JP2005067791A - 弾性糸の連続供給方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 繊度が160デシテックス以上3000デシテックス以下の弾性糸を、供給巻パッケージの終端糸と予備巻パッケージの先端糸を接合し、連続して供給する方法において、弾性糸を、変速可能な送り出し装置を具備したテンション調整器に通過させて、連続的に供給することを特徴とする弾性糸の連続供給方法。
【選択図】 図1
Description
このような紙おむつ製造機に弾性糸を供給する方法としては、従来から、平行な2対の駆動ローラーの上に巻パッケージを載せ、回転させながら弾性糸を引き出し紙おむつ製造機に供給する方法が用いられている。しかしこの方法では供給中の弾性糸がなくなるたび毎に、紙おむつ製造機と前記駆動ローラーを停止し、使い終わった巻パッケージの終端糸と次の新しい巻パッケージの先端糸を継がなければならず、紙おむつ製造機を停止させる時と始動させる時に製品の不良品が発生し、また生産効率が低下するという欠点が生じていた。弾性糸巻パッケージの巻量増大により、交換頻度が減少し、紙おむつ製造機を停止する頻度は減少するものの、依然として前記の欠点は解消されていない。
これらのように、太物弾性糸を、紙おむつ用途等に供給する際に、経時的に安定したテンションに調整する方法が強く望まれていた。
1. 繊度が160デシテックス以上3000デシテックス以下の弾性糸を、供給巻パッケージの終端糸と予備巻パッケージの先端糸を接合し、連続して供給する方法において、弾性糸を、変速可能な送り出し装置を具備したテンション調整器に通過させて、連続的に供給することを特徴とする弾性糸の連続供給方法。
2. テンション調整器のテンションコントロール設定値が、5.0cN以上20.0cN以下であることを特徴とする1記載の弾性糸の連続供給方法。
3. 紙おむつ製造機に使用することを特徴とする1または2に記載の弾性糸の連続供給方法。
したがって、靴下編み機にニットイン弾性糸を供給する際や、紙おむつを製造する際などにおいて、製品の品質安定化、生産性の向上に効果も奏する。
本発明の弾性糸は、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリエーテル・ポリエステル系等のポリウレタン弾性糸や、生ゴム等の弾性糸の何れでもよく、その繊度は太物用途に使用できるものであれば良く、通常は160デシテックス以上3000デシテックス以下であり、紙おむつ用途には、310デシテックス以上2500デシテックス以下が好ましい。また、艶消し剤としての酸化チタン等が添加されていてもよく、通常の巻き取り時に弾性糸に付与させる鉱物油、シリコン油、変性ポリシロキサン等を主成分とする油剤の付着量はストレッチ製品の製造に支障を来さない範囲であれば特に制限されない。
本発明において、供給中の巻パッケージと次の新しい予備巻パッケージを接合する方法は、通常の結び方によって糸を継ぐ方法でも、結び目を形成させないヒ一ターや超音波を利用した熱融着法でもよく、特に限定されるものではないが、紙おむつのギャザー部に使用されることを考慮すると、継目が小さく、継目部分の伸度や強力が継目以外の部分と比べて差のない加熱・加圧接着方法が好ましく、特開平9−12226号公報や特開平9−278286号公報に記載されている方法を用いても良い。
前述のクリールに係止された巻パッケージから弾性糸を引き出すとき、該弾性糸は巻パッケージの引き出し側端に時々引っ掛かり気味になって伸ばされたり、糸同士の膠着のため引き伸ばされ、その反動で弾みながら多量の弾性糸が引き出される現象(以下、息付現象という。)が繰り返され、この息付現象によって、供給中の弾性糸が後述するテンション調整器から外れやすくなることがある。そのため、特開2001−39627号公報に開示されているガイド手段をテンション調整器の前に設置してもよい。
<弾性糸の供給テンションの測定方法>
図4に示すように、本発明の太物弾性糸の連続供給装置と紙おむつ製造機の間にテンション測定用のロードセル(エイコー測器(株)製 タイプ3000)を設け、該弾性糸をこのロードセルに通すことにより走行中にロードセルに掛かるテンション(cN)を連続的に測定し、自記記録させる。得られた記録紙上のグラフから30秒間のテンションの平均値を求め、平均テンションとした。ただし、接合部分については2秒間のテンションの平均値を求め、接合部分の平均テンションとした。また、上記した時間内でのテンションの最大値と最小値をグラフから読みとり、最大値、最小値、平均値の各数値から次式により求めた値をバラツキとした。
バラツキ=(最大値−最小値)/平均値
本発明の太物弾性糸の連続供給装置から、紙おむつ製造機に弾性糸を連続的に供給し、該弾性糸を紙おむつ用不織布に接着させてギャザーを形成させた。ギャザーを連続10個採取し、ギャザーの形状ムラ、寸法バラツキを次の基準にて目視にて判定した。
○;良好 △;やや不良 ×;不良
本発明の太物弾性糸の連続供給装置から、紙おむつ製造機に弾性糸を連続的に供給する際に、テンション調整器から紙おむつ製造機に入るまでの弾性糸の走行状態を観察し、糸揺れ状態を以下の基準にて目視にて判定した。
○;ほとんど糸揺れしない
△;小さく糸揺れする
×;大きく糸揺れし糸切れしやすい
数平均分子量1800のポリオキシテトラメチレングリコール1000gと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート229.3gとを乾燥窒素雰囲気下、80℃で3時間、撹拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマーを得た。
これを室温に冷却した後、ジメチルアセトアミド1800gを加えて溶解し、ポリウレタンプレポリマー溶液を調整した。一方、エチレンジアミン8.11g及びジエチルアミン1.37gをジメチルアセトアミド975gに溶解し、これを前記プレポリマー溶液に室温下で添加して、粘度4010ポイズ(30℃)のポリウレタン溶液を得た。このポリウレタン溶液を通常の乾式紡糸法で紡糸し、尻糸を具備させた状態で巻き取り、繊度620デシテックスの弾性糸巻パッケージ(巻き量1.1kg)を得た。
供給巻パッケージの残量が1kgのとき、同パッケージの残量が50gのとき、弾性糸の接合部分、予備巻パッケージの残量が1kgのとき及び50gのときの、計5回について、平均テンションおよびバラツキを評価した。又、このときに製造された紙おむつのギャザー部の形状を目視にて判定し、結果を夫々表1〜3に示した。
実施例1と同様の弾性糸巻パッケージを用い、実施例のテンション調整器のかわりにマグネットテンサーを使用し、荷重を20cNとした以外は実施例1と同様の試験を行い、結果を表4に示した。
実施例1と同様の弾性糸巻パッケージを用い、実施例のテンション調整器のかわりに、BTSR社製KTF/25Hを使用し、テンション設定値を14.7cNとした以外は実施例1と同様の試験を行い、結果を表5に示した。
表1〜5より、実施例においては、供給巻パッケージ、予備巻パッケージの糸残量に関わらず、又、弾性糸の接合部分においても平均テンションが安定しており、そのバラツキも小さく、形成されたギャザーの形状が良好であることが明らかである。一方、比較例1では、テンションバラツキが大きく、また糸量が少なくなると弾性糸巻パッケージからの弾性糸の解舒抵抗が大きくなるのに伴い、平均テンションが大きくなり、又、弾性糸接合部分においては平均テンションが大きく変動し、バラツキも大きく、ギャザーの形状も不良であることが明らかである。また、比較例2は、細物用途のテンション調整器を使用したため、弾性糸の供給が送り出し装置に追従しにくく、糸切れしやすく、供給中にテンションばらつきが大きい。また糸残量が少なくなると弾性糸巻パッケージからの糸の解舒抵抗が大きくなるのに伴い平均テンションが大きくなり、又、弾性糸の接合部分においては、平均テンションが大きく変動し、バラツキも大きく、ギャザーの形状も不良であることが明らかである。
21 供給チーズ
22 予備チーズ
3 テンション調整器
31 ガイド
32 テンション検出部
33 テンションコントロール部
34 変速可能な送り出し部
4 ロードセル
5 供給ローラー
Claims (3)
- 繊度が160デシテックス以上3000デシテックス以下の弾性糸を、供給巻パッケージの終端糸と予備巻パッケージの先端糸を接合し、連続して供給する方法において、弾性糸を、変速可能な送り出し装置を具備したテンション調整器に通過させて、連続的に供給することを特徴とする弾性糸の連続供給方法。
- テンション調整器のテンションコントロール設定値が、5.0cN以上20.0cN以下であることを特徴とする請求項1記載の弾性糸の連続供給方法。
- 紙おむつ製造機に使用することを特徴とする請求項1または2に記載の弾性糸の連続供給方法。
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