ホンダがアメリカで「Motocompacto(モトコンパクト)」を発表した。1981年のMOTOCOMPO(モトコンポ)と同じように折り畳み式のボディを採用した電動バイクは、キャリーケースとして持ち運び可能だ。

最高速24km/h、航続距離19km、充電3.5時間、車重18kg

ラストワンマイルの交通手段としてホンダがアメリカで開発したのが「Motocompacto(モトコンパクト)」。市街地や大学のキャンパスでの移動などを想定しており、エンジンではなく電動としているのがモトコンポとの大きな違いで、車重はわずか18kgしかない。

モトコンポのように折りたためるだけでなく、キャリーケースのように持ち運べるようキャリーハンドルを装備。また、積み重ねることもできるので、公共交通機関への持ち込みも可能としている。クルマに車載するモトコンポからより利便性が高まっているだろう。

モトコンパクトはクッション性の高いシート、滑りにくいステップ、デジタルスピードメーター、充電器などを備えて快適性や利便性に配慮。さらに、スマートフォンアプリを使用すると、ライダーはBluetooth経由でヘッドライトや走行モードなどの設定を調整できるという。

性能面は、最高速は15MPH(約24km/h)、航続距離は12マイル(約19km)、充電は3.5時間と発表されており、日本の電動アシスト自転車や特定小型原付に近いスペックとなっている。アメリカでは11月に1000ドル(約14万7000円)以下で発売とされるが、日本への導入については不明。続報が入り次第お伝えしたい。

Motocompacto(モトコンパクト) [HONDA] ホンダがアメリカで発表した新型電動バイク。最高出力は490W(0.66PS)と原付バイクよりも自転車に近い乗り物。可搬重量は約120kgだ。

バイクには珍しい前輪駆動を採用、最高速24km/hには7秒で到達する。リアにはドラムブレーキを備える。ホイールベースは29.2インチ(約74cm)というコンパクトさで小回りがききそうだ。

モトコンポに比べると薄く平べったいスマホ型のスタイル。シンプルなボディはラッピング等のカスタムに対応したデザイン。サドルは取り外してボディに収容する。

フレームはアンダーボーンタイプになっており、バッテリーは内蔵式と思われる。アルミ製の前後ホイールサイズは不明だがかなりコンパクト。サスペンションは見当たらない。

ハンドルを折りたたむと上部にキャリーハンドルが出現しキャリケース状になる。リアタイヤはボディ側に入り込むようになっており、ハンドルはステムを短縮してボディに収める。

ボディの幅はわずか93mmしかなく、上から見ると超スリムだ。シートやハンドルグリップはレザー調で落ち着きある風合い。ブレーキレバーは左側のみとなっている。

ヘッドライト(左)の下には充電用のコネクター差し込み口がある。リア(右)にはテールライトもしくは反射鏡のようなものが設置されている。

メーターは自転車のようなコンパクトな表示窓で電池残量などを表示。「1」「2」と数字が振ってあるのは、モード切替のようにも見える。

サドルの台座部分。自転車ではスプリングが装着されている部分だが見当たらず。「クッション性の高いシート」とされるので、衝撃が吸収される装置になっているのかも知れない。

車両の各種調整はスマートホンアプリで設定できるようになっている。近日中とされるリリース後にはその他の機能も明らかになるだろう。

2011年のモーターコンポを経てついにモトコンポ復活

ホンダは、2011年にモトコンポの電動版であるモーターコンポを東京モーターショーに展示していた。『二輪車の手軽で便利な機動性に加え、「乗らないときでも使える」ことを目指した、コンパクトなEVコミューター。「MICRO COMMUTER CONCEPT」にも搭載可能』と解説された。

そして、1981年発売されたオリジナルのモトコンポは、シティのトランクスペースにピッタリはまる「トランクバイク」として発売された50ccの折り畳み可能なコミューター。クルマのシティは大ヒットしたが、残念ながらモトコンポの販売は振るわなかった。

ともに車載をセールスポイントに折り畳み機能を持たせたバイクとなるが、今回のモトコンパクトは「車載」以上の汎用性を打ち出しているのがポイント。アメリカで普及すれば、今後世界展開されることもあるかも知れない。

MOTOR COMPO(モーターコンポ)[HONDA] モトコンポを電動にした現代版でコンセプトモデルではあるが、モーターショーでは実際に走行させる演出も行われた。

モーターショーに同時出品された4輪の「MICRO COMMUTER CONCEPT(マイクロコミューターコンセプト)」に車載している様子。シティとモトコンポで普及しなかった6輪コラボを電動で再現している。

モトコンポ [HONDA] 1981年にホンダが発売した50ccコミューター。ロードパルSの2段オートマを採用し運転も簡単だった。モンキーやダックスの折り畳んで車載できるコンセプトを受け継いだモデルだ。

Motocompacto(モトコンパクト)米国仕様主要諸元

・全長×全幅×全高:967.74×436.88×889mm(展開時)
・全長×全幅×全高:741.68×93.98×535.94mm(折り畳み時)
・ホイールベース:741.68mm
・シート高:622.3mm
・車重:18.73kg
・モーター:永久磁石
・最高出力:490W(0.66PS)
・最大トルク:1.63kg-m
・バッテリー容量:6.8Ah
・充電時間:3.5時間
・航続距離:最大19.31km
・価格:1000ドル以下(約14万7000円以下)

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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    いいね!モトコンポみたくプリティなデザインを希望。デザインがちょっとつまらない

  2. 匿名 より:

    そこそこ都会のワンルーム一人暮らしに良い可能性
    収納式ヘルメットも欲しい

  3. 匿名 より:

    いや。コメント主たちはどうせ変わんだろ。1000ドル近いんだぞ!?

  4. 匿名 より:

    最初は、おっと思ったが
    ただ単に、電動バイクを箱型にしただけでは?
    カウルの必要性を感じない。重くなるだけ。

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