JP4061205B2 - インクジェット記録用紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンターにおける画像再現性に優れ、且つ印刷前の白紙の耐ブロッキング性が良好で、また白色感が高く、耐保存性に優れ、オフセット印刷においても優れた耐刷力を有するインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット方式の画像形成システムは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等の各色のインクが、サーマル方式やピエゾ方式等によってノズルから微小な液滴として吐出され、記録媒体上に付着することにより、画像を形成せしめるものである。インクジェットプリンタは、多色化が容易であり、装置が小型で安価である、少量印刷時のランニングコストが安価である、可変情報の取り扱いが容易であることなどから、パーソナルなカラー画像等の出力装置として広く普及している。反面、多量の印刷には時間が掛かるため不向きである。
【0003】
このインクジェット記録用紙に要求される特性としては、良好な画像再現性、コントラストを得るために、記録用紙自体の白色感が高いこと、発色が鮮やかであること、各色のインクドットが重なって印字された場合のインク同士の混じりによる滲み(以下、境界滲みと略す)が発生しないためにインク吸収速度が速いこと、耐候性に優れること等が挙げられる。また、最近ではインクジェットプリンタの印字速度が年々速くなってきており、複数枚を連続して印字する場合、排紙部において短時間に印字された記録用紙が重なり、印字部のインクが重なった記録用紙の裏面に転移する現象(以下、裏移りと略す)が発生する場合があるため、記録用紙には高いインク吸収性能が求められる。こうした特性、性能を付与するために、支持体上に平均粒径が数μm〜十数μmの合成非晶質シリカ等の多孔性白色顔料とポリビニルアルコール等の水溶性バインダーを主成分とするインク受理層を設けることは一般的に行われており、このようなマットタイプのインクジェット専用紙が広く使用されている。
【0004】
一方、オフセット印刷方式の画像形成システムは、親油性の画線部と親水性の非画線部から成る刷版に、水棒を介して非画線部に湿し水が付き、その後インキ壺からインキが刷版の画線部に付き、刷版上の湿し水とインキはブランケットに転写され、更に記録媒体上に転写されることにより、画像を形成せしめるものである。4色のインキを使用して一度にカラー画像を形成させる場合は、上記の水棒、インキ壺、刷版、ブランケットからなるユニットを4台有する印刷機を使用する。オフセット印刷は、装置は高価であるが、固定情報を多量に且つ非常に高速に出力するのに適しており、多量に印刷する場合は、1枚当りの単価は安価となり、商業印刷において広く使用されている。反面、少部数印刷や可変情報の取り扱いには不向きである。
【0005】
このオフセット印刷用紙に要求される適性としては、印刷時に紙剥けが生じてブランケットを汚すことがないように表面強度が強いこと、インキの受理性に優れること、画像を形成するインキの網点の再現性に優れること、給紙不良が発生しないようにブロッキングしていないこと、等が挙げられる。こうした特性を付与するために、支持体上にカオリン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、酸化チタン、プラスチックピグメント等の白色顔料とスチレン−ブタジエン共重合体等の水性バインダーから成る塗工層を設けることは一般に行われており、このような塗工紙が広く使用されている。
【0006】
固定情報を多量に取り扱うのに適したオフセット印刷と、可変情報の取り扱いに適したインクジェット印刷を組み合わせることにより、新たな用途の広がりが期待されている。オフセット印刷を施した用紙に、インクジェットプリンタで文字、図柄、写真等を付け加えたりすることが可能となり、メニュー、名刺、名札、カレンダー、葉書等の用途に使用できる。こうした、オフセット印刷適性を兼ね備えた印字品質の良好なインクジェット記録用紙が求められている。
【0007】
しかしながら、インクジェット専用紙は、良質な印字品質を付与するために、支持体上に多孔性白色顔料とバインダーを主成分とするインク受理層を設けてあり、このようなインクジェット専用紙にオフセット印刷を行うと、インク受容層の表面強度の不足により顔料が脱落し、オフセット印刷のブランケットを汚すこととなり、画像の再現性を低下させてしまう。表面強度を向上させる為にバインダーを増加すると、インクの吸収性能が低下し、境界滲みが発生したり、紙同士が接着するブロッキングの問題を生じる。そこで、インク吸収性能を上げるためにインク受容層の塗工量を増すと、インク受容層の表面強度が低下してしまう。また、通常オフセット印刷に使用される用紙は、インクジェットプリンタのインクの吸収性能が劣るため、インクジェットプリンタで印字するとフェザリング、境界滲み、裏移り等の問題を生じる。
【0008】
インクジェット記録用紙の白色感を高めることは、記録用紙としての外観上の見栄え、インクジェットプリンターまたはオフセット印刷した場合の画像のコントラストの点から有効な手段である。白色感を高める方法として、蛍光増白剤をインク受理層に多量に配合することが提案されている(例えば特許文献1)。記録用紙の白色感は高くなるが、インク受理層中の蛍光増白剤の添加量が増すに従い、インク受理層の表面強度が低下してしまうといった問題や、また、退色による保存性も悪化するといった問題を生じる。
【0009】
オフセット適性を兼ね備えたインクジェット記録用紙を製造する方法として、支持体上にカチオン樹脂を塗布する方法が提案されている(例えば特許文献2、特許文献3)。支持体上にカチオン樹脂を塗布する提案が開示されているが、支持体上に多孔性顔料を含む記録層が無いため、これらのインクジェット適性はインクジェット専用紙に比較して大きく劣ってしまう。また、基材上のインク受理層中の微粒子シリカの固形分重量Fとバインダー樹脂の固形分重量Rの比F/Rを2〜7にする提案が開示されている(例えば特許文献4)。F/Rが2以上ではインク受容層の表面強度が不足であり、オフセット印刷には耐えられない。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−2101号公報(0006〜0007)
【特許文献2】
特開平8−282094号公報(0004〜0008)
【特許文献3】
特開2001−64893号公報(0016〜0020)
【特許文献4】
特開2001−301316号公報(0009〜0010)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、インクジェットプリンターの適性を高いレベルで備え、且つオフセット印刷適性にも優れる複合的専用紙は未だ存在しない。本発明は、インクジェット印刷においてインク吸収性、画像再現性、コントラストに優れ、且つ印刷前の白紙の耐ブロッキング性が良好で、また白色感が高く、耐保存性に優れ、オフセット印刷においても優れた耐刷力を有するインクジェット記録用紙を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等はインクジェット記録用紙について、鋭意検討した結果、中性紙から成る支持体上の記録層中にアニオン性の蛍光染料を1重量部以下含有させ、且つバインダーを55〜80重量部含有させることにより、本発明の目的を達成できることを見出した。
【0013】
即ち、本発明は、中性紙から成る支持体上の少なくとも片面に、シリカを主体とした顔料とバインダーを主成分とする1層以上の記録層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該記録層中にアニオン性蛍光増白剤を該顔料100重量部に対して1重量部以下含有し、且つ該バインダーの部数が該顔料100重量部に対して55〜80重量部であることを特徴とするインクジェット記録用紙に関する。
本発明の有利な実施態様の一つは、記録層の塗工量が片面当り絶乾重量として6〜15gm2であるインクジェット記録用紙である。
別の有利な実施態様の一つは、支持体が多層抄き合せから成るインクジェット記録用紙である。
また、オフセット印刷に対して優れた適性を有するインクジェット記録用紙も本発明の有利な実施態様の一つである。
【0014】
以下に、本発明のインクジェット記録用紙について詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録用紙は、中性紙からなる支持体上のシリカを主体とした顔料とバインダーを主成分とした記録層中に、アニオン性蛍光増白剤を特定量含有させ、且つバインダーを特定の範囲に収めることにより、優れたインクジェット適性を有しながら、オフセット印刷適性を有するインクジェット記録用紙である。
【0015】
本発明の重要なポイントは、各種存在する蛍光増白剤の中でも、アニオン性蛍光増白剤に特定し、その含有量を顔料100重量部に対して1重量部以下という低添加率に抑えること、且つバインダーを顔料100重量部に対して55〜80重量部の範囲に収めることにある。シリカを主体とした顔料を有する記録層中に蛍光増白剤を含有させる場合、各種蛍光増白剤の中でも、アニオン性蛍光増白剤は増白効果が高く、少量添加でも充分な増白効果が得られ、添加率を1重量部以下に抑えることにより、増白効果と記録層の表面強度の低下防止を両立出来ることを発見し、そして、バインダーを55〜80重量部の範囲に収めることにより、優れたインクジェット適性と優れたオフセット印刷適性が得られることを見出した。アニオン性以外の蛍光増白剤、例えばカチオン性蛍光増白剤を用いると、アニオン性蛍光増白剤1重量部に比較して、5倍程度の蛍光増白剤で、増白効果が同等であり、更に添加量を増しても増白効果は頭打ちとなり、またこのように蛍光増白剤を多量に添加すると、蛍光増白剤自体の着色、耐保存性の低下、インク吸収性能の低下、記録層の表面強度の低下といった問題が生ずる。
【0016】
アニオン性蛍光増白剤の部数が1重量部以下であっても、バインダー部数が55重量部以下であると、やはりオフセット印刷に充分な表面強度を得られない。また、アニオン性蛍光増白剤の部数が1重量部以下であっても、バインダー部数が80重量部以上であると、インクの吸収性能が低下し、境界滲みが発生したり、印刷前の白紙のブロッキングが生じる。アニオン性蛍光増白剤の部数が0.01重量部以下では増白効果が弱いため、アニオン性蛍光増白剤の部数は、顔料100重量部に対して好ましくは0.01〜1重量部、特に好ましくは0.01〜0.5重量部が良い。
【0017】
本発明に用いる支持体は、中性紙であることが好ましい。pHの低い酸性紙であると、長期保存時に黄変化し易く、耐保存性が劣る。支持体の冷水抽出pHは、好ましくは5〜9の範囲が良い。また、中性紙は、填料の主体を成す炭酸カルシウムにより高白色度の記録用紙を容易に得られ、良好なコントラストが得られる。
【0018】
本発明に用いる支持体は、主にL−BKP(広葉樹晒クラフトパルプ)等のパルプと炭酸カルシウムを主とする填料を主成分として構成される。パルプとしては前記L−BKPの他に、例えば、N−BLP(針葉樹晒クラフトパルプ)、古紙パルプ、TMP(サーモメカニカルパルプ)、CTMP(ケミカルサーモメカニカルパルプ)、ケナフ、バガス、竹、コットン等の天然繊維、ポリエステル等の合成繊維、ガラス等の無機繊維を用いることができる。填料としては、前記炭酸カルシウムの他に、例えば、カオリン、タルク、二酸化チタン等を用いることができる。必要に応じて、サイズ剤、歩留り向上剤、紙力増強剤、着色染料、着色顔料、蛍光染料、バンド、湿潤紙力剤、柔軟剤等を適宜選定して添加し、長網抄紙機、丸網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、オントップワイヤー抄紙機等を用いて、単層または抄き合わせで原紙を製造できる。原紙の地合を良化し、均一な塗工層を構成する上で、抄き合わせが好ましい。該原紙に、澱粉、ポリビニールアルコール、ポリアクリルアミド、サイズ剤、定着剤、耐水化剤、架橋剤等を適宜選定して、サイズプレスまたはゲートロール層を設けても良い。
【0019】
本発明に用いられる記録層中のアニオン性蛍光増白剤は、例えば、フルオレスセント−271、ビストリアジニルアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、フルオレスセント−166、フルオレスセント−87を用いることが出来る。中でも、蛍光強度発現に優れるフルオレスセント−271、ビストリアジニルアミノスチルベンジスルホン酸誘導体が好ましい。
【0020】
本発明に用いられる記録層中の顔料は、合成シリカを主体とする。合成シリカとしては、平均粒子径1〜20μmの多孔質シリカが用いられる。必要に応じて、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、二酸化チタン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪藻土、コロイダルシリカ、アルミナ、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、サチンホワイト、水酸化アルミニウム、珪酸リチウムなどの無機顔料やアクリル/メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ブタジエン系樹脂、シリコン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の単体または共重合体からなる球状あるいは不定形の有機顔料を用いることができる。
【0021】
本発明に用いられる記録層中のバインダーは、例えば、ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、でんぷん、変性でんぷん、大豆蛋白、アルギン酸ソーダ、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、カゼイン、ゼラチン、テルペン、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル系重合体、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、変性スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタアクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、アクリル−酢酸ビニル共重合体、でんぷん−アクリロニトリルグラフトポリマー等が挙げられ、1種類以上で用いられる。
【0022】
記録層に用いる塗工液には、必要に応じて顔料分散剤、消泡剤、pH調整剤、潤滑剤、湿潤剤、離型剤、保水剤、増粘剤、界面活性剤、防腐剤、柔軟剤、ワックス、導電防止剤、帯電防止剤、サイズ剤、耐水化剤、染料固着剤、可塑剤、着色顔料、着色染料、流動改良剤、印刷適性向上剤、還元剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、香料、脱臭剤等を適宜選定して添加することができる。また例えばシリカスラリーに含有させる、あるいはバインダーに含有させる等、これらを添加する場所、方法については限定されない。
【0023】
本発明の記録層の塗工量は、片面当り絶乾重量として6〜15g/m2であることが好ましい。塗工量が6g/m2より少ない場合には、インクジェット印刷においては、インク吸収容量の不足によりインクの溢れ、滲み、発色ムラ等を生じる。塗工量が15g/m2より多い場合には、塗工層強度が低下し、
塗工層が脱落することによりプリンタ内部やオフセット印刷の版を汚すことになる。またインクジェット印刷時にはドット径が小さすぎるために発色濃度の低下を招く。
【0024】
記録層は、上記ようにして調製された塗工液を一般の塗工機、例えば、ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター、チャンブレックスコーターなどによってオフマシンあるいはオンマシンで、支持体上の少なくとも片面に単層あるいは多層塗工する。
【0025】
塗工後の乾燥方式としては熱風乾燥、赤外乾燥、ドラム乾燥等が挙げられるが、本発明においては特に限定されるものではない。
【0026】
また、塗工層の乾燥後に、必要に応じてマシンカレンダー、スーパカレンダー、ソフトカレンダー等の処理を行っても良い。本発明においては、方式は特に限定されるものではない。
【0027】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」及び「%」は特に断らない限り「重量部」及び「重量%」を示す。
【0028】
<支持体の作成>
支持体1(中性紙):L−BKP80部(濾水度500mlcsf)、N−BKP20部(濾水度500mlcsf)のパルプに、パルプに対し、カチオン澱粉1.0%、軽質炭酸カルシウム5%、中性ロジンサイズ剤0.25%を添加し調製した紙料を丸網多筒式抄紙機で抄紙し、サイズプレスにて、酸化澱粉の糊液を固形分換算2g/m2(両面)付着させ、米坪180g/m2の原紙を作成した。
支持体2(酸性紙):L−BKP80部(濾水度500mlcsf)、N−BKP20部(濾水度500mlcsf)のパルプに、パルプに対し、カチオン澱粉1.0%、タルク5%、ロジンサイズ剤0.1%、硫酸バンド0.5%を添加し調製した紙料を丸網多筒式抄紙機で抄紙し、サイズプレスにて、酸化澱粉の糊液を固形分換算2g/m2(両面)付着させ、米坪180g/m2の原紙を作成した。
実施例1:
<記録層用塗工液の調製>合成シリカ(商品名:サイロジェットP409、グレースデビソン製)100部に、pH調整剤として酢酸0.2部を添加し、カウレス分散機で20%の顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにポリビニルアルコール25部(商品名:PVA−117、クラレ製)とエチレン酢酸ビニル共重合体40部(商品名:スミカフレックス450、住友化学製)及び染料固着剤10部(商品名:SR1001、住友化学製)、アニオン性蛍光増白剤0.5部(商品名:ハッコールPHNL、昭和化学製)を添加・攪拌し、さらに水を添加し、固形分濃度が18%の塗工液を得た。
<記録層の形成>得られた塗工液を、上記の支持体1に片面乾燥塗工量が10g/m2となるようにエアナイフコーターで塗工し、エアドライヤーで熱風乾燥した。さらに、マシンカレンダーを用いて線圧40kg/cm、30℃、1ニップ1パスの条件で表面処理を行った。
【0029】
実施例2:
アニオン性蛍光増白剤を0.01部とした以外は、実施例1に準ずる。
【0030】
実施例3:
アニオン性蛍光増白剤を1部とした以外は、実施例1に準ずる。
【0031】
実施例4:
ポリビニルアルコールを20部、エチレン酢酸ビニルを35部とした以外は、実施例1に準ずる。
【0032】
実施例5:
ポリビニルアルコールを25部、エチレン酢酸ビニルを55部とした以外は、実施例1に準ずる。
【0033】
比較例1:
アニオン性蛍光増白剤を2部とした以外は、実施例1に準ずる。
【0034】
比較例2:
アニオン性蛍光増白剤を2部、ポリビニルアルコールを25部、エチレン酢酸ビニルを58部とした以外は、実施例1に準ずる。
【0035】
比較例3:
アニオン性蛍光増白剤を0.01部、ポリビニルアルコールを20部、エチレン酢酸ビニルを30部とした以外は、実施例1に準ずる。
【0036】
比較例4:
アニオン性蛍光増白剤を0.01部、ポリビニルアルコールを25部、エチレン酢酸ビニルを58部とした以外は、実施例1に準ずる。
【0037】
比較例5:
アニオン性蛍光増白剤を0.01部、ポリビニルアルコールを25部、エチレン酢酸ビニルを58部、片面乾燥塗工量を17g/m2とした以外は、実施例1に準ずる。
【0038】
比較例6:
カチオン性蛍光増白剤(ミカホワイトMTSconc、三菱化学製)を5部とした以外は、実施例1に準ずる。
【0039】
比較例7:
カチオン性蛍光増白剤を1部とした以外は、実施例1に準ずる。
【0040】
比較例8:
片面乾燥塗工量を4g/m2とした以外は、実施例1に準ずる。
【0041】
比較例9:
片面乾燥塗工量を17g/m2とした以外は、実施例1に準ずる。
【0042】
比較例10:
支持体2を用いた以外は、実施例1に準ずる。
【0043】
評価方法:
以上の実施例1〜5び比較例1〜10において得られたインクジェット記録用紙についての評価結果を表1に示す。尚、表1に記載した評価の方法を以下に記す。
【0044】
耐ブロッキング性:
10cm×10cmに断裁した記録用紙同士を重ね合わせ、3000kg/m2の荷重をかけて、40℃60%RHの環境下に72時間放置した。その後、重ね合わせた記録用紙を引き剥がす時の最大荷重を測定した。
◎‥0〜20g、○‥20〜40g、△‥40〜60g、×‥60g以上
【0045】
視感白度:
記録シートを目視により観察し、白さを4段階で評価した。(良い順に◎、○(実用レベル)、△(実用下限を割るレベル、×とした。)
【0046】
耐保存性(耐熱性):
記録用紙を70℃に制御した乾燥機中に96時間放置した。加熱前後の蛍光強度と白色度の残存率を求め、両者の残存率の平均値から耐熱性を評価した。蛍光強度の測定には、日本電色工業社製 測色計Z−1001DPを用いた。白色度の測定には、東洋精機製 ハンター白色度計を用いた。残存率は次の計算式を適用した。
残存率=(加熱前測定値―加熱後測定値)/加熱前測定値×100
評価基準は、◎‥100〜97%、○‥97〜94%(実用レベル)、△‥94〜91%
(実用下限を割るレベル)、×‥91〜88%以下(実用に適さない)。
【0047】
インクジェットインク吸収性:
市販のインクジェットプリンター(PM−880C、エプソン社製)を用いて、イエローインクのベタ部に、ブラックインクを重ね印字し、境界にじみの程度によりインク吸収性を評価した。
◎‥全くにじみが無い、○‥僅かににじむ(実用レベル)、△‥多少にじむ(実用下限を割るレベル)、×‥かなりにじむ(実用に適さない)。
【0048】
インクジェット画像再現性:
市販のインクジェットプリンター(PM−830C、エプソン社製)を用いて、写真画像を印刷した。画像細部の潰れ、発色の鮮やかさを目視観察してインクジェット画像再現性を評価した。
◎‥優れている、○‥良い(実用レベル)、△‥やや劣る(実用下限を割るレベル)、×‥劣る(実用に適さない)
【0049】
オフセット印刷耐刷力:
軽オフセット印刷2色機(リョービ)を用いて、印刷速度は8000枚/時、インキはNインキ(バリウスG DIC製)、コンパウンド2%添加の条件で、5000枚印刷時の耐刷力を評価した。
◎…優れている、○…良い(実用レベル)、△…やや劣る(実用下限を割るレベル)、×…劣る(実用に適さない)
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】
実施例1〜5と比較例1〜10を比較すると明らかなように、中性紙から成る支持体上に、アニオン性蛍光増白剤を1重量部以下含有させ、且つバインダーを55〜80重量部含有させた塗工液を塗工することにより、インクジェット印刷においてインク吸収性、画像再現性、コントラストに優れ、且つ印刷前の白紙の耐ブロッキング性が良好で、また白色感が高く、耐保存性に優れ、オフセット印刷においても優れた耐刷力を有するインクジェット記録用紙が得ることが出来た。
Claims (3)
- 中性紙から成る支持体上の少なくとも片面に、シリカを主体とした顔料とバインダーを主成分とする記録層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該記録層中にアニオン性蛍光増白剤を該顔料100重量部に対して0.01〜1重量部含有し、且つ該バインダーの部数が該顔料100重量部に対して55〜80重量部であることを特徴とする、インクジェット記録用紙。
- 上記記録層の塗工量が片面当り絶乾重量として6〜15g/m2である、請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
- オフセット印刷に使用される、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙。
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