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JP2014112753A - 光ビーコン - Google Patents

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JP2014112753A
JP2014112753A JP2012260557A JP2012260557A JP2014112753A JP 2014112753 A JP2014112753 A JP 2014112753A JP 2012260557 A JP2012260557 A JP 2012260557A JP 2012260557 A JP2012260557 A JP 2012260557A JP 2014112753 A JP2014112753 A JP 2014112753A
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JP2012260557A
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Koji Hayama
幸治 葉山
Yuichi Taniguchi
裕一 谷口
Masahiro Totani
昌弘 戸谷
Hideaki Shironaga
英晃 白永
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

【課題】 車載機の新旧に応じて提供情報の内容を差別化することができる新光ビーコンを提供する。
【解決手段】 本発明は、走行中の車両の車載機2と光信号による無線通信を行う光ビーコン4に関する。この光ビーコン4は、高低2種類の伝送速度での光電気変換が可能な光受信部11と、所定の伝送速度での電気光変換が可能な光送信部10と、下記の2種類のダウンリンク切り替えを実行可能な通信制御部(ビーコン制御機7)と、を備える。
第1のダウンリンク切り替え:低速フレームUL1のアップリンク受信を条件として、その後に送信する第1の下りフレーム群DL2−2に、第1の提供情報D1を格納した下りフレームを含めるダウンリンク切り替え
第2のダウンリンク切り替え:高速フレームUL2のアップリンク受信を条件として、その後に送信する第2の下りフレーム群DL2−2に、第2の提供情報D2を格納した下りフレームを含めるダウンリンク切り替え
【選択図】 図10

Description

本発明は、走行中の車両の車載機と光信号による無線通信を行う光ビーコンに関する。
路車間通信システムを利用した交通情報サービスとして、光ビーコン、電波ビーコン又はFM多重放送を用いたいわゆるVICS(Vehicle Information and Communication System:(財)道路交通情報通信システムセンターの登録商標)が既に展開されている。
このうち、光ビーコンは、近赤外線を通信媒体とした光通信を採用しており、車載機との双方向通信が可能である。具体的には、車両の保持するビーコン間の旅行時間情報等を含むアップリンク情報が車載機からインフラ側の光ビーコンに送信される。
逆に、光ビーコンからは、渋滞情報、区間旅行時間情報、事象規制情報及び車線通知情報等を含むダウンリンク情報が車載機に送信されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
このため、光ビーコンは、車載機との間で光信号を送受するビーコンヘッド(投受光器)を備え、投受光器には、ビーコン制御機から入力された送信信号を発光ダイオードに入力してダウンリンク光を送出する光送信部と、フォトダイオードが受光した光信号を電気信号に変換してビーコン制御機に出力する光受信部が搭載されている。
特開2005−268925号公報
1993年から現在までの間に、約54000ヘッドの光ビーコンが全国各地の道路に配備されているが、かかる既設の光ビーコンを用いた従来の光通信システムよりも、通信容量を拡大してシステムを高度化することが検討されている。
通信容量を拡大する方策としては、アップリンク及びダウンリンクそれぞれについての伝送速度の高速化、通信領域の拡張あるいは通信プロトコルの変更などの方策がある。このうち、アップリンク速度を現状(64kbps)よりも高速化すれば、通信領域をさほど広げなくても、大容量のプローブデータを車載機から収集でき、交通信号制御の高度化に役立てることができる。
このように、アップリンク速度の高速化を実現するためには、高速アップリンク受信に対応する光ビーコン(以下、「新光ビーコン」ともいう。)と、高速アップリンク送信に対応する車載機(以下、「新車載機」ともいう。)を新たに導入する必要がある。
しかし、新光ビーコンや新車載機を導入するとしても、これらの新型の機器が、低速アップリンク通信しかできない従来の機器と互換性がなければ、既存の路車間通信システムと整合しなくなるため、アップリンク速度の高速化が阻害される。
そこで、新車載機が、高速フレームだけでなく、低速アップリンク送信のみを行う車載機(以下、「旧車載機」ともいう。)の低速フレームをアップリンク受信できる光ビーコン(以下、「旧光ビーコン」ともいう。)が認識可能な、車両の識別情報(以下、「車両ID」ともいう。)を格納した低速フレームをも送信する通信規約を採用すれば、旧光ビーコンにダウンリンク切り替えを行わせることができ、新車載機の上位互換性を確保することができる。
また、新車載機が、低速フレームを送信してから高速フレームを送信する場合を想定すると、最初の低速フレームとその後に送信する予定の高速フレームとの間に、車両IDを格納した車線通知情報を含む下りフレームを受信するための送信中断期間を設ける通信規約を採用すれば、新車載機が自身の車両IDを格納した下りフレームに気付かずに、複数の高速フレームの再送を繰り返すことによる、下りフレームの受信機会の喪失を防止することができる。
一方、新光ビーコンの上位互換性について考えると、新光ビーコンについても、旧光ビーコンと同様に、低速フレームのアップリンク受信に応じたダウンリンク切り替えを1回実施すれば、車載機の新旧に関係なく従来通りのダウンリンクデータを提供できる。
しかし、新光ビーコンが従来通りのダウンリンク切り替えしか行わない場合には、新車載機が、プローブデータなどの大容量のデータを含む高速フレームをアップリンク送信しても、旧車載機の場合と同様のダウンリンクデータしか得られない。
従って、新光ビーコンが低速フレームのアップリンク受信に応じたダウンリンク切り替えを1回しか行わないシステムでは、新車載機が、できるだけ多くの高速フレームをアップリンクしようとするインセンティブが働かず、アップリンク速度の高速化を早期に達成できない可能性がある。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、車載機の新旧に応じて提供情報の内容を差別化することができる新光ビーコンを提供することを目的とする。
(1) 本発明の光ビーコンは、走行中の車両の車載機と光信号による無線通信を行う光ビーコンであって、高低2種類の伝送速度での光電気変換が可能な光受信部と、所定の伝送速度での電気光変換が可能な光送信部と、下記の2種類のダウンリンク切り替えを実行可能な通信制御部と、を備えていることを特徴とする。
第1のダウンリンク切り替え:低速フレームのアップリンク受信を条件として、その後に送信する下りフレーム群に、第1の提供情報を格納した下りフレームを含めるダウンリンク切り替え
第2のダウンリンク切り替え:高速フレームのアップリンク受信を条件として、その後に送信する下りフレーム群に、第2の提供情報を格納した下りフレームを含めるダウンリンク切り替え
本発明の光ビーコンによれば、通信制御部が、上記第2のダウンリンク切り替え、すなわち、高速フレームのアップリンク受信を条件として、その後に送信する第2の下りフレーム群に、第2の提供情報を格納した下りフレームを含めるダウンリンク切り替えを実行可能であるから、実際に高速フレームをアップリンク送信した新車載機にのみ、第2の提供情報を提供することができ、高速フレームをアップリンク送信しない旧車載機に第2の提供情報が渡ることがない。
従って、車載機の新旧に応じて提供情報の内容を差別化することができ、本発明の目的が達成される。
なお、第2の提供情報の例としては、例えば、高速フレームによりプローブデータをアップリンクする新車載機への提供を想定した、「信号オフセット情報」などがある。「オフセット」とは、系統制御されている隣接交差点間での青信号の開始時点のずれのことをいい、「信号オフセット情報」はそのずれを車側で特定可能な形式で表現した情報のことである。
(2) 本発明の光ビーコンにおいて、前記車載機が複数の前記高速フレームをアップリンク送信することを許容する通信規約の場合には、前記高速フレームのアップリンク受信は、複数の前記高速フレームのうちの所定の前記高速フレームの受信完了とすることが好ましい。
その理由は、複数の高速フレームがアップリンク送信される場合は、そのうちのいずれかの高速フレームの受信完了をもって条件成立と見なさない限り、第2のダウンリンク切り替えの条件が成立する時点を特定できないからである。
(3) 所定の前記高速フレームの受信完了としては、例えば、最初に受信できた前記高速フレームの受信完了を採用することができる。
この場合、第2のダウンリンク切り替えの条件成立(トリガー発生)が最も早期になり、条件成立後のデータ切り替えまでの処理時間に余裕ができ、処理負荷を軽減できる利点がある。最初に受信できた高速フレームは通常は先頭フレームになるが、通信エラーを考慮すると、2フレーム以降の高速フレームが最初に受信できた高速フレームになり得る。
(4) 所定の前記高速フレームの受信完了としては、複数の前記高速フレームのうちの最終フレームの受信完了を採用することにしてもよい。
このように、最終フレームの受信完了を第2のダウンリンク切り替えの条件成立とすると、それまでに受信した他の高速フレームのデータ内容を事前に察知することができる。このため、高速フレームのデータ内容に応じて第2の提供情報の内容を変更するなどの、後述するより詳細な通信制御が可能になる。
(5) 上記のように、最終フレームの受信完了を第2のダウンリンク切り替えの条件成立とした場合には、通信エラーなどで最終フレームを取り逃がすと、何時まで経っても第2のダウンリンク切り替えが行われない可能性がある。
そこで、前記高速フレームのアップリンク受信には、更に、最初に受信できた前記高速フレームの受信完了からの所定時間の経過、又は、最後に受信できた前記高速フレームの受信完了からの所定時間の経過、若しくはそれらの双方の経過を含むことが好ましい。
これらを条件成立に含めることにすれば、最終フレームが不明であるために、光ビーコンが第2のダウンリンク切り替えを行わなくなるのを未然に防止することができる。
(6)(7) 本発明の光ビーコンにおいて、前記車載機が複数の前記高速フレームをアップリンク送信することを許容する通信規約の場合には、前記高速フレームのアップリンク受信として、複数の前記高速フレームのうちの所定の前記高速フレームの受信完了からの所定時間の経過を、単独で採用することにしてもよい。
この場合、上記所定の高速フレームとしては、例えば、最初に受信できた前記高速フレームを採用することができる。
(8) 本発明において、前記通信制御部は、第2のダウンリンク切り替え時点(第2の下りフレーム群の送信開始時点)を、前記高速フレームのアップリンク受信時から見て今回以後となる前記第1の下りフレーム群のダウンリンクサイクルの終了時点以降に設定することが好ましい。
このようすれば、第2のダウンリンク切り替えの条件成立から、実際に第2の下りフレーム群の送信を開始するまでに時間的な余裕ができ易くなり、通信制御部の処理負荷を軽減できるという利点がある。
なお、「ダウンリンクサイクル」とは、光ビーコンがダウンリンク切り替え後に繰り返し送信する下りフレームよりなる一塊の下りフレーム群の送信時間のことをいう。
1つの下りフレーム群に含めるフレーム数は可変(通信規約上は、最大79フレーム)であり、光ビーコンの通信制御部は、ダウンリンクすべき提供情報のデータ量に応じて、下りフレーム群を構成するフレーム数を決定し、決定した数の各下りフレームにそれぞれ区分けして提供情報を格納する。
(9) 本発明の光ビーコンにおいて、前記第1フレーム群の送信においては、これに先だって、車線通知情報を含む折り返しフレームの繰り返し送信を行い、前記第2フレーム群の送信においては、これに先立つ前記折り返しフレームの繰り返し送信を行わないことが好ましい。
その理由は、折り返しフレームの繰り返し送信は、通常、第1のダウンリンク切り替えの際に行われ、第2のダウンリンク切り替えの際に再度行わなくてもさほど問題がないので、第2のダウンリンク切り替えの際の折り返しフレームの繰り返し送信を止めれば、無駄な通信時間を省けるからである。
(10) もっとも、本発明の光ビーコンにおいて、前記通信制御部は、前記第1フレーム群の送信においては、これに先だって、車線通知情報を含む折り返しフレームの繰り返し送信を行い、前記第2フレーム群の送信においても、これに先立って、前記折り返しフレームの繰り返し送信を行うことにしてもよい。
この場合、第2のダウンリンク切り替えの処理が、第1のダウンリンク切り替えと同様の処理となるので、通信制御部に対するソフトウェアの実装が簡単になる。
(11) 本発明の光ビーコンにおいて、前記通信制御部は、前記第2の下りフレーム群に前記第2の提供情報を複数回含めることが好ましい。
このようにすれば、従来からの通信規約で必要とされる回数である、2回分以上のダウンリンク送信を第2の提供情報について確実に確保することができる。
(12) 同様の理由で、前記通信制御部は、前記第2の下りフレーム群の前半側に前記第2の提供情報を含めることにしてもよい。
下りフレーム群の「前半側」とは、下りフレーム群の先頭フレームから中央に位置するフレームまでの範囲のことをいう。例えば79フレームの下りフレーム群であれば、先頭フレームから40フレームまでが前半側となる。従って、第2の提供情報を下りフレーム群の前半側に含めれば、所定時間内にダウンリンクサイクルを2回分確保できないほどフレーム数が多い第2の下りフレーム群の場合でも、従来からの通信規約で必要とされる回数である、2回分以上のダウンリンク送信を第2の提供情報について確保できる可能性を高めることができる。
(13) 本発明の光ビーコンにおいて、下記のa)〜d)の順序でそれぞれのアップリンク受信を検出した場合には、前記通信制御部は、下記のc)及びd)に関係なく、下記のb)に対応する前記第2の下りフレーム群の送信を続けることが好ましい。
a) 第1の車両IDを含む低速フレームのアップリンク受信
b) 第1の車両IDを含む高速フレームのアップリンク受信
c) 第2の車両IDを含む低速フレームの、a)から所定時間内におけるアップリンク受信
d) 第2の車両IDを含む高速フレームのアップリンク受信
この場合、第1の車両IDの新車載機(以下、「先行車載機」ともいう。)のための第2の提供情報が、上記のc)以後も提供され続け、第2の車両IDの新車載機(以下、「後続車載機」ともいう。)にも提供される。
従って、第2の提供情報が前記信号オフセット情報のような動的情報である場合を想定すると、後続車載機にとって僅かに古い情報を提供することになるが、先行車載機に対して第2の提供情報を確実に提供できるという利点がある。
(14) 本発明の光ビーコンにおいて、上記のa)〜d)の順序でそれぞれのアップリンク受信を検出した場合には、前記通信制御部は、上記のd)を条件とする第2のダウンリンク切り替えを行うまで、上記のb)に対応する前記第2の下りフレーム群の送信を続けたあと、上記のd)に対応する前記第2の下りフレーム群の送信を行うことにしてもよい。
この場合、先行車載機のための第2の提供情報が、上記のd)まで提供され、後続車載機のための第2の提供情報が、上記のd)以降に提供される。
従って、先行車載機に対しては、後続車載機からの高速アップリンク受信を検出するまで、第2の提供情報の送信時間を延ばすことができ、後続車載機に対しては、最新の第2の提供情報を提供することができる。
(15) また、本発明の光ビーコンにおいて、前記通信制御部は、下記のc)を条件として新たに第1のダウンリンク切り替えを行い、下記のd)を条件として新たに第2のダウンリンク切り替えを行うことにしてもよい。
この場合、いわゆる後勝ちの処理となり、先行車載機のための第2の提供情報が、上記のc)までしか提供されなくなるが、通常通りの第1及び第2のダウンリンク切り替えを行えば足りるので、通信制御部に対するソフトウェアの実装が簡単になる。
(16) 本発明の光ビーコンにおいて、前記通信制御部は、前記高速フレーム又はそのデータ内容が所定の条件を満たすか否かに応じて、前記第2の下りフレーム群に含める前記第2の提供情報の内容を変更することが好ましい。
このようにすれば、所定の条件を満たす高速フレーム又はデータ内容をアップリンクしてきた新車載機にだけ、所定のデータ量の第2の提供情報を提供することができ、高速フレームによる高速アップリンク送信のインセンティブを高めることができる。
(17) 本発明の光ビーコンにおいて、前記車載機が複数の前記高速フレームをアップリンク送信することを許容する通信規約の場合には、前記通信制御部は、前記高速フレームの総フレーム数と規定フレーム数との比較結果に応じて、前記第2の下りフレーム群に含める前記第2の提供情報の内容を変更することが好ましい。
このようにすれば、規定フレーム数以上の高速フレームをアップリンクしてきた新車載機にだけ、所定のデータ量の第2の提供情報を提供することができ、複数の高速フレームによる高速アップリンク送信のインセンティブを高めることができる。
(18) 本発明の光ビーコンにおいて、前記通信制御部は、前記高速フレームに含まれるプローブデータの軌跡数と規定軌跡数との比較結果に応じて、前記第2の下りフレーム群に含める前記第2の提供情報の内容を変更することにしてもよい。
このようにすれば、規定軌跡数以上の高速フレームをアップリンクしてきた新車載機にだけ、所定のデータ量の第2の提供情報を提供することができ、プローブデータの高速アップリンク送信のインセンティブを高めることができる。
(19) また、本発明の光ビーコンにおいて、前記車載機が複数の前記高速フレームをアップリンク送信することを許容する通信規約の場合には、前記通信制御部は、最後の前記高速フレーム以外のフレームサイズと規定サイズとの比較結果に応じて、前記第2の下りフレーム群に含める前記第2の提供情報の内容を変更することにしてもよい。
このようにすれば、規定サイズ以上の高速フレームをアップリンクしてきた新車載機にだけ、所定のデータ量の第2の提供情報を提供することができ、複数の高速フレームによる高速アップリンク送信のインセンティブを高めることができる。
(20) 本発明の光ビーコンにおいて、前記通信制御部は、前記高速フレーム又はそのデータ内容が所定の条件を満たさない場合には、第2のダウンリンク切り替えを実行しないことにしてもよい。
このようにすれば、所定の条件を満たす高速フレーム又はそのデータ内容をアップリンクしてきた新車載機にだけ、第2の提供情報が提供されるので、高速フレームによる高速アップリンク送信のインセンティブを高めることができる。
(21) 本発明の光ビーコンにおいて、前記第2の提供情報は、静的情報及び動的情報のいずれでもよいが、動的情報の例として、系統制御されている隣接交差点間での青信号の開始時点のずれを車側で特定可能な形式で表現した、前記信号オフセット情報を採用することができる。
(22) 本発明の光ビーコンにおいて、前記通信制御部は、前記高速フレームのアップリンク受信時から見て今回以後となる前記第1の下りフレーム群のダウンリンクサイクルの終了時点までに、前記第2の下りフレーム群に含めるダウンリンクデータの作成を完了することが好ましい。
このようにすれば、高速フレームのアップリンク受信を検出した後に上記ダウンリンクデータを作成する場合に比べて、その作成時期を早めることができ、そのダウンリンクデータの送信タイミングが遅延するのを未然に防止することができる。
(23) 本発明の光ビーコンにおいて、前記通信制御部は、前記高速フレームのアップリンク受信までに、前記第2の下りフレーム群に含めるダウンリンクデータの作成を完了することにしてもよい。
この場合でも、高速フレームのアップリンク受信を検出した後に上記ダウンリンクデータを作成する場合に比べて、その作成時期を早めることができ、そのダウンリンクデータの送信タイミングが遅延するのを未然に防止することができる。
(24) もっとも、前記第1の下りフレーム群に含めるダウンリンクデータを格納するメモリと、前記第2の下りフレーム群に含めるダウンリンクデータのメモリとを共用する場合には、前記通信制御部は、前記第1の下りフレーム群の送信開始までに、前記第2の下りフレーム群に含めるダウンリンクデータの作成を完了する必要がある。
その理由は、メモリを共用する場合は、第2の下りフレーム群に含めるダウンリンクデータの内容が、第1の下りフレーム群に含めるダウンリンクデータの送信開始までに定まっている必要があるからである。
なお、上述の(22)〜(24)において、第2の下りフレーム群に含めるダウンリンクデータの作成開始時期は、例えば、低速フレームのアップリンク受信を検出した時点とすればよい。
以上の通り、本発明によれば、車載機の新旧に応じて車載機への提供情報を差別化することができる新光ビーコンが得られる。
路車間通信システムの概略構成を示すブロック図である。 光ビーコンの設置部分を上から見た道路の平面図である。 光ビーコンの通信領域を示す側面図である。 従来の通信手順を示すシーケンス図である。 新旧の光ビーコンと車載機の混在状態を示す図である。 アップリンク情報のフレーム構成図である。 ダウンリンク情報のフレーム構成図である。 送信中断期間を設けない場合の路車間通信を示すシーケンス図である。 送信中断期間を設ける場合の路車間通信を示すシーケンス図である。 第2のダウンリンク切り替えを行う場合の路車間通信を示すシーケンス図である。 第2のダウンリンク切り替えを行う場合の路車間通信を示すシーケンス図である。 第2のダウンリンク切り替えの切り替え処理の例を示す説明図である。 複数の新車載機が別の車線で新光ビーコンと通信する場合の、ダウンリンクデータの説明図である。 複数の新車載機が別の車線で新光ビーコンと通信する場合の、ダウンリンクデータの説明図である。 先行作成方式によるダウンリンクデータの作成タイミングの具体例を示す説明図である。 先行作成方式によるダウンリンクデータの作成タイミングの他の具体例を示す説明図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係る路車間通信システムの全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の路車間通信システムは、インフラ側の交通管制システム1と、道路Rを走行する車両20に搭載された車載機2とを備えている。
交通管制システム1は、交通管制室等に設けられた中央装置3と、道路Rの各所に多数設置された光ビーコン(光学式車両感知器)4とを備え、光ビーコン4は、近赤外線を通信媒体とした光通信によって車載機2との間で無線通信を行うことができる。
光ビーコン4は、ビーコン制御機7と、このビーコン制御機7のセンサ用インタフェースに接続された複数(図1では4つ)のビーコンヘッド(投受光器ともいう。)8とを有している。
ビーコン制御機7は、インフラ側の通信部6に接続されており、通信部6は電話回線等の通信回線5によって中央装置3と接続されている。
通信部6は、例えば、信号灯器の灯色を制御する交通信号制御機や、インフラ側における交通情報の中継処理を行う情報中継装置等より構成することができる。
本実施形態の光ビーコン4は、全二重通信方式を採用している。すなわち、後述のビーコン制御機7は、光送信部10に対するダウンリンク方向の送信制御と、光受信部11に対するアップリンク方向の受信制御とを同時に行うことができる。
これに対して、本実施形態の車載機2は、半二重通信方式を採用している。すなわち、後述の車載制御機21は、光送信部23に対するアップリンク方向の送信制御と、光受信部24に対するダウンリンク方向の受信制御とを同時には行わない。
なお、光送信部23に対するアップリンク方向の送信制御と、光受信部24に対するダウンリンク方向の受信制御は同時に行われていても良いが、実態として、どちらかのみしか機能しないように構成されているものとする。すなわち、アップリンクの送信中にはダウンリンクを受信することが困難な構成である。
〔光ビーコンの構成〕
光ビーコン4のビーコンヘッド8は、電気光変換が可能な光送信部10と、光電気変換が可能な光受信部11とを筐体の内部に有している。
このうち、光送信部10は、近赤外線よりなるダウンリンク光(ダウンリンク方向の光信号)をダウンリンク領域DA(図3参照)に送出する発光素子を有し、光受信部11は、アップリンク領域UA(図3参照)にある車載機2からの近赤外線よりなるアップリンク光(アップリンク方向の光信号)を受光する受光素子を有する。
光送信部10は、ビーコン制御機7から送出される下りフレームを所定の伝送速度のシリアルな送信信号に変換する送信回路と、出力された送信信号をダウンリンク方向の光信号に変換する、発光ダイオード等よりなる発光素子とから構成されている。
本実施形態の光ビーコン4では、光送信部10が送信する光信号の伝送速度は、従来の旧光ビーコンと同様に1024kbpsである。
光受信部11は、フォトダイオード等よりなる受光素子と、この受光素子が出力する電気信号を増幅してデジタルの受信信号を生成する受信回路とを備えている。
本実施形態の光ビーコン4では、光受信部11は、高低2種類の伝送速度での光電気変換が可能なマルチレート対応であり、低い方の伝送速度は従来の旧光ビーコンと同様に64kbpsである。高い方の伝送速度は、128kbps、192kbps、256kbps、384kbps、512kbps、1024kbpsなどの速度を採用し得るが、本実施形態では256kbpsであるとする。
図2は、本実施形態の光ビーコン4の設置部分を上から見た道路Rの平面図である。
図2に示すように、本実施形態の光ビーコン4は、同じ方向の複数(図例では4つ)の車線R1〜R4を有する道路Rに設置されており、車線R1〜R4に対応して設けられた複数のビーコンヘッド8と、これらのビーコンヘッド8を一括制御する制御部である1台のビーコン制御機7とを備えている。
ビーコン制御機7は、信号処理部、CPU及びメモリなどを有するコンピュータ装置よりなり、通信部6(図1参照)を介した中央装置3との双方向通信と、車載機2との路車間通信を行う通信制御部としての機能を有する。
また、ビーコン制御機7は、通信制御のためのコンピュータプログラムを記憶装置に格納しており、このプログラムをCPUが読み出して実行することにより、当該CPUが上記通信制御部として機能する。
ビーコン制御機7は、道路脇に立設した支柱13に設置されている。また、各ビーコンヘッド8は、支柱13から道路R側に水平に架設した架設バー14に取り付けられ、道路Rの各車線R1〜R4の直上に配置されている。
ビーコンヘッド8の発光素子は、車線R1〜R4の直下よりも車両進行方向の上流側に向けて近赤外線を発光しており、これにより、車載機2との間で路車間通信を行うための通信領域Aが当該ヘッド8の上流側に設定されている。
〔光ビーコンの通信領域〕
図3は、光ビーコン4の通信領域Aを示す側面図である。
図3に示すように、光ビーコン4の通信領域Aは、ダウンリンク領域(図3において実線のハッチングを設けた領域)DAと、アップリンク領域(図3において破線のハッチングを設けた領域)UAとからなる。
このうち、ダウンリンク領域DAは、ビーコンヘッド8が送出するダウンリンク方向の光信号を、車載機2の投受光器である車載ヘッド22にて受信できる領域であり、ビーコンヘッド8の投受光位置d、地上1m高さの位置a及びcを頂点とする△dacで示された範囲である。
また、アップリンク領域UAは、車載ヘッド22が送出するアップリンク方向の光信号を、ビーコンヘッド8にて受信できる領域であり、上記投受光位置dと、地上1m高さの位置b及びcを頂点とする△dbcで示された範囲である。
従って、ダウンリンク領域DAとアップリンク領域UAの上流端cは互いに一致し、アップリンク領域UAは、ダウンリンク領域DAの車両進行方向の上流部分(図3の右側部分)に重複している。また、ダウンリンク領域DAの車両進行方向長さは、通信領域A全体の同方向長さと一致している。
旧光ビーコン(光学式車両感知器)の場合、ダウンリンク領域DA及びアップリンク領域UAの正式な領域寸法が規約によって規定されている。
例えば、一般道向けの旧光ビーコンの場合、ダウンリンク領域DAの下流端aが、ビーコンヘッド8の直下の1.0〜1.3m上流側に位置し、ダウンリンク領域DAの下流端aからアップリンク領域UAの下流端bまでの距離が2.1mと規定されている。
また、アップリンク領域UAの下流端bから同領域UAの上流端cまでの距離は1.6mと規定されている。従って、正式な通信領域Aの車両進行方向の全長(ac間の長さ)は3.7mとなる。
これに対して、本実施形態の光ビーコン4(新光ビーコン)では、ダウンリンク領域DAの下流端aをビーコン直下まで延ばし上流端cを上記規定よりも上流側に延ばすことにより、ダウンリンク領域DAの車両進行方向の範囲を、高速アップリンク受信に非対応の旧光ビーコンの場合よりも広く設定している。
具体的な数値で例示すると、ビーコンヘッド8の真下を0m(原点)として、そこから上流方向を正の方向とした場合、本実施形態のダウンリンク領域DAの範囲(図3の位置aから位置cまでの範囲)は、0.70〜6.04mとなっている。
このようにダウンリンク領域DAを広めに設定すると、車載機2がダウンリンク方向の光信号を受信する確実性が増すとともに、通信時間が長くなるのでダウンリンク方向の通信容量を拡大することができる。
また、本実施形態のアップリンク領域UAの範囲(図3の位置bから位置cまでの範囲)は、3.04〜6.04mとなっており、上流端cの位置が従来よりも1.04mだけ上流側に拡張されている。
このようにアップリンク領域UAを広めに設定すると、光ビーコン4がアップリンク方向の光信号を受信する確実性が増とともに、通信時間が長くなるのでアップリンク方向の通信容量を拡大することができる。
〔車載機の構成〕
図3に示すように、本実施形態の車載機2は、車載制御機21と車載ヘッド22とを備えており、車載ヘッド22の内部には、光送信部23と光受信部24が収容されている。
このうち、光送信部23は、近赤外線よりなるアップリンク光(アップリンク方向の光信号)を発光する発光素子を有し、光受信部24は、ダウンリンク領域DAに送出された近赤外線よりなるダウンリンク光(ダウンリンク方向の光信号)を受光する受光素子を有する。
光送信部23は、車載制御機21から出力される上りフレームを所定の伝送速度のシリアルな送信信号に変換する送信回路と、出力された送信信号をアップリンク方向の光信号に変換する、発光ダイオード等よりなる発光素子とから構成されている。
本実施形態の車載機2では、光送信部23は、高低2種類の伝送速度での電気光変換が可能なマルチレート対応であり、低い方の伝送速度は従来の旧車載機と同様に64kbpsである。高い方の伝送速度は、128kbps、192kbps、256kbps、384kbps、512kbps、1024kbpsなどの速度を採用し得るが、本実施形態では256kbpsであるとする。
光受信部24は、フォトダイオード等よりなる受光素子と、この受光素子が出力する電気信号を増幅してデジタルの受信信号を生成する受信回路とを備えている。
本実施形態の車載機2では、光受信部24が受信する光信号の伝送速度は、従来の旧車載機と同様に1024kbpsである。
車載制御機21は、信号処理部、CPU及びメモリなどを有するコンピュータ装置よりなり、光ビーコン4との路車間通信を行う通信制御部としての機能を有する。
また、車載制御機21は、通信制御のためのコンピュータプログラムを記憶装置に格納しており、このプログラムをCPUが読み出して実行することにより、当該CPUが上記通信制御部として機能する。
更に、車載制御機21は、アップリンクデータとして、自車両の走行データ(例えば、通過位置と通過時刻を時系列に並べた走行軌跡データであるプローブ情報など)を生成して、光送信部23にアップリンク送信させる機能も有する。
この場合、アップリンク速度を高速化することで、より多くのプローブ情報(走行軌跡を記録する道路区間を長くしたり、同一道路区間における通過位置と通過時刻の記録密度を高くしたりした情報)を送信することが可能になる。
なお、本実施形態の車載制御機21は、上記CPUを含む本体制御部とは別に、ASIC(Application Specific Integrated Circuit )等を含む簡易制御部を設けた回路構成であってもよい。
この簡易制御部は、例えば、光受信部24が何らかの下りフレームを受信した場合に、自機の車両20の識別情報(以下、「車両ID」という。)を含む低速の上りフレームを生成する機能を有する。
〔用語の定義等〕
ここで、本明細書で用いる用語の定義を行う。
下りフレームDL:光ビーコン4がダウンリンク送信するフレームの総称である。下りフレームDLには、後述する下りフレームDL1や下りフレームDL2が含まれる。
上りフレームUL:車載機2がアップリンク送信するフレームの総称である。上りフレームULには、後述する上りフレームUL1や上りフレームUL2が含まれる。
本明細書では、フレームの「連続送信」は、「繰り返し送信」と同義であり、各フレーム間にインターバルがない場合だけでなく、各フレーム間に所定時間長のインターバルを設けてバースト送信する場合を含む。
また、本明細書では、所定のフレーム数で連続送信(繰り返し送信)する一連のフレームを「フレーム群」という。例えば「下りフレーム群の送信」の場合には、その群を構成する各下りフレームDLの連続送信(繰り返し送信)のことを意味する。
なお、本明細書では、複数の下りフレームDLよりなる下りフレーム群を、「下りフレーム群DL」と表記する場合がある。
この点は、後述する下りフレームDL1,DL2,DL2−1,DL2−2や、上りフレームUL1,UL2についても同様である。
下りフレームDL1:光ビーコン4が、後述するダウンリンク切り替え(ダウンリンク切り替えを2回行う場合は最初のダウンリンク切り替え)を行う前に、ダウンリンク領域DAに向けて繰り返し送信する下りフレームDLのことをいう。
上りフレームUL1:下りフレームDL1の受信に応じて車載機2が送信する上りフレームULであって、伝送速度が低速のものをいう。「低速フレームUL1」ともいう。
上りフレームUL2:新車載機2Aが送信する伝送速度が高速の上りフレームULのことをいう。「高速フレームUL2」ともいう。
高速アップリンク送信に対応する新車載機2A(図5参照)の場合は、上りフレームULとして、低速フレームUL1と高速フレームUL2の双方を送信でき、高速アップリンク送信に非対応の旧車載機2B(図5参照)の場合には、上りフレームULとして低速フレームUL1しか送信できない。
下りフレームDL2:光ビーコン4が、後述するダウンリンク切り替え(ダウンリンク切り替えを2回行う場合は最初のダウンリンク切り替え)の後に繰り返し送信する下りフレームDLのことをいう。
ダウンリンク切り替えを2回行う場合は、下りフレームDL2は、次の下りフレームDL2−1と下りフレームDL2−2とから構成される。
下りフレームDL2−1:ダウンリンク切り替えを2回可能な新光ビーコン4A(図10及び図11参照)が、後述する「第1のダウンリンク切り替え」の後に繰り返し送信する下りフレームDL2のことをいう。
下りフレームDL2−2:ダウンリンク切り替えを2回可能な新光ビーコン4A(図10及び図11参照)が、後述する「第2のダウンリンク切り替え」の後に繰り返し送信する下りフレームDL2のことをいう。
ダウンリンク切り替えを1回だけ行う場合は、それ以後は下りフレーム群DL2に含めるダウンリンクデータの内容が変更されない。なお、この場合、下りフレームDL2=下りフレームDL2−1であるとも言える。
一方、ダウンリンク切り替えを2回行う場合は、下りフレーム群DL2−1に含めるダウンリンクデータの内容の一部又は全部(本実施形態では一部)が、第2のダウンリンク切り替えによって変更され、変更後のダウンリンクデータにて下りフレーム群DL2−2が構成される。
ID格納フレーム:車載機2が、自車両の車両IDの値を所定の格納領域(例えば、アップリンク情報のヘッダ部の「車両ID」(図6参照))に記して生成する、「低速」の上りフレームUL1のことをいう。
折り返しフレーム:光ビーコン4が、ID格納フレームを受信した場合に、そのフレームに含まれる車両IDと同じ値を所定の格納領域(例えば、ダウンリンク情報の実データ部の「車線通知情報」(図7参照))に記して生成する、下りフレームDL2のことをいう。
ID折り返し:光ビーコン4が、ID格納フレームを受信した場合に、折り返しフレームを生成してダウンリンク送信する処理のことをいう。
車両IDのループバック:車載機2がID格納フレームを生成し、生成したID格納フレームをアップリンク送信し、光ビーコン4がID折り返しを行うことにより、車両IDを送信元の車載機2にループバックさせる一連の処理のことをいう。
ダウンリンク切り替え:光ビーコン4が繰り返して送信する下りフレーム群DLに含める実質的なデータ内容(提供情報)を、当該切り替えの前後で変化させることをいう。
第1のダウンリンク切り替え:新光ビーコン4Aがダウンリンク切り替えを2回行う場合に、低速フレームUL1の受信を条件として行うダウンリンク切り替えのことをいう。
第2のダウンリンク切り替え:新光ビーコン4Aがダウンリンク切り替えを2回行う場合に、高速フレームUL2の受信を条件として行うダウンリンク切り替えのことをいう。
ダウンリンク切り替え(2回行う場合は第1のダウンリンク切り替え)の後の下りフレーム群DL2,DL2−1には、サブシステムキー情報や車両IDなどに対応する、今回の路車間通信の通信相手である車両20向けの提供情報(以下、「第1の提供情報」ともいう。)が含められる。
第1の提供情報は、例えば、渋滞情報、区間旅行時間情報及び事象規制情報などの、高速アップリンク送信に非対応の旧車載機2Bにも提供される提供情報である。
第2のダウンリンク切り替えの後の下りフレーム群DL2−2には、高速アップリンク送信に対応する新車載機2Aを搭載した車両20向けの提供情報(以下、「第2の提供情報」ともいう。)が含められる。
第2の提供情報は、例えば、隣接交差点間の青開始時刻のずれであるオフセットを車両20の車載機2が特定可能な形式で表現された「信号オフセット情報」や、車両20が電気自動車の場合に有用な情報である直近の充電ステーションまでの経路を示す「充電ステーション情報」などである。
上りフレームUL及び下りフレームDLの車両IDのデータ格納領域は、どの領域を使用してもよいが、例えば「ヘッダ部」や「車線通知情報」を使用することができる。
下りフレームDLの車線通知情報には、車線R1〜R4(図2参照)ごとに車両IDを格納するフィールドがあり、各車両IDに対して車線番号を付与できる。このため、異なる車線R1〜R4を走行する車両20の車載機2は、格納フィールド内のいずれに自車両の車両IDが含まれるかを読み取ることで、自車両がどの車線R1〜R4を走行中かを判定できる。
なお、低速フレームUL1に基づく従来のダウンリンク切り替えのみを「ダウンリンク切り替え」と呼び、その後の高速フレームUL2のアップリンク受信に伴うダウンリンクデータの内容の変更を、「ダウンリンク切り替え」とは呼ばない他の用語で定義することにしてもよい。
上記の他の用語としては、例えば、下りフレーム群の「データ変更」、「データ切り替え」、「データ入れ替え」、「データ更新」、「データ差し込み」及び「データ付加」などが考えられる。
〔上りフレームのフレーム構成〕
図6は、アップリンク情報(上りフレーム)のフレーム構成図である。
図6に示すように、上りフレームULは、先頭から順に、受信側と同期を取るための同期用の伝送制御部(以下、「同期部」という。)、ヘッダ部、実データ部及びCRC(Cyclic Redundancy Check )用の伝送制御部(以下、「CRC部」という。)を有する。
上りフレームULには、同期部に1バイトが割り当てられ、ヘッダ部に10バイトが割り当てられ、実データ部に最大59バイトが割り当てられ、CRC部には4バイト(1バイトのアイドル部+2バイトのCRC+1バイトの最終同期部)が割り当てられている。
アップリンク情報のヘッダ部には、「サブシステムキー情報数」、「車両ID」、「車載機種別」、「情報種別」及び「最終フレームフラグ」などの格納領域が含まれる。
「サブシステムキー情報数」(以下、「情報数」と略記することがある。)には、実データ部の先頭から順に格納する「サブシステムキー情報」の数が格納される。
すなわち、情報数がゼロの場合は、実データ部に「サブシステムキー情報」が含まれず、情報数が「1」の場合は、実データ部に1つの「サブシステムキー情報」が含まれ、情報数が「n」の場合は、実データ部にn個の「サブシステムキー情報」が含まれる。
上記「サブシステムキー情報」は、光ビーコン4が、公共車両優先システム(PTPS)、車両運行管理システム(MOCS)、現場急行支援システム(FAST)及び安全運転支援システム(DSSS)などのダウンリンク情報の付加情報を選択するためのキー情報である。
車載機2は、自車両がUTMS規格のどのシステムに対応しているかに応じて、「サブシステムキー情報数」と「サブシステムキー情報」の内容を決定する。
例えば、車載機2は、自車両がUTMS規格の1つのシステムに対応する場合は、ヘッダ部の「サブシステムキー情報数」の値を「1」に設定し、当該1つのシステムの規格に従った内容の「サブシステムキー情報(1)」を、実データ部に格納する。
また、車載機2は、自車両がUTMS規格の2つのシステムに対応する場合は、ヘッダ部の「サブシステムキー情報数」の値を「2」に設定し、当該2つのシステムの規格にそれぞれ従った内容の「サブシステムキー情報(1)」及び「サブシステムキー情報(2)」を、実データ部に格納する。
なお、「サブシステムキー情報」のデータ形式は、各々のシステムの規格によって相違するので詳細は割愛するが、例えば、安全運転支援システム(DSSS)の場合には、ブレーキ状態、ターンシグナル状態、ハザード状態、車速、進行方向、加減速度及びアクセルペダル位置などの情報が含まれる。
一方、光ビーコン4は、アップリンク情報に含まれる「サブシステムキー情報」の種別により、車載機2が、UTMS規格に含まれるどのシステムに対応するかを判断し、当該システムの規格に応じた提供情報を、ダウンリンク切り替え後の下りフレームDL2に格納してダウンリンク送信する。なお、この提供情報は、サブシステムキー情報の対価として提供されるという意味で、「対価サービス情報」ということがある。
このように、「サブシステムキー情報」は、ダウンリンク切り替え後の提供情報の種類を新旧の光ビーコン4が決定するのに使用される。
「車両ID」は、車載機2が自身で生成した、或いは、光ビーコン4が自動生成して車載機2に通知した車両IDの値を格納する領域であり、車載機2は、アップリンク送信時に記憶している車両IDの値を、上りフレームUL1のヘッダ部の車両IDに格納する。
「車載機種別」は、車載機2の種別を格納する領域であり、「情報種別」は、アップリンク情報の種別を格納する領域であり、本実施形態では、これらの領域の値により、アップリンク送信主体の新旧と、アップリンク情報が高速か低速かを表す。
具体的には、新車載機2Aは、低速の上りフレームUL1を送信する場合は、「車載機種別」に新車載機2Aを示す所定値(例えば、「6」)を格納し、「情報種別」に低速であることを示す所定値(例えば、「1」)を格納する。
また、新車載機2Aは、高速の上りフレームUL2を送信する場合は、「車載機種別」に新車載機2Aを示す所定値(例えば、「6」)を格納し、「情報種別」に高速であることを示す所定値(例えば、「4」)を格納する。
従って、新光ビーコン4Aは、受信した上りフレームULの車載機種別の値が「6」でかつ情報種別の値が「1」の場合は、新車載機2Aからの低速フレームUL1であると判定でき、受信した上りフレームULの車載機種別の値が「6」でかつ情報種別の値が「4」の場合は、新車載機2Aからの高速フレームUL2であると判定できる。
なお、旧車載機2Bの場合は、車載機種別の値を「6」以外に設定するので、新光ビーコン4Aは、「車載機種別」の値が「6」以外の上りフレームULを受信した場合は、通信相手が高速アップリンク送信に非対応の旧車載機2Bであると判定できる。
本実施形態の新光ビーコン4Aは、新車載機2Aからの低速フレームUL1の受信を完了すると、ヘッダ部に含まれる車両IDの値を車線通知情報に格納した折り返しフレームを生成し、このフレームの繰り返し送信を伴う「第1のダウンリンク切り替え」を行う。
また、本実施形態の新光ビーコン4Aは、新車載機2Aからの高速フレームUL2の受信に応じて「第2のダウンリンク切り替え」を行うが、この場合は、折り返しフレームの繰り返し送信を更に行ってもよいし、その繰り返し送信を行わないことにしてもよい。
このように、新車載機2Aからの低速フレームUL1のアップリンク受信は、新光ビーコン4Aが折り返しフレームの繰り返し送信を伴う第1のダウンリンク切り替えを行うための条件となっている。
また、新車載機2Aからの高速フレームUL2のアップリンク受信は、新光ビーコン4Aが折り返しフレームの繰り返し送信を伴う或いはそれを伴わない第2ダウンリンク切り替えを行うための条件となっている。
なお、新光ビーコン4Aは、「車載機種別」の値が旧車載機2Bを示す所定値(本実施形態では「6」以外)である上りフレームULを受信した場合は、高速アップリンク受信に非対応の旧光ビーコン4Bの場合と同様に、その上りフレームULの受信完了を条件として、折り返しフレームの繰り返し送信を伴うダウンリンク切り替えを行う。
なお、新光ビーコン4Aの通信相手が旧車載機2Bの場合には、高速フレームUL2を受信することがないので、第2のダウンリンク切り替えは行われない。
「最終フレームフラグ」は、車載機2(新旧いずれでもよい。)が複数の上りフレームULよりなる上りフレーム群を送信する場合に、その上りフレーム群のどれが最終フレームであるかを示すための格納領域である。
すなわち、車載機2は、上りフレーム群を構成する複数の上りフレームULのうち、最終フレームの「最終フレームフラグ」にのみ所定のフラグ値(例えば、「1」)を格納し、それ以外の上りフレームULにはそのフラグ値を格納しない。
〔下りフレームのフレーム構成〕
図7は、ダウンリンク情報(下りフレーム)のフレーム構成図である。
図7に示すように、下りフレームDLのフレーム構成も、上りフレームULのフレーム構成(図6)の場合と同様に、先頭から順に、同期部、ヘッダ部、実データ部及びCRC部とからなる。
下りフレームDLには、同期部に1バイトが割り当てられ、ヘッダ部に5バイトが割り当てられ、実データ部に123バイトが割り当てられ、CRC部に4バイト(1バイトのアイドル部+2バイトのCRC+1バイトの最終同期部)が割り当てられている。
下りフレームDLの実データ部には、車両20向けの提供情報として、例えば図10及び図11に示す各種の提供情報のうちのいずれか1つが格納される。
具体的には、光ビーコン4(新旧いずれでもよい。)は、ダウンリンク切り替え前の下りフレームDL1の実データ部には、「車線通知情報」を含める。
また、光ビーコン4は、ダウンリンク切り替え後の下りフレームDL2の実データ部には、その下りフレームDL2が折り返しフレームである場合を除き、車載機2からアップリンクされたサブシステムキー情報に対応する提供情報を選択し、選択した提供情報を実データ部に含める。
なお、光ビーコン4は、提供情報が実データ部の容量(123バイト)に収まる場合は、1つの下りフレームDL2で提供情報を送信するが、収まらない場合は、複数の下りフレームDL2(下りフレーム群)にて提供情報を送信することもある。
図7に示すように「車線通知情報」の格納領域には、「車両ID」、「車線番号」及び「ビーコン識別フラグ」などが含まれる。
光ビーコン4は、ダウンリンク切り替え前の下りフレームDL1の場合は、「車線通知情報」の「車両ID」に値を格納せず、車載機2からID格納フレームを受信すると、そのヘッダ部に含まれる車両IDの値を、「車線通知情報」の「車両ID」に格納して折り返しフレームを生成する。光ビーコン4は、アップリンク情報を取得したビーコンヘッド8に対応する車線番号値を「車線番号」に記す。
「ビーコン識別フラグ」は、自機が高速アップリンク受信に対応するか否かを示す格納領域である。
光ビーコン4は、自機が高速アップリンク受信に対応する「新光ビーコン4Aの場合は、下りフレームDLの「ビーコン識別フラグ」に所定のフラグ値(例えば、「01」)を格納し、自機が高速アップリンク受信に対応しない旧光ビーコン4Bの場合は、下りフレームDLの「ビーコン識別フラグ」にそれ以外の値(例えば、「00」)を格納する。
従って、高速アップリンク送信に対応する新車載機2Aは、下りフレームDLの「車線通知情報」に含まれる「ビーコン識別フラグ」の値により、通信相手の光ビーコン4が、新光ビーコン4Aであるか旧光ビーコン4Bであるかを判定することができる。
ダウンリンク切り替え後に光ビーコン4の光送信部10から繰り返し送信される下りフレーム群は、1〜80個の下りフレームDL2で構成され、その繰り返し送信の送信可能時間は250msである。
また、下りフレームDL2は、ダウンリンク方向に送出すべきデータ量に応じた任意数のフレームで構成され、上記送信可能時間の範囲内で繰り返し送信される。また、下りフレームDL2の送信周期は約1msである。
従って、例えば、3つの下りフレームDL2で1つの有意なデータを構成する場合は、その送信周期が約3msになるので、そのデータは所定の送信可能時間(250ms)内に約80回繰り返して送信されることになる。
もっとも、本実施形態のように、ダウンリンク領域DAをビーコンヘッド8の直下付近まで拡大すれば(図3参照)、繰り返し送信する下りフレームDL2の個数を最大200個程度まで増加させることができる。
なお、後述の図9の路車間通信に示すように、新車載機2Aが、先行の低速フレームU0の後に送信中断期間を設けて後続の高速フレームU1〜U3を連送する場合には、高速フレームU1〜U3のアップリンク送信の時間とダウンリンク切り替え後のダウンリンク送信の時間が重複し得るので、ダウンリンク切り替え後の下りフレームDL2の送信可能期間は(250+α)ms(例えば、350ms)とすることが好ましい。
〔従来の路車間通信〕
図4は、通信領域Aで行われる従来の通信手順を示すシーケンス図である。
ここで、図4において、白丸を付したフレームは、車両IDを含まないフレーム(車両IDなしの車線通知情報を有するフレーム)であることを示し、黒丸を付したフレームは、路車間のID折り返しに利用するフレーム(上りの「ID格納フレーム」又は下りの「折り返しフレーム」)であることを示す。この点は、図8〜図11の路車間通信において同様である。
また、以下の路車間通信の説明では、動作主体が光ビーコン4と車載機2であるとして説明するが、実際の通信制御は、光ビーコン4のビーコン制御機(通信制御部)7と、車載機2の車載制御機(通信制御部)21が実行する。この点も、図8〜11の路車間通信において同様である。
図4に示すように、光ビーコン4(図4の場合は旧光ビーコン4B)は、車線R1〜R4ごとに設けられたビーコンヘッド8から、下りフレームDL1を所定の送信周期で送信し続けている。この段階では、車線通知情報に車両IDが格納されていない。
車両20がダウンリンク領域DAに入ると、車載機2(図4の場合は旧車載機2B)が車線通知情報(車両ID無し)を含む下りフレームDL1或いはその他の下りフレームDL1を受信し、車両20が光ビーコン4の通信領域A内に入ったことを察知する。
この際、車載機2は、ヘッダ部に車両IDを格納した低速の上りフレームUL1(図4のID格納フレームU1)を生成し、自機の通信をいったん受信から送信に切り替えて、生成した低速の上りフレームUL1をアップリンク送信し、その後、自機の通信を送信から受信に戻す。
なお、旅行時間情報などの光ビーコン4に提供すべき情報がある場合には、ID格納フレームU1の実データ部にその情報が格納される。
受信フレームのCRCチェック等を経てID格納フレームU1が光ビーコン4において正規に受信されると、光ビーコン4は、遅くとも10m秒以内でダウンリンク切り替えを行ったあと、下りフレームDL2の繰り返し送信を開始する。
ダウンリンク切り替えの後に繰り返し送信させる複数の下りフレームDL2は、先頭部分で連送される複数の折り返しフレーム(黒丸付きの下りフレームDL2)と、その後に繰り返し送信される所定の提供情報を含む下りフレームDL2とからなる。
この下りフレームDL2の繰り返し送信は、前記した所定時間内において可能な限り繰り返される。
また、図4に示すように、折り返しフレーム(黒丸付きの下りフレームDL2)は、提供情報の送信期間中においてダウンリンク情報を構成する一連の複数の下りフレームDL2(例えば5個の下りフレームDL2)の1つであり、従来は、一連の複数の下りフレームDL2の先頭にのみ含まれて繰り返し(図4の例では5フレームごと)送信される。
なお、ダウンリンク情報を構成する一連の下りフレームDL2は最大で80個まで格納できるため、折り返しフレーム(黒丸付きの下りフレームDL2)は、最も少ない頻度の場合には80フレームに1つの割合で格納されることとなる。
車載機2は、光ビーコン4から複数の下りフレームDL2を受信し、その複数の下りフレームDL2の中で、自車両の車両IDが記された車線通知情報を含むものがあるか否かを判定する。
車載機2は、その判定結果が肯定的である場合に、自車両の車両IDのループバックが成功したことを確認し、この時点で自機の通信を受信のままに維持する。
逆に、車載機2は、その判定結果が否定的である間は、自車両の車両IDのループバックが成功していないと判断し、自機の通信を受信から送信に切り替えて、上りフレームUL1を再送する。この場合、車載機2は、例えば、先に送信した上りフレームU1の送信後所定時間(例えば30ms)後に、再び上りフレームUL1を送信する。車載機2は、この再送の動作を車両IDのループバックが成功するまで繰り返す。
〔混在状況における問題点〕
図5は、新旧の光ビーコン4A,4Bと車載機2A,2Bの混在状態を示す図である。
図5に示すように、新光ビーコン4Aは、低速の伝送速度(64kbps)だけでなく高速の伝送速度(例えば256kbps)でのアップリンク受信に対応している。本実施形態の光ビーコン4は、新光ビーコン4Aに該当する。
同様に、新車載機2Aは、低速の伝送速度(64kbps)だけでなく高速の伝送速度(例えば256kbps)でのアップリンク送信に対応している。本実施形態の車載機2は新車載機2Aに該当する。
これに対して、旧光ビーコン4Bは、低速の伝送速度(64kbps)でのアップリンク受信のみを行う光ビーコン、すなわち、高速の伝送速度(例えば256kbps)でのアップリンク受信に非対応の光ビーコンである。
同様に、旧車載機2Bは、低速の伝送速度(64kbps)でのアップリンク送信のみを行う車載機、すなわち、高速の伝送速度(例えば256kbps)でのアップリンク送信に非対応の車載機である。
上述の用語の定義で記載した通り、図5の「DL1」は、ダウンリンク切り替え前に新旧の光ビーコン4A,4Bが送信する下りフレームを示し、図5の「UL1」は、下りフレームDL1の受信を契機として、新旧の車載機2A,2Bが送信可能な低速フレームを示し、図5の「UL2」は、新車載機2Aのみが送信可能な高速フレームを示している。
また、図5の「DL2」は、ダウンリンク切り替え後に新旧の光ビーコン4A,4Bが送信する下りフレームを示している。
ここで、新光ビーコン4Aと新車載機2Aが路車間通信する場合を想定する。光ビーコン4の新旧タイプを判別不能な場合は、新車載機2Aは、上りフレームULを確実に受信して貰うために低速でアップリンク送信を行うとする。
この場合、ダウンリンク方向の伝送速度は、新旧いずれの場合も「1024kbps」であるから、新車載機2Aは、新光ビーコン4Aから下りフレームDL1を受信しただけでは、通信相手が新光ビーコン4Aであることを察知できない。
このように、新車載機2Aが、新光ビーコン4Aのダウンリンク領域DAを通過する間に新光ビーコン4Aと通信していることを認識できなければ、高速のアップリンク送信が可能である筈の新車載機2Aが、新光ビーコン4Aに対しても低速でアップリンク送信を行ってしまい、アップリンク速度の高速化が実現できなくなる。
そこで、本実施形態では、自機が高速アップリンク受信に対応する新光ビーコン4Aである旨のビーコン識別情報(例えば、図8の「ビーコン識別フラグ」)を、ビーコン制御機7が下りフレームDL1,DL2に含めることができる。
具体的には、前述の通り、光送信部10にダウンリンク送信させる下りフレームDL1,DL2の「車線通知情報」(「ヘッダ部」でもよい。)に、光ビーコン4の新旧タイプを示すフラグフィールドを予め定義しておく。
そして、ビーコン制御機7は、自機を新光ビーコン4Aとして動作させる場合には、繰り返し送信するすべての下りフレームDL1,DL2又は所定周期ごとの下りフレームDL1,LD2のフラグフィールドをオンにし、自機を旧光ビーコン4Bとして動作させる場合には、その下りフレームDL1,DL2のフラグフィールドをオフにする。
このため、新車載機2Aは、受信した下りフレームDL1,DL2のフラグフィールドがオンである場合には、通信相手が新光ビーコン4Aであると判定でき、オフの場合や当該フラグフィールドが検出できなかった場合には、通信相手が旧光ビーコン4Bであると判定できる。
もっとも、新車載機2Aが、上りフレーム群に必ず低速フレームUL1を含める通信規約とすれば、通信相手の光ビーコン4の新旧タイプを判定しなくても、両タイプの光ビーコン4との通信が可能である。
その理由は、低速フレームUL1を利用すれば新旧双方の光ビーコン4A,4Bと従来通りの通信ができるし、上りフレーム群の他のフレームを一律に高速フレームUL2としても、旧光ビーコン4Bがそれを受信できないだけで、特に問題はないからである。
従って、新車載機2Aの態様としては、上記の光ビーコン4の新旧判定を行い、通信相手が新光ビーコン4Aの場合にだけ高速フレームUL2を送信する「第1タイプ」と、光ビーコン4の新旧判定を行わずに、低速フレームUL1と高速フレームUL2を送信する「第2タイプ」とを採用し得る。
〔送信中断期間を設けない場合の問題点〕
図8は、新車載機2Aが「送信中断期間」を設けずに上りフレームUL1,UL2を送信するため、新車載機2AがID確認を失敗する場合の路車間通信を示すシーケンス図である。
図8において、U0〜U3は、下りフレームDL1を検出した新車載機2Aがアップリンク送信する、複数の上りフレーム(上りフレーム群)UL1,UL2を示している。
図8では、上りフレーム群のフレーム数が4フレームになっているが、そのフレーム数は4つに限定されるものではなく、例えば、高速フレームUL2が3つ以上送信される場合もあるし、比較的長いデータ長である高速フレームUL2が1つだけ送信される場合もあり得る。
また、ハッチングを付していない上りフレームU0は、伝送速度が低速(本実施形態では64kbps)の「低速フレーム」であることを示し、ハッチングを付した上りフレームU1〜U3は、伝送速度が高速(本実施形態では256kbps)の「高速フレーム」であることを示している。
なお、低速フレームU0と高速フレームU1〜U3の図示上の区別については、図9〜図11の路車間通信においても同様である。
プローブ情報などの大容量のデータをアップリンク送信する場合には、低速フレームU0にデータを格納しきれないことが多い。そこで、図8の例では、新車載機2Aが合計3つの高速フレームU1〜U3を低速フレームU0の後に続けて送信している。
具体的には、新車載機2Aは、ダウンリンク領域DAにおいて下りフレームDL1を受信すると、低速フレームU0を即座に低速でアップリンク送信し、それに続けて高速フレームU1〜U3をアップリンク送信する。
なお、図8の例では、新車載機2Aが通信相手の新旧を判定しない場合を想定しており、低速フレームU0と高速フレームU1〜U3の連続送信(繰り返し送信)は、新車載機2Aの通信相手が新光ビーコン4Aか旧光ビーコン4Bかに拘わらず実行される。
新車載機2Aの通信相手の光ビーコン4は、上りフレーム群に含まれる低速フレームU0の受信完了を契機として、そのヘッダ部から車両ID値を抽出し、その値を車線通知情報に格納した折り返しフレームの連送とダウンリンク切り替えを行う。
すなわち、光ビーコン4が新光ビーコン4Aの場合は、低速フレームU0の「車載機種別」の値が「6」でかつ「情報種別」の値が「1」であることを検出すると、折り返しフレームの連送とダウンリンク切り替えを行う。
また、光ビーコン4が旧光ビーコン4Bの場合は、上記のような種別判定を行うことができないので、低速フレームU0の受信が完了すると、従来通り、即座に折り返しフレームの連送とダウンリンクを行う。
このように、旧光ビーコン4Bでは、大容量のアップリンク送信はされないという想定の下で、ID格納フレームである低速フレームU0を受信すると、即座に折り返しフレームを連送してダウンリンク切り替えを出来るだけ素早く行う運用になっているため、新光ビーコン4Aも、旧車載機2Bとの互換性を維持するため、低速フレームU0の受信完了を契機としてダウンリンク切り替えを即座に行うようになっている。
従って、図8に示すように、高速フレームU1〜U3の送信期間(図8の例ではU3)によっては、その送信中に折り返しフレームが新車載機2Aに到達することがある。
この場合、新車載機2Aが半二重通信方式を採用している場合には、光受信部24に折り返しフレームが届いているにも拘わらず、新光ビーコン4Aが車両IDを認識済みであることを新車載機2Aが察知できない。
また、この場合、図8に破線で示すように、新車載機2Aは、ID格納フレームである低速フレームU0を含む大容量の上りフレーム群U0〜U1を再送信する。
この現象は、ダウンリンク情報に含めるべき車線通知情報以外の提供情報のデータ量が多いほど発生しやすくなる。
その理由は、提供情報のデータ量が多くなるほど、新光ビーコン4Aが繰り返し送信する下りフレームDL2に折り返しフレームを含める頻度が少なくなるため、新車載機2Aがループバックを認識できない確率が高くなるためである。
従って、ダウンリンク切り替え後に定期的(図8の例では5フレームごと)にダウンリンク送信される折り返しフレームについても、上りフレーム群U0〜U3の送信期間と重なるタイミングになって、新車載機2Aが受信できる可能性が低くなることがある。
この場合、上りフレーム群U0〜U3を再送信した後でも、新車載機2Aが折り返しフレームに気付かず、上りフレーム群U0〜U3のアップリンク送信(再送)が無駄に継続されることになる。
そして、新車載機2Aがアップリンク送信するフレーム数が多いほど、折り返しフレームに気付かないままアップリンク領域UAにおいて上りフレーム群U0〜U3の送信が継続される可能性が増すことになる。
従って、より多くのデータを新光ビーコン4Aにアップリンクしようとする新車載機2Aほど、限られた期間(例えば250ms)にしか送信されない下りフレームDL2の受信機会を大幅に喪失したり、極端な場合は、下りフレームDL2を受信できずに通信領域Aを通過したりするという、不合理な結果になるおそれがある。
〔送信中断期間を設ける場合の路車間通信〕
図9は、新車載機2Aが「送信中断期間」を設けて上りフレームUL1,UL2を送信するため、新車載機2AがID確認を成功する場合の路車間通信を示すシーケンス図である。
図9の例では、新車載機2Aが低速フレームU0の後に高速フレームU1〜U3を連送する場合に、最初の低速フレームU0と高速フレームU1の間に「送信中断期間」を設けることにより、上述の問題点を解決している。
この「送信中断期間」は、新車載機2Aが、自機が行う車両IDのループバックの成功を確認するとともに、高速フレームU1の送信の準備をするために必要な所定の時間長に設定される。
例えば、新光ビーコン4AがID格納フレームU0の受信から下りフレームDL2の送信開始までに5〜10m秒程度要すると仮定し、さらに、新車載機2Aが自車の車両IDのループバックを確認し、高速フレームU1の送信を開始するのに必要な遅延時間を10m秒と仮定すれば、送信中断期間は概ね15〜20m秒の範囲で設定すればよい。
かかる送信中断期間を設けることにすれば、ダウンリンク切り替え後に連送される折り返しフレームU0が当該期間中に新車載機2Aの光受信部24に到達し、新車載機2Aは、受信した折り返しフレームU0に含まれる車両IDが自機のものと一致するか否かを判定することにより、車両IDのループバックの成功を確認できる。
上記の確認の後、新車載機2Aは、高速フレームU1〜U3を連送し、その連送が終了したあと、自機の通信を受信に切り替える。
このように、低速フレームU0と高速フレームU1の間に送信中断期間を設ける新車載機2Aによれば、送信中断期間に新光ビーコン4Aから受信した折り返しフレームにより、新光ビーコン4Aが車両IDを認識済みであることを確実に察知することができる。
このため、複数の上りフレームU0〜U3の送信を新車載機2Aが無駄に継続することによる、下りフレームDL2の受信機会の喪失を未然に防止することができる。
送信中断期間を設定する方法としては、車載制御機21が消灯状態を示す信号をその期間中に光送信部23に出力し続ける方法や、その期間の始期に光送信部23の発光素子への電源供給を停止して消灯させ、その期間の終期に発光素子への電源供給を再開して再発光させる方法がある。
また、光信号が光ビーコン4に到達できない程度に、発光素子のパワーを低下させる方法を採用してもよい。このようにすれば、発光素子の再発光時のパワーの復帰を迅速に行え、上りフレームU1の先頭側の同期部の乱れを抑制できるという利点がある。
一方、何らかの原因(車両20のフロントガラスの曇りやワイパーによる遮光等)で、ID格納フレームである低速フレームU0が新光ビーコン4Aに届かなかった場合には、光ビーコン4が折り返しフレームを返して来ないので、新車載機2Aはループバックの成功を確認できない。
そこで、新車載機2Aは、送信中断期間にループバックの成功を確認できなかった場合には、図9に破線で示すように、ID格納フレームである低速フレームU0のみを光送信部23に再送信させ、再送信した低速フレームU0の後を送信中断期間とする。
従って、再送信した低速フレームU0を新光ビーコン4Aが正規に受信できた場合は、上述と同様に、送信中断期間に新光ビーコン4Aから受信した折り返しフレームにより、車両IDのループバックの成功を確認することができる。
図9の例において、最初の上りフレームである低速フレームU0のデータサイズは、できるだけ小さいことが好ましい。例えば、多くとも高速フレームU1〜U3のいずれか1つよりも小さいことが好ましい。
より好ましくは、例えば、低速フレームU0に格納するデータを、車両ID情報、ビーコン間の旅行時間や新車載機2Aが対応するサービス種別等の必要最小限とすることにより、低速フレームU0のデータサイズを、1回の通信で送信する複数の上りフレームU0〜U3の中で最小(例えば、実データ部で5バイト程度)に設定することが好ましい。
その理由は、再送信の可能性がある低速フレームU0のフレーム長が長ければ、その分だけ、低速フレームU0を再送信した場合の、アップリンク送信が可能な残り時間が少なくなり、アップリンク送信する予定の複数の高速フレームU1〜U3のうちの、例えば最後の高速フレームU3が新光ビーコン4Aに正常に到達しなくなる可能性があるからである。
なお、図9の例において、新車載機2Aが、下りフレームDL1や送信中断期間中に受信した下りフレームDL2に含まれるビーコン識別フラグに基づいて、通信相手が高速アップリンク受信に対応する新光ビーコン4Aか非対応の旧光ビーコン4Bかを判定し、その判定結果に応じて、送信中断期間の後に高速フレームU1〜U3を送信するか否かを決定するようにしてもよい。
〔ダウンリンク切り替えを1回行う場合の問題点〕
図8及び図9に示すように、新光ビーコン4Aが、旧光ビーコン4Bと同様に、低速フレームUL1のアップリンク受信に応じた従来通りのダウンリンク切り替えを1回実施すれば、新車載機2Aに対して従来通りのダウンリンクデータ(渋滞情報など)を提供することができる。
しかし、新光ビーコン4Aが従来通りのダウンリンク切り替えしか行わないと、新車載機2Aは、プローブデータなどの大容量のデータを含む高速フレームUL2をアップリンク送信したにも拘わらず、旧車載機2Bと同じダウンリンクデータしか得られない。
従って、新光ビーコン4Aが低速フレームUL1のアップリンク受信に応じたダウンリンク切り替えを1回しか行わないシステムでは、新車載機2Aが、できるだけ多くの高速フレームUL2をアップリンクしようとするインセンティブが働かない。
逆に言うと、プローブデータを高速フレームUL2にてアップリンク送信する新車載機2Aに、その情報提供に見合った信号オフセット情報などの有用な新情報を与えることにすれば、新車載機2Aによる高速フレームUL2の利用が促進される。
そこで、高速フレームUL2でプローブデータをアップリンクする車両20に、信号オフセット情報などの新情報を提供する方策として、新車載機2Aが、高速フレームUL2の送信予定を低速フレームUL1により申告させる「申告方式」が考えられる。
この申告方式の運用は、例えば次のようになる。
1) 新車載機2Aは,高速フレームUL2のアップリンク送信を予定する場合は、低速フレームUL1の「車載機種別」に「6」を格納する。
2) 新車載機2Aは,高速フレームUL2のアップリンク送信の予定がない場合は、低速フレームUL1の「車載機種別」に「6」以外を格納する。
3) 新光ビーコン4Aは、「車載機種別」が「6」の低速フレームUL1を受信すると、信号オフセット情報などの新情報を加えてダウンリンクデータを生成し、ダウンリンク切り替えを行う。
4) 新光ビーコン4Aは、「車載機種別」が「6以外」の低速フレームUL1を受信すると、信号オフセット情報などの新情報を含まない従来情報のみのダウンリンクデータを生成し、ダウンリンク切り替えを行う。
しかし、上記の申告方式では、新車載機2Aの申告を契機として、ダウンリンクデータに新情報を入れるか否かを判定するので、例えば、高速フレームUL2の送信予定がないのに申告を行う偽装的な新車載機2Aに対しても、一律に新情報が提供されることになり、公平性の観点から見て適切な運用とは言えない。
〔第2のダウンリンク切り替えを行う場合の路車間通信〕
図10及び図11は、第2のダウンリンク切り替えを行う場合の路車間通信を示すシーケンス図である。
図10及び図11の例では、低速フレームUL1に基づく「第1のダウンリンク切り替え」(ダウンリンク切替1)に加えて、高速フレームUL2に基づく「第2のダウンリンク切り替え」(ダウンリンク切替2)を行う「ダブル切り替え方式」を採用している。
そして、第2のダウンリンク切り替えの後に送信する下りフレーム群DL2−2に、信号オフセット情報などの第2の提供情報を含める運用とすることにより、上述の申告方式の問題点を解決している。
すなわち、この場合、実際に高速フレームUL2をアップリンク送信した新車載機2Aにのみ第2の提供情報が与えられ、偽装的な新車載機2Aには提供されないので、公平性の観点から見てより適切な運用であると言える。
以下、図10及び図11を参照して、「ダブル切り替え方式」の路車間通信の内容をより具体的に説明する。
図10及び図11において、新光ビーコン4Aは、第1のダウンリンク切り替えを行うための条件として、次の第1の条件を採用し、第2のダウンリンク切り替えを行うための条件として、次の第2の条件を採用している。
第1の条件:低速フレームUL1のアップリンク受信
第2の条件:高速フレームUL2のアップリンク受信
そして、新光ビーコン4Aは、第1の条件が成立すると、通信相手が旧車載機2Bの場合と同様の「第1のダウンリンク切り替え」を行い、折り返しフレームの繰り返し送信の後に、渋滞情報などの第1の提供情報を含む下りフレーム群DL2−1の繰り返し送信を行う。
また、新光ビーコン4Aは、第2の条件が成立すると、「第2のダウンリンク切り替え」を行い、信号オフセット情報などの第2の提供情報を含む下りフレーム群DL2−2の送信を行う。
なお、第2のダウンリンク切り替えの場合には、車線通知情報に車両IDを格納した折り返しフレームの連送を行うことにしてもよいし(図10参照)、行わないことにしてもよいが(図11参照)、この点については後述する。
〔アップリンク受信の検出方法〕
第1の条件の成立は、低速フレームUL1のCRCチェックが正常に行われたことによって検出することができる。
また、第2の条件の成立は、高速フレームUL2が単数の場合は、当該1つの高速フレームUL2のCRCチェックが正常に行われたことによって検出することができる。
しかし、本実施形態において想定する、新車載機2Aが複数の高速フレームUL2をアップリンク送信することを許容する通信規約の場合には、そのうちの所定の高速フレームUL2の受信完了をもって条件成立と見なさない限り、第2の条件が成立する時点を特定できない。
そこで、本実施形態の新光ビーコン4Aは、高速フレームUL2が複数の場合のアップリンク受信の検出方法として、次の検出方法1〜3を行う。
(検出方法1)
検出方法1は、最初に受信できた高速フレームUL2の受信完了を、第2の条件の成立とするものである。
具体的には、新光ビーコン4Aは、低速フレームUL1と同じ車両IDが格納されている高速フレームUL2のCRCチェックが最初に正常となった時点を、複数の高速フレームUL2についてのアップリンク受信と見なす。
検出方法1では、通常、図10に示す先頭フレームU1の受信完了が第2の条件の成立となる。もっとも、先頭フレームU1に通信エラー(フロントガラスの曇りやワイパーによる遮光で光信号が到達しない場合等)があった場合には、第2フレームU2以降の受信完了になり得る。
この検出方法1によれば、第2の条件の成立が最も早期になり、条件成立後に行う第2のダウンリンク切り替えにおいて、データ切り替えまでの処理時間に余裕ができることから、ビーコン制御機7のCPUの処理負荷を軽減できる利点がある。
すなわち、新光ビーコン4Aの処理負荷をできるだけ軽減するには、第2の条件の成立から第2のダウンリンク切り替えの開始までの時間がなるべく長いことが好ましい。
この点、後述の検出方法2では、最終フレームU3の受信完了から第2のダウンリンク切り替えまでの時間を余り長く取れないのに対して、検出方法1では、最終フレームU3ではなく、主に先頭フレームU1の受信完了がトリガーとなるので、切り替えまでの時間を比較的長く取ることができ、CPUの処理負荷を軽減できる。
(検出方法2)
検出方法2は、複数の高速フレームUL2のうちの最終フレームU3の受信完了を、第2の条件の成立とするものである。
具体的には、新光ビーコン4Aは、最終フレームフラグに「1」がセットされている高速フレームUL2(図11の最終フレームU3)を検出した時点を、複数の高速フレームUL2についてのアップリンク受信と見なす。
検出方法2によれば、図11に示すように、新車載機2Aが、第2のダウンリンク切り替え後に連続送信される下りフレームDL2−2を先頭フレームから受信できる。
このように、最終フレームU3の受信完了を第2の条件の成立とすると、新光ビーコン4Aが、それまでに受信した他の高速フレームU1,U2のデータ内容を事前に察知することができる。このため、高速フレームU1〜U3のデータ内容に応じて第2の提供情報の内容を変更するなどの、後述するより詳細な通信制御が可能になるという利点がある。
(検出方法3)
検出方法3は、任意の高速フレームUL2の受信完了からの所定時間T1(図11参照)の経過を、第2の条件の成立と見なすものである。
具体的には、新光ビーコン4Aは、高速フレームUL2の受信が最初に完了(最初のCRCチェックが完了)した時点から、予め定められた固定時間(例えば、35.5m秒)が経過した時点を、第2の条件の成立と見なす。
或いは、新光ビーコン4Aは、高速フレームUL2の受信が最後に完了(最後のCRCチェックが完了)した時点から、予め定められた固定時間(例えば、3.0m秒)が経過した時点を、第2の条件の成立と見なす。
上述の検出方法2では、通信エラーなどで最終フレームU3を取り逃がすと、何時まで経っても第2のダウンリンク切り替えが行われない可能性がある。そこで、検出方法2を採用する場合は、検出方法3を併用することが好ましい。なお、検出方法3のみを採用してもよい。
検出方法3は、高速フレームUL2の送信時間を固定長とする場合に特に有効であり、固定時間の値を高速フレームUL2の送信時間に応じて比較的長めに設定できる。このため、ビーコン制御機7の処理負荷を軽減できるという利点がある。
(検出方法4)
もっとも、検出方法3では、高速フレームUL2の送信時間をデータ量に応じて可変とする実装の場合には、高速フレームUL2の実際の送信時間が、ビーコン側で設定された固定時間よりも小さくても、その固定時間が経過しないと第2の条件が成立せず、高速フレームUL2を用いたダウンリンク切り替えの開始が無駄に遅れる。
そこで、第2の条件の成立を、複数の高速フレームUL2のうち受信完了後の高速フレームUL2に続いて受信し得る、残りの高速フレームUL2のフレーム数から算出可能な予測時間の経過によって判定する方法(検出方法4)を採用してもよい。
上記予測時間は、例えば、高速フレームUL2の総フレーム数から受信済みの高速フレームUL2の数を減算して求まる残フレーム数と、高速フレームUL2の通信速度とから算出することができる。
検出方法4によれば、新光ビーコン4Aが高速フレームUL2の総フレーム数を察知する必要がある。これについては、新車載機2Aが、低速フレームUL1や高速フレームUL2の先頭フレームに高速フレームUL2の総フレーム数を記すことにすればよい。
検出方法4によれば、第2の条件の成立する予測時間を、通信相手が異なるごとに演算する必要があるが、新車載機2Aが送信する高速フレームUL2の数が変動しても、残りの高速フレームUL2のフレーム数に応じて第2の条件の成立時期を正確に算出でき、高速フレームUL2を用いたダウンリンク切り替えを正確に実行できる。
上述の検出方法1〜4は、新光ビーコン4Aにそれぞれ単独で採用することにしてもよいが、検出方法1〜4から選択可能な複数の方法を、1つの新光ビーコン4Aに組み合わせて採用することにしてもよい。
〔ダウンリンクの切り替え処理〕
次に、第2のダウンリンク切り替えにおける、切り替え処理のバリエーションについて説明する。
本実施形態の新光ビーコン4Aが、第2のダウンリンク切り替えの際に採用し得る切り替え処理には、次の切り替え処理1〜3がある。
(切り替え処理1)
切り替え処理1は、第2の条件(高速フレームUL2のアップリンク受信)が成立した場合も、第1のダウンリンク切り替えの場合と同様に、車線通知情報を含む下りフレームDLである折り返しフレームの繰り返し送信を行うものである(図10参照)。
すなわち、新光ビーコン4Aは、折り返しフレームを繰り返し送信してから、第2の提供情報を含めた下りフレーム群DL2−2の送信を行う。
なお、新光ビーコン4Aは、第2の条件の成立から250m秒の経過後には、処理を初期状態に戻し、下りフレームDL1の送信に切り替える。
切り替え処理1によれば、第2のダウンリンク切り替えの処理が、第1のダウンリンク切り替えと同様の処理となるので、ビーコン制御機7に対するソフトウェアの実装が簡単になるという効果がある。
(切り替え処理2)
しかし、第1のダウンリンク切り替えの際に実行される折り返しフレームの繰り返し送信により、車載機2に対する車両IDのループバックが完了することが多いので、第2のダウンリンク切り替えの際に同じ繰り返し送信を行わなくてもさほど問題はないと考えられる。
そこで、図11に示すように、第2のダウンリンク切り替えでは、折り返しフレームの繰り返し送信を伴わない「切り替え処理2」を行うことにしてもよい。
切り替え処理2によれば、第2の条件(高速フレームUL2の受信完了)に応じた折り返しフレームの繰り返し送信が行われないため、余り必要とは言えない下りフレームDLの繰り返し送信による無駄な通信時間を省けるので、その他の有用な下りフレームDLの送信機会が奪われるのを防止することができる。
なお、新光ビーコン4Aは、切り替え処理2の場合も、第2の条件の成立から250m秒の経過後には、処理を初期状態に戻し、下りフレームDL1の送信に切り替える。
(切り替え処理3)
図12は、切り替え処理3の内容を示す説明図である。
図12の凡例に示す通り、「D」は、第1のダウンリンク切り替え前のデータ(下りフレーム群DL1のダウンリンクデータ)を示し、「C」は、車両IDを含む車線通知情報の連続送信(折り返しフレームの繰り返し送信)を示す。
また、「D1」は、第1のダウンリンク切り替え後に提供されるデータ(第1の提供情報)であり、「D2」は、第2のダウンリンク切り替え後にのみ提供されるデータ(第2の提供情報)である。
図12に示すように、本実施形態の新光ビーコン4Aは、第1のダウンリンク切り替え後の下りフレーム群DL2−1には、第1の提供情報D1のみを含め、第2のダウンリンク切り替え後の下りフレーム群DL2−2には、第1の提供情報D1と第2の提供情報D2を含める。
図12の矢印に示すように、切り替え処理3は、高速フレームUL2のアップリンク受信を検出したら、即座に下りフレーム群DL2−2に切り替えるのではなく、その検出時に送信中の下りフレーム群DL2−1の送信を済ませてから、下りフレーム群DL−2の送信を開始するものである。
すなわち、この場合の新光ビーコン4Aは、下りフレーム群DL2−2の送信開始時点を、高速フレームUL2のアップリンク受信時から見て今回以降となる下りフレーム群DL2−1のダウンリンクサイクルの終了時点に設定する。
ここで、「ダウンリンクサイクル」とは、光ビーコン4がダウンリンク切り替え後に繰り返し送信する所定数の下りフレームよりなる、一塊の下りフレーム群DLの送信時間のことをいう。
1つの下りフレーム群DLに含めるフレーム数は可変(通信規約上は、最大79フレーム)であり、光ビーコン4のビーコン制御機7は、ダウンリンクすべき提供情報のデータ量に応じて、下りフレーム群DLを構成するフレーム数を決定し、決定した数の各下りフレームDLにそれぞれ区分けして提供情報を格納する。
従って、切り替え処理3の場合は、図12の上段と下段に分けて示すように、下りフレーム群DL2−2の送信開始が下りフレーム群DL2−1のフレーム数によって変動し、下りフレーム群DL2−1の今回のサイクルの終了時点tmとなったり、次回のサイクルの開始時点tnとなったりする。
例えば、図12の上段側の場合は、ダウンリンクする下りフレーム数が多く、アップリンク受信から今回サイクルの終了時点tmまでの時間が処理遅延Tdを超えているので、その終了時点tmに下りフレーム群DL2−2の送信が開始される。
一方、図12の下段側の場合は、ダウンリンクする下りフレーム数が少なく、アップリンク受信から今回サイクルの終了時点tmまでの時間が処理遅延Tdを超えていないので、次回のダウンリンクサイクルの終了時点tnに、下りフレーム群DL2−2の送信が開始される。
切り替え処理3によれば、第2の条件の成立(高速フレームUL2の受信)から、実際に下りフレーム群DL2−2の送信を開始するまでに時間的な余裕ができ易く、ビーコン制御機7の処理負荷を軽減できるという利点がある。
上記の通り、切り替え処理3の趣旨は、下りフレーム群DL2−2の送信開始について時間的な余裕を確保することである。
従って、下りフレーム群DL2−2の送信開始時点は、必ずしも厳密に下りフレームDL2−1のダウンリンクサイクルの終了時点tm,tnに合わせ込む必要はなく、その終了時点tm,tn以降であればよい。
図12の「データ配列1」に示すように、1回のダウンリンクサイクルで送信する下りフレーム群DL2−2の前半側に、第2の提供情報D2を含めることが好ましい。
このようにすれば、通信規約で必要とされる回数である、2回分以上のダウンリンク送信を第2の提供情報D2について確保できる可能性を高めることができる。なお、第2の提供情報D2の前半側への配置は、その情報D1を、「サブシステム情報」の前後に配置することによって実現できる。
なお、下りフレーム群DL2−2の「前半側」とは、下りフレーム群DL2−2の先頭フレームから中央に位置するフレームまでの範囲のことをいう。従って、例えば79フレームの下りフレーム群DL2−2での場合には、先頭フレームから40フレームまでが前半側となる。
また、図12の「データ配列2」に示すように、1回のダウンリンクサイクルで送信する下りフレーム群DL2−2に、第2の提供情報D2を少なくとも2回含めることにしてもよい。
このようにすれば、通信規約で必要とされる回数である、2回分以上のダウンリンク送信を第2の提供情報D2について確実に確保することができる。なお、この場合の複数回の第2の提供情報D2は、図示のように離れて配置してもよいし、連続させてもよい。
〔信号オフセット情報等の提供方法〕
高速フレームUL2の受信を条件とした2回目のダウンリンク切り替えにより、信号オフセット情報などの第2の提供情報を提供する運用としても、例えば、常に1つの高速フレームUL2にて1つの軌跡分のプローブデータしかアップリンクしない、半偽装的な新車載機2Aに対してもすべて情報提供すると、測定できた分のプローブデータを愚直にアップリンクする新車載機2Aとの公平性を欠くことになる。
そこで、新車載機2Aの公平性を担保するため、複数の高速フレームUL2の内容に応じて、第2の提供情報の内容(例えば、信号オフセット情報の場合にはその「詳細レベル」)を変更したり、第2の提供情報を提供するか提供しないかを判定したりする提供方法を採用することが望ましい。かかる提供方法には、例えば次の提供方法1〜4が考えられる。
(提供方法1)
提供方法1は、第2の提供情報が信号オフセット情報である場合に、高速フレームUL2の「総フレーム数」に応じて、当該情報の詳細レベルを変更するものである。
具体的には、新光ビーコン4Aは、高速フレームUL2の総フレーム数(例えば、最大で16フレーム)が規定フレーム数(例えば、3フレーム)未満であれば、交差点数の少ない簡易な信号オフセット情報(例えば、2交差点分の当該情報)を提供し、規定フレーム数以上であれば、フルバージョンの信号オフセット情報(例えば、5交差点分の当該情報)を提供する。
上記の規定フレーム数は、すべての新光ビーコン4Aで共通の値に設定してもよいし、地点ごとに固有値に設定してもよい。固有値とする場合は、当該光ビーコン4の上流の光ビーコン4までの距離に見合う、高速フレームUL2のフレーム数に応じて設定することが好ましい。
なお、交通管制センターの中央装置3と通信可能な光ビーコン4の場合は、中央装置3からの通信により規定フレーム数を指定すればよい。
また、提供方法1を採用する場合は、実際にアップリンクされた複数の高速フレームUL2のフレーム数を特定する必要があるので、アップリンク受信の検出方法として、前述の「検出方法2」を採用する必要がある。
提供方法1によれば、高速フレームUL2のデータ内容を読み取る必要がないので、その読み取りが必要となる次の提供方法2及び3に比べて、処理が容易である。
(提供方法2)
提供方法2は、第2の提供情報が信号オフセット情報である場合に、高速フレームUL2の「フレームサイズ」に応じて、当該情報の詳細レベルを変更するものである。
具体的には、新光ビーコン4Aは、最終フレームを除く、いずれかの高速フレームUL2のフレームサイズが規定サイズ未満であれば、交差点数の少ない簡易な信号オフセット情報を提供し、規定サイズ以上であれば、フルバージョンの信号オフセット情報を提供する。
上記の規定サイズは、すべての新光ビーコン4Aで共通の値に設定してもよいし、地点ごとに固有値としてもよい。
なお、交通管制センターの中央装置3と通信可能な光ビーコン4の場合は、中央装置3からの通信により規定サイズを指定すればよい。
また、提供方法2を採用する場合は、実際にアップリンクされた各高速フレームUL2のフレームサイズを特定する必要があるので、この場合も、アップリンク受信の検出方法として、前述の「検出方法2」を採用する必要がある。
提供方法2によれば、高速フレームUL2のフレームサイズを読み取る必要があるので、提供方法1よりも処理が複雑になるが、プローブデータの軌跡数を特定する必要がある次の提供情報3よりは処理が容易である。
(提供方法3)
提供方法3は、第2の提供情報が信号オフセット情報である場合に、高速フレームUL2に含まれるプローブデータの「総軌跡数」に応じて、当該情報の詳細レベルを変更するものである。
具体的には、新光ビーコン4Aは、総軌跡数が規定軌跡数未満であれば、交差点数の少ない簡易な信号オフセット情報を提供し、規定軌跡数以上であれば、フルバージョンの信号オフセット情報を提供する。
上記の規定軌跡数は、すべての新光ビーコン4Aで共通の値に設定してもよいし、地点ごとに固有値に設定してもよい。固有値とする場合は、当該光ビーコン4の上流の光ビーコン4までの距離に見合う、高速フレームUL2のフレーム数に応じて設定することが好ましい。
なお、交通管制センターの中央装置3と通信可能な光ビーコン4の場合は、中央装置3からの通信により規定軌跡数を指定すればよい。
また、提供方法3を採用する場合は、実際にアップリンクされた複数の高速フレームUL2に含まれるプローブデータから軌跡数を特定する必要があるので、この場合も、アップリンク受信の検出方法として、前述の「検出方法2」を採用する必要がある。
提供方法3によれば、プローブデータの軌跡数を特定する必要があるので、提供方法2よりも更に処理が複雑になるが、実際にアップリンクされた軌跡数に基づく判定となるため、提供方法1及び2に比べてより正確な判定が可能となる。
なお、アップリンクデータをサイズダウンさせる目的で、高速フレームUL2の中身が圧縮されている場合がある。この場合、所定の解凍ロジックでデータを解凍しないと総軌跡数を容易に確認できない恐れがあり、これでは提供方法3の処理ができなくなる。
従って、提供方法3を採用する場合には、新車載機2Aが高速フレームUL2に含めるアップリンクデータを圧縮する際に、「軌跡数」については非圧縮とし、それ以外のデータを圧縮する規約を採用することが好ましい。
上記の提供方法1〜3では、第2の提供情報が信号オフセット情報である場合を想定して、その詳細レベルを変更するようにしているが、「第2の提供情報」に関する「内容の変更」は、それに限られるものでなく、車側のアップリンク量に応じてダウンリンク情報の内容を実質的に変化させ得る、情報内容の追加・変更・削除が含まれる。
(提供方法4)
上述の提供方法1〜3は、高速フレームUL2又はそのデータ内容(具体的には、総フレーム数、フレームサイズ、高速フレームUL2中のプローブデータの総軌跡数)が、所定の条件を満たさない場合は、満たす場合よりも詳細レベルを落とした信号オフセット情報を提供するというものであるが、高速フレームUL2又はそのデータ内容が所定の条件を満たさない場合は、信号オフセット情報そのものをダウンリンクしない、すなわち、第2のダウンリンク切り替えを実行しないという実装を採用することにしてもよい。
例えば、所定の条件の正否を「総フレーム数」で判定する場合は、高速フレームUL2の総フレーム数(例えば、最大16フレーム)が規定フレーム数(例えば、3フレーム)未満であれば、第2のダウンリンク切り替えを実行しないことにすればよい。
また、所定の条件の正否を「フレームサイズ」で判定する場合は、最終フレームを除く、いずれかの高速フレームUL2のフレームサイズが規定サイズ未満であれば、第2のダウンリンク切り替えを実行しないことにすればよい。
更に、所定の条件の正否をプローブデータの「総軌跡数」で判定する場合は、1又は複数の高速フレームUL2にて新車載機2Aがアップリンクしてきた総軌跡数が、規定軌跡数未満であれば、第2のダウンリンク切り替えを実行しないことにすればよい。
なお、所定の条件の規定値(閾値)をどの程度に設定するかにもよるが、例えば、所定の条件を満たさないときは、高速フレームUL2のアップリンク送信自体がされていないと同視できるような場合には、上記の提供方法4のような実装を行っても、特に差し支えないと考えられる。
〔複数車線の場合のダウンリンク切り替え〕
図13は、複数の新車載機2Aが別の車線R1,R2で新光ビーコン4Aと通信する場合の、ダウンリンク切り替えの説明図である。
図13の凡例において、「D」、「C」及び「D1」は、図12の場合と同様である。「D2a」は、車線R1を通行する車両20(車両IDa)の新車載機2Aについての、第2のダウンリンク切り替え後にのみ提供されるデータ(第2の提供情報)であり、「D2b」は、車線R2を通行する車両20(車両IDb)の新車載機2Aについての、第2のダウンリンク切り替え後にのみ提供されるデータ(第2の提供情報)である。
図13の例では、車線R1を通行する車両20(車両IDa)の新車載機2A(以下、「先行車載機」ともいう。)が、先行して通信領域Aに進入し、第2のダウンリンク切り替え後の下りフレーム群D2−2を受信していたところ、その最中に、車線R2を通行する車両20(車両IDb)の新車載機2A(以下、「後続車載機」ともいう。)が、通信領域Aに進入し、同じ新光ビーコン4Aとの間で路車間通信を開始するタイミングとなる場合を想定している。
ここで、新光ビーコン4Aは、低速フレームUL1のアップリンク受信から所定時間T(=350m秒)以内に新たな低速フレームUL1を受信しない場合には、ダウンリンクを下りフレームUL1に切り替えて初期状態に戻る。
従って、上記想定が成立するためには、先行車載機の低速フレームUL1のアップリンク受信から所定時間T以内に、後続車載機の低速フレームUL1のアップリンク受信が検出されることが条件となる。
図13の通信タイミングを箇条書きに纏めると、新光ビーコン4Aは、下記のa)〜d)の順序でそれぞれのアップリンク受信を検出することになる。
a) 車線R1のビーコンヘッド8にて検出される、車両IDaを含む低速フレームUL1のアップリンク受信
b) 車線R1のビーコンヘッド8にて検出される、車両IDaを含む高速フレームUL2のアップリンク受信
c) 車線R2のビーコンヘッド8にて検出される、車両IDbを含む低速フレームUL1の、a)から所定時間T内におけるアップリンク受信
d) 車線R2のビーコンヘッド8にて検出される、車両IDbを含む高速フレームUL2のアップリンク受信
なお、図13の例では、高速フレームUL2のアップリンク受信を検出すると、第2のダウンリンク切り替えを即座に行うが、車線通知情報の連続送信Cを行わない場合(前述の「切り替え処理2」)を想定している。
(パターン1)
図13に示す「パターン1」は、新光ビーコン4Aが、上記のc)を条件として新たに第1のダウンリンク切り替えを行い、上記のd)を条件として新たに第2のダウンリンク切り替えを行うものである。
すなわち、新光ビーコン4Aは、後続の車両IDbの低速フレームUL1のアップリンク受信を契機として、先行の車両IDaについての路車間通信をすべてキャンセルする、いわゆる後勝ちの処理を行う。
パターン1によれば、車両IDaの先行車載機のための第2の提供情報D2aが、上記のc)までしか提供されなくなり、先行車載機にとっては不合理となり得る。
しかし、どの車線R1〜R4のビーコンヘッド8に対しても、通常通りの第1及び第2のダウンリンク切り替えを行えば足りるので、ビーコン制御機7に設定する制御ロジックが簡単になり、ソフトウェアの実装が容易になるという利点がある。
(パターン2)
図13に示す「パターン2」は、新光ビーコン4Aが、上記のc)及びd)に関係なく、上記のb)に対応するダウンリンクデータ(D1+D2a)を含む下りフレーム群DL2−2の送信を続けるものである。
もっとも、上記のc)に対応する車線通知情報の連続送信Cは行われる。この連続送信Cを行わないと、新光ビーコン4Aが後続車載機を認識済みであることを当該後続車載機に通知できず、後続車載機がアップリンク送信を行い続けるからである。
パターン2によれば、車両IDaの先行車載機のための第2の提供情報D2aが、上記のc)以後も提供され続け、車両IDbの後続車載機にも提供される。従って、双方の新車載機2Aに、第2の提供情報D2aを確実に提供できるという利点がある。
なお、第2の提供情報D2aが信号オフセット情報のような動的情報である場合には、先行車載機用の提供情報D2aは後続車載機にとっては僅かに古い情報であるが、100m秒オーダの遅延に過ぎないので特に問題はないと考えられる。
(パターン3)
図13に示す「パターン3」は、新光ビーコン4Aが、上記のd)を条件とする第2のダウンリンク切り替えを行うまで、上記のb)に対応するダウンリンクデータ(D1+D2a)の下りフレーム群DL2−2の送信を続けたあと、上記のd)に対応するダウンリンクデータ(D1+D2b)の送信に切り替えるものである。
この場合、車両IDaの先行車載機のための第2の提供情報D2aが、上記のd)まで提供され、車両IDbの後続車載機のための第2の提供情報D2bが、上記のd)以降に提供される。
パターン3によれば、先行車載機に対しては、後続車載機からの高速アップリンク受信を検出するまで、第2の提供情報D2aの送信時間を延ばすことができ、後続車載機に対しては、最新の第2の提供情報D2bを提供することができる。このため、両車両20に折衷した妥当な情報提供を行うことができる。
〔複数車線の場合のダウンリンク切り替えの変形例〕
図14は、複数の新車載機2Aが別の車線R1,R2で新光ビーコン4Aと通信する場合の、ダウンリンク切り替えの変形例を示す説明図である。
図14の変形例が図13の例と異なる点は、新光ビーコン4Aが、第2のダウンリンク切り替えにおける切り替え処理として、前述の「切り替え処理3」(送信中の下りフレーム群DL2−1の送信を済ませてから、下りフレーム群DL−2の送信を開始する処理)を採用している点にある。
このため、図14の変形例では、各パターン1〜3において、各車線R1,R2で検出される高速フレームUL2の受信完了と、提供情報D2a又はD2bを含む下りフレーム群DL2−2の送信開始時点との間に、タイムラグΔtが存在している。
なお、その他の点は図13の例と同様であるから、図14に示す各パターン1〜3の場合も、図13に示す各パターン1〜3と同様の作用効果が得られる。
〔ダウンリンクデータの作成方式〕
上述の実施形態のように、低速フレームUL1及び高速フレームUL2のアップリンク受信に対応してそれぞれダウンリンク切り替えを行う場合の、ダウンリンクデータの作成方式の1つとして、例えば、ビーコン制御機7のCPUが、低速フレームUL1の受信を契機としたダウンリンクデータD1の作成だけでなく、高速フレームUL2の受信を契機としたダウンリンクデータ(D1+D2)の作成についても、高速フレームUL2の受信を検出した場合に事後的に行ってメモリに記憶する方式(以下、「事後作成方式」という。)とすることが考えられる。
しかし、事後作成方式では、高速フレームUL2の受信を検出した時点でダウンリンクデータ(D1+D2)の作成を始めからやり直すことになり、1回の路車間通信で低速フレームUL1の後に高速フレームUL2を送信する新車載機2Aと通信する場合には、ビーコン制御機7のCPUは、ダウンリンクデータの作成を必ず2回行わねばならない。
このため、CPUの処理遅延が発生し易く、特に高速フレームUL2に対応するダウンリンクデータ(D1+D2)を適切なタイミングで送信できなくなる可能性がある。
そこで、高速フレームUL2のアップリンク受信を検出する前から、その受信を検出した場合に必要となるダウンリンクデータ(D1+D2)を予め作成してメモリに記憶しておく方式(以下、「先行作成方式」という。)を採用し、その後、高速フレームUL2のアップリンク受信を実際に検出した場合に、記憶したダウンリンクデータ(D1+D2)を送信することが好ましい。
このようにすれば、高速フレームUL2の受信を検出した後にダウンリンクデータ(D1+D2)の作成を開始する場合に比べて、作成時期を早めることができ、ダウンリンクデータD1とダウンリンクデータ(D1+D2)を同時並行的に作成できる。
従って、高速フレームUL2に対応するダウンリンクデータ(D1+D2)の作成を、高速フレームUL2の受信を検出した後に開始する事後作成方式に比べて、CPUの処理遅延が発生し難くなり、ダウンリンクデータ(D1+D2)の送信タイミングが遅延するのを未然に防止できるという利点がある。
(先行作成方式の具体例1)
図15は、先行作成方式によるダウンリンクデータの作成タイミングの具体例を示す説明図である。
図15では、図13の「パターン2」の場合において、ビーコン制御機7のCPUが行うダウンリンクデータの作成タイミングの具体例を示している。
図15中の「データ作成期間1」は、ビーコン制御機7が、ダウンリンクデータD1用の送信バッファB1とダウンリンクデータ(D1+D2)用の送信バッファB2を個別に有する場合における、ダウンリンクデータの作成可能期間である。
また、図15中の「データ作成期間2」は、ビーコン制御機7が、ダウンリンクデータD1とダウンリンクデータ(D1+D2)とで同じ送信バッファBを共用する場合における、ダウンリンクデータの作成可能期間である。
ビーコン制御機7は、ソフトウェアで動作するプログラム制御の「CPU」と、所定のデータを記憶する「メモリ」(上記送信バッファを含む。)と、ワイヤードロジックで動作して光送信部10のダウンリンク送信を制御する「通信IC」とを含む。
通信ICは、CPUの制御信号に応じて送信バッファ内のデータを送信する。CPUは、「UL2受信フラグ」を管理しており、高速フレームUL2の受信を検出するとそのフラグをオンにし(例えば、値を「1」に設定)、低速フレームUL1を検出した場合や所定時間が経過した場合にそのフラグをオフに戻す(例えば、値を「0」に設定)。なお、「UL2受信フラグ」の管理を通信ICが行ってもよい。
図15の「データ作成期間1」に示すように、ビーコン制御機7が専用の2種類の送信バッファB1,B2を有する場合には、ビーコン制御機7のCPUは、低速フレームUL1のアップリンク受信を契機としてダウンリンクデータD1の作成を開始する。
CPUは、ダウンリンクデータD1の作成については、遅くとも車線通知情報の連続送信Cの完了(=ダウンリンクデータD1の送信開始時点:以下同様。)までに終了し、作成したダウンリンクデータD1を送信バッファB1に格納する。
また、ビーコン制御機7のCPUは、低速フレームUL1のアップリンク受信を検出すると、高速フレームUL2のアップリンク受信の検出如何に関係なく、ダウンリンクデータ(D1+D2a)の作成も開始する。
CPUは、ダウンリンクデータ(D1+D2a)の作成については、遅くとも高速フレームUL2のアップリンク受信を検出するまでに終了し、作成したダウンリンクデータ(D1+D2a)を送信バッファB2に格納する。
CPU(通信ICがフラグを管理する場合は、当該通信IC)は、高速フレームUL2のアップリンク受信を実際に検出すると、UL2受信フラグをオンにする。
通信ICは、UL2受信フラグが「オフ」の場合は、ダウンリンクデータD1用の送信バッファB1からデータを読み出して、光送信部10にダウンリンク送信を行わせ、UL2受信フラグが「オン」の場合は、ダウンリンクデータ(D1+D2)用の送信バッファB2からデータを読み出して、光送信部10にダウンリンク送信を行わせる。
図15の「データ作成期間2」に示すように、1つの送信バッファBを共用する場合には、ビーコン制御機7のCPUは、低速フレームUL1の受信を契機として、高速フレームUL2に対応するダウンリンクデータ(D1+D2a)の作成を開始する。
CPUは、ダウンリンクデータ(D1+D2a)の作成を、遅くとも車線通知情報の連続送信Cが完了するまでに終了し、作成したダウンリンクデータ(D1+D2a)を送信バッファBの所定の格納領域にそれぞれ格納する。
図15の例では、ダウンリンクデータD2の格納領域が、送信バッファBの先頭側に設定されており、ダウンリンクデータD2の後の領域がダウンリンクデータD1の格納領域となっている。
そこで、CPUは、ダウンリンクデータD2については、送信バッファBの先頭からデータ量に応じた所定のアドレス値までに格納し、ダウンリンクデータD1については、その所定のアドレス値の次のアドレス値以後に格納する。
CPU(通信ICがフラグを管理する場合は、当該通信IC)は、高速フレームUL2のアップリンク受信を実際に検出すると、UL2受信フラグをオンにする。
通信ICは、UL2受信フラグが「オフ」の場合は、送信バッファBの所定のアドレス値の次のアドレス値以後からデータを読み出して、光送信部10にダウンリンク送信を行わせ、UL2受信フラグが「オン」の場合は、送信バッファBの先頭からデータを読み出して、光送信部10にダウンリンク送信を行わせる。
なお、図15のデータ作成期間2において、ダウンリンクデータ(D1+D2a)の作成終了時点が、車線通知情報の連続送信Cの終了時点となっている理由は、共用する送信バッファBに格納するすべてのダウンリンクデータ(D1+D2a)の内容が、ダウンリンクデータD1の送信開始までに定まっている必要があるからである。
上記の通り、図15の先行作成方式によれば、高速フレームUL2に対応するダウンリンクデータ(D1+D2a)の作成を、高速フレームUL2の受信を検出する前に予め行うことから、高速フレームUL2の受信を契機としてダウンリンクデータ(D1+D2a)の作成を開始する場合(前述の「事後作成方式」の場合)に比べて、その作成に伴うCPUの処理遅延が発生し難く、ダウンリンクデータ(D2+D2a)の送信タイミングが遅延するのを防止することができる。
なお、図15では、図13の「パターン2」を例にとって、先行作成方式の具体例を説明したが、図13の「パターン1」及び「パターン3」の場合や、1つの車線R1を通過する1つの新車載機2Aと通信するだけの場合も、上記と同様の先行作成方式を採用することができる。
(先行作成方式の具体例2)
図16は、先行作成方式によるダウンリンクデータの作成タイミングの他の具体例を示す説明図である。
図16では、図14の「パターン2」の場合において、ビーコン制御機7のCPUが行うダウンリンクデータの作成タイミングの具体例を示している。
図16中の「データ作成期間1」も、ビーコン制御機7が、ダウンリンクデータD1用の送信バッファB1とダウンリンクデータ(D1+D2)用の送信バッファB2を個別に有する場合における、ダウンリンクデータの作成可能期間である。
また、図16中の「データ作成期間2」も、ビーコン制御機7が、送信バッファBを1つだけ有しており、ダウンリンクデータD1とダウンリンクデータ(D1+D2)とで同じ送信バッファBを共用する場合における、ダウンリンクデータの作成可能期間である。
図16の先行作成方式が図15のそれと異なる点は、2つの送信バッファB1,B2がある場合の「データ作成期間1」において、ダウンリンクデータ(D1+D2a)の作成終了時点が、ダウンリンクデータD1の送信完了時点までに延長可能な点にある。
すなわち、ビーコン制御機7のCPUは、低速フレームUL1のアップリンク受信を契機として、ダウンリンクデータ(D1+D2a)の作成を開始するが、既に送信中のダウンリンクデータD1の送信完了までに、そのデータ(D1+D2a)の作成を終了する。
換言すると、CPUは、ダウンリンクデータ(D1+D2a)の作成が可能な終了時点を、高速フレームUL2のアップリンク受信時から見て今回以後となる、下りフレーム群DL2−1のダウンリンクサイクルの終了時点に設定する。
なお、図16の先行作成方式のその他の内容は、図15の先行作成方式の場合と同様である。従って、図16の先行作成方式は、図15の先行作成方式と同様の作用効果を奏する。
〔その他の変形例〕
今回開示した実施形態(上述の各変形例を含む。)はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上述の実施形態において、新車載機2Aが行う複数の高速フレームU1〜U3の連続送信(繰り返し送信)についても、各フレーム間に所定時間長のインターバルを設けてバースト送信する場合が含まれる。
また、本明細書において、「車載機」とは、車両20に搭載されたあと常にその状態に固定されるものを含むことは勿論、ドライバが利用したい時だけ車両20に持ち込まれ、一時的に車両20に搭載されるものも含まれる。
2 車載機
2A 新車載機
2B 旧車載機
4 光ビーコン
4A 新光ビーコン
4B 新光ビーコン
7 ビーコン制御機(通信制御部)
8 ビーコンヘッド
10 光送信部
11 光受信部
20 車両
21 車載制御機(通信制御部)
22 車載ヘッド
23 光送信部
24 光受信部

Claims (24)

  1. 走行中の車両の車載機と光信号による無線通信を行う光ビーコンであって、
    高低2種類の伝送速度での光電気変換が可能な光受信部と、
    所定の伝送速度での電気光変換が可能な光送信部と、
    下記の2種類のダウンリンク切り替えを実行可能な通信制御部と、を備えていることを特徴とする光ビーコン。
    第1のダウンリンク切り替え:低速フレームのアップリンク受信を条件として、その後に送信する第1の下りフレーム群に、第1の提供情報を格納した下りフレームを含めるダウンリンク切り替え
    第2のダウンリンク切り替え:高速フレームのアップリンク受信を条件として、その後に送信する第2の下りフレーム群に、第2の提供情報を格納した下りフレームを含めるダウンリンク切り替え
  2. 前記車載機が複数の前記高速フレームをアップリンク送信することを許容する通信規約の場合には、
    前記高速フレームのアップリンク受信は、複数の前記高速フレームのうちの所定の前記高速フレームの受信完了である請求項1に記載の光ビーコン。
  3. 所定の前記高速フレームの受信完了は、最初に受信できた前記高速フレームの受信完了である請求項2に記載の光ビーコン。
  4. 所定の前記高速フレームの受信完了は、複数の前記高速フレームのうちの最終フレームの受信完了である請求項2に記載の光ビーコン。
  5. 前記高速フレームのアップリンク受信には、最初に受信できた前記高速フレームの受信完了からの所定時間の経過、又は、最後に受信できた前記高速フレームの受信完了からの所定時間の経過、若しくはそれらの双方の経過を含む請求項4に記載の光ビーコン。
  6. 前記車載機が複数の前記高速フレームをアップリンク送信することを許容する通信規約の場合には、
    前記高速フレームのアップリンク受信は、複数の前記高速フレームのうちの所定の前記高速フレームの受信完了からの所定時間の経過である請求項1に記載の光ビーコン。
  7. 所定の前記高速フレームは、最初に受信できた前記高速フレームである請求項6に記載の光ビーコン。
  8. 前記通信制御部は、第2のダウンリンク切り替え時点を、前記高速フレームのアップリンク受信時から見て今回以後となる前記第1の下りフレーム群のダウンリンクサイクルの終了時点以降に設定する請求項1〜7のいずれか1項に記載の光ビーコン。
  9. 前記通信制御部は、前記第1フレーム群の送信においては、これに先だって、車線通知情報を含む折り返しフレームの繰り返し送信を行い、前記第2フレーム群の送信においては、これに先立つ前記折り返しフレームの繰り返し送信を行わない請求項1〜8のいずれか1項に記載の光ビーコン。
  10. 前記通信制御部は、前記第1フレーム群の送信においては、これに先だって、車線通知情報を含む折り返しフレームの繰り返し送信を行い、前記第2フレーム群の送信においても、これに先立って、前記折り返しフレームの繰り返し送信を行う請求項1〜8のいずれか1項に記載の光ビーコン。
  11. 前記通信制御部は、前記第2の下りフレーム群に前記第2の提供情報を複数回含める請求項1〜10のいずれか1項に記載の光ビーコン。
  12. 前記通信制御部は、前記第2の下りフレーム群の前半側に前記第2の提供情報を含める請求項1〜11のいずれか1項に記載の光ビーコン。
  13. 下記のa)〜d)の順序でそれぞれのアップリンク受信を検出した場合には、
    前記通信制御部は、下記のc)及びd)に関係なく、下記のb)に対応する前記第2の下りフレーム群の送信を続ける請求項1〜12のいずれか1項に記載の光ビーコン。
    a) 第1の車両IDを含む低速フレームのアップリンク受信
    b) 第1の車両IDを含む高速フレームのアップリンク受信
    c) 第2の車両IDを含む低速フレームの、a)から所定時間内におけるアップリンク受信
    d) 第2の車両IDを含む高速フレームのアップリンク受信
  14. 下記のa)〜d)の順序でそれぞれのアップリンク受信を検出した場合には、
    前記通信制御部は、下記のd)を条件とする第2のダウンリンク切り替えを行うまで、下記のb)に対応する前記第2の下りフレーム群の送信を続けたあと、下記のd)に対応する前記第2の下りフレーム群の送信を行う請求項1〜12のいずれか1項に記載の光ビーコン。
    a) 第1の車両IDを含む低速フレームのアップリンク受信
    b) 第1の車両IDを含む高速フレームのアップリンク受信
    c) 第2の車両IDを含む低速フレームの、a)から所定時間内におけるアップリンク受信
    d) 第2の車両IDを含む高速フレームのアップリンク受信
  15. 下記のa)〜d)の順序でそれぞれのアップリンク受信を検出した場合には、
    前記通信制御部は、下記のc)を条件として新たに第1のダウンリンク切り替えを行い、下記のd)を条件として新たに第2のダウンリンク切り替えを行う請求項1〜12のいずれか1項に記載の光ビーコン。
    a) 第1の車両IDを含む低速フレームのアップリンク受信
    b) 第1の車両IDを含む高速フレームのアップリンク受信
    c) 第2の車両IDを含む低速フレームの、a)から所定時間内におけるアップリンク受信
    d) 第2の車両IDを含む高速フレームのアップリンク受信
  16. 前記通信制御部は、前記高速フレーム又はそのデータ内容が所定の条件を満たすか否かに応じて、前記第2の下りフレーム群に含める前記第2の提供情報の内容を変更する請求項1〜15のいずれか1項に記載の光ビーコン。
  17. 前記車載機が複数の前記高速フレームをアップリンク送信することを許容する通信規約の場合には、
    前記通信制御部は、前記高速フレームの総フレーム数と規定フレーム数との比較結果に応じて、前記第2の下りフレーム群に含める前記第2の提供情報の内容を変更する請求項16に記載の光ビーコン。
  18. 前記通信制御部は、前記高速フレームに含まれるプローブデータの軌跡数と規定軌跡数との比較結果に応じて、前記第2の下りフレーム群に含める前記第2の提供情報の内容を変更する請求項16に記載の光ビーコン。
  19. 前記車載機が複数の前記高速フレームをアップリンク送信することを許容する通信規約の場合には、
    前記通信制御部は、最後の前記高速フレーム以外のフレームサイズと規定サイズとの比較結果に応じて、前記第2の下りフレーム群に含める前記第2の提供情報の内容を変更する請求項16に記載の光ビーコン。
  20. 前記通信制御部は、前記高速フレーム又はそのデータ内容が所定の条件を満たさない場合には、第2のダウンリンク切り替えを実行しない請求項1〜15のいずれか1項に記載の光ビーコン。
  21. 前記第2の提供情報は、系統制御されている隣接交差点間での青信号の開始時点のずれを車側で特定可能な形式で表現した、信号オフセット情報である請求項1〜20に記載の光ビーコン。
  22. 前記通信制御部は、前記高速フレームのアップリンク受信時から見て今回以後となる前記第1の下りフレーム群のダウンリンクサイクルの終了時点までに、前記第2の下りフレーム群に含めるダウンリンクデータの作成を完了する請求項1〜21のいずれか1項に記載の光ビーコン。
  23. 前記通信制御部は、前記高速フレームのアップリンク受信までに、前記第2の下りフレーム群に含めるダウンリンクデータの作成を完了する請求項1〜21のいずれか1項に記載の光ビーコン。
  24. 前記第1の下りフレーム群に含めるダウンリンクデータを格納するメモリと、前記第2の下りフレーム群に含めるダウンリンクデータのメモリとを共用する場合には、
    前記通信制御部は、前記第1の下りフレーム群の送信開始までに、前記第2の下りフレーム群に含めるダウンリンクデータの作成を完了する請求項22又は23に記載の光ビーコン。
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