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JP2018055547A - 光ビーコン及び車載機 - Google Patents

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JP2018055547A
JP2018055547A JP2016193218A JP2016193218A JP2018055547A JP 2018055547 A JP2018055547 A JP 2018055547A JP 2016193218 A JP2016193218 A JP 2016193218A JP 2016193218 A JP2016193218 A JP 2016193218A JP 2018055547 A JP2018055547 A JP 2018055547A
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Koji Hayama
幸治 葉山
啓貴 浅尾
Hirotaka Asao
啓貴 浅尾
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Abstract

【課題】車載機が低速フレームの後に送信する高速フレームを、適切に受信する可能性を高めた光ビーコンを提供する。【解決手段】光ビーコン4は、走行中の車両の車載機と光信号による無線通信を行う。高低2種類の伝送速度での光電気変換が可能な光受信部14と、所定の伝送速度での電気光変換が可能な光送信部13と、高速アップリンク送信に対応する高度化車載機が低速フレームの後に送信する高速フレームを正常に受信していないことを表す所定の条件が成立した場合に、前記低速フレーム及び前記高速フレームの送信シーケンスを前記高度化車載機に再実行させるための処理を実行する通信制御部7と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、走行中の車両において光信号による無線通信を行う光ビーコン及び車載機に関する。
光ビーコンと車載機が無線で光通信を行う路車間通信システムにおいて、高速アップリンク受信に対応する光ビーコン(以下、「新光ビーコン」ともいう。)と、高速アップリンク送信に対応する車載機(以下、「新車載機」ともいう。)を新たに導入することが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
新光ビーコンは、低速アップリンク送信のみを行う車載機(以下、「旧車載機」ともいう。)とも通信可能であり、新車載機は、低速アップリンク受信のみを行う光ビーコン(以下、「旧光ビーコン」ともいう。)とも通信可能である必要がある。
そこで、特許文献1では、新車載機が、車両の識別情報(以下、「車両ID」という。)を格納した低速フレームを高速フレームの前に送信し、高速アップリンク通信に対応する新型機器の場合も、低速フレームによる通信を最初に行う通信手順が提案されている。
新車載機が低速フレームの後に高速フレームを送信する場合には、車両の走行速度によっては、低速フレームを受信可能であるが高速フレームを受信不能な領域(特許文献1の図11の不感領域F)において、新車載機が高速フレームを送信することがある。
かかる不感領域において高速フレームが送信されると、新光ビーコンが高速フレームを受信できなくなり、高速フレームの再送を許さない通信規格の場合は、新光ビーコンが高速フレームを取得できる可能性がなくなる。
そこで、特許文献1では、低速フレームを受信可能なエリアの上流端(以下、「第1アップリンク上流端」という。)よりも上流側又は実質的に同じ位置となるように、高速フレームを受信可能なエリアの上流端(以下、「第2アップリンク上流端」という。)の位置を設定すること(以下、「アップリンク位置設定」という。)が提案されている。
これにより、新光ビーコンに上記の不感領域が発生しなくなり、低速フレームの後に送信される高速フレームを新光ビーコンが適切に受信できるようになる。
特開2014−016973号公報
上述の新光ビーコンにおいて、ダウンリンク領域が、第2アップリンク上流端よりも上流側に広がる部分(以下、「ダウンリンク上流部」という。)まで設定されている場合がある。
新車載機が上記のダウンリンク上流部の内部に進入すると、新車載機は下りフレームの受信を契機として、自車両の車両IDを含む低速フレームの送信を開始する。
一方、アップリンク領域は、ビットエラーレートが所定の通信品質(例えば、10−5以下)を満たす領域として規定されている。従って、新車載機がダウンリンク上流部において低速フレームを送信しても、通信品質を満たすことが少なく、通常、新光ビーコンは低速フレームを受信できない。
しかし、新車載機が最初に送信する低速フレームは、比較的データサイズが小さく1フレームのみの場合が多いため、確率は高くないものの、ダウンリンク上流部で送信された低速フレームを新光ビーコンが受信する可能性がある。
この場合、新光ビーコンは、新車載機の車両IDを格納した下りフレームを送信するので、新車載機は、この下りフレームの受信に応じて高速フレームの送信を開始する。
そして、高速フレームは、比較的データサイズが大きくフレーム数も多いため、高速フレームの送信開始時点において、新車載機の車両進行方向の位置が第2アップリンク上流端に未達の場合は、新光ビーコンがすべての高速フレームを適切に受信できない可能性がある。
このように、上述のアップリンク位置設定が行われていても、光ビーコン及び車載機の位置条件や設置条件等によっては、新光ビーコンが高速フレームを適切に受信できなくなることがあり得る。
本発明は、このような事情に鑑み、アップリンク方向でマルチレート対応の光ビーコンと車載機との間で行う路車間通信において、車載機が低速フレームの後に送信する高速フレームを、光ビーコンが適切に受信する可能性を高めることを目的とする。
(1) 本発明の一態様に係る光ビーコンは、走行中の車両の車載機と光信号による無線通信を行う光ビーコンであって、高低2種類の伝送速度での光電気変換が可能な光受信部と、所定の伝送速度での電気光変換が可能な光送信部と、高速アップリンク送信に対応する高度化車載機が低速フレームの後に送信する高速フレームを正常に受信していないことを表す所定の条件が成立した場合に、前記低速フレーム及び前記高速フレームの送信シーケンスを前記高度化車載機に再実行させるための処理を実行する通信制御部と、を備える。
(9) 本発明の一態様に係る車載機は、道路に設置された光ビーコンと光信号による無線通信を行う車載機であって、所定の伝送速度での光電気変換が可能な光受信部と、高低2種類の伝送速度での電気光変換が可能な光送信部と、低速フレームの後に高速フレームを送信する送信シーケンスを実行可能である通信制御部と、を備えており、前記通信制御部は、前記高速フレームによるアップリンクデータの送信を完了した後、当該アップリンクデータを所定時間だけ保持するメモリ制御を実行可能である。
本発明によれば、車載機が低速フレームの後に送信する高速フレームを、光ビーコンが適切に受信する可能性を高めることができる。
路車間通信システムの概略構成を示すブロック図である。 光ビーコンの設置部分を上から見た道路の平面図である。 光ビーコンの通信領域と入射領域を示す道路の側面図である。 上りフレームのフレーム構成図である。 下りフレームのフレーム構成図である。 通信領域で行われる路車間通信の一例を示すシーケンス図である。 アップリンク領域の上流側に位置するダウンリンク上流部の一例を示す説明図である。 高速フレームの送信がアップリンク領域の上流側近傍で開始される場合の路車間通信の一例を示すタイミングチャートである。 高速フレームごとの受信率の算出例を示す算出テーブルである。 高速フレームごとの受信漏れ率の算出例を示す算出テーブルである。 車載機による送信シーケンスの再実行の好適なタイミング例を示すタイムチャートである。
<本発明の実施形態の概要>
以下、本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
(1) 本実施形態の光ビーコンは、走行中の車両の車載機と光信号による無線通信を行う光ビーコンであって、高低2種類の伝送速度での光電気変換が可能な光受信部と、所定の伝送速度での電気光変換が可能な光送信部と、高速アップリンク送信に対応する高度化車載機が低速フレームの後に送信する高速フレームを正常に受信していないことを表す所定の条件が成立した場合に、前記低速フレーム及び前記高速フレームの送信シーケンスを前記高度化車載機に再実行させるための処理を実行する通信制御部と、を備える。
本実施形態の光ビーコンによれば、通信制御部が、上記の所定の条件が成立した場合に、低速フレーム及び高速フレームの送信シーケンスを高度化車載機に再実行させるための処理を実行するので、高速フレームを正常に受信できなかった場合でも、車載機による送信シーケンスの再実行により、光ビーコンが高速フレームを受信し直すことができる。
従って、車載機が低速フレームの後に送信する高速フレームを、光ビーコンが適切に受信する可能性を高めることができる。
(2) 本実施形態の光ビーコンにおいて、前記所定の条件には、連続して送信される複数の前記高速フレームに含まれるフレーム番号の番号値に、所定の閾値以上の飛びがあることが含まれることが好ましい。
その理由は、フレーム番号の番号値に上記の飛びがあると、一連の高速フレームのうちの一部を光ビーコン4が受信していないことが明らかであり、正常な受信とは言えないからである。
(3) 本実施形態の光ビーコンにおいて、前記所定の条件には、連続して送信される複数の前記高速フレームのうちの最終フレームの受信時における受信率が、所定の閾値以下であることが含まれていてもよい。
その理由は、最終フレームの受信時における受信率が低い場合には、一連の高速フレームのうちの一部を光ビーコンが受信していないことが明らかであり、正常な受信とは言えないからである。
(4) 本実施形態の光ビーコンにおいて、前記所定の条件には、連続して送信される複数の前記高速フレームの受信時における受信率が、フレーム番号ごとに定められた所定の閾値を下回ることが含まれていてもよい。
その理由は、各々の高速フレームの受信時における受信率が低い場合も、一連の高速フレームのうちの一部を光ビーコンが受信していないことが明らかであり、正常な受信とは言えないからである。
(5) 本実施形態の光ビーコンにおいて、前記所定の条件には、前記低速フレームの受信後に所定時間が経過しても、前記高速フレームを受信しないことが含まれていてもよい。
その理由は、上記の場合には、車載機が一連の高速フレームを最初から送信していないと推定できので、光ビーコンが高速フレームを正常に受信していないと判断できるからである。
(6) 本実施形態の光ビーコンにおいて、前記送信シーケンスを再実行させるための処理には、前記低速フレームの受信後における下りフレームの送信を所定時間だけ停止する処理が含まれることが好ましい。
その理由は、上記の処理を実行すれば、車載機が、別の光ビーコンとの路車間通信が新たに開始されたと判断し、低速フレーム及び高速フレームの送信シーケンスを再実行すると考えられるからである。
(7) 本実施形態の光ビーコンにおいて、前記送信シーケンスを再実行させるための処理には、前記低速フレームの受信後に送信する下りフレームに含まれる車線通知情報の車両IDの識別値をクリアする処理が含まれていてもよい。
その理由は、上記の処理を実行する場合も、車載機が、別の光ビーコンとの路車間通信が新たに開始されたと判断し、低速フレーム及び高速フレームの送信シーケンスを再実行すると考えられるからである。
(8) 本実施形態の光ビーコンにおいて、前記送信シーケンスの再実行による前記低速フレームの送信開始時点は、所定の想定速度で下流側に移動する前記高度化車載機がアップリンク上流端の直前で送信した前記低速フレームを、前記光ビーコンが受信しなかったと仮定した場合に、前記高度化車載機が再送シーケンスを開始する時点以前であることが好ましい。
このようにすれば、現行の最悪条件のケースとほぼ同等のダウンリンク通信量を確保でき(図10参照)、規格上の要請を充足したダウンリンク通信を実行できるようになる。
(9) 本実施形態の車載機は、道路に設置された光ビーコンと光信号による無線通信を行う車載機であって、所定の伝送速度での光電気変換が可能な光受信部と、高低2種類の伝送速度での電気光変換が可能な光送信部と、低速フレームの後に高速フレームを送信する送信シーケンスを実行可能である通信制御部と、を備えており、前記通信制御部は、前記高速フレームよるアップリンクデータの送信を完了した後、当該アップリンクデータを所定時間だけ保持するメモリ制御を実行可能である。
本実施形態の車載機によれば、通信制御部が、高速フレームによるアップリンクデータの送信を完了した後、当該アップリンクデータを所定時間だけ保持するメモリ制御を実行可能であるから、上述の低速フレーム及び高速フレームの送信シーケンスを再実行する場合に、高速フレームに格納するアップリンクデータが存在しないために当該送信シーケンスの再実行を行えなくなるのを未然に防止することができる。
(10) なお、本実施形態の車載機において、前記所定時間は、前記車載機が1つの前記光ビーコンとの路車間通信を完了するのに十分な時間(例えば、250〜500ms)に設定すればよい。
<本発明の実施形態の詳細>
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の詳細を説明する。
本実施形態では、車載機2から光ビーコン4に向けて送出される上りフレーム又はこれにより伝送する情報を、「アップリンク情報」又は「アップリンク信号」という場合がある。また、光ビーコン4から車載機2に向けて送出される下りフレーム又はこれにより伝送する情報を、「ダウンリンク情報」又は「ダウンリンク信号」という場合がある。
〔システムの全体構成〕
図1は、本実施形態に係る路車間通信システムの概略構成を示すブロック図である。図2は、本実施形態の光ビーコン4の設置部分を上から見た道路Rの平面図である。
図1に示すように、本実施形態の路車間通信システムは、インフラ側の交通管制システム1と、道路Rを走行する車両20(図3参照)に搭載された車載機2とを備える。
交通管制システム1は、交通管制室等に設けられた中央装置3と、道路Rの各所に多数設置された光ビーコン(光学式車両感知器)4とを備えている。光ビーコン4は、近赤外線を通信媒体とした光通信によって車載機2との間で無線通信を行うことができる。
光ビーコン4は、通信制御などを行うビーコン制御機(通信制御部)7と、このビーコン制御機7のセンサ用インタフェースに接続された複数(図1の例では4つ)のビーコンヘッド(投受光器)8とを有する。
ビーコン制御機7は、インフラ側の通信部6に接続されており、通信部6は、電話回線等の通信回線5によって中央装置3と接続されている。
通信部6は、例えば、信号灯器の灯色を制御する交通信号制御機や、インフラ側における交通情報の中継処理を行う情報中継装置等より構成することができる。
本実施形態の光ビーコン4は、全二重通信方式を採用している。すなわち、ビーコン制御機7は、光通信用の発光ユニット13に対するダウンリンク方向の送信制御と、光通信用の受光ユニット14に対するアップリンク方向の受信制御を同時に行う。
これに対して、本実施形態の車載機2は、半二重通信方式を採用している。すなわち、後述の車載制御機21(図3参照)は、光送信部23に対するアップリンク方向の送信制御と、光受信部24に対するダウンリンク方向の受信制御とを同時には行わない。
〔光ビーコンの全体構成〕
光ビーコン4のビーコンヘッド8は、光通信用の送受信ユニット11(光送受信部)と、車両感知用のセンサユニット12とを筐体9内に備える(図1及び図3参照)。
このように、本実施形態の光ビーコン4では、1つビーコンヘッド8の筐体9に、光通信と車両感知のための各ユニット11,12をそれぞれ組み込むことにより、光通信機能と車両感知機能とを併有した構造となっている。
光通信用の送受信ユニット11は、車載機2との間で光信号を無線で送受信する光トランシーバである。
図1に示すように、送受信ユニット11は、ダウンリンク光DO(図3参照)を送出する光通信用の発光ユニット13と、アップリンク光UO(図3参照)を受光して電気信号に変換する光通信用の受光ユニット14とを有する。
光通信用の発光ユニット13(以下、「通信用発光ユニット13」ともいう。)は、ビーコン制御機7から送出される下りフレームを所定の伝送速度のシリアルな送信信号に変換する送信回路と、出力された送信信号をダウンリンク方向の光信号に変換する、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等からなる発光素子とを有する。
通信用発光ユニット13の発光素子は、近赤外線の光信号であるダウンリンク光DOを上流側に向かって斜め下方に送出する。
光通信用の受光ユニット14(以下、「通信用受光ユニット14」ともいう。)は、フォトダイオード(PD:Photo Diode)等からなる受光素子と、この受光素子が出力する電気信号を増幅してデジタル信号を生成する受信回路とを有する。
通信用受光ユニット14の受光素子は、車載機2がビーコンヘッド8の手前で送出した近赤外線の光信号であるアップリンク光UOを受光して電気信号に変換する。通信用受光ユニット14の受信回路は、変換された電気信号から生成したデジタル信号をビーコン制御機7に送る。
センサユニット12は、ビーコンヘッド8のほぼ直下を通過する車両20の存在を非接触で感知するための光感知センサである。
図1に示すように、センサユニット12は、入射光IO(図3参照)を送出する車両感知用の発光ユニット15と、反射光RO(図3参照)を受光して電気信号に変換する車両感知用の受光ユニット16とを有する。
車両感知用の発光ユニット15(以下、「感知用発光ユニット15」ともいう。)は、所定周期の光パルス信号である入射光IOを下方向に送出する。
車両感知用の受光ユニット16(以下、「感知用受光ユニット16」ともいう。)は、上記入射光IOの道路Rや車両20に対する反射光ROを受光し、受光した反射光ROを電気信号に変換してビーコン制御機7に送る。
ビーコン制御機7は、信号処理部、CPU及びメモリなどを有するコンピュータ装置よりなり、中央装置3との通信や所定の通信インタフェース規格に従って車載機2と路車間通信を行う通信制御部としての機能と、車両20の感知制御部としての機能とを有する。
また、ビーコン制御機7は、通信制御や感知制御のためのコンピュータプログラムを記憶装置(図示せず)に格納しており、このプログラムをCPUが読み出して実行することにより、当該CPUが上記通信制御部及び感知制御部としての機能を実現する。
例えば、ビーコン制御機7は、車両IDの識別値(以下、「ID値」ともいう。)が未格納である車線通知情報を含むダウンリンク信号(第1の下りフレーム)や、所定の提供情報を含むダウンリンク信号(第1の下りフレーム)を通信用発光ユニット13に所定周期で常に送出させている。
ビーコン制御機7は、上記ダウンリンク信号の送出を継続しつつ、そのダウンリンク信号の受信を契機として車載機2が送信するであろう、ID値を含むアップリンク信号(上りフレーム)の受信の有無を判定している。
ビーコン制御機7は、通信用受光ユニット14によりアップリンク信号の受信を検出すると、そのアップリンク信号から抽出したID値と車線番号値を格納した車線通知情報と、当該車両20向けの提供情報とを生成し、生成した各情報を含む1又は複数のダウンリンク信号(第2の下りフレーム)を、通信用発光ユニット13に所定時間(例えば、250〜350ms)だけ送出させる。
そして、ビーコン制御機7は、上記所定時間が経過すると、ダウンリンク信号に含める提供情報の内容を元に戻して、次に到来する車両20の車載機2からのアップリンク信号の受信を待機する。
なお、ビーコン制御機7は、車両20の位置及び時刻などの走行軌跡よりなるプローブデータなどの、アップリンク信号に含まれる情報を中央装置3に転送する。
ビーコン制御機7は、所定波長の入射光IOを感知用発光ユニット15に一定の強度及びパルス周期で常に送出させており、感知用受光ユニット16が受光する反射光ROの受光強度が閾値以上か否かにより、車両20の存在を感知する。
すなわち、ビーコン制御機7は、感知用受光ユニット16において閾値以上の反射光ROの受光強度が検出された場合に、車両20の感知信号を生成し、その感知信号を中央装置3に送信する。なお、この閾値は固定値とは限らず、例えば、反射光ROの受光強度に応じた追従処理によって変動することもある。
〔光ビーコンの設置状態〕
図2に示すように、本実施形態の光ビーコン4は、同じ方向の複数(図例では4つ)の車線R1〜R4を有する道路Rに設置されている。
光ビーコン4は、各車線R1〜R4にそれぞれ対応して設けられた複数の前記ビーコンヘッド8と、これらのビーコンヘッド8を一括制御する通信制御部である1台の前記ビーコン制御機7とを備える。
ビーコン制御機7は、道路Rの左側の歩道部分に立設した支柱17に設置されている。各ビーコンヘッド8は、支柱17から道路R側に水平に架設した架設バー(梁部材)18に取り付けられ、各車線R1〜R4のほぼ中心位置の直上に配置されている。
ビーコンヘッド8の通信用発光ユニット13は、自機の直下よりも車両進行方向の上流側に向けてダウンリンク光DOを発光する。これにより、車載機2との間で路車間通信を行うための通信領域Aが当該ビーコンヘッド8の上流側に設定される。
ビーコンヘッド8の感知用発光ユニット15は、自機のほぼ直下に向けて入射光IOを発光する。これにより、道路Rの所定の車線R1〜R4を通行する車両20の感知エリアである入射領域Bが当該ビーコンヘッド8のほぼ直下に設定される。
〔光ビーコンの通信領域と入射領域〕
図3は、光ビーコン4の通信領域Aと入射領域Bを示す道路Rの側面図である。
図3に示すように、送受信ユニット11の通信領域Aは、車載機2によるダウンリンク光DOの受光可能範囲であるダウンリンク領域DA(実線のハッチング部分)と、ビーコンヘッド8によるアップリンク光UOの受光可能範囲であるアップリンク領域UA(破線のハッチング部分)とから構成されている。
2001年8月3日策定のUTMS(Universal Traffic Management Systems)協会の「光学式車両感知器 近赤外線式インタフェース規格 版2」(以下、「旧インタフェース規格」という。)では、各領域DA,UAの上下流端位置の規格値は次の通りである。
ダウンリンク領域DAの下流端位置a0:+1.3m
アップリンク領域UAの下流端位置b0:a0+2.1m(=3.4m)
双方領域DA,UAの上流端位置c0 :b0+1.6m(=5.0m)
2016年1月28日策定のUTMS協会の「高度化光ビーコン 近赤外線式インタフェース規格 版4」(以下、「新インタフェース規格」という。)では、各領域DA,UAの上流端位置の規格値(一般道路の場合)は次の通りである。
ダウンリンク領域DAの下流端位置a0:+0.70m
アップリンク領域UAの下流端位置b0:a0+2.70m(=3.40m)
双方領域DA,UAの上流端位置c0 :b0+2.64m(=6.04m)
各位置a0〜c0の規格値は、道路面からの高さHが1.0mの基準面における投受光器8の直下位置(原点O)から上流方向を正の数とした場合の値である。
旧インタフェース規格では、車載機2が送信するアップリンク光UOの伝送速度は64kbit/sのみであり、車載機2が受信するダウンリンク光DOの伝送速度は1024kbit/sのみである。
これに対して、新インタフェース規格では、ダウンリンク光DOの伝送速度は従来通りであるが、アップリンク光UOの伝送速度が高低2種類のマルチレート(低速が64kbit/sでかつ高速が256kbit/s)に変更されている。
従って、新インタフェース規格に従う光ビーコン4は、従来通りの低速アップリンク受信と新たな高速アップリンク受信とが可能なマルチレート対応の光ビーコン(「新光ビーコン」又は「高度化光ビーコン」と呼ばれる。)である。
また、新インタフェース規格に従う車載機2は、従来通りの低速アップリンク送信と新たな高速アップリンク送信とが可能なマルチレート対応の車載機(「新車載機」又は「高度化車載機」と呼ばれる。)である。
本実施形態においては、光ビーコン4及び車載機2の双方が高速アップリンク通信に対応する機器であるものとする。
すなわち、本実施形態では、光ビーコン4が新光ビーコン(高度化光ビーコン)であり、車載機2が新車載機(高度化光車載機)である場合を想定している。
センサユニット12の入射領域Bは、感知用発光ユニット15が道路Rに向けて入射する入射光IOの照射範囲である。
入射領域Bの道路幅方向の中心は、ビーコンヘッド8に対応する車線R1〜R4の道路幅方向の中心とほぼ等しい位置にある。なお、入射光IOの発光方向V1は、通常、鉛直方向に対して所定角度α(例えば、4.5°)だけ上流側(プラス側)に指向させるが、鉛直方向に対して所定角度だけ下流側(マイナス側)に指向させてもよい。
〔車載機の構成〕
図3に示すように、本実施形態の車載機2は、車載制御機(通信制御部)21と車載ヘッド(光送受信部)22とを備える。車載ヘッド22の内部には、光送信部23と光受信部24が収容されている。
光送信部23は、近赤外線よりなるアップリンク光UO(アップリンク方向の光信号)を発光する発光素子を有し、光受信部24は、近赤外線よりなるダウンリンク光UO(ダウンリンク方向の光信号)を受光する受光素子を有する。
光送信部23は、車載制御機21から出力される上りフレームを所定の伝送速度のシリアルな送信信号に変換する送信回路と、出力された送信信号をアップリンク方向の光信号に変換する、発光ダイオード等よりなる発光素子とを有する。
光受信部24は、ダウンリンク方向の光信号を光電変換して電気信号を出力するフォトダイオード等よりなる受光素子と、出力された電気信号を増幅してデジタルの受信信号を生成する受信回路とを有する。
車載制御機21は、信号処理部、CPU及びメモリなどを有するコンピュータ装置よりなり、光ビーコン4との路車間通信を行う通信制御部としての機能を有する。
また、車載制御機21は、通信制御のためのコンピュータプログラムを記憶装置(図示ぜず)に格納しており、このプログラムをCPUが読み出して実行することにより、当該CPUが上記通信制御部として機能する。
車載制御機21は、アップリンクデータとして、自車両の走行データ(例えば、通過位置と通過時刻を時系列に並べた走行軌跡データであるプローブ情報など)を生成して、光送信部23にアップリンク送信させる機能も有する。
この場合、新インタフェース規格のようにアップリンク速度を高速化すれば、より多くのプローブ情報(走行軌跡を記録する道路区間を長くしたり、同一道路区間における通過位置と通過時刻の記録密度を高くしたりした情報)を送信することが可能になる。
本実施形態の車載制御機21は、上記CPUを含む本体制御部とは別に、ASIC(Application Specific Integrated Circuit )等を含む簡易制御部を設けた回路構成であってもよい。
この簡易制御部は、例えば、光受信部24が何らかの下りフレームを受信した場合に、自車両の車両IDを含む上りフレーム(従来の伝送速度64kbit/sの上りフレーム)を1つだけ、光送信部23にアップリンク送信させる機能を有する。
〔上りフレームのフレーム構成〕
図4は、上りフレームのフレーム構成図である。
図4に示すように、上りフレームの格納領域には、先頭から順に、フレームの区切りを認識するための同期用の伝送制御部(以下、「同期部」という。)、ヘッダ部、実データ部、及びCRC(Cyclic Redundancy Check )用の伝送制御部(以下、「CRC部」という。)が含まれる。
上りフレームでは、同期部に1バイトが割り当てられ、ヘッダ部に10バイトが割り当てられ、実データ部に最大59バイトが割り当てられ、CRC部には4バイト(1バイトのアイドル部+2バイトのCRC+1バイトの最終同期部)が割り当てられている。
上りフレームのヘッダ部には、「サブシステムキー情報数」、「車両ID」、「車載機種別」、「情報種別」、「最終フレームフラグ」及び「同一情報種別内フレーム番号」などの格納領域が含まれる。
「サブシステムキー情報数」(以下、「情報数」と略記することがある。)には、実データ部の先頭から順に格納する「サブシステムキー情報」の数が格納される。
すなわち、情報数がゼロの場合は、実データ部に「サブシステムキー情報」が含まれず、情報数が「1」の場合は、実データ部に1つの「サブシステムキー情報」が含まれ、情報数が「n」の場合は、実データ部にn個の「サブシステムキー情報」が含まれる。
上記の「サブシステムキー情報」は、光ビーコン4が、公共車両優先システム(PTPS)、車両運行管理システム(MOCS)、現場急行支援システム(FAST)及び安全運転支援システム(DSSS)などのダウンリンク情報の付加情報を選択するためのキー情報である。
車載機2は、自車両がUTMS規格のどのシステムに対応しているかに応じて、「サブシステムキー情報数」と「サブシステムキー情報」の内容を決定する。
例えば、車載機2は、自車両がUTMS規格の1つのシステムに対応する場合は、ヘッダ部の「サブシステムキー情報数」の値を「1」に設定し、当該1つのシステムの規格に従った内容の「サブシステムキー情報(1)」を、実データ部に格納する。
また、車載機2は、自車両がUTMS規格の2つのシステムに対応する場合は、ヘッダ部の「サブシステムキー情報数」の値を「2」に設定し、当該2つのシステムの規格にそれぞれ従った内容の「サブシステムキー情報(1)」及び「サブシステムキー情報(2)」を、実データ部に格納する。
「サブシステムキー情報」のデータ形式は、各々のシステムの規格によって相違するので詳細は割愛するが、例えば、安全運転支援システム(DSSS)の場合には、ブレーキ状態、ターンシグナル状態、ハザード状態、車速、進行方向、加減速度及びアクセルペダル位置などの情報が含まれる。
光ビーコン4は、アップリンク情報に含まれる「サブシステムキー情報」の種別により、車載機2が、UTMS規格に含まれるどのシステムに対応するかを判断し、当該システムの規格に応じた提供情報を、下りフレームに格納してダウンリンク送信する。この提供情報は、規格上は「特別情報」と呼ばれる。
このように、光ビーコン4は、「サブシステムキー情報」の種別に基づいて、アップリンク受信後のダウンリンク情報に含める「特別情報」の種類を決定する。
「車両ID」は、車載機2が自身で生成した、或いは、光ビーコン4が自動生成して車載機2に通知した車両IDの識別値(数値でも記号でもよい。)を格納する領域である。車載機2は、アップリンク送信時に記憶する車両IDの値を、上りフレームのヘッダ部の車両IDに格納する。
「車載機種別」は、車載機2の種別を格納する領域である。「情報種別」は、アップリンク情報の種別を格納する領域である。新インタフェース規格では、これらの領域の値により、アップリンク送信主体の新旧と、アップリンク情報が高速か低速かを表す。
具体的には、車載機2は、低速の上りフレームを送信する場合は、「車載機種別」に新車載機を示す所定値(例えば、「6」)を格納し、「情報種別」に所定値(例えば、「1」)を格納する。
また、車載機2は、高速の上りフレームを送信する場合は、「車載機種別」に新車載機を示す所定値(例えば、「6」)を格納し、「情報種別」に所定値(例えば、「4」)を格納する。
従って、光ビーコン4は、受信した上りフレームの車載機種別の値が「6」でかつ情報種別の値が「1」の場合は、新車載機からの低速フレームであると判定でき、受信した上りフレームの車載機種別の値が「6」でかつ情報種別の値が「4」の場合は、新車載機からの高速フレームであると判定できる。
なお、旧車載機の場合は、車載機種別の値を「6」以外に設定するので、光ビーコン4は、「車載機種別」の値が「6」以外の上りフレームを受信した場合は、通信相手が高速アップリンク送信に非対応の旧車載機であると判定できる。
「最終フレームフラグ」は、車載機2が送信する1又は複数の上りフレームのうち、どれが最終フレームであるかを示すための格納領域である。
例えば、車載機2は、複数の上りフレームを連続送信する場合は、そのうちの最後の上りフレームの「最終フレームフラグ」にのみ所定のフラグ値(例えば、「1」)を格納し、それ以外の上りフレームにはそのフラグ値を格納しない。また、車載機2は、上りフレームを1つだけ送信する場合には、当該上りフレームに最終フレームフラグを立てる。
「同一情報種別内フレーム番号」は、同じ情報種別の情報を1つの上りフレームで送信する、或いは、複数の上りフレームに分割して連続送信する場合の、当該上りフレームの順序番号である。
車載機2が連続送信することができる上りフレームの数は、最大で16フレームと規定されている。従って、車載機2は、例えば16個の上りフレームを連続送信する場合は、先頭の上りフレームから順に1〜16までの番号値を「同一情報種別内フレーム番号」に格納する。なお、1フレーム送信の場合にも当該フレーム番号に番号値が付される。
〔下りフレームのフレーム構成〕
図5は、下りフレームのフレーム構成図である。
図5に示すように、下りフレームの格納領域にも、上りフレームのフレーム構成(図4)の場合と同様に、先頭から順に、同期部、ヘッダ部、実データ部、及びCRC部が含まれる。
下りフレームでは、同期部に1バイトが割り当てられ、ヘッダ部に5バイトが割り当てられ、実データ部に123バイトが割り当てられ、CRC部に4バイト(1バイトのアイドル部+2バイトのCRC+1バイトの最終同期部)が割り当てられている。
下りフレームのヘッダ部には、「情報種別」、「最終フレームフラグ」及び「同一情報種別内フレーム番号」などの格納領域が含まれる。
「情報種別」は、光ビーコン4が車両20に提供するダウンリンク情報の種別を格納する領域である。「情報種別」には、提供情報の種別に応じて予め設定されたID値である1〜63までの数値が格納される。
「最終フレームフラグ」は、光ビーコン4が送信する同一情報種別である1又は数の下りフレームのうち、どれが最終フレームであるかを示すための格納領域である。
例えば、光ビーコン4は、1回のダウンリンク周期に連続送信する同一情報種別である複数の下りフレームのうち、最後の下りフレームの「最終フレームフラグ」にのみ所定のフラグ値(例えば、「1」)を格納し、それ以外の同一情報種別の下りフレームにはそのフラグ値を格納しない。また、光ビーコン4は、下りフレームを1つだけ送信する場合には、当該下りフレームに最終フレームフラグを立てる。
「同一情報種別内フレーム番号」は、同じ種別の情報を1つの下りフレームで送信する、或いは、複数の下りフレームに分割して連続送信する場合の、当該下りフレームの順序番号である。
光ビーコン4が1つの提供情報を連続送信する場合の下りフレーム数は最大で80フレーム(車線通知情報を格納する先頭フレームを含む。)と規定されている。従って、光ビーコン4は、例えば80個の同一情報種別の下りフレームを連続送信する場合は、先頭の下りフレームから順に1〜80までの番号値を「同一情報種別内フレーム番号」に格納する。なお、1フレーム送信の場合にも当該フレーム番号に番号値が付される。
下りフレームの実データ部に含める車載機2への提供情報は、光ビーコン4が車載機2から低速の上りフレームを受信する前と後とで情報の種別が変化し得る。
すなわち、光ビーコン4は、低速の上りフレームの受信前後において車載機2に対する提供情報の内容を切り替えることができる。
具体的には、光ビーコン4は、低速の上りフレームを受信する前(低速アップリンク受信前)に送信する下りフレーム(以下、「第1の下りフレーム」という。)には、2016年1月28日に策定されたUTMS協会の「高度化光ビーコン 近赤外線式AMIS用通信アプリケーション規格 版3」(以下、「通信アプリケーション規格(版3)」という。)において、アップリンク情報の提供を条件としないと規定された情報(「現在位置情報」など)を実データ部に含めることができる。
また、光ビーコン4は、低速の上りフレームを受信した後(低速アップリンク受信後)に送信する下りフレーム(以下、「第2の下りフレーム」という。)には、通信アプリケーション規格(版3)において、アップリンク情報の提供を条件としないと規定された情報だけでなく、通信アプリケーション規格(版3)においてアップリンク情報の提供を条件とすると規定された情報(「路線信号情報」など)についても、実データ部に含めることができる。
光ビーコン4は、車載機2への単一情報種別の提供情報が実データ部の容量(123バイト)に収まる場合は、1つの下りフレームにより提供情報を車載機2に提供する。
光ビーコン4は、車載機2への単一情報種別の提供情報が実データ部の容量(123バイト)に収まらない場合は、複数の下りフレーム(下りフレーム群)に分けて送信することより、提供情報を車載機2に提供する。
図5に示すように、第1の下りフレームに含める提供情報の例としては、例えば、「車線通知情報」(ただし、車両IDの識別値が未格納のもの。)及び「現在位置情報」などがある。「車線通知情報」は、車両20が走行する車線番号を通知する情報であり、「現在位置情報」は、ビーコンヘッド8の設置地点の位置情報(緯度及び経度)である。
「車線通知情報」の格納領域には、「車両ID」、「車線番号」及び「ビーコン識別フラグ」などが含まれる。光ビーコン4は、アップリンク受信前の第1の下りフレームに含める車線通知情報には、「車両ID」に識別値(ID値)を格納していない。
光ビーコン4は、車両IDの識別値(ID値)を含む低速の上りフレームを車載機2から受信すると、取得したID値を車線通知情報の「車両ID」に格納した第2の下りフレーム(以下、この下りフレームを「折り返しフレーム」ともいう。)を生成し、生成した折り返しフレームを連続送信する。
従って、車載機2は、受信した折り返しフレームの車線通知情報に自車両のID値が含まれているか否かにより、光ビーコン4との通信確立を判定することができる。
光ビーコン4は、アップリンク情報を取得したビーコンヘッド8に対応する車線番号値を、折り返しフレームに含まれる車線通知情報の「車線番号」に記す。
従って、車載機2は、受信した折り返しフレームの車線通知情報に含まれる車線番号値から、自車両がどの車線を走行中かを判定することができる。
「ビーコン識別フラグ」は、自機が高速アップリンク受信に対応する機器であるか否かを示す格納領域である。
高速アップリンク受信に対応する光ビーコン4は、下りフレームの「ビーコン識別フラグ」に所定のフラグ値(例えば、「01」)を格納し、高速アップリンク受信に対応していない旧光ビーコンは、下りフレームの「ビーコン識別フラグ」にそれ以外の値(例えば、「00」)を格納する。
従って、車載機2は、下りフレームの「車線通知情報」に含まれる「ビーコン識別フラグ」の値により、通信相手の光ビーコンが、高速アップリンク受信に対応する新光ビーコン4であるか、非対応の旧光ビーコンであるかを判定することができる。
車線通知情報のフラグフィールドをオン(ビーコン識別フラグ=01)にする下りフレームの種類は、第1及び第2の下りフレームの双方であってもよいし、第2の下りフレームのみであってもよいが、図5に示す通り、本実施形態では後者の場合を想定する。
すなわち、本実施形態の光ビーコン4は、第1の下りフレームのフラグフィールドをオフ(ビーコン識別フラグ=00)に設定し、第2の下りフレームのフラグフィールドをオン(ビーコン識別フラグ=01)に設定する。
低速アップリンク受信後に光ビーコン4の送受信ユニット11が繰り返し送信する下りフレーム群は、1〜80個の下りフレームで構成され、旧インタフェース規格の場合には、その繰り返し送信の送信可能時間は250msである。
また、下りフレームは、ダウンリンク方向に送出すべきデータ量に応じた任意数のフレームで構成され、上記の送信可能時間の範囲内で繰り返し送信され、下りフレームの送信周期は約1msである。
従って、例えば、3つの下りフレームで1つの有意なデータ(提供情報)を構成する場合は、その送信周期が約3msになるので、そのデータは所定の送信可能時間(250ms)内に約80回繰り返して送信されることになる。
もっとも、新インタフェース規格の光ビーコンでは、ダウンリンク領域DAがビーコンヘッド8の直下付近まで拡大しているので、1〜80個の下りフレームで構成される下りフレーム群を繰り返し送信する回数を増加させることができる。
図5に示すように、第2の下りフレームに含める提供情報の例としては、例えば、「車線通知情報」(ただし、車両IDの識別値を格納したもの。)、「路線信号情報」及び「旅行速度リンク情報」などがある。
「車線通知情報」は、前述の通りである。「路線信号情報」とは、光ビーコン4の設置地点の下流側に位置する交差点の路線信号情報のことである。「旅行速度リンク情報」とは、光ビーコン4ごとに予め設定された提供リンクの旅行速度情報のことである。
〔通信領域における路車間通信〕
図6は、通信領域Aで行われる路車間通信の一例を示すシーケンス図である。
図6において、下りフレームDL1は、低速アップリンク受信前の初期状態において光ビーコン4が繰り返し送信する下りフレーム(第1の下りフレーム)である。
下りフレームDL2は、低速アップリンク受信後に光ビーコン4が繰り返し送信する下りフレーム(第2の下りフレーム)である。
上りフレームUL1は、下りフレームDL1の受信に応じて車載機2が送信する低速の上りフレームである。低速の上りフレームUL1を「低速フレームUL1」ともいう。
上りフレームUL2は、下りフレームDL2の受信に応じて車載機2が送信する高速の上りフレームである。高速の上りフレームUL2を「高速フレームUL2」ともいう。
白丸を付したフレームは、車両IDにID値が未格納であるフレームを示し、黒丸を付したフレームは、車両IDにID値が格納されたフレームであることを示す。
図6において、U0〜U3は、車載機2がアップリンク送信する複数の上りフレーム(上りフレーム群)UL1,UL2を示している。
図6では、上りフレーム群のフレーム数が4フレームの場合を例示しているが、フレーム数は4つに限定されるものではない。例えば、上りフレーム群は、高速フレームUL2が3つ以上送信される場合もあるし(規格上は最大16フレーム)、比較的長いデータ長である高速フレームUL2が1つだけ送信される場合もある。
ハッチングなしの上りフレームU0は、伝送速度が低速(64kbitp/s)の低速フレームUL1であることを示し、ハッチングありの上りフレームU1〜U3は、伝送速度が高速(256kbps)の高速フレームUL2であることを示す。
以下の路車間通信の説明では、動作主体が光ビーコン4と車載機2となっているが、実際の通信制御は、光ビーコン4のビーコン制御機(通信制御部)7と、車載機2の車載制御機(通信制御部)21が実行する。
図6に示すように、光ビーコン4は、車線R1〜R4(図2参照)に対応するすべてのビーコンヘッド8から、車両IDにID値が未格納である車線通知情報を含む下りフレームDL1を、道路Rに向けて所定の送信周期で送信し続けている。
道路Rのいずれかの車線R1〜R4を走行する車両20がダウンリンク領域DAに入ると、車載機2が車線通知情報(ID値なし)を含む下りフレームDL1又はその他の下りフレームDL1を受信する。これにより、車載機2は、自車両が光ビーコン4の通信領域Aに入ったことを察知する。
この際、車載機2は、車両IDに自車両のID値を格納し、かつ、車載機種別の値を「6」とした低速フレームUL1(以下、「ID格納フレームU0」ともいう。)を生成し、自機の通信をいったん受信から送信に切り替えて、生成した低速フレームUL1をアップリンク送信する。その後、車載機2は、自機の通信を送信から受信に戻す。
車載機2は、旅行時間情報などの光ビーコン4に提供すべき情報がある場合には、低速フレームUL1(ID格納フレームU0)の実データ部にその情報を格納する。
光ビーコン4は、受信フレームのCRCチェック等を経て上記の低速フレームUL1を正規に受信すると、取得したID値を車両IDに含みかつビーコン識別フラグの値を「1」とした車線通知情報を含む下りフレームDL2(以下、「折り返しフレーム」ともいう。)を連続送信する。
光ビーコン4は、上記の車線通知情報を連続送信する期間(インタフェース規格では8±2msと規定されている。以下、「連送期間」という。)の経過後に、他の提供情報を含む下りフレームDL2の繰り返し送信を所定のダウンリンク周期ごとに実行する。
1回のダウンリンク周期に含まれる複数の下りフレームDL2は、先頭の1つの折り返しフレーム(ID値ありの車線通知情報を含む下りフレームDL2)と、その後に連続送信される車線通知情報以外のダウンリンク情報を含む1又は複数の下りフレームDL2とからなる。
連送期間の後に行われる下りフレームDL2の繰り返し送信は、所定時間(例えば、350ms)内において可能な限り繰り返される。
1回のダウンリンク周期に含まれる下りフレームDL2は最大80フレームで構成されるため、ダウンリンク周期の先頭フレームにより送信される車線通知情報は、最も少ない頻度の場合には80フレームに1つの割合となる。
車載機2は、低速フレームU0の後に高速フレームU1〜U3を送信する場合に、低速フレームU0と高速フレームU1の間に「送信中断期間」(新インタフェース規格では、最大20msと規定されている。)を設けることにより受信態勢となっており、この送信中断期間に折り返しフレームを受信する。
車載機2は、光ビーコン4から受信した下りフレームDL2の中で、車両IDに自車両のID値が格納された車線通知情報を含むものがあるか否かを判定する。
上記の判定結果が肯定的である場合には、車載機2は、自車両のID値のループバックが成功したと判断し、上記の送信中断期間が経過するまで自機の通信状態を受信のまま維持する。
上記の判定結果が否定的である間は、車載機2は、自車両のID値のループバックが成功していないと判断し、自機の通信状態を受信から送信に切り替えて、上りフレームUL1を再送する(図6の破線で示す上りフレームU0参照)。
この場合、車載機2は、先に送信した低速フレームUL1の送信後所定時間(例えば、30m秒)が経過した後に、再び低速フレームUL1を送信する。車載機2は、この再送の動作を自車両のID値のループバックが成功するまで繰り返す。
車載機2は、送信中断期間に受信した下りフレームDL2に含まれるビーコン識別フラグに基づいて、通信相手が高速アップリンク受信に対応するか非対応であるかを判定し、その判定結果に応じて高速フレームU1〜U3を送信するか否かを決定する。
すなわち、車載機2は、上記の判定結果が肯定的である場合は、送信中断期間の後に高速フレームUL2(U1〜U3)を送信し、上記の判定結果が否定的である場合は、高速フレームUL2を送信しない。
〔アップリンク領域の手前における高速アップリンク送信〕
図7は、アップリンク領域UAの上流側に位置するダウンリンク上流部DA0の一例を示す説明図である。
図7において、一点鎖線の境界線DB0は、光ビーコン4がダウンリンク送信する提供情報の内容が切り替わる前の第1の下りフレームDL1を、車載機2が受信可能なダウンリンク領域DAの上流境界を示す。
破線の境界線UB1は、車載機2がアップリンク送信する低速フレームUL1を光ビーコン4が受信可能なアップリンク領域UAの上流境界を示す。実線の境界線UB2は、車載機2がアップリンク送信する高速フレームUL2を光ビーコン4が受信可能なアップリンク領域UAの上流境界を示す。この場合の「受信可能」とは、最低受信感度に相当する光量のアップリンク信号又はダウンリンク信号を、所定のビットエラーレート(例えば、規格値では10−5)以下で受信できることを意味する。
図7において、P0は、上流境界DB0と車載機2の所定の設置高さH(例えば、H=1.0m)との交差位置(以下、「ダウンリンク上流端」という。)である。
図7において、P1は、上流境界UB1と設置高さHとの交差位置(=第1アップリンク上流端)であり、P2は、上流境界UB2と設置高さHとの交差位置(=第2アップリンク上流端)である。
本実施形態の光ビーコン4では、第2アップリンク上流端P2が第1アップリンク上流端P1よりも上流側(一致でもよい。)となる位置設定が行われているものとする。
その理由は、第1アップリンク上流端P1が第2アップリンク上流端P2よりも上流側にあると、上流端P1,P2間の範囲が、光ビーコン4が低速フレームUL1を受信できるが高速フレームUL2を受信できない「不感領域」(特許文献1の図11参照)となり、光ビーコン4が高速フレームUL2を適切に受信できなくなるからである。
図7に示すように、光ビーコン4のダウンリンク上流端P0は、車載機2がアップリンク領域UAにさしかかった時に確実にアップリンク送信できるようにするため、アップリンク上流端(図11の例では、第2アップリンク上流端P2)よりも上流側の位置に設定される場合がある。
この場合、アップリンク領域UAの上流境界UB2の上流側に位置するダウンリンク領域DAの部分である、ダウンリンク上流部DA0が形成される。
従って、車載機2がダウンリンク上流部DA0の内部に進入すると、車載機2は、下りフレームDL1を受信して低速フレームUL1の送信を開始する。
一方、アップリンク領域UAは、ビットエラーレートが10−5以下の通信品質を満たす領域である。従って、車載機2がダウンリンク上流部DA0において低速フレームUL1を送信しても、通常、光ビーコン4は低速フレームUL1を受信できない。
しかし、車載機2が最初に送信する低速フレームUL1は、比較的データサイズが小さく1フレームのみの場合が多い。このため、確率はさほど高くないが、ダウンリンク上流部DA0で送信された低速フレームUL1を光ビーコン4が受信する可能性がある。
この場合、光ビーコン4は、ダウンリンク送信する提供情報を切り替え、車載機2の車両IDを格納した下りフレームDL2を送信するので、車載機2は、下りフレームDL2の受信に応じて高速フレームUL2の送信を開始する。
しかし、高速フレームUL2は、比較的データサイズが大きくフレーム数も多いため、高速フレームUL2の送信開始時点において、車載機2の車両進行方向の位置が第2アップリンク上流端P2に未達の場合には、光ビーコン4がすべての高速フレームUL2を適切に受信できない可能性がある。
すなわち、車載機2が第2アップリンク上流端P2の上流側近傍で高速フレームUL2の送信を開始した場合(図8の下段側の棒グラフUL参照)には、複数の高速フレームUL2よりなる上りフレーム群のうち、後半部分の複数の高速フレームUL2については受信できるかも知れないが、最初の数フレーム分の高速フレームUL2を光ビーコン4が受信できない可能性が高くなる。
このように、通信領域Aにダウンリンク上流部DA0が存在しており、ダウンリンク上流部DA0において高速フレームUL2の送信が開始されると、第2アップリンク上流端P2を第1アップリンク上流端P1よりも上流側又は一致させる位置設定が行われていても、光ビーコン4が一部の高速フレームUL2を正常に受信できなくなる可能性がある。
そこで、本実施形態の光ビーコン4では、高速フレームUL2の受信率を高めるため、次のような方策を講じる。
すなわち、本実施形態の光ビーコン4では、ビーコン制御機7が、低速フレームUL1の後に送信される高速フレームUL2の受信状態を監視する処理(以下、「受信監視処理」という。)を実行する。
また、ビーコン制御機7は、受信監視処理の結果、高速フレームUL2を正常に受信していないと判断した場合に、低速フレームUL1及び高速フレームUL2の送信シーケンスを車載機2に再実行させるための処理(以下、「初期化処理」という。)を実行する。
これにより、ダウンリンク上流部DA0で高速フレームUL2の送信が開始されたことにより、光ビーコン4が高速フレームUL2を正常に受信できなかった場合でも、車載機2が送信シーケンスを再実行することにより、光ビーコン4が高速フレームUL2を受信し直すことができる。従って、高速フレームUL2の受信率を高めることができる。
以下、本実施形態の光ビーコン4(具体的には、ビーコン制御機7)が実行する、「受信監視処理」及び「初期化処理」の概要と各処理の具体例について説明する。
〔受信監視処理及び初期化処理の概要〕
図8は、高速フレームUL2の送信がアップリンク領域の上流側近傍で開始される場合の路車間通信の一例を示すタイミングチャートである。
図8において、「距離x」は、道路R上のビーコンヘッド8の直下を原点とし、原点から上流方向(図8の左方向)を正の値とする距離を表す座標である。
x=0.7mの地点は、新インタフェース規格におけるダウンリンク領域DAの下流端位置(図3の位置a0)である。x=3.4mの地点は、同規格におけるアップリンク領域UAの下流端位置(図3の位置b0)である。
x=6.04mの地点は、同規格におけるアップリンク領域UAの上流端位置(図3の位置c0)である。ここでは、x=6.04mの地点は、前述の第2アップリンク上流端P2(図7参照)であるものとする。
「時間t」は、地点c0の通過時点を原点とし、車両20が地点c0から下流方向(図8の右方向)に走行する場合の経過時間を表す座標である。従って、時間tは、左側から右側に進行する。地点b0の時間値(=135.8ms)及び地点a0の時間値(=274.6ms)は、車両20の想定速度が70km/hである場合の時間値である。
図8において、下段側の棒グラフULは、上りフレームUL1,UL2の送信タイミングのタイムチャートである。上段側の棒グラフDLは、下りフレームDL1,DL2の送信タイミングのタイムチャートである。
図8の凡例に示す通り、下段側の棒グラフULにおいて、「実線の斜線ハッチング」の部分は、低速フレームUL1を意味する。「横線ハッチング」の部分は、高速フレームUL2を意味する。
上段側の棒グラフDLにおいて、「空白」の部分は、第1の下りフレームDL1を意味する。「チェック柄ハッチング」の部分は、車線通知情報の連送期間を意味する。
上段側の棒グラフDLにおいて、「黒の塗りつぶし」の部分は、80フレームの第2の下りフレームDL2のうち、車線通知情報が格納される先頭フレームを意味する。「破線の斜線ハッチング」の部分は、80フレームの第2の下りフレームDL2のうち、先頭を除く残り79フレームを意味する。
上段側の棒グラフDLにおいて、「細線と太線を含む斜線ハッチング」の部分は、光ビーコン4が「初期化処理」を実行する期間を意味する。
図8の路車間通信のタイムチャートは、下記の1)〜3)のシーケンスが、アップリンク上流端c0の上流側で行われる場合を想定している。
1) 初回の低速フレームUL1のアップリンク送信
2) 車線通知情報の連送及び80フレームの先頭の車線通知情報のダウンリンク送信
3) 初回の高速フレームUL2のアップリンク送信
この場合、アップリンク上流端c0の上流側(x>6.04m)において送信が開始される一連の高速フレームUL2を、光ビーコン4が受信できない可能性が高い。
そこで、本実施形態の光ビーコン4では、図8のフローチャートに示すように、ビーコン制御機7が、高度化車載機2から低速フレームUL1(車載機種別=6でかつ情報種別=1の低速フレーム)を受信した場合に(ステップST1)、高速フレームUL2に関する「受信監視処理」を実行する(ステップST2)。
上記の受信監視処理は、具体的には、高速フレームUL2を正常に受信していないことを表す所定の条件(以下、「受信不良条件」ともいう。)が成立するか否か判定する処理のことである。
ビーコン制御機7は、受信不良条件が成立する場合(ステップST3でYes)は、初期化処理を実行し(ステップST4)、受信不良条件が成立しない場合(ステップST3でNo)は、初期化処理を実行しない(ステップST5)。
上記の初期化処理は、具体的には、低速フレームUL1及び高速フレームUL2の送信シーケンスを車載機2に再実行させるための処理のことである。
光ビーコン4が初期化処理を実行すると、下段側の棒グラフULに示す通り、車載機2が低速フレームUL1及び高速フレームUL2のシーケンスを再実行する。すなわち、車載機2がアップリンク送信のシーケンスを最初からやり直す。
このため、車載機2が低速フレームUL1の後に送信する高速フレームUL2を、光ビーコン4が受信し直すことができ、光ビーコン4による高速フレームUL2の受信率を高めることができる。
〔受信監視処理の具体例〕
受信監視処理における「受信不良条件」、すなわち、高速フレームUL2を正常に受信していないことを表す所定の条件としては、例えば、次の第1条件〜第4条件を採用することができる。なお、次の第1条件〜第4条件は、これらのうちの1つだけを採用してもよいし、少なくとも2つの条件を任意に組み合わせて採用することにしてもよい。
(第1条件)
第1条件は、連続して送信される複数の高速フレームUL2に含まれるフレーム番号(具体的には、ヘッダ部の「同一情報種別内フレーム番号」)の番号値に、所定の閾値以上の飛びがあることである。
その理由は、フレーム番号の番号値に上記の飛びがあると、一連の高速フレームUL2のうちの一部を光ビーコン4が受信していないことが明らかであり、正常な受信とは言えないからである。
例えば、ビーコン制御機7は、最初に受信した高速フレームUL2に含まれるフレーム番号の番号値が、所定の閾値(例えば「6」)以上の場合には、第1条件を満たすと判定すればよい。
この処理は、最大で16フレーム送信され得る複数の高速フレームUL2のうち、先頭フレームからの受信不良を判定する処理である。
また、ビーコン制御機7は、前回受信した高速フレームUL2に含まれるフレーム番号の番号値と、今回受信した高速フレームUL2に含まれるフレーム番号の番号値との差が、所定の閾値(例えば「6」)以上の場合には、第1条件を満たすと判定してもよい。
この処理は、最大で16フレーム送信され得る複数の高速フレームUL2のうち、先頭フレームを除く中間フレームの受信不良を判定する処理である。前回受信した高速フレームUL2に含まれるフレーム番号の番号値(初期値は0)を保持しておき、高速フレームUL2を受信するたびに、今回受信した高速フレームの番号値と前回受信した高速フレームの番号値から飛びフレーム数を計算するようにすれば、先頭フレームを含む場合と先頭フレームを除く場合とを同一の計算で判定することができる。しかし閾値は先頭フレームを含む場合と先頭フレームを除く場合とで異ならせるようにしてもよい。
(第2条件)
第2条件は、連続して送信される複数の高速フレームUL2のうちの最終フレーム(具体的には、ヘッダ部の「最終フレームフラグ」の値が1である高速フレーム)の受信時における受信率が、所定の閾値(例えば、70%)以下であることである。
その理由は、最終フレームの受信時における受信率が低い場合には、一連の高速フレームUL2のうちの一部を光ビーコン4が受信していないことが明らかであり、正常な受信とは言えないからである。
上記の第2条件において、最終フレームの受信時における「受信率」ではなく、当該受信時における高速フレームUL2の「受信回数」を採用してもよい。
すなわち、第2条件は、連続して送信される複数の高速フレームUL2のうちの最終フレームの受信時における「受信回数」が、所定の閾値(例えば、受信率70%に相当する受信回数値)以下であること、であってもよい。受信回数を用いる場合、所定の閾値は、最終フレームのフレーム番号の番号値ごと(又は番号値の範囲ごと)に異ならせるようにしてもよい。
(第2条件の変形例)
第2条件において、最終フレームの受信時における「受信率」ではなく、当該受信時における高速フレームUL2の「受信漏れ率」(=受信に失敗したフレーム数/最終フレームのフレーム番号)を採用してもよい。
すなわち、第2条件として、連続して送信される複数の高速フレームUL2のうちの最終フレームの受信時における「受信漏れ率」が、所定の閾値(例えば、30%)以上であること、を採用してもよい。
上記の第2条件の変形例において、最終フレームの受信時における「受信漏れ率」ではなく、当該受信時における高速フレームUL2の「受信漏れ回数」(=受信に失敗したフレーム数)を採用してもよい。
すなわち、第2条件は、連続して送信される複数の高速フレームUL2のうちの最終フレームの受信時における「受信漏れ回数」が、所定の閾値(例えば、受信漏れ率30%に相当する受信回数値)以上であること、であってもよい。この閾値は、受信回数と同様、最終フレームのフレーム番号の番号値ごと(又は番号値の範囲ごと)に異なっていてもよい。
(第3条件)
第3条件は、連続して送信される複数の高速フレームUL2の受信時における受信率が、フレーム番号(具体的には、ヘッダ部の「同一情報種別内フレーム番号」)ごとに定められた所定の閾値を下回ることである。
その理由は、各々の高速フレームUL2の受信時における受信率が低い場合も、一連の高速フレームUL2のうちの一部を光ビーコン4が受信していないことが明らかであり、正常な受信とは言えないからである。
図9は、高速フレームUL2ごとの受信率の算出例を示す算出テーブルである。
図9において、「フレーム番号」は、高速フレームUL2のヘッダ部の同一情報種別内フレーム番号のことである。「監視閾値」は、フレーム番号の番号値i(i=1〜16)ごとにビーコン制御機7に予め設定された受信率の閾値である。
監視閾値の数値の選定基準は、例えば次の通りである。
基準1) 監視閾値の分母を「n」(i=1〜16)とすると、n=iを満たす自然数(番号値iと同じ値)とする。
基準2) 監視閾値の分子を「m」(i=1〜16)とすると、m≦i、mi−1≦m、及び、m16<16を見たす自然数とする。
「受信例」は、フレーム番号の番号値iごとの受信成功又は受信失敗を表す判定欄であり、「○」は受信成功を意味し、「×」は受信失敗を意味する。
「受信率」は、フレーム番号の番号値iごとに算出される受信率であり、「受信率=現在の受信成功数/現在の番号値i」の算出式によって算出される。
図9の数値例では、番号値i=8において、受信率(=4/8)が監視閾値(=5/8)を下回っているので、8番目の高速フレームUL2を受信した時点で、ビーコン制御機7が初期化処理を実行することになる。
上記の第3条件において、複数の高速フレームUL2の受信時における「受信率」ではなく、当該受信時における高速フレームUL2の「受信回数」を採用してもよい。
すなわち、第3条件は、連続して送信される複数の高速フレームUL2の受信時における「受信回数」が、フレーム番号ごとに定められた所定の閾値(例えば、図9の「監視閾値」の分子値)を下回ること、であってもよい。
(第3条件の変形例)
第3条件において、複数の高速フレームUL2の受信時における「受信率」ではなく、当該受信時における高速フレームUL2の「受信漏れ率」(=受信に失敗したフレーム数/現時点のフレーム番号値)を採用してもよい。
図10は、高速フレームUL2ごとの受信漏れ率の算出例を示す算出テーブルである。
図10において、「フレーム番号」は、高速フレームUL2のヘッダ部の同一情報種別内フレーム番号のことである。「監視閾値」は、フレーム番号の番号値i(i=1〜16)ごとにビーコン制御機7に予め設定された受信漏れ率の閾値である。なお、監視閾値の数値の選定基準は、前述の基準1及び2と同様である。
「受信漏れ率」は、フレーム番号の番号値iごとに算出される受信漏れ率であり、「受信漏れ率=現在の受信漏れ回数/現在の番号値i」の算出式によって算出される。
図10の数値例では、番号値i=8において、受信漏れ率(=4/8)が監視閾値(=3/8)を上回っているので、8番目の高速フレームUL2を受信した時点で、ビーコン制御機7が初期化処理を実行することになる。
現在の受信漏れ回数は、次の工程1及び2により算出できる。次の工程1及び2において、「ip(初期値=0)」は前回受信分のフレーム番号、「ic」は今回受信分のフレーム番号、「GT(初期値=0)」は受信漏れ回数の累計値である。
工程1:高速フレームUL2を受信するごとに、GTに(ic―ip−1)を加算する処理と、ipをicに更新する処理を実行する。
工程2:工程1の加算処理で得られるGT値を現在の受信漏れ回数として出力する。
上記の処理を図10のフレーム番号9までの受信例に適用すると、次の通りである。
フレーム番号1のUL2受信時:累計値GT=0+「1−0−1」=0
フレーム番号4のUL2受信時:累計値GT=0+「4−1−1」=2
フレーム番号5のUL2受信時:累計値GT=2+「5−4−1」=2
フレーム番号8のUL2受信時:累計値GT=2+「8−5−1」=4
フレーム番号9のUL2受信時:累計値GT=4+「8−7−1」=4
上記の第3条件の変形例において、複数の高速フレームUL2の受信時における「受信漏れ率」ではなく、当該受信時における高速フレームUL2の「受信漏れ回数」(=受信に失敗したフレーム数)を採用してもよい。
すなわち、第3条件は、連続して送信される複数の高速フレームUL2の受信時における「受信漏れ回数」が、フレーム番号ごとに定められた所定の閾値(例えば、図10の「監視閾値」の分子値)を下回ること、であってもよい。受信漏れ回数の場合の閾値は、フレーム番号ごとに定めずに、受信漏れ回数がある閾値以上になった場合にビーコン制御機7が初期化処理を実行するようにしてもよい。
ところで、第2条件を採用する場合には、最終フレームの受信時の受信率、受信回数、受信漏れ率又は受信漏れ回数が必要となるので、最終フレームを受信できないと受信監視処理ができなくなるとともに、受信不良か否かの判定(図8のステップST3)が最終フレームの受信後になるので、判定結果の出力が遅れ気味になる。
これに対して、第3条件を採用すれば、各々の高速フレームUL2の受信時における受信率、受信回数、受信漏れ率又は受信漏れ回数を用いて受信不良か否かの判定(図8のステップST3)を行えるので、最終フレームを受信できなくても受信監視処理を実行できるとともに、第2条件の場合に比べて判定結果をより早く出力できるという利点がある。
(第4条件)
第4条件は、高度化車載機2からの低速フレームUL1(車載機種別=6でかつ情報種別=1の低速フレーム)を受信した後に、所定時間(例えば30ms=20ms+α)が経過しても、高速フレームUL2を受信しないことである。
その理由は、上記の条件が成立する場合は、車載機2が一連の高速フレームUL2を最初から送信していないと推定できるので、光ビーコン4が高速フレームUL2を正常に受信できていないと判断できるからである。
〔初期化処理の具体例〕
ビーコン制御機7が実行する「初期化処理」、すなわち、低速フレームUL1及び高速フレームUL2の送信シーケンスを車載機2に再実行させるための処理は、例えば、次の第1処理及び第2処理を採用することができる。
(第1処理)
第1処理は、高度化車載機2からの低速フレームUL1(車載機種別=6でかつ情報種別=1の低速フレーム)の受信後における第2の下りフレームDL2の送信を、所定時間(例えば20〜30ms)だけ停止する処理である。
より具体的には、上記の所定時間の経過後に、ビーコン制御機7は、ダウンリンク送信を第1の下りフレームDL1の送信に切り替えることにすればよい。
その理由は、ビーコン制御機7が上記の第1処理を実行すれば、車載機2が、別の光ビーコン4との路車間通信が新たに開始されたと判断し、低速フレームUL1及び高速フレームUL2の送信シーケンスを再実行すると考えられるからである。
(第2処理)
第2処理は、高度化車載機2からの低速フレームUL1(車載機種別=6でかつ情報種別=1の低速フレーム)の受信後に送信する、第2の下りフレームDL2に含まれる車線通知情報の車両IDの識別値をクリアする処理である。
その理由は、ビーコン制御機7が上記の第2処理を実行する場合も、車載機2が、別の光ビーコン4との路車間通信が新たに開始されたと判断し、低速フレームUL1及び高速フレームUL2の送信シーケンスを再実行すると考えられるからである。
〔再実行の好適なタイミング例〕
図11は、車載機2による送信シーケンスの再実行の好適なタイミング例を示すタイムチャートである。
図11において、上段側の路車間通信(現行の最悪条件)は、最初の低速フレームUL1のアップリンク送信が、x=6.04mの地点(アップリンク上流端c0)の直前で行われ、その低速フレームUL1を光ビーコン4が受信できなかった場合を示す。
この場合、新インタフェース規格では、車載機2が、最初の低速フレームUL1のアップリンク送信から30ms経過後に低速フレームUL1を再送することになっている。
2回目の低速フレームUL1を光ビーコン4が受信すると、路車間通信のシーケンスが開始される。すなわち、車載機2側の立場で言うと、低速フレームUL1のアップリンク送信→連送期間及びダウンリンクサイクルの先頭フレームのダウンリンク受信→高速フレームUL2のアップリンク送信→ダウンリンクサイクルの残りのフレームのダウンリンク受信の順で、路車間通信が進行する。
上記のように、2回目の低速フレームUL1により路車間通信のシーケンスが始まる場合には、高速フレームUL2のアップリンク送信の後に車載機2が受信可能な下りフレームDL2のフレーム数は、「183フレーム」となる。
新インタフェース規格では、車載機2に提供する第2の下りフレームDL2のフレーム数は、160フレーム以上必要であると規定されている。従って、図11の上段側の路車間通信のタイムチャートは、規格上の要請を充足している。
図11において、下段側の路車間通信(再実行のタイミング)は、最初の低速フレームUL1のアップリンク送信が、x=6.04mの地点(アップリンク上流端c0)の手前で行われ、この低速フレームUL1を光ビーコン4が受信できたために、x=6.04mの地点を跨いで複数の高速フレームUL2がアップリンク送信された場合を示す。
この場合、本実施形態の光ビーコン4が初期化処理を行うと、車載機2は、低速フレームUL1及び高速フレームUL2の送信シーケンスを再実行する。
しかし、車載機2による再実行の開始時点(2回目の低速フレームUL1の送信開始時点)tsが遅れると、高速フレームUL2の送信終了時点teも遅れることなり、この送信終了時点te以後に車載機2が受信可能な下りフレームDL2のフレーム数が、規格上の「160フレーム以上」を満たさなくなる可能性がある。
そこで、車載機2の再実行による低速フレームUL1の送信開始時点tsは、最初の低速フレームUL1の受信失敗の場合(図11の上段側の路車間通信)に、車載機2が再送シーケンスを開始する時点(t=30ms)以前であることが好ましい。
換言すると、上記の送信開始時点tsは、所定の想定速度(例えば、70km/h)で下流側に移動する車載機2がアップリンク上流端c0の直前で送信した低速フレームUL1を、光ビーコン4が受信しなかったと仮定した場合に、車載機2が再送シーケンスを開始する時点(t=30ms)以前であることが好ましい。
このようにすれば、図11の上段側の路車間通信(現行の最悪条件)とほぼ同等のダウンリンク通信量(183フレーム)を確保でき、新インタフェース規格の要請を充足したダウンリンク通信を実行できるようになる。
なお、図11の下段側の路車間通信(再実行のタイミング)において、光ビーコン4による初期化処理の実行期間を20ms程度で済ますことができれば、低速フレームUL1の送信開始時点tsを30msに合わせることが可能になると考えられる。
〔車載機の改良の必要性〕
ところで、低速フレームUL1の受信後に高速フレームUL2の受信不良を検出した場合において、高速フレームUL2の受信率を向上する手段としては、必要とする高速フレームUL2の「再送要求」を光ビーコン4が車載機2に通知し、この再送要求に応じて、車載機2が所定の高速フレームUL2を再送することが考えられる。
しかし、この手段では、高速フレームUL2の再送要求に車載機2が応答できるように、車載制御機21の制御機能を改良する必要がある。
これに対して、本実施形態の初期化処理は、換言すると、低速フレームUL1及び高速フレームUL2のアップリンク送信に関する新インタフェース規格通りの送信シーケンスを、車載機2に初めからやり直させる処理であると言える。
従って、車載機2側の立場から見ると、車載制御機21のCPUに実行させるソフトウェアやASICなどの制御回路など、新インタフェース規格に従う車載制御機21の制御機能を改良する必要がないという効果もある。
もっとも、メモリ容量の増大を防止するために、プローブデータなどの大容量のアップリンクデータについては、高速フレームUL2によるアップリンク送信が完了すると即座に消去するメモリ制御を、車載機2が採用している可能性がある。
この場合、本実施形態の初期化処理により、車載機2が低速フレームUL1及び高速フレームUL2の送信シーケンスを再実行することにしても、高速フレームUL2に格納すべきアップリンクデータが存在しないために、車載機2が当該送信シーケンスの再実行を行えなくなる。
そこで、低速フレームUL1及び高速フレームUL2の送信シーケンスの再実行を行う車載機2の車載制御機21は、高速フレームUL2によるアップリンクデータの送信を完了した後も、当該アップリンクデータを所定時間だけ保持するメモリ制御を実行可能であることが好ましい。
上記の所定時間は、車載機2が1つの光ビーコン4との路車間通信を完了するのに十分な時間(例えば、250〜500ms)に設定すればよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的ではないと考えられるべきである。本発明の権利範囲は、上述の実施形態の内容ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及びその範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 交通管制システム
2 車載機
3 中央装置
4 光ビーコン
5 通信回線
6 通信部
7 ビーコン制御機(通信制御部、発光制御部)
8 ビーコンヘッド
9 筐体
11 送受信ユニット
12 センサユニット
13 光通信用の発光ユニット(光送信部)
14 光通信用の受光ユニット(光受信部)
15 感知用の発光ユニット
16 感知用の受光ユニット
17 支柱
18 架設バー
20 車両
21 車載制御機
22 車載ヘッド
23 光送信部
24 光受信部
R 道路
R1〜R4 車線

Claims (10)

  1. 走行中の車両の車載機と光信号による無線通信を行う光ビーコンであって、
    高低2種類の伝送速度での光電気変換が可能な光受信部と、
    所定の伝送速度での電気光変換が可能な光送信部と、
    高速アップリンク送信に対応する高度化車載機が低速フレームの後に送信する高速フレームを正常に受信していないことを表す所定の条件が成立した場合に、前記低速フレーム及び前記高速フレームの送信シーケンスを前記高度化車載機に再実行させるための処理を実行する通信制御部と、を備える光ビーコン。
  2. 前記所定の条件には、
    連続して送信される複数の前記高速フレームに含まれるフレーム番号の番号値に、所定の閾値以上の飛びがあることが含まれる請求項1に記載の光ビーコン。
  3. 前記所定の条件には、
    連続して送信される複数の前記高速フレームのうちの最終フレームの受信時における受信率が、所定の閾値以下であることが含まれる請求項1又は請求項2に記載の光ビーコン。
  4. 前記所定の条件には、
    連続して送信される複数の前記高速フレームの受信時における受信率が、フレーム番号ごとに定められた所定の閾値を下回ることが含まれる請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光ビーコン。
  5. 前記所定の条件には、
    前記低速フレームの受信後に所定時間が経過しても、前記高速フレームを受信しないことが含まれる請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光ビーコン。
  6. 前記送信シーケンスを再実行させるための処理には、
    前記低速フレームの受信後における下りフレームの送信を所定時間だけ停止する処理が含まれる請求項1〜請求項5のいずれか1項に光ビーコン。
  7. 前記送信シーケンスを再実行させるための処理には、
    前記低速フレームの受信後に送信する下りフレームに含まれる車線通知情報の車両IDの識別値をクリアする処理が含まれる請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光ビーコン。
  8. 前記送信シーケンスの再実行による前記低速フレームの送信開始時点は、
    所定の想定速度で下流側に移動する前記高度化車載機がアップリンク上流端の直前で送信した前記低速フレームを、前記光ビーコンが受信しなかったと仮定した場合に、前記高度化車載機が再送シーケンスを開始する時点以前である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の光ビーコン。
  9. 道路に設置された光ビーコンと光信号による無線通信を行う車載機であって、
    所定の伝送速度での光電気変換が可能な光受信部と、
    高低2種類の伝送速度での電気光変換が可能な光送信部と、
    低速フレームの後に高速フレームを送信する送信シーケンスを実行可能である通信制御部と、を備えており、
    前記通信制御部は、前記高速フレームによるアップリンクデータの送信を完了した後、当該アップリンクデータを所定時間だけ保持するメモリ制御を実行可能である車載機。
  10. 前記所定時間は、前記車載機が1つの前記光ビーコンとの路車間通信を完了するのに十分な時間に設定されている請求項9に記載の車載機。
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JP2020167603A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 コイト電工株式会社 路車間通信装置
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