かつて、キュービー(旧STAR DSL)というベンチャー企業があった。名門として知られる私立麻布高校の同級生二人が創設した会社である。 その名前には、懐かしく思い出す人もいるだろう。ネットバブルの末期、ADSLを使った映像配信サービスに取り組んだベンチャー企業である。同社が計画していた「レンタルビデオ・オンライン」は、テレビに接続できるセットトップボックスをブロードバンドユーザーに月額800円でレンタルし、映画などのコンテンツを「1泊2日」や「7泊8日」で視聴してもらうというサービスだった。 コンシューマ向けのADSL接続サービスは、が東京都心部などでスタートしたのは、1999年。ネットバブルの真っ盛りである。ISDNからFTTHへのゆるやかな移行を目論んでいたNTTの激しい抵抗もあり、アナログ回線を使うADSLは当初はなかなか普及しなかった。だが2001年にYahoo!BBが超低価格AD