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JP2001214839A - 燃料噴射弁 - Google Patents

燃料噴射弁

Info

Publication number
JP2001214839A
JP2001214839A JP2000019153A JP2000019153A JP2001214839A JP 2001214839 A JP2001214839 A JP 2001214839A JP 2000019153 A JP2000019153 A JP 2000019153A JP 2000019153 A JP2000019153 A JP 2000019153A JP 2001214839 A JP2001214839 A JP 2001214839A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
diameter
hole
fuel
nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000019153A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatoshi Yanase
正敏 梁瀬
Hiroaki Hirata
浩昭 平田
Mikio Kajizuka
幹夫 梶塚
Hideo Kato
秀夫 加藤
Kuniharu Suzuki
邦治 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unisia Jecs Corp filed Critical Unisia Jecs Corp
Priority to JP2000019153A priority Critical patent/JP2001214839A/ja
Publication of JP2001214839A publication Critical patent/JP2001214839A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズルプレートのノズル孔を等径孔部と拡径
孔部とから構成することにより、燃料の微粒化と噴射方
向の安定化を図る。 【解決手段】 燃料噴射弁の弁ケーシング内には、弁座
部材の先端側に位置してノズルプレート15を取付け、
その各ノズル孔16,17を、等しい孔径dをもって直
線状に延設された等径孔部16A,17Aと、テーパ状
に拡径して形成された拡径孔部16B,17Bとによっ
て構成する。これにより、燃料の噴射時には、燃料の噴
射流量と噴射方向とを等径孔部16A,17Aによって
定め、その噴流を拡径孔部16B,17Bによって一定
の領域へと拡げる。これにより、噴射燃料の方向性を安
定させつつ、燃料が微粒化した状態を保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用エ
ンジン等に燃料を噴射するのに好適に用いられる燃料噴
射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば自動車用エンジン等に用
いられる燃料噴射弁は、軸方向に燃料通路が設けられた
筒状の弁ケーシングと、該弁ケーシングの先端側内周に
設けられ噴射口を囲んで内周側に弁座が設けられた弁座
部材と、該弁座部材の噴射口と対面して前記ケーシング
の先端側に設けられ板厚方向に複数のノズル孔が貫通し
て形成されたノズルプレートと、前記弁ケーシングの燃
料通路内に挿通して設けられ基端側が吸着部となり先端
側が該弁座部材の弁座に対し離着座する弁部となった弁
体と、前記弁ケーシングの基端側に設けられ通電するこ
とによって該弁体の吸着部を吸引し該弁体を開弁する電
磁アクチュエータとから構成されている(例えば、特開
平11ー70347号公報等)。
【0003】この種の従来技術による燃料噴射弁には、
弁ケーシングの先端側に位置して弁座部材の噴射口を覆
うノズルプレートが設けられ、このノズルプレートは、
例えば薄肉の金属板等をプレス加工することによって形
成されている。また、ノズルプレートには、円筒状の周
壁を有する複数のノズル孔が貫通して形成され、これら
のノズル孔は長さ方向に対し等しい孔径をもって直線状
に延びている。
【0004】そして、弁体の開弁時には、弁ケーシング
内に供給される燃料が各ノズル孔からエンジンの吸気ポ
ート等に向けて噴射され、このときノズル孔は、その孔
径に応じて予め定められた流量で燃料を噴射しつつ、燃
料の微粒化を図る構成となっている。
【0005】また、例えば特開平7−63140号公報
に記載の他の従来技術では、ノズルプレートに対して、
燃料の噴射方向に向けてテーパ状に拡径したノズル孔を
形成することにより、噴射燃料の微粒化を促進する構成
としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、長さ方向に対して一定の孔径をもった円筒
状のノズル孔を形成し、このノズル孔から燃料を微粒化
しつつ噴射する構成としている。この場合、ノズル孔か
ら噴射される燃料は、その孔径が小さいほど微粒化し易
くなるため、従来技術では、ノズル孔の孔径を可能な限
り小さく形成したいという要求がある。
【0007】しかし、このような円筒状のノズル孔から
噴射される燃料の粒子は、微小な孔径に対応した狭い領
域で高い粒子密度をもつ噴流を形成するようになり、燃
料粒子の一部は噴射後に結合して粒径が大きくなり易い
ため、従来技術では、ノズル孔から噴射する燃料を十分
に微粒化するのが難しいという問題がある。
【0008】また、他の従来技術では、単にノズル孔を
テーパ状に拡径して形成しているに過ぎず、ノズル孔か
ら噴射される燃料は、その周壁に沿って円錐状に拡がり
易くなるため、燃料の噴射方向が不安定となる虞れがあ
り、エンジンの吸気ポート等に対して所望の位置に燃料
を噴射できないことがある。
【0009】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、ノズル孔から噴射され
る燃料の微粒化を促進できると共に、燃料の噴射方向を
安定させることができるようにした燃料噴射弁を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、軸方向に燃料通路が設けられた筒状の
弁ケーシングと、該弁ケーシングの先端側内周に設けら
れ噴射口を囲んで内周側に弁座が設けられた弁座部材
と、該弁座部材の噴射口と対面して前記ケーシングの先
端側に設けられ板厚方向に複数のノズル孔が貫通して形
成されたノズルプレートと、前記弁ケーシングの燃料通
路内に挿通して設けられ基端側が吸着部となり先端側が
該弁座部材の弁座に対し離着座する弁部となった弁体
と、前記弁ケーシングの基端側に設けられ通電すること
によって該弁体の吸着部を吸引し該弁体を開弁する電磁
アクチュエータとからなる燃料噴射弁に適用される。
【0011】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、ノズル孔は、前記ノズルプレートの内側面に開
口し該内側面から板厚方向の途中位置まで等しい孔径を
もって直線状に延びて形成された等径孔部と、該等径孔
部から前記ノズルプレートの外側面に向けて拡径して形
成され該外側面に開口した拡径孔部とにより構成したこ
とにある。
【0012】このように構成することにより、弁体の開
弁時には、ノズル孔の等径孔部に流入する燃料を拡径孔
部から外部に噴射でき、この燃料の噴射流量を等径孔部
の孔径に応じて定め、その噴射方向を等径孔部の長さ方
向に沿って定めることができる。また、燃料が拡径孔部
から噴出するときには、その噴流が拡径孔部の周壁に沿
って一定の領域に拡がるため、噴流中に含まれる燃料粒
子が過密となるのを抑えて粒子間の結合を減少させるこ
とができる。従って、燃料の噴流を等径孔部の長さ方向
に沿って形成しつつ、拡径孔部によって燃料が微粒化し
た状態を保持することができる。
【0013】一方、請求項2の発明が採用する構成の特
徴は、ノズル孔は、前記ノズルプレートの内側面に開口
し該内側面から板厚方向の途中位置まで等しい孔径をも
って直線状に延びて形成された第1の等径孔部と、該第
1の等径孔部から前記ノズルプレート内を板厚方向に拡
径して形成された拡径孔部と、該拡径孔部から前記ノズ
ルプレートの外側面に向けて等しい孔径をもって直線状
に延びて形成され該外側面に開口した第2の等径孔部と
により構成したことにある。
【0014】これにより、燃料の噴射流量を第1の等径
孔部の孔径に応じて定め、その噴射方向を第1の等径孔
部の長さ方向に沿って定めることができる。また、噴射
燃料は拡径穴部によって一定の領域に拡がった状態で第
2の等径孔部内を流通し、その後に外部へと噴出するよ
うになるので、第2の等径孔部によって燃料の噴射方向
をより安定化させることができる。
【0015】また、請求項3の発明のように、ノズル孔
の軸線は前記ノズルプレートの板厚方向に対し傾斜して
形成することにより、噴射燃料を各ノズル孔の軸線に沿
った複数の方向に分岐して噴射することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態
を、自動車用エンジン等に用いられる燃料噴射弁を例に
挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0017】ここで、図1ないし図5は本発明の第1の
実施の形態による燃料噴射弁を示している。
【0018】1は燃料噴射弁の本体をなす筒状の弁ケー
シングで、該弁ケーシング1は、例えば電磁ステンレス
鋼等の磁性材料により段付き筒状に形成されている。そ
して、弁ケーシング1は、基端側に後述の樹脂カバー1
9が取付けられた大径筒部1Aと、該大径筒部1Aの先
端側に一体形成された小径筒部1Bとからなり、その内
部には後述の弁体8を挿通する燃料通路2が軸方向に設
けられている。
【0019】3は弁ケーシング1の基端側に固着された
筒状の連結部材で、該連結部材3は非磁性材料によって
形成され、弁ケーシング1と後述の燃料流入パイプ4と
の間に介在している。
【0020】4は例えば電磁ステンレス鋼等の磁性材料
によって形成された筒状の燃料流入パイプで、該燃料流
入パイプ4は、連結部材3を用いて弁ケーシング1の基
端側に固定され、その先端側は燃料通路2に連通してい
る。また、燃料流入パイプ4の基端側内周には燃料フィ
ルタ5が設けられている。
【0021】ここで、燃料流入パイプ4と弁ケーシング
1とは、これらの外周側に取付けられた磁性金属片等か
らなる連結コア6を介して磁気的に連結されている。そ
して、後述の電磁コイル12に通電したときには、弁ケ
ーシング1、燃料流入パイプ4、連結コア6と、後述す
る弁体8の吸着部10との間に閉磁路が形成される。
【0022】7は弁ケーシング1の小径筒部1B内に僅
かな隙間をもって設けられた略筒状の弁座部材で、該弁
座部材7の先端側には、図2に示す如く円形状の噴射口
7Aが開口して形成され、弁座部材7の内周側には、該
噴射口7Aを囲んで略円錐状の弁座7Bが設けられてい
る。
【0023】8は弁ケーシング1の燃料通路2内に挿通
して設けられた弁体で、該弁体8は、図1に示す如く、
金属板等を折曲げることにより略筒状に形成された弁軸
9と、該弁軸9の基端側に固着された磁性材料等からな
る筒状の吸着部10と、弁軸9の先端側に固着して設け
られ、弁座部材7の弁座7Bに離着座する球状の弁部1
1とから構成されている。
【0024】ここで、吸着部10の基端面は、燃料流入
パイプ4と軸方向の隙間を挟んで対向し、この隙間の寸
法は弁体8のリフト量として予め調整されている。ま
た、弁部11の外周側には複数箇所に面取りが施されて
いる。
【0025】そして、弁体8は、吸着部10が電磁コイ
ル12等によって磁気的に吸引されると、後述の弁ばね
13に抗して軸方向に変位し、弁部11が弁座部材7の
弁座7Bに着座した閉弁位置から吸着部10が燃料流入
パイプ4に当接する開弁位置まで一定のリフト量をもっ
て開弁するものである。
【0026】12は弁ケーシング1の基端側で樹脂カバ
ー19内に固着して設けられた電磁アクチュエータとし
ての電磁コイルで、該電磁コイル12は、後述のコネク
タ20を用いて外部から通電されることにより弁体8の
吸着部10を磁気的に吸引し、弁体8を開弁させるもの
である。
【0027】13は燃料流入パイプ4内に配置された圧
縮ばねからなる弁ばねで、該弁ばね13は、燃料流入パ
イプ4の上流側に固着された筒体14と弁体8の基端側
との間に設けられ、弁体8を閉弁方向に付勢している。
【0028】15は後述の押えプレート18により弁ケ
ーシング1の小径筒部1B内に固着して設けられたノズ
ルプレートで、該ノズルプレート15は、図3、図4に
示す如く平板状をなす円形の金属薄板として形成され、
予め定められた板厚tを有している。
【0029】また、ノズルプレート15は、内側面15
Aが図2中の弁座部材7に取付けられ、その中央部が弁
座部材7の噴射口7Aと対面すると共に、外側面15B
の中央部が押えプレート18の内周側を介して外部に面
している。そして、ノズルプレート15は、弁体8が開
弁したときに、弁座部材7の噴射口7Aから流出する燃
料を後述のノズル孔16,17から微粒化した状態で噴
射するものである。
【0030】16,16,…はノズルプレート15の中
央左側に位置して板厚方向に貫通して形成された多数の
左ノズル孔を示している。そして、左ノズル孔16は、
図3、図4に示す如く、例えばノズルプレート15の中
心軸線O−Oを通って上,下方向に延びるY−Y軸より
も左側に配設され、後述するように中心軸線O−Oと平
行な線OA −OA に対して左方向に傾斜角αA だけ傾斜
し、ノズルプレート15の中央右側に形成された後述の
右ノズル孔17と共に2重の同心円状をなして配置され
ている。
【0031】ここで、ノズル孔16は、図4に示す如
く、燃料の流入側に位置して軸線A−Aを中心とした円
筒状の周壁を有する等径孔部16Aと、燃料の噴出側に
位置して該等径孔部16Aと同軸に形成され、略円錐状
の周壁を有する拡径孔部16Bとから構成されている。
また、左ノズル孔16の軸線A−Aは、ノズルプレート
15の中心軸線O−Oと平行な線OA −OA に対し、例
えばエンジンの吸気ポートの配置等に対応した所定の傾
斜角αA だけ左方向に傾斜して形成されている。
【0032】そして、等径孔部16Aは、基端側がノズ
ルプレート15の内側面15Aに開口し、この内側面1
5Aから板厚方向の途中位置まで等しい孔径dをもって
直線状に延びている。また、この孔径dは、ノズル孔1
6による燃料の噴射流量を定めるものである。さらに、
等径孔部16Aは、その基端側開口の中心位置と先端側
との間に位置して軸線A−Aに沿った長さ寸法Lを有し
ている。
【0033】一方、拡径孔部16Bは、基端側が等径孔
部16Aと等しい孔径dを有し、該等径孔部16Aから
ノズルプレート15の外側面15Bに向けてテーパ状に
拡径して形成されると共に、その孔径は予め定められた
拡がり角θをもって円錐状に大きくなっている。また、
拡径孔部16Bの先端側はノズルプレート15の外側面
15Bに開口している。
【0034】17,17,…はノズルプレート15の中
央右側に形成された多数の右ノズル孔を示している。そ
して、右ノズル孔17は、図3、図4に示す如く、例え
ばノズルプレート15のY−Y軸よりも右側に配設さ
れ、その軸線B−Bは中心軸線O−Oと平行な線OB −
OB に対して右方向に傾斜角αB だけ傾斜している。ま
た、右ノズル孔17は、左ノズル孔16とほぼ同様に、
等径孔部17Aと拡径孔部17Bとから構成されてい
る。
【0035】18は略環状の金属板等によって形成され
た押えプレートで、該押えプレート18は、図2に示す
如く、外周側が溶接部18Aによって弁ケーシング1の
小径筒部1B内に溶接され、内周側が他の溶接部18B
によってノズルプレート15と一緒に弁座部材7の先端
面に溶接されると共に、これによりノズルプレート15
と弁座部材7とを弁ケーシング1内に固定している。
【0036】また、燃料噴射弁の組立時には、押えプレ
ート18を溶接した後に先端側から押動して塑性変形さ
せることにより、弁座部材7をケーシング1内で軸方向
に変位させ、弁体8のリフト量を調整する。なお、ノズ
ルプレート15は、別個の押えプレート18を用いて弁
ケーシング1に取付けるものとしたが、ノズルプレート
15と押えプレート18とを予め一体に形成しておき、
これらを弁ケーシング1に取付ける構成としてもよい。
【0037】また、19は弁ケーシング1の大径筒部1
A等を覆うように取付けられた樹脂カバーで、該樹脂カ
バー19には、図1に示す如くコネクタ20が設けられ
ている。さらに、21は弁ケーシング1の小径筒部1B
に取付けられたプロテクタで、該プロテクタ21はノズ
ルプレート15等を保護するものである。
【0038】本実施の形態による燃料噴射弁は上述の如
き構成を有するもので、次にその作動について説明す
る。
【0039】まず、弁ケーシング1内の燃料通路2に
は、燃料流入パイプ4の基端側から燃料が供給される。
そして、電磁コイル12がコネクタ20を介して通電さ
れると、弁体8は、吸着部10が電磁コイル12により
弁ケーシング1、燃料流入パイプ4および連結コア6を
介して磁気的に吸引され、弁ばね13に抗して開弁す
る。これにより、燃料通路2内の燃料は、ノズルプレー
ト15のノズル孔16,17から図4中の左,右方向に
分岐して微粒化状態で噴射される。
【0040】そして、例えば左ノズル孔16から燃料が
噴射されるときには、弁座部材7の噴射口7Aから等径
孔部16Aに流入する燃料が等径孔部16A内を軸線A
−Aに沿って長さ寸法Lだけ流通し、その流量は等径孔
部16Aの孔径dに応じて定められると共に、燃料の噴
射方向は左方向に傾斜した傾斜角αA に応じて設定され
る。
【0041】また、この燃料が拡径孔部16Bから外部
に噴出するときには、燃料の噴流が拡径孔部16Bの周
壁に沿って拡がり角θに応じた一定の領域に拡がるた
め、噴流中の燃料粒子は過密となるのを抑えられ、粒子
間の結合が減少する。これにより、左ノズル孔16から
噴射される燃料は、軸線A−Aに沿って噴流を形成しつ
つ、微粒化した状態を保持する。また、右ノズル孔17
から噴射される燃料も同様に、軸線B−B方向に沿って
噴流を形成しつつ微粒化した状態を保持する。
【0042】一方、ノズルプレート15の製造時には、
図5に示す如く、プレス加工等により予め形成したノズ
ルプレート15に対して、例えばドリル、パンチ等の治
具22を用いてノズル孔16,17を穿設する。この場
合、治具22には、細長い円柱状に形成された刃先部2
2Aと、略円錐状のテーパ刃部22Bとが設けられてい
る。
【0043】そして、例えばノズル孔16の穿設時に
は、まず治具22を軸線A−Aに沿ってノズルプレート
15内に進入させることにより、その刃先部22Aによ
ってノズル孔16の等径孔部16Aを形成し、テーパ刃
部22Bによって拡径孔部16Bを形成した後に、治具
22をノズル孔16から引抜く。
【0044】かくして、本実施の形態では、左ノズル孔
16を等径孔部16Aと拡径孔部16Bとによって構成
し、右ノズル孔17もノズル孔16とほぼ同様に構成し
たので、例えば左ノズル孔16から噴射される燃料の流
量を等径孔部16Aの孔径dに応じて設定できると共
に、燃料が直線状の等径孔部16Aを長さ寸法L分だけ
流通することにより、燃料の噴射方向を図4中の軸線A
−Aに沿って安定的に定めることができる。
【0045】そして、この燃料が拡径孔部16Bから外
部に噴出するときには、燃料の噴流が拡径孔部16Bの
周壁に沿って拡がり角θに応じた一定の領域へと拡がる
ことができ、これにより噴流中に含まれる燃料粒子が過
密となるのを抑えて粒子間の結合を減少させることがで
きる。また、右ノズル孔17から噴射される燃料も同様
に、その噴射方向を等径孔部17Aにより軸線B−Bに
沿って定め、拡径孔部17Bによって燃料粒子間の結合
を抑制することができる。
【0046】従って、本実施の形態によれば、ノズル孔
16,17から燃料を噴射するときには、その噴流を等
径孔部16A,17Aの長さ方向に沿って安定的に形成
しつつ、拡径孔部16B,17Bによって燃料の微粒化
を促進でき、従来技術と比較して燃料の噴射性能を向上
させることができる。
【0047】また、左ノズル孔16,右ノズル孔17の
軸線A−A,軸線B−Bをノズルプレート15の板厚方
向に対し図4中の左,右方向に傾斜させて形成したの
で、ノズルプレート15は、例えばエンジンの吸気ポー
トの配置等に対応して、ノズル孔16,17から左,右
方向に燃料を分岐して噴射することができる。
【0048】一方、ノズル孔16,17に拡径孔部16
B,17Bを設けることにより、その穿設時には治具2
2の折損等を防止することができる。即ち、例えば従来
技術として図5中に仮想線で示すような円筒状のノズル
孔23を穿設する場合には、ノズル孔23から治具22
を引抜くときに両者の軸線が径方向に位置ずれすると、
ノズル孔23の開口端に位置する周壁角隅23A等から
治具22の刃先部22A先端に対して径方向の押圧力が
加わるため、刃先部22Aが折損し易くなる。
【0049】しかし、本実施の形態では、治具22をテ
ーパ刃部22Bの位置までノズルプレート15内に進入
させるだけで、ノズル孔16,17の等径孔部16A,
17Aと拡径孔部16B,17Bとを容易に形成できる
と共に、治具22の引抜き時には、拡径孔部16B,1
7Bによって刃先部22Aに外力が加わるのを防止で
き、ノズルプレート15の製造効率を高めることができ
る。
【0050】次に、図6は本発明による第2の実施の形
態を示し、本実施の形態の特徴は、ノズル孔を第1,第
2の等径孔部と拡径孔部とによって構成したことにあ
る。なお、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同
一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する
ものとする。
【0051】31は本実施の形態によるノズルプレート
で、該ノズルプレート31は、第1の実施の形態とほぼ
同様に、内側面31Aと外側面31Bとを有する板厚t
の金属板等からなり、その中央部には、軸線A−Aに沿
って延びた多数の左ノズル孔32,32,…(1個のみ
図示)と、軸線B−Bに沿って延びた多数の右ノズル孔
33,33,…とが形成されている。
【0052】しかし、本実施の形態では、左ノズル孔3
2が第1の等径孔部32A、拡径孔部32Bおよび第2
の等径孔部32Cによって構成されている。
【0053】この場合、等径孔部32Aは、第1の実施
の形態によるノズル孔16の等径孔部16Aとほぼ同様
に、基端側がノズルプレート31の内側面31Aに開口
し、該内側面31Aから板厚方向の途中位置まで等しい
孔径dと長さ寸法Lとをもって直線状に延びて形成され
ている。また、拡径孔部32Bは、等径孔部32Aから
ノズルプレート31内を板厚方向に拡径して形成され、
拡がり角θを有している。しかし、拡径孔部32Bの長
さ寸法は、軸線方向に対して第1の実施の形態よりも短
尺に形成されている。
【0054】また、第2の等径孔部32Cは、拡径孔部
32Bからノズルプレート31の外側面31Bに向けて
等しい孔径をもって直線状に延びて形成され、外側面3
1Bに開口している。そして、この開口部位は軸線A−
Aを中心として孔径Dを有している。
【0055】一方、右ノズル孔33も、左ノズル孔32
とほぼ同様に、第1の等径孔部33A、拡径孔部33B
および第2の等径孔部33Cによって構成されている。
【0056】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、
左ノズル孔32を第1の等径孔部32A、拡径孔部32
Bおよび第2の等径孔部32Cによって構成し、右ノズ
ル孔33も左ノズル孔32とほぼ同様に構成したので、
ノズル孔32,33から噴射される燃料は、拡径孔部3
2B,33Bによって一定の領域に拡がった状態で直線
状の等径孔部32C,33C内を流通でき、その後に外
部へと噴出することができる。この結果、等径孔部32
C,33Cによって燃料の噴射方向をより安定化させる
ことができる。
【0057】なお、前記各実施の形態では、ノズル孔1
6,17,32,33の軸線A−A、軸線B−Bをノズ
ルプレート15,31の板厚方向に対して傾斜させる構
成としたが、本発明はこれに限らず、ノズル孔の軸線を
ノズルプレートの板厚方向に沿って垂直に形成し、傾斜
角α=0°とする構成としてもよい。
【0058】また、前記各実施の形態では、弁体8の先
端側に球状の弁部11を設ける構成としたが、本発明は
これに限らず、例えば円錐状の弁部を有するニードル弁
体が設けられた燃料噴射弁に適用してもよい。
【0059】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、ノズル孔を等径孔部と拡径孔部とによって構成し
たので、ノズル孔による燃料の噴射流量を等径孔部の孔
径に応じて設定でき、燃料の噴射方向を等径孔部の長さ
方向に沿って安定的に定めることができる。そして、こ
の燃料が拡径孔部から外部に噴出するときには、燃料の
噴流が拡径孔部の周壁に沿って一定の領域へと拡がるこ
とができ、これにより噴流中に含まれる燃料粒子が過密
となるのを抑えて粒子間の結合を減少させることができ
る。従って、ノズル孔は、燃料の噴流を等径孔部の長さ
方向に沿って安定的に形成しつつ、拡径孔部によって燃
料の微粒化を促進でき、従来技術と比較して燃料の噴射
性能を向上させることができる。
【0060】一方、請求項2の発明によれば、ノズル孔
を第1の等径孔部、拡径孔部および第2の等径孔部によ
って構成したので、ノズル孔による燃料の噴射流量を第
1の等径孔部の孔径に応じて設定でき、燃料の噴射方向
を第1の等径孔部の長さ方向に沿って安定的に定めるこ
とができる。そして、噴射燃料は拡径孔部によって一定
の領域に拡がった状態で第2の等径孔部内を流通でき、
その後に外部へと噴出することができる。この結果、第
2の等径孔部によって燃料の噴射方向をより安定化させ
ることができる。
【0061】さらに、請求項3の発明によれば、ノズル
孔の軸線をノズルプレートの板厚方向に対し傾斜して形
成する構成としたので、ノズルプレートは、例えばエン
ジンの吸気ポートの配置等に対応して、複数の方向に燃
料を分岐して噴射することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による燃料噴射弁を
示す縦断面図である。
【図2】弁ケーシングの先端側を拡大して示す図1中の
要部拡大断面図である。
【図3】ノズルプレートを示す平面図である。
【図4】図3中の矢示IV−IV方向からみたノズルプレー
ト中央部の拡大断面図である。
【図5】ドリル等を用いてノズル孔を穿設した状態を示
す拡大断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるノズルプレー
トを示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 弁ケーシング 2 燃料通路 3 連結部材 4 燃料流入パイプ 5 燃料フィルタ 6 連結コア 7 弁座部材 7A 噴射口 7B 弁座 8 弁体 9 弁軸 10 吸着部 11 弁部 12 電磁コイル(電磁アクチュエータ) 13 弁ばね 15,31 ノズルプレート 16,17,32,33 ノズル孔 16A,17A 等径孔部 16B,17B,32B,33B 拡径孔部 18 押えプレート 32A,33A 第1の等径孔部 32C,33C 第2の等径孔部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶塚 幹夫 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 加藤 秀夫 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 鈴木 邦治 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 Fターム(参考) 3G066 AA01 AB02 AD10 BA01 BA03 CC06U CC14 CC15 CC18 CC20 CC24 CC26 CC48 CE22 CE31

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に燃料通路が設けられた筒状の弁
    ケーシングと、該弁ケーシングの先端側内周に設けられ
    噴射口を囲んで内周側に弁座が設けられた弁座部材と、
    該弁座部材の噴射口と対面して前記ケーシングの先端側
    に設けられ板厚方向に複数のノズル孔が貫通して形成さ
    れたノズルプレートと、前記弁ケーシングの燃料通路内
    に挿通して設けられ基端側が吸着部となり先端側が該弁
    座部材の弁座に対し離着座する弁部となった弁体と、前
    記弁ケーシングの基端側に設けられ通電することによっ
    て該弁体の吸着部を吸引し該弁体を開弁する電磁アクチ
    ュエータとからなる燃料噴射弁において、 前記ノズル孔は、前記ノズルプレートの内側面に開口し
    該内側面から板厚方向の途中位置まで等しい孔径をもっ
    て直線状に延びて形成された等径孔部と、該等径孔部か
    ら前記ノズルプレートの外側面に向けて拡径して形成さ
    れ該外側面に開口した拡径孔部とにより構成したことを
    特徴とする燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】 軸方向に燃料通路が設けられた筒状の弁
    ケーシングと、該弁ケーシングの先端側内周に設けられ
    噴射口を囲んで内周側に弁座が設けられた弁座部材と、
    該弁座部材の噴射口と対面して前記ケーシングの先端側
    に設けられ板厚方向に複数のノズル孔が貫通して形成さ
    れたノズルプレートと、前記弁ケーシングの燃料通路内
    に挿通して設けられ基端側が吸着部となり先端側が該弁
    座部材の弁座に対し離着座する弁部となった弁体と、前
    記弁ケーシングの基端側に設けられ通電することによっ
    て該弁体の吸着部を吸引し該弁体を開弁する電磁アクチ
    ュエータとからなる燃料噴射弁において、 前記ノズル孔は、前記ノズルプレートの内側面に開口し
    該内側面から板厚方向の途中位置まで等しい孔径をもっ
    て直線状に延びて形成された第1の等径孔部と、該第1
    の等径孔部から前記ノズルプレート内を板厚方向に拡径
    して形成された拡径孔部と、該拡径孔部から前記ノズル
    プレートの外側面に向けて等しい孔径をもって直線状に
    延びて形成され該外側面に開口した第2の等径孔部とに
    より構成したことを特徴とする燃料噴射弁。
  3. 【請求項3】 前記ノズル孔の軸線は前記ノズルプレー
    トの板厚方向に対し傾斜して形成してなる請求項1また
    は2に記載の燃料噴射弁。
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