JP2015127739A - トナー、現像剤、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結着樹脂及び離型剤を含むトナーにおいて、前記トナーの平均円形度が0.96〜0.99であり、前記トナーの表面に、幅(A)と深さ(B)との比率(A/B)が0.3〜0.9である凹部を1個以上有するトナー粒子の割合が10〜50個数%であることを特徴とするトナー。
【選択図】なし
Description
また、重合トナーは高画質化が期待できるとは言え、クリーニング性との両立からある程度の異形化が必要とされるのと粒度分布としては十分狭いとは言えないため、高画質化への更なる要求に対して十分に答えられていないのが現状である。
また、ノズル内の熱膨張を利用し、やはり微小液滴を形成し、該液滴れを乾燥固化してトナー化する工法が提案されている(特許文献6参照)。
また、音響レンズを利用し、同様の処理をする方法が提案されている(特許文献7参照)。
このように、これまでトナー並びにトナーを作製する工法において、クリーニング性と高画質化を高いレベルで達成できる技術は報告されていない。
(1)結着樹脂及び離型剤を含むトナーにおいて、前記トナーの平均円形度が0.96〜0.99であり、前記トナーの表面に、幅(A)と深さ(B)との比率(A/B)が0.3〜0.9である凹部を1個以上有するトナー粒子の割合が10〜50個数%であることを特徴とするトナー。
本発明のトナーは、平均円形度が0.96〜0.99であり、電子顕微鏡写真観察によるトナー粒子100個のうち、最長長さ1μm以上の針状もしくは糸状凹部を1個以上有するトナー粒子を50〜100個数%含有するのが好ましい。
従来の粉砕法や重合法では前記の粒度分布を有するトナーを得ることは困難であるが、後述する液滴造粒法を用いると前記の粒度分布を有するトナーを得ることができる。
シリカの一次平均粒径が80nmよりも小さい場合には、ダム層が安定して形成されないため破綻しやすくなるとともに、スペーサ効果が十分に得られないためトナー粒子の非静電的付着力を十分に低減することができなくなり、クリーニングされにくくなる。さらには、高速機のように経時での機械的ストレスの大きい場合において、シリカがトナー表面に埋没しやすいため、長期に渡ってクリーニング不良を抑制することができなくなってしまう。一方、シリカの一次平均粒径が500nmよりも大きい場合には、シリカ自体がブレードニップをすり抜けやすく、そこを起点にトナー自体もすり抜けやすくなるため、クリーニング不良が発生してしまう。また、トナー自体の流動性が極端に悪化し、補給トナーが現像剤中に十分に混ざらずに地汚れを発生しやすくなってしまう。
なお、イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる
<平均円形度>
形状の計測方法としては粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。
この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値が平均円形度である。
この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−3000により平均円形度として計測した値である。
具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。
試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜10000個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
トナー凹部の幅(A)と深さ(B)の計測は、TEM観察により得られる画像より行う。
図12はトナー割断面における凹部の幅(A)及び深さ(B)を示すTEM画像を示す図である。
ここでTEM観察として、例えば、トナーをエポキシ樹脂に包埋したのち、ウルトラミクロトーム(ウルトラソニック)でスライスしてトナーの薄片を作製し、これを透過型電子顕微鏡を用い、顕微鏡の倍率を調整してトナーの割断面から凹部の幅(A)と深さ(B)が計測可能になるまで顕微鏡の視野を拡大して割断面を観察することで任意の100個のトナーの割断面を測定用サンプルとして抽出する。抽出後、それらの画像ファイルを例えば画像解析用ソフトウェアImageJを用いて、凹部の幅(A)と深さ(B)を求めることができる。
凹部の幅(A)は、図12に示すように、TEM観察によるトナー割断面において、凹部のトナー最表面側2点間を直線で結んだ長さを示す。一方、深さ(B)は、幅(A)の中点と凹部最深部を直線で結んだ長さを示す。
図13は凹部の種々の形状を模式的に示す図である。
凹部の形状は、例えば図13(a)〜(c)に示すように、幅(A)よりも深さ(B)の方が長い関係を満たしておれば良く、図13(d)〜(f)に示すように、幅(A)の方が深さ(B)よりも長いものは含まない。
トナーの重量平均粒径(D4)、体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Multisizer 3 Version3.51)にて解析を行なった。具体的にはガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II本多電子社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター製)を用いて測定を行なった。測定は装置が示す濃度が8±2%に成るように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
<重量平均粒径>
キャリアの重量平均粒径Dwは、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)に基づいて算出されたものである。この場合の重量平均粒径Dwは、式(1)で表わされる。
Dw={1/Σ(nD3)}×{Σ(nD4)} … (1)
式(1)中、Dは、各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を示し、nは、各チャネルに存在する粒子の総数を示す。なお、チャネルとは、粒径分布図における粒径範囲を等分に分割するための長さを示すもので、本発明においては、2μmを採用した。また、各チャネルに存在する粒子の代表粒径としては、各チャネルに保存する粒子の粒径の下限値を採用した。
Dp=(1/ΣN)×(ΣnD) … (2)
式(2)中、Nは、計測した全粒子数を示し、nは、各チャネルに存在する粒子の総数を示し、Dは、各チャネル(2μm)に保存する粒子の粒径の下限値を示す。
[1]粒径範囲 : 8〜100μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅) : 2μm
[3]チャネル数 : 46
[4]屈折率 : 2.42
以下、本発明の画像形成方法に用いられるトナーの製造手段の一例について、図1〜図7を用いて説明する。なお、本発明は、ここに例示されるトナーの製造手段に限定されるものではない。本発明のトナー製造手段は、液滴吐出手段、液滴固化捕集手段に分けられる。それぞれ下記で解説する。
本発明で用いる液滴吐出手段は吐出する液滴の粒径分布が狭ければ、特に制限は無く、公知のものを用いることができる。液滴吐出手段としては1流体ノズル、2流体ノズル、膜振動タイプ吐出手段、レイリー分裂タイプ吐出手段、液振動タイプ吐出手段、液柱共鳴タイプ吐出手段等が挙げられ、膜振動タイプの液滴吐出手段は例えば、特開2008−292976号公報に記載されている。レイリー分裂タイプの液滴吐出手段は例えば、特許第4647506号号公報に記載されている。液振動タイプの液滴吐出手段は例えば、特開2010−102195号公報に記載されている。
液滴の粒径分布を狭くし、かつ、トナーの生産性を確保するためには、例えば、液滴化液柱共鳴を利用することができる。液滴化液柱共鳴は、複数の吐出口が形成された液柱共鳴液室内の液体に振動を付与して液柱共鳴による定在波を形成し、該定在波の腹となる領域に形成された吐出口から液体を吐出するものである。
液柱の共鳴を利用して吐出する液柱共鳴タイプ吐出手段について解説する。
図1に液柱共鳴液滴吐出手段11を示す。液共通供給路17及び液柱共鳴液室18を含んで構成されている。液柱共鳴液室18は、長手方向の両端の壁面のうち一方の壁面に設けられた液共通供給路17と連通されている。また、液柱共鳴液室18は、両端の壁面と連結する壁面のうち一つの壁面に液滴21を吐出する吐出口19と、吐出口19と対向する壁面に設けられ、かつ液柱共鳴定在波を形成するために高周波振動を発生する振動発生手段20とを有している。なお、振動発生手段20には、図示していない高周波電源が接続されている。
トナー成分含有液としては、得ようとしているトナーの成分が溶媒中に溶解又は分散された状態で存在する「トナー成分溶解・分散液」を用いても良いし、トナー成分が溶融している状態で存在する「トナー成分溶融液」を用いても良い。
先ず、図1の液柱共鳴液滴吐出手段11内の液柱共鳴液室18において生じる液柱共鳴現象の原理について説明する。液柱共鳴液室内のトナー組成液の音速をcとし、振動発生手段20から媒質であるトナー組成液に与えられた駆動周波数をfとした場合、液体の共鳴が発生する波長λは、
λ=c/f ・・・(式1)
の関係にある。
L=(N/4)λ ・・・(式2)
(但し、Nは偶数)
同様にして、片方側が圧力の逃げ部がある開放端と等価で、他方側が閉じている(固定端)の場合、つまり片側固定端又は片側開放端の場合には、長さLが波長λの4分の1の奇数倍に一致する場合に共鳴が最も効率的に形成される。つまり、上記式2のNが奇数で表現される。
f=N×c/(4L) ・・・(式3)
と導かれる。しかし、実際には、液体は共鳴を減衰させる粘性を持つために無限に振動が増幅されるわけではなく、Q値を持ち、後述する式4、式5に示すように、式3に示す最も効率の高い駆動周波数fの近傍の周波数でも共鳴は発生する。
N×c/(4L)≦f≦(N+1)×c/(4Le) ・・・(式5)
なお、液柱共鳴液室の長手方向の両端間の長さLと、液供給側の端部に最も近い吐出口までの距離Leの比がLe/L>0.6であることが好ましい。
また、図5の(b)は液滴吐出直後の液引き込みを行った後再びメニスカス圧が増加してくる。これらの同図の(a),(b)に示すように、液柱共鳴液室18における吐出口19が設けられている流路内での圧力は極大となっている。その後、図6の(c)に示すように、吐出口19付近の正の圧力は小さくなり、負圧の方向へ移行して液滴21が吐出される。
先に説明した液滴吐出手段から気体中に吐出させたトナー組成液の液滴を固化させた後に、捕集することで本発明のトナーを得ることが出来る。
固化させるには、トナー組成液の性状しだいで、考え方は異なるが、基本的にトナー組成液を固体状態にできれば手段を問わない。
例えばトナー組成液が固体原材料を揮発可能な溶媒に溶解または分散させたものであれば、液滴噴射後、搬送気流中液滴を乾燥させる、すなわち溶媒を揮発させることで達成することができる。溶媒の乾燥にあたっては、噴射する気体の温度や蒸気圧、気体種類等を適宜選定して乾燥状態を調整することが出来る。また、完全に乾燥していなくとも、捕集された粒子が固体状態を維持していれば、回収後に別工程で追加乾燥させても構わない。前記例に従わなくとも、温度変化や化学的反応等の適用で達成しても良い。
固化した粒子は公知の粉体捕集手段、例えばサイクロン捕集、バックフィルター等によって気中から回収することが出来る。
図6は、本発明のトナーの製造方法を実施する装置一例の断面図である。トナー製造装置1は、主に、液滴吐出手段2及び乾燥捕集ユニット60を含んで構成されている。
チャンバ61内では、搬送気流導入口64から作られる下降気流101が形成されている。液滴吐出手段2から吐出された液滴21は、重力よってのみではなく、搬送気流101によっても下方に向けて搬送され、固化粒子捕集手段62によって捕集される。
噴射された液滴同士が乾燥前に接触すると、液滴同士が合体し一つの粒子になってしまう(以下この現象を合着と呼ぶ)。均一な粒径分布の固化粒子を得るためには、噴射された液滴どうしの距離を保つ必要がある。しかしながら、噴射された液滴は一定の初速度を持っているが空気抵抗により、やがて失速する。失速した粒子には後から噴射された液滴が追いついてしまい、結果として合着する。この現象は定常的に発生するため、この粒子を捕集すると粒径分布はひどく悪化することとなる。合着を防ぐためには液滴の速度低下を無くし、液滴同士を接触させないように搬送気流101によって合着を防ぎながら、液滴を固化させつつ搬送する必要があり、最終的には固化粒子捕集手段まで固化粒子を運ぶ。
上記のように第一の気流によって合着を防いだ後に、第二の気流によって固化粒子捕集手段まで固化粒子を運んでもよい。
第一の気流の性状は、液滴同士が合着しないような条件を追加することが出来、第二の気流と必ずしも同じでなくとも良い。また、合着防止気流に粒子表面の固化を促進させるような化学物質を混入したり、物理的作用期待して付与しても良い。
図6で示された乾燥捕集手段によって得られたトナー粒子に含まれる残留溶剤量が多い場合はこれを低減するために必要に応じて、二次乾燥が行われる。二次乾燥としては流動床乾燥や真空乾燥のような一般的な公知の乾燥手段を用いることが出来る。有機溶剤がトナー中に残留すると耐熱保存性や定着性、帯電特性等のトナー特性が経時で変動するだけでなく。加熱による定着時において有機溶剤が揮発するため、使用者および周辺機器へ悪影響を及ぼす可能性が高まるため、充分な乾燥を実施する。
本発明で用いる、「トナー組成液」について説明する。トナー組成液は上記トナー成分が溶媒に溶解又は分散させた液体状態であるか、または吐出させる条件下で液体であれば溶媒を含まなくてもよく、トナー成分の一部または全てが溶融した状態で混合され液体状態を呈しているものである。
トナー材料としては、上記のトナー組成液を調整することが出来れば、従来の電子写真用トナーと全く同じ物が使用できる。これを前記のように液滴吐出手段より微小液滴とし、液滴固化捕集手段により、目的とするトナー粒子を作製することが可能である。
有機溶媒としては、結着樹脂を溶解し、着色剤等の分散体を安定に分散できる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。トナーをサイクロンで捕集する場合は、ある程度トナー組成液を気相中で乾燥して、捕集する必要があるため、容易に乾燥できる溶媒が好ましい。乾燥の観点から、溶媒の沸点は100℃以下が、好ましい。
結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、スチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体等のビニル重合体、これらの単量体又は2種類以上からなる共重合体、ポリエステル系重合体、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂、などが挙げられる。
結着樹脂の性状としては溶媒に溶解することが望まく、この特徴を除けば従来公知の性能を持っていることが望ましい。
結着樹脂のGPC(ゲルパーメンテーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、分子量3千〜5万の領域に少なくとも1つのピークが存在するのが、トナーの定着性、耐オフセット性の点で好ましい。また、THF可溶分としては、分子量10万以下の成分が60〜100[%]となるような結着樹脂も好ましく、分子量5千〜2万の領域に少なくとも1つのピークが存在する結着樹脂がより好ましい。
この中で低温定着性の観点から、ポリエステル系重合体が特に望ましい。
本発明におけるトナー、及び各材料の発熱ピーク温度、融点、ガラス転移温度(Tg)は、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所社製)を用いて測定することができる。
まず、対象試料約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minにて200℃まで加熱する。その後、200℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて200℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所社製)を用いてDSC曲線を計測する。
また同じく『ピーク温度解析プログラム』を用いて、一回目の降温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の降温一回目における発熱ピーク温度を求めることができる。
また本発明では、各構成成分の二回目昇温時における融点、Tgを各対象試料の融点、Tgとする。
本発明での定着補助成分は、定着部により加熱を受ける前には、結着樹脂とは、独立した結晶ドメインとしてトナー中に存在し、定着時の加熱により速やかに融解して、結着樹脂の軟化を促す作用を持つ。定着前には結着樹脂の軟化を生じさせないため、耐熱保存性に優れ、かつ定着時に結着樹脂を軟化させる作用を持つため、優れた低温定着性を発揮することができる。
このトナーの異形化には、直鎖アルキル脂肪酸であってエステル基を有するものが非常に効果的である。
脂肪酸における好ましい長鎖アルキル基はステアリル、ベヘニル、などC12からC25までがさらに好ましい。炭素数がC12より小さいとトナーの異型化効果が薄れ、C26よりも大きいと低温定着性に悪影響を与えるためである。好ましい具体例としては例えばステアリン酸ジエチレングリコールを挙げることができる。
上記構造を有するもので、かつ融点120℃以下である化合物が本発明の定着補助成分として用いられる。100℃以下、さらに好ましくは90℃以下である。融点が120℃より大きいと、低温定着性が十分に得られないためである。
本発明で用いるトナー組成液は、結着樹脂、着色剤とともに離型剤を含有する。
離型剤としては、特に制限はなく、通常使用されるものを適宜選択して使用することができる。例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン離型剤、マイクロクリスタリン離型剤、パラフィン離型剤、サゾール離型剤等の脂肪族炭化水素系離型剤、酸化ポリエチレン離型剤等の脂肪族炭化水素系離型剤の酸化物又はそれらのブロック共重合体、キャンデリラ離型剤、カルナバ離型剤、木ろう、ホホバろう等の植物系離型剤、みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系離型剤、オゾケライト、セレシン、ペテロラタム等の鉱物系離型剤、モンタン酸エステル離型剤、カスター離型剤の等の脂肪酸エステルを主成分とする離型剤類、脱酸カルナバ離型剤等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの、などが挙げられる。
前記離型剤の総含有量としては、結着樹脂100質量部に対し、0.2〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
前記離型剤又はトナーのDSC測定機器としては、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。測定方法としては、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度速度10[℃/min]で、昇温させた時に測定されるものを用いる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、通常使用される着色剤を適宜選択して使用することができる。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びこれらの混合物、などが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、トナーに対して1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
前記マスターバッチの使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、2〜30質量部が好ましい。
本発明のトナーは帯電制御剤としては特に限定はないが、有機溶媒への溶解性の面から、フェノール類とアルデヒド類との重縮合反応により得られた重縮合体を含有する負帯電性の帯電制御剤を用いた。
前記フェノール類としては、1つのフェノール性水酸基を持ち、その水酸基のオルト位には水素が結合している、p−アルキルフェノール、p−アラルキルフェノール、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸エステルからなる群より選択された少なくとも1種のフェノール化合物を挙げることができる。また、前記アルデヒド類としては、パラホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド、パラアルデヒド、フルフラールなどのアルデヒドを挙げることができる。
前記の帯電制御剤であって市販されているものとしては例えば、FCA−N型の縮合系ポリマーを含有した電荷制御剤(藤倉化成株式会社)等が挙げられる。
この他、高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
磁性キャリアとしては、粒子径20〜50μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。
また、トナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー又は非磁性トナーとしても用いることができる。
また、本発明によれば、電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成装置であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写することで、色ズレを抑えた良好な画像が提供される。さらに中間転写体を介するレイアウトによって、画像形成装置内のレイアウトの自由度が向上し、装置の小型化、メンテナンス性の向上などが達成される。
本発明の現像剤は、例えば図9に示すようなプロセスカートリッジを備えた画像形成装置において使用することができる。
本発明においては、感光体、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
まず、感光体72が所定の周速度で回転駆動される。感光体72は回転過程において、帯電手段73によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受ける。こうして感光体の周面に静電潜像が順次形成される。
形成された静電潜像は、次いで現像手段74によりトナー現像される。現像されたトナー像は、給紙部から感光体と転写手段との間に感光体の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体72の表面は、クリーニング手段75によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
本発明の画像形成方法が実施される画像形成装置としては、例えば図10、図11に示した画像形成装置を用いることができる。
図10において、本体(100)は電子写真方式によるカラー画像形成を行なうための画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)、画像形成部(130Bk,130C,130M,130Y)、給紙部(140)から主に構成されている。画像信号を元に、画像処理部(図示せず)で画像処理を行ない、画像形成用の黒(Bk),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各色信号に変換し、画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)に送信する。画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)は、例えば、レーザ光源、回転多面鏡等の偏向器、走査結像光学系及びミラー群(いずれも図示せず)からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部(130Bk,130C,130M,130Y)に各色信号に応じた画像書込を行なう。
そして、画像形成後の転写紙は転写ベルト(500)で定着装置(150)に搬送され、画像が定着されてカラー画像が得られる。転写されずに残った中間転写ベルト(220)上のトナーは、中間転写ベルトクリーニング装置(260)によってベルトから除去される。
そして、中間転写体(10)は、図11に示すとおり、図示例では3つの支持ローラ(14)、(15)、(16)に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。
この図示例では、3つのなかで第2の支持ローラ(15)の左に、画像転写後に中間転写体(10)上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置(17)を設ける。
そのタンデム画像形成装置(20)の上には、図11に示すように、さらに露光装置(21)を設ける。一方、中間転写体(10)を挟んでタンデム画像形成装置(20)と反対の側には、2次転写装置(22)を備える。2次転写装置(22)は、図示例では、2つのローラ(23)間に、無端ベルトである2次転写ベルト(24)を掛け渡して構成し、中間転写体(10)を介して第3の支持ローラ(16)に押し当てて配置し、中間転写体(10)上の画像をシートに転写する。
上述した2次転写装置(22)には、画像転写後のシートをこの定着装置(25)へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置(22)として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよいが、そのような場合はこのシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、このような2次転写装置(22)および定着装置(25)の下に、上述したタンデム画像形成装置(20)と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置(28)を備える。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置(400)に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス(32)上へと移動して後、他方コンタクトガラス(32)上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ(300)を駆動し、第1走行体(33)および第2走行体(34)を走行する。そして、第1走行体(33)で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体(34)に向け、第2走行体(34)のミラーで反射して結像レンズ(35)を通して読取りセンサ(36)に入れ、原稿内容を読み取る。
または、給紙ローラ(50)を回転して手差しトレイ(51)上のシートを繰り出し、分離ローラ(52)で1枚ずつ分離して手差し給紙路(53)に入れ、同じくレジストローラ(49)に突き当てて止める。
画像転写後のシートは、2次転写装置(22)で搬送して定着装置(25)へと送り込み、定着装置(25)で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪(55)で切り換えて排出ローラ(56)で排出し、排紙トレイ(57)上にスタックする。または、切換爪(55)で切り換えてシート反転装置(28)に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ(56)で排紙トレイ(57)上に排出する。
ここで、レジストローラ(49)は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
(1)結着樹脂及び離型剤を含むトナーにおいて、前記トナーの平均円形度が0.96〜0.99であり、前記トナーの表面に、幅(A)と深さ(B)との比率(A/B)が0.3〜0.9である凹部を1個以上有するトナー粒子の割合が10〜50個数%であることを特徴とするトナー。
(2)体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.15の範囲にあることを特徴とする(1)に記載のトナー。
(3)前記トナーの表面に一次平均粒径が80〜500nmのシリカが添加されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載のトナー。
(4)少なくとも、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー組成物を有機溶剤に溶解又は分散させたトナー組成液を吐出させて液滴を形成する液滴形成工程と、形成された液滴を乾燥させて固化させる乾燥工程を経て作製されることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のトナー。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載のトナーとキャリアとを含むことを特徴とする現像剤。
(6)像担持体と、該像担持体を帯電せしめる帯電手段と、該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体上の静電潜像をトナーにより現像する現像手段とを備える画像形成装置において、
上記現像手段に補給されるトナーとして、(1)〜(4)のいずれかに記載のトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
(7)前記像担持体を複数備え、該像担持体上に形成されたトナー像は、転写媒体に順次転写されることを特徴とする(6)に記載の画像形成装置。
(8)像担持体と、該像担持体を帯電せしめる帯電手段と、該像担持体上の潜像を現像する現像手段と、該像担持体に残留する転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備える画像形成装置に用いられ、該像担持体、該帯電手段、該クリーニング手段より選ばれる少なくとも1つと該現像手段とが一体になって画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されるプロセスカートリッジにおいて、前記現像手段において用いられるトナーが(1)〜(4)のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
[着色剤分散液の調製]
先ず、着色剤としての、カーボンブラックの分散液を調製した。
カーボンブラック(RegaL400;Cabot社製)18部、顔料分散剤3部を、酢酸エチル79部に、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。得られた一次分散液を、ダイノーミルを用いて強力なせん断力により細かく分散し、凝集体を完全に除去した二次分散液を調製した。更に、0.45μmの細孔を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルター(フロリナートメンブレンフィルターFHLP09050、日本ミリポア株式会社)を通過させ、サブミクロン領域まで分散させた[カーボンブラック分散液1]を調製した。
窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットルの四つ口フラスコ内に、アルコール成分として、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物0.7モル及び、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物0.7モルを、カルボン酸成分として、テレフタル酸1.0モルを、エステル化触媒としてオクチル酸スズを入れ、窒素雰囲気下、190℃で5時間縮重合反応させた。その後、トリメリット酸0.07モルを追加して、210℃に昇温して2時間反応させ、さらに8KPaにて1時間反応させることにより、[ポリエステル樹脂1]を合成した。この樹脂の重量平均分子量は23,000、ガラス転移点は56℃であった。
重量平均分子量Mwは、結着樹脂のTHF溶解分をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定装置GPC−150C(ウォーターズ社製)によって測定した。カラムにはKF801〜807(ショウデックス社製)を使用し、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
酢酸エチル676.7部に、離型剤としてLW−13(融点70.3℃、結晶化温度64.1℃、酢酸エチルに40℃にて3.6%溶解可能な合成エステルワックスで、日本精鑞株式会社製)を20部、定着助剤としてステアリン酸ジエチレングリコール(融点62℃)を10部、結着樹脂として[ポリエステル樹脂1]を263.3部を混合して40℃にて攪拌羽を有するミキサーを使用して溶解した。溶解後のトナー液中には顔料の凝集物、定着助剤及び離型剤が溶け残りは確認されなかった。さらに前記[カーボンブラック分散液1]100部を混合し、10分間撹拌することにより[トナー組成液1]を調製した。
[トナー組成液1]を、図1、2、6に示すトナー製造装置を用い、液柱共鳴原理を用いた液滴吐出ヘッドにより以下に示す条件で液滴を吐出させた。その後、該液滴を乾燥固化し、サイクロン捕集した後、更に38℃にて48時間2次乾燥させることにより、[トナー母体粒子1]を作製した。
共鳴モード :N=2
液柱共鳴液室の長手方向の両端間の長さ :L=1.8mm
液柱共鳴液室の液共通供給路側のフレームの端部の高さ :h1=80μm
液柱共鳴液室の連通口の高さ :h2=40μm
分散液比重 : ρ=1.1g/cm3
吐出口の形状 : 真円
吐出口直径 : 7.5μm
吐出口の開口数 : 液柱共鳴液室1つ当たり4個
隣接する吐出口の中心部間の最短間隔 : 130μm(全て等間隔)
乾燥エアー温度 : 40℃
印加電圧 : 10.0V
駆動周波数 : 385kHz
[トナー1]の作製において、トナー組成液の調製工程におけるステアリン酸ジエチレングリコールの配合量を10部から15部に変更した以外は[トナー1]と同様にして[トナー2]を作製した。
[トナー1]の作製において、トナー組成液の調製工程におけるステアリン酸ジエチレングリコールの配合量を10部から20部に変更した以外は[トナー1]と同様にして[トナー3]を作製した。
[トナー1]の作製において、[結着樹脂の合成]を下記のように変更した以外はトナー1と同様にしてトナー4を作製した。
窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットルの四つ口フラスコ内に、アルコール成分として、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物0.5モル及び、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物0.5モルを、カルボン酸成分として、テレフタル酸0.9モルを、エステル化触媒としてオクチル酸スズを入れ、窒素雰囲気下、190℃で5時間縮重合反応させた。その後、トリメリット酸0.07モルを追加して、210℃に昇温して2時間反応させ、さらに8KPaにて1時間反応させることにより、[ポリエステル樹脂2]を合成した。この樹脂の重量平均分子量は60,000、ガラス転移点は59℃であった。
[トナー4]の作製において、トナー組成液の調製工程におけるステアリン酸ジエチレングリコールの配合量を10部から15部に変更し、外添剤として更に平均粒径100nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)0.8部を追加した以外は[トナー4]と同様にして[トナー5]を作製した。
[トナー5]の作製において、外添剤として平均粒径100nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)0.8部を平均粒径480nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)0.8部に変更した以外は[トナー5]と同様にして[トナー6]を作製した。
[トナー5]の作製において、トナー組成液の調製工程におけるステアリン酸ジエチレングリコールの配合量を15部から20部に変更した以外は[トナー5]と同様にして[トナー6]を作製した。
[トナー5]の作製において、トナー組成液の調製工程におけるステアリン酸ジエチレングリコールの配合量を15部をグリセリンジステアレート20部に変更した以外は[トナー5]と同様にして[トナー8]を作製した。
[トナー1]の作製において、トナー組成液の調製工程におけるステアリン酸ジエチレングリコール10部をジベヘニン酸エチレングリコール(融点84℃)5部に変更した以外は[トナー1]と同様にして[トナー9]を作製した。
[トナー1]の作製において、トナー組成液の調製工程におけるステアリン酸ジエチレングリコール10部を下記の[結晶性ポリエステル1]10部に変更した以外は[トナー1]と同様にして[トナー10]を作製した。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに1,10−デカン二酸2,320g、1,8−オクタンジオール1,430g、ハイドロキノン4.9gを入れ、200℃で10時間反応させた後、230℃に昇温して3時間反応させ、さらに8.3kPaにて4時間反応させて[結晶性ポリエステル1](融点70℃)を得た。
[トナー1]の作製において、トナー組成液の調製工程における定着助剤をなくした以外は[トナー1]と同様にして[トナー11]を作製した。
トナー11において、外添剤として更に平均粒径100nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)0.8部を追加した以外は[トナー11]と同様にして[トナー12]を作製した。
以上のようにして作製した[トナー1]〜[トナー12]についてトナーの構成成分を表1に、またトナーの物性を表2に示す。
[トナー1]の作製において、トナー組成液の調製工程におけるステアリン酸ジエチレングリコールの配合量を10部から25部に変更した以外は[トナー1]と同様にして[トナー13]を作製した。
次に、評価に用いたキャリアの具体的な作製例について説明する。本発明で用いるキャリアは、これらの例に限定されるものではない。
アクリル樹脂溶液(固形分50質量%) 21.0部
グアナミン溶液(固形分70質量%) 6.4部
アルミナ粒子[0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm)] 7.6部
シリコン樹脂溶液 65.0部
[固形分23質量%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
アミノシラン 1.0部
[固形分100質量%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
トルエン 60部
ブチルセロソルブ 60部
をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコーン樹脂のブレンド被覆膜形成溶液を得た。芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2O3)48.0:平均粒径;35μm]を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、キャリアを得た。結着樹脂膜厚測定は、透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆膜を観察することができるため、その膜厚の平均値をもって膜厚とした。 こうして、重量平均粒径35μmのキャリアを得た。
上記[トナー1]〜[トナー11]と上記フェライトキャリアを用い、キャリア100部に対しトナー7部を容器が転動して攪拌される型式のターブラミキサーを用いて均一混合し帯電させて現像剤を作製した。
作製した現像剤を画像形成装置((株)リコー製RICOHPro C751EX)にセットし、常温常湿(25℃、60%RH)環境下で、リコー製タイプ6000<70W>ペーパー(A4、T目)にトナー付着量0.85±0.10mg/cm2のベタパターンを出力した。定着温度は140℃とした。
ランニング1,000枚、10万枚終了後にそれぞれ感光体を取り出し、クリーニングブレードを通過した感光体上の転写残トナーを日東電工(株)のプリンタックC(厚さ25μm)で採取し白紙に貼付け、938スペクトロデンシトメータ(X−Rite社製)を用い、観察用光源D50、視野角2°にてIDを10点測定して平均値を算出した。
ブランクとの差が0.005未満を◎、0.005以上0.010未満を○、0.010以上0.015未満を△、0.015以上を×として評価した。
◎及び○をクリーニング性が良好としている。
ランニング1,000枚、10万枚終了後にそれぞれチリ、ドット欠陥、細線再現性を評価する専用のA4評価チャートを10枚連続印字した。チリ及びドット欠陥は、ドット画像をルーペで観察し限度見本を用いて比較評価を行い、微小ドットの画質ランクを総合評価した。細線は、細線画像を限度見本を用いて目視により画質ランクを総合評価した。
画質ランクは5段階で、チリ、ドット欠陥が全くなく細線の再現性が良好な画像を5、チリ、ドット欠陥、細線の再現性がひどく画像として成立し得ないものを1として5段階で1枚づつ評価している。最終的には総合的な評価として10枚の平均値を出し、平均値が4以上をチリ、ドット欠陥、細線再現性が良好としている。
ランニング1,000枚、10万枚終了後にそれぞれA3全ベタ画像を出力し、A3用紙の4隅4ヶ所と中央1ヶ所の画像濃度を測定し、その差により以下にランクをつけた。画像濃度は日本電色工業株式会社製のグロスメーターを用いて、入射角度60°の条件で計測した。
ベタ均一性=(画像濃度最大値−画像濃度最小値)×100(%)
5ヶ所画像濃度の平均値
ランク5:15%未満
ランク4 : 15%以上30%未満
ランク3 : 30%以上50%未満
ランク2 : 50%以上70%未満
ランク1 : 70%以上
ランク4以上をベタ均一性が良好としている。
こうして評価した結果を表3に示す。
2:液滴吐出手段
6:トナー組成液供給口
7:トナー組成液流路
8:トナー組成液排出口
9:弾性板
10:液柱共鳴液滴吐出ユニット
11:液柱共鳴液滴吐出手段
12:気流通路
13:原料収容器
14:トナー組成液
15:液循環ポンプ
16:液供給管
17:液共通供給路
18:液柱共鳴流路
19:吐出口
20:振動発生手段
21:液滴
22:液戻り管
23:合着液滴
24:ノズル角度
60:乾燥捕集手段
61:チャンバ
62:トナー捕集手段
63:トナー貯留部
64:搬送気流導入口
65:搬送気流排出口
71 プロセスカートリッジ
72 感光体
73 帯電手段
74 現像手段
75 クリーニング手段
P1:液圧力計
P2:チャンバ内圧力計
Claims (8)
- 結着樹脂及び離型剤を含むトナーにおいて、
前記トナーの平均円形度が0.96〜0.99であり、
前記トナーの表面に、幅(A)と深さ(B)との比率(A/B)が0.3〜0.9である凹部を1個以上有するトナー粒子の割合が10〜50個数%である
ことを特徴とするトナー。 - 体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.15の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記トナーの表面に一次平均粒径が80〜500nmのシリカが添加されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
- 少なくとも、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー組成物を有機溶剤に溶解又は分散させたトナー組成液を吐出させて液滴を形成する液滴形成工程と、形成された液滴を乾燥させて固化させる乾燥工程を経て作製されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナー。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のトナーとキャリアとを含むことを特徴とする現像剤。
- 像担持体と、該像担持体を帯電せしめる帯電手段と、該像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体上の静電潜像をトナーにより現像する現像手段とを備える画像形成装置において、
上記現像手段に補給されるトナーとして、請求項1〜4のいずれかに記載のトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。 - 前記像担持体を複数備え、該像担持体上に形成されたトナー像は、転写媒体に順次転写されることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 像担持体と、該像担持体を帯電せしめる帯電手段と、該像担持体上の潜像を現像する現像手段と、該像担持体に残留する転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備える画像形成装置に用いられ、該像担持体、該帯電手段、該クリーニング手段より選ばれる少なくとも1つと該現像手段とが一体になって画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されるプロセスカートリッジにおいて、
前記現像手段において用いられるトナーが請求項1〜4のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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