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JP2005231677A - チャックテープ付き袋 - Google Patents

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JP2005231677A
JP2005231677A JP2004043607A JP2004043607A JP2005231677A JP 2005231677 A JP2005231677 A JP 2005231677A JP 2004043607 A JP2004043607 A JP 2004043607A JP 2004043607 A JP2004043607 A JP 2004043607A JP 2005231677 A JP2005231677 A JP 2005231677A
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Hirokazu Kurioka
宏和 栗岡
Taizo Iwamura
泰造 岩村
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】 チャックテープ付き袋の分野において、袋が立体形状を有し、自立性を備えると共に、チャックテープの袋への熱接着を安定して能率よく行え、内容物の充填適性のほか開封性及び再封性にも優れたチャックテープ付き袋を生産性よく提供する。
【解決手段】 袋を上下にガセット部3a,3b を設けた形式で形成し、上部のガセット部3aの前後の襞状部4a,4b のうち、一方の襞状部4bにその前後の積層フィルム1 を上方に延長して延長部5 を設け、該延長部5 の内面に水平方向にチャックテープ20を熱接着すると共に、該延長部5 の上部の端縁部を上部シール部7 で封止し、更に上部シール部7 とチャックテープ20との間に袋の開封手段を設けてチャックテープ付き袋を構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、チャックテープ付き袋に関し、特に袋本体が立体形状を有し、自立性を備えると共に、その上部にチャックテープが、その接着速度が低下するようなこともなく安定して熱接着され、また、内容物の充填適性などが損なわれることもなく、良好な再封性が付与されたチャックテープ付き袋に関する。
従来、立体形状を有し、自立性を備えた袋としては、代表的な例として、スタンディングパウチ形式の袋ほか、ガセットパウチ形式の袋などがある。
このような袋は、袋の材料に積層フィルムを用いてヒートシール方式で製袋することにより、密封性に優れると共にガスバリヤー性などにも優れた袋とすることができ、また、内容物の容量の割にコンパクトに包装することができる。従って、内容物として液状の内容物のほか、粉状や粒状、その他、固形物など広範囲の内容物に使用されるようになっている。
そして、内容物の使用方法に関しても、一回で使い切る用途のほか、複数回に分割して使用する用途にも採用されるようになっており、その場合、袋に再封性が求められることから、充填される内容物に応じて、例えば、袋の上部にキャップ付きの注出口やチャックテープを取り付けた袋が製造されるようになっている。
特に、内容物が固形物や粒状物の場合、取り出しを容易にするため、開口部を大きくできるチャックテープが主に使用されており、チャックテープ付きのスタンディングパウチやガセット袋が製造されている。
只、チャックテープ付きスタンディングパウチの場合は、袋の上部が単純な積層フィルムの二枚構成であるため、チャックテープの取り付けは容易であるが、内容物の充填を袋の上部から行うため、内容物の充填の際に、一旦取り付けて嵌合されたチャックテープを解離させて袋の上部を開口し、その開口部から内容物を充填した後、再度チャックテープを嵌合させ、その外側をヒートシールして完全密封する方法が採られており、内容物充填時の操作が煩雑になる問題があった。
また、チャックテープ付きガセット袋の場合は、製袋の際、通常、ロール状に巻き上げられた長尺で広幅の積層フィルムを引き出して、その両側を折り返してガセット部を形成し、折り返された両側の積層フィルムの端縁部同士を合掌シール形式でヒートシールして、左右両側にガセット部を設けた筒状体を形成しており、一方の開口部にチャックテープを取り付けた場合でも、もう一方の開口部を内容物の充填口に使用できるので内容物の充填適性が損なわれることはない。
しかし、この場合でも、例えば、袋の上部にチャックテープを取り付ける際、袋の積層フィルムの流れ方向とチャックテープの取り付け方向とが異なり、また、袋の上端は開放されているが、左右の側部は積層フィルムの折り返し部で閉鎖されているため、チャックテープの挿入が難しく、チャックテープの取り付け自体が容易ではないという問題がある。
このため、ガセット袋へのチャックテープの取り付け方法が、種々研究され開発されている。このようなガセット袋へのチャックテープの取り付け方法に関連する先行技術文献情報としては、例えば、〔1〕「ジッパ付きガセット袋およびその製造方法」として、ガセット袋を構成する前後の平面部と、折り襞状に内方に折り込まれた折り線を備えるように形成された2つの側面とを有する筒状の袋本体部を一般に行われている方法で一旦形成した後、袋本体部の口部を開くために、袋本体部の4隅のうち、いずれか一方の平面部の両端となる2隅の位置から、それぞれ、内方へ所定の距離まで切り込みを入れ、折り曲げ可能な扉状の開き面を2つ形成し、その開き面の上にジッパの雄型部材と雌型部材をそれぞれ固着させ、次いで、前後の開き面を閉じてジッパを嵌合させ、しかる後、上記切り込みを入れた箇所の近傍および上部端部を融着して形成したジッパ付きガセット袋がある(特許文献1参照)。
また、〔2〕「チャックテープ付きガセット袋およびその製造方法」として、特に製造方法に関して、「袋の本体部が、左右両側にガセット部を有する筒状に形成され、該袋本体部の四隅の側部の端縁部が側部シール部でヒートシールされる形式の袋で、その袋の口部となる一方の開口端近傍の内面に開閉自在なチャックテープが熱接着されてなるチャックテープ付きガセット袋の製造方法であって、袋の本体部を、最内層にシーラント層が積層された長尺の積層フィルムを長手方向に送りながら、その左右両側をシーラント層が内側になるように折り返して、内側に折り襞状の折り返し部を有するガセット部を形成し、折り返された両側の積層フィルムの端部のシーラント層同士を一方の側部で重ね合わせて筒状の袋本体部を形成するか、または、前記積層フィルムを、袋本体部の前後の平面部用と左右のガセット部用の四つに分割し、それぞれのシーラント層が袋の内側になるように長手方向に送りながら、上下に平行して送られる平面部用の積層フィルムの両側の間に、ガセット部用の積層フィルムをそれぞれ内側に半折りして折り襞状の折り返し部を形成して挿入し、筒状の袋本体部を形成すると共に、その袋本体部を前記長手方向に所定のピッチで間欠送りしながら、その袋本体部の一隅の側部から、チャックテープをガイドにより横方向(袋の送り方向と直交する方向)に対向する側部の端部まで、両側の折り襞状の折り返し部の互いに異なる側に対角線状に挿入し、次いで、挿入されたチャックテープを袋の外側から加熱、加圧して袋の内面に熱接着して取り付ける方法がある(特許文献2参照)。
特開平5−270552号公報(第2頁、図2〜図5) 特開2003−155045号公報(第2頁、図2、図3)
しかしながら、前記特許文献1に記載された「ジッパ付きガセット袋およびその製造方法」では、筒状の袋本体部の形成と、ジッパの接着が別工程となり、更にジッパの取り付けに際して、一旦筒状に形成した袋本体部のいずれか一方の平面部の両端の2隅の位置から、それぞれ、内方へ所定の距離まで切り込みを入れ、折り曲げ可能な扉状の開き面を2つ形成し、その開き面の上にジッパの雄型部材と雌型部材をそれぞれ別々に熱接着し、次いで、前後の開き面を閉じてジッパを嵌合させており、更に、前記切り込みを入れた箇所の近傍および上部端部を融着してジッパ付きガセット袋を完成させており、製造工程が煩雑になると同時に品質管理にも手間がかかり、生産性の低下も避けられない問題があった。また、ジッパの接着面も一方は平面部であるが、もう一方にはガセット部の折り襞状部が両側に介在するため、フィルムの厚みに段差を生じ、ジッパの熱接着に際して、シール抜けなどを発生し易い問題もあった。
また、前記特許文献2に記載された「チャックテープ付きガセット袋およびその製造方法」では、ガセット袋の製袋とチャックテープの熱接着とをインラインで行うことができ、製造工程がそれほど煩雑になることもないので生産性よくチャックテープ付きガセット袋を製造することができる。只、この場合も、袋のチャックテープの接着面にはガセット部の折り襞状部が介在するため、チャックテープの熱接着に際して、シール抜けなどのシール不良を発生し易い問題があり、それを防止するための対策が必要であった。
本発明は、前記のような問題点を解決するためになされたものであり、その課題は、チャックテープ付き袋の分野において、袋本体が立体形状を有し、自立性を備えると共に、密封性にも優れ、内容物の容量の割にコンパクトに包装することができ、また、袋へのチャックテープの熱接着を、シール抜けなどのシール不良を発生することなく安定して能率よく行え、更に、内容物の充填適性にも優れ、良好な再封性が付与されたチャックテープ付き袋を生産性よく提供することである。
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、袋の上下に積層フィルムを内側に折り返してなるガセット部が設けられた袋において、上部のガセット部の前後の襞状部のうち、一方の襞状部に、該襞状部の前後の積層フィルムを上方に延長してなる延長部が設けられ、該延長部の内面に水平方向にチャックテープが設けられると共に、該延長部の上部の端縁部がヒートシール部で封止され、更に、該ヒートシール部とチャックテープとの間に、袋の開封手段が設けられていることを特徴とするチャックテープ付き袋からなる。
本発明において、上記チャックテープは、互いに嵌合可能な凸条の雄型嵌合部が設けられた雄型テープ体と、凹条の雌型嵌合部が設けられた雌型テープ体とで構成され、袋の開口部の内面に、両者をその雄型嵌合部と雌型嵌合部とが対向するように配置し、そのテープ体部で袋に熱接着して取り付け、前記雄型嵌合部と雌型嵌合部との嵌合または解離により、袋の開閉を容易に、且つ繰り返し行えるようにするものである。
尚、図7の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)に、それぞれ本発明のチャックテープ付き袋に用いるチャックテープの一例の構成を示したので、後で詳しく説明する。
また、前記袋の開封手段は、印刷で表示された切り取り線などの開封指示線や開封指示マークであってもよく、また、実際の引き裂きによる開封操作を容易にする以下のような易開封性手段であってもよい。更にこれらの複数を適宜組み合わせて設けたものであってもよい。
上記易開封性手段としては、例えば、通常の積層フィルム製の袋でも汎用されているノッチを設ける方法のほか、レーザー光照射などによるハーフカット線を設ける方法、或いは、袋の積層フィルムの中間層などに易引き裂き性の一軸延伸フィルムを積層する方法(この場合、一軸延伸フィルムは、その延伸方向が袋の開封方向と一致するように積層する)などがあり、これらは単独で用いてもよく、また、例えば、ノッチとハーフカット線、またはノッチと一軸延伸フィルムの積層などのように組み合わせて用いてもよい。
前記ノッチは、通常、一字形やV字形のノッチが汎用されているが、形状は特に限定はされず、切り取り方向に鋭角部分を有する形状であれば何でも使用することができる。また、ハーフカット線を設ける場合も、直線状のハーフカット線に限らず、ミシン目線状などの断続的なハーフカット線で設けることもできる。更に、このようなハーフカット線は、一本でもよいが、引き裂き方向がずれた場合を想定して、中心のハーフカット線の両側に各1本、または各2本など複数のハーフカット線を平行に近接させて設けてもよい。
また、請求項2に記載した発明は、前記チャックテープの下側に剥離可能な弱シール部が設けられ、該チャックテープが袋の内部と隔離されていることを特徴とする請求項1記載のチャックテープ付き袋からなる。
前記剥離可能な弱シール部は、チャックテープ付き袋に内容物を充填シールした後、その包装体の流通段階など通常の取り扱いでは剥離せず、袋を開封する際に、チャックテープの嵌合を解離させた後、弱シール部を手で剥がそうとした時には、大きな抵抗がなく適度の力で剥離できるようにするものであり、そのためには弱シール部の接着強度は、2〜16N/15mm幅の範囲であることが好ましい。
このような弱シール部は、例えば、イージーピール性のヒートシール剤、または抗ヒートシール剤と呼ばれるヒートシール強度調節剤の塗布液をグラビア印刷またはフレキソ印刷などの手段で袋の内面のシーラント層の上の必要箇所にパターン状に塗布、乾燥しておいて、その塗布面同士を重ね合わせてヒートシールする方法で形成することができる。
前記イージーピール性のヒートシール剤としては、例えば、低密度ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂に、ポリスチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリブテン−1、無機または有機の充填剤、ポリエチレンワックス、脂肪酸アマイドなどを添加剤として適宜に混合した樹脂組成物などを塗布液に調製して使用することができる。
前記無機または有機の充填剤は、無機の充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、クレー、酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウムなどの粉末を使用することができ、特にシリカの粉末が好ましい。また、有機の充填剤としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、フッ化エチレン系樹脂、シリコーン樹脂などの粉末を使用することができる。
前記樹脂組成物中の前記添加剤の含有量は、4〜40質量%の範囲が好ましく、添加剤の含有量が4質量%未満の場合は、ヒートシール強度が強くなり、良好な弱シール部を得られず、また、添加剤の含有量が40質量%を超える場合は、ヒートシール強度が弱くなりすぎるため好ましくない。
上記のようなイージーピール性のヒートシール剤の塗布量は、乾燥時の塗布量で2〜8g/m2 が好ましく、3〜5g/m2 が更に好ましい。
また、前記弱シール部を抗ヒートシール剤で形成する場合は、その抗ヒートシール剤としては、基材の樹脂に離型剤を適宜の量で混合した樹脂組成物を塗布液に調製して使用することができる。この基材の樹脂には、例えば、エチルセルロース、環化ゴム、アクリル系樹脂などを使用することができ、離型剤には、例えば、シリコーン樹脂、ポリエチレンワックス、大豆レシチン、高級脂肪酸アマイドなどを使用することができる。抗ヒートシール剤を塗布する場合、その塗布量は少なくてよく、乾燥時の塗布量で、0.35〜2.5g/m2 程度の範囲でよい。
請求項3に記載した発明は、前記上下のガセット部のそれぞれの前後の襞状部のうち、前記延長部を設けた襞状部を除く3箇所の襞状部の外側端縁部に補強シール部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のチャックテープ付き袋からなる。
請求項4に記載した発明は、前記チャックテープのテープ体部が、少なくとも二層の樹脂層で形成され、袋に熱接着される面の樹脂層に対して、反対側の面の樹脂層が相対的に高融点の樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のチャックテープ付き袋である。
請求項1に記載した発明によれば、チャックテープ付き袋を、袋の上下に積層フィルムを内側に折り返してなるガセット部が設けられた袋において、上部のガセット部の前後の襞状部のうち、一方の襞状部に、該襞状部の前後の積層フィルムを上方に延長してなる延長部を設け、該延長部の内面に水平方向にチャックテープを設けると共に、該延長部の上部の端縁部をヒートシール部で封止し、更に、該ヒートシール部とチャックテープとの間に、袋の開封手段を設けた構成としているので、内容物の充填前は、左右の側部のうち、一方の側部のみをヒートシールし、もう一方の側部を未シールの開口部とすることにより、この部分から内容物を容易に充填し、充填後、ヒートシールして密封することができる。従って、チャックテープ付きスタンディングパウチのように、内容物の充填の際に、嵌合されたチャックテープの解離および再嵌合を行う必要がなく、充填操作を簡略化でき、生産性を低下させることもない。
また、チャックテープの熱接着に関しても、前記延長部の内面に水平方向に設けられているので、袋の製袋を、袋が横並びに連続する形態で行うことにより、予め雄型テープ体と雌型テープ体とが嵌合された長尺のチャックテープを、そのまま前記延長部の内面に連続的に挿入して外側からチャックテープのテープ体部を加熱、加圧する方法で熱接着することができる。従って、チャックテープの熱接着面には、通常のガセット袋のようにガセット部のフィルムの折り込み部が介在することもなく、両面とも平面部に熱接着できるので、接着速度を低下させることなく安定して熱接着することができる。
そして、内容物が充填された袋は、上下のガセット部により前後に大きく広がり、立体形状を有すると共に、下部のガセット部の広がりにより自立性が付与される。従って、袋の取り扱いが容易になると同時に、内容物の容量の割にコンパクトに包装することができる。
また、上部のガセット部の一方の襞状部には、前記延長部が設けられ、該延長部の内面に水平方向にチャックテープが設けられると共に、該延長部の上部の端縁部がヒートシール部で封止され、更に、該ヒートシール部とチャックテープとの間には、前記袋の開封手段が設けられているので、密封性に優れると共に、内容物を取り出す際には、前記袋の開封手段により、容易に上部の端縁部のヒートシール部を切り取ってチャックテープの外側を開封することができる。次いで、チャックテープの嵌合を解離させることにより、袋の上部を大きく開口させることができる。従って、内容物が、粉状や粒状の場合はもとより、板状、ブロック状などの固形物の場合でも容易に取り出すことができる。また、内容物の一部を取り出し、残りの内容物を次回の使用時まで保存する場合でも、チャックテープを再嵌合させることにより、容易に袋を再封することができるので、内容物を安全に保存することができる。
請求項2に記載した発明によれば、請求項1に記載した発明のチャックテープ付き袋の構成において、前記チャックテープの下側に剥離可能な弱シール部が設けられ、該チャックテープが袋の内部と隔離された構成としているので、請求項1に記載した発明の作用効果に加えて、内容物が液状や粉状のものであっても、少なくとも最初の開封前に内容物がチャックテープに触れることがなくなり、内容物の安全性を維持できると共に、内容物がチャックテープの嵌合部などに付着してチャックテープの機能を阻害することも防止することができる。
請求項3に記載した発明によれば、請求項1または2に記載した発明のチャックテープ付き袋の構成において、前記上下のガセット部のそれぞれの前後の襞状部のうち、前記延長部を設けた襞状部を除く3箇所の襞状部の外側端縁部に補強シール部を設けた構成としているので、請求項1または2に記載した発明の作用効果に加えて、袋に内容物が充填されて袋が前後に広がった時、それぞれの補強シール部により、その内側ラインに沿って袋に角部が形成され、袋の立体形状の保形性が向上される。この時、前記延長部を設けた襞状部についても、チャックテープの下側に剥離可能な弱シール部が設けられているので、その弱シール部が補強シール部と同様な作用効果を有し、弱シール部にもその内側ラインに沿って角部が形成される。従って、袋本体の上下および前後の四隅に横方向に線状に角部が形成され、袋本体の縦断面が矩形に近づき、その立体形状を一層安定化させることができる。
請求項4に記載した発明によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載した発明のチャックテープ付き袋の構成において、前記チャックテープのテープ体部が、少なくとも二層の樹脂層で形成され、袋に熱接着される面の樹脂層に対して、反対側の面の樹脂層が相対的に高融点の樹脂で形成された構成としているので、チャックテープを袋の前記延長部の内面に熱接着して取り付ける際、予め雄型テープ体と雌型テープ体とを嵌合させた状態で、前記延長部の内面に挿入し、外側からそのテープ体部を加熱、加圧して熱接着しても、袋に熱接着される面の樹脂層が先に軟化して袋の最内層のシーラント層に熱接着され、雄型テープ体と雌型テープ体が接する面の樹脂層は高融点の樹脂であるため軟化されず、テープ体同士が熱接着されることがないので、より高温での熱接着が可能となる。従って、請求項1乃至3のいずれかに記載した発明の作用効果に加えて、チャックテープの高温、短時間での熱接着が可能となり、熱接着速度を高められ、生産性を一層向上させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明は、その要旨を越えない限り、これらの図面に限定されるものではない。
図1は、本発明のチャックテープ付き袋の第1の実施例の構成を示す正面図である。
図2は、図1に示したチャックテープ付き袋のA−A線における模式断面図である。
図3は、本発明のチャックテープ付き袋の第2の実施例の構成を示す正面図である。
図4は、図3に示したチャックテープ付き袋のA−A線における模式断面図である。
図5は、本発明のチャックテープ付き袋の第3の実施例の構成を示す正面図である。
図6は、図5に示したチャックテープ付き袋に内容物を充填した時の形状を示す模式斜視図である。
図7の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)は、それぞれ本発明のチャックテープ付き袋に用いるチャックテープの一例の構成を示す模式断面図である。
本発明のチャックテープ付き袋に用いる積層フィルムとしては、主にプラスチックを主体とする積層フィルムで、最内層にシーラント層が積層された積層フィルムが用いられるが、特に限定はされず、充填される内容物や使用条件などに応じて種々の構成の積層フィルムを使用することができる。
簡単な構成では、基材フィルム層にシーラント層を積層して構成することができるが、要求される性能に応じて、基材フィルム層とシーラント層との間に、中間層として、水蒸気その他のガスバリヤー層や、遮光層、強度向上層などを積層して構成することができる。上記基材フィルム層、中間層、シーラント層は、それぞれを単独の層で形成してもよいが、複数の層を積層して形成してもよい。
上記基材フィルム層には、二軸延伸ポリプロピレンフィルムのほか、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムなどの二軸延伸ポリエステルフィルムや、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などのフィルムを二軸延伸した二軸延伸ポリアミドフィルムなどを好適に使用することができる。これらは単独で使用してもよく、また、複数を組み合わせて積層して使用してもよい。
中間層をガスバリヤー層とする場合、中間層には、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、MXD6などのフィルムのほか、アルミニウム箔などの金属箔、或いは、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの無機酸化物や金属の蒸着層、その他PVDCの塗膜層などを設けた二軸延伸ナイロンフィルム(ONフィルム)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)などを使用することができる。
これらのうち、アルミニウム箔またはアルミニウムの蒸着層を設けたフィルムは、不透明で遮光性を有するため遮光層を兼ねることもできる。
中間層を強度向上層とする場合は、前記基材フィルムのいずれかを適宜追加して積層してもよく、また、二軸延伸高密度ポリエチレンフィルムなどを防湿層を兼ねて積層してもよい。
上記基材フィルム層と中間層の積層には、公知のドライラミネーション法または押し出しラミネーション法(サンドイッチラミネーション法)を用いることができる。
最内層のシーラント層には、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L・LDPE)のほか、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・メタクリル酸のランダム共重合体(EMAA)、そして、エチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)などのエチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリプロピレンまたはその共重合体などを使用することができ、これらの中から、充填される内容物に応じて、適するものを適宜に選定して使用することができる。
シーラント層の積層は、上記の樹脂をフィルム状に製膜し、そのフィルムをドライラミネーション法または押し出しラミネーション法で積層する方法、或いは、上記の樹脂を押し出しコートして積層する方法などを採ることができるが、例えば、内容物がシーラント層に浸透しやすいものの場合は、接着強度に優れたドライラミネーション法で積層することが好ましい。
次に、本発明のチャックテープ付き袋に用いるチャックテープは、その雄型テープ体および雌型テープ体とも、単独の樹脂で形成したものも使用できるが、その場合、前述したように雄型テープ体と雌型テープ体とを予め嵌合させた状態で袋に熱接着すると、テープ体同士の熱接着が生じやすくなるため、高温、短時間での熱接着が難しくなり生産性を低下させる点で不利になる。
従って、本発明のチャックテープ付き袋に用いるチャックテープは、そのテープ体部が少なくとも二層の樹脂層で形成され、袋に熱接着される面の樹脂層に対して、反対側の面の樹脂層が相対的に高融点の樹脂で形成されていることがより好ましく、例えば、図7の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)に示したように構成することができる。
このような多層構成のチャックテープは、例えば、多層異形共押し出し成形法により生産性よく製造することができる。
図7の(イ)に示したチャックテープ20a は、互いに嵌合可能な凸条の雄型嵌合部21を設けた雄型テープ体23と、凹条の雌型嵌合部22を設けた雌型テープ体24とで構成され、且つ、雄型テープ体23と雌型テープ体24の少なくとも袋に熱接着されるテープ体部を、袋に熱接着される面の樹脂層25とその反対側の面の樹脂層26の二層の樹脂層で形成して構成したものでる。尚、この構成の場合、雄型嵌合部21および雌型嵌合部22は、いずれも袋に熱接着される面の樹脂層25の反対側の面の樹脂層26と同じ樹脂で形成したものである。
このような構成を採ることにより、前記雄型テープ体23および雌型テープ体24のテープ体部の袋に熱接着される面の樹脂層25は、袋のシーラント層に用いた樹脂と同じ樹脂もしくはそれと熱接着性のよい樹脂で形成し、その反対側の面の樹脂層26は、前記袋に熱接着される面の樹脂層25に用いた樹脂よりも融点の高い樹脂で形成することができる。
具体的には、袋に熱接着される面の樹脂層25には、例えば、前記袋のシーラント層に挙げた樹脂、即ち、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L・LDPE)のほか、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・メタクリル酸のランダム共重合体(EMAA)、そして、エチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)などのエチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリプロピレンまたはその共重合体などのうち、実際にシーラント層に使用した樹脂と同じ樹脂、もしくはそれと熱接着性がよく融点が比較的低い樹脂を選定して使用することができる。
そして、袋に熱接着される面の樹脂層25の反対側の面の樹脂層26には、前記袋に熱接着される面の樹脂層25に使用する樹脂として挙げた樹脂に、更に、中密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンなどの融点の高い樹脂を加えた中から、前記袋に熱接着される面の樹脂層25に使用した樹脂よりも融点の高い樹脂を選定して使用することができる。
尚、前記樹脂層25に用いる樹脂と、樹脂層26に用いる樹脂の融点の差は、5〜25℃程度の範囲であることが好ましい。融点の差が5℃未満の場合は、チャックテープを取り付ける際の加熱温度をそれほど高くできないため、チャックテープの取り付け速度の向上効果を十分には得られず、また、融点の差が25℃を超える場合は、既に十分な高温加熱が可能で、チャックテープの取り付け速度の向上効果が得られるため、その必要性がなく、むしろ前記樹脂層25と樹脂層26の接着性が低下し、多層異形共押し出し成形の成形適性も低下するため好ましくない。
以上のような前記樹脂層25に用いる樹脂と、樹脂層26に用いる樹脂の種類の選定、および両者の融点の差の設定は、以下の図7の(ロ)、(ハ)、(ニ)に示したチャックテープにおいても同様である。
図7の(ロ)に示したチャックテープ20b は、前記(イ)に示したチャックテープ20a の構成において、雄型テープ体23と雌型テープ体24のそれぞれの袋に熱接着される面の樹脂層25とその反対側の面の樹脂層26との間に、接着性樹脂層27を追加して積層して構成したものである。
このような構成は、前記袋に熱接着される面の樹脂層25とその反対側の面の樹脂層26との接着性が弱い場合に、その接着性を向上させるために採るものであり、具体例として、例えば、袋に熱接着される面の樹脂層25に低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレンを用い、その反対側の面の樹脂層26に、それよりも融点の高い樹脂としてポリプロピレンを用いたような場合、両者の接着性は弱くなるが、両者の間に接着性樹脂層27として、例えば、ポリプロピレン系アドマー〔商品名 三井化学(株)製〕などを積層することにより、接着性を向上させることができる。
図7の(ハ)に示したチャックテープ20c は、前記(イ)に示したチャックテープ20a の構成において、雄型テープ体23の雄型嵌合部21と雌型テープ体24の雌型嵌合部22の形成樹脂のみを、それぞれ袋に熱接着される面の樹脂層25の樹脂で形成されるように変更して構成したものである。
このような構成を採ることにより、前記(イ)に示した構成のチャックテープ20a と比較して、雄型嵌合部21および雌型嵌合部22を樹脂層26の樹脂よりも相対的に融点の低い樹脂層25の樹脂で形成できるので、雄型嵌合部21および雌型嵌合部22の柔軟性が高められ、チャックテープ20c の嵌合および解離を柔らかくすることができる。
図7の(ニ)に示したチャックテープ20d は、前記(ハ)に示したチャックテープ20c の構成において、雄型テープ体23および雌型テープ体24のそれぞれのテープ体部の袋に熱接着される面の樹脂層25とその反対側の面の樹脂層26との間に、接着性樹脂層27を追加して積層して構成したものである。
このような構成を採った場合も、前記(ロ)に示したチャックテープ20b の場合と同様に、袋に熱接着される面の樹脂層25とその反対側の面の樹脂層26との接着性を向上できるので、両者の樹脂の選定の際に、両者の接着性を気にすることなく融点の差を中心にして選定できるので、樹脂選定の範囲を広げることができる。
以上、図7の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)に示したチャックテープ20a 〜20d は、いずれも成形金型の変更は必要であるが、多層異形共押し出し成形法により生産性よく製造することができる。
また、実際のチャックテープの使用に際しては、図7の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)に示した構成の雄型テープ体23と雌型テープ体24の組み合わせだけではなく、異なる構成の雄型テープ体23と雌型テープ体24とを組み合わせて使用してもよく、それにより雄型嵌合部21と雌型嵌合部22を硬さの異なる樹脂で構成することもできる。
次に、図1、図2に示したチャックテープ付き袋100は、積層フィルム1の上下両側を内側に積層フィルム折り返し部2a 、2b まで折り込んで、上下に襞状部4a 、4b または襞状部4c 、4d を有するガセット部3a 、3b を形成し、折り返された両側の積層フィルム1の端縁部同士を、図1では上側のガセット部3a の背面側の襞状部4b の上端で突き合わせると共に、突き合わされた両側の積層フィルム1を上方に延長して延長部5を設け、その延長部5の内面に水平方向にチャックテープ20を熱接着して取り付け、延長部5の上側端縁部を上部シール部7でヒートシールし、更に、上部シール部7とチャックテープ20との間に、袋の開封手段として切り取り線10とその両端にノッチ11a 、11b を設けて左右の側部が開口する筒状の袋体を形成し、その左右の側部の開口部のうち、図1において左側の側部の端縁部を側部シール部8a でヒートシールして構成したものである。
尚、図1において、チャックテープ付き袋100の右側の端縁部は、側部シール部8b でヒートシールされるが、この部分は内容物の充填口に使用するため、内容物の充填前は未シールの開口部とし、内容物の充填後にヒートシールして封止される。但し、側部シール部8b のうち、前記延長部5の右側端縁部に相当する部分は、内容物充填時の開口部の形状を安定化させるため、内容物の充填前にヒートシールしておいてもよい。
このような構成のチャックテープ付き袋100は、請求項1に記載した発明のチャックテープ付き袋の構成に相当するものであり、前述したように、袋の製袋を、袋が横並びに連続する形態で行うことにより、チャックテープ20の熱接着に関しても、予め雄型テープ体と雌型テープ体とが嵌合された長尺のチャックテープを、そのまま前記延長部5の内面に連続的に挿入して、外側からチャックテープ20のテープ体部を加熱、加圧する方法で生産性よく熱接着することができる。
また、このような構成を採ることによって得られる作用効果についても、請求項1に記載した発明のチャックテープ付き袋で説明した通りであり、重複を避けるためここでは説明を省略する。
図3、図4に示したチャックテープ付き袋200は、前記図1、図2に示したチャックテープ付き袋100の構成において、前記上下のガセット部3a 、3b のそれぞれの前後の襞状部4a 、4b 、4c 、4d のうち、前記延長部5を設けた襞状部4b を除く3箇所の襞状部4a 、4c 、4d の外側端縁部に補強シール部12a 、12b 、12c を追加して設けると共に、前記延長部5を設けた襞状部4b には、チャックテープ20の下側で延長部5の下縁部から襞状部4b の上縁部に相当する部分に、その前側の襞状部4a の上側端縁部に設けた補強シール部12a と略重なる高さ位置に水平方向に剥離可能な弱シール部9を追加して設けて、チャックテープ20が袋の内部と隔離されるように構成したものであり、前記補強シール部12a 、12b 、12c と剥離可能な弱シール部9を追加して設けた以外は、全て前記図1、図2に示したチャックテープ付き袋100と同様に形成して構成したものである。
このような構成を採ることにより、前記図1、図2に示した構成のチャックテープ付き袋100で得られる作用効果に加えて、先ず、前記剥離可能な弱シール部9を設けることにより、チャックテープ20が袋の内部と隔離されるので、内容物が液状や粉状のものであっても、少なくとも袋の最初の開封前に内容物がチャックテープ20に触れることがなくなり、内容物の安全性が維持されると共に、内容物がチャックテープ20の嵌合部などに付着してチャックテープ20の機能を阻害することも防止することができる。
また、前記延長部5を設けた襞状部4b を除く3箇所の襞状部4a 、4c 、4d の外側端縁部に補強シール部12a 、12b 、12c を設けることにより、この部分の剛性などが補強され、また、延長部5を設けた襞状部4b には、その前側の襞状部4a に設けた補強シール部12a と略同じ高さ位置に同様なパターンで前記剥離可能な弱シール部9が設けられているので、その弱シール部9が補強シール部と同様な作用効果も有し、この部分の剛性などが補強される。従って、袋に内容物が充填されて袋200が前後に広がった時、それぞれの補強シール部12a 、12b 、12c と弱シール部9により、その内側ラインに沿って袋本体の上下および前後の四隅に横方向に線状の角部が形成され、袋本体の縦断面が矩形に近づき、袋200の立体形状が一層安定化される。
また、このような構成のチャックテープ付き袋200は、上下のガセット部3a 、3b の前後の襞状部4a 、4b 、4c 、4d のうち、延長部5を設けた襞状部4b を除く3箇所の襞状部4a 、4c 、4d の外側端縁部に補強シール部12a 、12b 、12c を設け、また、延長部5の上側端縁部には上部シール部7を設けていることから、袋200の製袋の際、前記図1、図2に示したチャックテープ付き袋100で説明したように長尺の1ピースの積層フィルムの両側を繰り返し折り返して製袋できるほか、前後の壁面用積層フィルムと上下の折り込み部の積層フィルムがそれぞれ分割された4ピースの積層フィルムを用いて製袋することもできる。この場合、例えば、上下の折り込み部の積層フィルムを前後の壁面用積層フィルムよりも、厚みを薄くして製袋するような方法も採ることができるので、側部シール部8a 、8b のヒートシールの際、積層フィルムの重なりの差による段差を小さくでき、ヒートシールの安定化や積層フィルムの厚み低減によるコストメリットを得ることもできる。
次に、図5、図6に示したチャックテープ付き袋300は、前記図3、図4に示したチャックテープ付き袋200の構成において、上下のガセット部3a 、3b の内側に折り込まれる積層フィルム1の左右の側部シール部8a 、8b に含まれる領域内であって、それぞれの左右の端縁部で、且つ外側端部近傍の位置に折り込みフィルム切り欠き部13a 、13b 、13c 、13d を追加して設けて構成したものである。
このような構成を採ることにより、前記折り込みフィルム切り欠き部13a 、13b 、13c 、13d を設けた位置で、袋300の前後の壁面を形成する積層フィルム1同士が熱接着されるため、内容物を充填して袋が前後に広がった時も、この部分の前後の襞状部4a 、4b および襞状部4c 、4d は、前後に広がることがなくなり、図6に示したように、袋300の本体部が安定した筒状になるので、袋300の外観を向上させることができる。
本発明のチャックテープ付き袋は、袋の上下にガセット部を設けると共に、上部のガセット部の前後の襞状部のうち、一方の襞状部に、その前後の積層フィルムを上方に延長して延長部を設け、その延長部に上側から上部シール部、袋の開封手段、チャックテープをこの順に設けているので、図には示していないが、上部シール部の面積を大きくすることにより、その部分に吊り下げ用の穴を設けることもできる。
従って、袋に内容物を充填し、密封した後、商品として販売する際、自立性を利用して袋を立てて陳列できるほか、前記吊り下げ用の穴を設けた場合は、吊り下げ用の穴をフックに通して袋を吊り下げて陳列することもできる。
また、袋の前後の壁面のうち前記延長部を設けた側の壁面は、上方に大きく拡大されているので、この面の印刷デザインを大きくすることができ、この袋を用いた商品の販売促進効果を向上させることができる。
また、本発明のチャックテープ付き袋は、袋の製袋と内容物の充填、シールとを、別々の装置を用いてオフラインで行ってもよいが、例えば、縦ピロー形式などの包装機を利用して、これに上下のガセット部の折り込み装置や、チャックテープの供給および熱接着装置、補強シール部のヒートシール装置、ノッチの打ち抜き装置などを付加することにより、袋が横並びにつながった形式で、ロール状に巻き上げられた長尺の印刷済み積層フィルムを繰り出して、ガセット部の折り込みを行うと共に延長部を設け、その内面に予め嵌合された長尺のチャックテープを連続的に挿入して熱接着し、上部シール部および補強シール部などのヒートシールを行い、また、一方の側部シール部のヒートシールとノッチの打ち抜きなどを行った後、開口するもう一方の側部から内容物を充填し、その側部をヒートシールして密封した後、個々の袋に切り離す方法で、製袋と内容物の充填、シールをインラインで行うことができるので、生産性よく袋の製袋と内容物の充填、シールを行なうことができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
図3、図4に示した構成のチャックテープ付き袋200を作製することとし、以下の材料と寸法で一方の側部が開口するチャックテープ付き袋を作製して、実施例1のチャックテープ付き袋とした。
(1)袋の積層フィルムには、下記の構成の積層フィルムを用いた。
(外側)二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)・絵柄等印刷層/LDPE層(厚み20μm)/縦一軸延伸高密度ポリエチレンフィルム(厚み25μm)/接着剤/L・LDPEフィルム(厚み40μm)
上記構成において、最外層の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと中間層の縦一軸延伸高密度ポリエチレンフィルムとは、両者の間に接着層としてLDPEを用いた押し出しラミネーション法で貼り合わせたものであり、中間層の縦一軸延伸高密度ポリエチレンフィルムと最内層のL・LDPEフィルムとは、接着剤として二液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いたドライラミネーション法で貼り合わせて積層したものである。
また、中間層の縦一軸延伸高密度ポリエチレンフィルムは、易開封性手段の一つとしてノッチと組み合わせて積層したものである。
(2)袋の上部の延長部の内面に熱接着して取り付けるチャックテープは、図7の(ハ)に示した構成で、雄型テープ体23および雌型テープ体24とも熱接着されるテープ体部が二層の積層構成で、袋に熱接着される面の樹脂層25がL・LDPEで形成され、その反対側の面の樹脂層26がHDPEで形成され、また、雄型嵌合部21および雌型嵌合部22はいずれもL・LDPEで形成されたもので、テープ体部の幅がいずれも13mmのものを用いた。
(3)剥離可能な弱シール部9としては、EVA系樹脂のエマルジョン〔セイカダイン1900W 商品名 大日精化工業(株)製〕に更にシリカの粉末を固形分で10質量%含有されるように添加して塗布液を作製し、これを上部のガセット部3a の延長部5を設けた側の襞状部4b の両側の積層フィルムの内面で、剥離可能な弱シール部9で示した領域(但し、側部シール部8a 、8b には入らない領域)に、予めグラビア印刷で乾燥時の塗布量が約3g/m2 となるようにパターン状に印刷しておいて、この部分を前側の襞状部4a の補強シール部12a をヒートシールする際、同時にヒートシールして剥離可能な弱シール部9を形成した。
(4)チャックテープ付き袋200の寸法は、外形寸法が縦160mm、横180mmの長方形で、上下のガセット部3a 、3b の折り込み長さは、各40mm、延長部5の長さは35mmとし、両側の側部シール部8a 、8b の幅は、各10mmとし、内容物の充填前は側部シール部8a のみをヒートシールし、側部シール部8b は未シールの開口部とした。
また、補強シール部12a 、12b 、12c は、それぞれシール幅を6mmとした。
延長部5には、その上部の端縁部を幅6mmの上部シール部7でヒートシールし、その下に5mmの間隔をあけて印刷による切り取り線10を設け、その両端にノッチ11a 、11b を設け、更にその下に5mmの間隔をあけて前記チャックテープ20c (幅13mm)を熱接着して取り付けた。
図5、図6に示した構成のチャックテープ付き袋300を作製することとし、前記実施例1のチャックテープ付き袋200の構成において、上下のガセット部3a 、3b の内側に折り込まれる積層フィルム1の左右の側部シール部8a 、8b に含まれる領域内であって、それぞれの左右の端縁部で、且つ外側端部近傍の位置に、予め折り込みフィルム切り欠き部13a 、13b 、13c 、13d を追加して設けておいて、側部シール部8a 、8b のヒートシールを行なうようにしたほかは、全て実施例1と同様に加工して実施例2のチャックテープ付き袋を作製した。
尚、前記実施例1および実施例2のチャックテープ付き袋において、内容物の充填口として未シールの開口部とした側部シール部8b のうち、少なくとも上部の延長部5に含まれる部分は、内容物の充填前にヒートシールしておくことが好ましい。
以上のように作製した実施例1および実施例2のチャックテープ付き袋に、それぞれ開口する側部シール部8b の部分から、内容物としてひねり包装したキャンデーを充填し、次いで、側部シール部8b をヒートシールして実施例1および実施例2のチャックテープ付き袋による包装体を完成させた。
以上のように作製した実施例1および実施例2のチャックテープ付き袋による包装体は、いずれも内容物により袋が前後に大きく広がり、補強シール部12a 、12b 、12c と剥離可能な弱シール部9による補強効果もあり、安定した立体形状と自立性を備えていた。特に実施例2のチャックテープ付き袋による包装体は、上下のガセット部3a 、3b のそれぞれの左右の端縁部で、且つ外側端部近傍の位置に、前記折り込みフィルム切り欠き部13a 、13b 、13c 、13d が設けられているので、この部分で前後の襞状部が熱接着され、袋本体が図6に示すような筒状体となり、外観が一層優れていた。
また、それぞれの包装体について、その開封性と内容物の取り出し適性、およびチャックテープによる再封性をテストしたところ、いずれも延長部5に開封手段として印刷による切り取り線10と共に、その両端にノッチ11a 、11b が設けられ、また、積層フィルム1の中間層には縦一軸延伸高密度ポリエチレンフィルムが積層されているので、ノッチ11a 、11b を引き裂きの開始点として、切り取り線10に沿って容易に上部シール部7を切り取ってチャックテープ20c の上部を開封することができた。
次いで、開封されたチャックテープ20c の上部の両側の積層フィルムを摘んで両側に引き離すことにより、チャックテープ20c の嵌合を容易に解離させることができ、続いて、剥離可能な弱シール部9を両側に引き剥がすことにより、特に大きな力を必要とすることもなく容易に剥離させることができ、それぞれの袋の上部を大きく開口させることができた。
因みに、上記剥離可能な弱シール部9のシール強度は、4〜8N/15mm幅の範囲であった。
従って、充填された内容物(キャンデー)の取り出しも容易であり、また、内容物の一部を取り出した後は、実施例1および実施例2のチャックテープ付き袋による包装体とも、容易にチャックテープを再嵌合させて袋を再封することができ、残りの内容物を安全に保存することができた。
本発明のチャックテープ付き袋は、立体形状の保形性、および自立性を有すると同時に、開封性および再封性に優れ、しかも袋の上部を大きく開口させることができ、内容物が固形物であってもその取り出しが容易で、充填された内容物を少量ずつ複数回に分けて使用する場合に好適に使用できるものであり、内容物に関しては、固形物はもとより、粒状、粉状、液状など広範囲の内容物に使用でき特に制限はない。
本発明のチャックテープ付き袋の第1の実施例の構成を示す正面図である。 図1に示したチャックテープ付き袋のA−A線における模式断面図である。 本発明のチャックテープ付き袋の第2の実施例の構成を示す正面図である。 図3に示したチャックテープ付き袋のA−A線における模式断面図である。 本発明のチャックテープ付き袋の第3の実施例の構成を示す正面図である。 図5に示したチャックテープ付き袋に内容物を充填した時の形状を示す模式斜視図である。 (イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)は、それぞれ本発明のチャックテープ付き袋に用いるチャックテープの一例の構成を示す模式断面図である。
符号の説明
1 積層フィルム
2a 、2b 積層フィルム折り返し部
3a 、3b ガセット部
4a 、4b 、4c 、4d 襞状部
5 延長部
6 チャックテープ接着部
7 上部シール部
8a 、8b 側部シール部
9 剥離可能な弱シール部
10 切り取り線
11a 、11b ノッチ
12a 、12b 、12c 補強シール部
13a 、13b 、13c 、13d 折り込みフィルム切り欠き部
20、20a 、20b 、20c 、20d チャックテープ
21 雄型嵌合部
22 雌型嵌合部
23 雄型テープ体
24 雌型テープ体
25 袋に熱接着される面の樹脂層
26 樹脂層
27 接着性樹脂層
100、200、300 チャックテープ付き袋

Claims (4)

  1. 袋の上下に積層フィルムを内側に折り返してなるガセット部が設けられた袋において、上部のガセット部の前後の襞状部のうち、一方の襞状部に、該襞状部の前後の積層フィルムを上方に延長してなる延長部が設けられ、該延長部の内面に水平方向にチャックテープが設けられると共に、該延長部の上側端縁部がヒートシール部で封止され、更に、該ヒートシール部とチャックテープとの間に、袋の開封手段が設けられていることを特徴とするチャックテープ付き袋。
  2. 前記チャックテープの下側に剥離可能な弱シール部が設けられ、該チャックテープが袋の内部と隔離されていることを特徴とする請求項1記載のチャックテープ付き袋。
  3. 前記上下のガセット部のそれぞれの前後の襞状部のうち、前記延長部を設けた襞状部を除く3箇所の襞状部の外側端縁部に補強シール部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のチャックテープ付き袋。
  4. 前記チャックテープのテープ体部が、少なくとも二層の樹脂層で形成され、袋に熱接着される面の樹脂層に対して、反対側の面の樹脂層が相対的に高融点の樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のチャックテープ付き袋。
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