999年9月17日に出願された特願平11−263863号と1999年11月4日に出願された特願平11−313180号に記載の主題と関連しており、それらの開示内容は引用により援用される。
既に述べられたもの以外に、本発明の新規かつ有利な特徴から外れることなく、上記の実施形態に様々な修正や変更を加えてもよいことに注意すべきである。従って、そのような全ての修正や変更は、添付の請求の範囲に含まれることが意図されている。

Claims (8)

  1. (A)バインダーポリマーとして、少なくともスチレン及び/又はスチレン誘導体、ならびに、アクリル酸又はメタクリル酸及びこれらのアルキルエステルを共重合成分として含む重量平均分子量が20,000〜300,000のアクリル樹脂、(B1)オキセタン化合物(B2)ビスフェノールA系(メタ)アクリレート、(C1)光酸発生剤、及び(C2)ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする、アルカリ水溶液により現像可能である感光性樹脂組成物。
  2. 前記オキセタン化合物が一般式(1):
    Figure 0003765272
    (式中、R1は及びR2は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、(メタ)アクリロイル基、フェナシル基、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、アリル基、水酸基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、アルキル基の炭素数が1〜10のカルボキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜10のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のN−アルキルカルバモイル基若しくは複素環を含む基、又は、1以上のこれらの置換基で置換されたアリール基を示す)
    又は一般式(2):
    Figure 0003765272
    (式中、R3は2価の有機基を示し、R4及びR5は各々独立に一般式(1)におけるR1と同意義である)
    で表される化合物を含んでいる請求項記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(C1)成分がヨードニウム塩化合物、スルホニウム塩化合物及びアンモニウム塩化合物から選ばれる1以上の化合物を含んでいる請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(C2)成分が2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含んでいる請求項のいずれか1項記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記(A)成分の酸価が30〜500mgKOH/gである請求項1〜のいずれか1項記載の感光性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項記載の感光性樹脂組成物からなるレジスト層が支持体上に形成されてなる感光性エレメント。
  7. 以下の工程を含むレジストパターンの製造法:
    i)請求項1〜のいずれか1項記載の感光性樹脂組成物からなるレジスト層が支持体上に形成されてなる感光性エレメントを、回路形成用基板上に、前記レジスト層が前記回路形成用基板の表面に密着するようにして積層する工程;
    ii)マスクパターンを通して活性光線を照射又はレーザー直接描画露光し、露光部の前記レジスト層を光硬化させる工程;および
    iii)未露光部の前記レジスト層を現像により選択的に除去してレジストパターンを形成する工程。
  8. 以下の工程を含むプリント配線板の製造法:
    i)請求項1〜のいずれか1項記載の感光性樹脂組成物からなるレジスト層が支持体上に形成されてなる感光性エレメントを、表面に被加工層を有する回路形成用基板上に、前記レジスト層が前記回路形成用基板の被加工層の表面に密着するようにして積層する工程;
    ii)マスクパターンを通して活性光線を照射又はレーザー直接描画露光し、露光部の前記レジスト層を光硬化させる工程;
    iii)未露光部の前記レジスト層を現像により選択的に除去してレジストパターンを形成する工程;および
    iv)前記レジストパターンをマスクとして、前記回路形成用基板の前記被加工層をエッチング又は前記被加工層上に選択的にめっきする工程。
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