JP2013096237A - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の噴孔を有しこの噴孔から燃料を吸気管内に噴射する噴孔プレートを、燃料通路の出口側に配設した燃料噴射弁において、噴孔の燃料出口周縁部に沿って、噴孔から垂れ下がってきた滴下燃料を溜める窪み部を設けると共に、噴孔の中心を通る鉛直線の下方位置の窪み部に、噴孔に向かって隆起させ燃料噴射による負圧を発生する凸部を設けたものである。
【選択図】図3
Description
上記燃料噴射弁の先端部は斜め下を向くような取付角でエンジンに搭載され、上記噴孔の燃料出口周縁部に沿って、上記噴孔から垂れ下がってきた滴下燃料を溜めるため噴孔出口径より大きな開口径を有する窪み部を設けると共に、上記噴孔出口の中心を通る鉛直線の下方位置の上記窪み部に、上記噴孔に向かって隆起させ、噴孔出口部に近づけたことにより燃料噴射による負圧を発生する凸部を設けたものである。
なお、各図間において、同一符号は同一あるいは相当部分を示す。
まず、図1を用いて燃料噴射弁1の開閉動作について説明する。
図7は、従来の燃料噴射弁において燃料噴射弁の先端部に付着燃料が溜まった様子を示した断面図であるが、従来の燃料噴射弁では、この状態で燃料噴射弁1の先端部には、燃料噴射のたびに噴孔部から垂れてくる付着燃料10が鉛直方向下部に溜まり、例えば図8のように鉛直方向下側の噴孔28aが液没した状態となり、この付着燃料70が大きな液滴となって滴下し、内燃機関のシリンダ内に供給されると、燃焼悪化による排ガスの悪化やエンジン制御性の悪化を引き起こす問題点があった。
これにより、噴孔出口から噴射される燃料に引っ張られるかたちで噴孔出口付近に発生する負圧により、噴孔8Hから垂れ下がり、凸部13Dの両側の窪み部13に溜まった付着燃料(滴下燃料)10を吸い上げて、噴孔8Hから噴射される燃料と一緒に噴射方向へ飛ばすことができるため、付着燃料が溢れて大きな液滴となって滴下することを防止できる。また付着燃料は、凸部13Dの両側窪み部13に溜まることで噴孔出口が液没することがないため、噴射開始直後の粒径が悪化することもない。
以下、実施の形態2〜8について説明するが、実施の形態1と共通する部分は、説明を省略し差異を中心に説明する。
実施の形態1が、噴孔出口部に対して鉛直方向で下側の一部が噴孔出口部に近づくように凸部13Dを形成したのに対して、実施の形態2では図4のように噴孔出口部に対して鉛直方向で上側にも噴孔出口に近づくように変形させ、隆起させた凸部13D1を形成している。
これにより、噴孔出口部から噴射される燃料に引っ張られるかたちで噴孔出口付近に発生する負圧が実施の形態1より増大し、窪み部13の両側に溜まった付着燃料10を吸い上げる力を増大することができる。
実施の形態1または2の窪み部13は、プレス成型により形成するものであるが、この窪み部13を形成するには複雑な形状のパンチが必要となり、パンチの成形性及び剛性面で課題がある。これに対して、図5に示した実施の形態3では、円筒状の窪み部13をプレス成型した後、この窪み部13の周辺を鍛圧し円錐状の窪み8Dを形成することによって、凸部13D、13D1を形成するものである。したがって、実施の形態3による凸部13D、13D1は、実施の形態1または2の窪み部13に比べ容易に形成することができ、低コスト化を可能としている。
実施の形態4は、図示しないが窪み部13の内周面13Iの面粗度を、窪み部13の下流側端面8Eに対して粗くしたものである。これにより、表面積を拡大し、窪み部13の下流側端面8Eに対して濡れ性を向上させている。また、付着燃料を窪み部13からこぼれにくくし、付着燃料の滴下防止効果を増大することができる。
実施の形態5は、図示しないが窪み部13の内周面13Iのみにプラズマ処理やUVオゾン処理といった表面処理(親油性の処理)、または二酸化チタンコーティングのコーティング処理を施したものである。これにより、窪み部13の下流側端面に対して濡れ性を向上させている。また、付着燃料を窪み部13からこぼれにくくし、付着燃料の滴下防止効果を増大することができる。
実施の形態6は、図示しないが窪み部13の下流側端面8Eのみに疎油性の処理またはコーティングを施したものである。これにより、窪み部13の内周面に対して疎油性を向上させている。また、付着燃料を窪み部13からこぼれにくくし、付着燃料の滴下防止効果を増大することができる。
実施の形態7では、図6に示すように、噴孔プレート(第1噴孔プレート81)の下流側に接するようにこの噴孔プレートとは別の噴孔プレート(第2噴孔プレート82)を設け、下流側の第2噴孔プレート82に、凸部13Dを有する窪み部13をプレス抜き加工により成形している。これにより、噴孔プレート8(図3、図4)に窪み部13をプレス鍛圧成型する場合と比べて、より深い窪みを形成することができるため、付着燃料の滴下防止効果を増大することができる。
実施の形態8では、第1噴孔プレート81をステンレス製とし、下流側の第2噴孔プレート82を樹脂製としている。ステンレスは疎油性に対して樹脂は親油性のため、付着燃料は噴孔を液没させることなく、窪み部13を含む下流側の第2噴孔プレートにまとわり付くことがないため、付着燃料の滴下防止効果を増大することができる。
2 コイル
3 アマチュア
4 コア
5 ハウジング
6 ボール弁
7 弁ボディ
7S 弁座
8 噴孔プレート
81 第1噴孔プレート
82 第2噴孔プレート
8H 噴孔
8D 円錐状の窪み
8E 下流側端面
9 圧縮ばね
10 付着燃料
11 金属製ジャケット
12 吸気管壁
13 窪み部
13D、13D1 凸部
13I 窪み部の内周面。
Claims (8)
- 複数の噴孔を有しこの噴孔から燃料を吸気管内に噴射する噴孔プレートを、燃料通路の出口側に配設した燃料噴射弁において、
上記燃料噴射弁の先端部は斜め下を向くような取付角でエンジンに搭載され、上記噴孔の燃料出口周縁部に沿って、上記噴孔から垂れ下がってきた滴下燃料を溜めるため噴孔出口径より大きな開口径を有する窪み部を設けると共に、上記噴孔出口の中心を通る鉛直線の下方位置の上記窪み部に、上記噴孔に向かって隆起させ、噴孔出口部に近づけたことにより燃料噴射による負圧を発生する凸部を設けたことを特徴とする燃料噴射弁。 - 上記凸部は、上記噴孔出口の中心を通る鉛直線の上方位置の上記窪み部に追加したことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
- 上記凸部は、上記窪み部をプレス成型した後、上記窪み部周辺を鍛圧することにより形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射弁。
- 上記窪み部の内周面は、その面粗度を上記噴孔プレートの出口側端面に対して粗くしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。
- 上記窪み部の内周面に、親油性の処理またはコーティング処理を施したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。
- 上記噴孔プレートの出口側端面に、疎油性の処理またはコーティング処理を施したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。
- 上記噴孔プレートを第1噴孔プレートとし、その出口側に接するように第2噴孔プレートを設け、この第2噴孔プレートに上記窪み部と上記凸部を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。
- 上記第1噴孔プレートは、ステンレスで構成し、出口側の上記第2プレートは樹脂で構成したことを特徴とする請求項7に記載の燃料噴射弁。
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