「東住吉冤罪事件」の背景にあるめぐみさん(当時11)への性的虐待。「女性の権利を守る発信基地」をうたう弁護士事務所の乗井弥生弁護士は、なぜ虐待を働いていたBさんの弁護を引き受けたのか。その理由を尋ねると、警察への怒りを語った。(全2回の2回目/#1より続く) ◆ ◆ ◆ 捜査の最初のボタンの掛け違えは、火事の原因がわからないことだったのだろうと、乗井弁護士は推測する。そこに保険金の請求があった。母親の青木さんが受取人。でも青木さんは状況から火をつけられない。だから2人が共謀し、Bさんが火をつけたんだろう、となる。だが保険金と言っても以前から入っていた学資保険だった。火事でいろんなものを失くしてお金もない人が、保険金を請求しても何もおかしくはないと、乗井弁護士は指摘する。 「警察は2人の共謀による犯行というストーリーを無理矢理作ったとしか思えません。調書では、火を付けた後どうするか、弁解をど