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JP3996019B2 - インクジェット用記録シートの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙、フィルム等の記録用シートに付着させ、画像、文字などの記録を行なうものであり、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要などの特徴があり、漢字を含め各種図形およびカラー画像などの記録装置として種々の用途に急速に普及している。その上、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷や多色カラー写真方式による印画と比較して、遜色のない記録を得ることが可能である。また、作成部数が少なくて済む用途においては、写真技術によるよりも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
【0003】
このインクジェット記録方式で使用される記録用シートとしては、通常に印刷や筆記に使われる上質紙やコーテッド紙を使うべく、装置やインク組成の面から努力がなされてきた。しかし、装置の高速化、高精細化あるいはフルカラー化などインクジェット記録装置の性能の向上や用途の拡大に伴い、記録用シートに対しても下記のようなより高度な特性を併せ持つことが要求されるようになった。即ち、
(1)記録ドット濃度、画像濃度が高いこと。
(2)画像色彩性、鮮明性が良いこと。
(3)印字ドット形状が真円に近いこと。
(4)インク吸収性が良いこと。
(5)記録画像の耐水性、耐光性、耐オゾン性などの画像保存性が良いこと。
(6)コートタイプ記録用シートでは、塗工層の接着性が高く、粉落ちが少ないこと、などである。
【0004】
上記のような記録シートにおいて、基紙に関するものとして特開平11−011008号公報に特定のコブサイズ度の基紙にインキ受像層を設けて、水性インクの吸収性、印字後の画像の品質および見栄えを改良する方法が開示されている。
【0005】
また、基紙のサイズ性に関するものとして、特開昭52−053012号公報、同平04−035985号公報に記載されている。この場合、サイズ性をステキヒトサイズ度で規定し、インキドットの広がり、裏抜け防止を目的としている。
【0006】
一般的にインクジェット記録用シートの基紙としては、インクの吸収性、ドットの広がり等を持たせるため、基紙をコブサイズ度、ステキヒトサイズ等で規定し、弱サイズ管理することで品質対応を行っている。
【0007】
このようにインクジェット記録適性を重視して基紙側の設計を行っているが、はがき等に見られるようにインクジェット記録用シートの非インク受容層面に、ペン書きやインクジェット印字で宛名の記載等の記録面として使用する用途がある。この場合、基紙のサイズ性を弱サイズにすると、非インク受容層面にペン書きまたはインクジェット印字で、インクがにじんだり、ドットが広がり印字が不鮮明になったり、甚だしい場合には反対面のインク受容層面にまで印字が写るという問題点があった。一方、基紙のサイズ性を強サイズにすると、非インク受容層面へのインクジェット印字の際、インクがあふれ乾燥しにくくなり、こすれによる画像汚れを生じさせる等の問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、インクジェット記録用シートの非インク受容層面においてインクジェットプリンターでのインク吸収性に優れ、ペン書きにも適したインクジェット用記録シートの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記に鑑み鋭意検討した結果、本発明のインクジェット用記録シートの製造方法を発明するに至った。即ち、木材パルプを主成分とする紙を基紙としてその片面にインク受容層を塗設してなるインクジェット用記録シートの製造方法において、該基紙の非インク受容層側がサイズ液処理されてなり、かつ、吸水度試験方法コッブ法(JIS P8140)を用い接触時間10秒により測定した値で、サイズ液処理前で250〜330g/m2であり、澱粉誘導体および表面サイズ剤からなるサイズ液処理後で10〜20g/m2、好ましくは、サイズプレス工程前で300〜330g/m2に、サイズ液処理後で10〜12g/m2に、かつ、非インク受容層表面のペン書きサイズ度(J.TAPPI No.12)が5以上に制御することを特徴とするインクジェット用記録シートの製造方法である。
【0010】
また、サイズ液処理が抄紙機のサイズプレス工程で行われるインクジェット用記録シートの製造方法である。
【0011】
あるいは、サイズ液処理が非インク受容層側への塗工により行われるインクジェット用記録シートの製造方法である。
【0012】
非インク受容層面へのペン書き適性、インクジェット適性を持たせるためサイズ液処理を行うが、その手段として、抄紙機でのサイズプレス処理による方法や各種塗工機での塗工による方法が挙げられる。
【0013】
抄紙機のサイズプレス工程でサイズ液処理を行う場合には、サイズプレス工程前の紙中水分のふれによりサイズ液の付着量が変動する場合がある。特にインクの打ち込み量の多いインクジェットプリンターで、非インク受容層面に印字すると、サイズ液の付着量が多いめの場合には、インクがにじんだり、ドットが広がり印字が不鮮明になる事がある。逆にサイズ液の付着量が少なめの場合、インクがあふれ乾燥しにくくなる事がある。一方、サイズ液を塗工方式により所定の塗工量で塗布すると、比較的均一にサイズ液を付着できるため、インクの打ち込み量の違いによる印字品位のバラツキを少なくすることができる。
【0014】
また、本発明のインクジェット記録用シートのサイズ液処理後の非インク受容層表面においては、ペン書きサイズ度(J.TAPPI No.12)が5以上であることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のインクジェット記録用シートの製造方法について詳細に説明する。
【0016】
本発明の基紙に用いられるパルプは、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)などの化学パルプ、メカニカルパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミカルサーモメカニカルパルプ(CTMP)などの機械パルプ、竹、アバカ、ケナフ、エスパルト、バガスなどの非木材パルプ、DIPなどの古紙再生パルプなどが用いられる。
【0017】
本発明の基紙に用いられる添加剤には、通常抄紙で用いられる添加剤、例えば、填料(炭酸カルシウム、タルク、カオリン、焼成カオリン、酸化チタン)、内添サイズ剤(ロジン、強化ロジン、変成ロジン、アルケニルコハク酸無水物(ASA)、中性ロジン、アルキルケテンダイマー(AKD))、乾燥紙力増強剤(アクリルアマイド樹脂、変性ポリアクリルアマイド樹脂、カチオニック澱粉、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミド澱粉誘導体、ポリビニルアルコール誘導体)、消泡剤、染料、着色顔料、蛍光剤、湿潤紙力向上剤、濾水性向上剤および歩留まり向上剤を適宜用いることができる。
【0018】
本発明における基紙の製造方法については、長網多筒式、短網多筒式、円網多筒式、長網円網、短網円網などの各種コンビネーション多筒式、オントップ多筒式、ツインワイヤー多筒式などいずれの抄紙機にも限定されない。
【0019】
本発明のサイズ液に用いられる接着剤としては、インク受容層形成用塗工液中に含有される接着剤を用いることができるが、あまり造膜性の良好な接着剤を使用するとインクの溢れが発生するため、比較的造膜性の弱い例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体を用いる。また表面サイズ剤としては、通常抄紙で用いられる表面サイズ剤を接着剤と併用して用い、必要に応じて消泡剤、染料、着色顔料、蛍光剤等を併用する事も可能である。本発明のサイズ液処理におけるサイズ液の付着量は、本発明の効果が発現されるよう適宜選択される。
【0020】
抄紙機のサイズプレス工程でサイズ液処理を行う場合、サイズプレスの方式としては、インクラインド、ゲートロール、シムサイザ−等の各種方式を挙げることができ、何れも使用可能である。また、片面、両面処理のいずれでも使用可能である。
【0021】
本発明のサイズ液処理の方法としては、通常は抄紙機のサイズプレス工程で行われるが、より安定したインクジェット適性を持たせるため、インクジェット受容層形成用塗工液の塗工方式と同様に、エアーナイフ方式、ブレード方式、ロッドバー方式及びカーテン塗工方式が挙げられるが、特に塗工方法にこだわるものではない。
【0022】
本発明のインクジェット記録用シートの製造方法では、インク受容層形成用塗工液中に含有されるものとしては、インク吸収のために用いる顔料、接着剤、カチオン性樹脂、アンモニウム化合物その他これらに添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを適宜配合することもできる。
【0023】
本発明のインク受容層形成用塗工液に用いられる顔料としては、公知の白色顔料を1種類以上用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機顔料などを用いることができる。上述の顔料の中でも、多孔性無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナなどが挙げられ、特に細孔容積の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。また、無機超微粒子を使用することも可能である。無機超微粒子とは、一次粒子径が100nm以下の無機微粒子を言い、例えば、擬ベーマイトゾル、シリカ/アルミナハイブリッドゾル、シリカゾル、ヘクタイト、スメクタイト粘土、ジルコニアゾル、クロミアゾル、イットリアゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾル、ジルコンゾル、酸化アンチモンゾルがある。また、気相法シリカも使用できる。
【0024】
本発明のインク受容層形成用塗工液中に含有される接着剤として用いることができる水性高分子バインダーとしては、例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール、各種変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス;エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス;あるいはこれらの各種共重合体のカルボキシ基などの官能基含有単量体による官能基変性共重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの水性接着剤;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体または共重合体樹脂ラテックス;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどが挙げられる。
【0025】
本発明の基紙の坪量は、特に限定されないが、50〜350g/m2が好ましく、プリンター装置内での搬送性、通紙性等を考慮すると、特に好ましくは、70〜250g/m2である。
【0026】
本発明において、基紙上に設けられるインク受容層の総数および、構成については特に限定されない。つまり、インク受容層を基紙の片面に積層して2層以上設けることも可能である。
【0027】
本発明のインク受容層形成用塗工液の塗工方式としては、エアーナイフ方式、ブレード方式、ロッドバー方式及びカーテン塗工方式等が挙げられ限定されないが、インクジェット印字時のインク吸収ムラを考慮し、好ましくはカーテン塗工方式が望ましい。
【0028】
【実施例】
以下、本発明におけるインクジェット用記録シートの製造方法について、実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」および「%」は、特に明示しない限り固形分あるいは実質成分の質量部及び質量%を示す。
【0029】
実施例1
LBKP90部とNBKP10部の混合パルプをフリーネス500mlcsfになるまで叩解しパルプスラリーを作製した。このパルプスラリーに、填料としてタルク(紙タルク:兵庫タルク製)を10部、定着剤(硫酸バンド:浅田化学製)を1.8部、歩留り向上剤(パールフロックFR−C:星光化学製)0.06部を添加し混合原料とした。この混合原料を水で濃度1%に希釈し、混合原料スラリーとした。このスラリーを用い長網抄紙機にて坪量150.0g/m2の原紙を抄紙した。酸化澱粉(MS−3800:日本食品化工製)を濃度6.0%、及び表面サイズ剤(KN−500:ハリマ化成製)を濃度0.2%で含有するサイズプレス液を用い、インクラインドサイズプレス方式で乾燥付着量が3g/m2になるよう処理、乾燥して基紙を作製した。
【0030】
合成非晶質シリカ(ミズカシルP−78D:水沢化学工業製)100部、珪素変性ポリビニルアルコール(クラレポバールR−1130:クラレ製)30部、ジアリルアミン塩酸塩共重合物(スミレーズレジン1001:住友化学製)30部を水に配合し、塗工液濃度を15%で調製した。前記基紙の片面にこのインク受容層形成用塗工液をカーテン塗工方式により乾燥塗工量が10g/m2になるよう塗工、乾燥して、インクジェット用記録シートを作製した。
【0031】
実施例2
実施例1のサイズプレス液において、表面サイズ剤の濃度を0.5%にした以外は実施例1と同様にして実施例2のインクジェット用記録シートを作製した。
【0032】
実施例3
実施例1のサイズプレス液において、酸化澱粉の濃度を3.0%にした以外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット用記録シートを作製した。
【0033】
実施例4
実施例1のサイズプレス液において、酸化澱粉の濃度を3.0%、表面サイズ剤の濃度を0.5%にした以外は実施例1と同様にして実施例4のインクジェット用記録シートを作製した。
【0034】
実施例5
実施例1の混合原料に、更に内添サイズ剤(コロパールE−5H:星光化学製)を0.3部添加した以外は実施例1と同様にして実施例5のインクジェット用記録シートを作製した。
【0035】
実施例6
実施例1の混合原料に、更に内添サイズ剤(コロパールE−5H:星光化学製)を0.3部添加し、サイズプレス液における表面サイズ剤の濃度を0.5%にした以外は実施例1と同様にして実施例6のインクジェット用記録シートを作製した。
【0036】
実施例7
実施例1の混合原料に、更に内添サイズ剤(コロパールE−5H:星光化学製)を0.3部添加し、サイズプレス液における酸化澱粉の濃度を3.0%にし、このサイズプレス液をインクラインドサイズプレス方式で処理する代わりに、ロッドバーコーターにて基紙の非インク受容層側に乾燥塗工量が3g/m2になるよう塗工、乾燥した以外は実施例1と同様にして実施例7のインクジェット用記録シートを作製した。
【0037】
比較例1
実施例1の混合原料に、更に内添サイズ剤(コロパールE−5H:星光化学製)を0.7部添加した以外は、実施例1と同様にして比較例1のインクジェット用記録シートを作製した。
【0038】
比較例2
実施例1の混合原料に、更に内添サイズ剤(コロパールE−5H:星光化学製)を0.7部添加し、サイズプレス液における表面サイズ剤の濃度を0.5%にした以外は実施例1と同様にして比較例2のインクジェット用記録シートを作製した。
【0039】
比較例3
実施例1の混合原料に、更に内添サイズ剤(コロパールE−5H:星光化学製)を0.7部添加し、サイズプレス液における酸化澱粉の濃度を3.0%にした以外は実施例1と同様にして比較例3のインクジェット用記録シートを作製した。
【0040】
比較例4
実施例1の混合原料に、更に内添サイズ剤(コロパールE−5H:星光化学製)を0.7部添加し、サイズプレス液として、酸化澱粉のみを濃度6.0%で含有するサイズプレス液を用いた以外は実施例1と同様にして比較例4のインクジェット用記録シートを作製した。
【0041】
比較例5
実施例1の混合原料に、更に内添サイズ剤(コロパールE−5H:星光化学製)を0.5部添加した以外は実施例1と同様にして比較例5のインクジェット用記録シートを作製した。
【0042】
比較例6
実施例1の混合原料に、更に内添サイズ剤(コロパールE−5H:星光化学製)を0.3部添加し、サイズプレス液として、酸化澱粉のみを濃度3.0%で含有するサイズプレス液を用いた以外は実施例1と同様にして比較例6のインクジェット用記録シートを作製した。
【0043】
実施例1〜7および比較例1〜6で得られたインクジェット用記録シートの各々の特性であるペン書きサイズ、吸水度試験方法コッブ法によるサイズ性、インク吸収性は以下の方法で評価した。結果を下記表1に示す。
【0044】
ペン書きサイズ度:J.TAPPINo12に基づき非塗工面のにじみを0〜6までの等級で表示した。数値が大きくなるほどニジミが小さくペン書き適性に優れている。インクはQuink:PERMANENT RED INK:THE PARKER PEN COMPANY製を使用した。
【0045】
吸水度試験方法コッブ法によるサイズ性:JIS P8140に基づき接触時間を10秒に変更し行う。この場合水を捨てるまでの時間を5±0.5秒とし、吸い取りを開始するまでの時間を10±1秒とする。このときの吸水度を表記する。
【0046】
印字:BJカラーカードプリンター(P−400C:キャノンアプテクス製)で、インクジェット記録用シートの非塗工面にブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色および、ブラックインクを除く他の3色インクでの2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタパターンを、1cm×1cm四方で横一列に隙間なく並べて記録するという方法でベタ印字を行いこれをインク吸収性の評価に用いた。
【0047】
インク吸収性の評価:平らな机上で、上記印字を行った1秒後に上記BJカラーカードプリンター用純正紙を印字部を上に重ね、更にその上から10cm×5cm角の49Nの重りを乗せ、その状態を10秒間維持する。10秒経過後に重りを取り除き、BJカラーカードプリンター用純正紙への印字部の転写度合いについて目視評価を行い、以下の基準で判定した。
A:全く転写が起こっていない。
B:印字部のごく一部が転写しているが転写部の輪郭ははっきりせず、転写度合いは軽度である。
C:はっきりと転写が見られ、印字部の大部分が転写している。
D:転写が酷く、印字部の全面が転写している。
A、Bがインク吸収性として良好である。
【0048】
【表1】
Figure 0003996019
【0049】
上記、実施例1〜6の評価結果から明らかなように、内添サイズ剤を使用せずサイズ液処理にて吸水度をコントロールした方がペン書き適性およびインク吸収性に効果的となる。また、実施例5〜6および比較例6からは、吸水度をコントロールしないとペン書き適性が悪く、実施例1〜5および比較例1〜3からは、サイズプレス工程後の吸水度が同程度であってもサイズプレス工程前の吸水度の差によりインク吸収性に差がでてくる結果となった。更に、サイズプレス工程前の吸水度が低いことで、サイズプレス液の吸液性に差が生じペン書き適性も悪くなる傾向を示す。実施例1〜7および比較例4〜6からは、サイズプレス工程前の吸水度が250g/m2以上で、サイズプレス工程後で10〜12g/m2でないとペン書き適性、インク吸収性とも満足しない結果となる。実施例1及び7からは、たとえ内添サイズ剤を使用していても、サイズ液処理がコーター塗工による表面処理では、抄紙機サイズプレス工程による処理と同様の特性が得られることがわかる。
【0050】
【発明の効果】
本発明のインクジェット記録用シートは、基紙の片面に少なくとも1層以上のインク受容層を有するインクジェット記録シートの非インク受容層面のサイズ性をコッブ法の接触時間10秒で測定した値を抄紙機のサイズプレス工程前で250〜330g/m2に、サイズ液処理後で10〜20g/m2とすることで、通常のインクジェットプリンターのインク吸収性に優れ、ペン書きサイズ度が5以上でにじみのないインクジェット記録用シートを得ることができる。

Claims (3)

  1. 木材パルプを主成分とする紙を基紙としてその片面にインク受容層を塗設してなるインクジェット用記録シートの製造方法において、該基紙の非インク受容層側がサイズ液処理されてなり、かつ、吸水度試験方法コッブ法(JIS P8140)を用い接触時間10秒により測定した値が、サイズ処理前で250〜330g/m2であり、澱粉誘導体および表面サイズ剤からなるサイズ液処理後で10〜20g/m2 であり、かつ、非インク受容層表面のペン書きサイズ度(J.TAPPI No.12)が5以上に制御することを特徴とするインクジェット用記録シートの製造方法。
  2. サイズ液処理が、抄紙機のサイズプレス工程で行われる請求項1記載のインクジェット用記録シートの製造方法。
  3. サイズ液処理が、該基紙の非インク受容層側への塗工により行われる請求項1記載のインクジェット用記録シートの製造方法。
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