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JP3053809B1 - 線形増幅回路 - Google Patents

線形増幅回路

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Publication number
JP3053809B1
JP3053809B1 JP11062974A JP6297499A JP3053809B1 JP 3053809 B1 JP3053809 B1 JP 3053809B1 JP 11062974 A JP11062974 A JP 11062974A JP 6297499 A JP6297499 A JP 6297499A JP 3053809 B1 JP3053809 B1 JP 3053809B1
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Japan
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transistor
input signal
current
level shift
circuit
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JP11062974A
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Inventor
圭一 北村
Original Assignee
株式会社ワイ・アール・ピー高機能移動体通信研究所
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Publication date
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Abstract

【要約】 【課題】 広範囲な入力信号電圧で線形化できると共
に、任意の利得とできるようにする。 【解決手段】 正電流供給用N型電界効果トランジスタ
11および負電流供給用N型電界効果トランジスタ12
により構成される第1のプッシュプル回路と、正補償電
流供給用N型電界効果トランジスタ17および負補償電
流供給用N型電界効果トランジスタ18により構成され
る第2のプッシュプル回路より負荷回路10に負荷電流
Lを供給する。第1のプッシュプル回路で供給される
非線形の電流が、第2のプッシュプル回路で供給される
補償電流により線形化される。第1のレベルシフト回路
30のレベルシフト量と第2のレベルシフト回路31の
レベルシフト量とを、互いに絶対値が略等しく正負の極
性が反転する量ずつ可変することにより、利得を調整す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汎用の増幅回路に
係り、特に大出力かつ高線形増幅が要求される音声や無
線通信用の電力増幅器における出力段の増幅回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】無線通信用の電力増幅器には隣接するチ
ャネルに妨害を与えないために高い線形性が求められ
る。また、業務用の無線システムでは通信エリアが広い
ため出力電力の大きい増幅器が必要となる。このような
背景の基で従来の電力増幅器の出力段として、特公平7
−28185号公報、特公平7−101822号公報、
トランジスタ技術SPECIAL No.32 第11
頁 図9等に開示されるようなプッシュプル増幅回路が
用いられていた。図5に従来のプッシュプル増幅回路の
基本構成を示すが、このプッシュプル増幅回路は、正電
流供給用N型電界効果トランジスタ11のドレインが正
電源供給端子101に、ゲートが入力端子103に、ソ
ースが負電流供給用N型電界効果トランジスタ12のド
レインに接続され、負電流供給用N型電界効果トランジ
スタ12のドレインが正電流供給用N型電界効果トラン
ジスタ11のソースに、ゲートがレベルシフト回路14
の出力端子に、ソースが負電源供給端子102に接続さ
れている。さらに、正電流供給用N型電界効果トランジ
スタ11のソースと負電流供給用N型電界効果トランジ
スタ12のドレインの接続部と、接地端子200間には
負荷回路10が接続され、入力端子103とレベルシフ
ト回路14の入力端子間には増幅度1の反転増幅器13
が接続されている。
【0003】図5に示すプッシュプル増幅器の動作を説
明すると、入力端子103より入力された電圧信号は負
荷回路10に正電流を供給する正電流供給用N型電界効
果トランジスタ11のゲートに印加されると共に、増幅
度1の反転増幅器13に入力されて正負の極性が反転さ
れた電圧信号とされる。正電流供給用N型電界効果トラ
ンジスタ11は、印加された電圧信号が正電圧領域にお
いて能動状態となり、電圧信号をその値に応じたドレイ
ン電流に変換して、正電流供給用N型電界効果トランジ
スタ11のソースに接続された負荷回路10に供給す
る。
【0004】一方、負荷回路10に負電流を供給する負
電流供給用N型電界効果トランジスタ12のゲートに
は、増幅度1の反転増幅器13により正負の極性が反転
された電圧信号が、レベルシフト回路14にてレベルシ
フトされて印加される。このレベルシフト回路14のレ
ベルシフト量が、負電流供給用N型電界効果トランジス
タ12のソースの電位すなわち負電源供給端子102の
電圧までのレベルシフト量とされると、入力端子103
に入力された電圧信号の負電圧領域において能動状態と
なり、電圧信号をその値に応じたドレイン電流に変換し
て、そのドレインに接続された負荷回路10に供給す
る。以上の動作より、入力端子103に入力される正お
よび負の電圧信号が、その電圧値に応じた電流として負
荷回路10に供給されることが分かる。なお、図5にお
ける正電流供給用N型電界効果トランジスタ11および
負電流供給用N型電界効果トランジスタ12のしきい値
電圧は0〔V〕としている。
【0005】また、図6に従来のプッシュプル増幅回路
の他の基本構成を示すが、このプッシュプル増幅回路
は、正電流供給用N型電界効果トランジスタ11のドレ
インが正電源供給端子101に、ゲートが入力端子10
3に、ソースが負電流供給用P型電界効果トランジスタ
24のソースに接続され、負電流供給用P型電界効果ト
ランジスタ24のソースが正電流供給用N型電界効果ト
ランジスタ11のソースに、ゲートがレベルシフト回路
14の出力端子に、ドレインが負電源供給端子102に
接続されている。正電流供給用N型電界効果トランジス
タ11のソースと負電流供給用P型電界効果トランジス
タ24のソースとの接続部と、接地端子200間には負
荷回路10が接続されており、入力端子103はレベル
シフト回路14の入力端子に接続されている。
【0006】このような図6に示すプッシュプル増幅回
路は、図5に示すプッシュプル増幅回路における負電流
供給用N型電界効果トランジスタ12を負電流供給用P
型電界効果トランジスタ24に置換すると共に、増幅度
1の反転増幅器13を削除した簡単な構成とされてい
る。この回路では、負電流供給用P型電界効果トランジ
スタ24のソースを負荷回路10に接続することによ
り、入力信号の負領域の電圧信号の電圧値に応じた負荷
電流を取り出している。
【0007】図5および図6における以上の動作は入力
電圧が0〔V〕時に負荷電流が0〔A〕となるB級動作
としているが、入力電圧が0〔V〕時に電流を流すAB
級やA級などの動作も可能である。この場合、一つの方
法として正電流供給用N型電界効果トランジスタ11の
ゲートと入力端子103間に新たにレベルシフト回路を
挿入して、正電流供給用N型電界効果トランジスタ11
のゲート電圧を調整し、負電流供給用N型電界効果トラ
ンジスタ12あるいは負電流供給用P型電界効果トラン
ジスタ24については、既存のレベルシフト回路14の
レベルシフト量を変更することでゲート電圧を調整し、
所望のバイアス電流が流れるようにすればよい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図5および図6に示し
た従来回路の動作を線形性の観点より詳細に述べる。な
お、図6に示すプッシュプル増幅回路の動作は図5に示
すプッシュプル増幅回路の動作に等価なため図5を用い
て説明することとする。正電流供給用N型電界効果トラ
ンジスタ11および負電流供給用N型電界効果トランジ
スタ12の相互コンダクタンス係数をK、しきい値電圧
(スレシホールド電圧)をVth、正電流供給用N型電界
効果トランジスタ11および負電流供給用N型電界効果
トランジスタ12のゲート・ソース間電圧をそれぞれVg
sa、Vgsbとすると、正電流供給用N型電界効果トランジ
スタ11に流れるドレイン電流Ia、および、負電流供給
用N型電界効果トランジスタ12に流れるドレイン電流
Ibは次式で示される。 Ia=K(Vgsa−Vth)2 但し Vgsa>Vth (1) Ia=0 但し Vgsa≦Vth (2) Ib=−K(Vgsb−Vth)2 但し Vgsb>Vth (3) Ib=0 但し Vgsb≦Vth (4)
【0009】ここで、ドレイン電流Iaとドレイン電流Ib
が流れる負荷回路10において、ドレイン電流Ibの向き
はドレイン電流Iaの向きとは逆向きに流れるためマイナ
スの符号を付けている。入力端子103に入力される入
力信号電圧をVin、負荷回路10の抵抗値をRLとする
と、正電流供給用N型電界効果トランジスタ11のゲー
ト・ソース間電圧Vgsaは、 Vgsa=Vin−RL・Ia (5) で与えられる。また、同じく入力端子103に入力され
る入力信号電圧をVin、レベルシフト回路14のレベル
シフト量をVd、負電源供給端子102の負電源電圧をVs
sとすると、負電流供給用N型電界効果トランジスタ1
2のゲート・ソース間電圧Vgsbは、 Vgsb=−Vin+Vd−Vss (6) で与えられる。
【0010】上記した(5)式を(1)式、(2)式に
代入し、上記した(6)式を(3)式、(4)式に代入
するとドレイン電流Ia、ドレイン電流Ibは、 Ia=K(Vin−RL・Ia−Vth)2 但し Vin>Vth+RL・Ia (7) Ia=0 但し Vin≦Vth+RL・Ia (8) Ib=−K(−Vin+Vd−Vss−Vth)2 (9) 但し Vin<(−Vth+Vd−Vss) Ib=0 但し Vin≧(−Vth+Vd−Vss) (10) となる。ここで、(7)式、(8)式において負荷回路
10における電圧降下RL・Iaが小さいならばドレイン
電流Iaは、 Ia=K(Vin−Vth)2 但し Vin>Vth (7−2) Ia=0 但し Vin≦Vth (8−2) となる。
【0011】さらに、(7−2)式、(8−2)式、
(9)式、(10)式において、例えばK=1〔A/V
2〕、Vth=0〔V〕、Vd−Vss=0〔V〕とした場合に
は、ドレイン電流Iaおよびドレイン電流Ibは、 Ia=Vin2 但しVin>0 (11) Ia=0 但しVin≦0 (12) Ib=−(−Vin)2 但しVin<0 (13) Ib=0 但しVin≧0 (14) となる。この場合、負荷回路10に流れる負荷電流IL
はドレイン電流Iaとドレイン電流Ibを合成した合成電流
であるから、 IL=Ia+Ib (15) である。
【0012】ここで(11)式、(12)式よりドレイ
ン電流Iaは入力信号電圧Vinが0〔V〕を超える正電圧
の時のみに流れ、(13)式、(14)式よりドレイン
電流Ibは入力信号電圧Vinが0〔V〕未満の負電圧の時
のみに流れることが分かる。従ってドレイン電流Iaとド
レイン電流Ibの合成電流で得られる負荷電流ILの特性
はドレイン電流Iaとドレイン電流Ibの特性がそのまま現
れることになる。してみると、(11)〜(14)式よ
りドレイン電流Iaおよびドレイン電流Ibは共に、入力信
号電圧Vinの2次関数になっているため線形性は非常に
悪く大きな歪みを発生することになる。なお、上記した
ような動作点で動作する増幅器を一般にB級増幅器と呼
んでいる。
【0013】このようなB級増幅器の線形性の改善に
は、レベルシフト回路14のレベルシフト量Vdを負電源
電圧Vssより小さくし、(Vd−Vss)が正の電圧となるよ
うにする一方法がある。例えば、K=1、Vth=0
〔V〕、(Vd−Vss)=5〔V〕とした場合、上記した
(9)式、(10)式は、 Ib=−(−Vin+5)2 但し Vin<5 (16) Ib=0 但し Vin≧5 (17) で表される。この場合、負荷電流ILは上記した(1
1)式、(12)式、(16)式、(17)式より、 IL=−(−Vin+5)2 但し Vin<0 (18) IL=Ia+Ib=10・Vin−25 但し 0≦Vin≦5 (19) IL=Ia=Vin2 但し Vin>5 (20) となる。
【0014】負荷電流ILの線形性を求めるために(1
8)式、(19)式、(20)式を入力信号電圧Vinで
微分すると、 IL’=−2・Vin+10 但し Vin<0 (21) IL’=Ia+Ib=10 但し 0≦Vin≦5 (22) IL’=Ia=2・Vin 但し Vin>5 (23) を得る。図7にドレイン電流Ia、ドレイン電流Ib、負荷
電流ILおよび負荷電流の傾きIL’の特性を示す。(2
1)式〜(23)式および図7より負荷電流ILの傾き
L’が入力信号電圧Vinに依存しない入力信号電圧Vin
の範囲は0≦Vin≦5であることが分かる。従って、こ
の範囲では線形増幅が可能となるが、入力信号電圧Vin
がVin<0またはVin>5の範囲では負荷電流の傾き
L’が入力信号電圧Vinに依存するようになる。すなわ
ち、入力信号電圧Vinの値によって負荷電流ILの傾きが
変化するため非線形となってしまうことになる。
【0015】この回路で入力信号電圧Vinに対する線形
増幅範囲を拡大するためには、(22)式の範囲の上限
値を決めている(Vd−Vss)を大きくとるようにレベル
シフト量Vd を決めれば良いが、この場合には入力信号
電圧Vinの変化に対する負荷電流ILの傾きIL’が大き
くなる。この負荷電流ILの傾きIL’は、変化の割合で
あってプッシュプル増幅器の利得になる。すなわち、線
形領域が決まると利得I L’が一意的に決定されてしま
うため、設計の柔軟性に欠けるという問題が発生する。
なお、上記の非線形特性の問題はバイポーラトランジス
タを用いた場合にも同様に発生することになる。そこ
で、本発明は、入力された入力信号電圧Vinに対する広
範囲な線形化を行える線形増幅回路とできると共に、任
意の利得とすることのできる線形増幅回路を提供するこ
とを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の第1の線形増幅回路は、入力信号がゲート電
極あるいはベース電極に供給される第1のトランジスタ
のソース電極あるいはエミッタ電極と、反転された入力
信号が第1のレベルシフト回路でレベルシフトされてゲ
ート電極あるいはベース電極に供給される第2のトラン
ジスタのドレイン電極あるいはコレクタ電極とが接続さ
れることにより構成された第1のプッシュプル増幅回路
と、反転された入力信号がゲート電極あるいはベース電
極に供給される第3のトランジスタのソース電極あるい
はエミッタ電極と、入力信号が第2のレベルシフト回路
でレベルシフトされてゲート電極あるいはベース電極に
供給される第4のトランジスタのドレイン電極あるいは
コレクタ電極とが接続されることにより構成された第2
のプッシュプル増幅回路と、前記第1のトランジスタと
第2のトランジスタの接続点と、前記第3のトランジス
タと第4のトランジスタの接続点とを接続すると共に、
この接続点とアース間に接続された負荷回路とを備えて
いる。
【0017】また、上記本発明の第1の線形増幅回路に
おいて、前記第1のトランジスタが非能動状態から能動
状態に移行する入力信号電圧値と、前記第3のトランジ
スタが非能動状態から能動状態に移行する入力信号電圧
とが等しくされていると共に、前記第2のトランジス
タが非能動状態から能動状態に移行する入力信号電圧値
と、前記第4のトランジスタが非能動状態から能動状態
に移行する入力信号電圧値とが等しくなるように、前記
第1のレベルシフト回路におけるレベルシフト量と、前
記第2のレベルシフト回路におけるレベルシフト量とが
設定されていてもよい。さらに、上記本発明の第1の線
形増幅回路において、前記第1のレベルシフト回路にお
けるレベルシフト量と、前記第2のレベルシフト回路に
おけるレベルシフト量とを可変することにより、前記負
荷回路に流れる電流の変化の傾きを所望の傾きに設定す
るようにしてもよい。
【0018】上記目的を達成することのできる本発明の
第2の線形増幅回路は、入力信号がゲート電極あるいは
ベース電極に供給される一方型の第1のトランジスタの
ソース電極あるいはエミッタ電極と、入力信号がレベル
シフト回路でレベルシフトされてゲート電極あるいはベ
ース電極に供給される他方型の第2のトランジスタのソ
ース電極あるいはエミッタ電極とが接続されることによ
り構成された第1のプッシュプル増幅回路と、反転され
た入力信号がゲート電極あるいはベース電極に供給され
る一方型の第3のトランジスタのソース電極あるいはエ
ミッタ電極と、前記レベルシフト回路でレベルシフトさ
れた入力電圧が反転されてゲート電極あるいはベース電
極に供給される他方型の第4のトランジスタのソース電
極あるいはエミッタ電極とが接続されることにより構成
された第2のプッシュプル増幅回路と、前記第1のトラ
ンジスタと第2のトランジスタの接続点と、前記第3の
トランジスタと第4のトランジスタの接続点とを接続す
ると共に、この接続点とアース間に接続された負荷回路
とを備えている。
【0019】また、上記本発明の第2の線形増幅回路に
おいて、前記レベルシフト回路におけるレベルシフト量
を可変することにより、前記負荷回路に流れる電流の変
化の傾きを所望の傾きに設定するようにしてもよい。さ
らに、上記本発明の第2の線形増幅回路において、前記
第1のトランジスタが非能動状態から能動状態に移行す
入力信号電圧値と、前記第3のトランジスタが非能動
状態から能動状態に移行する入力信号電圧値とが等しく
されていると共に、前記第2のトランジスタが非能動状
態から能動状態に移行する入力信号電圧値と、前記第4
のトランジスタが非能動状態から能動状態に移行する
力信号電圧値とが等しくされていてもよい。
【0020】さらにまた、上記本発明の第1および第2
の線形増幅回路において、前記入力信号電圧がVoから
一方向へ変化した際には、前記第1のトランジスタに流
れる出力電流が変化すると共に、前記第3のトランジス
タに流れる出力電流は変化せず、前記入力信号電圧がV
oから他方向へ変化した際には、前記第3のトランジス
タに流れる出力電流が変化すると共に、前記第1のトラ
ンジスタに流れる出力電流は変化せず、前記入力信号電
圧が(Vo+Va)から一方向へ変化した際には、前記
第4のトランジスタに流れる出力電流が変化すると共
に、前記第2のトランジスタに流れる出力電流は変化せ
ず、前記入力信号電圧が(Vo+Va)から他方向へ変
化した際には、前記第2のトランジスタに流れる出力電
流が変化すると共に、前記第4のトランジスタに流れる
出力電流は変化しないようにされていてもよい。
【0021】このような本発明によれば、正電流を負荷
回路に供給するトランジスタと負電流を負荷に供給する
トランジスタとを縦続接続した第1のプッシュプル増幅
回路に加えて、正電流を補償するトランジスタと負電流
を補償するトランジスタとを縦続接続した第2のプッシ
ュプル増幅回路を設けて、第1のプッシュプル増幅回路
の出力電流を第2のプッシュプル増幅回路の出力電流に
より補償するようにしたので、全ての入力信号電圧の範
囲において線形性を確保することができるようになる。
また、負電流を負荷回路に供給するトランジスタと正電
流を補償するトランジスタに、レベルシフト回路を介し
て入力信号電圧を供給するようにしており、そのレベル
シフト量を変更することにより、線形増幅器の利得を任
意の利得になるように調整することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の線形増幅回路の実施の形
態における第1の回路構成を図1に示す。図1に示す線
形増幅回路において、正電流供給用N型電界効果トラン
ジスタ11のドレインは正電源供給端子101に接続さ
れ、そのゲートは入力端子103に接続され、そのソー
スは負電流供給用N型電界効果トランジスタ12のドレ
インに接続されている。また、負電流供給用N型電界効
果トランジスタ12のドレインは正電流供給用N型電界
効果トランジスタ11のソースに接続され、ゲートは第
1のレベルシフト回路30の出力端子に接続され、ソー
スは負電源供給端子102に接続されている。このよう
に、正電流供給用N型電界効果トランジスタ11と負電
流供給用N型電界効果トランジスタ12とが縦続に接続
されて第1のプッシュプル増幅回路が構成されている。
【0023】また、正補償電流供給用N型電界効果トラ
ンジスタ17のドレインは正電源供給端子101に接続
され、そのゲートは増幅度1の反転増幅器13の出力端
子に接続され、そのソースが負補償電流供給用N型電界
効果トランジスタ18のドレインに接続されている。さ
らに、負補償電流供給用N型電界効果トランジスタ18
のドレインは正補償電流供給用N型電界効果トランジス
タ17のソースに接続され、そのゲートは第2のレベル
シフト回路31の出力端子に接続され、ソースは負電源
供給端子102に接続されている。このように、正補償
電流供給用N型電界効果トランジスタ17と負補償電流
供給用N型電界効果トランジスタ18とが縦続に接続さ
れて第2のプッシュプル増幅回路が構成されている。さ
らにまた、正電流供給用N型電界効果トランジスタ11
のソースと負電流供給用N型電界効果トランジスタ12
のドレインとの接続部と、正補償電流供給用N型電界効
果トランジスタ17のソースと負補償電流供給用N型電
界効果トランジスタ18のドレインとの接続部とが接続
され、この接続点と接地端子200間に負荷回路10が
接続されている。なお、増幅度1の反転増幅器13およ
び第2レベルシフト回路31には入力端子103から入
力された電圧信号が印加され、増幅度1の反転増幅器1
3の出力は第1のレベルシフト回路30に印加される。
【0024】次に、図1に示す本発明の線形増幅器の動
作を説明する。図5および図6に示す従来の増幅回路で
は、正電流供給用N型電界効果トランジスタ11に流れ
るドレイン電流Iaと負電流供給用N型電界効果トランジ
スタ12に流れるドレイン電流Ibを合成することによ
り、図7に示すように入力される入力信号電圧Vinに対
して線形となる負荷電流ILの領域を確保していた。こ
の場合、ドレイン電流Iaまたはドレイン電流Ibが0にな
る点、すなわち前述したように0≦Vin≦(Vd−Vss)の
領域では正電流供給用N型電界効果トランジスタ11と
負電流供給用N型電界効果トランジスタ12の両者にド
レイン電流が流れているため合成された電流として供給
される負荷電流ILは線形性が確保できる。しかし、Vin
<0およびVin>(Vd−Vss)の領域では正電流供給用N
型電界効果トランジスタ11あるいは負電流供給用N型
電界効果トランジスタ12の一方のみにドレイン電流が
流れる。このため、使用している電界トランジスタの出
力特性(2次関数特性)がそのままILの特性として現
れ非線形になってしまうことになっていた。
【0025】そこで、本発明にかかる第1の線形増幅回
路では、入力信号電圧Vinの値によらず負荷電流ILを線
形にするために、補償用電流源として正補償電流供給用
N型電界効果トランジスタ17と負補償電流供給用N型
電界効果トランジスタ18を設けている。これらのトラ
ンジスタ17,18に流れる負電流を補償する補償ドレ
イン電流Ia’、および、正電流を補償するドレイン電流
Ib’と、正電流供給用N型電界効果トランジスタ11お
よび負電流供給用N型電界効果トランジスタ12に流れ
るドレイン電流Iaおよびドレイン電流Ibとの関係の一例
を図2に示す。ここでドレイン電流Iaおよびドレイン電
流Ibは、第1のレベルシフト回路30のレベルシフト量
をVdとし、図7で示した従来例と同じ(Vd−Vss)=5
〔V〕、K=1、Vth=0〔V〕を与えた時の特性であ
る。ドレイン電流Ia’はドレイン電流Iaが0となる点
(Vin=0)を基準にして縦軸に対して線対称としてい
る。また、第2のレベルシフト回路31のレベルシフト
量をVdiとし、(Vdi−Vss)=−5〔V〕とすること
で、ドレイン電流Ib’をドレイン電流Ibが0となる点
(Vin=5〔V〕)を基準にして同じく縦軸に対して線
対称としている。すなわち、(Vd−Vss)の電圧値と、
(Vdi−Vss)の電圧値とは絶対値が等しく正負の極性が
逆極性となる。
【0026】負荷電流ILは、それぞれの電界効果トラ
ンジスタ11,12,17,18に流れる電流の総和で
あるから、 IL=Ia+Ia’+Ib+Ib’ (24) で表される。Ia+Ia’およびIb+Ib’は、図2に示すよ
うにVin=0を基準にして縦軸に対して線対称となるの
で、 Ia+Ia’=Vin2 (25) Ib+Ib’=−(Vin−5)2 (26) となる。従って、(25)式および(26)式を(2
4)式に代入すると、 IL=Vin2−(Vin−5)2=10・Vin−25 (27) となる。ここで、(27)式をVinで微分すると、 IL’=10 (28) となり、負荷電流ILは傾き10の直線となることが分
かる。このことから、本発明にかかる第1の線形増幅回
路は、図2に示すように入力信号電圧Vinに依存せず全
ての入力信号電圧値に対して線形であることが分かる。
【0027】また、本発明にかかる第1の線形増幅回路
は、第1のレベルシフト回路30のレベルシフト量Vdと
第2のレベルシフト回路31のレベルシフト量Vdiを変
更することにより、負荷電流ILの傾きを変更すること
が可能となる。負荷電流ILの傾きIL’は入力信号電圧
Vinの変化に対する負荷電流ILの変化の割合であるから
利得であり、レベルシフト量Vdとレベルシフト量Vdiを
変更することにより、利得IL’を調整することができ
る。すなわち、(Vd−Vss)および(Vdi−Vss)の電圧
値を選択する(ドレイン電流Ibとドレイン電流Ib’が0
〔A〕となる入力信号電圧Vinを変える)ことにより利
得IL’を変更することができる。利得IL’を調整する
ことができることを図3に示す例を参照しながら説明す
る。
【0028】図3(a)は、(Vd−Vss)を10〔V〕
とし、(Vdi−Vss)を−10〔V〕とした場合であり、
この場合はドレイン電流(Ia+Ia’)の特性曲線はaに
示すようになり、ドレイン電流(Ib+Ib’)の特性曲線
はbに示すようになる。この場合は、負荷電流IL1の傾
きである利得IL1’は20となる。また、図3(b)に
示すように(Vd−Vss)を変更して20〔V〕、(Vdi−
Vss)を−20〔V〕とすると、ドレイン電流(Ia+I
a’)の特性曲線はaに示すようになり、ドレイン電流
(Ib+Ib’)の特性曲線はbに示すように離れるように
なる。この場合は、負荷電流IL2の傾きである利得
L2’は40に上昇する。さらに、(Vd−Vss)を変更
して4〔V〕、(Vdi−Vss)を−4〔V〕とすると、ド
レイン電流(Ia+Ia’)の特性曲線はaに示すようにな
り、ドレイン電流(Ib+Ib’)の特性曲線はbに示すよ
うに近づくようになる。この場合は、負荷電流IL3の傾
きである利得IL3’は8と低下する。
【0029】このように、(Vd−Vss)と(Vdi−Vss)
の絶対値を大きくすると、特性曲線aと特性曲線bとが
離れるようになり、利得IL’を大きくすることがで
き、逆に(Vd−Vss)と(Vdi−Vss)の絶対値を小さく
すると、特性曲線aと特性曲線bとが近づくようにな
り、利得IL’を小さくすることができる。さらに、(V
d−Vss)と(Vdi−Vss)の値を0〔V〕とすると利得I
L’は0となり、(Vd−Vss)を負電圧とし、(Vdi−Vs
s)を正電圧とすると利得IL’は傾きが負となることか
ら、利得IL’も負とすることができる。すなわち、正
の利得から負の利得までの任意の利得とすることができ
る。この場合、レベルシフト量Vd、Vdiまたは負電源電
圧Vssの電圧値を外部より制御し、(Vd−Vss)と(Vdi
−Vss)の電圧値を変えることにより、本発明にかかる
第1の線形増幅器を可変利得増幅回路として使用するこ
ともできる。なお、(Vd−Vss)と(Vdi−Vss)の電圧
値とは絶対値がほぼ等しく正負の極性が逆極性となるよ
うに可変する。
【0030】なお、上記した本発明にかかる第1の線形
増幅器では、N型電界効果トランジスタにより回路を構
成したが、正電源Vddと負電源Vssの正負の極性を逆極性
とすることにより、P型の電界効果トランジスタで回路
を構成することができる。上記した本発明にかかる第1
の線形増幅器における電界効果トランジスタはしきい値
電圧を0〔V〕としたが、エンハンスメント型でもデプ
レッション型であってもよい。このようにしきい値電圧
が0〔V〕でない場合は、図2に示す電流関係を満足す
るように第1のレベルシフト回路30および第2のレベ
ルシフト回路31のレベルシフト量を調整すると共に、
正補償電流供給用電界効果トランジスタ17のゲートに
しきい値電圧に応じたレベルシフト量のレベルシフト回
路を設ければよい。また、電界効果トランジスタは、M
OS(Metal Oxide Semiconductor)、MIS(Metal I
nsulator Semiconductor)等の絶縁ゲート型、MES
(Metal Semiconductor )、SIT(Static induction
Transistor)等のジャンクション型のいずれでもよ
い。
【0031】また、N型電界効果トランジスタをNPN
型バイポーラトランジスタに置換することもできる。こ
の場合は、ドレインをコレクタに、ゲートをベースに、
ソースをエミッタに置き換え、図2に示す電流関係を満
足するように第1のレベルシフト回路30および第2の
レベルシフト回路31のレベルシフト量を調整すること
により同様の効果を得ることができる。但し、使用する
NPN型バイポーラトランジスタのコレクタ電流が流れ
始めるベース・エミッタ間電圧Vbe(シリコントランジ
スタの場合には0.8〔V〕程度)に相当するレベルシ
フト量を持つレベルシフト回路をそれぞれのNPN型バ
イポーラトランジスタのベースに挿入する必要がある。
また、正電源と負電源の正負の極性を反転させることに
より、NPN型バイポーラトランジスタに替えてPNP
型バイポーラトランジスタを用いることもできる。さら
に、電界効果トランジスタに替えてHEMT(High Ele
ctron Mobility Transistor)やHBT(Heterojunctio
n Bipolar Transistor)を使用してもよい。
【0032】次に、本発明にかかる第2の線形増幅回路
の回路構成を図4に示す。図4に示すように、正電流供
給用N型電界効果トランジスタ11のドレインが正電源
供給端子101に接続され、そのゲートが入力端子10
3に接続され、そのソースが負電流供給用P型電界効果
トランジスタ20のソースに接続されており、負電流供
給用P型電界効果トランジスタ20のソースが正電流供
給用N型電界効果トランジスタ11のソースに接続さ
れ、そのゲートがレベルシフト回路16の出力端子に接
続され、そのドレインが負電源供給端子102に接続さ
れて、第1のプッシュプル増幅回路が構成されている。
また、正補償電流供給用N型電界効果トランジスタ17
のドレインが正電源供給端子102に接続され、そのゲ
ートが増幅度1の第1の反転増幅器13−1の出力端子
に接続され、そのソースが負補償電流供給用P型電界効
果トランジスタ22のソースに接続されており、負補償
電流供給用P型電界効果トランジスタ22のソースが正
補償電流供給用N型電界効果トランジスタ17のソース
に接続され、そのゲートが増幅度1の第2の反転増幅器
13−2の出力端子に接続され、そのドレインが負電源
供給端子103に接続されて第2のプッシュプル増幅回
路が構成されている。
【0033】また、正電流供給用N型電界効果トランジ
スタ11のソースと負電流供給用P型電界効果トランジ
スタ20のソースの接続部と、正補償電流供給用N型電
界効果トランジスタ17のソースと負補償電流供給用P
型電界効果トランジスタ22のソースの接続部とが接続
され、この接続部と接地端子200間に負荷回路10が
接続されている。さらに、入力端子103から入力され
る入力信号電圧Vinは、レベルシフト回路16および増
幅度1の第1の反転増幅器13−1にも印加され、レベ
ルシフト回路16の出力は増幅度1の第2の反転増幅器
13−2にも印加されている。
【0034】図4に示す本発明にかかる第2の線形増幅
回路は、図1に示す前記した本発明にかかる第1の線形
増幅回路の負電流供給用N型電界効果トランジスタ12
および負補償電流供給用N型電界効果トランジスタ18
を、それぞれ負電流供給用P型電界効果トランジスタ2
0と負補償電流供給用P型電界効果トランジスタ22に
置き換えることにより、本発明にかかる第1の線形増幅
回路と同様の作用効果を得ている。
【0035】すなわち、図4に示す本発明にかかる線形
増幅回路では、正補償電流供給用N型電界効果トランジ
スタ17のゲートには増幅度1の第1の反転増幅器13
−1を挿入して、入力信号電圧VinがVin<0の領域でド
レイン電流Ia’が流れるようにしている。また、負荷回
路10での電圧効果が小さいと仮定し、レベルシフト回
路16のレベルシフト量をVdとすれば、負電流供給用P
型電界効果トランジスタ20のゲート・ソース間電圧Vg
scは、 Vgsc=Vin+Vd−0=Vin+Vd (29) となる。一方、負補償電流供給用P型電界効果トランジ
スタ22のゲート・ソース間電圧Vgsdは、そのトランジ
スタ22のゲートに増幅度1の第2の反転増幅器13−
2が挿入されているため、Vgsdの極性は反転されて、 Vgsd=−(Vin+Vd)−0=−(Vin+Vd) (30) となる。
【0036】ここで、しきい電圧Vth=0とすると、Vgs
c=Vgsd=0においてドレイン電流Ibおよびドレイン電
流Ib’が流れ始める。この場合、ドレイン電流Ibおよび
ドレイン電流Ib’が流れ始める入力信号電圧Vinは(2
9)式および(30)式のゲート・ソース間電圧Vgscと
ゲート・ソース間電圧Vgsdに0を代入すればよいから、 Vin=−Vd (31) となる。この(31)式より入力信号電圧VinはVin=−
Vdの時に、ドレイン電流Ibおよびドレイン電流Ib’が共
に0となり、Vin<−Vdの電圧範囲ではゲート・ソース
間電圧VgscがVgsc<0となるため、ドレイン電流Ibが流
れるようになる。さらに、入力信号電圧VinがVin>−Vd
の電圧範囲ではゲート・ソース間電圧VgsdがVgsd<0と
なるため、ドレイン電流Ib’が流れるようになる。この
ように、図2に示す電流特性に一致させるにはレベルシ
フト量VdをVd=−5〔V〕にすればよく、ドレイン電流
Ibとドレイン電流Ib’について図2示す電流特性に一致
するようになる。以上の構成により、本発明の第2の線
形増幅回路は、本発明の第1の線形増幅回路と同様の効
果を得ることができる。
【0037】なお、上記本発明の第2の線形増幅器にお
いて、電界効果トランジスタに替えてバイポーラトラン
ジスタを用いることもできる。すなわち、正電流供給用
N型電界効果トランジスタ11および正補償電流供給用
N型電界効果トランジスタ17のそれぞれを、第1およ
び第3のNPN型バイポーラトランジスタに置換すると
共に、負電流供給用P型電界効果トランジスタ20およ
び負補償電流供給用P型電界効果トランジスタ22のそ
れぞれを、第2および第4のPNP型バイポーラトラン
ジスタに置換する。さらに、正電流供給用N型電界効果
トランジスタ11および正補償電流供給用N型電界効果
トランジスタ17の各々のドレイン、ゲートおよびソー
スに対応して、第1および第3のNPN型バイポーラト
ランジスタのコレクタ、ベースおよびエミッタを接続
し、負電流供給用P型電界効果トランジスタ20および
負補償電流供給用P型電界効果トランジスタ22の各々
のドレイン、ゲートおよびソースに対応して第2および
第4のPNP型バイポーラトランジスタのコレクタ、ベ
ースおよびエミッタを接続する。そして、レベルシフト
回路16のレベルシフト量を調整することにより図2に
示す電流関係の線形増幅回路とすることができる。但
し、使用するNPN型バイポーラトランジスタもしくは
PNP型バイポーラトランジスタのコレクタ電流が流れ
始めるベース・エミッタ間電圧Vbe(シリコントランジ
スタの場合には0.8〔V〕程度)に相当するレベルシ
フト量を持つレベルシフト回路をそれぞれのNPN型バ
イポーラトランジスタもしくはPNP型バイポーラトラ
ンジスタのベースに挿入する必要がある。
【0038】また、上記した本発明にかかる第2の線形
増幅器における電界効果トランジスタはしきい値電圧を
0〔V〕としたが、エンハンスメント型でもデプレッシ
ョン型であってもよい。このようにしきい値電圧が0
〔V〕でない場合は、図2に示す電流関係を満足するよ
うにレベルシフト回路16のレベルシフト量を調整する
と共に、正補償電流供給用電界効果トランジスタ17お
よび負補償電流供給用電界効果トランジスタ22のゲー
トにしきい値電圧に応じてレベルシフト量が設定された
レベルシフト回路を設ければよい。さらに、図4に示す
N型電界効果トランジスタおよびP型電界効果トランジ
スタは、MOS(Metal Oxide Semiconductor)、MI
S(Metal Insulator Semiconductor)等の絶縁ゲート
型、MES(Metal Semiconductor )、SIT(Static
induction Transistor)等のジャンクション型のいず
れでもよい。
【0039】なお、本書においてN型電界効果トランジ
スタ(あるいはP型電界効果トランジスタ)を一方型の
トランジスタと表した場合は、他方型のトランジスタは
P型電界効果トランジスタ(あるいはN型電界効果トラ
ンジスタ)であり、NPN型バイポーラトランジスタ
(あるいはPNP型バイポーラトランジスタ)を一方型
のトランジスタと表した場合は、他方型のトランジスタ
はPNP型バイポーラトランジスタ(あるいはNPN型
バイポーラトランジスタ)である。さらにまた、電界効
果トランジスタに替えてHEMT(High Electron Mobi
lity Transistor)やHBT(Heterojunction Bipolar
Transistor)を使用することもできる。
【0040】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、正電流を
負荷回路に供給するトランジスタと負電流を負荷に供給
するトランジスタとを縦続接続した第1のプッシュプル
増幅回路に加えて、正電流を補償するトランジスタと負
電流を補償するトランジスタとを縦続接続した第2のプ
ッシュプル増幅回路を設けて、第1のプッシュプル増幅
回路の出力電流を第2のプッシュプル増幅回路の出力電
流により補償するようにしたので、全ての入力信号電圧
の範囲において線形性を確保することができるようにな
る。また、負電流を負荷回路に供給するトランジスタと
正電流を補償するトランジスタに、レベルシフト回路を
介して入力信号電圧を供給するようにしており、そのレ
ベルシフト量を変更することにより、線形増幅器の利得
を任意の利得になるように調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の線形増幅回路の実施の形態における第
1の回路構成を示す回路図である。
【図2】本発明の実施の形態の線形増幅回路における負
電流補償用の補償ドレイン電流Ia’、正電流補償用のド
レイン電流Ib’と、正電流供給用のドレイン電流Ia、負
電流供給用のドレイン電流Ibとの関係を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の線形増幅回路におけるレ
ベルシフト量と利得との関係を説明する図である。
【図4】本発明の線形増幅回路の実施の形態における第
2の回路構成を示す回路図である。
【図5】従来のプッシュプル増幅回路の回路構成を示す
回路図である。
【図6】従来のプッシュプル増幅回路の他の回路構成を
示す回路図である。
【図7】従来のプッシュプル増幅回路の電流の線形性を
説明する図である。
【符号の説明】
10:負荷回路 11:正電流供給用N型電界効果トランジスタ 12:負電流供給用N型電界効果トランジスタ 13,13−1,13−2:増幅度1の反転増幅器 14,16:レベルシフト回路 17:正補償電流供給用N型電界効果トランジスタ 18:負補償電流供給用N型電界効果トランジスタ 20:負電流供給用P型電界効果トランジスタ 22:負補償電流供給用P型電界効果トランジスタ 24:負電流供給用P型電界効果トランジスタ 30:第1のレベルシフト回路 31:第2のレベルシフト回路 101:正電源供給端子 102:負電源供給端子 103:入力端子 200:接地端子

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号がゲート電極あるいはベース電
    極に供給される第1のトランジスタのソース電極あるい
    はエミッタ電極と、反転された入力信号が第1のレベル
    シフト回路でレベルシフトされてゲート電極あるいはベ
    ース電極に供給される第2のトランジスタのドレイン電
    極あるいはコレクタ電極とが接続されることにより構成
    された第1のプッシュプル増幅回路と、 反転された入力信号がゲート電極あるいはベース電極に
    供給される第3のトランジスタのソース電極あるいはエ
    ミッタ電極と、入力信号が第2のレベルシフト回路でレ
    ベルシフトされてゲート電極あるいはベース電極に供給
    される第4のトランジスタのドレイン電極あるいはコレ
    クタ電極とが接続されることにより構成された第2のプ
    ッシュプル増幅回路と、 前記第1のトランジスタと第2のトランジスタの接続点
    と、前記第3のトランジスタと第4のトランジスタの接
    続点とを接続すると共に、この接続点とアース間に接続
    された負荷回路と、 を備えるようにしたことを特徴とする線形増幅回路。
  2. 【請求項2】 前記第1のトランジスタが非能動状態か
    ら能動状態に移行する入力信号電圧値と、前記第3のト
    ランジスタが非能動状態から能動状態に移行する入力信
    号電圧値とが等しくされていると共に、前記第2のトラ
    ンジスタが非能動状態から能動状態に移行する入力信号
    電圧値と、前記第4のトランジスタが非能動状態から能
    動状態に移行する入力信号電圧値とが等しくなるよう
    に、前記第1のレベルシフト回路におけるレベルシフト
    量と、前記第2のレベルシフト回路におけるレベルシフ
    ト量とが設定されていることを特徴とする請求項1記載
    の線形増幅回路。
  3. 【請求項3】 前記第1のレベルシフト回路におけるレ
    ベルシフト量と、前記第2のレベルシフト回路における
    レベルシフト量とを可変することにより、前記負荷回路
    に流れる電流の変化の傾きを所望の傾きに設定するよう
    にしたことを特徴とする請求項1記載の線形増幅回路。
  4. 【請求項4】 入力信号がゲート電極あるいはベース電
    極に供給される一方型の第1のトランジスタのソース電
    極あるいはエミッタ電極と、入力信号がレベルシフト回
    路でレベルシフトされてゲート電極あるいはベース電極
    に供給される他方型の第2のトランジスタのソース電極
    あるいはエミッタ電極とが接続されることにより構成さ
    れた第1のプッシュプル増幅回路と、 反転された入力信号がゲート電極あるいはベース電極に
    供給される一方型の第3のトランジスタのソース電極あ
    るいはエミッタ電極と、前記レベルシフト回路でレベル
    シフトされた入力電圧が反転されてゲート電極あるいは
    ベース電極に供給される他方型の第4のトランジスタの
    ソース電極あるいはエミッタ電極とが接続されることに
    より構成された第2のプッシュプル増幅回路と、 前記第1のトランジスタと第2のトランジスタの接続点
    と、前記第3のトランジスタと第4のトランジスタの接
    続点とを接続すると共に、この接続点とアース間に接続
    された負荷回路と、 を備えるようにしたことを特徴とする線形増幅回路。
  5. 【請求項5】 前記レベルシフト回路におけるレベルシ
    フト量を可変することにより、前記負荷回路に流れる電
    流の変化の傾きを所望の傾きに設定するようにしたこと
    を特徴とする請求項4記載の線形増幅回路。
  6. 【請求項6】 前記第1のトランジスタが非能動状態か
    ら能動状態に移行する入力信号電圧値と、前記第3のト
    ランジスタが非能動状態から能動状態に移行する入力信
    号電圧値とが等しくされていると共に、前記第2のトラ
    ンジスタが非能動状態から能動状態に移行する入力信号
    電圧値と、前記第4のトランジスタが非能動状態から能
    動状態に移行する入力信号電圧値とが等しくされている
    ことを特徴とする請求項4記載の線形増幅回路。
  7. 【請求項7】 前記入力信号電圧がVoから一方向へ変
    化した際には、前記第1のトランジスタに流れる出力電
    流が変化すると共に、前記第3のトランジスタに流れる
    出力電流は変化せず、前記入力信号電圧がVoから他方
    向へ変化した際には、前記第3のトランジスタに流れる
    出力電流が変化すると共に、前記第1のトランジスタに
    流れる出力電流は変化せず、 前記入力信号電圧が(Vo+Va)から一方向へ変化し
    た際には、前記第4のトランジスタに流れる出力電流が
    変化すると共に、前記第2のトランジスタに流れる出力
    電流は変化せず、前記入力信号電圧が(Vo+Va)か
    ら他方向へ変化した際には、前記第2のトランジスタに
    流れる出力電流が変化すると共に、前記第4のトランジ
    スタに流れる出力電流は変化しないようにされているこ
    とを特徴とする請求項1あるいは4記載の線形増幅回
    路。
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