今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔11月28日号掲載〕 ヨーロッパから見て、日本は退屈で単調な国だというイメージはいまだに根強い。しかしそれを一掃する方法をついに見つけた──阿波踊りだ。 私と阿波踊りとの出会いは偶然だった。10年前に電車で東京の高円寺駅を通ったときのこと。私は信じ難いほど素晴らしいものを発見し、感動に打ち震えた。 阿波踊りは人気がある上に、とても洗練されている。高円寺の祭りは毎年1万人、発祥の地である徳島では10万人が参加する。多くの人が本番に向けて、毎日のように笛や太鼓、三味線、そしてもちろん踊りの練習に励む。 阿波踊りは日本のアイデンティティーを何よりも明快に物語る。スカイツリーはドバイやサンフランシスコに立っていてもおかしくないが、阿波踊りは日本にしかない。リオのカーニバルに次ぐ世界屈指の「ミュージカルショー」なのに、海外でほとんど知られていないことが不思議な