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JP2005122272A - 車輌の走行経路予測制御装置 - Google Patents

車輌の走行経路予測制御装置 Download PDF

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JP2005122272A JP2003353729A JP2003353729A JP2005122272A JP 2005122272 A JP2005122272 A JP 2005122272A JP 2003353729 A JP2003353729 A JP 2003353729A JP 2003353729 A JP2003353729 A JP 2003353729A JP 2005122272 A JP2005122272 A JP 2005122272A
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Abstract

【課題】実際の運転者の運転操作状況を加味して車輌の走行経路を推定することにより、従来に比して車輌の走行経路を正確に予測する。
【解決手段】車輌の現在の走行状態の延長として第一の予測走行経路R1が演算され(S20)、CCDカメラの撮像画像より推定される道路の形状に基づき基準時間T1後までの所定の時間ΔT毎の予想操舵角θajが演算され(S30、50)、予測操舵角θaj等に基づき第二の予測走行経路R2が演算され(S60)、操舵角θと予測操舵角θajとの偏差が小さいときには(S70)予測走行経路Rが第二の予測走行経路R2とされ(S80)、偏差が大きいときには(S70)第一の予測走行経路R1のうち第二の基準時間T2が経過するまでの部分が予測走行経路Rとされ(S90、100)、予測走行経路Rに障害物が存在し障害物と衝突する虞れがあるか否か等の判定及び制御が行われる(S110)。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車輌の走行経路の予測に係り、更に詳細には走行経路予測制御装置に係る。
自動車等の車輌の走行経路予測制御装置の一つとして、例えば下記の特許文献1に記載されている如く、現在の操舵角及び車速に基づいて車輌の走行経路を推定し、所定時間後には車輌が車線と平行に走行すると仮定するよう構成された走行経路予測制御装置が従来より知られている。
尚下記の特許文献2には、所定時間経過後の車輌の横方向の移動距離に基づき操舵力を制御する電動パワーステアリング装置が記載されている
特開平10−69598号公報 特開平11−99955号公報
しかし上述の如き従来の車輌の走行経路予測制御装置に於いては、現在の操舵角及び車速が維持されると仮定して車輌の走行経路が推定され、所定時間後には走行路の車線情報に基づいてその後の走行経路が推定されるため、例えば実際の運転者の操舵状況が変化したり車輌が車線変更したりする場合に車輌の走行経路を正確に推定することができず、そのため走行経路に存在する障害物を正確に検出し障害物との衝突の虞れを正確に判定することができないという問題がある。
本発明は、現在の操舵角及び車速に基づいて車輌の走行経路を推定し、所定時間後には車輌が車線と平行に走行すると仮定するよう構成された従来の車輌の走行経路予測制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、実際の運転者の運転操作状況を加味して車輌の走行経路を推定することにより、従来に比して車輌の走行経路を正確に予測することである。
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち現在の車輌走行状態に基づき基準時間後までの第一の走行経路を予測する手段と、前記第一の走行経路及び道路情報に基づき前記基準時間後までの予想旋回指標値を推定する手段と、前記予想旋回指標値に基づき第二の走行経路を予測走行経路として推定する予測走行経路推定手段とを有することを特徴とする車輌の走行経路予測制御装置によって達成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記予測走行経路推定手段は前記予想旋回指標値と実際の旋回指標値とを逐次比較し、両者の差の大きさが基準値以下であるときには、前記第二の走行経路を予測走行経路とし、前記差の大きさが前記基準値を越えているときには、前記基準時間よりも短い暫定予測時間に亘り前記第一の走行経路を予測走行経路とするよう構成される(請求項2の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於いて、前記旋回指標値は操舵角若しくは車輌のヨーレートであるよう構成される(請求項3の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至3の構成に於いて、前記予測走行経路推定手段により推定された予測走行経路に障害物が存在するか否かを判定する手段を有し、前記予測走行経路に障害物が存在すると判定したときには該障害物との衝突に対処する制御を行うよう構成される(請求項4の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至4の構成に於いて、前記第一の走行経路を予測する手段は現在の車輌状態量及び運転者の操作量に基づいて第一の走行経路を予測するよう構成される(請求項5の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至5の構成に於いて、前記予想旋回指標値を推定する手段はカメラにより撮影された走行路を画像解析処理することにより前記道路情報を求めるよう構成される(請求項6の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至5の構成に於いて、前記予想旋回指標値を推定する手段はナビゲーション装置より前記道路情報を求めるよう構成される(請求項7の構成)。
上記請求項1の構成によれば、現在の車輌走行状態に基づき基準時間後までの第一の走行経路が予測され、第一の走行経路及び道路情報に基づき基準時間後までの予想旋回指標値が推定され、予想旋回指標値に基づき第二の走行経路が予測走行経路として推定されるので、予想旋回指標値は運転者の旋回操作状況を予測する値であり、従って運転者の旋回操作状況を予測して車輌の走行経路を正確に予測することができる。
また上記請求項2の構成によれば、予想旋回指標値と実際の旋回指標値とが逐次比較され、両者の差の大きさが基準値以下であるときには、換言すれば運転者の実際の旋回操作が予測された旋回操作に近い場合には、第二の走行経路が予測走行経路とされ、前記差の大きさが基準値を越えているときには、換言すれば運転者の実際の旋回操作が予測された旋回操作とは異なる場合には、前記基準時間よりも短い暫定予測時間に亘り第一の走行経路が予測走行経路とされるので、実際の旋回操作が予測された旋回操作に近いか否かに拘らず車輌の走行経路を正確に予測することができる。
また上記請求項3の構成によれば、旋回指標値は操舵角若しくは車輌のヨーレートであるので、予測される旋回操作及び実際の旋回操作を正確に把握し、これにより第二の走行経路を予測走行経路として正確に推定することができる。
また上記請求項4の構成によれば、推定された予測走行経路に障害物が存在するか否かが判定され、予測走行経路に障害物が存在すると判定されたときには該障害物との衝突に対処する制御が行われるので、正確に推定された予測走行経路に障害物が存在するか否かを判定することができ、これにより車輌が通過しない経路に存在する障害物を走行経路に存在する障害物と判定することを防止しつつ、車輌が通過する走行経路に存在する障害物を確実に判定することができ、従って障害物との衝突に対処する制御を正確に行うことができる。
また上記請求項5の構成によれば、現在の車輌状態量及び運転者の操作量に基づいて第一の走行経路が予測されるので、第一の走行経路は現状の走行経路の延長として予測され、これにより第一の走行経路及び道路情報に基づき推定される予想旋回指標値を確実に推定することができる。
また上記請求項6の構成によれば、カメラにより撮影された走行路が画像解析処理されることにより道路情報が求められるので、走行路の形状を含む道路情報を確実に求めることができ、これにより予想旋回指標値を確実に推定することができる。
また上記請求項7の構成によれば、ナビゲーション装置より道路情報が求められるので、例えば現在地、車輌の進行方向、道路地図に基づいて走行路の形状を含む道路情報を確実に求めることができ、これにより予想旋回指標値を確実に推定することができる。
[課題解決手段の好ましい態様]
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至7の構成に於いて、予想旋回指標値を推定する手段は第一の走行経路及び道路形状情報に基づき基準時間後までの予想旋回指標値を推定するよう構成される(好ましい態様1)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、予想旋回指標値を推定する手段は車輌の旋回特性若しくは運転者の運転特性を学習し、車輌の旋回特性若しくは運転者の運転特性を考慮して予想旋回指標値を推定するよう構成される(好ましい態様2)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様1の構成に於いて、道路形状情報は道路の湾曲度合の情報を含むよう構成される(好ましい態様3)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至7の構成に於いて、予測走行経路推定手段は現在の車輌走行状態及び予想旋回指標値に基づき第二の走行経路を予測走行経路として推定するよう構成される(好ましい態様4)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至7の構成に於いて、予想旋回指標値を推定する手段は第一の走行経路及び道路形状情報に基づき現在地より基準時間後に車輌が到達すると考えられる地点との間の複数の各領域について複数の予想旋回指標値を推定するよう構成される(好ましい態様5)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様5の構成に於いて、複数の領域数は車速が高いほど多くなるよう車速に応じて可変設定されるよう構成される(好ましい態様6)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2乃至7の構成に於いて、基準時間又は暫定予測時間が経過する度毎に予測情報を更新するよう構成される(好ましい態様7)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項4の構成に於いて、予測走行経路に障害物が存在すると判定したときには該障害物との衝突の虞れを判定し、衝突の虞れがあると判定したときには衝突の虞れを低減する制御を行うよう構成される(好ましい態様8)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様6の構成に於いて、衝突の虞れを低減する制御は自動制動による減速制御であるよう構成される(好ましい態様9)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項4の構成に於いて、予測走行経路に障害物が存在すると判定したときには該障害物との衝突の虞れが高いか否かを判定し、衝突の虞れが高いと判定したときには衝突の影響を低減する衝突影響低減装置を作動させるよう構成される(好ましい態様10)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項5の構成に於いて、第一の走行経路を予測する手段は現在の車輌状態量としての車速及び車輌のヨーレート及び運転者の操作量としての操舵角に基づいて第一の走行経路を予測するよう構成される(好ましい態様11)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項6の構成に於いて、カメラはCCDカメラであるよう構成される(好ましい態様12)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項7の構成に於いて、予想旋回指標値を推定する手段はナビゲーション装置より現在地、車輌の進行方向、道路地図の情報を求めるよう構成される(好ましい態様13)。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施例について詳細に説明する。
図1は障害物検出機能を備えた本発明による車輌の走行経路予測制御装置の実施例1を示す概略構成図である。
図1に於いて、10FL及び10FRはそれぞれ車輌12の左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ駆動輪である左右の後輪を示している。従動輪であり操舵輪でもある左右の前輪10FL及び10FRは図1には示されていないが運転者によるステアリングホイールの転舵に応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン式のパワーステアリング装置によりタイロッドを介して操舵される。
各車輪の制動力は制動装置20の油圧回路22によりホイールシリンダ24FR、24FL、24RR、24RLの制動圧が制御されることによって制御されるようになっている。図には示されていないが、油圧回路22はリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧は通常時には運転者によるブレーキペダル26の踏み込み操作に応じて駆動されるマスタシリンダ28により制御され、また必要に応じて後に詳細に説明する如く電子制御装置30により制御される。
車輌12には例えばミリ波の如き電波やレーザ光を利用して障害物としての先行車輌を検出すると共に先行車輌までの距離Lre及び先行車輌に対する自車の相対速度Vreを検出するレーダーセンサ32と、車輌の前方を撮像するCCDカメラ34とが設けられている。また車輌12には車速Vを検出する車速センサ36、操舵角θを検出する操舵角センサ38、車輌のヨーレートγを検出するヨーレートセンサ40、マスタシリンダ圧力Pmを検出する圧力センサ42が設けられている。更に図1には示されていないが、各ホイールシリンダ24FR〜24RLにはその圧力Pbi(i=fl、fr、rl、rr)を各車輪の制動圧として検出する圧力センサ44FR〜44RLが設けられている。
図示の如く、レーダーセンサ32により検出された先行車輌までの相対距離Lre及び先行車輌に対する相対速度Vreを示す信号、CCDカメラ34により撮像された車輌前方の画像を示す信号、車速センサ36により検出された車速Vを示す信号、操舵角センサ38により検出された操舵角θを示す信号、ヨーレートセンサ40により検出された車輌のヨーレートγを示す信号、圧力センサ44FR〜44RLにより検出された各車輪の制動圧Pbiを示す信号は電子制御装置30に入力される。
尚図1には詳細に示されていないが、電子制御装置30は例えばCPUとROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のマイクロコンピュータを含んでいる。また操舵角センサ38及びヨーレートセンサ40はそれぞれ車輌の左旋回方向への操舵の場合を正として操舵角θ及びヨーレートγを検出する。
また図1には示されていないが、車輌12には衝突影響低減装置の衝突影響低減手段として、エアバッグの展開により乗員を保護するエアバッグ装置、プリテンショナを備え張力を増減するシートベルト装置、車高調整機能を備えた減衰力可変式のサスペンション装置、乗員に退避行動を促す視覚若しくは聴覚の警報を発する警報装置等が設けられている。衝突影響低減手段はこれらに限定されるものではなく、当技術分野に於いて公知の任意の手段であってよい。
電子制御装置30は、図2に示されたフローチャートに従い、車輌の現在の走行状態の延長として車輌の第一の予測走行経路R1を演算し、CCDカメラ34により撮像された車輌前方の画像に基づき道路の形状を推定し、道路の形状に基づき現在より基準時間T1後までの所定の時間ΔT毎の予想操舵角θajを演算し、予測操舵角θaj及び車速V、車輌のヨーレートγに基づき車輌12が基準時間T1後まで走行する際に通過すると予測される第二の予測走行経路R2を演算する。
また電子制御装置30は、操舵角θと対応する予測操舵角θajとの偏差の大きさに基づき運転者が予想通りに操舵しているか否かを判定し、運転者が予想通りに操舵していると判定したときには基準時間T1が経過するまでの予測走行経路Rとして第二の予測走行経路R2を選択し、運転者が予想通りに操舵していないと判定したときには第一の予測走行経路R1のうち第二の基準時間T2が経過するまでの部分(予測走行経路R3)を第二の基準時間T2が経過するまでの予測走行経路Rとして選択する。
更に電子制御装置30は、予測走行経路Rに障害物が存在し障害物と衝突する虞れがあるか否かを判定し、衝突の虞れがあると判定したときには自動制動により車輌を減速させ、衝突の虞れが高いと判定したときにはエアバッグ装置の如き衝突影響低減装置を作動させ、車輌が障害物に衝突した場合の影響をできるだけ低減する。
次に図2に示されたフローチャートを参照して実施例1に於ける走行経路予測制御ルーチンについて説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、イグニッションスイッチが開成されるまで所定の時間毎に繰返し実行される(このことは後述の他の実施例についても同様である)。
まずステップ10に於いては車速Vを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては現在の車輌状態量としての車速V、車輌のヨーレートγ及び運転者の操舵操作量としての操舵角θに基づき図4に示されている如く現在より第一の基準時間T1(正の定数)後までの車輌の第一の予測走行経路R1が演算され、ステップ30に於いてはCCDカメラ34により撮像された車輌前方の画像に対し当技術分野に於いて公知の画像解析処理が行われることにより、図4に示されている如く現在の地点100より基準時間T1後に車輌12が到達する地点102までの道路104の形状が推定される。
ステップ50に於いては推定された道路104の形状に基づき道路104の地点100と地点102との間の複数の各領域について道路の湾曲度合として曲率半径Rrj(j=1、2、3…、n(nは正の一定の整数))が演算されると共に、曲率半径Rrj、現在の車速V及びヨーレートγに基づいて、現在より基準時間T1後までの所定の時間ΔT(図2に示されたフローチャートのサイクルタイムΔtの整数倍)毎の予測操舵角θaj(j=1、2、3…、n)が予想旋回指標値として演算される。
この予測操舵角θajの演算に際しては車輌の旋回特性(例えば車速V及び操舵角θに基づく車輌の基準ヨーレートγtと車輌の実ヨーレートγとの比較による車輌が曲がり易いか否か等の特性)及び運転者の運転特性(例えばカーブ走行時に旋回内側寄りに走行する等)が考慮され、これにより予測操舵角θajの演算に使用される車輌モデルと実際の車輌とのずれが車輌の旋回特性及び運転者の運転特性により是正される。
ステップ60に於いては予測操舵角θaj及び車速V、車輌のヨーレートγに基づき図4に示されている如く車輌12が地点100より地点102まで走行する際に通過すると予測される第二の予測走行経路R2が演算される。
ステップ70に於いては各サイクルタイム毎に操舵角θを示す信号の読み込みが行われると共に、操舵角θと対応する予測操舵角θajとの偏差の大きさが基準値θo(正の定数)以下であるか否かの判別により、車輌12が道路に沿って走行するよう運転者が予想通りに操舵しているか否かの判別が行われ、否定判別が行われ運転者が予想通りに操舵していないと判定されたときにはステップ90へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ80に於いて基準時間T1が経過するまでの予測走行経路Rとして上記ステップ60に於いて演算された第二の予測走行経路R2が選択される。
ステップ90に於いては上記ステップ20に於いて演算された第一の予測走行経路R1のうち第一の基準時間T1よりも短い暫定予測時間としての第二の基準時間T2(正の定数)が経過するまでの部分が予測走行経路R3として演算され、ステップ100に於いては第二の基準時間T2が経過するまでの予測走行経路Rとして予測走行経路R3が選択される。
ステップ110に於いては後述の如く図3に示されたフローチャートに従って予測走行経路Rに障害物が存在するか否か及び該障害物と衝突する虞れがあるか否かの判定が行われると共に、それらの判定結果に応じて必要な車輌制御が行われる。
ステップ130に於いては予測走行経路Rとして第二の予測走行経路R2が選択されているときには基準時間T1が経過したか否かの判別により、また予測走行経路Rとして予測走行経路R3が選択されているときには第二の基準時間T2が経過したか否かの判別により、予測走行経路の情報更新が必要であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ70へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ140へ進む。
ステップ140に於いては例えば第一の基準時間T1又は第二の基準時間T2が経過するまでの車輌の走行状況及び操舵角θの変化に基づきそれぞれ車輌の旋回特性及び運転者の運転特性が学習され、ステップ150に於いては予測走行経路R1、R2、R3及び予測操舵角θajの情報がRAMよりクリアされ、しかる後ステップ10へ戻る。
次に図3に示されたフローチャートを参照して上記ステップ110に於ける衝突の虞れ判定制御ルーチンについて説明する。尚衝突の虞れ判定制御自体は本発明の要旨をなすものではないので、予測走行経路Rを使用して衝突の虞れの判定が行われる限り、当技術分野に於いて公知の任意の要領にて実行されてよい。
まずステップ112に於いてはレーダセンサ32よりの信号に基づき予測走行経路Rに存在する先行車輌の如き障害物が検出されたか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには衝突の虞れはないのでそのままステップ130へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ114へ進む。
ステップ114に於いては下記の式1に従って障害物に衝突するまでの時間Tcが演算されると共に、衝突までの時間Tcが第一の基準値Tc1(正の定数)以下であり、車輌が障害物に衝突する虞れがあるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ116に於いて油圧回路22が制御され各車輪の制動圧Pbiが増圧されることにより自動制動が実行され、否定判別が行われたときには自動制動が実行されている場合にはステップ118に於いて自動制動が解除された後ステップ130へ進む。
Tc=Lre/Vre ……(1)
尚自動制動は運転者により制動操作又はアクセルペダルが踏み込が行われているときには実行されず、運転者により制動操作が行われておらず且つアクセルペダルが踏み込まれていない状況に於いて車輌が障害物に衝突する虞れがあると判定されたときには相対距離Lre及び相対速度Vreに基づき車輌の目標減速度Gxbtが演算され、車輌の減速度Gxbが目標減速度Gxbtになるよう車輌が自動制動により減速される。
ステップ120に於いては衝突までの時間Tcが第二の基準値Tc2(第一の基準値Tc1よりも小さい正の定数)以下であり、車輌が障害物に衝突する虞れが高いか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ122に於いて衝突影響低減装置が作動された後ステップ130へ進み、否定判別が行われたときにはリセット可能な衝突影響低減装置が作動されている場合にはステップ124に於いて該衝突影響低減装置の作動が解除された後ステップ130へ進む。
かくして図示の実施例1によれば、ステップ20に於いて車輌の現在の走行状態の延長として車輌の第一の予測走行経路R1が演算され、ステップ30に於いてCCDカメラ34により撮像された車輌前方の画像に基づき道路104の形状が推定され、ステップ50に於いて道路104の形状に基づき現在より基準時間T1後までの所定の時間ΔT毎の予想操舵角θajが演算され、ステップ60に於いて予測操舵角θaj及び車速V、車輌のヨーレートγに基づき車輌12が基準時間T1後まで走行する際に通過すると予測される第二の予測走行経路R2が演算される。
そしてステップ70に於いて操舵角θと対応する予測操舵角θajとの偏差の大きさに基づき車輌12が道路に沿って走行するよう運転者が予想通りに操舵しているか否かの判別が行われ、運転者が予想通りに操舵していると判定されたときにはステップ80に於いて基準時間T1が経過するまでの予測走行経路Rとして第二の予測走行経路R2が選択され、運転者が予想通りに操舵していないと判定されたときにはステップ90及び100に於いて第一の予測走行経路R1のうち第二の基準時間T2が経過するまでの部分(予測走行経路R3)が第二の基準時間T2が経過するまでの予測走行経路Rとして選択され、ステップ110に於いて予測走行経路Rに障害物が存在し障害物と衝突する虞れがあるか否かの判定が行われると共に、それらの判定結果に応じて必要な車輌制御が行われる。
例えば図5は運転者が予想通りに操舵する状況(前半)及び運転者が予想通りに操舵しない状況(後半)について図示の実施例1の作動を示す説明図である。
図5の前半に示されている如く、運転者が予想通りに操舵し車輌12が道路104の走行路に沿って走行する場合には、基準時間T1が経過するまでの全区間に亘り操舵角θと対応する予測操舵角θajとの偏差の大きさは小さく、予測走行経路Rは第二の予測走行経路R2になる。
これに対し図5の後半に示されている如く、運転者が予想通りに操舵せず車線変更の如く車輌12が道路104の走行路に沿って走行しない場合には、操舵角θと対応する予測操舵角θajとの偏差の大きさが大きくなり、第二の基準時間T2が経過するまでの区間に於ける予測走行経路Rは第一の予測走行経路R1に対応する予測走行経路R3になる。
従って図示の実施例1によれば、道路104の状況及び運転者の操舵操作に応じて車輌12の走行経路Rを正確に予測することができ、これにより車輌12の走行経路Rに障害物が存在するか否か及び障害物と衝突する虞れがあるか否かを正確に判定し、衝突に適正に対処することができる。
例えば図4に示された状況に於いて、運転者が予想通りに操舵し車輌12が道路104の走行路に沿って走行する場合には、予測走行経路Rは第二の予測走行経路R2とされるので、同一のレーンを走行する先行車輌106を障害物として衝突の虞れを適正に判定することができ、隣のレーンを走行する先行車輌108が障害物と判定され衝突の虞れが不適切に行われることを効果的に防止することができる。
また図4に示された状況に於いて、運転者が車線変更を希望し車輌12が走行しながら右側レーンより左側レーンへ移動する場合には、衝突の虞れ判定の障害物は同一のレーンの先行車輌106ではなく隣のレーンの先行車輌108とされるべきである。この状況に於いては運転者の操舵操作は予想される操舵操作とは異なり、予測走行経路Rは第一の予測走行経路R1に対応する予測走行経路R3になるので、同一のレーンの先行車輌106を障害物として衝突の虞れが不適切に行われることを効果的に防止することができると共に、隣のレーンの先行車輌108を障害物として衝突の虞れを適正に行うことができる。
図6は障害物検出機能を備えた本発明による走行経路予測制御装置の実施例2に於ける走行経路予測制御ルーチンを示すフローチャートである。尚図6に於いて図2に示されたステップに対応するステップには図2に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている(このことも後述の他の実施例についても同様である)。
この実施例2に於いては、上述の実施例1のステップ50に対応するステップ55に於いて、曲率半径Rrj、現在の車速V及び操舵角θに基づいて、現在より基準時間T1後までの所定の時間ΔT毎の予測ヨーレートγaj(j=1、2、3…)が予想旋回指標値として演算される。尚予測ヨーレートγajの演算の際にも車輌の旋回特性及び運転者の運転特性が考慮される。
また上述の実施例1のステップ70に対応するステップ75に於いて、各サイクルタイム毎にヨーレートγを示す信号の読み込みが行われると共に、ヨーレートγと対応する予測ヨーレートγajとの偏差の大きさが基準値γo(正の定数)以下であるか否かの判別により、運転者が予想通りに操舵しているか否かの判別が行われる。尚他のステップは上述の実施例1の場合と同様に実行される。
かくして図示の実施例2によれば、上述の実施例1の場合と同様の作用効果を得ることができ、また上述の実施例1の場合に比して車速Vの変化が比較的大きい場合にも走行経路Rを正確に予測し、障害物との衝突の虞れの判定及び制御を正確に且つ適正に行うことができる。
図7は障害物検出機能を備えた本発明による車輌の走行経路予測制御装置の実施例3を示す概略構成図、図8は実施例3に於ける走行経路予測制御ルーチンを示すフローチャートである。尚図7に於いて図1に示された部材と同一の部材には図1に於いて付された符号と同一の符号が付されている。
この実施例3に於いては、車輌12はCCDカメラ34を有していないが、ナビゲーション装置46を備えている。ナビゲーション装置46はそれ自身周知のナビゲート機能を果たすと共に、電子制御装置30よりの要求に応じて車輌12の現在地、進行方向、道路地図等のナビ情報を電子制御装置30へ出力する。
また実施例3に於いては、図8に示されている如く、ステップ20の次に実行されるステップ40に於いてナビゲーション装置46よりのナビ情報に基づき図4に示されている如く現在の地点100より基準時間T1後に車輌12が到達する地点102までの道路104の形状が推定される。尚他のステップは上述の実施例1の場合と同様に実行される。
かくして図示の実施例3によれば、ナビゲーション装置46を備えた車輌に於いてナビゲーション装置46よりのナビ情報を有効に利用して道路の形状を推定することができ、上述の実施例1の場合と同様の作用効果を得ることができると共に、CCDカメラ34及び画像解析処理の必要性を排除することができる。
図9は障害物検出機能を備えた本発明による走行経路予測制御装置の実施例4に於ける走行経路予測制御ルーチンを示すフローチャートである。
この実施例4に於いては、ステップ40が実施例3の場合と同様に実行され、ステップ55及び75が実施例2の場合と同様に実行され、他のステップが実施例1の場合と同様に実行される。
かくして図示の実施例4によれば、上述の実施例1の場合と同様の作用効果を得ることができ、また上述の実施例3の場合と同様の作用効果を得ることができる。
尚上述の各実施例によれば、第一及び第二の基準時間T1及びT2は一定であり、車速Vが高いほど第一の基準時間T1及び第二の基準時間T2中に車輌が走行する距離は長くなるが、車速Vが高いほど推定される第一乃至第三の予測走行経路R1〜R3の距離も自動的に長くなるので、第一乃至第三の予測走行経路R1〜R3が一定の距離について推定される場合に比して車速Vに拘らず好ましい距離範囲について予測走行経路を推定することができる。
また上述の各実施例によれば、ステップ50又は55に於いて道路104の現在地点100と第一の基準時間経過時の到達地点102との間の複数の各領域について道路の湾曲度合として複数の曲率半径Rrjが演算され、曲率半径Rrj、現在の車速V及びヨーレートγ又は操舵角θに基づいて現在より基準時間T1後までの所定の時間ΔT毎の複数の予測操舵角θaj又は予測ヨーレートγajが予想旋回指標値として演算されるので、一つの曲率半径及び予測旋回指標値しか演算されない場合に比して予測走行経路を高精度に推定することができる。
更に上述の各実施例によれば、ステップ140に於いて情報更新区間毎に車輌の走行状況及び操舵角θ又はヨーレートγの変化に基づきそれぞれ車輌の旋回特性及び運転者の運転特性が学習され、予想旋回指標値としての予測操舵角θaj(ステップ50)又は予測ヨーレートγaj(ステップ55)の演算に際し車輌の旋回特性及び運転者の運転特性が考慮されるので、車輌の旋回特性及び運転者の運転特性が考慮されない場合に比して予測操舵角θajや予測ヨーレートγajを実際の状況に応じて正確に演算し、このことによっても予測走行経路を高精度に推定することができる。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の各実施例に於いては、複数の各領域について道路の湾曲度合として複数の曲率半径Rrjが演算され、曲率半径Rrj、現在の車速V及びヨーレートγ又は操舵角θに基づいて現在より基準時間T1後までの所定の時間ΔT毎の複数の予測旋回指標値θaj又はγajが演算され、jは一定であるが、一つの曲率半径及び予測旋回指標値が演算されるよう修正されてもよく、またjは例えば車速Vが高いほど大きくなるよう車速Vに応じて可変設定されるよう修正されてもよい。
また上述の各実施例に於いては、車輌の旋回特性及び運転者の運転特性が学習され、予想旋回指標値としての予測操舵角θaj又は予測ヨーレートγajの演算に際し車輌の旋回特性及び運転者の運転特性が考慮されるようになっているが、予想旋回指標値は車輌の旋回特性及び運転者の運転特性の少なくとも一方が考慮されることなく演算されるよう修正されてもよい。
また上述の各実施例に於いては、第一及び第二の基準時間T1及びT2は一定であるが、これらの基準時間は車速Vに応じて可変設定されるよう修正されてもよい。
また上述の各実施例に於いては、ステップ110に於いて予測走行経路Rに障害物が存在するか否か及び該障害物と衝突する虞れがあるか否かの判定が行われると共に、それらの判定結果に応じて必要な車輌制御が行われるようになっているが、これらの処理は図2等に示されたルーチンとは別のルーチンにより達成されるよう修正されてもよい。
更に上述の各実施例に於いては、ステップ70又は75に於いて否定判別が行われるとステップ90へ進むようになっているが、ステップ70又は75に於いて否定判別が連続して所定回数行われた場合にステップ90へ進むよう修正されてもよい。
障害物検出機能を備えた本発明による車輌の走行経路予測制御装置の実施例1を示す概略構成図である。(実施例1) 実施例1に於ける走行経路予測制御ルーチンを示すフローチャートである。(実施例1) 図2のステップ110に於ける衝突の虞れ判定制御ルーチンを示すフローチャートである。(実施例1〜4) 実施例1に於ける走行経路予測の要領を示す説明図である。(実施例1) 実施例1に於いて運転者が予想通りに操舵する状況(前半)及び運転者が予想通りに操舵しない状況(後半)について図示の実施例1の作動を示す説明図である。(実施例1) 障害物検出機能を備えた本発明による走行経路予測制御装置の実施例2に於ける走行経路予測制御ルーチンを示すフローチャートである。(実施例2) 障害物検出機能を備えた本発明による車輌の走行経路予測制御装置の実施例3を示す概略構成図である。(実施例3) 実施例3に於ける走行経路予測制御ルーチンを示すフローチャートである。(実施例3) 実施例4に於ける走行経路予測制御ルーチンを示すフローチャートである。(実施例4)
符号の説明
20 制動装置
26 ブレーキペダル
30 電子制御装置
32 レーダーセンサ
34 CCDカメラ
36 車速センサ
38 操舵角センサ
40…ヨーレートセンサ
44FR〜44RL 圧力センサ

Claims (7)

  1. 現在の車輌走行状態に基づき基準時間後までの第一の走行経路を予測する手段と、前記第一の走行経路及び道路情報に基づき前記基準時間後までの予想旋回指標値を推定する手段と、前記予想旋回指標値に基づき第二の走行経路を予測走行経路として推定する予測走行経路推定手段とを有することを特徴とする車輌の走行経路予測制御装置。
  2. 前記予測走行経路推定手段は前記予想旋回指標値と実際の旋回指標値とを逐次比較し、両者の差の大きさが基準値以下であるときには、前記第二の走行経路を予測走行経路とし、前記差の大きさが前記基準値を越えているときには、前記基準時間よりも短い暫定予測時間に亘り前記第一の走行経路を予測走行経路とすることを特徴とする請求項1に記載の車輌の走行経路予測制御装置。
  3. 前記旋回指標値は操舵角若しくは車輌のヨーレートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌の走行経路予測制御装置。
  4. 前記予測走行経路推定手段により推定された予測走行経路に障害物が存在するか否かを判定する手段を有し、前記予測走行経路に障害物が存在すると判定したときには該障害物との衝突に対処する制御を行うことを特徴とする請求項1乃至3に記載の車輌の走行経路予測制御装置。
  5. 前記第一の走行経路を予測する手段は現在の車輌状態量及び運転者の操作量に基づいて第一の走行経路を予測することを特徴とする請求項1乃至4に記載の車輌の走行経路予測制御装置。
  6. 前記予想旋回指標値を推定する手段はカメラにより撮影された走行路を画像解析処理することにより前記道路情報を求めることを特徴とする請求項1乃至5に記載の車輌の走行経路予測制御装置。
  7. 前記予想旋回指標値を推定する手段はナビゲーション装置より前記道路情報を求めることを特徴とする請求項1乃至5に記載の車輌の走行経路予測制御装置。
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