JP2003012662A - オキセタン環を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン誘導体 - Google Patents
オキセタン環を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン誘導体Info
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- JP2003012662A JP2003012662A JP2001201594A JP2001201594A JP2003012662A JP 2003012662 A JP2003012662 A JP 2003012662A JP 2001201594 A JP2001201594 A JP 2001201594A JP 2001201594 A JP2001201594 A JP 2001201594A JP 2003012662 A JP2003012662 A JP 2003012662A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 カチオン重合が可能なオキセタン環を有する
新規な2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
フルオロプロパン誘導体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、アルカリ剤および3−ア
ルキル−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロ
メチルオキセタンを反応させることによりオキセタン環
を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン誘導体を得た。
新規な2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
フルオロプロパン誘導体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、アルカリ剤および3−ア
ルキル−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロ
メチルオキセタンを反応させることによりオキセタン環
を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン誘導体を得た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カチオン重合が可
能なオキセタン環を有する新規な2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン誘導体及び
その製造方法に関するものである。なお、該2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
誘導体を含有する光硬化性又は熱硬化性組成物は、低屈
折率で、透明性、撥水性、撥油性、耐熱性、硬化性、機
械特性に優れる硬化物を与えるため、塗料及びコーティ
ング材、接着剤、レンズ等に利用される。
能なオキセタン環を有する新規な2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン誘導体及び
その製造方法に関するものである。なお、該2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
誘導体を含有する光硬化性又は熱硬化性組成物は、低屈
折率で、透明性、撥水性、撥油性、耐熱性、硬化性、機
械特性に優れる硬化物を与えるため、塗料及びコーティ
ング材、接着剤、レンズ等に利用される。
【0002】
【従来の技術】オキセタン化合物は、光開始カチオン重
合または硬化が可能なモノマーとして近年注目を浴びて
いる化合物であり、多くの単官能性及び多官能性オキセ
タン化合物が報告されている。例えば、Pure Appl.Che
m.,A29(10),pp.915(1992)及びPure Appl.Chem.,A30(2&
amp;3), pp.189(1993)には種々のオキセタン誘導体の合
成法が記載されている。
合または硬化が可能なモノマーとして近年注目を浴びて
いる化合物であり、多くの単官能性及び多官能性オキセ
タン化合物が報告されている。例えば、Pure Appl.Che
m.,A29(10),pp.915(1992)及びPure Appl.Chem.,A30(2&
amp;3), pp.189(1993)には種々のオキセタン誘導体の合
成法が記載されている。
【0003】特開2000−191652号公報には、
式(2)で表されるオキセタン化合物が開示されてい
る。
式(2)で表されるオキセタン化合物が開示されてい
る。
【0004】
【化2】
(式(2)において、Rは水素原子、フッ素原子、アル
キル基、フルオロアルキル基、アリル基、アリール基、
フリル基またはチエニル基であり、置換基Rfは、式CnF
2n-1、式CnF2nHまたは式CnF2n+1(それぞれの式中のnは
2〜12の整数である。)で表される一価の含フッ素基
であり、繰返し数mは、1〜10の整数である。)
キル基、フルオロアルキル基、アリル基、アリール基、
フリル基またはチエニル基であり、置換基Rfは、式CnF
2n-1、式CnF2nHまたは式CnF2n+1(それぞれの式中のnは
2〜12の整数である。)で表される一価の含フッ素基
であり、繰返し数mは、1〜10の整数である。)
【0005】特表平11−500422号公報には、モ
ノ置換フッ素化オキセタンモノマーの記載があるが、オ
キセタン環を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン誘導体の記載はない。こ
れらの公知文献に記載のオキセタン化合物は、ガラス転
移温度が低く、得られる硬化物の耐熱性が不充分な場合
があるため、および吸水性がやや大きく、得られる硬化
物の電気特性が不充分となる場合があるため、条件によ
っては使用が制限される。
ノ置換フッ素化オキセタンモノマーの記載があるが、オ
キセタン環を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン誘導体の記載はない。こ
れらの公知文献に記載のオキセタン化合物は、ガラス転
移温度が低く、得られる硬化物の耐熱性が不充分な場合
があるため、および吸水性がやや大きく、得られる硬化
物の電気特性が不充分となる場合があるため、条件によ
っては使用が制限される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
が改善された、すなわちガラス転移温度が高く、吸水性
が小さく、しかも屈折率の小さい、新規なオキセタン環
を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン誘導体及びその製造方法を提供する
ものである。
が改善された、すなわちガラス転移温度が高く、吸水性
が小さく、しかも屈折率の小さい、新規なオキセタン環
を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン誘導体及びその製造方法を提供する
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載のオキセタン環を有する2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
誘導体は、式(1)で表される構造式を有するものであ
る。
に、請求項1に記載のオキセタン環を有する2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
誘導体は、式(1)で表される構造式を有するものであ
る。
【0008】
【化3】
(式(1)において、R1およびR2はそれぞれ水素原子
又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を示す。)
又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を示す。)
【0009】請求項2に記載のオキセタン環を有する
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン誘導体の製造方法は、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、アルカリ
剤および3−アルキル−3−クロロメチルオキセタンま
たは3−クロロメチルオキセタンを反応させることを特
徴とするものである。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン誘導体の製造方法は、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、アルカリ
剤および3−アルキル−3−クロロメチルオキセタンま
たは3−クロロメチルオキセタンを反応させることを特
徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のオキセタン環を有する
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン誘導体は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン、アルカリ剤および3
−アルキル−3−クロロメチルオキセタンまたは3−ク
ロロメチルオキセタンを反応させることにより得られ
る。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン誘導体は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン、アルカリ剤および3
−アルキル−3−クロロメチルオキセタンまたは3−ク
ロロメチルオキセタンを反応させることにより得られ
る。
【0011】2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパンは、ビスフェノールAが有する
2個のメチル基の水素原子の全てがフッ素原子によって
置換されたものである。
ヘキサフルオロプロパンは、ビスフェノールAが有する
2個のメチル基の水素原子の全てがフッ素原子によって
置換されたものである。
【0012】アルカリ剤は、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ヘキサフルオロプロパンと3−アルキル
−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロメチル
オキセタンを脱塩化水素反応により縮合させるための成
分であり、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素化
物、アルカリ金属等が使用できる。アルカリ金属水酸化
物の具体例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
が挙げられ、通常5〜60質量%の濃度の水溶液状のも
のまたは固体状のものが使用されるが、濃度40〜50
質量%の水溶液状のものが好ましい。アルカリ金属水素
化物の具体例としては、水素化ナトリウム、水素化カリ
ウム等が挙げられ、アルカリ金属の具体例としては、ナ
トリウム、カリウム等が挙げられる。アルカリ剤の使用
量は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
フルオロプロパンのフェノール性水酸基の当量数を基準
として、1〜4倍当量であることが好ましく、1〜2倍
当量であることがより好ましい。
キシフェニル)ヘキサフルオロプロパンと3−アルキル
−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロメチル
オキセタンを脱塩化水素反応により縮合させるための成
分であり、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素化
物、アルカリ金属等が使用できる。アルカリ金属水酸化
物の具体例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
が挙げられ、通常5〜60質量%の濃度の水溶液状のも
のまたは固体状のものが使用されるが、濃度40〜50
質量%の水溶液状のものが好ましい。アルカリ金属水素
化物の具体例としては、水素化ナトリウム、水素化カリ
ウム等が挙げられ、アルカリ金属の具体例としては、ナ
トリウム、カリウム等が挙げられる。アルカリ剤の使用
量は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
フルオロプロパンのフェノール性水酸基の当量数を基準
として、1〜4倍当量であることが好ましく、1〜2倍
当量であることがより好ましい。
【0013】3−アルキル−3−クロロメチルオキセタ
ンまたは3−クロロメチルオキセタンは公知の方法で製
造されたものを使用することができる(特開平10−2
04071号公報、特開平10−212282号公報、
特表平11−500422号公報)。
ンまたは3−クロロメチルオキセタンは公知の方法で製
造されたものを使用することができる(特開平10−2
04071号公報、特開平10−212282号公報、
特表平11−500422号公報)。
【0014】2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン、アルカリ剤および3−アルキ
ル−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロメチ
ルオキセタンの反応は、通常の脱塩化水素反応を行う条
件にて実施することができる。反応温度は80〜150
℃が好ましく、100〜120℃がより好ましい。反応
時間は、反応温度や後述する相関移動触媒の有無にもよ
るが、3〜50時間が好ましく、4〜12時間がより好
ましい。
ヘキサフルオロプロパン、アルカリ剤および3−アルキ
ル−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロメチ
ルオキセタンの反応は、通常の脱塩化水素反応を行う条
件にて実施することができる。反応温度は80〜150
℃が好ましく、100〜120℃がより好ましい。反応
時間は、反応温度や後述する相関移動触媒の有無にもよ
るが、3〜50時間が好ましく、4〜12時間がより好
ましい。
【0015】2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン、アルカリ剤および3−アルキ
ル−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロメチ
ルオキセタンの反応は、相間移動触媒が添加されて行わ
れる場合は、反応時間を短縮することができる。相間移
動触媒としては、公知の相間移動触媒(例えば、W.
P.Weber,G.W.Gokel共著、田伏岩夫、
西谷孝子共訳「相間移動触媒」、株式会社化学同人発行
などに記載のもの)をいずれも用いることができる。こ
れらの中でも、触媒としての能力の高さから、有機第4
級アンモニウム塩およびホスホニウム塩が好ましい。具
体例としては、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミ
ド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、トリオ
クチルメチルアンモニウムクロリド、テトラ−n−ブチ
ルホスホニウムクロリド、トリオクチルエチルホスホニ
ウムブロミドおよびテトラフェニルホスホニウムクロリ
ドなどが挙げられる。相間移動触媒の使用量は、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パンのフェノール性水酸基を基準としてモル比で0.1
〜30%であることが好ましく、1〜10%であることが
より好ましい。使用量が少なすぎると反応を円滑にさせ
る効果が十分でなく、多すぎると経済的に無駄なだけで
なく製品の純度が悪くなる場合がある。
ヘキサフルオロプロパン、アルカリ剤および3−アルキ
ル−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロメチ
ルオキセタンの反応は、相間移動触媒が添加されて行わ
れる場合は、反応時間を短縮することができる。相間移
動触媒としては、公知の相間移動触媒(例えば、W.
P.Weber,G.W.Gokel共著、田伏岩夫、
西谷孝子共訳「相間移動触媒」、株式会社化学同人発行
などに記載のもの)をいずれも用いることができる。こ
れらの中でも、触媒としての能力の高さから、有機第4
級アンモニウム塩およびホスホニウム塩が好ましい。具
体例としては、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミ
ド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、トリオ
クチルメチルアンモニウムクロリド、テトラ−n−ブチ
ルホスホニウムクロリド、トリオクチルエチルホスホニ
ウムブロミドおよびテトラフェニルホスホニウムクロリ
ドなどが挙げられる。相間移動触媒の使用量は、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パンのフェノール性水酸基を基準としてモル比で0.1
〜30%であることが好ましく、1〜10%であることが
より好ましい。使用量が少なすぎると反応を円滑にさせ
る効果が十分でなく、多すぎると経済的に無駄なだけで
なく製品の純度が悪くなる場合がある。
【0016】上記の反応は、溶媒を使用して実施するこ
とができ、特に芳香族炭化水素溶媒を使用する方法は、
反応が円滑に進行させることができる。芳香族炭化水素
溶媒のうちでも、ベンゼン、トルエン、キシレン等が好
適に用いられる。
とができ、特に芳香族炭化水素溶媒を使用する方法は、
反応が円滑に進行させることができる。芳香族炭化水素
溶媒のうちでも、ベンゼン、トルエン、キシレン等が好
適に用いられる。
【0017】反応終了後は、室温まで冷却して有機相、
あるいは有機固形物を取り出し、水洗及び脱溶剤をして
上記式(1)で表される目的とするオキセタン環を有す
る2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフル
オロプロパン誘導体を得ることができる。該誘導体は、
核磁気共鳴スペクトル(以下、NMRという。)具体的
には1H-NMR、13C-NMR、19F-NMR によって構造を確認す
ることができる新規な化合物である。式(1)中のR1
およびR2はそれぞれ水素原子又は1〜4個の炭素原子
を有するアルキル基を示すが、特に、メチル基又はエチ
ル基が好ましい。
あるいは有機固形物を取り出し、水洗及び脱溶剤をして
上記式(1)で表される目的とするオキセタン環を有す
る2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフル
オロプロパン誘導体を得ることができる。該誘導体は、
核磁気共鳴スペクトル(以下、NMRという。)具体的
には1H-NMR、13C-NMR、19F-NMR によって構造を確認す
ることができる新規な化合物である。式(1)中のR1
およびR2はそれぞれ水素原子又は1〜4個の炭素原子
を有するアルキル基を示すが、特に、メチル基又はエチ
ル基が好ましい。
【0018】
【実施例】以下に実施例を用いて、本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0019】(実施例1)攪拌機、温度計、脱水管およ
びコンデンサーを取り付けたガラス製の100mlの四つ口
丸底フラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパンを16.8g(0.05mol)と3−ク
ロロメチル−3−エチルオキセタン40.4g(0.30mol)を入
れ攪拌しながら、48質量%の水酸化カリウム水溶液12.3
g(0.105mol)を滴下漏斗から10分間かけて滴下した。
ここに触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド0.
65gを添加した後、還流するまで(約110℃)に昇温し、
還流させながら6時間反応させた。
びコンデンサーを取り付けたガラス製の100mlの四つ口
丸底フラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパンを16.8g(0.05mol)と3−ク
ロロメチル−3−エチルオキセタン40.4g(0.30mol)を入
れ攪拌しながら、48質量%の水酸化カリウム水溶液12.3
g(0.105mol)を滴下漏斗から10分間かけて滴下した。
ここに触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド0.
65gを添加した後、還流するまで(約110℃)に昇温し、
還流させながら6時間反応させた。
【0020】反応終了後、反応液を室温まで冷却し、分
液ロートに移し、トルエン100gおよび純水100mlを添加
し、よく攪拌した。有機相と水相を分離した後、有機相
を100mlの純水で更に3回洗浄した。有機相中のトルエ
ンおよび3−クロロメチル−3−エチルオキセタンを減
圧除去し、固体状生成物を得た。該生成物を再結晶によ
り精製し、16.5gの白色固体を得た。白色固体の融点は1
29.7℃であり、ガスクロマトグラフ分析により求めた純
度は99.9%であった。反応後の収率は93%であった。
液ロートに移し、トルエン100gおよび純水100mlを添加
し、よく攪拌した。有機相と水相を分離した後、有機相
を100mlの純水で更に3回洗浄した。有機相中のトルエ
ンおよび3−クロロメチル−3−エチルオキセタンを減
圧除去し、固体状生成物を得た。該生成物を再結晶によ
り精製し、16.5gの白色固体を得た。白色固体の融点は1
29.7℃であり、ガスクロマトグラフ分析により求めた純
度は99.9%であった。反応後の収率は93%であった。
【0021】以下に示すNMR分析の結果から、生成物
は式(3)で表される構造を有する2,2−ビス[4−
(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシフェニル]
ヘキサフルオロプロパンであることが確認された。
は式(3)で表される構造を有する2,2−ビス[4−
(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシフェニル]
ヘキサフルオロプロパンであることが確認された。
【0022】1H-NMR(重アセトン溶媒)の測定結果:δ(p
pm) J(Hz); a;0.96(t J=7.5Hz)、b;1.89(q J=7.5H
z)、c;4.22(s)、d;4.45(d J=32Hz d J=5.9Hz)、gとh;7.
08〜7.36(m) 13C-NMR(重アセトン溶媒、1H照射)の測定結果:δ(pp
m);a;8.39、b;27.40、c;71.30、d;77.87、e;43.79、f;
160.52、g;115.17、h;132.22、i;126.03、j;64.50(m)、
k;119.17〜131.81 19F-NMR(重アセトン溶媒)の測定結果:δ(ppm); -64.6
7
pm) J(Hz); a;0.96(t J=7.5Hz)、b;1.89(q J=7.5H
z)、c;4.22(s)、d;4.45(d J=32Hz d J=5.9Hz)、gとh;7.
08〜7.36(m) 13C-NMR(重アセトン溶媒、1H照射)の測定結果:δ(pp
m);a;8.39、b;27.40、c;71.30、d;77.87、e;43.79、f;
160.52、g;115.17、h;132.22、i;126.03、j;64.50(m)、
k;119.17〜131.81 19F-NMR(重アセトン溶媒)の測定結果:δ(ppm); -64.6
7
【0023】
【化4】
【0024】
【発明の効果】容易に入手可能な原料から新規なオキセ
タン環を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン誘導体が得られる。本発明
のオキセタン環を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン誘導体を含有する光
硬化性又は熱硬化性組成物は、低屈折率で、透明性、撥
水性、撥油性、耐熱性、硬化性、機械特性に優れ、吸水
性の小さい硬化物を与えるため、塗料及びコーティング
材、接着剤、レンズ等に利用することができる。特に耐
熱性が優れ、吸水性が小さい硬化物を与える効果は、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン残基に由来するものと考えられる。
タン環を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン誘導体が得られる。本発明
のオキセタン環を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン誘導体を含有する光
硬化性又は熱硬化性組成物は、低屈折率で、透明性、撥
水性、撥油性、耐熱性、硬化性、機械特性に優れ、吸水
性の小さい硬化物を与えるため、塗料及びコーティング
材、接着剤、レンズ等に利用することができる。特に耐
熱性が優れ、吸水性が小さい硬化物を与える効果は、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン残基に由来するものと考えられる。
Claims (2)
- 【請求項1】 式(1)で表されるオキセタン環を有す
る2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフル
オロプロパン誘導体。 【化1】 (式(1)において、R1およびR2はそれぞれ水素原子
又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を示す。) - 【請求項2】 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、アルカリ剤および3−ア
ルキル−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロ
メチルオキセタンを反応させることを特徴とするオキセ
タン環を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン誘導体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001201594A JP2003012662A (ja) | 2001-07-03 | 2001-07-03 | オキセタン環を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001201594A JP2003012662A (ja) | 2001-07-03 | 2001-07-03 | オキセタン環を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン誘導体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003012662A true JP2003012662A (ja) | 2003-01-15 |
Family
ID=19038521
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2001
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2004300136A (ja) * | 2003-03-17 | 2004-10-28 | Nippon Steel Chem Co Ltd | オキセタン化合物及びその製造方法 |
JP4531410B2 (ja) * | 2003-03-17 | 2010-08-25 | 新日鐵化学株式会社 | オキセタン化合物及びその製造方法 |
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