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JP3520876B2 - 良好な機械的特性および良好な熱化学的安定性を有するポリ弗化ビニリデンとその製造方法 - Google Patents

良好な機械的特性および良好な熱化学的安定性を有するポリ弗化ビニリデンとその製造方法

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Publication number
JP3520876B2
JP3520876B2 JP11536994A JP11536994A JP3520876B2 JP 3520876 B2 JP3520876 B2 JP 3520876B2 JP 11536994 A JP11536994 A JP 11536994A JP 11536994 A JP11536994 A JP 11536994A JP 3520876 B2 JP3520876 B2 JP 3520876B2
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JP
Japan
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tot
chain transfer
transfer agent
polyvinylidene fluoride
temperature
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP11536994A
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JPH072937A (ja
Inventor
ブリナッティ ジュリオ
アルチェッラ ビンチェンツオ
アルバーノ マーゲリータ
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Solvay Specialty Polymers Italy SpA
Original Assignee
Ausimont SpA
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Publication date
Application filed by Ausimont SpA filed Critical Ausimont SpA
Publication of JPH072937A publication Critical patent/JPH072937A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3520876B2 publication Critical patent/JP3520876B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F114/00Homopolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen
    • C08F114/18Monomers containing fluorine
    • C08F114/22Vinylidene fluoride

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、良好な機械的特性お
よび良好な熱化学的安定性を有するポリ弗化ビニリデン
(PVDF)とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】弗化ビニリデン(VDF)は乳濁水液中
で、重合開始剤として無機または有機過酸化物を使用し
て重合できることが知られている。後者の中には、米国
特許第3,193,539 号に記載されているように、ジーtert
-ブチルパーオキシド(DTBP)が特に有効な結果を
もたらす。この重合開始剤によって、どのような連鎖移
動剤も使用することなく、重合反応は、一般に120〜
130℃の温度および300〜1000プサイ(psi)
の圧力の範囲の下に遂行される。このような方法で得ら
れたPVDFは化学工業に使用されるには、結晶化度が
低く、多量の構造欠陥(尾−尾および頭−頭転移、分
岐、ミクロゲル)があり、結果として機械的特性と成型
適性が不十分であり、パイプ、バルブ、 継手、 タンク、
熱交換器、隔膜、 フランジ等のような工業製品には全く
向いていない。
【0003】米国特許第3,475,396号には、VDF重合
方法が記載されていて、ここでは、ペルオキシジカルボ
ン酸ジイソプロピル(IPP)が重合開始剤として、適
当な連鎖移動剤の任意な存在下に使用されている。IP
Pは61℃で1時間の半減期であるという特徴があり、
従って、工程はDTBPに比較して低温で遂行され、一
般に65゜と85℃の間の温度で、6時間未満の反応時
間で反応が行われる。低重合温度によって構造欠陥が画
期的に減少し、それにより製品の結晶性が向上するの
で、良好な機械的特性を有するPVDFを得ることがで
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の低温方法で得ら
れたPVDFは、高結晶化度と非常に良好な機械的特性
を有するにも拘らず、脱弗素化反応に対しては劣った熱
化学耐性しか示さない。事実、出願人による実験結果で
は、低温で得られた前記PVDFは、もし高温(100
℃以上)に晒したり、または塩基性溶液(例えば、10
%のNaOH)に接触させると、脱弗素化反応して、−
CF=CH−CF=CH−型の共役二重結合鎖を形成す
る傾向があることが分った。このような構造欠陥の発生
は、化学応力亀裂の形成によって、不要な着色をするう
えに、材料の機械的耐性を相当低下させる。
【0005】さらに、低温方法は、低温でさえ爆発性の
IPPのような非常に危険な過酸化物重合開始剤の使用
に関連する種々特別の欠陥がある。例えば、IPPは約
10℃に自己促進分解温度(SADT)があり、貯蔵温
度は−10℃未満が要求される。これは、移送および貯
蔵、さらには重合反応工程での使用に際しては、特別の
安全基準でなされることが要求される。この製品の危険
性が故に、相当の国での工業規模での使用は、厳密な制
限がなされている。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】室温および高温
において良好な機械的特性を有し、良好な生産性および
脱弗素化反応に対し良好な熱化学的抵抗性を有するPV
DFが、連鎖移動剤の存在下で、95℃から120℃の
ような高温度における水性エマルジョン中でVDFの重
合方法の手段によって製造されることを、本出願人は意
外にも見出した。危険性のない過酸化物重合開始剤(例
えば、DTBP)を使用して、例えば、化学工業用の工
業製品(パイプ、バルブ、 継手、 タンク、 熱交換器、隔
膜、 フランジ、等)の良好な機械的特性および熱化学的
耐性が要求される応用面に対して、特に好適なPVDF
を提供することが可能である。
【0007】それ故、この発明の目的は、5〜5.5モ
ル%よりなる頭−頭および尾−尾転移量の、50MPa
以上の降伏応力および1500MPa以上の弾性率(A
STM D−1708方法によって23℃で測定され
た)の、1〜25g/10、好ましくは3〜20g/
10よりなるメルトフローインデックス(MFI,A
STM D−1238方法によって230℃、5kg負
荷で測定された)を有するポリ弗化ビニリデンを提供す
るものである。
【0008】特に、比較的高転移量であるにも拘らず、
この発明のPVDF品の降伏応力や弾性率のような機械
的特性は実に高いレベルで、低温方法で得られるPVD
Fのそれと実質的に同等の値であるという事実は特に驚
くべきことである。後者に関しては、出願人はより高い
転移量が存在すると、脱弗素化反応の安定性が増加する
ことを見出している。単なる仮説であり、この発明の範
囲をなんら限定するものではないが、この現象の可能な
説明の1つは、頭−頭結合 −CF2 −CF2−および
尾−尾結合 −CH2 −CH2 −の欠陥のある鎖の存在
が、−CF2 −および−CH2 −グループ列が不連続と
なり、それによって脱弗素化反応が妨げられている、と
いうものである。
【0009】さらに、この発明のPVDF品は、低温で
得られたPVDFに較べても良好な作業性を示す。実
際、後者は高い分子剛性であるため、メルトフローイン
デックスが同一でも、高速では高粘度値であるという特
性がある。それ故、低温で得られたPVDFについてい
えば、この発明のPVDF品は機械的特性が同じであっ
ても、良好な作業性と脱弗素化反応に対する熱的高安定
性が組合されている。
【0010】この発明のPVDF品のさらなる利点は、
一般的に5重量%より少ない低ミクロゲル量にあり、こ
の量は従来技術の高温方法で得られる製品に比較して非
常に低い値であり、低温方法で得られるものと実質的に
同等のものである。この低ミクロゲル量がかなり良好な
機械的特性および高い生産性を確実なものとしている。
【0011】この発明のPVDF品は、上記の化学工業
への応用に加えて、電気および電子工業でのケーブル被
覆にも使用され、特別な応用としては、例えば高耐久性
釣糸や楽器の弦が挙げられる。さらに、この発明の目的
は上述のポリ弗化ビニリデンの製造方法にあり、95〜
120℃、好ましくは100〜115℃の温度で、有機
過酸化物および連鎖移動剤の存在下で、乳濁水液中にお
いて弗化ビニリデンを重合することからなる。
【0012】重合時の圧力は、一般的には30から10
0バール(bar)、好ましくは40から90バールの
範囲で変化させることができる。重合開始剤として、上
述の重合温度で活性な有機過酸化物が使用できる。例え
ば、ジアルキルパーオキシド、ジアルキルペルオキシカ
ーボネート類、ジベンゾイルパーオキシド、t−アルキ
ルパーオキシベンゾエート類、t−アルキルパーオキシ
ピバレート類から選択される。このうち、自己促進分解
温度(SADT)が50℃以上の過酸化物が特に好まし
く、例えば:ジ−tert- ブチルパーオキシド、ジ-tert-
ブチルペルオキシイソプロプルカーボネート、tert- ブ
チル(2−エチル−ヘキシル)ペルオキシカーボネー
ト、tert- ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチル
ヘキサノエートである。重合開始剤の量は、一般的には
0.1〜10g/lH2O 、好ましくは0.5〜5g/l
H2O である。
【0013】連鎖移動剤は弗化物単量体の重合において
知られているものから選択され、例えば、炭素数3〜1
0からなるケトン類、エステル類または脂肪族アルコー
ル類(例えば、アセトン、酢酸エチル、ジエチルエーテ
ル、イソプロピルアルコール等);任意に水素を含有し
てもよい、炭素数1〜6からなるクロロ(フルオロ)カ
ーボン類(例えば、クロロホルム、トリクロロフルオロ
メタン);炭素数1〜5のアルキルよりなるビスアルキ
ルカーボネート類{例えば、ビス(エチル)カーボネー
ト、ビス(イソブチル)カーボネート}等が挙げられ
る。
【0014】連鎖移動剤は、重合時に反応器へ連続的ま
たは断続量的に供給される。供給方法が、反応動力学を
強く抑止するばかりか、ポリマーの機械的特性および加
工性能を悪化することが分っているので、重合開始時に
全連鎖移動剤を投入することは好ましくない。さらに、
最終製品の機械的特性の著しい改良は、次のような方法
に従って連鎖移動剤を投入することによって得られるこ
とを見出している。QTOTは水中のポリマー濃度(g/
H2Oとして測定される)として表現され、FTOTは投入
される連鎖移動剤の全量として表現され、製造されるP
VDFの全量を固定して、連鎖移動剤は次のような手順
で投入されるのが好ましい。FTOTを10部分Fi(i
=0〜9)に分割し、各部分は次の法則に従って、濃度
Qi時に反応系に投入される:Q0=0のとき、F0=0
0.15・FTOT;Q1=0.1・QTOTのとき、F1
0.20.3・FTOT;Q2=0.2・QTOTのとき、
2=0.10.15・FTOT;Q3=0.3・QTOT
とき、F3=0.050.15・FTOT;Q4=0.4
・QTOTのとき、F4=0.050.15・FTOT;Q5
=0.5・QTOTのとき、F5=0.050.10・F
TOT;Q6=0.6・QTOTのとき、F6=0.050.
10・FTOT;Q7=0.7・QTOTのとき、F7=0
0.08・FTOT;Q8=0.8・QTOTのとき、F8=0
0.08・FTOT;Q9=0.9・QTOTのとき、F9
0.08・FTOT;Fiの量の合計がFTOTと等しく
なる。
【0015】重合中に添加された連鎖移動剤の全量(F
TOT)は、連鎖移動剤それ自身の効果および最終製品に
意図されている分子量の双方に依存している。いずれに
しても、その量は上記の範囲内のMFI値を得るよう設
定されるべきであり、反応器中に投入される全単量体量
に対応して、その量は一般的には0.05〜5重量%、
好ましくは0.1〜2.5重量%の範囲である。
【0016】適当な界面活性剤が水性エマルジョンを安
定させるため、反応媒体に添加される(例えば、米国特
許第4,360,652 号および 4,025,709号の記載参照)。一
般にそれは弗化界面活性剤であり、つぎの一般式の製品
から選択される: Rf- + 式中、RfはC5〜C16の(パー)フルオロアルキル鎖ま
たは(パー)フルオロポリオキシアルキレン鎖、X-
−COO-または−SO3 -、M+はH+、NH4 +またはア
ルカリ金属イオンより選ばれる。最も一般的に採用され
るもののうちには:パーフルオロ−オクタタン酸アンモ
ニウム;1または複数のカルボキシル基で端末処理され
ている(パー)フルオロポリオキシアルキレン類;式R
f24SO3H(式中、RfはC4−C10のパーフルオロ
アルキルを表す)のスルホン酸塩(米国特許第4,025,70
9号参照);等が挙げられる。
【0017】この発明の製造方法の目的は、引用例とし
て掲げた米国特許第4,789,717号および第4,864,006号の
記載にあるように、パーフルオロポリオキシアルキレン
類の乳濁液、好ましくはミクロ乳濁液の存在下、または
本出願人が1993年5月18日に出願したイタリア特許出願
第MI93A/001007号の記載にあるように、水素化された端
末基および/または水素化された反復単位を有するフル
オロポリオキシアルキレンのミクロ乳濁液の存在下で遂
行されうる。
【0018】重合温度で液状である鉱物油またはパラフ
ィンが、ポリマーの凝集を防止し反応器壁への接着を防
止するため、反応混合物に添加することができる。この
発明の実際例を下記するが、その目的は単なる例示であ
って、この発明自身の範囲を限定するものではない。
【0019】
【実施例】
実施例1 480rpmで作動する撹拌子がついている10リット
ルの縦型反応器中に、6.5リットルのH2Oと35g
のパラフィンワックス(50〜52℃の融点を有するA
GIP(R)122−126品)が装填された。ついで、
反応器は115℃の作動温度に加熱され、VDFの充填
によって44相対バールの圧力にされた。このVDF
は、圧を一定に保つため、重合中は連続的に添加され
た。1.820重量%の500mlのパーフルオロオク
タン酸カリウム塩および23.7gのジー tert-ブチル
パーオキシド( DTBP) が添加された。連鎖移動剤で
あり10部分に細分されている0.082モルのクロロ
ホルムが、反応器中へ重合の間添加された。
【0020】製造されるポリマーの全量を1000gと
固定するには(即ち、これは143.0g/lH2Oであ
る水中の最終ポリマー濃度に相当する)、クロロホルム
は、最終濃度に対してポリマー濃度が10%の一定間隔
での増加に対応して、次の方式に従って10分割して添
加された。
【0021】
【表1】 反応媒体中のポリマー濃度は、当初の充填時から、反応
器中に添加される気相モノマーの量を測定することで監
視された。290分後、所望のポリマー濃度(143.
0g/lH2O)に達し、その後VDF供給は停止され、
ラッテクスは反応器より取り出された(固体濃度は1
2.5重量%)。ポリマー分は凝固され、脱イオン水で
洗浄され、そして75℃で24時間乾燥された。このよ
うにして得られた製品は押出しによってペッレト形状に
圧縮され、特性が測定された。データは表5に表されて
いる。MFIはASTM D−1238法に従って、2
30℃の5kg荷重によって測定され、機械的特性はA
STM D−1708法によって23℃および125℃
で測定された。示差走査熱量測定(DSC)の手段によ
って、2次溶融エンタルピー(△Hf’)、2次溶融温
度(Tf’)および2次再結晶化エンタルピー(△
xx)が決定された。公知技術により、19F−NMR分
析によって転移パーセントが測定された。PVDFサン
プルは50℃でジメチルアセトアミドに溶解され、得ら
れた溶液中でミクロゲルの重量パーセントは超遠心(室
温で20,000rpmで90分間)の手段で決定され
た。 実施例2 パーフルオロポリオキシアルキレンのミクロ乳濁液の製
造 撹拌子のついたガラス容器中で、次式の化合物: CF3O−(CF2−CF(CF3)O)n(CF2O)m
CF2COOH (式中、n/m=10および平均分子量は600)の
7.8mlが、ゆっくり撹拌されながら、30体積%の
NH4OHの7.8mlと混合された。その後、脱イオ
ン水の15.6mlが添加された。かくして得られた溶
液に、次式のGalden(R)DO2: CF3O−(CF2−CF(CF3)O)n(CF2O)m
CF3 (式中、n/m=20および平均分子量は450)の
4.7mlが添加された。85℃に加熱することでミク
ロ乳濁液が得られた。それは、熱力学的に安定で透明な
溶液を呈していた。重合反応 DTBPの添加を開始する前に、予め作成された全ミク
ロ乳濁液をオートクレーブに装填して、85℃に加熱す
る以外は、実施例1と同一条件を繰返した。
【0022】180分の反応後、143.0g/lH2O
の所望のポリマー濃度に達し、その後VDF供給は停止
され、ラテックスが取り出され、ポリマー分が分離さ
れ、実施例1に記載のように特性が測定された。データ
は表5に表されている。 実施例3 次表のように連鎖移動剤の供給方法を変化させて、実施
例1と同一条件で繰返した。
【0023】
【表2】 270分後、所望のポリマー濃度(143.0g/l
H2O)に達した。ポリマー分は分離され、実施例1に記
載のように特性が測定された。データは表5に表されて
いる。 実施例4 連鎖移動剤としてのクロロフォルムを次の図に示したよ
うな方式で、全量が0.05モルになるよう添加した以
外は、実施例1と同一条件で繰返された。
【0024】
【表3】 227分後、所望のポリマー濃度(143.0g/l
H2O)に達した。ポリマー分は分離され、実施例1に記
載のように特性が測定された。データは表5に表されて
いる。 実施例5(比較例) 重合温度が125℃に固定され、連鎖移動剤が使用され
なかった以外は、実施例1と同一条件で繰返した。
【0025】90分の反応後、ポリマー分は分離され、
実施例1に記載のように特性が測定された。データは表
5に表されている。 実施例6(比較例) 重合反応温度が125℃に固定され、連鎖移動剤として
のクロロフォルムを次の表に示したような方式で、全量
が0.025モルになるよう添加した以外は、実施例1
と同一条件で繰返された。
【0026】
【表4】 120分後、所望のポリマー濃度(143.0g/l
H2O)に達した。ポリマー分は分離され、実施例1に記
載のように特性が測定された。データは表5に表されて
いる。 実施例7(比較例) 実施例1に記載された操作様式に準じて、VDFは開始
剤としてペルオキシジカルボン酸シ゛イソプロピル(I
PP)を1.4g使用して75℃で重合し、IPPの2
重量%およびパーフルオロオクタン酸カリウム塩の0.
2重量%含有した乳濁水液の形でオートクレーブ中に供
給した。パーフルオロオクタン酸カリウム塩の1.82
0重量%水溶液の500mlが反応混合物に添加され
た。連鎖移動剤はCFCl3が用いられ全量の2.5g
を重合の最初に一度に供給した。
【0027】120分後、所望のポリマー濃度(14
3.0g/lH2O)に達した。ポリマー分は分離され、
実施例1に記載のように特性が測定された。データは表
5に表されている。
【0028】
【表5】 実施例1、5および7で得られたPVDFのサンプル
は、下述する方法に従って、化学的耐久試験を行なっ
た。PVDFは3.5gの板を得るために圧縮成型を施
した。試料はNaOH水溶液(40重量/体積%)中
で、100℃、種々の時間(16、38および62時
間)浸漬された。ポリマーを除去した後、塩基性水溶液
に存するF-イオン量がイオンクロマトグラフィーで決
定され、ポリマーのKgあたりF-のmgで表された。
-イオンは脱弗素化反応によるポリマーの分解から発
生するので、F-イオン量が少なく生成するほど、脱弗
素化反応においてポリマーはより安定する。得られた結
果は表6に表されている。この発明のPVDF(実施例
1)は、低温方法によって得られたPVDF(実施例
7)のものより、脱弗素化反応での安定性が著しく良好
で、高温方法で得られたPVDF(実施例5)のものと
実質的に同等であった。
【0029】
【表6】
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、室温および高温におい
て良好な機械的特性を有し、良好な生産性および脱弗素
化反応に対し良好な熱化学的抵抗性を有するPVDF
が、連鎖移動剤の存在下で、95℃から120℃のよう
な高温度における水性エマルジョン中でVDFの重合方
法の手段によって製造することができる。また、危険性
のない過酸化物重合開始剤を使用して、例えば、化学工
業用の工業製品(パイプ、バルブ、 継手、 タンク、 熱交
換器、隔膜、 フランジ、等)の良好な機械的特性および
熱化学的耐性が要求される応用面に対して、特に好適な
PVDFを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マーゲリータ アルバーノ イタリア国 ミラノ−ビア パイシュッ ロ 4 (56)参考文献 特開 昭59−41310(JP,A) 特開 昭50−104287(JP,A) 特開 昭49−118789(JP,A) 特公 昭49−17388(JP,B1) 特公 昭46−20820(JP,B1) 特公 昭46−9476(JP,B1) 特公 昭45−41596(JP,B1) 特公 昭38−5439(JP,B1) 英国特許1312036(GB,B) 英国特許1179078(GB,B) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 14/22

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 尾−尾および頭−頭転移量が5〜5.5
    モル%であり、降伏点が50MPa以上であり、弾性率
    が1500MPa(ASTM D−1708法によって
    23℃で測定)以上であり、メルトフローインデックス
    (MFI,ASTM D−1238法によって230
    ℃、5kg荷重で測定)が1〜25g/10の範囲に
    あるポリ弗化ビニリデン。
  2. 【請求項2】 MFIが3〜20g/10の範囲であ
    る請求項1に記載されたポリ弗化ビニリデン。
  3. 【請求項3】 ミクロゲル量が5重量%未満である請求
    項1または2に記載されたポリ弗化ビニリデン。
  4. 【請求項4】 95〜120℃の温度の範囲で、有機過
    酸化物と連鎖移動剤の存在下で、水性エマルジョン中で
    弗化ビニリデンを重合さすことからなる請求項1から3
    項のいずれか1つに記載されたポリ弗化ビニリデンの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 重合温度が100〜115℃の範囲であ
    る請求項4に記載された方法。
  6. 【請求項6】 重合圧力が30〜100バールの範囲で
    ある請求項4または5に記載された方法。
  7. 【請求項7】 重合圧力が40〜90バールの範囲であ
    る請求項6に記載された方法。
  8. 【請求項8】 有機過酸化物が、自己促進分解温度(S
    ADT)が50℃以上であるジアルキルパーオキシド
    類、アルキルペルオキシカーボネート類、ジベンゾイル
    パーオキシド、t−アルキルパーオキシベンゾエート
    類、t−アルキルパーオキシピバレート類から選択され
    請求項4から7のいずれか1つに記載された方法。
  9. 【請求項9】 有機過酸化物がジ−tert- ブチルパーオ
    キシド、ジ-tert-ブチルペルオキシイソプロプルカーボ
    ネート、tert- ブチル(2−エチル−ヘキシル)ペルオ
    キシカーボネート、tert- ブチルペルオキシ−3,5,
    5−トリメチルヘキサノエートから選択されたものであ
    る請求項8に記載された方法。
  10. 【請求項10】 連鎖移動剤が、炭素数3〜5からなる
    ケトン類、エステル類または脂肪族アルコール類;任意
    に水素を含有してもよく、炭素数1〜6からなるクロロ
    (フルオロ)カーボン類;炭素数1〜5のアルキルより
    なるビス(アルキル)カーボネート類である請求項4か
    ら9のいずれか1つに記載された方法。
  11. 【請求項11】 連鎖移動剤が、重合時に反応器へ連続
    的または断続量的に供給される請求項4から10のいず
    れか1つに記載された方法。
  12. 【請求項12】 QTOTが水中のポリマー濃度として、
    TOTが投入される連鎖移動剤の全量として表現され、
    製造されるPVDFの全量を固定して、連鎖移動剤は次
    のような手順FTOTを10部分Fi(i=0〜9)に分
    割し、各部分は次の法則に従って、濃度Qi時に反応系
    に投入され:Q0=0のとき、F0=00.15・F
    TOT;Q1=0.1・QTOTのとき、F1=0.20.3
    ・FTOT;Q2=0.2・QTOTのとき、F2=0.1
    0.15・FTOT;Q3=0.3・QTOTのとき、F3
    0.050.15・FTOT;Q4=0.4・QTOTのと
    き、F4=0.050.15・FTOT;Q5=0.5・
    TOTのとき、F5=0.050.10・FTOT;Q6
    0.6・QTOTのとき、F6=0.050.10・F
    TOT;Q7=0.7・QTOTのとき、F7=00.08・
    TOT;Q8=0.8・QTOTのとき、F8=00.08
    ・FTOT;Q9=0.9・QTOTのとき、F9=00.0
    8・FTOT;Fiの量の合計がFTOTと等しいで投入され
    る請求項11に記載された方法。
  13. 【請求項13】 請求項4から12のいずれか1つの方
    法によって得られるポリ弗化ビニリデン。
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