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JP2003177571A - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents

トナー及びトナーの製造方法

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JP2003177571A
JP2003177571A JP2001375199A JP2001375199A JP2003177571A JP 2003177571 A JP2003177571 A JP 2003177571A JP 2001375199 A JP2001375199 A JP 2001375199A JP 2001375199 A JP2001375199 A JP 2001375199A JP 2003177571 A JP2003177571 A JP 2003177571A
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toner
particles
parts
polymerizable monomer
particle size
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JP2001375199A
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Takashi Iga
隆志 伊賀
Makoto Watanabe
渡辺  誠
Muneharu Ito
宗治 伊藤
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒度分布が狭く、粒子形状を基本的に球形に
維持することができ、且つ確実に粒子表面に凹部を形成
することができ、クリーニングブレードによるクリーニ
ング性に優れ、初期画像及び連続印字後の耐久画像にも
優れるトナー及びトナーの製造方法を提供すること。 【解決手段】 少なくとも重合性単量体、着色剤及び金
属酸化物粒子を含有する重合性単量体組成物を、難水溶
性金属水酸化物を含有する水性媒体中に分散させ、次い
で重合させることによりトナー粒子を得、このトナー粒
子の表面部に露出した金属酸化物粒子を化学的方法によ
り除去してトナーを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナーの製造方法
に関し、さらに詳しくは、電子写真法、静電記録法等に
よって形成される静電潜像を現像するための、重合法に
よるトナーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置や静電記録装置等の画像形
成装置において、感光体上に形成される静電潜像は、先
ず、トナーにより現像される。次いで、形成されたトナ
ー像は、必要に応じて紙等の転写材上に転写された後、
加熱、加圧、溶剤蒸気など種々の方式により定着され
る。当該装置に用いるトナーとしては、着色剤、帯電制
御剤などを含有する熱可塑性樹脂を溶融混合し、均一に
分散した後、粉砕及び分級を行って製造する粉砕トナー
が主流であった。近年、その画像形成装置において、画
像の高解像度化や画像形成の高速化が求められている
が、粉砕トナーは得られる粒子の粒径分布が広くなるた
めに、これらの要求に応えることは困難であった。この
粉砕トナーの問題点を克服するために、着色剤や重合性
単量体を含有する重合性単量体組成物を重合することに
よって製造する重合トナーが提案されている。重合トナ
ーは、重合条件を調整することで小粒径化を図ることが
可能であり、且つ粒径分布を狭くできることから、プリ
ンターの高速化に伴う溶融特性に優れたトナーという要
求を満たしている。
【0003】重合トナーは球状であるので、流動性が良
く転写材への転写性が優れるという特性があるが、その
反面、クリーニング性が十分ではないということがあ
る。これを解決するために、特開昭62−266557
号公報には、難水溶性無機微粒子を含有する重合性単量
体を重合し、得られたトナーの表面に露出した該無機微
粒子を化学的方法により除去する不定形トナーの製造方
法が開示されている。しかしながら、特開昭62−26
6557号公報に記載の製造方法に従って、本発明者ら
が検討した結果、炭酸亜鉛や炭酸カルシウムの如き難水
溶性無機微粒子を使用すると、これらの粒子は重合性単
量体よりも親水性が強いために、重合性単量体中に包含
されずにその多くが水性分散媒中に存在しており、この
状態で重合を行なっても、形成されたトナー表面に存在
する難水溶性無機微粒子は少量であるために、不定形の
トナーとならないことがあった。また、実施例記載のシ
リカ粒子を分散安定剤として使用するとトナーの粒径分
布が広くなり、カブリが発生し易くなることがあった。
【0004】また、特開平7−114212号公報に
は、重合性単量体と、アルミニウムカップリング剤との
カップリング剤で疎水化処理することにより重合性単量
体に対する親和性を高めた難水溶性の無機微粒子とを含
むモノマー相を、水性分散媒中に液滴状に懸濁分散させ
た状態で、重合性単量体を重合させてトナー粒子を得た
後、トナー粒子の表面の無機微粒子を化学的に除去して
凹部を形成する電子写真用トナーの製造方法が開示され
ている。しかしながら、この方法は重合性単量体への親
和性の程度を制御することが難しく、親和性が高いと、
難水溶性無機微粒子が得られるトナーの粒子内部に埋没
して、凹部を有するトナーを製造できないことがあり、
実施例記載のカップリング処理を行なうと、未反応のカ
ップリング剤がトナー物性に影響し、画像特性が悪くな
ることがわかった。逆に親和性が低すぎると、特開昭6
2−266557号公報の如く、無機微粒子が重合性単
量体中に包含されずに、その多くが水性分散媒中に存在
するために、重合することにより得られたトナーに凹部
を形成できなくなることがあった。また、分散安定剤と
して実施例記載の第三リン酸カルシウムを使用するとト
ナーの粒径分布が広くなり、カブリが発生し易くなるこ
とがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、粒度分布が狭く、粒子形状を基本的に球形に維持す
ることができ、且つ確実に粒子表面に凹部を形成するこ
とができ、クリーニングブレードによるクリーニング性
に優れ、初期画像及び連続印字後の耐久画像にも優れる
トナー及びトナーの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、(1)少なくとも重合性単量体、着色剤及び金属酸
化物粒子を含有する重合性単量体組成物を、難水溶性金
属水酸化物を含有する水性媒体中に分散させ、次いで重
合させることによりトナー粒子を得、このトナー粒子の
表面部に露出した金属酸化物粒子を化学的方法により除
去するトナーの製造方法、(2)難水溶性金属水酸化物
と金属酸化物粒子が同種の金属元素で構成される(1)
記載のトナーの製造方法。(3)体積平均粒径(Dv)
が1〜10μm、体積平均粒径と個数平均粒径(Dp)
との比である粒径分布(Dv/Dp)が1.2以下、平
均円形度が0.90〜0.99であり、粒子表面に凹部
を有するトナー粒子と外添剤とからなるトナー、が提供
される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明のトナーの製造方法に使用する重合性単量体組成
物は、少なくとも重合性単量体、着色剤及び金属酸化物
粒子を含有する。
【0008】重合性単量体としては、モノビニル単量
体、架橋性単量体、マクロモノマー等を挙げることがで
きる。モノビニル単量体としては、具体的にはスチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビ
ニル単量体;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロ
ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)ア
クリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリルアミ
ド等の(メタ)アクリル酸の誘導体;エチレン、プロピ
レン、ブチレン等のモノオレフィン単量体;等が挙げら
れる。モノビニル単量体は、単独で用いても、複数の単
量体を組み合わせて用いても良い。これらモノビニル単
量体のうち、芳香族ビニル単量体単独、芳香族ビニル単
量体と(メタ)アクリル酸の誘導体との併用が好まし
い。
【0009】モノビニル単量体と共に、架橋性単量体及
び架橋性重合体を用いるとホットオフセット改善に有効
である。架橋性単量体は、重合可能な炭素−炭素不飽和
二重結合を2以上有する単量体である。具体的には、ジ
ビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、およびこれらの
誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコール
ジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレ
ート等のジエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,
N−ジビニルアニリン;ジビニルエーテル;等のビニル
基を2個有する化合物、ペンタエリスリトールトリアリ
ルエーテルやトリメチロールプロパントリアクリレート
等のビニル基を3個以上有する化合物等を挙げることが
できる。架橋性重合体は、分子中に2個以上のビニル基
を有する重合体のことであり、具体的には、分子内に2
個以上の水酸基を有する重合体と、アクリル酸やメタク
リル酸等の不飽和カルボン酸単量体とから得られるエス
テルを挙げることができる。これらの架橋性単量体及び
架橋性重合体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組
み合わせて用いることができる。使用量は、モノビニル
単量体100重量部当たり、通常、10重量部以下、好
ましくは、0.1〜2重量部である。
【0010】また、モノビニル単量体と共に、マクロモ
ノマーを用いると、保存性と低温定着性とのバランスが
良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の
末端にビニル重合性官能基を有するもので、数平均分子
量が、通常、1,000〜30,000のオリゴマーま
たはポリマーである。数平均分子量が小さすぎるものを
用いると、重合体粒子の表面部分が柔らかくなり、保存
性が低下するようになる。逆に数平均分子量が大きすぎ
るものを用いると、マクロモノマーの溶融性が悪くな
り、定着性および保存性が低下するようになる。マクロ
モノマー分子鎖の末端に有るビニル重合性官能基として
は、アクリロイル基、メタクリロイル基などを挙げるこ
とができ、共重合のしやすさの観点からメタクリロイル
基が好ましい。
【0011】マクロモノマーは、前記モノビニル単量体
を重合して得られる重合体のガラス転移温度よりも高い
ガラス転移温度を有するものが好ましい。本発明に用い
ることのできるマクロモノマーの具体例としては、スチ
レン、スチレン誘導体、メタクリル酸エステル、アクリ
ル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等を単独でまたは2種以上を重合して得られる重合体、
ポリシロキサン骨格を有するマクロモノマーなどを挙げ
ることができるが、その中でも、親水性のもの、特にメ
タクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルを単独で
またはこれらを組み合わせて重合して得られる重合体が
好ましい。マクロモノマーを使用する場合、その量は、
モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.0
1〜10重量部、好適には0.03〜5重量部、さらに
好適には0.05〜1重量部である。マクロモノマーの
量が少ないと、保存性が向上しない。マクロモノマーの
量が極端に多くなると定着性が低下するようになる。
【0012】着色剤としては、カーボンブラック、チタ
ンブラック、磁性粉、オイルブラック、チタンホワイト
の他、あらゆる顔料および/または染料を用いることが
できる。黒色のカーボンブラックは、一次粒径が20〜
40nmであるものが好適に用いられる。20nmより
小さいとカーボンブラックが凝集してトナー中に均一に
分散せず、かぶりの多いトナーになることがある。一
方、40nmより大きいと、カーボンブラック製造時に
生成するベンズピレン等の多価芳香族炭化水素化合物の
量がトナー中に多く残留することがあり、そのために環
境安全上の問題が起こることがある。
【0013】フルカラートナーを得る場合、通常、イエ
ロー着色剤、マゼンタ着色剤およびシアン着色剤を使用
する。イエロー着色剤としては、アゾ系顔料、縮合多環
系顔料等の化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピ
グメントイエロー3、12、13、14、15、17、
62、65、73、83、90、93、97、120、
138、155、180、181、185および186
等が挙げられる。マゼンタ着色剤としては、アゾ系顔
料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられる。具体的に
はC.I.ピグメントレッド48、57、58、60、
63、64、68、81、83、87、88、89、9
0、112、114、122、123、144、14
6、149、163、170、184、185、18
7、202、206、207、209、251、C.
I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。シア
ン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物およびその
誘導体、アントラキノン化合物等が利用できる。具体的
にはC.I.ピグメントブルー2、3、6、15、1
5:1、15:2、15:3、15:4、16、17、
および60等が挙げられる。こうした着色剤の量は、重
合性単量体100重量部に対して、通常、1〜10重量
部である。
【0014】金属酸化物粒子としては、重合後の化学的
方法で除去できるもの、例えば酸またはアルカリで溶解
できるものを使用する。金属酸化物粒子としては、具体
的には、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化鉄
等が挙げられるが、後述する分散安定剤として、難水溶
性金属水酸化物を使用する場合は、難水溶性金属水酸化
物を構成する金属元素と、金属酸化物粒子を構成する金
属元素とが同種であることが好ましく、その中でも酸化
マグネシウムが特に好ましい。粒径は、通常、0.1〜
20μm、好ましくは0.5〜10μmである。添加量
は、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.1
〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部である。
【0015】重合性単量体組成物には、上記重合性単量
体、着色剤及び金属酸化物粒子のほか、帯電制御剤、離
型剤等を添加してもよい。帯電制御剤としては、従来か
らトナーに使用されている帯電制御剤を用いることがで
きる。例えば、ボントロンN01(オリエント化学工業
社製)、ニグロシンベースEX(オリエント化学工業社
製)、スピロンブラックTRH(保土ケ谷化学工業社
製)、T−77(保土ケ谷化学工業社製)、ボントロン
S−34(オリエント化学工業社製)、ボントロンE−
81(オリエント化学工業社製)、ボントロンE−84
(オリエント化学工業社製)、COPY CHARGE
NX(クラリアント社製)、COPY CHARGE
NEG (クラリアント社製)等の帯電制御剤が挙げ
られ、また、特開昭63−60458号公報、特開平3
−175456号公報、特開平3−243954号公
報、特開平11−15192号公報などの記載に準じて
製造した4級アンモニウム(塩)基含有共重合体や、特
開平1−217464号公報、特開平3−15858号
公報などの記載に準じて製造したスルホン酸(塩)基含
有共重合体を、帯電制御剤(帯電制御樹脂)として用い
ることもできる。
【0016】これらの中でも、帯電制御樹脂を使用する
ことが好ましい。帯電制御樹脂は、結着樹脂との相溶性
が高く、無色であり高速でのカラー連続印刷においても
帯電性が安定したトナーを得ることができるので好まし
い。帯電制御樹脂のガラス転移温度は、通常、40〜8
0℃、好ましくは45〜75℃、さらに好ましくは45
〜70℃である。これよりも低いとトナーの保存性が悪
くなり、逆に高いと定着性が低下することがある。帯電
制御剤の量は、重合性単量体100重量部に対して、通
常、0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重
量部の割合である。
【0017】離型剤としては、例えば、低分子量ポリエ
チレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレ
ンなどの低分子量ポリオレフィンワックス類;キャンデ
リラ、カルナウバ、ライス、木ロウなどの植物系天然ワ
ックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラ
クタムなどの石油系ワックス;フィッシャートロプシュ
ワックスなどの合成ワックス;ペンタエリスリトールテ
トラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミ
テート、ジペンタエリスリトールヘキサミリステートな
どの多官能エステル化合物などが挙げられる。これらは
1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。
【0018】これらのうち、合成ワックス(特にフィッ
シャートロプシュワックス)、石油系ワックス、多官能
エステル化合物などが好ましい。多官能エステル化合物
のなかでも示差走査熱量計により測定されるDSC曲線
において、昇温時の吸熱ピーク温度が30〜120℃、
好ましくは40〜100℃、更に好ましくは50〜80
℃の範囲にあるペンタエリスリトールエステルや、同吸
熱ピーク温度が50〜80℃の範囲にあるジペンタエリ
スリトールエステルなどの多価エステル化合物が、トナ
ーとしての定着−剥離性バランスの面で特に好ましく、
その中でも、分子量が1000以上であり、スチレン1
00重量部に対し25℃で5重量部以上溶解し、酸価が
10mg/KOH以下のものは定着温度低下に顕著な効
果を示すので更に好ましい。吸熱ピーク温度は、AST
M D3418−82によって測定された値である。上
記離型剤の量は、重合性単量体100重量部に対して、
通常、0.5〜50重量部、好ましくは1〜20重量部
を用いる。
【0019】次に、重合性単量体組成物を、難水溶性水
酸化物を含有する水性媒体中に添加して、通常の攪拌機
又はホモジナイザー等で分散させた後、重合してトナー
粒子を得る。必要であれば、重合によって生成したトナ
ー粒子に凝集剤を添加して、粒子を会合させてもよい。
重合温度は、通常、40〜120℃、好ましくは50〜
100℃である。
【0020】難水溶性金属水酸化物としては、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄等を挙
げることができる。難水溶性金属水酸化物のコロイドを
含有する分散安定剤は、その製法による制限はないが、
水溶性多価金属化合物の水溶液のpHを7以上に調整す
ることによって得られる難水溶性金属水酸化物のコロイ
ド、特に水溶性多価金属化合物と水酸化アルカリ金属と
の水相中の反応により生成する難水溶性の金属水酸化物
のコロイドを用いることが好ましい。難水溶性金属水酸
化物としては、前述したように金属酸化物粒子と同種の
金属を使用することが好ましく、中でも水酸化マグネシ
ウムが特に好ましい。
【0021】難水溶性金属水酸化物のコロイドは、個数
粒径分布D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.
5μm以下で、D90(個数粒径分布の90%累積値)
が1μm以下であることが好ましい。コロイドの粒径が
大きくなると重合の安定性が崩れ、またトナーの保存性
が低下する
【0022】分散安定剤は、重合性単量体100重量部
に対して、通常、0.1〜20重量部の割合で使用す
る。この割合が0.1重量部より少ないと、充分な重合
安定性を得ることが困難であり、重合凝集物が生成し易
くなる。逆に、20重量部を超えると、重合後のトナー
粒径が細かくなり過ぎ、実用的でない。
【0023】重合開始剤としては、過硫酸カリウム等の
過硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、
2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキ
シエチル)プロピオンアミド、2,2’−アゾビス(2
−メチル−N−(1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)
エチル)プロピオアミド、2,2’−アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2,
4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ化合物;ラウロイルパーオキ
シド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピ
バレート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−
2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソ
ブチレート等の過酸化物類などを例示することができ
る。
【0024】こうした中でも特に、使用される重合性単
量体に可溶な油溶性の重合開始剤を選択することが好ま
しく、必要に応じて水溶性の重合開始剤をこれと併用す
ることもできる。上記重合開始剤は、重合性単量体10
0重量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好まし
くは0.3〜15重量部、更に好ましくは0.5〜10
重量部用いる。重合開始剤は、重合性単量体組成物中に
予め添加することができるが、懸濁重合の場合は造粒工
程終了後又は重合反応の途中の懸濁液に直接添加するこ
ともできる。
【0025】また、重合に際して、分子量調整剤を添加
することが好ましい。分子量調整剤としては、例えば、
t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタ
ン、n−オクチルメルカプタン、2,2,4,6,6−
ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン
類を挙げることができる。これらの分子量調整剤は、重
合開始前、あるいは重合途中に添加することができる。
分子量調整剤は、重合性単量体100重量部に対して、
通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重
量部の割合で用いられる。
【0026】本発明の製造方法では、粒子の内部(コア
層)と外部(シェル層)に異なる二つの重合体を組み合
わせて得られる、所謂コアシェル型(カプセル型ともい
う)トナー粒子とすることが好ましい。コアシェル型ト
ナー粒子では、内部(コア層)の低軟化点物質をそれよ
り高い軟化点を有する物質で内包化することにより、定
着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取る
ことができるので好ましい。
【0027】コアシェル型トナー粒子は、コア粒子の重
合終了後の反応系に、更にシェルを形成するための重合
性単量体(シェル用重合性単量体)を添加して継続的に
重合することによって製造することができる。シェル用
重合性単量体は反応系中に一括して添加しても、または
プランジャポンプなどのポンプを使用して連続的もしく
は断続的に添加してもよい。
【0028】シェル用重合性単量体としては、スチレ
ン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどのガ
ラス転移温度が80℃を超える重合体を形成する単量体
をそれぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用
することができる。
【0029】シェル用重合性単量体を添加する際に、水
溶性のラジカル開始剤を添加することがコアシェル型ト
ナー粒子を得やすくなるので好ましい。シェル用重合性
単量体の添加の際に水溶性ラジカル開始剤を添加する
と、シェル用重合性単量体が移行したコア粒子の外表面
近傍に水溶性ラジカル開始剤が進入し、コア粒子表面に
重合体(シェル)を形成しやすくなると考えられる。
【0030】水溶性ラジカル開始剤としては、過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’−
アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス
(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオ
ンアミド、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−
(1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)プロピ
オアミド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤;クメンパーオキシド等
の油溶性開始剤とレドックス触媒の組み合せ;などを挙
げることができる。水溶性ラジカル開始剤の量は、シェ
ル用単量体100重量部に対して、通常、1〜50重量
%、好ましくは2〜20重量%である。
【0031】重合によって得たトナー粒子から、その粒
子表面に存在している金属酸化物粒子を化学的方法で除
去する。例えば、酸またはアルカリで処理し、金属酸化
物粒子を溶解した後、濾過してトナー粒子から除去す
る。必要であれば、酸またはアルカリ処理を繰り返した
後、イオン交換水あるいは重合に使用する水性媒体でさ
らに必要に応じて水性媒体を希釈した水で洗浄、濾過
し、粒子を乾燥することによってトナーを得る。
【0032】本発明のトナーの製造方法によって、体積
平均粒径(dv)が、通常、 1〜10μm、好ましく
は 3〜8μmのトナーが得られる。また、粒径分布即
ち体積平均粒径と個数平均粒径(dp)との比(dv/
dp)が、通常、1.7以下、好ましくは1.5以下、
より好ましくは1.3以下、特に好ましくは1.2以下
のものが得られる。トナー粒子の円形度は、通常、0.
8〜1.00、好ましくは0.85〜0.99、さらに
好ましくは0.90〜0.99である。この円形度は、
フロー式粒子解析装置によって求められる値である。
【0033】必要に応じて、本発明の方法によって製造
されるトナーに外添剤を混合して、現像剤とすることが
できる。外添剤としては、無機粒子や有機樹脂粒子が挙
げられる。外添剤として添加するこれらの粒子は、トナ
ー粒子よりも平均粒径が小さい。例えば、無機粒子とし
ては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、
酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸バリウム、チタン酸ストロ
ンチウムなどが挙げられ、有機樹脂粒子としては、メタ
クリル酸エステル重合体粒子、アクリル酸エステル重合
体粒子、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体粒
子、スチレン−アクリル酸エステル共重合体粒子、コア
がメタクリル酸エステル重合体で、シェルがスチレン重
合体で形成されたコアシェル型粒子などが挙げられる。
これらのうち、二酸化ケイ素粒子や酸化チタン粒子が好
適であり、この表面を疎水化処理した粒子が好ましく、
疎水化処理された二酸化ケイ素粒子が特に好ましい。外
添剤の量は、特に限定されないが、トナー100重量部
に対して、通常、0.1〜6重量部である。外添剤の付
着は、通常、外添剤とトナーとをヘンシェルミキサーな
どの混合機に入れて撹拌して行なう。
【0034】
【実施例】本発明の製造方法を実施例により、さらに詳
細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定され
るものではない。なお、部及び%は特に断りのない限り
重量基準である。実施例及び比較例における物性の測定
方法は、以下のとおりである。 (1)体積平均粒径 トナーの体積平均粒径(dv)及び粒径分布(dv/d
p)はマルチサイザー(ベックマン・コールター社製)
により測定した。このマルチサイザーによる測定は、ア
パーチャー径:100μm、媒体:イソトンII、濃度
10%、測定粒子個数:100,000個の条件で行っ
た。 (2)円形度 平均円形度はフロー式粒子像分析装置FPIA−210
0(シスメックス(株)製)により、1.5μm〜15
0μmの範囲で測定した。
【0035】(3)流動性 目開きが各々150μm、75μm及び45μmの3種
の篩をこの順に上から重ね、一番上の篩上に測定する現
像剤を4g精秤して乗せる。次いで、この重ねた3種の
篩を、粉体測定機(細川ミクロン社製;商品名「パウダ
ーテスター」)を用いて、振動強度4の条件で、15秒
間振動した後、各篩上に残った現像剤の重量を測定す
る。各測定値を以下の式、及びに入れて、流動性
の値を算出する。1サンプルにつき3回測定し、その平
均値を求めた。 算出式: a=(150μm篩に残った現像剤重量(g))/4
g×100 b=(75μm篩に残った現像剤重量(g))/4g
×100×0.6 c=(45μm篩に残った現像剤重量(g))/4g
×100×0.2 流動性(%)=100−(a+b+c)
【0036】(4)クリーニング性と画像評価 市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(24枚機)
を改造し、クリーニングブレードを取り付け、これに転
写材としてコピー用紙をセットして、このプリンターの
現像装置に評価する現像剤を入れ、初期から20,00
0枚連続印字を行った。クレーニング性については、
1,000枚毎に感光体と帯電ロールを観察して、クリ
ーニング不良による黒筋が発生する枚数をカウントし
た。また、画像評価については、印字初期と20,00
0枚印字後の転写材の画像を目視にて観察し、以下の基
準で評価した。 ○:画像濃度が高く、転写材に汚れが観察されない。 △:画像濃度は低いが、転写材に汚れが観察されない。 □:画像濃度が低く、転写材に汚れが観察された。
【0037】(実施例1)スチレン80.5部およびn
−ブチルアクリレート19.5部からなるコア用重合性
単量体、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東
亜合成化学工業社製、商品名「AA6」、Tg=94
℃)0.3部、ジビニルベンゼン0.5部、t−ドデシ
ルメルカプタン1.2部、カーボンブラック(三菱化学
社製、商品名「#25B」)7部、帯電制御樹脂(藤倉
化成社製、商品名「FCA−1001−NS」1部を、
メディア型湿式粉砕機を用いて湿式粉砕を行い、更に、
平均粒径2μm、比表面積1.5m/gの酸化マグネ
シウム(協和化学社製、商品名「パイロキスマ520
1」)を10部添加し、コア用重合性単量体組成物を得
た。他方、イオン交換水250部に塩化マグネシウム1
0.2部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水
酸化ナトリウム6.2部を溶解した水溶液を攪拌下で徐
々に添加して、水酸化マグネシウムコロイドの分散液を
調製した。生成した上記コロイドの粒径分布をSALD
粒径分布測定器(島津製作所社製)で測定したところ、
粒径は、D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.
35μmで、D90(個数粒径分布の90%累積値)が
0.62μmであった。一方、メチルメタクリレート2
部と水65部を超音波乳化機にて微分散化処理して、シ
ェル用重合性単量体の水分散液を得た。シェル用重合性
単量体の液滴の粒径は、D90が1.6μmであった。
【0038】上記により得られた水酸化マグネシウムコ
ロイド分散液(コロイド量4.0部)に、コア用重合性
単量体組成物を投入し、液滴が安定するまで攪拌し、そ
こにt−ブチルパーオキシ−イソブチレート(日本油脂
社製、商品名「パーブチルIB」)6部を添加した後、
次いで、15,000rpmで回転するエバラマイルダ
ー(荏原製作所社製:商品名MDN303V)を総滞留
時間3秒で通過させ、通過させた分散液を、インナーノ
ズルを経て、元の撹拌槽内に噴出速度0.5m/sで戻
し循環させ単量体組成物の液滴を造粒した。なお、イン
ナーノズル先端が撹拌槽中の分散液面下50mmに位置
するように調整し、循環回数10回で造粒した。エバラ
マイルダーの周囲には冷却用ジャケットが取り付けてあ
り、約15℃の冷却水を流通させた。前記混合液を供給
し、コア用単量体組成物の液滴を造粒した。
【0039】造粒されたコア用単量体組成物が分散され
た水酸化マグネシウムコロイド分散液に四ホウ酸ナトリ
ウム十水和物を1部添加し、攪拌翼を装着した反応器に
入れ、85℃で重合反応を開始させ、重合転化率がほぼ
100%に達した後、前記シェル用重合性単量体の水分
散液に水溶性開始剤(和光純薬社製、商品名「VA−0
86」=2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−
ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド))0.3部を
溶解し、それを反応器に添加した。4時間重合を継続し
た後、反応を停止し、コアシェル型トナー粒子の水分散
液を得た。上記により得たトナー粒子の水分散液を攪拌
しながら、硫酸により洗浄(25℃、10分間)して、
系のpHを4.5以下にした.この水分散液を濾過脱水
した後、乾燥して、体積平均粒径(dv)は7.2μ
m、粒径分布(dv/dp)は1.18、フロー式粒子
解析装置による円形度は0.97のトナーを得た。得ら
れたトナーの走査型電子顕微鏡像を図1に示す。図1か
らも分かるように、得られたトナーは、粒子の表面に凹
部を有する球形の粒子であった。トナー100部に、疎
水化処理したコロイダルシリカ(商品名「RX−10
0」;日本アエロジル社製)1部を添加し、ヘンシェル
ミキサーを用いて混合して、現像剤を得た。この現像剤
の流動性は78であった。得られた現像剤の画像評価結
果を表1に示す。
【0040】
【0041】(実施例2)酸化マグネシウムの量を10
部から1部に変更した以外は、実施例1と同様にしてト
ナー及び現像剤を得た。得られたトナーの走査型電子顕
微鏡像は、実施例1の図1と同様に、粒子の表面に凹部
を有する球形の粒子であった。トナーと現像剤の特性、
現像剤の画像評価結果を表1に示す。
【0042】(実施例3)酸化マグネシウムの粒径を2
μmから0.8μm(協和化学社製、商品名「ミクロマ
グ3−30」)に変更した以外は、実施例1と同様にし
てトナー及び現像剤を得た。得られたトナーの走査型電
子顕微鏡像は、実施例1の図1と同様に、粒子の表面に
凹部を有する球形の粒子であった。トナーと現像剤の特
性、現像剤の画像評価結果を表1に示す。
【0043】(比較例1)酸化マグネシウムの代わり
に、平均粒径0.6μmの水酸化マグネシウム(協和化
学社製、商品名「水酸化マグネシウム200−06
H」)を添加すること以外は、実施例1と同様にしてト
ナー及び現像剤を得た。得られたトナーの走査型電子顕
微鏡像を図2、トナーと現像剤の特性、現像剤の画像評
価結果を表1に示す。図2からも分かるように、得られ
たトナーは、粒子の表面に凹部を有さない球形の粒子で
あった。
【0044】(比較例2)スチレン80.5部およびn
−ブチルアクリレート19.5部からなるコア用重合性
単量体、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東
亜合成化学工業社製、商品名「AA6」、Tg=94
℃)0.3部、ジビニルベンゼン0.5部、t−ドデシ
ルメルカプタン1.2部、カーボンブラック(三菱化学
社製、商品名「#25B」)7部、帯電制御樹脂(藤倉
化成社製、商品名「FCA−1001−NS」1部を、
メディア型湿式粉砕機を用いて湿式粉砕を行い、更に、
炭酸亜鉛粉末(平均粒径1μm)を10部添加し、重合性
単量体組成物を得た。他方、イオン交換水300部にア
エロジル200(日本アエロジル社製)2部を分散した
分散液を調製した。一方、メチルメタクリレート2部と
水65部を超音波乳化機にて微分散化処理して、シェル
用重合性単量体の水分散液を得た。シェル用重合性単量
体の液滴の粒径は、D90が1.7μmであった。
【0045】上記により得られた分散液に、重合性単量
体組成物を投入し、実施例1と同様の方法で単量体組成
物の液滴を造粒した。造粒した単量体組成物を、攪拌翼
を装着した反応器に入れ、85℃で重合反応を開始さ
せ、重合転化率がほぼ100%に達した後、前記シェル
用重合性単量体の水分散液に水溶性開始剤(和光純薬社
製、商品名「VA−086」=2,2’−アゾビス(2
−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオン
アミド))0.2部を溶解し、それを反応器に添加し
た。4時間重合を継続した後、反応を停止し、コアシェ
ル型トナー粒子の水分散液を得た。上記により得たトナ
ー粒子の水分散液を、アルカリにより洗浄し、この水分
散液を濾過脱水して、分散剤を除去し、更に塩酸酸性
下、再び洗浄を行い、この水分散液を濾過脱水した後、
乾燥して、トナーを得た。得られたトナーの走査型電子
顕微鏡像は、比較例1の図2と同様に、粒子の表面に凹
部を有さない球形の粒子であった。トナー100部に、
疎水化処理したコロイダルシリカ(商品名「RX−10
0」;日本アエロジル社製)1部を添加し、ヘンシェル
ミキサーを用いて混合して、現像剤を得た。トナーと現
像剤の特性、現像剤の画像評価結果を表1に示す
【0046】(比較例3)スチレン80.5部およびn
−ブチルアクリレート19.5部からなるコア用重合性
単量体、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東
亜合成化学工業社製、商品名「AA6」、Tg=94
℃)0.3部、ジビニルベンゼン0.5部、t−ドデシ
ルメルカプタン1.2部、カーボンブラック(三菱化学
社製、商品名「#25B」)7部、帯電制御樹脂(藤倉
化成社製、商品名「FCA−1001−NS」1部を、
メディア型湿式粉砕機を用いて湿式粉砕を行い、更に、
第三リン酸カルシウム(平均粒径1.5μm)を10部
と、アルミニウム系カップリング剤(味の素ファインテ
クノ社製、商品名「プレンアクトAL-M」)0.1部
を添加して30分攪拌して重合性単量体組成物を得た。
他方、イオン交換水300部に第三リン酸カルシウム5
部と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1部
を添加して分散液を調製した。一方、メチルメタクリレ
ート2部と水65部を超音波乳化機にて微分散化処理し
て、シェル用重合性単量体の水分散液を得た。シェル用
重合性単量体の液滴の粒径は、D90が1.6μmであ
った。
【0047】上記により得られた分散液に、重合性単量
体組成物を投入し、実施例1と同様の方法で単量体組成
物の液滴を造粒した。造粒された単量体組成物を、攪拌
翼を装着した反応器に入れ、85℃で重合反応を開始さ
せ、重合転化率がほぼ100%に達した後、前記シェル
用重合性単量体の水分散液に水溶性開始剤(和光純薬社
製、商品名「VA−086」=2,2’−アゾビス(2
−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオン
アミド))0.2部を溶解し、それを反応器に添加し
た。4時間重合を継続した後、反応を停止し、コアシェ
ル型トナー粒子の水分散液を得た。上記により得たトナ
ー粒子の水分散液を、塩酸酸性下で洗浄し、この水分散
液を濾過脱水した後、乾燥して、トナーを得た。得られ
たトナーの走査型電子顕微鏡像は、比較例1の図2と同
様に、粒子の表面に凹部を有さない球形の粒子であっ
た。得られたトナー100部に、疎水化処理したコロイ
ダルシリカ(商品名「RX−100」;日本アエロジル
社製)1部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合
して、現像剤を得た。トナーと現像剤の特性、現像剤の
画像評価を表1に示す。
【0048】表1より、以下のことがわかる。金属微粒
子として本発明で規定した金属酸化物以外の金属水酸化
物を使用して製造したトナーを用いた比較例1の現像剤
は、トナーのクリーニング性に劣り、連続印字した後の
耐久画像が悪いことが分かった。金属微粒子として本発
明で規定した金属酸化物以外の金属炭酸塩及び分散安定
剤として本発明で規定した難水溶性金属水酸化物以外の
シリカを使用して製造したトナーを用いた比較例2の現
像剤は、トナーのクリーニング性に劣り、初期画像がや
や悪く、連続印字した後の耐久画像が悪いことが分かっ
た。金属微粒子として本発明で規定した金属酸化物以外
の金属リン酸塩及び分散安定剤として本発明で規定した
難水溶性金属水酸化物以外の第三リン酸カルシウムを使
用して製造したトナーを用いた比較例3の現像剤は、ト
ナーのクリーニング性にやや劣り、初期画像もやや悪
く、連続印字した後の耐久画像も悪いことが分かった。
【0049】これに対して、本発明の製造方法によって
得られたトナーを用いた実施例1〜3の現像剤は、トナ
ーのクリーニング性に優れ、初期画像及び耐久画像も良
いことが分かる。
【0050】
【発明の効果】本発明によって、粒度分布が狭く、粒子
形状を基本的に球形に維持することができ、且つ確実に
粒子表面に凹部を形成することができ、クリーニングブ
レードによるクリーニング性に優れ、初期画像及び連続
印字後の耐久画像にも優れるトナー及びトナーの製造方
法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は実施例1により製造されたトナーの走
査型電子顕微鏡像を示す図である。
【図2】 図2は比較例1により製造されたトナーの走
査型電子顕微鏡像を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 AA06 AA08 AA15 AB06 AB09 CB03 CB07 CB13 DA07 EA05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも重合性単量体、着色剤及び金
    属酸化物粒子を含有する重合性単量体組成物を、難水溶
    性金属水酸化物を含有する水性媒体中に分散させ、次い
    で重合させることによりトナー粒子を得、このトナー粒
    子の表面部に露出した金属酸化物粒子を化学的方法によ
    り除去するトナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 難水溶性金属水酸化物と金属酸化物粒子
    が同種の金属元素で構成される請求項1記載のトナーの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 体積平均粒径(Dv)が1〜10μm、
    体積平均粒径と個数平均粒径(Dp)との比である粒径
    分布(Dv/Dp)が1.2以下、平均円形度が0.9
    0〜0.99であり、粒子表面に凹部を有するトナー粒
    子と外添剤とからなるトナー
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