JP3411840B2 - 缶エンド用アルミニウム合金板 - Google Patents
缶エンド用アルミニウム合金板Info
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Description
ニウム合金板、とくに、リサイクル性に優れ、負圧缶エ
ンド用として好適な缶エンド用アルミニウム合金板に関
する。
などの飲料缶用アルミニウム合金板としては、缶胴用に
はA3004合金板、缶蓋にはA5182合金板が使用
されている。A3004合金はMn1.0〜1.5%を
含有し、A5182合金は0.20〜0.50%のMn
を含む。
飲料用の負圧缶の蓋(エンド)には、現在、主要元素と
してMgおよびCrを添加したA5052合金板が使用
されており、A5052合金においては、Mnは不純物
として0.10%以下に規制される。従って、A300
4合金板、A5182合金板からなるアルミニウム飲料
缶をリサイクルして再生された地金を、負圧缶のエンド
用材料(A5052合金)として利用することはできな
い。
た場合、tear時のスコア引き裂き荷重が高く、引き
裂き性がわるい場合があることが経験されている。この
問題を解決するために、Mnの含有量を多くして強度を
高め、引き裂き性を向上させた開缶性に優れた負圧缶ス
テイオンタブ式エンド用アルミニウム合金板が提案され
ている(特開平6−316739号公報)。しかしなが
ら、A5052合金板に適したライン構成となっている
製缶ラインにおいて、現行の負圧缶エンド用材料に比べ
て開缶性が大きく変わる新しい材料に置き換えること
は、種々の問題が生じるため、必ずしも好ましくない。
生成を防ぐために、Mnの含有量を高めるとともに、M
n含有量/Si含有量の比を2.0以上に規制し、負圧
缶エンドとして適したアルミニウム合金板も提案されて
いる(特開平9−279281号公報)が、この材料に
おいても上記の開缶性の問題がある。また、これらの缶
蓋用アルミニウム合金は、リサイクル性を考慮したもの
ではなく、リサイクル材の使用については必ずしも最適
のものではない。
アルミニウム合金板、とくに、リサイクル性に優れた負
圧缶エンド用アルミニウム合金板を得るために、従来提
案されている材料をベースとして、成分組成と開缶性、
リサイクル性との関連についてさらに検討を重ねた結果
としてなされたものであり、その目的は、開缶性が従来
のA5052合金板からなる缶エンドの場合と大差がな
く、現在の製缶ラインにおいて、A5052合金板と置
き換えることが容易であり、リサイクル性に優れ、アル
ミニウム飲料缶のリサイクル材の使用を可能とする缶エ
ンド用アルミニウム合金板を提供することにある。
めの本発明の請求項1に記載の缶エンド用アルミニウム
合金板は、Mg:1.5%以上3.0%未満、Mn:
0.10%以上0.30%未満、Cu:0.04%以上
0.10%未満、Si:0.10%以上0.30%未
満、Fe:0.10%以上0.40%未満を含有し、残
部Alおよび不純物からなり、MnとSiの合計含有量
が、0.37≦Mn+Si≦0.5であることを特徴と
する。
ニウム合金板は、Mg:1.5%以上3.0%未満、M
n:0.10%以上0.30%未満、Cu:0.04%
以上0.10%未満、Si:0.10%以上0.30%
未満、Fe:0.10%以上0.40%未満を含有し、
残部Alおよび不純物からなり、Mn含有量とSi含有
量との比、Mn/Si<2、MnとSiの合計含有量
が、0.37≦Mn+Si≦0.5であることを特徴と
する。
よびその限定理由について説明すると、Mgは、缶エン
ドとして必要な強度を得るための基本的成分であり、好
ましい含有範囲は、1.5%以上3.0%未満である。
1.5%未満では強度が十分でなく、3.0%以上にな
ると強度が高くなり過ぎ、製缶ラインでの缶の生産性を
低下させる。
であるが、0.10%未満ではリサイクル材の使用がで
きず、リサイクル性の点で好ましくない。0.30%以
上含有されると、缶エンドとした場合に開缶し易くな
り、A5052合金板缶エンドとの開缶性の差が大きく
なる傾向がある。開缶性がA5052合金板により近
く、製缶ラインにおいて、A5052合金板に代えて問
題なく使用できるMnの好ましい含有範囲は0.10%
以上0.30%未満である。
4合金)には、0.2%程度のCuが含まれているか
ら、リサイクル材を使用した場合には、この程度のCu
が必然的に含有される。Cuの好ましい含有量は、0.
04%以上0.10%未満の範囲であり、0.04%未
満ではリサイクル材が使用し難く、0.10%以上にな
ると圧延加工性が低下する。
に含有される元素である。好ましい含有量は、0.10
%以上0.30%未満の範囲であり、0.30%以上で
は、大きな晶出物が晶出して、例えば、スコア部に欠陥
が生じ易くなる。安定した開缶性を得るには、0.10
%以上0.30%未満の範囲で含有させるのが望まし
い。
に含有される元素である。好ましい含有量は、0.10
%以上0.40%未満の範囲であり、0.40%以上で
は、大きな晶出物が晶出して、例えば、スコア部に欠陥
が生じ易くなる。安定した開缶性を得るには、0.10
%以上0.40%未満の範囲で含有させるのが望まし
い。
量との比(Mn/Si)を2未満、MnとSiの合計含
有量を0.37〜0.5%の範囲とするのが好ましく、
この範囲において、A5052合金板エンドとの差が少
ない開缶性が得られ、リサイクル性に優れ、アルミニウ
ム飲料缶のリサイクル材の使用が可能である。
は、連続鋳造により造塊し、常法に従って均質化処理
後、熱間圧延を行い、冷間圧延することにより製造さ
れ、冷間圧延により所定厚さの板材とする。必要に応じ
て、冷間圧延の途中で、好ましくは、急熱、急冷を伴う
連続焼鈍炉により中間焼鈍を行う。
合金の鋳塊を製造し、得られた鋳塊を表面切削した後、
500℃の温度で均質化処理を施し、ついで熱間圧延を
行い、300℃以上の温度で熱間圧延を終了し、厚さ
2.5mmの板材とした。
mの板とした。ほとんどの場合は、冷間圧延の途中で、
急速加熱、急速冷却を伴う連続焼鈍炉により中間焼鈍を
施したが、一部のものについては中間焼鈍を行わなかっ
た。
を施して所定の温度で焼付け処理を行った後、機械的性
質を測定し、開缶性を評価した。開缶性の評価は、冷間
圧延板を標準的なstolle typeのスコアを有
する缶蓋に成形し、この缶蓋を回転治具にセットして、
タブに荷重を負荷することにより開缶し、その際の第1
の荷重ピーク値(ポップ値)および第2の荷重ピーク値
(ティア値)を求めた。
3に塗装焼付け板の機械的性質および開缶性を示す。表
3にみられるように、本発明による試験材はいずれも、
耐力230〜250MPaの範囲の適度の強度を有し、
A5052合金板と同様に、ポップ値14〜16N、テ
ィア値18.5〜20.5Nの範囲の開缶性をそなえて
いる。
合金の鋳塊を製造し、得られた鋳塊を表面切削した後、
500℃の温度で均質化処理を施し、ついで熱間圧延を
行い、300℃以上の温度で熱間圧延を終了し、厚さ
2.5mmの板材とした。
mの板とした。ほとんどの場合は、冷間圧延の途中で、
急速加熱、急速冷却を伴う連続焼鈍炉により中間焼鈍を
施した。中間焼鈍温度を表5に示す。
を施し、表5に示す温度で焼付け処理を行った後、実施
例1と同じ方法で機械的性質を測定し、開缶性を評価し
た。結果を表6に示す。なお、表4において、本発明の
条件を外れたものには下線を付した。
n量が多く、Mn/Siの比が2を越えるため、開缶し
易くなり過ぎている。試験材No.6は、Mg量が少な
いため、所定の強度が得られない。試験材No.7は、
MnおよびCuの含有量が多いため、強度が大きくなり
過ぎ圧延加工性が低下した。試験材No.8は、Siお
よびFeの含有量が多いため、金属間化合物の生成が多
くなり、スコア部の欠陥が多くなった。試験材No.9
は、Mn量は多く、Mn/Siの比が2を越えるため、
開缶し易くなり過ぎている。試験材No.10は、現行
のA5052合金材であり、所定の性能は満足するが、
Mn量が少ないためリサイクル材の使用が困難である。
アルミニウム飲料缶のリサイクル材の使用を可能とす
る、とくに負圧缶エンド用として好適に使用できる缶エ
ンド用アルミニウム合金板が提供される。
負圧缶のエンド材として使用することにより、開缶性が
従来のA5052合金板からなる缶エンドの場合と大差
がなく、現在の製缶ラインにおいて、A5052合金板
と置き換えることが容易であり、その製造には、A30
04合金の缶胴、A5182合金の缶蓋からなるアルミ
ニウム飲料缶のリサイクル材を適用することができる。
板は、負圧缶のエンド材に限定されることなく、エンド
形状や板厚を考慮することにより、陽圧缶用のエンド材
としても使用することが可能である。
Claims (2)
- 【請求項1】 Mg:1.5%(重量%、以下同じ)以
上3.0%未満、Mn:0.10%以上0.30%未
満、Cu:0.04%以上0.10%未満、Si:0.
10%以上0.30%未満、Fe:0.10%以上0.
40%未満を含有し、残部Alおよび不純物からなり、
MnとSiの合計含有量が、0.37≦Mn+Si≦
0.5であることを特徴とする缶エンド用アルミニウム
合金板。 - 【請求項2】 Mg:1.5%以上3.0%未満、M
n:0.10%以上0.30%未満、Cu:0.04%
以上0.10%未満、Si:0.10%以上0.30%
未満、Fe:0.10%以上0.40%未満を含有し、
残部Alおよび不純物からなり、Mn含有量とSi含有
量との比、Mn/Si<2、MnとSiの合計含有量
が、0.37≦Mn+Si≦0.5であることを特徴と
する缶エンド用アルミニウム合金板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33690098A JP3411840B2 (ja) | 1998-11-27 | 1998-11-27 | 缶エンド用アルミニウム合金板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33690098A JP3411840B2 (ja) | 1998-11-27 | 1998-11-27 | 缶エンド用アルミニウム合金板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000160273A JP2000160273A (ja) | 2000-06-13 |
JP3411840B2 true JP3411840B2 (ja) | 2003-06-03 |
Family
ID=18303686
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33690098A Expired - Fee Related JP3411840B2 (ja) | 1998-11-27 | 1998-11-27 | 缶エンド用アルミニウム合金板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3411840B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10538833B2 (en) | 2016-06-28 | 2020-01-21 | Novelis Inc. | Anodized-quality aluminum alloys and related products and methods |
JP2023131622A (ja) | 2022-03-09 | 2023-09-22 | 株式会社Uacj | 缶蓋用アルミニウム合金板 |
-
1998
- 1998-11-27 JP JP33690098A patent/JP3411840B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000160273A (ja) | 2000-06-13 |
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