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JP3508502B2 - オキセタン環を有するビフェニル誘導体 - Google Patents

オキセタン環を有するビフェニル誘導体

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JP3508502B2
JP3508502B2 JP26615597A JP26615597A JP3508502B2 JP 3508502 B2 JP3508502 B2 JP 3508502B2 JP 26615597 A JP26615597 A JP 26615597A JP 26615597 A JP26615597 A JP 26615597A JP 3508502 B2 JP3508502 B2 JP 3508502B2
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oxetane
alkali metal
oxetane ring
biphenyl derivative
biphenyl
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幹人 加島
利一 町田
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カチオン重合が可
能なオキセタン環を有する新規なビフェニル誘導体及び
その製造法に関するものである。なお、これから誘導さ
れる光硬化性又は熱硬化性樹脂は、耐熱性、機械特性及
び密着性に優れ、塗料及び接着剤等に利用される。
【0002】
【従来の技術】オキセタン化合物は、光開始カチオン重
合または硬化が可能なモノマーとして、近年注目を浴び
ている化合物であり、多くの単官能性及び多官能性オキ
セタン化合物が報告されている。例えば、Pure Appl.C
hem.,A29(10),pp.915(1992)及びPure Appl.Chem.,A30
(2&3),pp.189(1993)には種々のオキセタン誘導体の合成
法が記載されている。
【0003】また、DE 1,021,858には、一般式(2)
で表されるオキセタン化合物が開示されている。
【化2】 (式中、Rは2以上の原子価を有する芳香族残基であ
り、nは1又は2である)
【0004】更に、特開平6-16804号公報には、一般式
(3)で表されるオキセタン化合物の記載がある。
【化3】 (式中、R1は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フ
ルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基ま
たはチエニル基、フッ素原子である。R2は、鎖状また
は分岐状ポリ(アルキレンオキシ)基、キシリレン基、
シロキサン結合及びエステル結合から成る群から選ばれ
る多価基であり、Zは酸素原子または硫黄原子であり、
mは2、3または4である。)
【0005】そして、特開平8-245783号公報には、2,2'
-ビトリレンジイル骨格を有する二官能性オキセタンを
始めとする数多くのオキセタン化合物類の記載がある。
また、特開平7-17958号公報にはアリルクロライドとヒ
ドロキシメチルオキセタンとの反応によるオキセタン化
合物の合成法が記載されている。しかしながら、これら
いずれの公知文献にも本発明の化合物類についての記載
は全くなく、また合成法についての具体的な例は記載さ
れていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、容易に入手
可能な原料から合成できる、新規なオキセタン環を有す
るビフェニル誘導体及びそれらの製造法を提供するもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
【0008】
【化4】 (式中、Rは水素原子又は1〜6個の炭素原子を有するア
ルキル基を示す)で表されるオキセタン環を有するビフ
ェニル誘導体に関する。
【0009】更に、3-アルキル-3-ヒドロキシメチルオ
キセタン或いは3-ヒドロキシメチルオキセタンを水素化
アルカリ金属又は水酸化アルカリ金属と反応させてその
アルカリ金属アルコラートとした後、引き続きそのアル
カリ金属アルコラートを4,4'-ビス(クロロメチル)ビ
フェニルと反応させることを特徴とするオキセタン環を
有するビフェニル誘導体の製造法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明においては、先ず、3-アル
キル-3-ヒドロキシメチルオキセタン或いは3-ヒドロキ
シメチルオキセタンを水素化アルカリ金属又は水酸化ア
ルカリ金属と芳香族炭化水素溶媒中、20〜120℃、好ま
しくは50〜90℃で反応させて3-アルキル-3-ヒドロキシ
メチルオキセタンのアルカリ金属アルコラート或いは3-
ヒドロキシメチルオキセタンのアルカリ金属アルコラー
トを合成させる。
【0011】このとき使用する水素化アルカリ金属とし
ては水素化ナトリウムが、水酸化アルカリ金属としては
粉末状にした水酸化ナトリウム或いは水酸化カリウムが
好ましい。芳香族炭化水素溶媒としては、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等が好適に用いられる。
【0012】次に、3-アルキル-3-ヒドロキシメチルオ
キセタンのアルカリ金属アルコラート或いは3-ヒドロキ
シメチルオキセタンのアルカリ金属アルコラートを4,4'
-ビス(クロロメチル)ビフェニルと反応させるが、こ
の時の温度は、80〜150℃、特に100〜120℃が好まし
い。反応時間は、反応温度にもよるが、2〜6時間で十分
である。反応溶媒としては、アルカリ金属アルコラート
合成時に使用した芳香族炭化水素溶媒を用いることが望
ましい。
【0013】反応終了後は、室温まで冷却して副生する
塩類をロ別し、水洗及び乾燥して一般式(1)で表され
る目的とするオキセタン環を有するビフェニル誘導体を
得ることが出来る。これは、FD-MS、1H-NMR(CDCl3)によ
って確認できる新規な化合物である。一般式(1)中の
Rは、水素原子又は1〜6個の炭素原子を有するアルキル
基を示すが、特に、メチル基又はエチル基が好ましい。
【0014】
【実施例】以下に実施例を用いて、本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0015】実施例1 温度計、冷却器、攪拌装置及び滴下漏斗を備えた500ml
の三つ口丸底フラスコに、純度60%の油性水素化ナトリ
ウム10.0g(0.25mol)とトルエン50mlを入れ、80℃で加熱
攪拌した。これに、純度98.6%の3-エチル-3-ヒドロキシ
メチルオキセタン29.5g(0.25mol)を20mlのトルエンに溶
解した液を滴下漏斗から35分間かけて滴下した。その
間、激しい発泡現象が観られるが、滴下終了後も発泡現
象が観られなくなるまで攪拌を続けた。引き続き、これ
に、純度98.6%の4,4'-ビス(クロロメチル)ビフェニル2
6.0g(0.10mol)をトルエン300mlに溶解した液を、滴下漏
斗から50分間かけて滴下した。滴下終了後、更に80℃で
5時間反応を続けた。反応終了後、反応混合物を室温ま
で冷却して析出物をロ別した。このロ液と析出物をトル
エン20mlで2回洗浄して得られた洗浄液を一緒にして100
mlの水で3回洗浄した。その油相を分離し、塩化カルシ
ウムを加えて乾燥後、トルエンを減圧下で留去すると、
釜残として薄黄色の粘調な液体41.4gが得られた。HPLC
分析の結果、得られた化合物の純度は85.1%であり、収
率は85.8%であった。また、FD-MS測定で得られた化合物
の分子量は410であることが確認された。更に、1H-NMR
(CDCl3)の測定結果が、δ(ppm);0.86〜0.90(t,6H,CH 3-
CH2)、1.76〜1.82(q,4H,CH 3-CH2)、3.62(s,4H,-OCH
2-)、4.40〜4.41(d,4H,-OCH 2-(オキセタン環))、4.47〜
4.49(d,4H,-OCH 2-(オキセタン環))、4.60(s,4H,Ph-CH 2O
-)、7.40〜7.42(d,4H,芳香環)、7.57〜7.59(d,4H,芳香
環)であったことから、得られた化合物は式(4)
【0016】
【化5】 で表される、3,3'-[4,4'-ビトリレンジイル-ビス(オキ
シメチレン)]ビス(3-エチルオキセタン)であると同定さ
れた。
【0017】実施例2 実施例1と同様の反応容器に、純度98.6%の3-エチル-3-
ヒドロキシメチルオキセタン25.6g(0.22mol)、純度85%
のKOH粉末14.5g(0.22mol)及びトルエン50mlを加え、90
℃で30分間加熱攪拌した。これに、純度96.5%の4,4'-ビ
ス(クロロメチル)ビフェニル26.0g(0.10mol)をトルエン
350mlに溶解した液を、滴下漏斗から30分間かけて滴下
し、更に90℃で4時間反応を続けた。反応終了後、実施
例1と同様な操作で処理を行うと、透明で粘調な液体37.
8gが得られた。HPLC分析の結果、得られた化合物の純度
は83.4%であり、収率は76.8%であった。また、この化合
物のFD-MS及び1H-NMR(CDCl3)の測定結果から、実施例1
で得られた化合物と同一のものであることが確認され
た。
【0018】実施例3 温度計、冷却器、攪拌装置及び滴下漏斗を備えた1000ml
の三つ口丸底フラスコに、純度98.6%の3-メチル-3-ヒド
ロキシメチルオキセタン38.8g(0.375mol)、純度85%のKO
H粉末24.7g(0.375mol)及びトルエン50mlを加え、80℃で
1.5時間加熱攪拌した。これに、96.6%純度の4,4'-ビス
(クロロメチル)ビフェニル39.0g(0.15mol)をトルエン40
0mlに溶解した液を、滴下漏斗から1時間かけて滴下し、
更に80℃で4時間加熱攪拌した。反応終了後、実施例1と
同様な操作で処理を行うと、透明で粘調な液体53.8gが
得られた。得られた化合物のHPLC分析の結果、得られた
化合物の純度は71.5%であり、収率は67.1%であった。ま
た、FD-MS測定で得られた化合物の分子量は382であるこ
とが確認された。更に、1H-NMR(CDCl3)の測定結果が、
δ(ppm);1.35(s,6H,CH 3-)、3.56(s,4H,-OCH 2-)、4.37
〜4.38(d,4H,-OCH 2-(オキセタン環))、4.54〜4.55(d,4
H,-OCH 2-(オキセタン環))、4.61(s,4H,Ph-CH 2O-)、7.40
〜7.42(d,4H,芳香環)、7.57〜7.59(d,4H,芳香環)であっ
たことから、得られた化合物は式(5)
【0019】
【化6】 で表される、3,3'-[4,4'-ビトリレンジイル-ビス(オキ
シメチレン)]ビス(3-メチルオキセタン)であると同定さ
れた。
【0020】
【発明の効果】本発明により、容易に入手可能な原料か
ら合成できる、新規なオキセタン環を有するビフェニル
誘導体及びそれらの製造法を提供することが出来る。な
お、これから誘導される光硬化性又は熱硬化性樹脂は、
耐熱性、機械特性及び密着性に優れ、塗料及び接着剤等
に利用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 305/06 C08G 65/18 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、Rは水素原子又は1〜6個の炭素原子を有するア
    ルキル基を示す)で表されるオキセタン環を有するビフ
    ェニル誘導体。
  2. 【請求項2】一般式(1)において、Rがメチル基又は
    エチル基であることを特徴とする請求項1に記載のオキ
    セタン環を有するビフェニル誘導体。
  3. 【請求項3】3-アルキル-3-ヒドロキシメチルオキセタ
    ン或いは3-ヒドロキシメチルオキセタンを水素化アルカ
    リ金属又は水酸化アルカリ金属と反応させてそのアルカ
    リ金属アルコラートとした後、引き続きそのアルカリ金
    属アルコラートを4,4'-ビス(クロロメチル)ビフェニ
    ルと反応させることを特徴とする請求項1記載のオキセ
    タン環を有するビフェニル誘導体の製造法。
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