「50歳近いおじさんがスタートアップだなんて、どうかしてるって娘たちが笑うんだ」と1970年生まれのオラン・ドロール(49)は苦笑する。「うちの子供たちも似たような反応だ」と隣に立つイラン・ウェイツマン(50)があいづちを打つ。 夕暮れのエルサレム市街。談笑する男たちの後ろを、鈍いシルバーに塗装されたトラム(路面電車)が走り抜けていく。 「交通分野の起業家には辛抱強さが必要だ。ベンチャーキャピタルから派手に資金を調達して、2〜3年でIPO(新規株式公開)を目指すような若者向きの世界ではない。頭の固い政府の役人を説得するのは泥臭い仕事だし、10年以上先まで考えるロングタームの思考が必要だ」 そう話すドロールがCEOを務めるAxilion(アクシリオン)は道路の混雑状況をリアルタイムで把握し、一般車両に混じって走るトラムやBRT(バス高速輸送システム)を優先し、渋滞を緩和するソリューションを都