JP2000511388A - 同期補償器装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 同期補償器装置の磁気回路は、２０〜８００ｋＶ、好適には３６ｋＶを超える高供給電圧に直接接続される電気機械に含まれる。本電気機械は固体絶縁材を備え、その巻線は、少なくとも１つの外側と１つの内側の半導電層（３４、３２）と中間絶縁層（３３）とによって取り巻かれた多数の撚り線（３６）を有する１つまたはそれより多い電流搬送導体（３１）を備える、高電圧を目的とするケーブル（６）から構成される。外側半導電層（３４）はアース電位にある。巻線の位相はＹ接続であり、Ｙ点は絶縁され、サージ避雷器によって過電圧から保護されるか、またはＹ点は抑圧フィルタを介して接地される。この装置用の同期補償器の製造の際、使用されるケーブルが同期補償器の磁気回路のコアの開口に通される手順が使用される。

Description

【発明の詳細な説明】 同期補償器装置 技術分野 本発明は、以下電力網と呼ばれる配電または送電網への接続を目的とする電気 機械に関する。より詳細には、本発明は上記の目的のための同期補償器装置に関 する。 背景技術 無効電力は交流を伝達するすべての電力システムに存在する。多くの負荷は有 効電力だけでなく無効電力をも消費する。電力の送電と配電自体が、変圧器、架 空線路およびケーブルの一連のインダクタンスの結果として無効損失を必然的に 伴う。架空線路およびケーブルはまた位相間および位相とアース電位との間の容 量の結合の結果として無効電力を発生する。 交流システムの固定運転では、公称周波数を得るために有効電力の発生と消費 とは一致していなければならない。無効電力平衡と電力網の電圧との間にも同様 に強い結合が存在する。無効電力の消費および発生が適切に平衡していない場合 、電力網の一部で許容できない電圧レベルが発生する。ある部分の無効電力が過 剰であると高電圧になり、不足であると低電圧になる。 発電機の有効電力起動器の助けによって単独で制御される公称周波数における 有効電力の平衡と反対に、適切な無効電力の平衡は、同期発電機とシステムに分 散した他の構成部品との両方の制御可能な励磁の助けによって得られる。こうし た（位相補償）構成部品の例としては、分路リアクトル、分路コンデンサ、同期 補償器および ＳＶＣ（静止形無効電力補償装置）である。 電力網におけるこれらの位相補償構成部品の位置は、電力網の様々な部分の電 圧だけでなく、電力網における損失にも影響するが、これは無効電力の伝達は有 効電力の伝達と同様に損失を発生し、ひいては熱を発生するからである。従って 、損失が最小になり、電力網のすべての部分の電圧が許容できるように、位相補 償構成部品を配置することが望ましい。 分路リアクトルおよび分路コンデンサは、一般に永久的に接続されるか、また は機械的遮断器機構を介して電力網に接続される。別言すれば、この構成部品に よって消費／発生される無効電力は連続的に制御できない。一方、同期補償器お よびＳＶＣによって発生／消費される無効電力は連続的に制御できる。従って、 この２つの構成部品は、高性能電圧制御が必要な場合、使用される。 以下は同期補償器およびＳＶＣによる位相補償の技術の簡単な説明である。 同期補償器は、原理的には無負荷で運転する同期電動機であり、電力網から機 械の損失と同等の有効電力を得る。 同期補償器の回転子軸は普通、水平であり、回転子は一般に６または８の突極 を有する。回転子は普通、同期補償器が過励磁状態で皮相電力のほぼ１００％を 生じるように熱的に寸法決定されるように固定子は無効電力の形態の（定格出力 ）について熱的に寸法決定される。同期補償器が無効電力を消費する不足励磁状 態では、それは定格出力のほぼ６０％（標準値、機械の寸法に依存する）を消費 する。これによって定格出力のほぼ１６０％の制御領域が与えられ、その領域に わたって無効電力の消費／発生が連続的に制御できる。機械が逆方向で比較的リ アクタンスの小さい突極を有し、正負両方の励磁が可能な励磁装置を備えている 場合、上記で示した定格出 力の６０％を超える無効電力が、機械が安定度の限界を越えることなく消費され る。最新の同期補償器は普通、好適には直流がスリップリングを介して回転子に 供給されるサイリスタ制御静止励磁器である高速励磁システムを備えている。こ の解決策によって上記のように正負両方の給電が可能になる。 同期補償器の磁気回路は、普通例えば溶接構造による薄鋼板の積層コアを備え る。換気および冷却を提供するために、コアは半径方向および／または軸方向の 換気ダクトを有するスタックに分割されることが多い。大型の機械では、積層物 は機械のフレームに取り付けられたセグメントに穴開けされ、積層コアは圧力フ ィンガおよび圧力リングによって一緒に保持される。磁気回路の巻線はコアのス ロットに堆積されるが、このスロットは一般に矩形または台形の形状の断面を有 する。 多相電気機械では、巻線は単層または二層の巻線として製作される。単層巻線 の場合スロット毎のコイル辺は１つだけだが、二層巻線の場合スロット毎に２つ のコイル辺が存在する。コイル辺とは、垂直または水平に結合され、共通コイル 絶縁材、すなわち機械からアースへの定格電圧に耐えるよう設計された絶縁材を 備えた１つあるいはそれより多い導体を意味する。 二層巻線は一般にダイヤモンド巻線として製作されるが、単層巻線はこの文脈 ではダイヤモンドまたは平面巻線として製作できる。ダイヤモンド巻線ではコイ ル幅は１つだけ（２つのこともある）だが、平面巻線は同心巻線として製作され るので、コイル幅が大幅に変化する。コイル幅とは同じコイルに属する２つのコ イル辺の間の弧寸法の距離を意味する。 通常、大型機械はすべて二重層巻線と同じサイズのコイルによって製作される 。各コイルは１つの層の一方および他の層のもう一方 に配置される。これは、すべてのコイルがコイル端部で交差することを意味する 。２つより多い層が存在する場合、その交差は巻線作業を複雑にし、コイル端部 は不満足なものとなる。 回転機械のコイルは１０〜２０ｋＶまでの電圧範囲で良好な結果が得られるよ うに製造することができる。 同期補償器はかなり短期間の過負荷耐量を有する。電力システムで電気機械的 発振が発生する状況では、同期補償器は一時的に定格出力の２倍までの無効電力 を供給する。同期補償器はより長期間の過負荷耐量をも有し、３０分までは定格 出力より１０〜２０％多い出力を供給できることが多い。 数ＭＶＡ〜数百ＭＶＡのサイズの同期補償器が存在する。水素ガスによって冷 却される同期補償器の損失はほぼ１０Ｗ／ｋｖａｒであるが、空冷同期補償器の 対応する数値はほぼ２０Ｗ／ｋｖａｒである。 同期補償器は、好適には長い放射状送電線の受電端および、長い送電線を有す るマスク電力網（ｍａｓｋｅｄ ｅｌｅｃｔｒｉｃｐｏｗｅｒ ｎｅｔｗｏｒｋ ）の重要な接続点、特に局所発電の少ない範囲に設置された。同期補償器はまた 、ＨＶＤＣインバータ基地付近の短絡電力を増大するためにも使用される。 同期補償器は、電力網の、同期補償器が設計された電圧よりかなり高い電圧の 場所に接続されることが最も多い。これは同期補償器の他に、同期補償器装置に は一般に昇圧変圧器、同期補償器と変圧器との間の母線システム、同期補償器と 変圧器との間の発電機遮断器、変圧器と電力網との間の線路遮断器を含むことを 意味するが、図１の単線結線図を参照されたい。 近年新しい設備では、特に費用に関する利点だけでなく、ある適用の場合、技 術的な利点のために、ＳＶＣは大部分同期補償器に取 って代わった。 ＳＶＣの概念（静止形無効電力補償装置）は現在、無効電力補償の主要な概念 であると共に、多くの場合、送電網で同期補償器に取って代わると共に、アーク 炉に関連する産業用の用途をも有している。ＳＶＣは、可動または回転式の主要 構成部品を有さないという意味で、同期補償器と反対に静止形である。 ＳＶＣ技術は半導体、サイリスタから構成される高速遮断器に基づいている。 サイリスタは数マイクロ秒で絶縁物から導体に切り替わる。コンデンサおよびリ アクトルはサイリスタ・ブリッジの助けによってごくわずかな遅延で接続または 切断できる。これらの２つの構成要素を結合することによって、無効電力を無段 階的に供給または抽出できる。異なった無効電力のコンデンサ・バンクによって 供給される無効電力を段階的に制御することができる。 ＳＶＣ装置はコンデンサ・バンクとリアクトルとの両方からなり、サイリスタ が高調波を発生するので、装置には高調波フィルタも含まれる。制御機器の他に 、大きさおよび費用の視点から最適な補償を得るために、補償機器と回線網との 間に変圧器も必要である。ＳＶＣ装置は数ＭＶＡ〜６５０ＭＶＡのサイズが利用 可能であり、公称電圧は７６５ｋＶまでである。 様々なＳＶＣ装置が存在しており、コンデンサとリアクトルとの結合方法によ って名付けられている。そこに含まれる２つの一般的な要素は、ＴＳＣまたはＴ ＣＲである。ＴＳＣはサイリスタ制御無効電力発生コンデンサであり、ＴＣＲは サイリスタ制御無効電力消費リアクトルである。通常の種類はこれらの要素の組 合せであるＴＳＣ／ＴＣＲである。 損失の大きさはもっぱらＳＶＣが属する装置の種類に依存し、例えばＦＣ／Ｔ ＣＲ形（ＦＣとはコンデンサが固定式であることを意 味する）はＴＳＣ／ＴＣＲよりかなり大きい損失を有する。後者の種類の損失は 、ほぼ同期補償器の損失に匹敵する。 位相補償技術の上記の概要から、これが２つの基本的な概念、すなわち同期補 償器とＳＶＣとに分けられることが明らかであろう。 これらの概念は異なった長所と短所とを有している。同期補償器と比較すると 、ＳＶＣの主要な利点は安価であることである。しかし、これはまた幾分高速な 制御を可能にし、これも適用によっては利点となる。 同期補償器と比較したＳＶＣの欠点には以下の点が含まれる。 ・過負荷耐量がない。容量限度で動作する場合、ＳＶＣは原理的にコンデンサ となるので、電圧が低下する場合、無効電力の発生は電圧の自乗に比例して低下 する。位相補償の目的が長距離の電力伝達を可能にすることであるならば、過負 荷耐量がないことは、安定度の問題を避けるために、ＳＶＣ装置が選択される場 合は同期補償器装置が選択される場合よりも高い定格出力を選択しなければなら ないということを意味する。 ・ＴＣＲを含む場合、フィルタが必要である。 ・内部電圧源を伴う回転質量（ｒｏｔａｔｉｎｇ ｍａｓｓ）を有さない。こ れは特にＨＶＤＣ送電の付近では同期補償器に有利である。 本発明は新しい同期補償器装置に関する。 回転電気機械は、例えば回路網の位相補償を達成する目的で無効電力を発生／ 消費するために使用され始めている。 以下は、この技術、すなわち同期補償器による位相補償と無効電力を補償する 他の従来技術との簡単な説明である。 無効電力が回路網に伝達され損失を発生するのを避けるため、無効電力は消費 地点で局所的に補償されるべきである。分路リアクト ル、分路コンデンサ、同期補償器およびＳＶＣは、送電および２次送電網の無効 電力の必要を補償する異なった方法を示している。 同期補償器は、原理的には中立的に動作する同期電動機であり、機械の損失に 対応する有効電力を回路網から得る。機械は無効電力を消費または発生するため に、それぞれ不足励磁または過励磁にすることができる。無効電力の発生／消費 は連続的に調節できる。 過励磁状態では、同期補償器は３０分まで１０〜２０％の、比較的大きな短期 間の過負荷耐量を有する。機械が無効電力を消費する不足励磁状態では、機械は 普通定格出力のほぼ６０％を消費できる（標準値、機械の寸法に依存する）。こ れによって定格出力のほぼ１６０％の制御範囲が与えられる。 機械が逆方向で比較的リアクタンスの小さい突極を有し、負励磁の可能な励磁 装置を備えている場合、機械が安定度の限界を越えることなく定格出力の上記の ６０％を超える無効電力を消費することができる。最新の同期補償器は普通、好 適にはサイリスタ制御静止励磁器である高速励磁システムを備えているが、そこ では直流がスリップリングを介して回転子に供給される。この解決策によっても 上記により負励磁が可能になる。 ＳＶＣが有さない短絡容量を増大する同期補償器の能力のために、同期補償器 は現在、主としてＨＶＤＣインバータ基地と接続された送電網で無効電力を発生 および消費するために使用されている。近年、ＳＶＣは費用と構造とに関する利 点のために新しい設備では同期補償器に取って代わった。 本発明は第１に言及した概念、すなわち同期補償器に関する。 発明の説明 この背景に対して、本発明の１つの目的は、同期補償器を、３６ ｋＶ以上のものを含む高電圧網に接続する際必要な電気的構成部品の数を低減す ることによって、公知の技術で可能であったよりも良好な同期補償器装置を提供 することである。 この目的は本発明の第１の態様によって達成されるが、そこでは請求項１の前 文で説明された種類の装置がその請求項の特徴を表す部分で定義された特徴を備 える。 同期補償器装置の回転電気機械のこの特殊な固体絶縁材を有する巻線が製造さ れるという事実のため、この種の従来の機械が現実的または経済的に構成可能な 限度をはるかに超える電圧レベルが達成される。その電圧レベルは配電および送 電用電力網で適用可能ないかなるレベルにも到達しうる。すなわち、同期補償器 が昇圧変圧器を中間に接続することなく直接回路網に接続できるという利点が達 成される。 変圧器を除去すること自体、費用、重量および空間の大きな節約を意味するば かりでなく、従来の同期補償器装置に対する決定的な利点を有する。 装置の効率が増大し、変圧器による無効電力の消費とその結果生じる位相角の 回転とによって発生する損失が避けられる。これはシステムの定態および動態安 定度の余裕に関して肯定的な効果を有する。さらに、従来の変圧器は油を含んで おり、火災の危険がある。これは本発明による装置では除去されるので、様々な 種類の防火措置の必要が減少する。多くの他の電気的結合部品および保護機器も 減少する。これによって装置の費用が低下し、サービスおよび保守の必要が減少 する。 これらおよび他の利点は、従来の装置よりはるかに小型で安価な同期補償器装 置に帰結し、運転の経済性は、保守が少なく損失が小さいため劇的に改善される 。 これらの利点のために、本発明による同期補償器装置は、この概念がＳＶＣの 概念（上記を参照）と経済的に競争できこれと比較して費用面での利益を提供し さえすることに貢献する。 従って、本発明が同期補償器の概念をＳＶＣの概念と比較して競争力があるも のにするという事実によって、同期補償器装置が再び使用できるようになる。す なわちＳＶＣ補償に関連する欠点はもはや意味がない。ＳＶＣ装置の複雑でかさ ばるコンデンサおよびリアクトルのバンクはこうした欠点の１つである。ＳＶＣ 技術に関連するもう１つの大きな欠点はその静止形補償が、電圧と位相角との両 方に関して回転起電力によって回転電気機械で得られる慣性によって得られるも のと同等の安定度を与えないことである。従って、同期補償器はより良好に回路 網の一時干渉と位相角の変動とを調節することができる。ＳＶＣ装置を制御する サイリスタも位相角の変位の影響を受けやすい。本発明による装置は高調波の問 題も解決することができる。 すなわち本発明による同期補償器装置は、装置の投資および運営の視点から、 ＳＶＣよりすぐれた費用でより効率的で安定した補償が得られるように、ＳＶＣ 技術に対する同期補償器技術の利点を利用できるようにする。 本発明による装置は、従来の同期補償器およびＳＶＣの両方と比較して小型で 安価で効率的で信頼性が高い。 本発明のもう１つの目的は、ＨＶＤＣ送電の付近でのシステムの安定度および ／または回転質量および起電力への依存を管理するために、２次送電または送電 のレベルに直接接続される高速で連続制御可能な無効電力の必要を満足すること である。本装置は数ＭＶＡ〜数千ＭＶＡの電源を供給することができる。 前記目的を満足することによって得られる利点は中間変圧器を回 避できることであるが、回避できない場合そのリアクタンスが無効電力を消費す る。これによって従来の高圧遮断器も回避できる。回転補償があるため、回路網 の品質に関する利点も得られる。本発明による装置の場合、過負荷耐量も増大し 、本発明の場合＋１００％である。本発明による同期補償器は、短期間および長 期間両方の過負荷耐量に関して、過励磁動作で従来の同期補償器より高い過負荷 耐量を与えられている。これは主として本発明による固定子巻線の電気的絶縁材 により固定子の加熱に関する時定数が大きいためである。しかし、回転子の寸法 は、この過負荷耐量を利用する可能性を制限しないように熱的に決定しなければ ならない。これによってより小型の機械の使用が可能になる。制御範囲は既存の 技術の場合より長い。 これを達成するために、本同期補償器装置に含まれる電気機械の磁気回路は内 部アースを有する貫通式永久絶縁ケーブルによって形成される。本発明はまた、 こうした磁気回路を製造する手順に関する。 公知の技術と本発明による実施形態との主要かつ本質的な差は、これが固体絶 縁物を備えた電気機械によって達成され、巻線の磁気回路が、２０〜８００ｋＶ 、好適には３６ｋＶを超える高供給電圧に遮断器と断路器とを介して直接接続さ れるよう配置されていることである。磁気回路は導体と絶縁材の外側の両方に半 導電層を有し、外側の半導電層がアース電位に接続された１つあるいはそれより 多い永久的に絶縁された導体を有する貫通式ケーブルからなる巻線を有する積層 コアを含む。 電気機械をすべての種類の高圧電源回路網に直接接続することによって生じる 問題を解決するために、本発明による装置の機械は上記で言及した多数の特徴を 有するが、これは公知の技術と明らかに 異なっている。付加的な特徴とさらに別の実施形態は従属請求項で定義され、以 下論じられる。 そこに含まれる本発明による同期補償器装置と電気機械とのこうした特徴と他 の本質的な特性には以下のものが含まれる。 ・磁気回路の巻線は、導体およびシース両方の半導電層を伴う１つあるいはそ れより多い永久絶縁導体を有するケーブルから製造される。この種類の通常の導 体にはＰＥＸケーブルまたはＥＰゴム絶縁を有するケーブルがあるが、本目的の ために導体中の撚り線および外部シースの性質についてさらに開発される。ＰＥ Ｘとは架橋ポリエチレン（ＸＬＰＥ）である。ＥＰとはエチレン・プロピレンで ある。 ・円形断面を有するケーブルが好適であるが、例えばより良好な巻線密度を得 るため何らかの他の断面を有するケーブルが使用されることがある。 ・このケーブルによって、積層コアを、本発明により、スロットおよび歯に関 して新しい最適な方法で設計することができる。 ・巻線は好適には積層コアを最もよく利用するため、絶縁材と共に段階的に製 造される。 ・巻線は好適には多層同心ケーブル巻線として製造されるので、コイル端部の 交差の数が減少する。 ・スロットの設計は、スロットが互いの外側に軸方向および／または放射状に 通り、固定子巻線の層の間を通る開いたくびれを有する多数の円筒形開口の形態 であるような、巻線ケーブルの断面に適している。 ・スロットの設計は関連するケーブルの断面と巻線の段階的絶縁材とに合わせ て調節される。段階的絶縁材によって磁気コアは、半径方向の伸びと無関係にほ ぼ一定の歯の幅を有することができる。 ・撚り線に関する上記のさらなる発展形は多数の稠密な層を必要とする。すな わち、絶縁された撚り線は、電気機械の視点から、必ずしも適切に転位されなか ったり、絶縁されなかったり、および／または互いに絶縁されていない。 ・外側シースに関する上記のさらなる発展形は、導体の長さに沿った適切な位 置で外部シースを切断し、各切断部分の長さが直接アース電位に接続されること を必要とする。 上記で説明した種類のケーブルを使用することによって、巻線の外側シースの 全長が、装置の他の部分と共にアース電位に維持される。重要な利点は外側半導 電層の外側のコイル端領域内で電界がゼロに近いことである。外側シースをアー ス電位にすることによって電界を制御する必要はない。これは、コア、コイル端 領域またはそれらの移行部で界の集中が発生しないことを意味する。 絶縁および／または非絶縁稠密撚り線の混合物または転位された撚り線によっ て、漂遊損が低下する。 磁気回路巻線で使用される高圧用ケーブルは、複数の撚り線を有する内部コア ／導体と、少なくとも２つの半導電層から構成され、最内部が絶縁層によって取 り巻かれ、それは２０〜２５０ｍｍ程度の外径を有する外側半導電層によって取 り巻かれており、導体面積は３０〜３０００ｍｍ²である。 本発明の特定の好適な実施形態によれば、これらの層の少なくとも２つ、好適 には３つすべてが同じ熱膨張係数を有する。すなわち、巻線の熱運動の際、欠損 、割れ等が避けられるという決定的な利益が得られる。 本発明はまた、この同期補償器装置に含まれる電気機械の磁気回路を製造する 手順に関する。この手順はケーブルをスロットの円筒形開口に通すことによって 巻線をスロットに配置することを必要と する。 本発明のもう１つの態様から、請求項３５の前文で説明された種類の装置がこ の請求項の特徴を表す部分で定義された特徴を与えられるという目的が達成され る。 適切には永久的な絶縁システムは、熱的および電気的な視点から、３６ｋＶを 超える電圧用に設計されているので、本装置は中間降圧変圧器なしに高圧電源回 路網に接続することができ、上記に関する利点を達成する。この装置が請求項１ 〜３４の何れかに記載のシステムについて定義される機能を含むよう構成される ことは好適ではあるが、必ずしも必要ではない。 本発明の上記と他の有利な実施形態は従属請求項で定義される。 図面の簡単な説明 本発明は、添付の図面を参照して、同期補償器装置の電気機械の磁気回路の構 成の好適な実施形態の以下の詳細な説明においてより詳細に説明される。 図１は、本発明の同期補償器装置の単線結線図を示す。 図２は、本発明による同期補償器装置の電気機械の固定子のセクタの概略軸方 向の終端の図を示す。 図３は、図２による固定子の巻線で使用されるケーブルの段階的に被覆をはが した終端の図を示す。 好適な実施例の説明 図１は、本発明の好適な実施例による同期補償器装置の単線結線図を示すが、 そこでは機械が２つの異なった電圧レベルで昇圧変圧器なしに電力網に直接接続 するよう配置されている。 同期補償器装置に含まれる電気機械に関する、図２による固定子 １のセクタを通じて見た概略の軸方向の図では、機械の回転子２も図示される。 固定子１は積層コアから従来の方法で構成されている。図１は１つの磁極ピッチ に対応するセクタを示す。半径方向最外周に位置するコアのヨーク部分３から、 多数の歯４が半径方向に回転子２の方向に延びているが、これはスロット５によ って分離され、そこに固定子巻線が配置される。この固定子巻線を形成するケー ブル６は、配電用に使用されるものと実質的に同じ種類の高圧ケーブル、すなわ ちＰＥＸケーブルである。１つの相違点は、通常こうした配電ケーブルを取り巻 いている外側の機械的保護シースおよび金属遮蔽体が除去されているので、ここ で適用したケーブルは、導体と絶縁層の両側の少なくとも１つの半導電層とだけ を含む。すなわち、機械的損傷を受けやすい半導電層はケーブルの表面に露出し ている。 ケーブル６は図２では概略的に示されており、各ケーブル部分の導電性中心部 分またはコイル辺だけが描かれている。図に見られるように、各スロット５は幅 広い部分７と狭い部分８が交互に変化する断面を有している。幅広い部分はほぼ 円形でケーブルを取り巻き、その間のくびれ部分が狭い部分８を形成する。くび れ部分は各ケーブルの位置を半径方向に固定する働きをする。また、スロット５ の断面は半径方向内向きに狭くなっている。これはケーブル部分の電圧が、固定 子１の半径方向内側に位置するほど低いからである。従って、内側では細いケー ブルが使用できるが、外側ではピッチの粗いケーブルが必要である。例示された 例では、３つの異なった寸法のケーブルが使用され、スロット５の３つの異なっ た寸法の部分５１、５２、５３に対応するよう配置される。補助電力巻線９が最 外周に配置される。 図３は、本発明による電気機械で使用される高圧ケーブルについ て段階的に被覆をはがした終端の図である。高圧ケーブル６は、例えば銅（Ｃｕ ）の、各々が一緒になって円形断面を呈する多数の撚り線３６を含む１つあるい はそれより多い導体３１を備える。この導体３１は高圧ケーブル６の中心に配置 され、図示される実施例では絶縁部分３５によって取り巻かれている。しかし、 ４つの導体３１の１つから絶縁部分３５を省略することが可能である。導体３１ の数は、もちろん４つの制限される必要はなく、それより多いことも少ないこと もある。導体３１は一緒に第１の半導電層３２によって取り巻かれている。この 第１の半導電層３２の周囲には絶縁層３３，例えばＰＥＸ絶縁材があり、それが さらに第２の半導電層３４によって取り巻かれている。すなわち、この適用にお ける「高圧ケーブル」の概念は、配電用のこの種のケーブルを通常取り巻いてい る種類の金属遮蔽体または外部シースを含む必要はない。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ， ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＫ，Ｅ Ｅ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ， ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，Ｍ Ｋ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ， ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．少なくとも１つの巻線を有する少なくとも１つの回転電気機械を備える同 期補償器装置であって、前記電気機械の少なくとも１つの前記巻線が、少なくと も２つの半導電層を含む絶縁システムを備え、前記各層が本質的に等電位の表面 を構成し、かつその間に配置された固体絶縁材を含むことを特徴とする装置。 ２．前記層の少なくとも１つが前記固体絶縁材とほぼ同じ熱膨張係数を有する ことを特徴とする請求項１に記載の装置。 ３．前記絶縁材が、高圧を目的とし、固体絶縁材の中間絶縁層（３３）を有す る少なくとも１つの半導電層（３２、３４）によって取り巻かれる１つまたはそ れより多い電流搬送導体（３１）を備えるケーブル（６）から構成されることを 特徴とする請求項１または２に記載の装置。 ４．前記最も内側の半導電層（３２）が前記導体（３１）とほぼ同じ電位にあ ることを特徴とする請求項３に記載の装置。 ５．前記外側半導電層（３４）の１つが前記導体（３１）に取り巻かれた本質 的に等電位の表面を形成するよう設けられることを特徴とする請求項３または５ に記載の装置。 ６．前記外側半導電層（３４）が選択された電位に接続されることを特徴とす る請求項５に記載の装置。 ７．前記選択された電位がアース電位であることを特徴とする請求項６に記載 の装置。 ８．前記層の少なくとも２つがほぼ同じ熱膨張係数を有することを特徴とする 請求項３〜７のいずれか一項に記載の装置。 ９．前記電流を伝える導体が複数の撚り線を備え、前記撚り線の少数のものだ けは互いに絶縁されていないことを特徴とする請求項 ３〜５のいずれか一項に記載の装置。 １０．前記巻線が、１つまたはそれより多い電流搬送導体（２）であって、該 各導体は多数の撚り線からなる導体と、該各導体の周囲に配置された内側半導電 層（３）と、該各内側半導電層（３）の周囲に配置された固体絶縁材の絶縁層（ ４）と、該各絶縁層（４）の周囲に配置された外側半導電層（５）とを備えるケ ーブルからなることを特徴とする請求項１〜９のいずれか一項に記載の装置。 １１．前記ケーブルが金属遮蔽体およびシースをも備えることを特徴とする請 求項１０に記載の装置。 １２．前記磁気回路が回転電気機械に設けられ、その固定子（３）がアース電 位で冷却されることを特徴とする請求項１〜１１のいずれか一項に記載の装置。 １３．前記電気機械の前記磁気回路がスロット（５）に設けられた固定子巻線 を備え、前記スロット（５）が、互いに軸方向および半径方向に外側に延び、ほ ぼ円形の断面を有し、円筒形開口の間の狭いくびれ部分（８）によって分離され る多数の前記円筒形開口として設計されることを特徴とする請求項１〜１２のい ずれか一項に記載の装置。 １４．前記固定子巻線の位相がＹ結線であることを特徴とする請求項１３に記 載の装置。 １５．前記固定子のＹ点がアース電位から絶縁されるか、または高オーム・イ ンピーダンスを介してアース電位に接続され、サージ避雷器によって過電圧から 保護されることを特徴とする請求項１４に記載の装置。 １６．前記固定子巻線の前記Ｙ点が第３高調波の抑圧フィルタを介して接地さ れ、前記抑圧フィルタが前記装置の故障の場合、電圧および電流を制限するよう 寸法決定されていると同時に、前記電気 機械の第３高調波電流を大きく低減または除去するよう設計されていることを特 徴とする請求項１４に記載の装置。 １７．前記抑圧フィルタが、サージ避雷器によって過電圧から保護され、後者 が前記抑圧フィルタと並列に接続されることを特徴とする請求項１６に記載の装 置。 １８．前記固定子巻線を構成する前記ケーブル（６）は、前記Ｙ点に向かって 高電圧側から見ると漸次的に減少する絶縁材を有することを特徴とする請求項３ および請求項１４に記載の装置。 １９．前記絶縁材の厚さの前記漸次的減少が段階的または連続的であることを 特徴とする請求項１８に記載の装置。 ２０．前記固定子巻線用の前記ほぼ円筒形のスロット（５）の前記円形断面（ ７）は、前記回転子に向かってヨーク部分から見ると減少する半径を有すること を特徴とする請求項１３および請求項１８に記載の装置。 ２１．前記回転部分が慣性と起電力を有することを特徴とする請求項１２〜２ ０のいずれか一項に記載の装置。 ２２．前記機械が局部電源から始動できることを特徴とする請求項２１に記載 の装置。 ２３．前記機械が２つまたはそれより多い極を有することを特徴とする請求項 ２２に記載の装置。 ２４．前記回転子（２）と前記固定子（３）とが、公称電圧、公称力率および 過励磁運転で、固定子および回転子の熱に基づく電流限度がほぼ同時に超過され るように寸法決定されていることを特徴とする請求項２３に記載の装置。 ２５．前記回転子（２）と前記固定子（３）とが、公称電圧、公称力率および 過励磁運転で、熱に基づく固定子電流限度が、熱に基づく回転子電流限度が超過 される前に超過されることを特徴とする 請求項２３に記載の装置。 ２６．公称電圧、公称力率および過励磁運転で、１００％過負荷耐量を有する ことを特徴とする請求項２４または２５のいずれか一項に記載の装置。 ２７．前記回転子の極が顕著であることを特徴とする請求項２４または２５に 記載の装置。 ２８．横軸同期リアクタンスが直軸同期リアクタンスよりかなり低いことを特 徴とする請求項２７に記載の装置。 ２９．前記機械が正負両方の励磁が可能な励磁システムを備えていることを特 徴とする請求項２８に記載の装置。 ３０．高電圧を目的とする固体絶縁材を有する前記ケーブル（６）が３０〜３ ０００ｍｍ²の導体面積を有し、２０〜２５０ｍｍのケーブル外径を有すること を特徴とする請求項３〜２９のいずれか一項に記載の装置。 ３１．前記固定子および回転子回路（３、２）が冷却手段を備え、冷却剤が液 体および／または気体の形態であることを特徴とする請求項１〜３０のいずれか 一項に記載の装置。 ３２．前記機械が様々な異なった電圧レベルに接続するよう設けられているこ とを特徴とする請求項１〜３１のいずれか一項に記載の装置。 ３３．前記機械が昇圧変圧器なしで前記電力網に接続されることを特徴とする 請求項１〜３２のいずれか一項に記載の装置。 ３４．前記機械の前記巻線が自己調整界磁制御用に設けられ、前記界磁の制御 のための補助手段を有さないことを特徴とする請求項１〜３３のいずれか一項に 記載の装置。 ３５．少なくとも１つの巻線を有する少なくとも１つの回転電気機械を備える 同期補償器装置であって、前記巻線が、その熱的およ び電気的特性に関して、３６ｋＶを超える前記機械の電圧を許容する絶縁システ ムを有することを特徴とする同期補償器装置。 ３６．請求項１〜３４のいずれか一項に記載の装置について定義された特徴を 含むことを特徴とする請求項３５に記載の同期補償器装置。 ３７．少なくとも１つの巻線を有する同期補償器の形態の回転電気機械であっ て、前記巻線は、各層が本質的に１つの等電位表面を構成する少なくとも２つの 半導電層を備え、それらの間に固体絶縁材が堆積された絶縁システムを含むこと を特徴とする回転電気機械。 ３８．請求項２〜３６のいずれか一項に記載の装置の電気機械について定義さ れた特徴を含むことを特徴とする請求項３７に記載の回転電気機械。