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JP3367276B2 - ポリアミド樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリアミド樹脂の製造方法

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JP3367276B2
JP3367276B2 JP13430495A JP13430495A JP3367276B2 JP 3367276 B2 JP3367276 B2 JP 3367276B2 JP 13430495 A JP13430495 A JP 13430495A JP 13430495 A JP13430495 A JP 13430495A JP 3367276 B2 JP3367276 B2 JP 3367276B2
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polyamide resin
polymerization
producing
acid
primary condensate
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充 村上
修 富樫
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリアミド樹脂の製造方
法に関し、特に自動車部品、電気・電子部品に適した耐
熱ポリアミド樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドはエンジニアリングプラスチ
ックとしての優れた特性を利用して、自動車分野、電気
・電子分野等で幅広く使用されてきている。
【0003】従来、これらの成形品はガラス繊維で強化
したナイロン6、ナイロン66が使用されてきたが(特
開昭59−161461号公報)、近年の技術革新によ
る自動車のエンジンルームの温度上昇やマイクロエレク
トロニクスの進展に伴い、さらに高温雰囲気下での使用
に耐え得る成形品の材料が要求されてきた。しかしなが
ら、ナイロン6やナイロン66の融点(Tm)はそれぞ
れ220℃、260℃でありガラス繊維で強化した場合
でも熱変形温度の限界はそれぞれ融点どまりである。
【0004】最近、これらの高温雰囲気下での使用に耐
え得るコポリアミド樹脂組成物として、テレフタル酸お
よびイソフタル酸含有コポリアミド樹脂組成物またはそ
れらのガラス強化品が数多く提案されている(特開昭5
9−161428号公報、特開昭59−155426号
公報、特開昭59−53536号公報、特開昭62−1
56130号公報) 。また、これらの製造方法として
は、バッチ式重合装置を用いて重合する方法(特開昭4
8−79297号公報) や連続重合装置を用いる方法
(特開昭49−20758号公報) などの1プロセス重
合方法、または、溶融重合と固相重合を組合わせる方法
(特開平4−50231号公報) やオリゴマ化重合と押
出機による溶融高重合度化を組合わせる方法(特開平4
−31070号公報) などの2プロセス重合方法が提案
されている。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、一次縮
合物を重合した後、溶融高重合度化する方法は、しばし
ば十分な重合度が得られなかったり、溶融機の供給口で
一次縮合物が固結したり、ベント部から噴出するなどの
現象が起こり、安定して高重合度化ポリマを得ることが
困難であった。また一次縮合物を重合した後、固相重合
する方法も高重合度化反応物が固着して均一に反応が行
えないという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、このような
問題点を解決するために検討を行なった結果、一次縮合
物の末端基濃度バランスに注目し、本発明を完成するに
いたった。すなわち本発明は、「下記構造式(I)
【化5】 で示される構造単位を含有する共重合構造のポリアミド
樹脂の製造方法であって、有機酸および/または有機塩
基の末端封鎖剤を加えて、重合槽において150〜35
0℃の条件でオリゴマ化重合を行ない、重合槽から得ら
れたオリゴマ物を水流と接触しながら吐出させ連続的に
粉砕し、下記の特性を有する一次縮合物を製造した後、
一次縮合物を高重合度化することを特徴とするポリアミ
ド樹脂の製造方法。 一次縮合物の特性 末端のカルボキシル基とアミノ基との濃度の差が±10×
10-5mol/g の範囲 JIS−K6810による相対粘度が1.04〜2.5
0」からなるものである。
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明で用いられる構造式(I)で示され
るヘキサメチレンテレフタルアミド単位(以下、6Tと
示す)は、得られるポリアミド樹脂の剛性、耐熱性を付
与する機能を有しているものである。さらに、得られる
樹脂の耐熱性という面で、得られるポリアミド樹脂の融
点は、好ましくは230〜340℃であり、さらに好ま
しくは260〜340℃である。融点が230℃よりも
低いと耐熱性を得にくく、また、340℃よりも高い
と、樹脂の加工の際に高温を要するため熱劣化などの問
題を生じるので好ましくない。
【0009】本発明のポリアミド樹脂には6T成分の他
に、さらに下記構造式(II)〜(IV)から選ばれる1種
類以上の構造単位を有することが好ましい。
【化6】 (ヘキサメチレンアジパミド単位(以下66と示す))
【化7】 (ヘキサメチレンイソフタルアミド単位(以下6Iと示
す))
【化8】 (カプロアミド単位(以下6と示す))
【0010】上記6T含有コポリアミドは、6T/6I
の共重合比率が重量比で45/55〜80/20、好ま
しくは55/45〜80/20、より好ましくは60/
40〜75/25の範囲である。また6T/66の共重
合比率が重量比で20/80〜80/20、好ましくは
30/70〜70/30、より好ましくは30/70〜
60/40の範囲である。また6T/6の共重合比率が
重量比で40/60〜90/10、好ましくは55/4
5〜85/15、より好ましくは60/40〜80/2
0の範囲である。これらの6T含有コポリアミドの共重
合比率はポリマ融点が、おおよそ230〜340℃の範
囲にある結晶性コポリアミドである。6T/6I、6T
/66および6T/6の共重合比率が重量比でそれぞれ
45/55、20/80、40/60よりも6T共重合
量が少ないとポリマ融点が低下するために、熱変形温度
などの耐熱性が低下するので好ましくない。また、6T
/6I、6T/66および6T/6の共重合比率がそれ
ぞれ80/20、80/20、90/10よりも6T共
重合量が多いとポリマ融点が高くなり耐熱性は向上する
が、加工温度が高くなりポリマが熱分解を起こしやすく
なる。
【0011】本発明において、得られるポリアミド樹脂
の重合度については特に制限がなく、通常JIS−K6
810(1%硫酸溶液25℃)の方法による相対粘度
(ηr)が1.8〜5.0にあるものを任意に用いるこ
とができる。
【0012】本発明において、最初に合成される一次縮
合物の原料としては、一般的には、環状アミド、アミノ
カルボン酸、ジカルボン酸、ジアミンなどのモノマー、
またはジカルボン酸とジアミンとからなる塩が用いられ
る。またこれらの原料は、水などで溶液として用いるこ
とができる。特に本発明で用いられる6T単位を与える
原料としては、一般的にテレフタル酸と1,6−ジアミ
ノヘキサン、またはその両者の塩が好ましく用いられ
る。
【0013】本発明の一次縮合物を合成するためのオリ
ゴマ化重合反応は、6T単位を与える原料と6単位、6
6単位、6I単位を与える原料から選ばれる一種類以上
を加圧式重合槽へ仕込み、撹拌条件下150〜350℃
に加熱することで得られる。重合槽の効率を上げるため
に、原料の形態としては原料混合水溶液を50%以上、
好ましくは65%以上に濃縮して仕込むのが好ましい。
また、原料の仕込み方法については特に制限がなく、加
熱前の一括仕込みあるいは加熱後に分割供給することも
可能である。
【0014】オリゴマ化重合する加圧式重合槽について
は特に制限がなく、バッチ式反応装置または1〜3槽式
の連続式反応装置などを用いることができる。またその
反応温度は150〜350℃にする必要があり、好まし
くは180〜340℃、より好ましくは190℃〜34
0℃である。反応温度が150℃よりも低いと反応時間
が長くなり好ましくない。また、反応温度が350℃よ
りも高いと、一次縮合物の熱分解による発泡あるいはゲ
ル状異物の発生などが著しくなり好ましくない。
【0015】本発明のオリゴマ化重合の圧力は、通常0
〜100kg/cm 2 -G(0〜9800kPa )、好ましくは
2〜70kg/cm 2 -G(196〜6860kPa )、より好
ましくは5〜60kg/cm 2 -G(490〜5880kPa )
に保つように操作される。
【0016】オリゴマ化重合においては、有機酸および
/または有機塩基の末端封鎖剤が配合される。有機酸と
しては、好ましくは安息香酸、ステアリン酸、酢酸であ
り、さらに好ましくは酢酸である。また、有機塩基は、
ポリアミドの融点および吸水性などの点から炭素数4〜
18の脂肪族ジアミンが用いられる。その具体例として
は、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタ
ン、1,6−ジアミノヘキサン、1,5−ジアミノ−2
−メチルペンタン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8
−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,1
0−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、
1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリ
デカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−
ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカ
ン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジア
ミノオクタデカンなどであり、中でも炭素数6および炭
素数12のものが好ましく、1,6−ジアミノヘキサン
がさらに好ましい。これらの有機酸成分および有機塩基
から選ばれたものは単独で、もしくは2種以上を混合し
て用いられる。
【0017】本発明のポリアミドの製造にはリン系触媒
を用いることもできる。リン系触媒は、重合反応の触媒
機能を有するものであり、具体的には、リン酸、リン酸
塩、次亜リン酸塩、酸性リン酸エステル、リン酸エステ
ル、亜リン酸エステルである。次亜リン酸塩を例示する
と、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸マグネシウム、
次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン
酸バナジウム、次亜リン酸マンガン、次亜リン酸ニッケ
ル、次亜リン酸コバルトなどが挙げられる。酸性リン酸
エステルを例示すると、モノメチルリン酸エステル、ジ
メチルリン酸エステル、モノエチルリン酸エステル、ジ
エチルリン酸エステル、プロピルリン酸エステル、イソ
プロピルリン酸エステル、ジプロピルリン酸エステル、
ジイソプロピルリン酸エステル、ブチルリン酸エステ
ル、イソブチルリン酸エステル、ジブチルリン酸エステ
ル、ジイソブチルリン酸エステル、モノフェニルリン酸
エステル、ジフェニルリン酸エステルなどが挙げられ
る。リン酸エステルを例示すると、トリメチルリン酸、
トリエチルリン酸、トリ−n−プロピルリン酸、トリ−
i−プロピルリン酸、トリ−n−ブチルリン酸、トリ−
i−ブチルリン酸、トリフェニルリン酸、トリ−n−ヘ
キシルリン酸、トリ−n−オクチルリン酸、トリ(2−
エチルヘキシル)リン酸、トリデシルリン酸などが挙げ
られる。これらの中で好ましいのは次亜リン酸塩であ
り、特に好ましいのは次亜リン酸ナトリウムである。リ
ン系触媒を添加する場合、その添加量としては、ポリア
ミド100重量部に対して0.001〜5重量部が用い
られ、0.01〜1重量部が好ましい。また、添加時期
は原料仕込み時からオリゴマ化重合工程の完了までの間
であればいずれであってもよく、分割投入してもよい。
また、高重合度化時に追添加することもできる。
【0018】オリゴマの重合槽からの吐出方法としては
1〜100kg/cm 2 -G(98〜9800kPa)の加圧
下から吐出するのが好ましく、重合反応時の圧力をその
まま利用したり、あるいはN2 などの不活性ガスで任意
の圧力に加圧し吐出するのが適当である。重合槽に水ま
たは水蒸気を供給し、水蒸気加圧下で吐出を行うことが
好ましい。また、吐出量を調節するためにギヤポンプな
どの定量ポンプを使用することもできる。
【0019】重合槽から吐出されたオリゴマは、スチー
ルベルトやクーリングドラムなどに連続的に吐出した
後、シャワーノズルやスプレーガンなどで水を直接噴射
して、冷却し、次いで粉砕機に投入して粉砕し、一次縮
合物とする。。
【0020】粉砕機としては短時間での粉砕が可能な機
種が適当であり、回転式粉砕機であるピンタイプ、刃タ
イプ、ハンマータイプなどを任意に使用することができ
る。粉砕温度は250℃以下、好ましくは200℃以下
であり、250℃を越える範囲では粉砕機内部で一次縮
合物が融着する危険がある。また、粉砕粒径は20mm
以下、好ましくは15mm以下でよいが、0.2mm以
下の微粉はハンドリング上好ましくない。さらに、粉砕
後の一次縮合物は直ちに風送ブロワ、サイクロンを用い
て、貯蔵サイロなどに風送することも可能である。
【0021】カルボキシル基(−COOH)とアミノ基
(−NH2 )の濃度の差は±10×10-5mol/gの
範囲であり、好ましくは±8×10-5mol/gの範囲
である。濃度の差が±10×10-5mol/gの範囲を
外れると溶融高重合度化時に十分な重合度が得られな
い。
【0022】本発明の一次縮合物のJIS−K6810
(1%硫酸溶液の25℃)における相対粘度(ηr)
は、1.04〜2.50であることが必要であり、好ま
しくは1.08〜2.30、さらに好ましくは1.08
〜2.10の範囲である。相対粘度が1.04未満の場
合、高重合度化工程での反応時間が長くなり熱分解を起
こすため好ましくない。また相対粘度が2.50よりも
大きいと一次縮合物の溶融粘度が高くなりすぎ吐出不良
を起こすので好ましくない。
【0023】本発明の一次縮合物を高重合度化する方法
としては、溶融機を用いる方法、固相重合する方法、溶
融機、固相重合機を併用する方法などを用いることがで
きる。溶融機を用いる場合、溶融温度は一次縮合物の融
点よりも10〜70℃高い範囲が好ましい。また、テレ
フタル酸成分が多く融点の高い一次縮合物を用いる場
合、ポリマの熱分解や熱劣化を防ぐため上限温度を37
0℃以下とするのが好ましい。溶融機としては押出機、
ニーダーを用いることができるが二軸押出機、二軸ニー
ダーが好ましい。
【0024】溶融機での滞留時間は特に定めないが、好
ましくは20秒以上、特に好ましくは30秒以上であ
る。滞留時間が短かいと有効に高重合度化が進まないた
め好ましくない。滞留時間を長くし高重合度化を進める
ためには、溶融機を2台以上直列につなぐことも有効で
ある。また、高重合度化ポリマは必要に応じて固相重合
しさらに重合度を上げることもできる。
【0025】本発明の一次縮合物を固相重合する方法と
しては不活性ガス存在下で加圧または常圧でする方法、
または、減圧下でする方法、あるいはこれらを任意に組
み合わせることもできる。固相重合温度は130℃〜ポ
リマ融点以下であることが必要である。好ましくは、1
70℃〜融点−10℃、さらに好ましくは200℃〜融
点−15℃である。固相重合温度が130℃よりも低い
と反応速度が遅くなり好ましくない。固相重合時間は通
常の成形品に使用されるポリアミドの相対粘度になるま
での任意の時間を選ぶことができる。本発明の重合装置
については特に制限がなく、公知のいずれの方法も使用
できる。固相重合装置の具体例としてはニーダー、二軸
パドル式、塔式、回転ドラム式およびダブルコーン型の
固相重合装置などが挙げられる。
【0026】本発明で得られるポリアミド樹脂には充填
剤を添加することができる。充填剤とは、ガラス製のビ
ーズ、タルク、カオリン、ウオラストナイト、マイカ、
シリカ、アルミナ、ケイソー土、クレー、セッコウ、ベ
ンガラ、グラファイト、二酸化チタン、酸化亜鉛、銅、
ステンレスなどの紛状、板状の無機系化合物、他のポリ
マー繊維(炭素繊維)などであり、好ましくはガラス繊
維である。ガラス繊維としては熱可塑性樹脂や熱硬化性
樹脂などの補強剤として一般にガラス繊維が用いられる
が、特に好ましいのは直径3〜20μm程度の連続長繊
維のストランドから作られたガラスロービング、ガラス
チョップドストランド、ガラス糸などである。かかる充
填剤の配合割合は該ポリアミド100重量部に対し0〜
200重量部の範囲にあることが必要であり、好ましく
は0を越えて150重量部の範囲、特に好ましくは10
〜100重量部である。充填剤の配合割合が200重量
部を越えると、溶融時の流動性が悪くなり、薄肉成形品
を射出成形することが困難になるばかりでなく、成形品
外観が悪くなるので好ましくない。
【0027】本発明の結晶性ポリアミドに充填剤を配合
する方法については特に制限がなく、公知のいずれの方
法も使用できる。配合方法の具体例としては結晶性コポ
リアミドのペレットに充填剤をドライブレンドし、これ
を単軸押出機または二軸押出機で溶融混練する方法など
が挙げられる。押出機で高重合度化する場合、押出機途
中にサイドフィードする方法が生産効率が高く好まし
い。
【0028】本発明において、一次縮合物を造るとき、
溶融高重合度化、固相重合、コンパウンドあるいは成形
工程など、必要に応じて触媒、耐熱安定剤、耐候性安定
剤、可塑剤、離型剤、滑剤、結晶核剤、顔料、染料、他
の重合体などを添加することができる。
【0029】これらの添加剤としては、耐熱安定剤(ヒ
ンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト
系およびこれらの置換体、ヨウ化銅、ヨウ化カリウムな
ど)、耐候性安定剤(レゾルシノール系、サリシレート
系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダ
ードアミン系など)、離型剤および滑剤(モンタン酸お
よびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステ
アリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワ
ックスなど)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン
系化合物、カーボンブラックなど)、および染料(ニグ
ロシンなど)、他の重合体(他のポリアミド、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニ
レンスルフィド、液晶ポリマ、ポリエーテルスルフォ
ン、ABS樹脂、SAN樹脂、ポリスチレン、アクリル
樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン、α−
オレフィン共重合体、アイオノマー樹脂、SBS、SE
BSなど)を挙げることができる。
【0030】添加剤のコンパウンドは生産性の点から、
溶融機において高重合度化と同時あるいは連続で行うの
がより好ましい。
【0031】ポリアミドの色調改善には、酸化防止剤の
添加が有効であり、特に次亜リン酸ソーダおよびヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤の添加が好ましい。次亜リ
ン酸ソーダは一次縮合物の高重合度化促進にも有効であ
る。
【0032】本発明のポリアミドはスイッチ類、超小型
スライドスイッチ、DIPスイッチ、スイッチのハウジ
ング、ランプソケット、結束バンド、コネクタ、コネク
タのハウジング、コネクタのシェル、ICソケット類、
コイルボビン、ボビンカバー、リレー、リレーボック
ス、コンデンサーケース、モーターの内部部品、小型モ
ーターのケース、ギヤ・カム、ダンシングプーリー、ス
ペーサー、インシュレーター、ファスナー、バックル、
ワイヤークリップ、自転車ホイール、キャスター、ヘル
メット、端子台、電動工具のハウジング、スターターの
絶縁部分、スポイラー、キャニスター、ラジエータータ
ンク、チャンバータンク、リザーバータンク、ヒューズ
ボックス、エアークリーナーケース、エアコンファン、
ターミナルのハウジング、ホイールカバー、吸排気パイ
プ、ベアリングリテナー、シリンダーヘッドカバー、イ
ンテークマニホールド、ウオーターパイプインペラ、ク
ラッチレリーズ、スピーカー振動板、耐熱容器、電子レ
ンジ部品、炊飯器部品、プリンタリボンガイドなどに代
表される電気・電子関連部品、自動車・車両関連部品、
家電・事務電気製品部品、コンピューター関連部品、フ
ァクシミリ・複写機関連部品、機械関連部品、その他各
種用途に有用である。
【0033】
【実施例】以下に実施例を示し本発明をさらに詳しく説
明する。なお、実施例および比較例中の諸特性は次の方
法で測定した。 1)融点(Tm) DSC(PERKIN-ELMER7 型)を用い、サンプル8〜10
mgを昇温速度20℃/minで測定して得られた融解
曲線の最大値を示す温度をTmとした。 2)相対粘度(ηr) JIS K6810に従って、サンプル1gを98%濃
硫酸100mlに溶解し、25℃の相対粘度を測定し
た。
【0034】3)YI値 JIS K7103で測定した。値が大きいほど黄色変
化が大きいことを意味する。 4)末端アミノ基[−NH2 ]濃度 サンプル1gをフェノール・エタノール溶液100ml
に溶解し、0.02Nの塩酸水溶液で滴定した。
【0035】5)末端カルボキシル基[−COOH]濃
度 サンプル1gをベンジルアルコール100mlに加熱溶
解し、0.02Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)
で滴定した。 6)成形品の物性は次の方法で測定した。 引張り強度 :ASTM−D638 曲げ強度 :ASTM−D790 曲げ弾性率 :ASTM−D790
【0036】<実施例1>ヘキサメチレンアンモニウム
アジペート(66塩)15.0kg、テレフタル酸とヘ
キサメチレンジアミンからなる塩(6T塩)10.0k
g、次亜リン酸ソーダ12g、安息香酸57gおよびイ
オン交換水10.0kgを0.1m3 のバッチ式反応槽
に仕込み、窒素置換を充分行った後水蒸気圧17.5kg
/cm 2 -Gの加圧下で加熱を続けた。撹拌下3.5時間か
けて285℃に昇温し反応を完結させた。反応槽低部か
ら大気中にオリゴマを長さ8m、巾0.5mのスチール
ベルト上に50kg/hの割合で吐出した。この際スプ
レーガンを用い30kg/hの割合で水をオリゴマに放
射した。スチールベルト出の一次縮合物を連続的に
(株)ホソカワマイクロのDKA06型回転ハンマー式
粉砕機に供給し、平均粒径1mmの白色の粉体からなる
一次縮合物を得た。得られた一次縮合物の相対粘度ηr
=1.42、融点は284℃であった。この一次縮合物
を100℃で24時間真空乾燥した後、30mmφのベ
ント式(真空度=−700〜−740mmHg)の二軸
押出機で260℃〜335℃の温度条件で溶融押出しに
よる高重合度化を行った。この結果、ポリマ相対粘度η
r =2.65、ポリマ融点282℃の白色ペレットから
なるポリアミド樹脂を得た。
【0037】このペレット100重量部に対して長さ3
mm直径13μmのガラス繊維チョップドストランド5
0重量部をドライブレンドし、30mmφ単軸押出機で
ポリマ融点+20℃の温度で溶融混合した。この混合物
を射出成形機により成形し、テストピースを作成した。
得られたテストピースを評価した結果を表1に示す。
【0038】<実施例2>85重量%ε−カプロラクラ
ム水溶液10.6kg、テレフタル酸とヘキサメチレン
ジアミンからなる塩(6T塩)21.0kg、次亜リン
酸ソーダ20g、安息香酸38gおよびイオン交換水
9.0kgを0.1m3 のバッチ式反応槽に仕込み、窒
素置換を充分行った後、水蒸気圧40kg/cm 2 -Gの加圧
下で加熱を続けた。撹拌下2.5時間かけて270℃に
昇温した後、240℃に加熱したイオン交換水を定量ポ
ンプで2l/hの割合で重合槽に供給しながら、さらに
275℃で1時間保持し反応を完結させた。この際シャ
ワーノズルを用い40kg/hの割合で水をオリゴマに
放射した。このオリゴマを連続的に(株)ホーライの粉
砕機UG280に供給し、平均粒径2mmの白色の粉体
からなる一次縮合物を得た。得られた一次縮合物の相対
粘度ηr=1.53、融点は296℃であった。この一
次縮合物を100℃で24時間乾燥した後、実施例1と
同様の方法で溶融押出しによる高重合度化、コンパウン
ドおよび射出成形機により成形し、テストピースを作成
し評価した。結果を表1に示す。
【0039】<実施例3>ヘキサメチレンアンモニウム
アジペート(66塩)15.0kg、テレフタル酸とヘ
キサメチレンジアミンの塩(6T塩)15.0kg、次
亜リン酸ソーダ45g、65重量%ヘキサメチレンジア
ミン水溶液を394g、99重量%酢酸67gおよびイ
オン交換水6.0kgを0.1m3 のバッチ式重合槽に
仕込み、窒素置換を充分行った後水蒸気圧40kg/cm 2
-Gの加圧下で加熱を続けた。撹拌下3時間かけて260
℃に昇温した後、さらに2時間275℃で保持し反応を
完結させた後、実施例1と同様の条件で吐出および粉砕
を行った。この結果平均粒径1mmの白色粉体からなる
一次縮合物を得た。得られた一次縮合物の相対粘度ηr
=1.43、融点は293℃であった。得られた一次縮
合物を100℃で24時間真空乾燥した後、実施例1の
方法で溶融押出しによる高重合度化、コンパウンドおよ
び射出成形機により成形し、テストピースを作成し評価
した。結果を表1に示す。
【0040】<比較例1>安息香酸を使用しない以外は
実施例1と同様に一次縮合物の重合後、高重合度化を行
ったが溶融物が異常増粘しベント部より噴出した。結果
を表1に示す。
【0041】<比較例2>65重量%ヘキサメチレンジ
アミン水溶液を788gとした以外は実施例3と同様に
一次縮合物重合後、高重合度化を行ったが、溶融物が異
常増粘しベント部より噴出した。結果を表1に示す。
【0042】<比較例3>安息香酸をとした226gと
した以外は実施例1と同様に一次縮合物を得た後、高重
合度化を行ったが十分な重合度が得られなかったうえに
高重合度化ペレットは黄色く着色した。コンパウンドお
よび射出成形機により成形し、テストピースを作成し評
価した。成形片の機械強度は低下した。結果を表1に示
す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明の末端封鎖剤を添加し、末端基の
濃度バランスをコントロールする製造方法を採用するこ
とによって、テレフタル酸成分含有ポリアミドの生産性
が向上する。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 69/00 - 69/50

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造式(I) 【化1】 で示される構造単位を含有する共重合構造のポリアミド
    樹脂の製造方法であって、有機酸および/または有機塩
    基の末端封鎖剤を加えて、重合槽において150〜35
    0℃の条件でオリゴマ化重合を行ない、重合槽から得ら
    れたオリゴマを水流と接触しながら吐出させ連続的に粉
    砕し、下記の特性を有する一次縮合物を製造した後、つ
    いで一次縮合物を高重合度化することを特徴とするポリ
    アミド樹脂の製造方法。 一次縮合物の特性 末端のカルボキシル基とアミノ基との濃度の差が±10×
    10-5mol/g の範囲 JIS−K6810による相対粘度が1.04〜2.5
  2. 【請求項2】 ポリアミド樹脂の融点が230〜340
    ℃の範囲であることを特徴とする請求項1記載のポリア
    ミド樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、ポリアミド
    樹脂が、さらに下記構造式(II)〜(IV)から選ばれる
    1種類以上の構造単位を有することを特徴とするポリア
    ミド樹脂の製造方法。 【化2】 【化3】 【化4】
  4. 【請求項4】 ポリアミド樹脂の共重合比率が重量比で
    (I)/(II)=45/55〜80/20、(I )/
    (III )=20/80〜80/20または(I)/(I
    V)=40/60〜90/10であることを特徴とする
    請求項3記載のポリアミド樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 末端封鎖剤である有機酸が安息香酸、ス
    テアリン酸、酢酸から選ばれる1種類以上であることを
    特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のポリアミド樹
    脂の製造方法。
  6. 【請求項6】末端封鎖剤である有機塩基が炭素数4〜1
    8である脂肪族ジアミンから選ばれる1種類以上である
    ことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のポリア
    ミド樹脂の製造方法。
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