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JP2000280610A - 隠し印刷用インクジェット記録媒体及び隠し印刷物 - Google Patents

隠し印刷用インクジェット記録媒体及び隠し印刷物

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Publication number
JP2000280610A
JP2000280610A JP9100299A JP9100299A JP2000280610A JP 2000280610 A JP2000280610 A JP 2000280610A JP 9100299 A JP9100299 A JP 9100299A JP 9100299 A JP9100299 A JP 9100299A JP 2000280610 A JP2000280610 A JP 2000280610A
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ink jet
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JP9100299A
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Takaaki Kouro
孝明 紅露
Masaki Nishimura
匡樹 西村
Hiromasa Kondo
博雅 近藤
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Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェット方式により表面に記録した文字
が、裏面より判読不可能であり、かつ、再生紙の原料と
して使用可能な隠し印刷用インクジェット記録媒体を提
供する。 【解決手段】少なくとも2枚の基材の間に顔料と接着剤
を含有する隠蔽層を設けてなる隠し印刷用インクジェッ
ト記録媒体であり、JIS P8138に基づく不透明
度が95%以上である隠し印刷用インクジェット記録媒
体。隠し印刷用インクジェット記録媒体の表面に、裏面
の光学濃度との差が0.8以下となる光学濃度でインク
ジェット記録方式により隠し印刷を行い、該印刷部分を
隠す層を設けてなる隠し印刷物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット方
式により表面に記録した文字が、裏面より判読不可能で
あり、かつ、再生紙の原料として使用可能な隠し印刷用
インクジェット記録媒体及び隠し印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、記録時の騒
音が少なく、カラー化が容易であること、高速記録が可
能であること等の理由から、端末用プリンタ、ファクシ
ミリ、プロッタ、あるいは帳票印刷などへの応用が進め
られている。一般の印刷に使用される上質紙やコーテッ
ド紙はインクの吸収性が劣るため、印字されたインクが
紙表面で乾燥せずに長時間残り、装置や連続して印字さ
れたシートを汚染したり画像が汚れたりするため実用性
に乏しい。こうした問題を解決するために、サイズ度の
低い記録紙を用いる(特開昭52−53012号公報)
ことや尿素−ホルマリン樹脂を内添した原紙に水溶性高
分子を含浸させた記録体(特開昭53−49113号公
報)が記載されている。更に、インクの発色性や再現性
を高める目的で表面に無定形シリカを始めとする種々の
多孔質無機顔料類を塗布した記録用紙(特開昭55−5
1583号公報、特開昭56−148585号公報)が
記載されている。また、にじみを抑えた高精細の画像を
得る目的でこれらの多孔質顔料の物性を規定(特開昭5
8−110287号公報、特開昭59−185690号
公報、特開昭61−141584号公報)する等の改良
が提案されており、一応の成果を得ている。このよう
に、近年のインクジェットプリンタ技術と、それに対応
する用紙の開発技術の発展はめざましく、最近では、新
しい用途への応用が進んでいる。
【0003】新しい用途の一つに、可変情報の印刷があ
る。たとえば住所、氏名といった宛先、ID番号、コー
ド番号、バーコード等は可変情報であり、個々の印刷物
に対して変更しなければならない情報である。一方、地
紋印刷、罫線、差出人の住所、氏名、宛先全員に対する
通知事項等は、個々に対して変更する必要のない固定情
報である。今までは、オフセット印刷等で固定情報をあ
らかじめ印刷しておき、これにドットプリンタ等で可変
情報を印刷するという、2つの工程を経なければ、固定
情報と可変情報の混在する印刷物は得られなかった。し
かし、インクジェット印字方式の使用により、これら2
種類の情報を1工程で行うことが可能となった。
【0004】このような例として、簡易的なくじ券があ
る。くじの番号は可変情報であり、その他の図柄は固定
情報である。こういったくじ券の中でも、番号の上にア
ルミ粉等を配合したペーストをスクリーン印刷等の手段
で印刷して番号を隠し、この印刷を剥がして番号を見
る、いわゆるスクラッチくじは、手軽なくじとして人気
を集めている。
【0005】スクラッチくじは、番号の上にスクリーン
印刷した後に裏面から強い光を当てても番号が全く読み
とれないようにする必要がある。そのため基材の間にア
ルミ箔を挟んで、裏面に当てた光が表面に全く透過しな
いようにしているのが現状である。しかしこのような基
材を使用した場合は再離解できないためにアルミ箔を取
り除くことができず、使用後のスクラッチくじ等は古紙
の原料として用いることができず、環境保護の観点から
望ましいものではない。したがって、裏面からの光が透
過せず、再離解可能で古紙の原料として使用可能であ
り、表裏ともにインクジェット方式を用いて高記録濃度
で印字可能な簡易くじ用紙は、まだ得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らが検討した
結果、裏面からの光が透過せず、さらに再離解可能とす
ることは、たとえば、基材の裏面に濃い色で着色した塗
工層を設けることにより、達成することができる。しか
しこの記録媒体では、裏面に記録した文字が読みにくく
なる、あるいは、裏面に記録する文字の色が制限される
等の不都合がある。また他の方法として、基材に濃い色
で着色した塗工層を設け、さらに酸化チタン等の屈折率
の高い顔料を含む層を設けることにより、達成すること
ができる。この方法では前述のような不都合は生じない
が、屈折率の高い顔料を記録層に含有せしめた場合、記
録層中に浸透したインクの着色成分から反射してくる光
が散乱され、記録濃度が低くなりやすいという懸念があ
る。
【0007】本発明は上記の問題を解決し、光が透過せ
ず、再離解可能で古紙の原料として使用可能であるのみ
ならず、インクジェット方式を用いて高記録濃度で印字
可能な簡易くじ用紙を提供することを目的とする。本発
明者等は記録用媒体を構成する要素、特に簡易くじ用紙
に用いる基材と印字方法について鋭意検討を行った結
果、前述のすべてを満足する簡易くじ用紙等に利用でき
る隠し印刷用インクジェット記録体及び印刷物を提供す
る。また本発明は、裏面からの光が透過せず、再離解可
能で古紙の原料として使用可能であるのみならず、表裏
ともにインクジェット方式を用いて高記録濃度で印字可
能な簡易くじ用紙を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の態様を含
む。 [1]少なくとも2枚の基材の間に顔料と接着剤を含有
する隠蔽層を設けてなる隠し印刷用インクジェット記録
媒体であり、JIS P8138に基づく不透明度が9
5%以上である隠し印刷用インクジェット記録媒体。 [2]隠蔽層に含まれる顔料の平均粒子径が50μm以
上200μm以下であることを特徴とする[1]記載の
インクジェット記録媒体。 [3]隠蔽層に含まれる顔料がアルミニウム粉末である
ことを特徴とする[1]または[2]記載の隠し印刷用
インクジェット記録媒体。 [4]JIS P8138に基づく不透明度が97%以
上である[1][2]または[3]記載の隠し印刷用イ
ンクジェット記録媒体。 [5]隠し印刷用インクジェット記録媒体が、少なくと
も2枚の基材の間に顔料と接着剤を含有する隠蔽層を設
けてなる支持体に、顔料と樹脂を含有するインク受容層
を設けてなる[1][2][3]または[4]記載の隠
し印刷用インクジェット記録媒体。 [6][1][2][3]または[5]記載の隠し印刷
用インクジェット記録媒体の表面に、裏面の光学濃度と
の差が0.8以下となる光学濃度でインクジェット記録
方式により隠し印刷を行い、該印刷部分を隠す層を設け
てなる隠し印刷物。 [7]隠し印刷用インクジェット記録媒体の表面に、表
面印字前の光学濃度との差が0.7以上となる光学濃度
でインクジェット記録方式により隠し印刷を行い、該印
刷部分を隠す層を設けてなる[6]記載の隠し印刷物。 [8]隠し文字と裏面の光学濃度の差が0.5以下であ
ることを特徴とする、[6]記載の隠し印刷物。 [9][4]記載の隠し印刷用インクジェット記録媒体
の表面に、インクジェット記録方式により隠し印刷を行
い、該印刷部分を隠す層を設けてなる隠し印刷物。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の基材としては紙類、合成
紙、フィルム等を例示できる。紙用のパルプとしては、
針葉樹晒クラフトパルプ(以下、NBKP)等や広葉樹
晒クラフトパルプ(以下、LBKP)等の化学パルプ、
GP、BCTMP、MP等の機械パルプ、ケナフ等の非
木材原料から得られるパルプ、DIP等のパルプに代表
される抄紙用パルプが挙げられる。これを主体とし、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共
重合体、ポリスチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体
等のポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン等のハロゲン含有重合体、6−ナイロン、6
6−ナイロン等のポリアミド系繊維、ポリエチレンサク
シネート、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリヒドロ
キシブチレート・ヴァリレート共重合体等の脂肪族ポリ
エステル繊維、ビニロン繊維等を混合してもよい。ま
た、必要に応じてタルク、カオリン、焼成カオリン、炭
酸カルシウム、ホワイトカーボン、無定型シリカ、ゼオ
ライト、合成ゼオライト、珪藻土、酸化チタン、活性白
土、硫酸バリウム等の無機顔料、尿素ホルマリン樹脂、
ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー等有機顔料を
填料として添加し、酸性あるいは中性抄紙で通常の方法
により調製できる。中でも焼成カオリン、ホワイトカー
ボン、無定型シリカ、合成ゼオライト、尿素ホルマリン
樹脂等の多孔質顔料は、それ自身インク吸収性を持つた
め、内添顔料として好ましく使用される。
【0010】さらに、ロジン系サイズ剤、アルケニルコ
ハク酸無水物、アルキルケテンダイマー等に代表される
サイズ剤、酸化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱
粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、メチ
ルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシセルロース
等のセルロース誘導体、完全鹸化または部分鹸化ポリビ
ニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコー
ル、珪素変成ポリビニルアルコール等のポリビニルアル
コール類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリド
ン、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル共重合体、
アクリル酸アミド・アクリル酸エステル・メタクリル酸
共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体のアルカ
リ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ
塩、カゼイン等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、
ポリブチルメタクリレート、スチレン・ブタジエン共重
合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブ
タジエン・アクリル系共重合体等のラテックスに代表さ
れる樹脂(接着剤としての機能もある)を内添あるいは
塗布した原紙を適宜用いることができる。
【0011】本発明において、複数枚の基材の中間に顔
料と結着剤を含む隠蔽層を設ける。隠蔽層に含まれる顔
料の平均粒子径は50μm以上、200μm以下である
ことが望ましい。平均粒子径が50μm未満の場合は隠
蔽性の効果が少なく、充分な効果を発揮するためには隠
蔽層の塗工量を多くする必要がある。また200μmを
越える場合、隠蔽性の効果は優れるが塗料中の粒子が沈
降しやすく、塗工適性が劣ったものになりやすい。
【0012】隠蔽層に使用できる顔料の種類としては、
タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化アル
ミニウム、ホワイトカーボン、無定型シリカ、ゼオライ
ト、合成ゼオライト、珪藻土、活性白土、金属粉等の無
機顔料、尿素ホルマリン樹脂、ナイロンパウダー、ポリ
エチレンパウダー等有機顔料がある。これらの内、無定
形シリカや重質炭酸カルシウム、金属粉の内の金属アル
ミニウム粉末は平均粒子径が非常に小さなものとしては
0.1μmから、また大きなものとしては数百μmのも
のまで幅広く市販されているため、その効果と目的に対
して選択の幅が広く、好ましい材料である。特に金属ア
ルミニウムは隠蔽性の効果も大きく、最も好ましい材料
として挙げられる。
【0013】また、結着剤としてデンプン及び酸化澱
粉、エステル化澱粉等の澱粉誘導体、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、
ゼラチン、大豆タンパク等の天然または半合成高分子
類、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリビニ
ルピロリドン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、
アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリア
クリルアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、メタクリ
ル酸メチル・ブタジエン共重合体、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体等のビニル系共重合体樹脂の水溶液または水
分散体、あるいは上記の樹脂類にアニオン性またはカチ
オン性残基を導入した変性重合体等の公知の材料を適宜
用いることができる。隠蔽層の塗工量は特に限定しない
が、5〜20g/m2程度である。
【0014】紙等の基材に塗布した隠蔽層上にもう一つ
の基材を貼り合わせて支持体とする方法には、水性樹脂
を用いるウェットラミネート法、溶剤系樹脂を用いるド
ライラミネート法、溶融したポリエチレン等の樹脂を用
いる押し出し法等の公知の方法が使用できる。基材の紙
が貼り合わせに用いる糊剤の水分により寸法が変わった
り、伸びやカールを起こす懸念がある場合は、ドライラ
ミネート法か押し出し法を用いるのが望ましい。また紙
のぼこつきを避けるためには、糊剤は紙に塗布するので
はなく隠蔽層上に塗布することが好ましい。尚、使用後
の記録媒体から古紙を得る操作においてはドライラミネ
ート法や押し出し法にて支持体を作製した場合、基材間
の再離解時の攪拌機の回転速度はウェットラミネート法
より弱くして処理時間を長くした方が、ラミネートに使
用した樹脂を取り除くためには都合がよい。
【0015】記録媒体は表裏ともにインクジェット記録
適性をもたせてもよいし、片面だけインクジェット記録
適性をもたせてもよい。紙基材は前記のようにサイズ剤
を内添したり、或いは外添サイズ剤及び/または樹脂を
塗布若しくは含浸することにより適度にインクのニジミ
を調整し、上質紙タイプのインクジェット記録媒体とす
ることもできる。更に後に例示するカチオン樹脂を含有
させることもできる。インクジェット記録適性を向上さ
せるために支持体上にインク受容層を設けても良い。
【0016】インク受容層に含まれる顔料として、例え
ば、非晶質シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、タル
ク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸
化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウ
ム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ホワ
イトカーボン、アルミナ、水酸化アルミニウム等の無機
顔料類、スチレン系、アクリル系、尿素樹脂系、メラミ
ン樹脂系、ベンゾグアナミン樹脂系の有機顔料類を併用
することもできる。
【0017】インク受容層は、インク中の溶媒を吸収す
る能力に優れた材料が選択される。好んで使用される顔
料の一つに、キセロゲル系多孔質顔料が例示される。キ
セロゲル系多孔質顔料は、たとえば、 (1)水酸化アルミニウム、アルミナ、シリカ、酸化マ
グネシウム等のヒドロゲル形成物質を原料とし、このよ
うなヒドロゲルを乾燥してキセロゲルにした後、粉砕、
分級して用いる方法。 (2)ヒドロゲルの状態で適当な二次、三次凝集体の大
きさに造粒し、乾燥した後、さらに加熱処理することに
より焼結、結晶化等を進行させ、酸化物の一次粒子間の
結合を強化して用いる方法。 (3)コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等の微粒
子懸濁液中で尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマ
リン樹脂等を生成させる段階で、その生成条件を調節す
ることにより、目的とする二次粒子径に造粒された微小
粒子とした後、乾燥して用いたり、さらには必要に応じ
て焼結された粒子として使用する方法。等、公知の種々
の方法を利用して製造することができ、市販されてい
る。中でもシリカ系顔料は、比較的屈折率が小さいこ
と、多孔性構造のコントロールが容易なこと等の特性に
より、インク受容性に優れ、高い記録濃度が得られるた
め、インクジェット記録媒体に好ましく使用される。
【0018】また、樹脂(結着剤)としてデンプン及び
その誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク
等の天然または半合成高分子類、ポリビニルアルコール
及びシリル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポ
リビニルアルコール等ポリビニルアルコール誘導体、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、
ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸
系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、尿
素樹脂、メラミン樹脂、スチレン・ブタジエン共重合
体、メタクリル酸メチル・ブタジエン共重合体、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体樹脂の水
溶液または水分散体、あるいは上記の樹脂類にアニオン
性またはカチオン性残基を導入した変性重合体等の公知
の材料を適宜用いることができる。
【0019】本発明において、前記樹脂がインク中の溶
媒を吸収する能力に優れている場合は、必ずしも顔料を
添加する必要はない。インク受容層中に含まれる樹脂の
役割は、インク受容層中の顔料を接着する結着剤の機能
だけでなく、インク受容層へのインクの浸透をコントロ
ールするために含まれる。一般に、樹脂量が少なすぎる
と顔料含有受容層の表面強度が弱くなり、インク受容層
が剥がれ落ちてプリンタへの給紙不良や記録ヘッドのノ
ズル詰まりが発生し、逆に過剰の場合はインク受容層の
空隙をふさぐことによりインク吸収速度が遅くなり、画
像が滲みやすくなったりプリンタ内部をインクで汚した
りする場合が多い。しかし、インクに使用される溶媒と
の濡れが良好であったり、溶媒によって容易に膨潤また
は溶解しやすい場合は、逆に接着剤量が多い方が画像は
滲みにくく、シャープな印字物が得られる。すなわち、
最適な接着剤の量や種類は、インク受容層に使用される
顔料によってのみならず、使用するインクによっても変
化する。樹脂は顔料含有インク受容層において、顔料1
00重量部に対して10〜200重量部程度添加する。
【0020】さらに、水性インクでの印字画像の耐水性
を向上させる目的で、あるいは塗料粘度のコントロール
する目的でポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミン系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン
系樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリア
ミドポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリジアリ
ルアミン系樹脂、ジシアンジアミド縮合物等のカチオン
樹脂を併用することも出来る。カチオン樹脂の添加量も
特に限定しないが、顔料100重量部に対し5〜30重
量部程度である。更に必要に応じ、顔料分散剤、増粘
剤、消泡剤、抑泡剤、発泡剤、離型剤、浸透剤、湿潤
剤、熱ゲル化剤、滑剤、その他当該技術分野で公知の各
種助剤も使用することができる。
【0021】インク受容層の塗工量について特に制約は
なく、求める記録品質に応じて決定することができる
が、塗工量として2g/m2以上、40g/m2以下であ
ることが好ましい。これより少ない塗工量では鉛筆筆記
性は比較的容易に確保できるものの高精度な画像再現性
に優れた記録物を得ることは困難であり、逆に塗工量が
多い場合は記録濃度や表面強度が低下したりしやすく、
両方とも実用性に乏しいものとなる可能性が高い。
【0022】インク受容層の構成は、2層以上としても
良い。前述のとおり、インク受容層の顔料として好まし
いキセロゲル系多孔質顔料はシリカ系顔料であり、上層
の記録層はこれを主顔料とすることが好ましいが、支持
体に近接する記録層(下層の記録層)の顔料は、キセロ
ゲル系多孔質顔料と非キセロゲル系顔料を併用する方が
好ましい。
【0023】この場合、支持体に近接する記録層(下
層)の顔料は、その構成比の75〜25%を吸油量50
ml/100g以下、平均粒子径1〜15μmの非キセ
ロゲル系顔料とし、残りの25〜75%を吸油量100
ml/100g以上、平均粒子径1〜15μmのキセロ
ゲル系多孔質顔料とすることが好ましい。支持体に近接
する記録層中のキセロゲル系多孔質顔料が25%より少
ないとインクの吸収容量が低下し、保持しきれなかった
インク中の溶媒成分は基材に吸収され、基材繊維を膨潤
させるため、打ち込むインクの量が多いとコックリング
と呼ばれる、記録紙がボコつく現象が認められる場合が
ある。または、保持しきれなかったインクは上層に留ま
り、インクの吸収容量が不足するため、にじみ不良のた
めに画質が悪化したり、インクの吸収速度が低下してプ
リンタ内部のロールや次の記録物を汚したりする可能性
が高くなる。キセロゲル系多孔質顔料が25%より少な
いままでこれ等の欠点を避けるためには、全体の記録層
塗工量を大幅に増やす必要が生ずる。塗工量が多いこと
は操業的、経済的に不利であるのみならず、記録濃度や
表面強度が低下しやすくなり、品質の面からも好ましい
態様とは言えない。また逆に75%より多い場合、コッ
クリングに関しては問題ないが、この層の吸水性が大き
すぎるため、相対的に上層の塗料の保水性が低下し、上
層の塗工時にストリーク、スクラッチや塗工ムラ等の操
業上、外観上の欠陥を生じやすくなる。キセロゲル系多
孔質顔料としては非晶質シリカによるものが好ましく、
非キセロゲル系顔料としては炭酸カルシウム、焼成カオ
リン、等が好ましい。
【0024】インク受容層を塗設する手段としてはサイ
ズプレス、ゲートロール、ロールコーター、バーコータ
ー、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、ブ
レードコーターなど通常使用されている塗工手段から適
宜選択することができる。特に、グラビアコーター、ダ
イコーター、リップコーター、カーテンコーター等の前
計量タイプのコーターは、塗料の選択吸収を抑えること
ができ、結果として均一な塗工層が得られるため好まし
い。
【0025】このようにして得られたインクジェット記
録媒体の、JIS P9138に基づいて測定した不透
明度は、95%以上でなければならない。95%未満の
場合、スクリーン印刷方式等による隠し印刷をせずにイ
ンクジェット方式により印字した面に強い光を照射する
と、インクジェット印字が反対面から判読でき、くじ用
紙として好ましくない。95%以上の場合、隠し印刷を
せずに印字した面から強い光を照射しても反対面からこ
れを判読することは困難である。さらに、隠し文字の光
学濃度と記録媒体裏面の光学濃度の差を小さくすると隠
し印刷の解読が困難となる。光学濃度の差を0.8以
下、好ましくは0.5以下とすることにより判読は非常
に困難となり、隠し文字上にスクリーン印刷等による文
字を隠す層を設けることにより隠蔽性は完全に確保でき
る。すなわち、支持体の中間に顔料と結着剤を含有する
隠蔽層を設けた隠し印刷用インクジェット記録媒体にお
いて、JIS P8138に基づいて測定した不透明度
が95%以上であり、隠し文字と裏面の光学濃度の差が
0.8以下である場合においては、特に、くじ用紙とし
ての使用に際し要求される隠蔽性が優れたものとなる。
【0026】隠し文字と裏面の光学濃度の差を0.8以
下とするためには、二つの方法がある。第一の方法は隠
し文字の光学濃度を下げて、裏面の光学濃度に近づける
方法であり、第二の方法は裏面の光学濃度を上げて、隠
し文字の光学濃度に近づける方法である。どちらの方法
でも所期の目的を達成することはできるが、第一の方法
に於いては、隠し文字が印字される表の地面と隠し文字
のコントラストが小さくなり、隠し文字が読みにくくな
る。したがって、第二の方法、すなわち裏面に印刷を施
すことにより裏面の光学濃度を上げ、隠し文字の光学濃
度に近づけることが好ましい。隠し文字の良好な視認性
のためには、表の地面と隠し文字の光学濃度の差を0.
7以上とすることが好ましい。裏面と表面の両方に着色
することは不透明度を高めることになり、さらに好まし
い。着色の方法は特に限定されるものではなく、オフセ
ット印刷、グラビア印刷に代表される通常の印刷の内か
ら適宜選択できる。特に表面に対するインクジェット方
式による印字は、隠し文字と地面が同時に印刷できるた
め好都合である。
【0027】別の好ましい態様(第3の発明)は、イン
クジェット記録媒体の不透明度を更に向上させるもので
ある。この場合、隠蔽性が極めて優れるため、隠し文字
の光学濃度と裏面の光学濃度を調整しなくとも判読でき
ない印刷物を得ることができる。不透明度は隠蔽層の塗
工量を増やしたり、顔料として隠蔽性に優れるものを使
用することにより達成できる。このようにして得られた
インクジェット記録媒体の、JIS P9138に基づ
いて測定した不透明度は、97%以上とする。97%未
満の場合、文字の光学濃度や裏面の光学濃度によって
は、スクリーン印刷方式等による隠し印刷をせずにイン
クジェット方式により印字した面に強い光を照射する
と、インクジェット印字が反対面から判読できる危険性
もあり、くじ用紙としては必ずしも完璧でない可能性が
ある。97%以上の場合、隠し印刷をせずに印字した面
から強い光を照射しても反対面からこれを判読すること
は非常に困難であり、これにさらにスクリーン印刷等の
隠す層を設けることにより隠蔽性は完全に確保できる。
すなわち、不透明度が97%以上の場合、完璧となる。
【0028】本発明において、以上に記載の方法で得ら
れたインクジェット用紙にインクジェットプリンタにて
記録する場合、インクの種類は黒および減算混合の3原
色(シアン、マゼンタ、イエロー)を使用する。また、
所望する画質によっては、これに他の色(ライトシア
ン、ライトマゼンタ、その他)を追加することも可能で
ある。インク中には、着色剤として直接染料、酸性染
料、着色顔料のうち少なくとも1種を含有し、この他に
適宜、湿潤剤、染料溶解剤、防腐剤、防黴剤等を含有す
る。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、もちろんこれらの例に限定されるものでは
ない。なお実施例に於て示す部数及び%は、固形分とし
ての重量部及び重量%を意味する。実施例中の試験方法
を以下に示す。 1)不透明度 JIS P9138に基づいてインクジェット記録体の
不透明度を測定した。 2)インクジェット印字 キヤノン製インクジェットプリンタ、BJC−80Vを
使用して印字した。記録モードは普通紙モード、印字色
はグレーとし、隠し文字を表面に印字した。隠し文字は
アルファベットの大文字のI、大きさは14ポイントと
した。また、文字と同じ印字濃度となるように、20m
m×20mmの大きさの正方形のベタ印字を行い光学濃
度測定に供する印字とした。次に、濃度を低く変更して
裏面にグレーのベタ印字を行った。
【0030】3)光学濃度 Macbeth RD−914型(Kollmorge
n Instrument Corporation
製)を用いて測定した。 4)スクリーン印刷(印字を隠す層) インクジェットプリンタで記録した文字の上に、自製ス
クリーン印刷試験機にてスクリーン印刷した。スクリー
ンはナイロンスクリーンNo.66−175を用い、ア
ルミニウム粉末入りの銀インクにて印字文字群の一部分
上に隠し印刷を施した。 5)隠蔽性の判定 インクジェットプリンタで印字したサンプルの記録面側
(の印字を隠す層を設けてない部分)を点灯した20W
蛍光灯に用紙を押しつけ、記録した文字の様子を反対面
から観察した。記録した文字が全く見えない場合はA、
影が僅かに認められる部分もあるが全く判読できない場
合はB、影が見えるが正確のいは判読できない場合は
C、文字が判読できる場合(スクリーン印刷による隠し
印刷を行った完成品でも判読できる危険性がある)はD
と判定した。
【0031】6)再離解性の評価 インクジェット記録体20gを採取し、水を加えて2L
としたものをJIS P8209に基づく標準離解機に
より30分攪拌し、これを40g/m2の紙として手抄き
したシートのフロックを観察した。フロックがほとんど
認められない場合をA、若干認められるが実用上問題と
ならない程度の場合をB、フロックが大きく、再生紙と
して使用できない場合をCと判定した。
【0032】実施例1 木材パルプ(LBKP)100部、焼成カオリン(商品
名:アンシレックス、エンゲルハードミネラル社製)7
部、変性ロジンサイズ(商品名:サイズパインE、荒川
化学(株)製)0.05部、硫酸バンド1.5部、自製
カチオン化澱粉0.75部よりなる製紙材料を使用し、
長網抄紙機にて抄紙後、サイズプレス装置にて酸化澱粉
(商品名:エースA、王子コーンスターチ(株)製)2
%水溶液を両面あたり30ml/m2付着させた。この
紙の坪量は40g/m2、灰分は10%、ステキヒトサ
イズ度は10秒であった。次のとおり、隠蔽層を調製し
た。水にポリアクリル酸ナトリウム(商品名:アロン
A−9、東亜合成(株)製)0.1部、酸化澱粉(商品
名:エースA、王子コーンスターチ(株)製)の10%
水溶液を固形分として5部、アルミ粉(平均粒子径80
μm、中村科学工業(株)製)100部、SBRラテッ
クス(商品名:L−1537、旭化成(株)製)15部
を攪拌しながら順次添加し、隠蔽層塗料とした。上記原
紙(基材)の片面に、マイヤーバーを使用して本隠蔽層
を乾燥重量で5g/m2塗工した。次のとおり、支持体
を調製した。隠蔽層を設けない原紙と隠蔽層を設けた原
紙を、隠蔽層が両者の中間になるように水性アクリル樹
脂系糊を用いてウェットラミネート法にて貼り合わせ、
支持体とした。貼り合わせに用いた糊の量は、7g/m
2だった。次のとおり、インク受容層を調製した。水に
ノニオン系界面活性剤(商品名:エマルゲンA−60、
花王(株)製)0.3部、無定形シリカ(商品名:ファ
インシールX−60、(株)トクヤマ製)30部、無定
型シリカ(商品名:カープレックスBS−304N、塩
野義製薬(株)製)70部と、シリル変成ポリビニルア
ルコール(商品名:R−1130、(株)クラレ製)の
10%水溶液を、固形分として30部を攪拌、分散した
後、カチオン性ポリアクリルアミド樹脂(商品名:サフ
トマーST−3300、三菱化学(株)製)5部、カチ
オン変性ウレタンラテックス(商品名:アデカボンタイ
ターHUX−670、旭電化(株)製)25部を添加
し、濃度18%のインク受容層用塗液とした。本インク
受容層を上記支持体に乾燥後の塗布量が10g/m2
なるようマイヤーバーを用いて塗布乾燥した後、スーパ
ーカレンダー処理を行い、インクジェット記録媒体を得
た。インクジェットプリンタにて、この記録媒体の表面
(インク受容層)に隠し文字を印字し、その一部のみに
隠し印刷(アルミニウム粉末入りインクによるスクリー
ン印刷)を施した。さらに裏面の全面に薄いグレーでイ
ンクジェットプリンターでベタ記録を行い、光学濃度を
測定した。表面から光を照射して(隠し印刷を行ってな
い部分で)隠蔽性を評価した。更に、再離解性を評価
し、その結果を表1に示した。
【0033】実施例2 実施例1において、隠蔽層中の顔料を平均粒子径100
μmの無定形シリカ(商品名:トクシールNR、(株)
トクヤマ製)に変更した以外は実施例1と同様にして、
インクジェット記録媒体を得た。 実施例3 実施例1において、隠蔽層中の顔料を平均粒子径150
μmの無定形シリカ(商品名:トクシールPR、(株)
トクヤマ製)に変更した以外は実施例1と同様にして、
インクジェット記録媒体を得た。 実施例4 実施例1において、隠蔽層中の顔料を平均粒子径20μ
mの無定形シリカ(商品名:トクシールCM、(株)ト
クヤマ製)に変更した以外は実施例1と同様にして、イ
ンクジェット記録媒体を得た。
【0034】実施例5 実施例4において、インクジェット記録による隠し文字
の色調を薄いグレーとした以外は実施例4と同様にし
て、インクジェット記録媒体を得た。 比較例1 実施例1において、隠蔽層を設けなかった以外は実施例
1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。 比較例2 実施例1において、隠蔽層としてアルミニウム箔を用い
た以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録媒
体を得た。 実施例6 実施例4において、裏面に記録を行わなかった以外は実
施例4と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
【0035】
【表1】
【0036】以上の8種類の記録用紙について不透明
度、光学濃度、隠蔽性、再離解性を評価した結果を表1
に示す。表1から明らかなように本発明の実施例は、比
較例に比べ、隠蔽性、再離解性を両立させる、優れたイ
ンクジェット記録用紙であった。
【0037】実施例II中の試験方法を以下に示す。 1)不透明度 JIS P9138に基づいて不透明度を測定した。 2)インクジェット印字 キヤノン製インクジェットプリンタ、BJC−80Vを
使用して、普通紙モードにて印字した。文字の種類はア
ルファベットの大文字のI、大きさは14ポイント、色
はブラックとした。 3)スクリーン印刷(隠し印刷) インクジェットプリンタで記録した文字の上に、自製ス
クリーン印刷試験機にてスクリーン印刷した。スクリー
ンはナイロンスクリーンNo.66−175を用い、ア
ルミニウム粉末入りの銀インクにて隠し印刷を施した。
【0038】4)隠蔽性の判定 インクジェットプリンタで印字したサンプルの記録面側
を点灯した20W蛍光灯に用紙を押しつけ、記録した文
字の様子を反対面から観察した。記録した文字が全く見
えない場合はA、影が見えるが判読できない場合はB、
文字が判読できる場合はCと判定した(スクリーン印刷
による隠し印刷のある部分とない部分の両方を評価し
た)。
【0039】5)再離解性の評価 紙サンプル20gを採取し、水を加えて2lとしたもの
をJIS P8209に基づく標準離解機により30分
攪拌し、これを40g/m2の紙として手抄きしたシート
のフロックを観察した。フロックがほとんど認められな
い場合をA、若干認められるが実用上問題とならない程
度の場合をB、フロックが大きく、再生紙として使用で
きない場合をCと判定した。
【0040】実施例II-1 木材パルプ(LBKP)100部、焼成カオリン(商品
名:アンシレックス、エンゲルハードミネラル社製)3
部、変性ロジンサイズ(商品名:サイズパインE、荒川
化学(株)製)0.05部、硫酸バンド1.5部、自製
カチオン化澱粉0.75部よりなる製紙材料を使用し、
長網抄紙機にて抄紙後、サイズプレス装置にて酸化澱粉
(商品名:エースA、王子コーンスターチ(株)製)2
%水溶液を両面あたり30ml/m2付着させた。この
紙の坪量は50g/m2、灰分は10%、ステキヒトサ
イズ度は10秒であった。次のとおり、隠蔽層を調製し
た。水にポリアクリル酸ナトリウム(商品名:アロン
A−9、東亜合成(株)製)0.1部、酸化澱粉(商品
名:エースA、王子コーンスターチ(株)製)の10%
水溶液を固形分として5部、アルミ粉(平均粒子径80
μm、中村科学工業(株)製)100部、ラテックス
(商品名:L−1537、旭化成(株)製)15部を攪
拌しながら順次添加し、隠蔽層塗料とした。上記原紙の
片面に、マイヤーバーを使用して本隠蔽層を乾燥重量で
10g/m2塗工した。次のとおり、支持体を調製し
た。隠蔽層を設けない原紙と隠蔽層を設けた原紙を、水
性アクリル樹脂系糊を用いてウェットラミネート法にて
貼り合わせ、支持体とした。貼り合わせに用いた糊の量
は、7g/m2だった。次のとおり、インク受容層を調
製した。水にノニオン系界面活性剤(商品名:エマルゲ
ンA−60、花王(株)製)0.3部、無定形シリカ
(商品名:ファインシールX−60、(株)トクヤマ
製)30部、無定型シリカ(商品名:カープレックスB
S−304N、塩野義製薬(株)製)70部と、シリル
変成ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、
(株)クラレ製)の10%水溶液を、固形分として30
部を攪拌、分散した後、カチオン性ポリアクリルアミド
樹脂(商品名:サフトマーST−3300、三菱化学
(株)製)5部、カチオン変性ウレタンラテックス(商
品名:アデカボンタイターHUX−670、旭電化
(株)製)25部を添加し、濃度18%のインク受容層
用塗液とした。本インク受容層を上記支持体に乾燥後の
塗布量が10g/m2になるようマイヤーバーを用いて
塗布乾燥した後、スーパーカレンダー処理を行い、イン
クジェット記録媒体を得た。このインクジェット記録媒
体のインク受容層表面に、インクジェットプリンタにて
記録を行い、その一部のみに隠し印刷を施した。隠し印
刷側から光を照射して隠蔽性を評価した後、再離解性を
評価し、その結果を表1に示した。
【0041】実施例II-2 実施例II-1において、隠蔽層中の顔料を平均粒子径1
00μmの無定形シリカ(商品名:トクシールNR、
(株)トクヤマ製)に変更した以外は実施例II-1と同
様にして、インクジェット記録用紙を得た。 実施例II-3 実施例II-1において、隠蔽層中の顔料を平均粒子径1
50μmの無定形シリカ(商品名:トクシールPR、
(株)トクヤマ製)に変更した以外は実施例II-1と同
様にして、インクジェット記録用紙を得た。 実施例II-4 実施例II-1において、隠蔽層中の顔料を平均粒子径2
0μmの無定形シリカ(商品名:トクシールCM、
(株)トクヤマ製)に変更した以外は実施例II-1と同
様にして、インクジェット記録用紙を得た。
【0042】比較例II-1 実施例II-1において、隠蔽層を設けなかった以外は実
施例II-1と同様にして、インクジェット記録用紙を得
た。 比較例II-2 実施例II-1において、隠蔽層にアルミニウム箔を用い
た以外は実施例II-1と同様にして、インクジェット記
録用紙を得た。
【0043】以上の6種類の記録用紙について不透明
度、隠蔽性、再離解性を評価した結果を表2に示す。表
2から明らかなように本発明の実施例は、比較例に比
べ、隠蔽性、再離解性を両立させる、優れたインクジェ
ット記録用紙であった。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明は、光が透過せず、再離解可能で
古紙の原料として使用可能であるのみならず、インクジ
ェット方式を用いて高記録濃度で印字可能な記録媒体で
あり、簡易くじ用紙として好適であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA22 HB12 JA09 LA27 2C056 FC06 2H086 BA21 BA32 BA45 2H113 AA03 AA06 BA18 BB22 BB32 BC09 CA31 CA45 DA03 DA04 DA07 DA15 DA42 DA43 DA44 DA50 DA52 DA57 DA60 DA63 EA01 EA08 EA10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2枚の基材の間に顔料と接着剤
    を含有する隠蔽層を設けてなる隠し印刷用インクジェッ
    ト記録媒体であり、JIS P8138に基づく不透明
    度が95%以上である隠し印刷用インクジェット記録媒
    体。
  2. 【請求項2】隠蔽層に含まれる顔料の平均粒子径が50
    μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項
    1記載のインクジェット記録媒体。
  3. 【請求項3】隠蔽層に含まれる顔料がアルミニウム粉末
    であることを特徴とする請求項1または2記載の隠し印
    刷用インクジェット記録媒体。
  4. 【請求項4】JIS P8138に基づく不透明度が9
    7%以上である請求項1、2または3記載の隠し印刷用
    インクジェット記録媒体。
  5. 【請求項5】隠し印刷用インクジェット記録媒体が、少
    なくとも2枚の基材の間に顔料と接着剤を含有する隠蔽
    層を設けてなる支持体に、顔料と樹脂を含有するインク
    受容層を設けてなる請求項1、2、3、または4記載の
    隠し印刷用インクジェット記録媒体。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3または5記載の隠し印刷
    用インクジェット記録媒体の表面に、裏面の光学濃度と
    の差が0.8以下となる光学濃度でインクジェット記録
    方式により隠し印刷を行い、該印刷部分を隠す層を設け
    てなる隠し印刷物。
  7. 【請求項7】隠し印刷用インクジェット記録媒体の表面
    に、表面印字前の光学濃度との差が0.7以上となる光
    学濃度でインクジェット記録方式により隠し印刷を行
    い、該印刷部分を隠す層を設けてなる請求項6記載の隠
    し印刷物。
  8. 【請求項8】請求項4記載の隠し印刷用インクジェット
    記録媒体の表面に、インクジェット記録方式により隠し
    印刷を行い、該印刷部分を隠す層を設けてなる隠し印刷
    物。
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JP2006116757A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Dainippon Printing Co Ltd インクジェット印刷物

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